説明

可搬便器及びこれに用いられる脚体

【課題】介助者が便器外郭体の側方から可搬便器に近づいた時に、足が接地板に接触することを防止でき、しかも介助者が被介助者を安定して支持できる可搬便器を提供する。
【解決手段】汚物受け3を収納する便器外郭体5を備える。便器外郭体5の両側に設けた脚体11を備える。各脚体11の下端部に設けた接地板19に外側方に向けて開口する足入用凹所55を形成する。足入用凹所55を便器外郭体5の外側面よりも内側に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は主に介護用に用いられる可搬便器及びこれに用いられる脚体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すような椅子型の可搬便器が利用されている。この可搬便器には汚物受けを収納する便器外郭体の両側に脚体を設けている。各脚体の下端部には床面に接地される接地板を設けてあり、接地板は便器外郭体を安定して支持するために、左右方向の外側端部を便器外郭体の外側面よりも外側方に突出している。
【0003】
ところで老人や身体障害者等が便座に着座・離座する際には介助が必要となり、この場合、介助者は被介助者を安定して支持するために被介助者が着座する可搬便器の側方の可搬便器にできるだけ近い位置に立つ必要がある。
【0004】
しかし上記特許文献1に示す可搬便器にあっては、脚体の接地板を便器外郭体よりも外側に突出しているので、介助者が可搬便器の側方から近づいた時に足が接地板に当たる恐れがある。また介助者が可搬便器にできるだけ近づくには接地板上に足を載せる必要があり、この場合は安定した介助姿勢を維持することが困難となる。
【特許文献1】特開2006−87725号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記従来の問題点に鑑みて発明したものであって、介助者が便器外郭体の側方から可搬便器に近づいた時に、足が接地板に接触することを防止でき、しかも介助者が被介助者を安定して支持できる可搬便器を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明の可搬便器は、汚物受け3を収納する便器外郭体5と、便器外郭体5の両側に設けた脚体11を備え、各脚体11の下端部に設けた接地板19に外側方に向けて開口する足入用凹所55を形成し、該足入用凹所55を便器外郭体5の外側面よりも内側に形成して成ることを特徴とする。このように各脚体11の接地板19に形成した足入用凹所55を便器外郭体5の外側面よりも内側に形成することで、介助者が便器外郭体5の側方から可搬便器1に近づいた時には、便器外郭体5の内側に位置する足入用凹所55内に足を入れて足が接地板19に接触することを防止できる。また介助者は足入用凹所55の内側に露出した床面上に足を置いて可搬便器1に近い位置に立つことができる。
【0007】
また便器外郭体5の両側に肘掛け体12を設け、各肘掛け体12の外側端を便器外郭体5の外側面と面一又は便器外郭体5の外側面よりも外側方に配置し、前記接地板19の外側端部を肘掛け体12よりも外側方に突出することも好ましい。この場合、接地板19の床面との接触面積を充分に確保できる。
【0008】
また各脚体11を、便器外郭体5に垂設した脚18と、脚18の下端部に設けた接地板19とで構成し、各脚体11の脚18にねじ孔56を上下方向に複数並設すると共に、便器外郭体5の外側面を構成する両側の側板13、13にボルト挿通孔58a、58bを穿設し、ボルト挿通孔58a、58bに挿通したボルト61を前記上下複数のねじ孔56のうち任意のねじ孔56に螺合することで、脚体11を便器外郭体5に対して高さ調節自在に取り付けることも好ましい。簡単な構成により脚体11を便器外郭体5に対して高さ調節自在に取り付けることができる。
【0009】
また前記各脚体11は、接地板19の前部及び後部に立設した脚18を備えると共に各脚18にねじ孔56を上下方向に複数並設したものであり、便器外郭体5は、外側面を構成する両側の側板13の前部及び後部に穿設したボルト挿通孔58a、58bと、両側の側板13の内面において平面視で前記前側のボルト挿通孔58aに対応する箇所から突出した水平断面L字状のガイド片62と、各ガイド片62と便器外郭体5の側板13との間に形成した前方に開口するガイド溝63と、便器外郭体5の両側の側板13の後部間に架設した桟17と、該桟17の平面視で前記後側のボルト挿通孔58bに対応する箇所に穿設したガイド孔64を備え、前記各脚体11の前側の脚18をガイド溝63に上下方向に移動自在に挿通すると共に、後側の脚18をガイド孔64に上下方向に移動自在に挿通し、便器外郭体5の両側の側板13の前後のボルト挿通孔58a、58bに挿通した各ボルト61を対応する脚18のねじ孔56のうち任意のねじ孔56に螺合することで、各脚体11を便器外郭体5に対して高さ調節自在に取り付けることも好ましい。このように各脚体11の前側及び後側の脚18を便器外郭体5に設けたガイド溝63及びガイド孔64の夫々に上下方向に移動自在に挿通することで、各脚体11で前後方向及び左右方向にがたつきなく便器外郭体5を安定して支持でき、またガイド溝63及びガイド孔64を各脚体11の高さ調節をする際のガイドとして利用できる。
【0010】
また本発明の脚体は、上記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の可搬便器1が有する脚体11である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明では、介助者が便器外郭体の側方から可搬便器に近づいた時には、足入用凹所内に足を入れて足が接地板に接触することを防止でき、また介助者は足入用凹所の内側に足を置いて可搬便器に近い位置に立つことができ、これにより安定した介助姿勢を維持できて被介助者を安定して支持できる。
【0012】
また請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明の効果に加えて、接地板の床面との接触面積を充分に確保でき、脚体で便器外郭体を安定して支持できる。
【0013】
また請求項3に係る発明では、請求項1又は請求項2に係る発明の効果に加えて、簡単な構成により便器外郭体の高さを使用者の体格に合わせて変更可能となる。
【0014】
また請求項4に係る発明では、請求項3に係る発明の効果に加えて、各脚体の前側及び後側の脚を便器外郭体に設けたガイド溝及びガイド孔の夫々に上下方向に移動自在に挿通することで、各脚体で前後方向及び左右方向にがたつくことなく便器外郭体を安定して支持でき、またガイド溝及びガイド孔を各脚体の高さ調節をする際のガイドとして利用でき、便器外郭体の高さ調節を容易に行える。
【0015】
また請求項5に係る発明では、上記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の可搬便器が有する脚体を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の可搬便器を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。なお以下では、用を足す時に可搬便器1の便座2に着座した被介助者となる人を基準として、該被介助者から見て前側を前方、後側を後方として説明する。
【0017】
本実施形態の一例の可搬便器1は椅子型で、図1乃至4に示すように便器外郭体5、脚体11、肘掛け体12を有する椅子構造体4と、便器外郭体5内に形成した上方に開口する収納部6に収納される汚水受け7と、汚水受け7に収納される排泄物容器8と、局部洗浄装置9と、便座2と、タンク受け10を備えており、汚水受け7と排泄物容器8とで汚物受け3を構成している。
【0018】
椅子構造体4は木製であり、汚水受け7、排泄物容器8、タンク受け10はポリプロピレン樹脂よりなる。なお汚水受け7、排泄物容器8、タンク受け10は、ABS樹脂、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の熱可塑性の合成樹脂で成形しても良い。
【0019】
便器の外郭を構成する便器外郭体5は、左右両側の側板13、13と、両側板13、13の前端間に架設した前板14と、両側板13、13と前板14とで囲まれた空間の上方を覆う天板15を備えている。両側板13、13の後部の下部には後板16を架設してあり、後板16よりも後方に位置する両側板13、13の後端部の下端部間には平板状の桟17を架設してあり、便器外郭体5は略箱状に形成されている。
【0020】
便器外郭体5の内側には両側板13、13、前板14、後板16、天板15で囲まれた空間からなる収納部6を形成してあり、天板15には収納部6の上端開口として開口部15a(図8参照)を形成している。便器外郭体5の両側板13、13の夫々の内面には脚体11を取り付けている。各脚体11は便器外郭体5の前後から垂設した脚18、18と、脚18、18の下端部に設けた接地板19とで構成してあり、各脚体11の接地板19を床面に接地することで便器外郭体5は脚体11を介して床上に配置される。なお脚体11の詳細については後述する。
【0021】
便器外郭体5の後端部には背枠21を立設してあり、背枠21の上部前側には背当て22を取り付けている。また便器外郭体5の両側には便座3に着座した人の肘を掛けるための肘掛け体12を配設してあり、各肘掛け体12の後端部は背枠21に連結し、また各肘掛け体12の前部には支柱25の上端を連結してあり、各支柱25の下部は便器外郭体5の側板13の外面に連結している。各肘掛け体12の外側端部は支柱25よりも左右方向の外側に突出し、つまり各肘掛け体12の外側面は椅子構造体4において後述の脚体11の接地板19を除いて左右方向の最も外側に位置する。
【0022】
便器外郭体5の後方部にはタンク受け10を設けている。タンク受け10は、受け部26と、前側上端部に設けた引掛け部27を備え、受け部26には局部洗浄装置9に供給される水を貯めるタンク28が収納され、引掛け部27を天板15の開口部15aの後方部に引っ掛けることで便器外郭体5に支持してある。
【0023】
便器外郭体5の上面を構成する天板15の開口部15aの後方部上には引掛け部27を介して局部洗浄装置9を載置固定してあり、局部洗浄装置9と便器外郭体5の天板15とで引掛け部27を挟持している。局部洗浄装置9の前部は天板15の開口部15aの後縁よりも前方に突出した前方突出部9aとなっている。前方突出部9aの下部は収納部6内に位置し、同部には便座2に着座した人の局部を洗浄するための局部洗浄ノズル30を内装している。図1中29は局部洗浄装置9の操作器である。なお図2及び図9では図面の簡素化のため操作器29の図示を省略している。
【0024】
局部洗浄装置9には便座2の後端部を回動自在に取り付けている。便座2上には図9に示すように必要に応じて座体24が便座2の開口を閉塞するよう載置され、この座体24は使用者が着座するための座部として利用される。
【0025】
図6に示す汚水受け7は便器外郭体5の収納部6に開口部15aを介して出入自在に収納される。汚水受け7は、上方に開口する容器状の汚水受け本体31と、汚水受け本体31の上端開口の周縁部から外方に向けて一体に突出するフランジ部32とで構成される。汚水受け7はフランジ部32が便器外郭体5の収納部6の上端開口(天板15の開口部15a)の両側の縁部上に前後方向にスライド自在に載置して支持され、汚水受け7を便器外郭体5に対して前後方向に移動することで、図4に示す収納位置と図5に示す引出位置に配置できるようになっている。
【0026】
フランジ部32は汚水受け本体31の上端開口の周縁部の全周に亘って設けてあり、内周縁部(即ち汚水受け本体31の上端開口の周縁部を構成する部分)を構成する平面視環状の容器載置部33と、容器載置部33の後端部を除く外周縁から外方に突出した平面視略U字状の便座載置部34と、便座載置部34の前縁に設けた上方突出部40を備えている。
【0027】
上方突出部40は便座載置部34よりも上方に突出し、左右方向の両側部分は中央部よりも一段高くなった太股支持部42を構成している。各太股支持部42の上面は便座載置部34に載置した便座2の前部の上面と同レベルに位置し、便座載置部34に便座2を載置した場合、便座2の上面と各太股支持部42の上面が略面一となる。これにより便座2に着座した人の太股は便座2の上面で支持されると共に該便座2の上面と面一となった汚水受け7の太股支持部42の上面でも支持されることとなり、太股の支持面積が増大する。また各太股支持部42には上方に開口する嵌込凹所43を形成してあり、前述の座体24から下方に突設した嵌込部(図示せず)を嵌込凹所43に嵌め込んで座体24を位置決めできるようになっている。
【0028】
図7に示す排泄物容器8はその上端周縁部に外方に向けて突出する鍔部46を設けている。図4に示すように排泄物容器8は汚水受け7の容器載置部33に鍔部46を載置することで汚水受け7上に支持され、汚水受け本体31に収納される。なお排泄物容器8の上端部には必要に応じて排泄物容器8の上端開口を閉塞する蓋体53が着脱自在に嵌め込まれる。
【0029】
ここで図4に示すように汚水受け7を後方に移動して汚水受け本体31が収納部6において最も後側に配置される収納位置に配置した場合には、排泄物容器8の上端後縁部が局部洗浄装置9の前方突出部9aの前縁よりも後方に位置し、局部洗浄装置9の前方突出部9aの下方に汚水受け本体31の後端部が位置する。またこの時、局部洗浄装置9の前方突出部9aの下部が排泄物容器8内に臨む。これにより排泄物容器8は排泄物や局部洗浄ノズル30から噴射した水を確実に受ける便座2の開口の下方の位置に配置される。
【0030】
また図5に示すように収納位置から汚水受け7を前方に移動して汚水受け本体31が収納部6の最も前側に配置される引出位置に配置した場合には、排泄物容器8が局部洗浄装置9の前縁よりも前方に位置する。従って便座2を起立させて汚水受け7を引出位置に配置することで、排泄物容器8の上端後縁部が局部洗浄装置9の前方突出部9aに引っ掛かることなく排泄物容器8を汚水受け7から容易に取り出すことが可能となる。
【0031】
上記可搬便器1を利用するには、便座2上の座体2を取り外し、汚水受け7を図4に示す収納位置に配置し、汚水受け7上に載置した便座2に着座して排泄物容器8内に用を足す。また排泄物容器8内の排泄物を捨てるには、前述のように汚水受け7を引出位置に配置して排泄物容器8を汚水受け7から取り出す。
【0032】
以下、椅子構造体4の両側に設けた各脚体11について詳述する。
【0033】
図10に示すように各脚体11は左右対称に形成され、接地板19と、接地板19の前部及び後部の夫々に垂直に立設した脚18とで構成してある。接地板19は平面視で便器外郭体5の外側方に向かって開口した略C字状に形成してあり、前後方向の中間部に外側方に開口する足入用凹所55を形成している。接地板19の前部及び後部は斜め外側前方又は斜め外側後方に向かって突出し、足入用凹所55の前後幅寸法は便器外郭体5の内側方に行く程狭くなっている。足入用凹所55の前後幅寸法は最も狭くなった奥部も含めて介助者の足を入れることが可能な寸法となっている。また図4等に示すように各接地板19の後端にはキャスター20を設けてあり、各キャスター20のローラー20aを床面上で転動させることで、可搬便器1を簡単に移動できる。
【0034】
脚18は縦長板状に形成され、接地板19の足入用凹所55を挟んだ前部及び後部の夫々に立設してある。各脚18の外側面(即ち便器外郭体5の側板13の内面と対向する面)にはボルト61が螺合可能なねじ孔56を上下方向に複数並設してあり、各ねじ孔56は脚18に埋設した鬼目ナット57のねじ孔で構成されている。
【0035】
各脚体11は便器外郭体5に対して高さ調節自在に取り付けられ、便器外郭体5の外側面を構成する両側板13、13の前部及び後部の夫々の下部にはボルト61を挿通可能なボルト挿通孔58a、58b(図2(b)参照)を穿設している。図11に示すように便器外郭体5の各側板13、13の前部の内面には水平断面L字状のガイド片62を突設している。各ガイド片62は平面視で前側のボルト挿通孔58aに対応する箇所に位置し、各ガイド片62と対向する便器外郭体5の側板13との間には上下及び前方に開口するガイド溝63が形成される。また図12に示すように便器外郭体5の両側板13、13の後部間に架設した桟17の左右両端部には上下に貫通するガイド孔64を穿設してあり、各ガイド孔64は平面視で後側のボルト挿通孔58bに対応する箇所に位置する。
【0036】
上記各脚体11を便器外郭体5に取り付けるには、脚体11の前側の脚18をガイド溝63に上下方向に移動自在に挿通すると共に、後側の脚18をガイド孔64に上下方向に移動自在に挿通し、便器外郭体5の側板13の前後のボルト挿通孔58a、58bに挿通した各ボルト61を脚18のねじ孔56のうち任意のねじ孔56に螺合する。即ちボルト挿通孔58a、58bに挿通したボルト61が螺合するねじ孔56を選択することで、脚体11は便器外郭体5に対して高さ調節自在に取り付けられる。
【0037】
ここで図3に示すように上記各脚体11の接地板19に形成した足入用凹所55は便器外郭体5の外側面を構成する側板13よりも内側に至るまで形成してある。また各脚体11の接地板19の前部及び後部は便器外郭体5の両側に設けた肘掛け体12よりも外側方に突出している。このように本発明の可搬便器1にあっては、各脚体11の接地板19に形成した足入用凹所55を便器外郭体5の外側面を構成する側板13よりも内側に形成してあるので、介助者が便器外郭体5の側方から可搬便器1に近づいた時には、足入用凹所55内に足を入れて足が接地板19に接触することを防止できる。またこの場合、介助者は足入用凹所55の内側に足を置いて可搬便器1に近い位置に立つことができ、これにより安定した介助姿勢を維持できて被介助者を安定して支持できる。また接地板19の前部及び後部の夫々の外側端は便器外郭体5の外側面よりも外側に位置し、さらには肘掛け体12よりも外側方に突出しているので、接地板19の床面との接触面積を充分に確保でき、両側の脚体11で便器外郭体5を安定して支持できる。なお各肘掛け体12の外側端は便器外郭体5の外側面と面一に配置しても良いものとする。
【0038】
また本例では、各脚体11の脚18の側面に上下方向に複数のねじ孔56を並設すると共に、便器外郭体5の外側面を構成する両側の側板13、13にボルト挿通孔58a、58bを穿設し、ボルト挿通孔58a、58bに挿通したボルト61を脚18に設けた上下複数のねじ孔56のうち任意のねじ孔56に螺合することで、脚体11を便器外郭体5に対して高さ調節自在に取り付けてあり、これにより便器外郭体5の高さを使用者の体格に合わせて変更できる。
【0039】
また各脚体11の前側及び後側の脚18を便器外郭体5の前部に設けたガイド溝63及び後部に設けたガイド孔64の夫々に上下方向に移動自在に挿通することで、各脚体11で前後方向及び左右方向にがたつきなく便器外郭体5を支持でき、またガイド溝63及びガイド孔64を各脚体11の高さ調節をする際のガイドとして利用でき、便器外郭体5の高さ調節を容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の実施の形態の一例の可搬便器を示す全体斜視図である。
【図2】同上の可搬便器を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は下面図である。
【図3】図2(a)のA−A′断面図である。
【図4】図2(a)のB−B′断面図である。
【図5】同上の可搬便器の汚水受けを引出位置に配置した状態を示す図2(a)のB−B′断面図である。
【図6】同上の汚水受けの斜視図である。
【図7】同上の排泄物容器の斜視図である。
【図8】同上の可搬便器から汚水受けを取り外した状態を示す図2(a)のB−B′断面図である。
【図9】同上の可搬便器の便座に座体を載置した状態を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図10】同上の脚体の斜視図である。
【図11】同上の脚体の前側の脚の取付構造を示す斜視図である。
【図12】同上の脚体の後側の脚の取付構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0041】
1 可搬便器
3 汚物受け
5 便器外郭体
11 脚体
12 肘掛け体
18 脚
19 接地板
55 足入用凹所
56 ねじ孔
58a 前側のボルト挿通孔
58b 後側のボルト挿通孔
61 ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
汚物受けを収納する便器外郭体と、便器外郭体の両側に設けた脚体を備え、各脚体の下端部に設けた接地板に外側方に向けて開口する足入用凹所を形成し、該足入用凹所を便器外郭体の外側面よりも内側に形成して成ることを特徴とする可搬便器。
【請求項2】
便器外郭体の両側に肘掛け体を設け、各肘掛け体の外側端を便器外郭体の外側面と面一又は便器外郭体の外側面よりも外側方に配置し、前記接地板の外側端部を肘掛け体よりも外側方に突出して成ることを特徴とする請求項1に記載の可搬便器。
【請求項3】
各脚体を、便器外郭体に垂設した脚と、脚の下端部に設けた接地板とで構成し、各脚体の脚にねじ孔を上下方向に複数並設すると共に、便器外郭体の外側面を構成する両側の側板にボルト挿通孔を穿設し、ボルト挿通孔に挿通したボルトを前記上下複数のねじ孔のうち任意のねじ孔に螺合することで、脚体を便器外郭体に対して高さ調節自在に取り付けて成ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可搬便器。
【請求項4】
前記各脚体は、接地板の前部及び後部に立設した脚を備えると共に各脚にねじ孔を上下方向に複数並設したものであり、便器外郭体は、外側面を構成する両側の側板の前部及び後部に穿設したボルト挿通孔と、両側の側板の内面において平面視で前記前側のボルト挿通孔に対応する箇所から突出した水平断面L字状のガイド片と、各ガイド片と便器外郭体の側板との間に形成した前方に開口するガイド溝と、便器外郭体の両側の側板の後部間に架設した桟と、該桟の平面視で前記後側のボルト挿通孔に対応する箇所に穿設したガイド孔を備え、前記各脚体の前側の脚をガイド溝に上下方向に移動自在に挿通すると共に、後側の脚をガイド孔に上下方向に移動自在に挿通し、便器外郭体の両側の側板の前後のボルト挿通孔に挿通した各ボルトを対応する脚のねじ孔のうち任意のねじ孔に螺合することで、各脚体を便器外郭体に対して高さ調節自在に取り付けて成ることを特徴とする請求項3に記載の可搬便器。
【請求項5】
上記請求項1乃至4のいずれか1項に記載の可搬便器が有する脚体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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