説明

可搬式スクリーン装置

本発明の可搬式スクリーン装置は、長手方向に延在する開口部を上面に有し、長手方向に延在し分離可能な第1のケース部材と第2のケース部材とからなるケーシングと、そのケーシングに回動自在に取り付けられたスプリングロールと、収納時にはスプリングロールに巻回され、
使用時には開口部から巻き出されるスクリーンと、そのスクリーンの一端が固着され、収納時には開口部を塞ぐ蓋体を兼ねるトップバーと、そのケーシングの側面中央部に一端が起伏可能に軸支され、起立時には巻き出したスクリーンを展張状態に保持する伸縮可能な支柱とを有している。小型軽量、取り扱いが容易で、かつ簡易な構成の可搬式スクリーン装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、プロジェクタ等の投影装置による表示像を拡大投影するスクリーンに関し、持ち運びが容易で、床あるいはテーブル等任意の場所に設置することのできる可搬式スクリーン装置に関する。
【背景技術】
プロジェクタからの画像は、一般に反射型スクリーンに拡大投影されて表示される。このようなスクリーンのうち、天井あるいは壁面に取り付けて使用されるものは、一般に収納ケースに収容されたスクリーンを、必要に応じ、電動あるいは手動により引き下げて使用していた。また、掛図式スクリーン装置あるいは三脚スタンド式スクリーン装置は、所定の場所に吊り下げるか床置きにして使用していた。
近年、会社あるいは事務所等における会議の増加に伴い、プロジェクタとともに容易に持ち運ぶことができ、会議室の床、会議用机或いはテーブル上に設置してプロジェクタからの画像を投影することのできる簡易な構成の可搬式スクリーン装置に対する要望が増加している。これに対し、スプリングロールに巻回されたスクリーンを収納ケースに収納した可搬式スクリーンも提案されている。この可搬式スクリーン装置としては、任意の場所に収納ケースを設置し、例えばパンタグラフによりスプリング等の弾性力を利用してスクリーンを引き上げたりするタイプや、収納ケースに取り付けた支柱にスクリーンを係止するタイプ(例えば、実開平6−36048号公報参照)が提案されている。
一方、家庭においても、テレビ画像投影用のプロジェクタの普及に伴い、家庭用の可搬式スクリーン装置に対する要望が増加している。
【発明の開示】
しかしながら、家庭用の可搬式スクリーン装置には、女性や子供でも持ち運べるようにするため、より小型軽量であることが要求される。また、スクリーンの収納ケースへの収納及び取出しを容易に行うことのできる簡易な構成も必要とされている。
また、従来のケーシングは一体物であり、取付けに際してはケーシングの側面からスプリングロールを挿入して取り付ける必要がある。そのため、スプリングロールの正確な位置決めが困難で、また、挿入の際スプリングロールやケーシングを損傷させる場合もある。また、ケーシングの強度を保持するために厚くせざるを得ず、そのためケーシングの重量を軽減できないという問題もあった。
本発明は、このような要望及び問題に鑑みてなされたものであり、小型軽量、取り扱いが容易で、かつ簡易な構成の可搬式スクリーン装置を提供することを目的とした。
上記課題を解決するため、本発明の可搬式スクリーン装置は、長手方向に延在する開口部を上面に有し、長手方向に延在し分離可能な第1のケース部材と第2のケース部材とからなるケーシングと、該ケーシングに回動自在に取り付けられたスプリングロールと、収納時には上記スプリングロールに巻回され、使用時には上記開口部から巻き出されるスクリーンと、該スクリーンの一端が固着され、収納時には上記開口部を塞ぐ蓋体を兼ねるトップバーと、該ケーシングの側面中央部に一端が支持され、巻き出したスクリーンを展張状態に保持する伸縮可能な支柱と、を有することを特徴とする。
また、本発明の可搬式スクリーン装置においては、支柱は、ケーシングの側面中央部に一端が起伏可能に軸支されており、起立時には巻き出したスクリーンを展張状態に保持することができる。
また、本発明の可搬式スクリーン装置においては、長手方向に延在する第1のケース部材と第2のケース部材とで構成し、その第1及び第2のケース部材の幅方向の一端を互いに結合する一方、開口部を形成可能に幅方向の他端を互いに離間配置したケーシングを用いることができる。
また、本発明の可搬式クリーン装置においては、トップバーの中央部にハンドル部を設ける一方、支柱の先端部にフック部を設け、そのフック部にハンドル部を掛止することができる。さらに、そのフック部を支柱の先端部に水平回動可能に取付け、支柱の倒伏時にはフック部を回動させてケーシングに密着させることもできる。
また、本発明の可搬式スクリーン装置においては、収納時にトップバーをケーシングに固定するロック機構を設けることもできる。そのロック機構は、トップバー上に配設された係合部と、ケーシングに配設されその係合部と係合する被係合部とで構成することができる。さらに、その係合部にトップバーの幅方向に対向配設された一対の係合部材を設け、被係合部にはケーシングの対向する開口縁部にそれぞれ配設され係合部材と係合する一対の被係合部材を設けることができる。さらに、各係合部材を係合部に回動可能に軸支させ、各係合部材を一端に上記被係合部と係合する係合端部と、他端に係合端部の係合・解放を操作する操作部とで構成し、対向配置した一対の操作部を接近方向に回動させて係合端部の被係合部との係合を解除する一方、その一対の操作部を離反方向に回動させて係合端部と被係合部とを係合させることもできる。さらに、係合部にバネ部材を設け係合端部を被係合部に圧接するように付勢するようにすることもできる。
また、上記ロック機構の係合部に、係合時において操作部の接近を防止する回動ロック機構を設けることもできる。回動ロック機構を、ロック位置と解放位置とを回動自在に係合部に嵌着されたロック部材で構成し、ロック位置ではロック部材頭部の両端部のそれぞれを各操作部に当接させて操作部の接近を防止し、解放位置では両端部と各操作部との当接を解除して操作部の接近を許すように動作させることができる。
また、本発明の可搬式スクリーン装置においては、入れ子状に構成され相互に摺動してスライド伸縮可能な複数の筒体から成り、下段の筒体が、スライド伸縮させた上段の筒体のスライドをロックし、支柱を所定高さに保持するスライドロック機構を有する支柱を用いることができる。
スライドロック機構に、最下段の第1の筒体にその上段の第2の筒体を係止させる第1のスライドロック機構を設けることもできる。その第1のスライドロック機構には、係合部材とその係合部材を支持する基部とを有し、下段の筒体の先端部の外周面に取着された筒体係合部と、上段の筒体の長手方向に設けられた少なくとも1つの貫通孔から成り、伸長時に係合部材と係合して上段の筒体を係止する筒体被係合部とを有するものを用いることができる。さらに、その係合部材を、一端に貫通孔と係合する突起部と、他端に突起部と貫通孔との係合・解放を操作する操作部とで構成し、筒体の軸方向に回動可能に係合部材を基部に軸支して、操作部を筒体方向に押圧すると突起部と貫通孔の係合が解放され、操作部の押圧を解除すると突起部と貫通孔が係合するようにすることができる。さらに、第2の筒体よりも先端側の筒体のスライドをロックする第2のスライドロック機構を設けることもできる。第2のスライドロック機構は、上段の筒体の後端部の内周面に配設された筒体係合部と、下段の筒体の長手方向に形成された複数の貫通孔からなり、筒体係合部と係合する筒体係合受部とから構成することができる。また、筒体係合部に、係合時に突起部を貫通孔に圧接させるように付勢するバネ部材を設けることもできる。
また、上記第1のスライドロック機構に、操作部の押圧状態を維持して、突起部と貫通孔の係合の解除状態を維持する操作部ロック機構を設けることもできる。また、その操作部ロック機構を、基部に配設された係合溝と、係合部材に配設された係合ピンとで構成し、操作部を筒体方向に押圧すると、係合溝に係合ピンが係合するようすることもできる。また、先端側の筒体の先端部に、解除状態の突起部と係合して突起部を貫通孔に係合させるように案内し、かつ突起部と貫通孔との係合状態を維持する突起部ロック機構を設けることもできる。また、スライドロック機構を支柱の最下段の筒体に配設することもできる。
また、スライドロック機構を、先端側の上段の筒体の後端部の内周面に取着された摺動部材の凹部に配置された筒体係合部と、下段の筒体の長手方向に設けられた少なくとも1つの貫通孔から成り、伸長時に上記係合部と係合し上段の筒体を係止する筒体被係合部とからなり、さらに筒体係合部を、一端に貫通孔を係合する突起部を有する係合部材と、一端部を摺動部材の凹部に係着され他端部が係合部材の他端に係着されることにより係合部材の突起部を貫通孔側に向けて付勢するバネ部材とで構成することもできる。
また、スライドロック機構を、先端側の上段の筒体の後端部の内周面に取着された摺動部材の凹部に配置された筒体係合部と、下段の筒体の内面の長手方向に設けられた連続する一本の周回溝からなる筒体被係合部とから構成し、ここで該周回溝は伸長時には筒体係合部と係合して上段の筒体の短縮方向への移動を規制する複数の係止部を有する往路溝と、短縮時には筒体係合部との係合を解除して上段の筒体の短縮方向への移動を許す復路溝とから構成されており、さらに筒体係合部を、一端部が摺動部材の凹部に遊嵌され、他端部には係止部と係合する突起部を有し、上記一端部を支点として揺動可能な係合部材と、一端部を摺動部材の凹部に係着され他端部が係合部材の上記一端部に係着されることにより係合部材の突起部を係止部に向けて付勢するバネ部材とで構成することもできる。
本発明によれば、ケーシングが分離可能な2個のケース部材から構成されているので、スプリングロールを取付けた第1のケース部材に第2のケース部材を連結してケーシングを組み立てることができる。これにより、スクリーン装置の組立て時にスプリングロールやケーシングを損傷させることなく、スプリングロールの位置決めを正確に行うことができる。また、2個のケース部材を連結して一体化することにより、ケーシングの強度を低下させることなく、ケース部材の厚さを薄くすることができるので、スクリーン装置をより軽量化することができ、取り扱いも容易である。また、スクリーンの取替え等のメインテナンスを容易に行うことができる。また、トップバーがケーシングの蓋体を兼ねているので、蓋体が不要となり、スクリーン装置をより軽量化することができる。
また、支柱をケーシングと一体化するとともに支柱を起伏可能とすることもできる。これにより、収納時に支柱を倒伏することによりスクリーン装置をより小型化することができ、持運びが容易となる。また、使用時には支柱を起立させ、支柱を所望の高さに伸長させてスクリーンを展張すればよく、収納時には支柱を短縮して倒伏させる一方、スクリーンを巻戻してトップバーで開口部に蓋をすればよいので取り扱いが容易である。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の実施の形態1に係るスクリーン装置の使用時の構造の一例を示す模式斜視図である。
図2は、図1の可搬式スクリーン装置において、スクリーンを巻き戻した状態の構造を示す模式斜視図である。
図3は、図1の可搬式スクリーン装置の収納時の構造を示す模式斜視図である。
図4は、図3におけるロック機構の拡大上面図である。
図5は、図3のV−V線に沿った模式縦断面図である。
図6は、図3のVI−VI線に沿った模式縦断面図である。
図7は、図1の可搬式スクリーン装置に用いたスライドロック機構の構造を示す模式縦断面図である。
図8は、図1の可搬式スクリーン装置に用いたフック部の構造を示す模式分解斜視図である。
図9は、本発明の実施の形態2に係る可搬式スクリーン装置の、スクリーンを巻き戻した状態の構造を示す模式斜視図である。
図10Aは、図9の可搬式スクリーン装置の第1のスライドロック機構に用いる係合部材の構造の一例を示す模式側面図である。
図10Bは、図9の可搬式スクリーン装置の第1のスライドロック機構に用いる係合部材の構造の一例を示す模式正面図である。
図11Aは、図9の可搬式スクリーン装置の第1のスライドロック機構に用いる基部の構造の一例を示す模式上面図である。
図11Bは、図9の可搬式スクリーン装置の第1のスライドロック機構に用いる基部の構造の一例を示す模式正面図である。
図11Cは、図9の可搬式スクリーン装置の第1のスライドロック機構に用いる基部の構造の一例を示す模式側面図である。
図12は、図9の可搬式スクリーン装置の支柱の伸縮動作を示す模式縦断面図(1)である。
図13は、図9の可搬式スクリーン装置の支柱の伸縮動作を示す模式縦断面図(2)である。
図14は、図9の可搬式スクリーン装置の支柱の伸縮動作を示す模式縦断面図(3)である。
図15は、図9の可搬式スクリーン装置の支柱の伸縮動作を示す模式縦断面図(4)である。
図16は、図9の可搬式スクリーン装置の支柱の伸縮動作を示す模式縦断面図(5)である。
図17は、本発明の実施の形態3に係る可搬式スクリーン装置の、スクリーンを巻き戻した状態の構造を示す模式斜視図である。
図18は、図17の可搬式スクリーン装置に用いる第2のスライドロック機構の構造を示す模式縦断面図である。
図19は、図1の可搬式スクリーン装置に用いたフック部の一変形例の構造を示す模式分解斜視図である。
図20は、図7のスライドロック機構の変形例1の構造を示す模式縦断面図である。
図21は、図7のスライドロック機構の変形例2の構造を示す模式縦断面図である。
図22は、図7のスライドロック機構の変形例3の構造を示す模式縦断面図である。
図23は、図7のスライドロック機構の変形例4の構造を示す模式縦断面図である。
図24は、図23の変形例4に用いる周回溝の構造を示す模式展開図である。
図25は、図3のロック機構の変形例1を有する可搬式スクリーン装置の構造を示す模式斜視図である。
図26は、図3のロック機構の変形例2を有する可搬式スクリーン装置の構造を示す模式斜視図である。
図27は、図3のロック機構の変形例3を有する可搬式スクリーン装置の構造を示す模式斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
図1は、可搬式スクリーン装置の使用時の状態の一例を示している。可搬式スクリーン装置P1は、ケーシング1と、ケーシング内に取付けられたスプリングロール(不図示)と、開口部1cから巻き出されトップバー5とスプリングロールとの間に展張されたスクリーン4と、ケーシング1の概ね中央に立設されスクリーン4を所定高さに保持する支柱6と、を備えている。支柱6は、ケーシング1の概ね中央に取着された支柱取り付け部材25により支持されたスライド伸縮可能な2段の筒体6a,6bからなり、スライドロック機構30により所定高さに保持されている。また、支柱6はその先端に水平回動可能なフック部7Aを有しており、トップバー5の概ね中央に配設された、掛止部材を兼ねる持運び用のハンドル24をフック部7Aに掛止してスクリーン4を吊下げている。また、9はトップバー5をケーシング1に固定するロック機構を構成する係合部であり、収納時、ケーシング1に配設された被係合部(不図示)と係合する。また、スクリーン装置P1は、ケーシング1の底部から引出された一対の脚部3,3により直立するように支持されている。
図2は、収納のため、スクリーン4を巻戻した状態の可搬式スクリーンP1の構造の一例を示している。フック部7Aとの掛止を解除されたスクリーン4は巻戻されてケーシング1に収容されている。トップバー5は、蓋体となりケーシング1の開口部を塞いでいる。図3は、収納時の可搬式スクリーンPの構造の一例を示している。支柱6を支柱取り付け部材25に軸支された下端を中心に回動させて倒伏する。これにより、支柱6は支柱全体をケーシング1に平行にした状態で収納されている。なお、26は後述するケーシング用の保護部材である。
図4は、収納時におけるスクリーン装置P1の中央部の模式部分拡大図である。ロック機構は、トップバー5の上面に取着された係合部9と、ケーシング1側に配設され係合部9と係合する被係合部(不図示)とを有している。係合部9は、支持部14と、支持部14上にトップバー5の周方向に互いに接近・離間移動が可能に対向配置された一対の係合部材11,12と有し、その一対の係合部材の間に係合時に係合部材同士の接近を防止する操作部ロック機構13を設けている。
図5は、図4のV−V線に沿った縦断面図である。図5に示すように、ケーシング1は、長手方向に延在する第1のケース部材1aと第2のケース部材1bで構成されている。その2つのケース部材の長手方向の一端は片側ヒンジ機構により開閉可能に連結され、他端は互いに離間しスクリーンを巻き出す空間部1cを形成している。ここで、プロジェクタ側の前面の第1のケース部材1aをプロジェクタ側に膨出する湾曲構造とする一方、後面の第2のケース部材1bは断面L字状に形成されている。これにより、ケーシング1の中にスクリーン4が巻回されたスプリングロール2を収容し、かつ開口部1cの幅を狭くしてケーシング1の小型化を図ることができる。なお、ケース部材にはアルミ押し出し材を用いることができる。
ケーシング1の後面には、支柱6を軸支する支柱取付け部材25が取着されている。一方、ケーシング1の前面には、ケーシング1に密着してケーシング1の底部にまで延在する保護部材26が取着されている。ここで、保護部材26の一端は、ケーシング1の底部にリベット28,29により締着され、他端はリベット27により締着して固定されている。そして、支柱取り付け部材25と保護部材26とは、相互に嵌合されて固定されている。なお、保護部材26は、第1のケース部材1aがトップバーの荷重によりプロジェクタ側にさらに湾曲して変形するのを防止する効果を有する。なお、保護部材には、高弾性で軽量な樹脂製カバーを用いることが好ましい。
ロック機構8は、係合部9と被係合部10とで構成されている。さらに、係合部9は、第1係合部11と第2係合部12の一対の係合部で構成されている。第1係合部11と第2係合部12を、それぞれ構成する第1係合部材11aと第2係合部材12aは、トップバー5の幅方向に対向配置され、かつトップバーの長手方向に対する垂直部内を回動可能に基部14に軸支されている。さらに、係合部材11a,12aは、それぞれその一端に被係合部10と係合する係合端部111a,121a、他端に係合端部111a,121aの係合・解放を操作する操作部112a,122aを有している。図5では、係合端部111a,121aに係合ツメ、そして操作部112a,122aに凸状取手部を用いた例を示している。
一方、被係合部10は、一対の被係合部材15,16とから構成されている。被係合部材15,16は、それぞれケース部材1bとケース部材1aの開口縁部に配設され、上記係合ツメと係合する。
また、第1係合部11と第2係合部12の各係合部は、一端を基部に係着され、他端を係合部材に係着された第1バネ部材11bと第2バネ部材12bを有している。このバネ部材は係合部材の一端の操作部112a,122aを互いに離反する方向に常時付勢し、他端の係合端部をトップバー方向に押圧している。
なお、図5では、被係合部材15,16が、それぞれ支柱取り付け部材25と保護部材26と一体である場合を示しているが、被係合部材15,16をそれぞれ支柱取り付け部材25と保護部材26と別体とすることもできる。
ロック機構の係合時には、図5に示すように、係合端部111a,121aは、それぞれ被係合部材15,16に係合している。係合端部と被係合部材との係合を解除するには、バネ部材の付勢力に抗して操作部112aと操作部122aとを互いに接近させる方向に押圧する。これにより、係合端部111a,121aが被係合部材15,16と離間する方向に係合部材11a,12aが回動し、係合端部と被係合部材との係合が解除される。一方、係合端部を被係合部材に係合させるには、トップバーでケーシングの開口部を塞ぐ際に、係合部を下方に押圧して、被係合部材と係合端部とを係合させる。バネ部材の付勢力により、係合端部は被係合部材に圧接された状態で係合される。
また、基部14の上面には、操作部ロック機構を構成するロック部材13が配設されている。操作部ロック機構は、ロック機構の誤動作を防止する機構である。例えば、収納したスクリーン装置を移動させる場合、ハンドルを掴む際に、誤って操作部を互いに接近する方向に押圧してトップバーがケーシングから飛び出したりする場合がある。操作部ロック機構を設けることにより、ロック機構が係合状態にある場合、操作部が移動して係合状態が解除されるのを防止することができる。
ロック部材13は、ロック位置と解放位置とを回動自在に基部14に嵌着され、ロック機構の係合時には図5に示すロック位置にある。このロック位置では、ロック部材13頭部の両端部をそれぞれ各操作部112a,122aに当接させて操作部の接近を防止している。一方、解放位置では、両端部と各操作部との当接を解除するようにロック部材を回動させて、操作部同士の接近を可能とする。これにより、解放位置では、ロック機構を解除してトップバーのケーシングに対する固定を解除してスクリーンを巻き出すことができる。
図6は、図4のVI−VI線に沿った縦断面図であり、ロック機構の係合部と被係合部との位置合わせを正確に行うための位置決め機構17の構成を示している。位置決め機構17は、ケーシングの開口縁部に被係合部と一直線となるように形成されたガイド部18と、ロック機構の基部14に形成されガイド部18と相互に遊嵌可能な被ガイド部19とで構成されている。ガイド部18は、ケーシングの対向する開口縁部に配設された一対の突縁部20,21で構成されている。各突縁部は少なくとも1個の突出部から構成することができるが、2個以上の突出部を被係合部材の両側に配設することが好ましい。一方、被ガイド部19は、基部14の前面側と後面側に形成されたガイド溝22,23で構成されている。
トップバーでケーシングの開口部を塞ぐ時、被ガイド部をガイド部に遊嵌してトップバーを開口部に位置決めして固定する。これにより、ロック機構の係合部と被係合部との係合位置がずれることがないので、容易にトップバーをロックすることができる。なお、本実施の形態では、被ガイド部にガイド溝を用い、ガイド部に突縁部を用いた例を示したが、被ガイド部に突縁部を用い、ガイド部にガイド溝を用いることもできる。
図7に示すように、第1のスライドロック機構30は、下段の第1の筒体6aの先端部の外周面に取着され、筒体用係合部材32を有する筒体係合部31と、上段の第2の筒体6bの長手方向に設けられた少なくとも1つの貫通孔から成り、伸長時に筒体用係合部材32と係合し第2の筒体を係止する筒体被係合部61bとを有している。筒体係合部31は、第1の筒体6aの先端部の外周面に取着された基部33と、第1の筒体6aの外周面の垂直部内を回動可能に基部33に軸支され、貫通孔61bと係合可能な筒体用係合部材32と、その筒体用係合部材32を貫通孔に係合させるように付勢するバネ部材34を有している。また、先端側の第2の筒体6bの後端部の内周面には摺動部材35が取着されている。その摺動部材35の軸方向に対称に形成された一対の凹部35aには、一対の係止部材133と、その係止部材133を第1の筒体6aの内周面に当接するように常時付勢する一対のバネ部材132とからなる係止部131が配置されている。
筒体用係合部材32は、その一端に貫通孔61bと係合する突起部32aと、他端に突起部32aと貫通孔61bとの係合・解放を操作する操作部32bとを有している。また、バネ部材34は、その一端が基部33に係着される一方、他端が操作部32bに係着されており、操作部32bを基部33から離間する方向に常時付勢し、突起部32aを筒体の外周面に押圧している。そのため、支柱を伸長するため第2の筒体6bを第1の筒体6aから引き出すと、筒体の外周面に押圧保持されている突起部32aは貫通孔61bに係合し、かつ突起部32aが貫通孔61bに圧接される。これにより、第2の筒体6bをロックして支柱6を所定高さに保持することができる。一方、支柱を短縮する場合には、操作部32bをバネ部材34の付勢力に抗して押圧すると、突起部32aが筒体の外周面から離間する方向に回動して貫通孔61bとの係合が解除される。突起部32aと通孔61bとの係合が解除されると、第2の筒体6bは自重により降下しようとするが、バネ部材132に付勢された一対の係止部材133が第1の筒体6aの内周面に当接してその降下を抑制あるいは停止させる。この状態で、第2の筒体6bを第1の筒体6aに押し込んで支柱を短縮する。これにより、スライドロック機構を解除しても、第2の筒体6bが急に降下することがないので安全に支柱を短縮することができる。なお、図7には、一対の係止部131を用いた例を示したが、係止部131を片側の凹部35aのみに設けても同様の効果を有する。
図8は、フック部7Aの構成の一例を示す模式分解斜視図である。フック部7Aは、ハンドル部を掛止する掛止部71aを側部に有する中空のフック部材71と、そのフック部材71に同心的に嵌挿されフック部材を水平回動可能に支持する支持部72とを有している。支持部72は、フック部材71の天井部71eに当接する円形の支持台72eと、その支持台72eを支持する一対の支持脚72aを有しており、一方の支持脚には一対の係合突部72dを有している。第2の筒体6bの先端部には一対の係合孔611bが形成されており、支持部72を第2の筒体6bの先端部に外嵌して一対の係合突部72dを一対の係合孔611bに係合させる。これにより、支持部72が第2の筒体6bの先端部に固定される。また、支持部72は、支持台72e上に、その支持台の中心点に対して点対称となるように配置された一対の摺動突部72bを有している。また、フック部材71の天井部には、支持台72eの中心点と同心の中心点に対して点対称となるように一対の回転防止用の摺動溝71bが形成されている。各摺動溝71b内に摺動突部72bを収容するように位置合わせして、支持部72をフック部材71に嵌挿する。一対の摺動突部72bは、それぞれ摺動溝71b内に収容されて2対の回転防止部を構成する。すなわち、フック部材71を使用位置と収納位置との間で回動させると、摺動溝も同方向に回動するが、その端面に摺動突部72bが当接することにより、フック部材71のそれ以上の回動が阻止される。
具体的には、フック部材71は、内周面に係合凹部71c,71dを有しており、使用位置と収納位置ではこの係合凹部が支持部72の係合突部72cと係合する。係合凹部71cと71dは、使用位置と収納位置のいずれにも使用することができる。例えば、係合凹部71cを使用位置とした場合、掛止部71aの向きはトップバーの長手方向に対して概ね垂直である。ここで、使用位置からフック部材71aをトップバーと平行になるように回動させると、係合凹部71cと係合突部72cと係合が解除され、摺動溝71bもフック部材71aと同方向に回動する。収納位置では、係合凹部71dと係合突部72cとが係合してフック部材71が支持部72に固定される一方、摺動溝71bの端面が摺動突部72bに当接してフック部材71のそれ以上の回動を抑制する。この状態で支柱を倒伏させ、支柱全体が概ねケーシングと平行になるように収納する。これにより、掛止部71aが周囲に突き出ることがないので、収納と持ち運びが容易である。また、回転防止部は、フック部材に過度の回動荷重がかかった場合、フック部材の過度の回動を抑制して、フック部材が使用位置又は収納位置から移動するのを防止する。したがって使用位置と収納位置との切り替えが容易である。特に、2対の回転防止部を設け、点対称の当接位置で摺動突部と摺動溝端面とが当接するようにしたので、フック部材の過度の回動をより確実に抑制することができる。
以下に、本実施の形態に係る可搬式スクリーン装置の動作を説明する。非使用時においては、図3に示すように、支柱は倒されてケーシングに概ね平行になるように収納されている。トップバーはケーシングの蓋体としてケーシングに固定されており、収納及び持運びが極めて容易である。また、支柱の先端のフック部は回動可能に支柱に支持されている。
使用時には、図2に示すように支柱を起立させた後、第1のスライドロック機構を解除して支柱を伸長させる。次いで、第1のスライドロック機構を動作させて支柱を所定高さに保持する。次いで、ロック機構の操作部ロック機構を解除して操作部を互いに接近する方向に押圧することにより、トップバーのケージングに対する固定を解除する。次いで、トップバーを上方に引出すと、スプリングロールに取付けられたスプリングの弾性力と重力に抗してスクリーンがスプリングロールから巻出される。次いで、トップバーに配設されたハンドルを支柱のフック部に掛止することにより、スクリーンを展張状態に保持する。
収納する場合には、ハンドルをフック部からはずし、ハンドルを持った状態でトップバーをそのまま開口部の上に下ろす。この時、位置決め機構のガイド部は最初に被ガイド部に接触して、そのままトップバーを下ろすと被ガイド部に遊嵌される。この状態でロック機構の係合部と被係合部との位置合わせがなされる。次いで、トップバーを下方に押圧すると、ロック機構が動作してトップバーがケーシングに固定される。さらに、支柱のスライドロック機構を解除して支柱を短縮し、次いでフック部が周囲に突き出さないようにフック部を回動させる。次いで、支柱を回動させて倒しケーシングに平行となるように収納する。
本実施の形態によれば、トップバーがケーシングの蓋体を兼ねるようにするとともに、ケーシングを片側ヒンジ機構により連結された第1のケース部材と第2のケース部材で構成するようにしてケーシングの強度を低下させることなくケース部材の厚さを薄くするようにしたので、スクリーン装置をより軽量化することができる。
また、支柱をケーシングと一体化するとともに支柱を起伏可能としたので、収納時に支柱を倒伏することによりスクリーン装置をより小型化することができる。
また、ロック機構の操作部を押圧するという単一操作により、トップバーをケーシングに簡単に固定することができる。
また、スプリングロック機構の操作部を押圧して第2の筒体のロック状態を解除した状態で、支柱を押し下げることにより支柱を簡単に短縮することができる。
実施の形態2.
本実施の形態に係るスクリーン装置は、実施の形態1の第1のスライドロック機構に用いたスライドロック機構に代えて別のスライドロック機構を用いた例を示している。
図9は、スクリーンを巻戻した状態のスクリーン装置P6の構造を示す斜視図である。支柱6Aが、下段の第1の筒体6aと上段の第2の筒体6bで構成され、第1の筒体6aの先端部には第1のスライドロック機構を構成する筒体係合部101が配設され、さらに、フック部7Cの下部には、第1のスライドロック機構の解除状態を解除する突起部ロック機構110が配設されている以外は、実施の形態1と同様の方法により構成することができる。
本実施の形態に用いる第1のスライドロック機構は、第1の筒体6aの先端部の外周面に配設された筒体係合部と、第2の筒体6bの長手方向に形成された複数の貫通孔からなり、筒体係合部と係合する筒体係合受部とから構成されている。
図10A〜10Bと図11A〜11Cは、筒体係合部101を構成する係合部材102と、基部103の構造を示す模式図であり、図10Aと10Bは、係合部材102のそれぞれ側面図と正面図、そして図11A、11B、11Cは、基部103のそれぞれ上面図、正面図、側面図である。
係合部材102は、その中央を基部103に軸支され、一端には筒体に設けた貫通孔と係合する突起部102a、他端には突起部102aと貫通孔の係合・解放を操作する操作部102bを有し、さらに操作部102bの両側面には、一対の係合ピン102c,102cが配設されている。
一方、係合部材102を軸支する基部103は、その外周面の軸方向に延在し、係合部材102を収容する凹溝103aと、係合部材102を軸支する一対の軸孔103b,103bと、係合ピンと係合する一対の係合溝103c,103cを有している。係合溝103cは、外周面側から筒体側に形成されており、筒体側の先端部には突当り部1032cを有し、その突当り部1032cはくびれ部1033cを介して摺動溝部1031cと連続している。
以下、このスライドロック機構の動作について図12から図16の模式縦断面図を用いて説明する。
図12は、支柱6Bの伸長開始時の状態を示している。第1のスライドロック機構100は、第1の筒体6aの先端部に取着された、貫通孔62bと係合部101とから構成されており、突起部102aは貫通孔62bと係合している。一方、フック部7Cの下部には、フック部7Cと係合突部からなる突起部ロック機構110が配設されている。本実施の形態では、フック部7Cと係合突部110を別体とし、フック部7Cを水平回動可能とする一方、係合突部110を軸方向に操作部102と一直線上に位置するように固着している。さらに、係合突部110と係合部材102は、スクリーンが掛止される支柱の前面側に配設されている。
図13は、支柱を伸ばして最長にした状態を示している。図12の状態から支柱を伸ばす場合、操作部102bを押圧した状態でフック部7Cを引き上げる。この時、第1のスライドロック機構が解除されて第2の筒体6bが解除状態となり、第2の筒体6bを第1の筒体6aから容易に引き出すことができる。次いで、最長状態において、操作部102bの押圧を止めると、バネ部材104の付勢力により操作部102bは基部103から離間し、梃子動作により突起部102aは貫通孔62bと係合して係止され、筒体6bは筒体6aにロックされる。この状態で、フック部7Cにスクリーンを掛止して、スクリーン装置を使用する。
図14は、収納のため、支柱の短縮を開始する時の状態を示している。まず、スクリーンをフック部7Cから取り外し、トップバーを下ろしてスクリーンを巻戻す。次いで、第1のスライドロック機構を操作する。すなわち、操作部102bを基部103の方向に強押圧すると、梃子動作により突起部102aと貫通孔62bの係合が解放される一方、係合ピン102cは、係合溝103cを基部103方向に摺動し、くびれ部1033cを通って突当り部1032cに至り係合して固定される。ここで、くびれ部1033cは、突当り部1032cに比べ幅狭であるため、係止ピン102cのくびれ部1033cへの移動は抑制され、係止ピン102cは突当り部1032cに固定される。これにより、操作部102bの押圧状態が維持され、支柱を押し下げることが可能となる。
図15は、図14の状態から支柱を押し下げた状態を示している。第2のスライドロック機構は第2の筒体6bの押し下げにより容易に解除され、第2の筒体6bは押し下げられ、その先端部が第2のスライドロック機構に接近する。すなわち、係合突部110は、その先端部に、傾斜面からなり、突起部102aの基部を構成する角部102dと当接可能な当接部110aと、その傾斜面と連続する垂直面からなり、角部と係合可能な固定部110bを有しており、支柱を押し下げると、係合突部110の当接部110aは、角部102dに当接する。さらに、支柱を押し下げると、角部102dは筒体方向に押圧され、同時に梃子動作により係止ピン102cが突当り部1032cから摺動溝1031cに移動し、操作部102bのロックが解除される。さらに、支柱を押し下げて支柱を最短長とすると、図16に示すように、角部102dは当接部110aに案内されて固定部110bに至り、固定部110bと係合する。同時に、突起部の先端は貫通孔62bに係合される。この状態では、突起部102aは係合突部110により固定されてロック状態にある。続いて、収納時に周囲に突き出さないようにフック部7Cを回動させ、次いで、支柱を回動させて倒しケーシングに平行となるように収納する。
本実施の形態によれば、実施の形態1で得られる効果に加え、さらに以下の効果が得られる。
フック部7Cの下部に設けた突起部ロック機構を第1のスライドロック機構の突起部に当接・係合させて、第1のスライドロック機構の解除状態をロック状態に切り替えるようにしたので、支柱を押し下げるという単一操作により、支柱の短縮及び筒体のスライドロックを一度に行うことができる。さらに、係合部材を支柱の前面に設けるようにしたので、スクリーン装置の前面において係合部材を操作して支柱を短縮することができる。そのため、支柱の裏面に係合部材を設けた場合に比べ、より容易に支柱を短縮することができる。
実施の形態3.
本実施の形態に係るスクリーン装置は、実施の形態2において支柱に3段の筒体を用いた例を示している。図17は、スクリーンを巻戻した状態のスクリーン装置P5の構造を示す斜視図である。支柱が、下段の第1の筒体6a、中段の第2の筒体6b、そして上段の第3の筒体6kで構成されている以外は、実施の形態2と同様の方法により構成することができる。
第2のスライドロック機構の構成を図18に示す。第3の筒体6kの後端部の内周面に摺動部材36が取着され、その摺動部材36の凹部36aには係合部材38と、一端を凹部36aに係着され他端を係合部材38に係着され、係合部材38を付勢するバネ部材39とからなる筒体係合部37が配置されている。これに対し、第2の筒体6bの先端部には、長手方向に複数の貫通孔が形成され、この複数の貫通孔は上記筒体係合部37と係合する筒体係合受部62bを構成している。係合部材38はその先端にボール状突部38aを有しており、バネ部材39により押圧されてボール状突部38aが貫通孔62bに係合して、第3の筒体6kが固定される。係合を解除するには、ボール状突部38aをバネ部材39の付勢力に抗して直接押圧する、あるいは第3の筒体6kを押し下げて間接的にボール状突部38aを凹部36aに押し込む方法を用いることができる。ここで、ボール状突部38aには金属性あるいは樹脂製のものを用いることができるが、樹脂製のものを用いることが好ましい。さらに、貫通孔の縁部に丸みを設け、あるいは第3の筒体6k側に拡がるテーパを設ける。これにより、貫通孔と係合部材との摩擦力を小さくすることができる。そのため、ボール状突部38aを直接押圧しなくても、第3の筒体6kを第2の筒体6bから引き出すあるいは押し込むことにより容易に係合を解除することができる。
以下、このスライドロック機構の動作について説明する。なお、第1のスライドロック機構の動作については、図12から図16を用いて説明する。
支柱が最短長の状態で、操作部102bを押圧すると、第1のスライドロック機構は解除されて第2の筒体6bが解除状態となり、第2の筒体6bを第1の筒体6aから容易に引き出すことができる(図12)。また、第3の筒体6kを第2の筒体6bから強く引き出すことにより第2のスライドロック機構が動作することなく、すなわちボール状突部38aが貫通孔62bに係合することなく、第3の筒体6kを引き出すことができる。したがって、フック部7Cを引き上げるだけで、第2の筒体6bと第3の筒体6kを第1の筒体6aから引き出して支柱を最長状態にすることができる。
次いで、最長状態において、操作部102bを軽く押圧するとバネ部材の付勢力により、操作部102bは基部103から離間し、梃子動作により突起部102aは貫通孔62bと係合して係止され、筒体6bは筒体6aにロックされる(図13)。この状態で、フック部7Cにスクリーンを掛止して、スクリーン装置を使用する。
次いで、収納のため、支柱の短縮を開始する場合、まず、スクリーンをフック部7Cから取り外し、トップバーを下ろしてスクリーンを巻戻す。次いで、第1のスライドロック機構を操作する。すなわち、操作部102bを基部103の方向に強く押圧すると、梃子動作により突起部102aと貫通孔62bの係合が解放される一方、係合ピン102cは、係合溝103cを基部103方向に摺動し、くびれ部1033cを通って突当り部1032cに至り係合して固定される(図14)。ここで、くびれ部1033cは、突当り部1032cに比べ幅狭であるため、係止ピン102cのくびれ部1033cへの移動は抑制され、係止ピン102cは突当り部1032cに固定される。これにより、操作部102bの押圧状態が維持され、支柱を押し下げることが可能となる。
次いで、支柱を押し下げると、第2のスライドロック機構は第3の筒体6kの押し下げにより容易に解除され、第2の筒体6bは押し下げられ、その先端部が第2のスライドロック機構に接近する。すなわち、支柱を押し下げると、係合突部110の当接部110aは、角部102dに当接する(図15)。さらに、支柱を押し下げると、角部102dは筒体方向に押圧され、同時に梃子動作により係止ピン102cが突当り部1032cから摺動溝1031cに移動し、操作部102bのロックが解除される。さらに、支柱を押し下げて支柱を最短長とすると、図16に示すように、角部102dは当接部110aに案内されて固定部110bに至り、固定部110bと係合する。同時に、突起部の先端は貫通孔62bに係合される。この状態では、突起部102aは係合突部110により固定されてロック状態にある。続いて、収納時に周囲に突き出さないようにフック部7Cを回動させ、次いで、支柱を回動させて倒しケーシングに平行となるように収納する。
本実施の形態によれば、実施の形態2で得られる効果に加え、さらに以下の効果が得られる。
まず、支柱を3段の筒体で構成することにより、支柱の高さをより高くして、より大型のスクリーンを展張することができる。さらに、第3の筒体の引出しあるいは押し込みにより容易に係合解除可能な第2のスライドロック機構を設ける一方、第3の筒体の先端部に設けた突起部ロック機構を第1のスライドロック機構の突起部に当接・係合させて、第1のスライドロック機構の解除状態をロック状態に切り替えるようにしたので、支柱を押し下げるという単一操作により、支柱を最長状態から最短状態へ一度に押し下げることができ、支柱の短縮操作が極めて容易である。
本発明のスクリーン装置には、実施の形態1から3に限定されず、以下に示す構成部材の種々の変形例を含むスクリーン装置も含まれる。
図19は、図8に示したフック部の変形例を示している。フック部7Bは、支持部74と、トップバーの長手方向に対する垂直平面内を回動可能に支持部74に軸支され、ハンドルを掛止する掛止部73aを有する回動部73とを有している。支持部74は支柱を構成する第2の筒体6bの先端部に、嵌合固定されている。使用時には、回動部73をトップバーの垂直方向に押し倒してハンドルを掛止する。これによりスクリーンを展張状態に保持することができる。一方、収納時には、回動部73を引き上げて支柱と概ね一直線となるように起立させた状態で支柱を倒し、支柱が概ねケーシングと平行になるように収納する。これにより、回動部73が周囲に突き出すことがないので、収納と持ち運びが容易である。
図20は、実施の形態1で用いたスライドロック機構の変形例1を示している。
本変形例のスライドロック機構では、先端側の第2の筒体6dの後端部の内周面には摺動部材36が取着され、その摺動部材36の凹部には係合部材38と、その係合部材38を付勢するバネ部材39とからなる筒体係合部37が配置されている。これに対し、第1の筒体6cの先端部には、長手方向に複数の貫通孔が形成され、この複数の貫通孔は上記筒体係合部37と係合する筒体係合受部61cを構成している。第2の筒体6dを第1の筒体6cから引出し、複数の貫通孔の中の所望の位置の貫通孔に係合部材38の先端突部38bを係合させて第2の筒体6dを係止して、支柱を所望の高さに保持する。先端突部38bを押圧することにより、第2の筒体の6d係止を解除することができる。
本変形例によれば、簡易な構成で、スクリーンの高さを段階的に調整することができる。
また、図21は、実施の形態1から3で用いたスライドロック機構の別の変形例2を示している。
本変形例のスライドロック機構は、第2の筒体6fの後端部の内周面に取着された摺動部材40と、その摺動部材40の凹部40aに配置された筒体係合部41と、第1の筒体6eの長手方向に設けられた少なくとも1つの貫通孔から成り、伸長時に上記係合部41と係合し第2の筒体6fを係止する筒体係合受部61fとを有している。さらに、筒体係合部41は、摺動部材40に枢支された係合部材42と、一端が係合部材42に係着される一方、他端が摺動部材40に係着され、係合部材42を付勢するバネ部材43を有している。さらに、係合部材42はその一端に貫通孔と係合する突部42aと、他端に突部42aを貫通孔に対して進退運動させる運動伝達部を連結する連結部42bを有している。運動伝達部は、第2の筒体6fの先端のフック部7Cに設けた係合解除部に支持された線材45と、その線材45により吊下げられた被昇降体44を有している。被昇降体44は連結部42bに係合しており、被昇降体44の昇降運動により係合部材42が支柱の軸方向に回動することにより、突部42aが貫通孔に対して進退運動する。
係合解除部は、支柱の軸方向に回動可能にフック部7Cに軸支された操作部材46と、一端が操作部材46に係着され他端がフック部7Cに係着されたバネ部材47を有している。さらに、操作部材46は、線材45を支持する支持部46aと、操作部46bを有しており、バネ部材47は、操作部46bをフック部7Cから離間するように付勢している。
操作部46bに外力を加えない状態では、バネ部材43の付勢力により係合部材42の突部42aは貫通孔に係合している。これに対し、操作部46bをバネ部材47の付勢力に抗して押圧すると被昇降体44が上昇し、係合部材42の突部42aがバネ部材43の付勢力に抗して貫通孔から離反する方向に後退し、貫通孔との係合を解除することができる。
本変形例によれば、フック部にハンドルを掛止してスクリーンを引き出した状態で、支柱を容易に伸縮することができる。すなわち、支柱を伸縮する場合、支柱の先端に設けた係合解除部の操作部を押圧した状態で、上段の筒体を下段の筒体の中に押し込む、あるいは上段の筒体を下段の筒体から引き出せば良い。操作部を押圧している状態では、係合部材の突部が貫通孔に係合することがない。これにより1回の引き出しあるいは押し込み操作で支柱を伸縮することができる。また、フック部に係合解除部を設けているので、フック部を持ちながらの片手操作で支柱を伸縮することができる。
また、図22は、実施の形態1から3で用いたスライドロック機構のさらに別の変形例3を示している。本変形例のスライドロック機構は、図21に示したスライドロック機構の筒体係合部と筒体係合受部に代えて、無段階の係合機構を用いた点が相違する。
すなわち、本変形例のスライドロック機構は、第2の筒体6hの後端部の内周面に取着された摺動部材48と、摺動部材48の下端部50の外周面に形成された傾斜部50aに当接することにより第2の筒体6hを所定高さに保持するボール51と、そのボール51が傾斜部50aに当接するよう案内するボールガイド部49とを有している。さらに、ボール係合部49は、摺動部材48の下端部50に枢支されたガイド部材52と、摺動部材48の凹部48aに一端が係着され、他端が係合部材52の一端に係着されたバネ部材53を有している。ガイド部材52は、その一端にバネ部材53が係着された係着部52bと、他端には、そのボール51を押圧しボール51の傾斜部50aに対する当接を解除する解除部52aを有している。バネ部材53は、常時、係着部52bを介して、梃子動作により解除部52aがボール51から離反する方向に付勢している。
また、運動伝達部は、第2の筒体6fの先端のフック部7Cに設けた係合解除部に支持された線材45と、その線材45により吊下げられた被昇降体44を有している。被昇降体44は連結部を兼ねる係着部52bに係合しており、被昇降体44の昇降運動により係合部材52が支柱の軸方向に回動し、解除部52aをボール51に押圧させ又は解除部52aをボール51から離反あるいは単なる接触状態に保持する。なお、線材45は、ボールガイド部49のバネ部材53の長手方向を貫通して係着部52bに係合されている。
ここで、係合解除部は、支柱の軸方向に回動可能にフック部7Cに軸支された操作部材46と、一端が操作部材46に係着され他端がフック部7Cに係着されたバネ部材47を有している。さらに、操作部材46は、線材45を支持する支持部46aと、操作部46bを有しており、バネ部材47は、操作部46bをフック部7Cから離間するように付勢している。
操作部46bに外力を加えない状態では、バネ部材53の付勢力により解除部52aはボール51から離反あるいは単なる接触状態にあるため、ボール51は傾斜部50aに当接しており、第2の筒体6hは固定されている。操作部46bに外力を加えて被昇降体44を上昇させると、バネ部材53の付勢力に抗して解除部52aがボール51を押圧して傾斜部50aとの当接を解除する。これにより、支柱を自由に伸縮させることができる。
本変形例によれば、スライドロック機構の変形例2の場合と同様に、フック部にハンドルを掛止してスクリーンを引き出した状態で、支柱を容易に伸縮することができ、また、フック部に係合解除部を設けているので、フック部を持ちながらの片手操作で支柱を伸縮することができる。
また、ボールを傾斜部に当接させる係合機構を用いたので、支柱の高さを段階的に調整する必要がなく、任意の高さに調整することができる。
さらに、支柱に係合用の貫通孔を開けるための穴加工が不要であり、より低コストのスクリーン装置を提供することができる。
また、図23と24は、実施の形態1から3で用いたスライドロック機構のさらに別の変形例4を示している。
本変形例のスライドロック機構は、図23に示すように、先端側の第2の筒体6jの後端部の内周面に取着された摺動部材54の凹部54aに配置された筒体係合部55と、下段の第1の筒体6iの内面の長手方向に設けられた連続する一本の周回溝からなり、係止部61i,62i,63i,64iを有する筒体被係合部とから構成されている。筒体係合部55は、一端に摺動部材54の凹部54aに遊嵌された支持部56bと、他端に係止部と係合する突起部56aとを有し、支持部56bを支点として揺動可能な係合部材56と、一端を摺動部材54の凹部54aに係着され他端を係合部材56の支持部56bに係着され、係合部材56の突起部56aを係止部に圧接するように付勢するバネ部材57とで構成されている。
図24は、筒体被係合部58の構造を示す展開図である。筒体被係合部58を構成する周回溝は、支柱の伸長時には突起部56aと係合して第2の筒体6jの短縮方向への移動を規制する凹部からなる複数の係止部を有する往路溝60と、短縮時には突起部56aとの係合を解除して第2の筒体6jの短縮方向への移動を許す復路溝59とから構成されている。係止部は、第1の筒体6iの後端から先端方向に始点係止部64i、中間係止部63i,62i、終点係止部61iを有している。始点係止部及び中間係止部は、第1の筒体6iの後端側には突起部56aを係止する垂直部641i,631i,621iを有する一方、先端側に傾斜し突起部56aの先端側への移動を許す傾斜部642i,632i,622iを有している。一方、最先端の終点係止部は、後端側に突起部56aを係止する垂直部611iを有し、先端側には垂直部612iからなる突き当り部を有し、垂直部611iと垂直部612iとは、垂直部612i側に傾斜する傾斜部613iで接続されている。
非使用時には、突起部56aは始点係止部64iの垂直部641iに当接しており、第2の筒体6jは固定されている。この状態から、第2の筒体6jを第1の筒体6iから引き出すと、突起部56aは傾斜部642iを通って往路溝60を摺動しながら上昇する。任意の係止部に突起部56aが係合した状態で引き出しを停止すると、突起部56aが係止部、例えば中間係止部62iの垂直部621iに当接して、第2の筒体6jが固定される。一方、収納のため、支柱を短縮する場合には、第2の筒体6jを最長となるように引き出して突起部56aを終点係止部61iに移動させると、突起部56aは突き当り部612iに突き当たり、傾斜部613iを揺動して復路溝59に移動する。この状態で、第2の筒体6jを第1の筒体6iに押し込むと、突起部56aは復路溝59を自動降下して始点係止部64iに復帰する。これにより、支柱を短縮することができる。
本変形例によれば、フック部にハンドルを掛止してスクリーンを引き出した状態で、支柱を容易に伸縮することができる。特に、支柱を最長状態に伸長すると、支柱が自動的に降下するので、支柱の短縮を容易に行うことができる。
図25から27は、実施の形態1から3で用いたロック機構の変形例を示している。
図25は、ロック機構の変形例1の備えたスクリーン装置P2の模式斜視図である。本変形例では、一端がケーシングの一方の側面に固着され、トップバーを跨ぐようにして他端が着脱自在にケーシングの他方の側面に固定されたベルト部材を有している。図25に示すように、トップバー5の概ね中央にハンドルが固着されており、ベルト部材84の自由端はトップバーを跨いでケーシングの側面に固着された固定部材により着脱自在に固定されている。
本変形例によれば、ロック機構を簡単な構成とすることができるので、より低コストのスクリーン装置を提供することができる。
図26は、実施の形態1から3で用いたロック機構の別の変形例2を示している。本変形例では、ロック機構に一対のベルト部材を用いた例を示している。本変形例は、一端がケーシング1の一方の側面に固着され、トップバー5を跨ぐようにして他端が着脱自在にケーシング1の他方の側面に固定された一対のベルト部材86,87を有している。ベルト部材86,87の自由端はケーシング1の他方の側面に固着された固定部材88,89に着脱自在に固定されている。ハンドル81はケーシング1の概ね中央であって、固定部材88,89の間に固着され、トップバー5の中央には掛止用の引掛け部材83が固着されている。
本変形例によれば、ロック機構を簡単な構成とするとともに、一対のベルト部材を用いることにより、より確実にトップバーをケーシングに固定することができる。
図27は、実施の形態1から3で用いたロック機構の別の変形例3を示している。本変形例では、ロック機構にハンドルと一体化した一対のベルト部材を用いた例を示している。本変形例は、一端がケーシング1の一方の側面に固着され、トップバー5を跨ぐようにして他端が着脱自在にケーシング1の他方の側面に固定された一対のベルト部材90,91を有している。ベルト部材90,91の自由端はケーシング1の他方の側面に固着された固定部材92,93に着脱自在に固定されている。ハンドル82は一対のベルト部材90,91に両端が回動可能に軸支されている。また、トップバー5の中央には掛止用の引掛け部材83が固着されている。
本変形例によれば、ロック機構を簡単な構成とするとともに、一対のベルト部材を用いることにより、より確実にトップバーをケーシングに固定することができる。
なお、実施の形態1から3では、2段と3段の筒体からなる支柱を用いた例を示したが、筒体の段数はそれに限定されるものではない。例えば、実施の形態1又は2のスクリーン装置において、3段以上の多段の筒体からなる支柱を構成する場合、2段よりも先端側の筒体に図18又は図20に示したスライドロック機構を第2のスライドロック機構として用いることができる。同様に、実施の形態3のスクリーン装置において、4段以上の多段の筒体からなる支柱を構成する場合、3段よりも先端側の筒体に図18又は図20に示したスライドロック機構を第2のスライドロック機構として用いることができる。また、すべてのスライドロック機構に図18又は図20に示したスライドロック機構を用いることにより、多段の筒体からなる支柱を構成することもできる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】



【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延在する開口部を上面に有し、長手方向に延在し分離可能な第1のケース部材と第2のケース部材とからなるケーシングと、
該ケーシングに回動自在に取り付けられたスプリングロールと、
収納時には上記スプリングロールに巻回され、使用時には上記開口部から巻き出されるスクリーンと、
該スクリーンの一端が固着され、収納時には上記開口部を塞ぐ蓋体を兼ねるトップバーと、
該ケーシングの側面中央部に一端が支持され、巻き出したスクリーンを展張状態に保持する伸縮可能な支柱と、を有する可搬式スクリーン装置。
【請求項2】
上記支柱は、該ケーシングの側面中央部に一端が起伏可能に軸支されており、起立時には巻き出したスクリーンを展張状態に保持する請求項1記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項3】
上記ケーシングが、第1及び第2のケース部材の幅方向の一端を連結する一方、上記開口部を形成可能に幅方向の他端を互いに離間配置してなる請求項1又は2に記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項4】
上記トップバーの中央部にハンドル部を設ける一方、上記支柱の先端部にフック部を設け、該フック部に上記ハンドル部を掛止するようにした請求項1から3のいずれか一つに記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項5】
上記フック部を上記支柱の先端部に水平回動可能に取付け、上記支柱の倒伏時にはフック部を回動させて上記ケーシングに密着させるようにした請求項4記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項6】
収納時に上記トップバーを上記ケーシングに固定するロック機構を有する請求項1から5のいずれか一つに記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項7】
上記ロック機構が、上記トップバー上に配設された係合部と、上記ケーシングに配設され該係合部と係合する被係合部を有する請求項6記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項8】
上記係合部が上記トップバーの幅方向に対向配設された一対の係合部材を有する一方、上記被係合部が上記ケーシングの対向する開口縁部にそれぞれ配設され上記係合部材と係合する一対の被係合部材を有する請求項7記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項9】
上記の各係合部材は係合部に回動可能に軸支されており、一端に上記被係合部と係合する係合端部、他端に係合端部の係合・解放を操作する操作部を有し、対向配置した一対の操作部を接近方向に回動させて係合端部の被係合部との係合を解除する一方、該一対の操作部を離反方向に回動させて係合端部と被係合部とを係合させる請求項8記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項10】
上記係合部はバネ部材を有し、該バネ部材は係合時に上記係合端部を上記被係合部に圧接するように付勢する請求項9記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項11】
上記係合部が、係合時において上記操作部の接近を防止する回動ロック機構を有してなる請求項7から10のいずれか一つに記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項12】
上記回動ロック機構が、ロック位置と解放位置とを回動自在に係合部に嵌着されたロック部材からなり、ロック位置ではロック部材頭部の両端部のそれぞれを各操作部に当接させて操作部の接近を防止し、解放位置では両端部と各操作部との当接を解除して操作部の接近を許す請求項11記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項13】
上記支柱が、入れ子状に構成され相互に摺動してスライド伸縮可能な複数の筒体から成る一方、スライド伸縮させた上段の筒体のスライドをロックし、支柱を所定高さに保持するスライドロック機構を有する請求項1から12のいずれか一つに記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項14】
上記スライドロック機構は、最下段の第1の筒体にその上段の第2の筒体を係止させる第1のスライドロック機構を有し、該第1のスライドロック機構は、係合部材と該係合部材を支持する基部とを有し、第1の筒体の先端部の外周面に取着された筒体係合部と、第2の筒体の長手方向に設けられた少なくとも1つの貫通孔から成り、伸長時に上記係合部材と係合して第2の筒体を係止する筒体被係合部とを有しており、
該係合部材を、一端に上記貫通孔と係合する突起部と、他端に突起部と貫通孔との係合・解放を操作する操作部とで構成し、筒体の軸方向に回動可能に係合部材を上記基部に軸支して、操作部を筒体方向に押圧すると突起部と貫通孔の係合が解放され、操作部の押圧を解除すると突起部と貫通孔が係合するようにした請求項13記載の可搬式スクリーン装置。
【請求項15】
上記操作部の押圧状態を維持して、突起部と貫通孔の係合の解除状態を維持する操作部ロック機構を有する請求項14記載のスクリーン装置。
【請求項16】
上記操作部ロック機構が、基部に配設された係合溝と、係合部材に配設された係合ピンからなり、操作部を筒体方向に押圧すると、係合溝に係合ピンが係合するようにした請求項15記載のスクリーン装置。
【請求項17】
上記スライドロック機構は、第2の筒体よりも先端側の筒体のスライドをロックする第2のスライドロック機構を有しており、該第2のスライドロック機構は、上段の筒体の後端部の内周面に配設された筒体係合部と、下段の筒体の長手方向に形成された複数の貫通孔からなり、上記筒体係合部と係合する筒体係合受部とからなる請求項14から16のいずれか一つに記載のスクリーン装置。
【請求項18】
上記先端側の筒体の先端部に、解除状態の突起部と当接し突起部を貫通孔に係合させるように案内する一方、突起部と貫通孔との係合状態を維持する突起部ロック機構を設けてなる請求項14から17のいずれか一つに記載のスクリーン装置。
【請求項19】
上記筒体係合部が、係合時に突起部を貫通孔に圧接させるように付勢するバネ部材を有する請求項14から18のいずれか一つに記載の可搬式スクリーン装置。

【国際公開番号】WO2005/043235
【国際公開日】平成17年5月12日(2005.5.12)
【発行日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−515086(P2005−515086)
【国際出願番号】PCT/JP2004/005765
【国際出願日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(000200666)泉株式会社 (24)
【Fターム(参考)】