説明

可溶性のプレセラミックオリゴマー及び/又はポリマーを連続的に製造及び単離する方法

本発明は、プレセラミックポリマーの連続的製造方法に関する。本方法は、前記ポリマーの合成、反応混合物からのそれらの分離、並びに架橋度及び流動学的性質の調節のための熱的な状態調節を単一の統合された方法において含む。製造されたポリマーは、三元系又は四元系X/Y/NもしくはX/Y/N/Cにおける非酸化物セラミックを製造するための出発物質として利用される。そのような原料は、高い耐熱性、機械的安定性及び耐薬品性によって特徴付けられており、その際にX及びYは、とりわけ元素Si、B、P、Al、Ti、V、Zr、Taの、任意の組合せである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレセラミックポリマー(praekeramischen Polymeren)の連続的製造方法に関する。本方法は、前記ポリマーの合成、反応混合物からのそれらの分離、並びに架橋度及び流動学的性質の調節のための熱的な状態調節を単一の統合された方法において含む。製造されたポリマーは、三元系又は四元系X/Y/NもしくはX/Y/N/Cにおける非酸化物セラミックを製造するための出発物質として利用される。そのような原料は、高い耐熱性、機械的安定性及び耐薬品性によって特徴付けられており、その際にX及びYは、とりわけ元素Si、B、P、Al、Ti、V、Zr、Taの、任意の組合せである。
【0002】
プレセラミックポリマーの製造は、分子状前駆物質の架橋により行われ、前記の分子状前駆物質は好ましい形で、元素X及びYを単一分子中に含有する(一成分前駆物質)。別の一実施態様において、その都度元素X又はYを含有する多様な分子の混合物が架橋されることができる。前駆物質分子の架橋は、好ましくはアンモニア又は第一級アミンを用いて、プレセラミックポリマーの形成下に行われる。前記ポリマーは、成形体、繊維、フィルム又はコーティングに加工されることができ、かつ最終的に、1500℃までの温度で、相応するセラミックの材料へ変換されることができる。
【0003】
ケイ素及びホウ素を含有する一成分前駆物質からポリボロシラザンを製造することによる工業的方法はとりわけ、Bayer AG、欧州特許出願公開(EP-A2)第0502399号明細書に記載されている。しかしながら、この技術水準の方法は、とりわけ技術的な見地から、一連の欠点を有する
・プレセラミックポリマーの製造に好ましい架橋試薬であるアンモニア及びメチルアミンは、標準状態で気体である。故に、重合は、冷却下又は加圧下のいずれかで行わなければならない。
・前記方法は不連続に操作する。重合が行われた後に、ポリマーの単離のために、少なくとも3つの別個の処理工程が必要である:
・過剰のアミンを反応バッチから蒸発させる
・重合の間に生じた塩酸塩を、ポリマーからろ過し、かつ塩酸塩を、付着しているポリマーから洗い流す
・ポリマーの単離のために溶剤を留去する
・さらに付加的に必要な、第四の処理工程において、さらなる加工のために必要な架橋度及びポリマーの粘度もしくは分子質量に調節される(重縮合工程)。前もって、ポリマーは完全に後処理され、かつ単離されなければならない。
・塩状の塩酸塩をポリマーから分離するために、かなりの量の有機溶剤が必要とされる。このことは、溶剤の交換又は回収のための高いコストに加えて、溶剤の扱いにおいて及び溶剤の廃棄の際により大きな安全技術的な出費もまねく。
【0004】
前記の技術水準の欠点を少なくとも部分的に克服し、能率のよい、連続的に操作する方法を提供するという課題が、本発明の基礎となっていた。特に、前記方法は、周囲圧力で及び/又は冷却せずに、すなわち標準状態で、操作されることができるべきである。それにより、相応する設備の建設のための技術的出費がかなり減少されることができ、かつ操作コストが低下されることができる。さらにまた、前記方法は、ポリマーの冒頭で明記された全ての種類の物質に使用可能であるべきである。
【0005】
前記課題は、本発明によれば、特許の範囲の記載に従って解決される。好ましい実施態様は、従属請求項に詳しく記載されている。
【0006】
特に、本発明は、窒化物セラミック又は炭窒化物セラミックを合成するための分子状前駆物質からのプレセラミックポリマーの製造方法に関するものであり、
(a)合成、
(b)単離及び
(c)ポリマーの状態調節
が単一の連続した製造プロセスにおいて行われることによって特徴づけられている。
【0007】
本発明による方法は、分子状前駆物質を重合するための、同時に合成されたオリゴマー及び/又はポリマーの抽出及び単離を行う、反応系を含む。それゆえ、この製造方法は、連続したもしくは連続的なプロセスであり、すなわちポリマーの合成/重合、単離及び状態調節の処理工程の空間的もしくは時間的な分離は、設けられておらず、必要でもない。
【0008】
本発明による方法は、大気圧で及び/又は冷却せずに周囲温度、すなわち約20℃で、有利には実施されることができる。すなわち、本発明による反応器は、周囲温度で及び大気圧下に操作する点で優れている。
【0009】
反応器中には、一相又は多相であってよい反応混合物が存在する。本方法の好ましい一実施態様において、反応混合物は重合の間に液体であり、かつ二相である。反応混合物は、溶剤又は溶剤混合物、分子状前駆物質(モノマー)又は多様な分子状前駆物質の混合物、架橋試薬、オリゴマー生成物及び/又はポリマー生成物並びに縮合反応の過程で形成される副生物を含む。標準状態で気体の架橋試薬、例えばアンモニア又はメチルアミンを使用する場合に、この試薬は連続的に反応器を流れ、その際に部分的に又は完全に反応混合物中に溶解し、かつ分子状前駆物質と反応する。
【0010】
反応器中で進行する組み合わされた重合及び抽出のためには、好ましくは2つの異なる非プロトン性溶剤が使用され、そのうちの1つが無極性であり、かつ1つが極性である。適した無極性溶剤の例は、C5〜C15−アルカン、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、又は芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、メシチレン又はそれらの混合物である。適した極性溶剤の例は、クロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、イミダゾール、トリメチルアミン又はそれらの混合物である。
【0011】
溶剤はそれらの純粋な形で、完全に混和性であってよく、又は少なくとも1つのミシビリティギャップ(Mischungsluecke)を有していてよい。双方の溶剤は、少なくとも重合の過程で相応する反応条件下に二相の系が形成されるように選択されるべきである。
【0012】
本方法の好ましい一実施態様において、相分離は、その都度純粋な極性溶剤及び無極性溶剤の1つ又はそれ以上のミシビリティギャップに基づいて、出発物質の添加前に既に存在するか、又は相分離は、重合の過程で出発物質の添加後にはじめて生じる。
【0013】
本発明による方法の特に好ましい一実施態様において、無極性の非プロトン性溶剤、例えばC5〜C15−アルカン、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、又は芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、メシチレン又はそれらの混合物、及び極性の非プロトン性溶剤、例えばクロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、イミダゾール、トリエチルアミン、又はそれらの混合物が使用される。
【0014】
前駆物質並びに架橋試薬は互いに独立して、純粋な形で又は溶解された形で反応器に供給されることができる。
【0015】
化学量論的に又は過剰量で、適した架橋試薬は、例えばアンモニア、メチルアミン、シアナミド、メラミンであるか、又は多様な架橋試薬の混合物が使用されることができる。
【0016】
好ましくは、標準状態(すなわち大気圧及び周囲温度)で気体の架橋試薬、例えばアンモニア、メチルアミン又はアンモニアとメチルアミンとの混合物は、溶剤又は溶剤混合物中に溶解される。
【0017】
本発明による方法のために適した分子状前駆物質は、当業者に知られており、かつ技術水準のこれまでの方法において使用されるモノマーを含む。好ましくは、分子状前駆物質は、末端の塩素原子、水素原子又は/及びアミノ基を有し、その際に、異なる末端基を有する相応するモノマーの混合物も使用されることができる。
【0018】
特に適した分子状前駆物質は、例えばトリクロロシリルアミノジクロロボラン、メチルジクロロシリルアミノジクロロボラン、ジクロロボリルメチルトリクロロシリルアミン、又はトリクロロシリルジクロロボリルメタン又はそれらの混合物である。
【0019】
好ましい一実施態様において、分子状前駆物質(もしくは多様な前駆物質の混合物)及び架橋試薬(もしくは多様な架橋試薬の混合物)は、その都度純粋な形で重合のために反応器に供給される。それとは選択的に、分子状前駆物質及び/又は架橋試薬は、まず最初に別個にその都度適した溶剤中に溶解され、その後に重合のために反応器に供給されることができる。他の一実施態様において、重合は反応器中で、まず最初に一相で適した溶剤中で実施され、その後に第二の溶剤の添加によって二相混合物が製造される。
【0020】
架橋すべき前駆物質(もしくは多様な前駆物質の混合物)は、反応器中に存在している溶剤混合物に連続的に添加され、そこで、その中に溶解された架橋試薬と反応する。前駆物質が脱離基としてハロゲン原子を含有する場合には、脱ハロゲン化水素反応によって、極性溶剤中に溶解し、かつ極性溶剤の極性をさらに高める塩状の副生物が生じる。この極性が、特定の極限値を上回る場合に、重合反応の開始前に既に二相が存在しなかった場合には、極性溶剤相及び無極性溶剤相への相分離となる。極性相中には主にポリマー及び塩酸塩が溶解されているのに対し、無極性相中には、ほぼ専ら溶解されたポリマーが存在している。それぞれの溶剤相中のポリマーの濃度はその場合に、これらの溶剤中のポリマーの分配平衡によって決定される。架橋反応の間に形成されたポリマーは、相境界上で、極性溶剤相から無極性溶剤相中へ移行する。このポリマー含有溶剤の特定含分は、溢流によって外部捕集容器中へ連続的に移送され、そこから無極性溶剤が留去される。ポリマーは残留し、かつ捕集容器中に蓄積されるのに対し、留去された溶剤は、反応混合物に改めて供給される。それゆえ、ポリマーのための輸送剤とみなされることができる無極性溶剤のための循環路は閉じられている。それに応じて、分子状前駆物質の架橋及び副生物からのポリマーの分離のためには、連続的に循環される一定量の溶剤が必要とされる。
【0021】
それゆえ、好ましい一実施態様において、架橋の過程で形成されたポリマーの一部は、無極性溶剤相中に溶解する。
【0022】
極性溶剤相から無極性溶剤相へのポリマーの移行は、この場合に、機械的な補助手段、例えば撹拌装置によるか、又は外部運動、特に撹拌運動により、補助もしくは促進されることができる。
【0023】
好ましくは、分子状前駆物質並びに架橋試薬は、これらが消費されるような程度もしくは量で反応混合物に連続的に供給される。
【0024】
好ましくは、重合の過程で生じた塩酸塩はさらに、極性溶剤相中に溶解され、そこに蓄積され、かつ過飽和の際に固体として沈殿する。
【0025】
合成直後の自己縮合によるポリマーの架橋度の調節は、1つのプロセス工程であり、それによって、ポリマーの流動学的性質が調整もしくは制御されることができる。本発明による方法の場合に、この状態調節は、ポリマーの製造の間に既に行われることができる、それというのも、抽出の間に捕集容器中に蓄積するポリマーは、持続的に溶剤の沸騰温度にあるからである。それゆえ、有利には、ポリマーの架橋度は幅広い範囲内で、抽出のために使用される溶剤の選択、すなわちその沸点によって、並びにポリマーが製造プロセスから排出される前に温度調節された捕集容器中に残留する時間を通じて、調整もしくは制御されることができる。
【0026】
好ましい一実施態様において、ポリマー含有の無極性溶剤相の一部は、二相の反応混合物から連続的に分岐され、かつ外部捕集容器中へ移送される。さらに、無極性溶剤の一部が捕集容器から連続的に留去され、かつ反応混合物に改めて供給されることが好ましい。好ましくは、ポリマーは捕集容器中に蓄積され、かつ固体として部分的に析出される。
【0027】
本発明による方法の別の一実施態様において、製造プロセスの過程で生じた固体、例えば塩酸塩又はポリマーは、製造プロセスから連続的に排出される。さらに、一実施態様において、ポリマーの架橋度は好ましくは無極性溶剤の沸騰温度を通じて調節されることができる。別の一実施態様において、ポリマーの架橋度は、捕集容器中のポリマーの滞留期間を通じて調節されることができる。
【0028】
本発明による方法は、さらに、添付された図並びに実施例によって説明される。
【0029】
図1には、本発明による連続的方法の流れ図が示されており、前記方法の場合にポリマーの合成、単離及び状態調節が単一のプロセスにおいて行われる。
【0030】
重合反応器(A)は、室温及び周囲圧力で操作し、かつ液相(1)及び(2)を含有する。これら双方の相の体積比は、原則的に任意であり、かつ好ましくは1:10〜10:1である。上相(1)は、無極性の非プロトン性溶剤(例えばC5〜C15−アルカン、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、又は芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、メシチレン又はそれらの混合物)からなり、その中に重合の間に形成されたポリマーが溶解する。下相(2)は、極性の非プロトン性溶剤(例えばクロロホルム、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン、イミダゾール、トリエチルアミン、又はそれらの混合物)からなり、かつ使用される架橋試薬のための良好な溶剤である。相境界(z)を形成しながらの、2つの溶剤相への分離は、2つの不混和性の溶剤の相応する選択によって引き起こされることができる。それとは選択的に、無極性溶剤及び極性溶剤はまず最初に完全に混和性であってもよく、かつ重合の過程ではじめて、極性溶剤中に溶解する塩状の副生物の形成によって分離しうる。双方の溶剤がそれらの純粋な形で完全に混和性である場合には、相分離は、極性溶剤含分中に塩(例えばNaCl、メチルアミン塩酸塩、塩化アンモニウム)を溶解させることによっても引き起こされることができる。
【0031】
分子状前駆物質(a)(例えばトリクロロシリルアミノジクロロボラン、メチルジクロロシリルアミノジクロロボラン、ジクロロボリルメチルトリクロロシリルアミン、トリクロロシリルジクロロボリルメタン、又はそれらの混合物)及び架橋試薬(b)(例えばアンモニア、メチルアミン、シアナミド、メラミン、又はそれらの混合物)は、反応器に連続的に供給される。その場合に、出発物質は、好ましくは極性溶剤相中へ導通される。架橋反応の過程で生じるポリマーは、相境界(z)上で、極性の(下の)溶剤相から無極性の(上)相中へ移行する。これは、機械的な補助手段、例えば撹拌装置によるか又は外部の撹拌運動により補助及び促進されることができる。ポリマーの豊富化された無極性溶剤相は、溢流(d)を経て、無極性溶剤の沸騰温度を常に上回っている外部捕集容器(B)中へ達する。溶剤は、そこから持続的に留去され、かつ反応器に改めて供給される(e)。反応器中で合成される、なお相対的に低分子量のポリマーは、捕集容器中に蓄積され、かつポリマーの架橋度が特定の値に達するまで溶剤の沸騰温度でそこに残留する。架橋度がさらに上昇する場合には、ポリマーは、温度及び濃度に応じて固体として沈殿し、かつ製造プロセス及び抽出プロセスから排出されることができる(f)。
【0032】
重合の過程で形成された塩状の塩酸塩は、極性溶剤相中に蓄積される。そこで、その溶解度積を上回る際に固体として沈殿し、かつポリマーと同じようにプロセスから連続的に排出されることができる(c)。
【0033】
例1:
メチルアミンでの一成分前駆物質Cl3Si−N(CH3)−BCl2(ジクロロボリルメチルトリクロロシリルアミン、DMTA)の架橋によるポリボロシラザンの連続的な製造及び単離。
【0034】
ジクロロメタン1000mlを、ヘキサン1000mlと混合する。この均質な溶液中へ、室温及び周囲圧力で撹拌しながら、モノマーDMTA(0.5g/min=2mmol/min)並びに架橋試薬メチルアミン(0.5nl/min=22mmol/min)を連続的に導通する。この重合の過程で、反応混合物中に相境界が形成され、その際に上相は、ヘキサン中のポリマーの溶液からなるのに対し、下相は、ポリマー含分に加えて、ジクロロメタン中に溶解された副生物メチルアミン塩酸塩を主に含有する。上の溶剤相の液体レベルのすぐ下に存在する溢流によって、ヘキサン/ポリマー溶液の一部が、約80℃に温度調節されている捕集容器中へ達する。そこから、ヘキサンの一部を溢流を経て蒸留して戻し、縮合させ、二相のジクロロメタン/ヘキサン混合物に再び供給する。
【0035】
製造プロセスの過程で、捕集容器中にポリマーが蓄積され、かつジクロロメタン溶剤相中にメチルアンモニウム塩酸塩が蓄積される。双方の物質は、固体分離器を経て製造プロセスから連続的に排出される。
【0036】
例2:
メチルアミンでの一成分前駆物質Cl3Si−NH−BCl2(トリクロロシリルアミノジクロロボラン、TADB)の架橋によるポリボロシラザンの連続的な製造及び単離。
【0037】
アセトニトリル1000mlを、ヘキサン1000mlと混合する。この均質な溶液中へ、室温及び周囲圧力で撹拌しながら、モノマーTADB(0.5g/min=2mmol/min)並びに架橋試薬メチルアミン(0.5nl/min=22mmol/min)を連続的に導通する。この重合の過程で、反応混合物中に相境界が形成され、その際に上相は、ヘキサン中のポリマーの溶液からなるのに対し、下相は、ポリマー含分に加えて、アセトニトリル中に溶解された副生物メチルアンモニウム塩酸塩を主に含有する。上の溶剤相の液体レベルのすぐ下に存在する溢流によって、ヘキサン/ポリマー溶液の一部が、約80℃に温度調節されている捕集容器中へ達する。そこから、ヘキサンの一部を溢流を経て蒸留して戻し、縮合させ、二相のアセトニトリル/ヘキサン混合物に再び供給する。
【0038】
製造プロセスの過程で、捕集容器中にポリマーが蓄積され、かつアセトニトリル溶剤相中にメチルアミン塩酸塩が蓄積される。双方の物質は、固体分離器を経て製造プロセスから連続的に排出される。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明による連続的方法の流れ図。
【符号の説明】
【0040】
A 重合反応器、 B 外部捕集容器、 1 液相、 2 液相、 a 分子状前駆物質、 b 架橋試薬、 c 塩酸塩の排出、 d 溢流、 e 反応器への供給、 f ポリマーの排出、 z 相境界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
窒化物セラミック又は炭窒化物セラミックを合成するための分子状前駆物質からのプレセラミックポリマーの製造方法であって、
(a)合成、
(b)単離及び
(c)ポリマーの状態調節
が単一の連続した製造プロセスにおいて行われることを特徴とする、プレセラミックポリマーの製造方法。
【請求項2】
大気圧で操作する、請求項1記載の方法。
【請求項3】
冷却せずに操作する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
製造プロセスが全ての部分で連続的に進行する、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
反応混合物が重合の間に液体であり、かつ二相である、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
その都度純粋な極性溶剤及び無極性溶剤の1つ又はそれ以上のミシビリティギャップに基づく相分離が、出発物質の添加前に既に存在するか、又は相分離が、重合の過程で出発物質の添加後にはじめて生じる、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
無極性の非プロトン性溶剤及び極性の非プロトン性溶剤を使用する、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
架橋試薬としてアンモニア、メチルアミン、シアナミド、メラミン又は多様な架橋試薬の混合物を、化学量論的に又は過剰量で、使用する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
標準状態で気体の架橋試薬、特にアンモニア、メチルアミン、又はアンモニアとメチルアミンとの混合物を、溶剤又は溶剤混合物中に溶解させる、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
【請求項10】
互いに独立して塩素原子、水素原子、アミノ基を末端に有する分子状前駆物質を使用する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
分子状前駆物質として、トリクロロシリルアミノジクロロボラン、メチルジクロロシリルアミノジクロロボラン、ジクロロボリルメチルトリクロロシリルアミン又はトリクロロシリルジクロロボリルメタン又はそれらの混合物を使用する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
架橋の過程で形成されるポリマーの一部が無極性溶剤相中に溶解する、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
極性溶剤相から無極性溶剤相へのポリマーの移行が、機械的な補助手段、例えば撹拌装置によるか又は外部の撹拌運動により補助及び促進されることができる、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
分子状前駆物質及び架橋試薬を、これらが消費されるような程度で反応混合物に連続的に供給する、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
重合の過程で生じた塩酸塩を極性溶剤相中に溶解させ、そこに蓄積し、かつ過飽和の際に固体として沈殿する、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
ポリマー含有の無極性溶剤相の一部を、二相の反応混合物から連続的に分岐させ、かつ外部捕集容器中へ移送する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
無極性溶剤の一部を、捕集容器から連続的に留去し、かつ反応混合物に改めて供給する、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項18】
ポリマーが捕集容器中に蓄積され、かつ固体として部分的に析出される、請求項1から17までのいずれか1項記載の方法。
【請求項19】
製造プロセスの過程で生じた固体、例えば塩酸塩又はポリマーを、製造プロセスから連続的に排出する、請求項1から18までのいずれか1項記載の方法。
【請求項20】
ポリマーの架橋度が、無極性溶剤の沸騰温度を通じて調節されることができる、請求項1から19までのいずれか1項記載の方法。
【請求項21】
ポリマーの架橋度が、捕集容器中のポリマーの滞留期間を通じて調節されることができる、請求項1から20までのいずれか1項記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2009−511400(P2009−511400A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529547(P2008−529547)
【出願日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008745
【国際公開番号】WO2007/028620
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(390040420)マックス−プランク−ゲゼルシャフト・ツア・フェルデルング・デア・ヴィッセンシャフテン・エー・ファオ (54)
【氏名又は名称原語表記】Max−Planck−Gesellschaft zur Foerderung der Wissenschaften e.V.
【住所又は居所原語表記】Berlin, Germany