説明

可燃性ガスの濃縮方法および可燃性ガスの濃縮システム

【課題】本発明の目的は、可燃性ガスを濃縮する際に、爆発範囲の濃度となることを回避しつつ高濃度な濃縮を実現することができる技術を提供する。
【解決手段】外部から前記吸着ユニットのガス流入部を介して原料ガスを流入させ、ガス流出部から外部に残余のガスを流出させて、吸着ユニット内の吸着材に可燃性ガスを吸着させる吸着工程を実行した後、前記吸着材から可燃性ガスを脱着させて外部へ取り出す脱着工程を実行するに、吸着工程を実行した後、ガス流出部からのガス流出を止めて、吸着工程における吸着ユニット内の圧力より、吸着ユニット内圧力が高い状態で、吸着材に可燃性ガスを吸着させる過吸着工程を実行し、過吸着工程を実行した後、脱着工程を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可燃性ガスおよび空気を含有する原料ガスを吸着ユニット(可燃性ガスを選択的に吸着する吸着材が収納された吸着塔)に供給して、可燃性ガスを選択的に吸着させ、濃縮する可燃性ガスの濃縮方法、及びこの方法を実行する可燃性ガスの濃縮システムに関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性ガスを燃料などとして有効に利用する場合には、可燃性ガスが含まれる原料ガスから空気などのガスを分離して、適当な範囲にまで可燃性ガスを濃縮する必要がある。このような可燃性ガスを濃縮する装置や方法は種々提案されているが、例えば特許文献1では、可燃性ガスとしてのメタンガスを含有する炭鉱から発生するガス(いわゆる炭鉱ガス)を原料ガスとして、この原料ガスから吸着材を用いて空気(主に窒素、酸素、二酸化炭素が含まれる)を分離し、メタンガスを濃縮して利用する発明が提案されている。
【0003】
すなわち、上記特許文献1では、窒素に比べてメタンガスの吸着速度が非常に遅い天然ゼオライトを吸着材として用いて(換言すると、メタンガスに対して窒素、酸素、二酸化炭素を優先的に吸着する吸着材を用いて)、当該吸着材が充填された吸着塔に炭鉱ガスを圧縮機等により所定圧になるまで導入して、炭鉱ガスに含まれる酸素、窒素、二酸化炭素を先に吸着塔の手前部(下部)に吸着させ、吸着塔の奥部(上部)に吸着速度の遅いメタンガスを吸着させて、さらに当該メタンガスを吸着塔の上部から大気圧になるまで放出して、メタンガスを濃縮する装置および方法の発明が提案されている。
これにより、原料ガスとしての炭鉱ガスから、吸着材を用いて空気を分離し、メタンガスを濃縮して、当該濃縮されたメタンガスを燃料等として利用することができるものとされている。
【0004】
【特許文献1】特開昭58−198591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、一般に可燃性ガスは爆発する可能性が存在し、原料ガス等に可燃性ガスが所定の濃度範囲で含まれている場合に爆発する可能性があるものとされている。この濃度範囲は、可燃性ガスの種類によって異なるが、一般的には、可燃性ガスが5〜20Vol%程度含まれる範囲とされている。そして、上述のメタンガスの場合でも、同様の濃度範囲で爆発の可能性があるものとされている。
また、可燃性ガスの爆発の可能性は、可燃性ガスの濃度に加え、原料ガス等に酸素ガスが所定の濃度で含まれる場合に爆発する可能性があるものとされている。この濃度範囲は、酸素ガスが10Vol%以上含まれる範囲とされている。
【0006】
したがって、可燃性ガスを含有するガスを取り扱う際には、上記可燃性ガスおよび酸素ガスの濃度範囲に充分な配慮をする必要がある。特に、可燃性ガス若しくは酸素ガスが爆発する可能性がある濃度範囲付近にあるガスである場合には、当該可燃性ガス若しくは酸素ガスの濃度を調整して、上記濃度範囲に入らないようにすることが重要である。
【0007】
ここで、この点について、上記特許文献1に記載の発明について検討すると、濃縮後のメタンガスは比較的高濃度(メタン濃度60Vol%程度)であり爆発濃度範囲外となっているものの、炭鉱ガス(メタン濃度44Vol%程度、酸素ガス濃度12Vol%程度)からメタンガスをある程度取り出した後のオフガスには、メタンガスが比較的低濃度(メタン濃度44Vol%以下)で含まれており、さらに酸素ガスも所定濃度(酸素ガス濃度12Vol%程度以上)含まれているため、メタンガス及び酸素ガスの何れもが爆発濃度範囲内に入る可能性があり、当該排ガスが爆発するおそれが生じ問題である。
【0008】
さて、可燃性ガスを選択的に吸着する吸着材が収納された吸着ユニットを適宜使用して濃縮を行う場合、通常、吸着工程では、ガス流入部から原料ガスを流入させ、ガス流入部とは反対側に設けられているガス流出部から吸着後の残余のガスを流出させる。この吸着工程における吸着管理は、先に説明した爆発限界との関係から、外部に放出されるオフガスにおける可燃性ガスの濃度に注目して管理することとなる。例えば、吸着ユニット内に収納される吸着材の量との関係から、オフガスとして放出される可燃性ガスの濃度が爆発限界以下に収まる吸着時間を予め求めておき、この吸着時間を上限として吸着を行わせることで、良好な操業を維持することとなる。
【0009】
さて、この点をユニット内の吸着材の吸着状態との関係からみると、ガス流入部側の吸着材に関しては、爆発限界を越えて吸着材が吸着しうる限界に近い可燃性ガスが吸着されている。一方、ガス流出部側の吸着材に関しては、爆発限界を上限としてオフガスに含まれる可燃性ガスの濃度が管理されるため、実質的に吸着材に吸着できる可燃性ガスの濃度は、爆発限界未満或はその近傍に限られる。
したがって、このような運転手法を実行する場合は、単一の吸着ユニットで見た場合に、当該吸着ユニットに収納されている吸着材の全部を充分に活用しているとはいい難い。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、可燃性ガスを濃縮する際に、爆発範囲の濃度となることを回避しつつ、各吸着ユニットに収納される吸着材の全部を充分に活用することができ、高濃度な濃縮を実現することができる技術を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための、
ガス流入部及びガス流出部を備えるとともに、内部に可燃性ガスを選択的に吸着する吸着材が充填された吸着ユニットを備え、
外部から前記吸着ユニットのガス流入部を介して原料ガスを流入させ、ガス流出部から外部に残余のガスを流出させて、吸着ユニット内の吸着材に可燃性ガスを吸着させる吸着工程を実行した後、前記吸着材から可燃性ガスを脱着させて外部へ取り出す脱着工程を実行する可燃性ガスの濃縮方法の特徴構成は、
前記吸着工程を実行した後、前記ガス流出部からのガス流出を止めて、前記吸着工程における吸着ユニット内の圧力より、吸着ユニット内圧力が高い状態で、前記吸着材に可燃性ガスを吸着させる過吸着工程を実行し、前記過吸着工程を実行した後、前記脱着工程を実行することにある。
この可燃性ガスの濃縮方法にあっても、従来、行われてきたように、吸着工程を実行し、吸着材に可燃性ガスを吸着した後に、脱着工程を実行することで、製品タンクに可燃性ガスの濃縮ガスを回収する。そして、本願に係る可燃性ガスの濃縮方法では、前記吸着工程と脱着工程との間に過吸着工程を実行する。
この工程にあっては、吸着ユニットに設定されるガス流出部からのガス流出を止めて(例えば放出路に設けられている開閉弁を閉状態とする)、吸着工程における吸着ユニット内の圧力より、吸着ユニット内圧力が高い状態で、吸着材に可燃性ガスを吸着させる。この工程では、先行して実行される吸着状態では、例えば、ガス流出部の近傍に配設されており、なお、吸着能が残存している吸着材に可燃性ガスを十分吸着させることができる。結果、吸着ユニット内に収納されている吸着材の吸着能を十分活かしながら、可燃性ガスの濃縮を行える。
【0012】
このような可燃性ガスの濃縮方法を使用する可燃性ガスの濃縮システムは、以下のような制御手段を備えておけばよい。
即ち、ガス流入部及びガス流出部を備えるとともに、内部に可燃性ガスを選択的に吸着する吸着材が充填された吸着ユニットを備え、
外部から前記吸着ユニットのガス流入部を介して原料ガスを流入させ、ガス流出部から外部に残余のガスを流出させて、吸着ユニット内の吸着材に可燃性ガスを吸着させる吸着工程を実行した後、前記吸着材から可燃性ガスを脱着させて外部へ取り出す脱着工程を実行する制御手段を備えた可燃性ガスの濃縮システムにおいて、
前記制御手段が、前記吸着工程を実行させた後、前記ガス流出部からのガス流出を止めて、前記吸着工程における吸着ユニット内の圧力より、吸着ユニット内圧力が高い状態で、前記吸着材に可燃性ガスを吸着させる過吸着工程を実行し、前記過吸着工程を実行した後、前記脱着工程を実行するものとしておけばよい。
【0013】
さて、過吸着工程の実施形態としては、以下の3つの実施形態が考えられる。
1 原料ガスの流入をそのまま維持する形態
即ち、過吸着工程において、ガス流入部からの原料ガスの流入を維持し、吸着材を過吸着状態とすることができる。この過吸着工程においては、ガス流出部からのガスの流出が止められているため、原料ガスの流入を維持した場合、原料ガスが有する水頭分だけ、吸着ユニット内の圧力が上昇することとなり、結果的に、本願の過吸着工程を実行できる。
【0014】
この可燃性ガスの濃縮方法を使用するシステムとしては、制御手段が、過吸着工程において、ガス流入部からの原料ガスの流入を維持し、前記吸着材を過吸着状態とすることで、上記の可燃性ガスの濃縮方法を実施できる。
【0015】
2 加圧ガスを使用する形態
即ち、過吸着工程において、ガス流入部から加圧された原料ガスを流入させ、吸着材を過吸着状態とすることができる。この過吸着工程においては、ガス流出部からのガスの流出が止められているため、加圧された原料ガスを流入させることで、その水頭分だけ、吸着ユニット内の圧力が上昇することとなり、結果的に、本願の過吸着工程を実行できる。
【0016】
この場合、システム的には、制御手段が、過吸着工程において、ガス流入部から加圧された原料ガスを流入させ、前記吸着材を過吸着状態とすることで、上記の可燃性ガスの濃縮方法を実施できる。
【0017】
3 製品ガスを使用する形態
即ち、過吸着工程において、製品タンクに加圧状態で蓄積された濃縮ガスである製品ガスをガス流入部から流入させ、吸着材を過吸着状態とすることができる。この過吸着工程においては、ガス流出部からのガスの流出が止められているため、加圧された製品ガスを流入させることで、その水頭分だけ、吸着ユニット内の圧力が上昇することとなり、結果的に、本願の過吸着工程を実行できる。製品タンクに加圧状態で製品ガスが貯蔵される場合、製品タンクからその加圧状態で製品ガスを吸着ユニットに流入させるが、必要に応じて(吸着ユニット内への押し込み圧を稼ぐ必要がある場合等)、製品タンクと吸着ユニットのガス流入部との間にブロワーを設け、ブロワーにより加圧して流入させてもよい。
【0018】
この場合、システム的には、制御手段が、過吸着工程において、製品タンクに加圧状態で蓄積された濃縮ガスである製品ガスをガス流入部から流入させ、吸着材を過吸着状態とすることで、上記の可燃性ガスの濃縮方法を実施できる。
【0019】
さて、これまで説明してきた本願に係る可燃性ガスの濃縮方法を実質的に連続的に実施する方法としては、以下のような工程順序を採用することが好ましい。
即ち、前記吸着ユニットとして、第1吸着ユニットと第2吸着ユニットとを備え、
前記第1吸着ユニットにおける吸着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける脱着工程を実行し、
前記第1吸着ユニットにおける過吸着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける脱着工程を実行し、
前記第1吸着ユニットにおける脱着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける吸着工程を実行し、
前記第1吸着ユニットにおける脱着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける過吸着工程を実行するのである。
このようにすることで、一方の吸着ユニットにおいて脱着(製品回収)を行っている状態で、他方の吸着ユニットで、吸着、過吸着工程を実施して実質的に連続的な濃縮が可能となる。
【0020】
さらに、この可燃性ガスの濃縮方法において、第1吸着ユニットにおける吸着工程と脱着工程との間に、第1吸着ユニットと第2吸着ユニットとを連通して均圧する均圧工程を実行することで、過吸着工程を終えた吸着ユニットと、脱着工程を終えた吸着ユニットとの間で均圧を実行することで、両吸着ユニット内の圧力を均等とすることができる。結果、後に行われる吸着工程において良好に可燃性ガスを吸着できる環境を作ることができる。また、この均圧工程を実行することで、吸着工程を終えた吸着ユニットから脱着工程を終えた吸着ユニットに、主には気相状態で残っているガスが拡散されて、過吸着工程を終えた吸着ユニット側で、可燃性ガスの割合を増加させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明に係る可燃性ガス濃縮システムS(以下、本システムSと略称する)の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
本願にあっては、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態を紹介する。
全ての実施形態においてシステムSは、そのシステム構成に応じて内部にメタン吸着材aが夫々充填された吸着ユニットUと、吸着ユニットUに繋がるガス路に設けられる開閉弁を開閉制御する制御手段C(制御装置)を備えて構成されている。そして、吸着ユニットUには、ガス路として、吸着ユニットUに原料ガス1を供給する供給路d1と、前記供給路d1からガスが供給される状態で吸着材aでの可燃性ガスの吸着を終えた後、残余のガス(オフガス)を外部に放出する放出路d2とを備えている。本願では、作動状態で、吸着ユニットU内にガスが供給される状態で、吸着ユニットUでガスが流入する部位を「ガス流入部In」と呼び、吸着ユニットUからオフガスが放出される状態で、吸着ユニットUでガスが流出する部位を「ガス流出部Out」と呼ぶ。
さらに、吸着ユニットUからか回収される濃縮ガスである製品ガスを製品タンクTに回収するための回収路d3が備えられている。また、供給路d1には、原料ガス1、原料ガス2及び製品ガスを夫々別個に受け入れるための合流点eが設けられている。そして、製品タンクTから供給路d1に設けられた合流点eを介して製品ガスを供給する供給路d4が備えられるとともに、原料ガス2を、合流点eを介して供給する供給路d5が設けられている。
【0022】
原料ガスあるいは製品ガスの吸着ユニットUへの供給状態であるが、原料ガス1に関しては、例えば鉱山から回収される鉱山ガスをその圧力状態で、吸着ユニットU内に送り込み可能となっている。本願に係る吸着材aは、可燃性ガスを吸着するため、その分、原料ガスの吸い込みが可能となる。
【0023】
原料ガス2は、基本的に、その出所に関しては、原料ガス1と同様であるが、
図1に示すように、供給路d5にブロアー6を備えることで、加圧状態で吸着ユニットU内に原料ガス2を供給可能となっている。
【0024】
製品ガスは回収路d3に備えられる真空ポンプ8が働くことにより、吸着ユニットUから吸着材aに吸着された可燃性ガスを加圧状態(製品タンク内は正圧となる)で製品タンクTに回収可能となっている。そして、この製品タンクTから供給路d4を介して吸着ユニットUへ供給する場合、供給される製品ガスの可燃性ガスの濃度は高いとともに、その圧力も、原料ガス1の吸着操作における圧力より高いものとなる。
【0025】
図1に示す第1実施形態は、本願に係る可燃性ガス濃縮システムSの最も簡単な形態を示す例である。
【0026】
図4に示す第2実施形態は、第1実施形態と同じ構成の吸着ユニットUを一対備え、一対の吸着ユニットU間で、所定の工程を交互に繰り返すことで、実質的に連続的な可燃性ガスの濃縮が可能となる例である。
【0027】
図6に示す第3実施形態は、第1実施形態に対応するものであり、供給路として原料ガス1の供給路d1aと原料ガス2及び製品ガスの供給路d1bを別個に備え、原料ガス1の供給路d1aを吸着ユニットUの下側に、原料ガス2及び製品ガスの供給路d1bを、吸着ユニットUの上側に備えた例である。
【0028】
1 原料ガス
本願における原料ガス(原料ガス1、原料ガス2共)は、可燃性ガスと空気とを含むガスであるが、例えばメタンガスと空気とを含む炭鉱ガスとすることもできる。また、可燃性ガスとしては、可燃性の気体であれば特に制限されないが、例えば炭鉱ガスに含まれるメタンガスとすることもできる。なお、炭鉱ガスとは炭鉱から発生するガスであり、条件により異なるが、炭鉱ガス中には、メタンガス20〜40Vol%程度、空気(主として窒素ガス、酸素ガスが含まれる)60〜80Vol%程度が含まれている。
【0029】
2 吸着ユニット
吸着ユニットUは、所定形状を有する吸着塔として構成されており、内部に吸着材aを充填して構成されている。
吸着材a
吸着材aは、可燃性ガスを選択的に吸着できれば、特に制限されないが、吸着材aとして、MP法による平均細孔直径が4.5〜15Åで、かつ大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体(フマル酸銅、テレフタル酸銅、シクロヘキサンジカルボン酸銅など)からなる群から選択される少なくとも一つであるメタン吸着材を用いるとよい。なお、上記平均細孔直径として好ましくは、4.5〜10Å、より好ましくは、5〜9.5Åがよく、また、上記メタン吸着量が好ましくは、25Ncc/g以上がよい。例えば、このような活性炭は、椰子殻または椰子殻炭を窒素ガス中において600℃で完全に炭化した炭化物を粒径1〜3mmの大きさに破砕したものを炭素質材料とし、内径50mmのバッチ式流動賦活炉を用いて、水蒸気10〜15Vol%、二酸化炭素15〜20Vol%および残余が窒素である雰囲気下において、860℃で賦活することにより得られる。
【0030】
このように、吸着材aとして大気圧及び298K下においてメタンガスを選択的に吸着できるメタン吸着材を用いることで、当該メタン吸着材に大気圧及び298K下でも充分にメタンガスを吸着することができる。
【0031】
すなわち、大気圧および298K下におけるメタン吸着量が20Ncc/gより低いと、低圧(特に大気圧程度)でのメタン吸着性能が低下して、濃縮後のメタンガスのメタン濃度が低下するとともに、吸着性能を維持するには、メタン吸着材の増量が必要となり装置が大型化する。なお、上記メタン吸着量の上限は特に制限されないが、現状で得られるメタン吸着材のメタン吸着量は40Ncc/g以下程度である。
また、MP法における平均細孔直径が4.5Åより小さいと、酸素ガス、窒素ガスの吸着量が増え、濃縮後におけるメタンガス中のメタン濃度が低下したり、平均細孔直径がメタン分子径に近くなり吸着速度が遅くなってメタン吸着性能が低下したり、吸着しなくなる。一方、MP法における平均細孔直径が15Åより大きいと、低圧(特に大気圧程度)でのメタン吸着性能が低下して、濃縮後のメタンガスのメタン濃度が低下するとともに、吸着性能を維持するには、メタン吸着材の増量が必要となり装置が大型化する。
したがって、MP法による平均細孔直径が4.5〜15Åで、かつ大気圧および298K下におけるメタンガス吸着量が20Ncc/g以上である活性炭、ゼオライト、シリカゲルおよび有機金属錯体からなる群から選択される少なくとも一つであるメタン吸着材が良い。
【0032】
さらに、上記メタン吸着材が、HK法における平均細孔直径の10Å以下の細孔容積が、全細孔容積の50%以上であるとよく、好ましくは、70%以上、より好ましくは、80%以上がよい。この場合、メタンガスを選択的に吸着することができる平均細孔直径が10Å以下である細孔容積が全細孔容積の50%以上を占めているため、大気圧下(0.1MPa程度)におけるメタンガスの吸着可能量を増大させて、大気圧下であっても充分にメタンガスを吸着することができる。すなわち、図7に示すように、上記平均細孔直径が10Å以下のメタン吸着材a1では、10Åよりも平均細孔直径が大きいメタン吸着材a2と比較して、大気圧下(0.1MPa程度)におけるメタン吸着量が多く、本システムSのように、基本的に大気圧下においてメタンガスを吸着させる場合に好適に用いることができる。なお、実質的には、計測できる範囲である平均細孔直径が4Å以上10Å以下の細孔容積が、全細孔容積の50%以上であればよい。また、より好ましくは、平均細孔直径が4.5Å以上10Å以下の細孔容積が、全細孔容積の50%以上であることがメタン吸着材として好ましい。
【0033】
一方、上記メタン吸着材が、77K下での窒素吸着量において、HK法による10Åの平均細孔直径に対応する相対圧0.013下での窒素吸着量が、全細孔容積に対応する相対圧0.99下での窒素吸着量の50%以上であるとよく、好ましくは、70%以上、より好ましくは、80%以上がよい。この場合、相対圧0.99における吸着量は全細孔容積を、相対圧0.013における吸着量は10Å以下の細孔容積を示し、それぞれの値の比は上記と同じように10Å以下の細孔の割合が多いことを示している。その結果として、メタンガスと空気との混合ガスを原料ガスとする場合も、大気圧付近でのメタンガスの濃縮を容易にかつ、効率よく行なうことができる。
【0034】
〔第1実施形態〕
吸着工程
この吸着工程は、原料ガス1を吸着ユニットUに導き、可燃性ガスを吸着材aに吸着させた状態で、残余のガスを外部に放出する工程である。従って、供給路開閉弁1、放出路開閉弁3を開とし、回収路開閉弁2、供給路開閉弁4、5を閉とすることで、この吸着工程を実施できる。
【0035】
過吸着工程
この工程は、放出路開閉弁3を閉とした状態で、いずれかのガス(原料ガス1、原料ガス2、製品ガスのいずれか)が吸着ユニットU内に導かれる工程である。従って、吸着工程を実行した後、放出路開閉弁3を閉状態として、吸着工程における吸着ユニットU内の圧力より、吸着ユニットU内圧力が高い状態で、吸着材aに可燃性ガスを吸着させる工程と言える。
【0036】
具体的には、以下の3状態で、この過吸着工程を実施できる。
1 原料ガス1の過吸着
この場合は、吸着工程に引き続いて、放出路開閉弁3を閉状態として、予め設定された時間、その状態を保持することで、この過吸着工程を実施できる。原料ガス1は、所定正のゲージ圧を有するためである。
2 原料ガス2の過吸着
この場合は、吸着工程に引き続いて、放出路開閉弁3を閉状態として、供給路開閉弁5を開とし、供給路開閉弁1、4を閉とすることで、この吸着工程を実施できる。
供給路開閉弁5の上流側に備えられる加圧用のブロアー6を働かせて、供給路d5を流れる原料ガス2の圧力を、上記原料ガス1が本来有する所定正のゲージ圧に対して、ブロアー6による加圧で、これより高い圧力とすることでこの過吸着工程を実施できる。
3 製品ガスの過吸着
この場合は、吸着工程に引き続いて、放出路開閉弁3を閉状態として、供給路開閉弁4を開とし、供給路開閉弁1、5を閉とすることで、この過吸着工程を実施できる。
供給路開閉弁4の上流側には、製品タンクTが備えられているため、その製品タンクT内の製品ガスが有する圧力で、この過吸着工程を実施できる。
【0037】
脱着(真空引き)
この脱着工程は、吸着ユニットU内に収納される吸着材aから、吸着された可燃性ガスを回収路d3を経て真空引きして回収する工程である。従って、回収路d3に備えられる真空ポンプ8を働かせて、回収路開閉弁2のみを開とし、残余の供給路開閉弁及び放出路開閉弁1、3〜5を閉とすることで、この脱着工程を実施できる。このような真空引きを実行することで、吸着材aに吸着されたメタンを製品タンクT内に回収できる。
【0038】
昇圧
この昇圧工程は、脱着(真空引き)後の吸着ユニットU内に外気を取り込みユニットU内の圧力を大気圧にまで回復させる工程である。この工程は、放出路開閉弁3のみを開とし、残余の供給路開閉弁、回収路開閉弁1、2、4,5を閉とすることで、この昇圧工程を実施できる。このような昇圧工程を経ることで、吸着ユニットU内の状態は吸着の準備が整った元の状態に戻ることとなる。即ち、この状態で、吸着材aには可燃性ガスを脱着した吸着可能な状態となっており、さらに、吸着ユニットU内の圧力状態から、原料ガス1を導入可能な状態となる。
【0039】
以下、本願システムSの運転に関して説明する。このシステムでは、単一の吸着ユニットUが、吸着、過吸着、脱着及び昇圧の順に作動されるが、この作動操作を制御するのが、図1に示す制御手段Cであり、この制御手段Cは、各ガス路d1、d2、d3、d4、d5に設けられる開閉弁1〜5の運転制御おこなう。さらに、通常炭鉱ガス捕集用のブロワー(図外)、加圧用のブロアー6及び真空ポンプ8は、常時運転されており、原料ガス1は供給路開閉弁1を開とし供給路開閉弁4、5を閉として、吸着ユニットU内への導入が可能となっている。
従って、制御手段Cは、システムSを、吸着、過吸着、脱着及び昇圧の順に作動させるために、各開閉弁1〜5の開閉動作を先に示した各工程の開閉状態に従って、開閉動作する。各工程は、各工程の経過時間について予め設定されている工程時間に従って管理される。但し、吸着工程に関しては、放出路d2に設けられる可燃性ガス濃度検出センサ7により検出される可燃性ガスの濃度に従って管理される。即ち、濃度出力が所定の濃度を越えた場合は、予め設定されている時間が経過する前に過吸着工程への移行を行うように構成されている。
【0040】
以下、過吸着工程で、原料ガス2或いは製品ガスを使用する吸着工程及び過吸着工程に関して、図2、図3に示すフローチャートを使用して説明する。
図2は過吸着工程において原料ガス2を使う場合の、図3は過吸着工程において製品ガスを使う場合の、上記の吸着工程(#1〜#4)、吸着工程(#5〜#8)の動作を示したものである。原料ガス1を使用する場合も、基本的なシーケンスは、これらの例と変わるところはない。これらのステップでは、主に関係する開閉弁に関して示している。
【0041】
原料ガス2を使用した過吸着
吸着工程
ステップ1、ステップ2:供給路開閉弁1及び放出路開閉弁3のみを開とする。この弁開閉状態で、原料ガス1が吸着ユニットU内に導入され、可燃性ガスが吸着材aに吸着され、残余のガス(オフガス)が外部に放出される。
ステップ3:可燃性ガス濃度検出センサ7による可燃性ガス濃度の検出を継続し、そのガス濃度が所定に濃度以上(例えばメタンの爆発限界である5%)となるかどうかを監視する。
ステップ3 no:濃度未満の状態で原料ガス1の供給を継続する。
ステップ3 yes ステップ4:濃度以上になった場合は、原料ガス1の供給を停止する。
このようにして、吸着工程を終了する。無論、予め設定されている時間が経過した場合も吸着時間を終了する。
【0042】
過吸着工程
ステップ5、ステップ6:供給路開閉弁1及び放出路開閉弁3を閉とし、供給路開閉弁5を開とする。この弁開閉状態で、ブロアー6により加圧された原料ガス2が吸着ユニットU内に導入され、可燃性ガスがさらに吸着材aに吸着される。残余のガス(オフガス)が外部に放出されることはない。
ステップ7:過吸着時間の経過時間を監視する。
ステップ7 no:経過時間が所定の時間内である状態で、原料ガス2の供給を継続する。
ステップ7 yes ステップ8:所定の時間を経過した場合に、原料ガス2の供給を停止する。
このようにして、過吸着工程を終了する。従って、吸着ユニットU内の吸着材aのほぼ全量が可燃性ガスを吸着した状態とできる。
【0043】
製品ガスを使用した過吸着
図3に、この場合の吸着工程及び過吸着工程のフローチャートを示した。
図2に示したフローチャートに対して、ステップ5で開操作の対象となる供給路開閉弁5が供給路開閉弁4となるだけの変更で、製品ガスを使用した過吸着を実現できる。
【0044】
原料ガス1を使用した過吸着
この場合の吸着工程及び過吸着工程のフローチャートは省略するが、図2、図3のシーケンスで、ステップ4における原料ガス1の供給停止を行うことなく、放出路開閉弁3を閉鎖のみを行い、その状態を予め設定された一定時間継続することで、原料ガス1を使用した過吸着を行える。
【0045】
〔第2実施形態〕
先に説明した第1実施形態の吸着ユニットUを一対備え、実質的に連続的な濃縮を行えるシステムSの構成が第2実施形態である。
図4にこの実施形態のシステム構成を示し、図5に各吸着ユニットUを対として実行する工程の順を示した。
【0046】
図4は、図1に対応して図示したものであり、第1吸着ユニットU1に関連する機器(開閉弁1〜5、可燃性ガス濃度検出センサ7)を同一の番号で示し、第2吸着ユニットU2に関連する機器のそれをダッシュ付きの番号で示した。さらに、第1吸着ユニットU1と第2吸着ユニットU2との間には、均圧路開閉弁9を備えた均圧路d6が設けられている。この均圧路開閉弁9を閉から開とすることで、ユニット間で均圧を行うことができる。
【0047】
図5から判明するように、第1実施形態に対して、過吸着工程と、脱着工程との間に均圧工程が追加されている。図5の工程順では、第1吸着ユニットU1について「3、7」番目に、第2吸着ユニットU2について「7、3」番目にこの均圧工程が追加されている。
【0048】
均圧工程
この均圧工程は、一対の吸着ユニットU1,U2を連通状態として、両吸着ユニット間でガスの流通を許容し、両者間の均圧を実施するものである。この均圧工程は、均圧路開閉弁9を開とし、他の開閉弁1〜5を全て閉とすることで、実行できる。
【0049】
このシステムにおいては、図5に「1〜8」で順番付けして示す各工程を、一対の吸着ユニットU1,U2を対として実施することで、第1吸着ユニットU1に関しては「4〜6」で、第2吸着ユニットU2に関しては「1,2、8」で、製品ガスを回収することができ、実質的に連続して製品ガスを得ることができる。この実施形態の場合も、吸着工程と過吸着工程との切換は、図2、3に示した手法で実施することができる。
【0050】
〔第3実施形態〕
これまで説明してきた実施形態にあっては、原料ガス1、原料ガス2及び製品ガスの供給路を共通としたが、第3実施形態では、原料ガス1の供給路d1を先の例と同様な供給路d1aとし、原料ガス2、製品ガスの供給路d1を別の供給路d1bとしている例である。この形態の構成を図6に示した。
この例では、原料ガス1の供給路としての第1供給路d1aと、原料ガス2と製品ガスの供給路としての第2供給路d1bを備えている。放出路d2,及び回収路d3の構成は、これまで説明してきた実施形態と同様である。
さらに詳細には、第2供給路d1bを吸着ユニットUの頭部に接続される供給路として構成し、この第2供給路d1bの所定位置に合流点eを設け、合流点eの上流側の一方に原料ガス2を供給可能とし、他方に製品タンクTから製品ガスの供給を可能としている。従って、合流点eと製品タンクTとの間に供給路開閉弁4を、合流点eと加圧用のブロアー6との間に供給路開閉弁5を設けている。このようにすることで、供給路開閉弁5を開,供給路開閉弁4を閉として、吸着材aに原料ガス2を吸着(過吸着)させることができる。供給路開閉弁4を開、供給路開閉弁5を閉として、吸着材aに製品ガスを吸着(過吸着)させることができる。
従って、このシステムにおいて、吸着、過吸着、脱着及び昇圧を実施することで、同様に本願の趣旨に合致した濃縮を実行できる。
【0051】
[別実施形態]
(1)上記第1〜第3実施形態において、供給される原料ガス中の水分を除去して、吸着材に可燃性ガスを適切に吸着できるようにするため、除湿機を設置することができる。具体的には、供給路上に除湿機を設置することで、原料ガス中の水分を除去することができる。また、吸着ユニットU内に水分を選択的に吸着可能な水分用吸着材を充填して、水分による可燃性ガスの吸着性能の低下を防止することもできる。
(2)上記第1〜第3実施形態においては、吸着ユニットUに吸着材aが充填されているが、この吸着材aは単独で用いてもよいし、2種以上混合して用いてもよい。
(3)上記第1〜第3実施形態においては、原料ガスとして炭鉱ガスを用い、可燃性ガスとしてメタンガスを用いたが、原料ガスとしては可燃性ガスと空気とを含むガスであれば特に制限されず、また、可燃性ガスとしては可燃性の気体であれば特に制限されない。そして、可燃性ガスの種類に応じて、吸着材の物性を適宜変更することができ、例えば、このような吸着材の平均細孔直径としては可燃性ガスの平均分子径の1.2倍〜2倍程度のものを選択すると、可燃性ガスを選択的に吸着することができる。
(4)上記脱着工程が終了した後、均圧工程を実行し、その後、昇圧に空気を供給したが、これに限らず、例えば、炭鉱内採掘時に坑内への通気によって大気中に放出される通気メタン(ベンチレーションエアメタン、通常メタン濃度0.5%)を使用してもよい。これにより、ベンチレーションエアメタン中に含まれるメタンガスを回収でき、従来放出していた通気メタンを有効に回収できる。
(5)これまで説明してきた実施形態では、原料ガス1と原料ガス2との供給路を個別に設けたが、これらガスの供給路を共通化するとともに、この供給路にブロアーを設け、本願にいう原料ガス1の供給にあってはブロアーを停止させ、原料ガス2の供給にあってはブロアーを作動させる構成としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明に係る可燃性ガス濃縮装置および可燃性ガス濃縮方法は、可燃性ガスを濃縮する際に、爆発範囲の濃度となることを回避しつつ、各吸着ユニットに収納される吸着材の全部を充分に活用することができ、高濃度な濃縮を実現することができる技術として有効に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】第1実施形態の可燃性ガス濃縮システムの構成を示す概略構成図
【図2】過吸着に原料ガス2を使用する吸着工程、過吸着工程のフローを示す図
【図3】過吸着に製品ガスを使用する吸着工程、過吸着工程のフローを示す図
【図4】第2実施形態の可燃性ガス濃縮システムの構成を示す概略構成図
【図5】第2実施形態における工程順を示す図
【図6】第3実施形態の可燃性ガス濃縮システムの構成を示す概略構成図
【図7】本願におけるメタン吸着材の吸着特性を示す図
【符号の説明】
【0054】
1:供給路開閉弁
2:回収路開閉弁
3:放出路開閉弁
4:供給路開閉弁
5:供給路開閉弁
6:ブロアー
7:可燃性ガス濃度検出センサ
8:真空ポンプ
C:制御手段(制御装置)
In:ガス流入部
Out:ガス流出部
S:可燃性ガス濃縮システム
T:製品タンク
U:吸着ユニット
a:吸着材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガス流入部及びガス流出部を備えるとともに、内部に可燃性ガスを選択的に吸着する吸着材が充填された吸着ユニットを備え、
外部から前記吸着ユニットのガス流入部を介して原料ガスを流入させ、ガス流出部から外部に残余のガスを流出させて、吸着ユニット内の吸着材に可燃性ガスを吸着させる吸着工程を実行した後、前記吸着材から可燃性ガスを脱着させて外部へ取り出す脱着工程を実行する可燃性ガスの濃縮方法であって、
前記吸着工程を実行した後、前記ガス流出部からのガス流出を止めて、前記吸着工程における吸着ユニット内の圧力より、吸着ユニット内圧力が高い状態で、前記吸着材に可燃性ガスを吸着させる過吸着工程を実行し、前記過吸着工程を実行した後、前記脱着工程を実行する可燃性ガスの濃縮方法。
【請求項2】
前記過吸着工程において、前記ガス流入部からの原料ガスの流入を維持し、
前記吸着材を過吸着状態とする請求項1記載の可燃性ガスの濃縮方法。
【請求項3】
前記過吸着工程において、ガス流入部から加圧された原料ガスを流入させ、前記吸着材を過吸着状態とする請求項1記載の可燃性ガスの濃縮方法。
【請求項4】
前記過吸着工程において、製品タンクに加圧状態で蓄積された濃縮ガスである製品ガスをガス流入部から流入させ、前記吸着材を過吸着状態とする請求項1記載の可燃性ガスの濃縮方法。
【請求項5】
前記吸着ユニットとして、第1吸着ユニットと第2吸着ユニットとを備え、
前記第1吸着ユニットにおける吸着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける脱着工程を実行し、
前記第1吸着ユニットにおける過吸着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける脱着工程を実行し、
前記第1吸着ユニットにおける脱着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける吸着工程を実行し、
前記第1吸着ユニットにおける脱着工程の実行時に、第2吸着ユニットにおける過吸着工程を実行する請求項1〜4の何れか一項記載の可燃性ガスの濃縮方法。
【請求項6】
前記第1吸着ユニットにおける吸着工程と脱着工程との間に、前記第1吸着ユニットと第2吸着ユニットとを連通して均圧する均圧工程を実行する請求項5記載の可燃性ガスの濃縮方法。
【請求項7】
ガス流入部及びガス流出部を備えるとともに、内部に可燃性ガスを選択的に吸着する吸着材が充填された吸着ユニットを備え、
外部から前記吸着ユニットのガス流入部を介して原料ガスを流入させ、ガス流出部から外部に残余のガスを流出させて、吸着ユニット内の吸着材に可燃性ガスを吸着させる吸着工程を実行した後、前記吸着材から可燃性ガスを脱着させて外部へ取り出す脱着工程を実行する制御手段を備えた可燃性ガスの濃縮システムであって、
前記制御手段が、前記吸着工程を実行させた後、前記ガス流出部からのガス流出を止めて、前記吸着工程における吸着ユニット内の圧力より、吸着ユニット内圧力が高い状態で、前記吸着材に可燃性ガスを吸着させる過吸着工程を実行し、前記過吸着工程を実行した後、前記脱着工程を実行する可燃性ガスの濃縮システム。
【請求項8】
前記制御手段が、前記過吸着工程において、前記ガス流入部からの原料ガスの流入を維持し、前記吸着材を過吸着状態とする請求項7記載の可燃性ガスの濃縮システム。
【請求項9】
前記制御手段が、前記過吸着工程において、ガス流入部から加圧された原料ガスを流入させ、前記吸着材を過吸着状態とする請求項7記載の可燃性ガスの濃縮システム。
【請求項10】
前記制御手段が、前記過吸着工程において、製品タンクに加圧状態で蓄積された濃縮ガスである製品ガスをガス流入部から流入させ、前記吸着材を過吸着状態とする請求項7記載の可燃性ガスの濃縮システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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