説明

可視光通信システム及び可視光通信方法

【課題】単一光源方式を利用して、構成が簡単で確実な双方向可視光通信を実現することにある。
【解決手段】単一光源方式での双方向可視光通信を実現する可視光通信システムである。一方の可視光通信装置20からは、送信用データを重畳した可視光100が発光される。他方の可視光通信装置10は、受光した空データの可視光100から再帰反射光200を生成し、この再帰反射光200に送信用データを重畳して送信する。一方の可視光通信装置20は、再帰反射光200を受光したときに、それに重畳された送信用データの識別情報に基づいて他方の可視光通信装置10からの送信用データを識別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、双方向可視光通信を実現する可視光通信技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード素子(以下、LEDと表記する場合がある)などを使用する光源(発光源)からの可視光を利用した可視光通信技術の開発が推進されている。発光源からの可視光は、広がりをもって受信側に到達する。このため、受信側から発信側の位置を正確に把握し、発信側に対して焦点を絞って可視光を発光することで返信することは容易なことではなかった。このような理由から、可視光通信では、発信側から受信側への片方向通信が実用化されている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
可視光を利用した双方通信を実現する場合、光が拡大しにくい赤外線発信源を使用する赤外線通信を組み合わせるハイブリッド方式が提案されている。しかしながら、このハイブリッド方式では、赤外線発信源をマニュアルまたは自動で制御して、可視光発信側にフォーカスする機構を設けて返信を行なう必要がある。このような赤外発信源やフォーカス機構を設けるために、双方向通信システムとしては、構成が複雑となり、かつコストが高くなる。
【0004】
また、一方の通信装置側の光源から発光された可視光を受光する他方の通信装置側が、その反射光を利用してデータを送信する単一光源方式が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。この単一光源方式は、赤外発信源やフォーカス機構が不要であり、構成が簡単で低コストの双方向通信システムを実現することが可能である。さらに、他方の通信装置側として、光源用の電力が不要になり、低消費電力特性の携帯端末などに適用できる利点もある。
【特許文献1】特開2002−202741号公報
【特許文献2】特開2004−221747号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
単一光源方式により、低消費電力特性の携帯端末などを通信装置とする双方向可視光通信の実現が可能になっている。しかしながら、単一光源方式では、送信側から発光された可視光には送信データが重畳されているため、単にその反射光を利用してデータを送信することは混信などの通信障害を招く要因となる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、単一光源方式を利用して、構成が簡単で確実な双方向可視光通信を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の観点は、単一光源方式での双方向可視光通信を実現するための可視光通信装置であり、可視光に重畳させる送信データを識別する機能を有する可視光通信装置である。
【0008】
本発明の観点に従った可視光通信装置は、通信対象から発光された可視光で、データを識別する識別情報を含む第1の送信用データが重畳された前記可視光を受光する受光手段と、前記可視光から前記第1の送信用データを復調する復調手段と、前記識別情報に基づいて前記第1の送信用データが有意なデータであると判定された場合に、受信データとして処理する受信手段と、前記第1の送信用データと識別するための識別情報を含む第2の送信用データを出力する手段と、前記識別情報に基づいて前記第1の送信用データが無効データであると判定された場合、前記受光手段により受光した可視光の再帰反射光を前記第2の送信用データで変調して送信する送信手段とを備えた構成である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、単一光源方式を利用して、構成が簡単で確実な双方向可視光通信を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0011】
(可視光通信システムの構成)
図1は、本実施形態に関する可視光通信システムの構成を説明するためのブロック図である。図1に示すように、本実施形態の可視光通信システムは、一方の可視光通信装置10と他方の可視光通信装置20とを有し、可視光を利用した双方向通信を行なうように構成されている。
【0012】
本実施形態では、一方の可視光通信装置10は、例えば携帯電話などに組み込まれた通信装置であり、便宜的に携帯端末10と表記する。また、他方の可視光通信装置20は、例えば建物内の天井などに固定されている照明機器に組み込まれた通信装置であり、便宜的に可視光送受信装置20と表記する。
【0013】
可視光送受信装置20は、発光部21と、受光部22と、データ送信部23と、データ受信部24とを有する。発光部21は、LED素子からなる光源及びLED素子を駆動するLEDドライバを有する。発光部21は、データ送信部23から出力される送信用データ(便宜的に第1の送信用データと表記する場合がある)で変調した可視光、即ち第1の送信用データを重畳した可視光100を発光する。データ送信部23は、図示しないネットワークに接続されており、このネットワークを介して情報発信源であるサーバなどからの情報に基づいて送信用データを生成する。
【0014】
受光部22は、受光した可視光200を電気信号に変換する光電変換部を有し、電気信号をデータ受信部24に出力する。データ受信部24は、受光部22から出力される電気信号から、受光した可視光200に重畳されているデータ(便宜的に第2の送信用データと表記する場合がある)を復調する。
【0015】
一方、携帯端末10は、光入出力部11と、再帰反射装置(以下、CCRと表記する場合がある)13と、光センサ16と、データ受信部17と、データ送信部18と、制御部19と、メモリ180とを有する。
【0016】
光入出力部11は、可視光送受信装置20から発光された可視光を受光、集束するためのレンズ12A、及びCCR13からの再帰反射光を受光・集束するためのレンズ12Bからなるレンズセットを有する。CCR13は、コーナーキューブ・レフレクタ(corner-cube reflector)を構成するプリズム14、及び液晶シャッタで構成される光シャッタ部15を有する。光シャッタ部15は、光入出力部11で入力された可視光の透過率を、データ送信部18からのデータに応じて変化させる。プリズム14は、光シャッタ部15での透過率の変化に基づいて変調された再帰反射光200を、光入出力部11から出力する。即ち、再帰反射光200は、データ送信部18からのデータ(第2の送信用データ)が重畳された可視光として、可視光送受信装置20に再帰反射される。
【0017】
光センサ16は、可視光送受信装置20から発光されて、光入出力部11のレンズ12Aにより受光、集束された可視光100を電気信号に変換する光電変換部を有し、電気信号をデータ受信部17に出力する。データ受信部17は、後述するように、可視光100に重畳された第1の送信用データを復調する。
【0018】
データ送信部18は、制御部19の制御に応じて、メモリ180に格納されたデータ(第2の送信用データ)を取り出して、CCR13に出力する。CCR13では、光シャッタ部15は、データ送信部18からのデータに応じて、プリズム14に入光する可視光の透過率を変化させる。制御部19は、後述するように、データ受信部17及びデータ送信部18を制御し、可視光送受信の切換え制御を実行する。さらに、制御部19は、データ(第2の送信用データ)を生成して、メモリ180に格納する。この場合、制御部19は、例えばデータ受信部17で復調された第1の送信用データに対する応答データとして、第2の送信用データを生成する。
【0019】
(可視光通信システムの動作)
以下、図2から図5を参照して、本実施形態の可視光通信システムの動作を説明する。ここで、図2は、携帯端末10の動作を説明するためのフローチャートである。また、図5は、可視光送受信装置20の動作を説明するためのフローチャートである。
【0020】
携帯端末10では、光入出力部11は、可視光送受信装置20から発光された可視光100を受光する(ステップS1)。ここで、可視光送受信装置20は、図3に示すように、有意なデータが存在しない空データ32の送信用データ30と、有意なデータ(送信用として有効なデータ)42を有する送信用データ40とを時分割した第1の送信用データを発信する。即ち、可視光送受信装置20は、発光部21から、第1の送信用データとして送信用データ30,40が重畳された可視光100を交互に発光する。
【0021】
送信用データ30,40は、先頭部に設けられた識別情報である識別フラグにより識別される。即ち、空データ32の送信用データ30は、識別情報として空データフラグ31により識別される。また、有意なデータ42を有する送信用データ40は、識別情報として送信フラグ(T)41により識別される。
【0022】
光センサ16は、光入出力部11のレンズセットにより受光、集束された可視光100を電気信号に変換し、データ受信部17に出力する(ステップS2)。データ受信部17は、可視光100に重畳された第1の送信用データの識別情報を復調し、制御部19に出力する。制御部19は、図3に示すように、復調された識別情報に基づいて、当該送信用データが空データ32または有意データ42のいずれであるかを判定する(ステップS3)。
【0023】
制御部19は、識別情報が送信フラグ(T)41の場合には、データ受信部17での有意データ42の復調処理を続行させて、その復調結果を入力する(ステップS3のNO,S7)。制御部19は、復調した有意データ42に基づいて、例えば応答データを生成してメモリ180に格納する(ステップS8)。具体的には、可視光送受信装置20から送信された第1の送信用データが、例えば携帯端末10のユーザのID情報を照会する質問データの場合に、制御部19は、当該ユーザのID情報を応答データとしてメモリ180に格納する。
【0024】
一方、識別情報が空データフラグ31の場合には、制御部19は、第1の送信用データとして空データ32を受信したと認識し、データ送信部18を制御して、データ受信動作からデータ送信動作に切り換える(ステップS3のYES)。データ送信部18は、メモリ180からデータ52を取り出して、第2の送信用データを生成してCCR13に出力する(ステップS4)。ここで、メモリ180からのデータ52は、例えばユーザのID情報を示す応答データである。データ送信部18は、図4に示すように、データ52に識別情報として送信フラグ(R)51を付加した第2の送信用データ50を生成する。
【0025】
CCR13では、プリズム14には、空データ32の第1の送信用データ30が重畳された可視光100が入光されている。データ送信部18は、生成した第2の送信用データ50の2進数列に応じて光シャッタ部15をON/OFFさせて、可視光100の透過率を変化させる(ステップS5)。これにより、プリズム14では、空データの可視光100に第2の送信用データ50が重畳された再帰反射光200が生成される。
【0026】
従って、携帯端末10の光入出力部11からは、レンズセット11により受光、集束された再帰反射光200が、可視光送受信装置20に送られる(ステップS6)。即ち、携帯端末10からは、第2の送信用データ50(応答データ)が、再帰反射光200に重畳されて、可視光送受信装置20に送信される。
【0027】
ここで、CCR13には、プリズム14に対して、空データ32の第1の送信用データ30が重畳された可視光100と交互に、図3に示すように、有意データ42の第1の送信用データ40が重畳された可視光100が入光されている。従って、CCR13からは、図4に示すように、第2の送信用データ50(応答データ)が重畳された再帰反射光200と共に、可視光送受信装置20から送信された第1の送信用データ40が重畳された再帰反射光200が可視光送受信装置20に送信される(ステップS9)。
【0028】
次に、図5のフローチャートを参照して、可視光送受信装置20の動作を説明する。
【0029】
可視光送受信装置20は、前述したように、空データ32の送信用データ30と有意データ42の送信用データ40とを時分割した第1の送信用データが重畳された可視光100を、発光部21から発光する(ステップS11)。一方、可視光送受信装置20は、発光した可視光100の再帰反射光200を、携帯端末10から受光部22で受光する(ステップS12)。受光部22は、受光した可視光200を電気信号に変換して、データ受信部24に出力する(ステップS13)。
【0030】
データ受信部24は、受光した再帰反射光(可視光)200に重畳されているデータの識別情報を復調する(ステップS14)。携帯端末10からは、図4に示すように、第2の送信用データ50(応答データ)及び第1の送信用データ40が重畳された再帰反射光200が送信されている。データ受信部24は、識別情報に基づいて、受信したデータが第2の送信用データ50または第1の送信用データ40のいずれであるかを判定する(ステップS15)。
【0031】
データ受信部24は、識別情報が送信フラグ(R)51の場合には、携帯端末10から送信された第2の送信用データ50を復調して、その応答データ52の受信処理を実行する(ステップS16)。一方、データ受信部24は、識別情報が送信フラグ(T)41の場合には、自身から送信した第1の送信用データ40であると判定し、無効(破棄)にする処理を実行する(ステップS17)。
【0032】
以上のようにして本実施形態であれば、情報の発信源である可視光送受信装置20に設けられた単一光源(発光部21)により、例えば携帯端末10との間で、双方向可視光通信を確実に行なうことができる。従って、赤外発信源やフォーカス機構などの複雑な構成を要することなく、簡単な構成で確実な双方向可視光通信を実現できる。
【0033】
具体的には、可視光送受信装置20は、送信用データ(第1の送信用データ)として、空データと有意データとを時分割して可視光100に重畳して送信する。携帯端末10は、受光した可視光100から空データに対応する可視光の再帰反射光200を利用して、送信用データ(第2の送信用データ)を重畳して送信する。ここで、携帯端末10は、受信した送信用データ(第1の送信用データ)の識別情報(送信フラグT)とは異なる識別情報(送信フラグR)を付加した送信用データ(第2の送信用データ)を送信する。
【0034】
一方、可視光送受信装置20は、携帯端末10からは携帯端末10の送信用データ(第2の送信用データ)が重畳された再帰反射光200だけでなく、自身が送信した送信用データ(第1の送信用データ)が重畳された再帰反射光200も受光して復調する。この場合、可視光送受信装置20は、復調した送信用データに含まれる識別情報により、第1と第2の送信用データを識別できる。
【0035】
従って、本実施形態のシステムであれば、情報の発信源の単一光源(発光部21)からの可視光100とその再帰反射光200を利用して双方向可視光通信を行なう場合に、可視光送受信装置20は、再帰反射光200に重畳された自身の送信用データ(第1の送信用データ)を受信データとしては無効にすることができる。これにより、携帯端末10及び可視光送受信装置20の各通信装置において、相手側からの送信用データを確実に識別して受信処理を行なうことができる。
【0036】
なお、本実施形態では、携帯端末10は、空データが重畳された可視光100の受信タイミングで、メモリ180に格納された応答データを送信する場合について説明したが、これに限ることなく、応答データ以外の送信用データを可視光100の再帰反射光200に重畳して送信してもよい。また、携帯端末10のデータ送信部18は、メモリ180に格納された送信用データではなく、制御部19が生成した送信用データを再帰反射光200に重畳して送信する構成でもよい。
【0037】
さらに、再帰反射光200を利用してデータを送信する通信装置として、携帯端末10を想定したが、当然ながら、これに限ることなく、例えば自動車などに固定された可視光通信装置にも適用できる。この場合、可視光送受信装置20に相当する相手側の可視光通信装置としては、例えば道路上の照明機器などに設置されて、道路交通情報などを発信する固定型の情報発信装置を想定し、双方向可視光通信システムを構築することができる。
【0038】
(変形例)
図6及び図7はそれぞれ、本実施形態の第1及び第2の変形例を示す図である。
【0039】
本実施形態は、CCR13において、プリズム14からの再帰反射光を送信用データで変調するための光シャッタ部15を、図1に示すように、プリズム14の反射側に配置した構成である。これに対して、第1の変形例は、光シャッタ部15を、図6に示すように、プリズム14の出力光側に配置した構成である。また、第2の変形例は、光シャッタ部15を、図7に示すように、プリズム14の入力光側に配置した構成である。
【0040】
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施形態に関する可視光通信システムの構成を説明するためのブロック図。
【図2】本実施形態に関する可視光通信の動作を説明するためのフローチャート。
【図3】本実施形態に関する第1の送信用データの構成を示す図。
【図4】本実施形態に関する第2の送信用データの構成を示す図。
【図5】本実施形態に関するデータ受信動作を説明するためのフローチャート。
【図6】本実施形態に関する第1の変形例を説明するための図。
【図7】本実施形態に関する第2の変形例を説明するための図。
【符号の説明】
【0042】
10…一方の可視光通信装置(携帯端末)、11…光入出力部、
12A,12B…レンズ、13…再帰反射装置(CCR)、14…プリズム、
15…光シャッタ部(液晶シャッタ)、16…光センサ、17…データ受信部、
18…データ送信部、19…制御部、
20…他方の可視光通信装置(可視光送受信装置)、21…発光部、22…受光部、
23…データ送信部、24…データ受信部、100…可視光、200…再帰反射光。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信対象から発光された可視光で、データを識別する識別情報を含む第1の送信用データが重畳された前記可視光を受光する受光手段と、
前記可視光から前記第1の送信用データを復調する復調手段と、
前記識別情報に基づいて前記第1の送信用データが有意なデータであると判定された場合に、受信データとして処理する受信手段と、
前記第1の送信用データと識別するための識別情報を含む第2の送信用データを出力する手段と、
前記識別情報に基づいて前記第1の送信用データが無効データであると判定された場合、前記受光手段により受光した可視光の再帰反射光を前記第2の送信用データで変調して送信する送信手段と
を有することを特徴とする可視光通信装置。
【請求項2】
前記第2の送信用データを記憶する記憶手段を有し、
前記送信手段は、
前記受光手段により受光した可視光から前記再帰反射光を生成するための再帰反射手段と、
前記記憶手段から取り出された前記第2の送信用データで、前記再帰反射光を変調する変調手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の可視光通信装置。
【請求項3】
前記変調手段は、前記第2の送信用データに応じて前記再帰反射光の透過率を変化させる光シャッタ手段を有する構成であることを特徴とする請求項2に記載の可視光通信装置。
【請求項4】
前記受光手段は、
受光した可視光を前記復調手段に出力する手段と、
前記可視光を前記再帰反射手段に伝送する手段と
を有する構成であることを特徴とする請求項2に記載の可視光通信装置。
【請求項5】
前記受信手段により前記第1の送信用データとして有意なデータを受信したときに、当該有意なデータに対応する応答データを前記第2の送信用データとして生成し、前記記憶手段に記憶させる生成手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の可視光通信装置。
【請求項6】
前記受光手段は、前記第1の送信用データとして前記有意なデータと前記無効データとが重畳された各可視光を時分割で受光し、
前記送信手段は、前記無効データに対応する可視光を受光したタイミングに基づいて、前記第2の送信用データで前記再帰反射光を変調して送信するように構成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の可視光通信装置。
【請求項7】
第1の可視光通信装置と第2の可視光通信装置との間で双方向可視光通信を行なう可視光通信システムにおいて、
前記第1の可視光通信装置は、有意なデータ又は無効データの一方及び当該各データを識別する識別情報を含む第1の送信用データを重畳した可視光を発光する発光手段を有し、
前記第2の可視光通信装置は、
前記第1の可視光通信装置から発光された可視光を受光する受光手段と、
前記可視光から前記第1の送信用データを復調する復調手段と、
前記識別情報に基づいて前記第1の送信用データが前記有意なデータまたは前記無効データのいずれであるかを判定し、前記有意なデータを受信データとして処理する受信手段と、
前記第1の送信用データと識別するための識別情報を含む第2の送信用データを出力する手段と、
前記受信手段により前記第1の送信用データが無効データであると判定された場合に、前記受光手段により受光した可視光の再帰反射光を、前記第2の送信用データで変調して送信する送信手段と
を有する構成であることを特徴とする可視光通信システム。
【請求項8】
前記第1の可視光通信装置の前記発光手段は、前記第1の送信用データとして前記有意なデータと前記無効データとが重畳された各可視光を時分割で発光し、
前記第2の可視光通信装置は、
前記受光手段により受光した前記時分割の可視光から、前記受信手段により前記有意なデータを受信データとして処理すると共に、前記無効データに対応する可視光の前記再帰反射光を前記第2の送信用データで変調して送信するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載の可視光通信システム。
【請求項9】
前記第2の可視光通信装置は、前記第2の送信用データを記憶する記憶手段を有し、
前記送信手段は、
前記受光手段により受光した可視光から前記再帰反射光を生成するための再帰反射手段と、
前記記憶手段から取り出された前記第2の送信用データで、前記再帰反射光を変調する変調手段とを有することを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれか1項に記載の可視光通信システム。
【請求項10】
前記第1の可視光通信装置は、
前記第2の可視光通信装置の前記送信手段からの前記再帰反射光を受光する手段と、
前記再帰反射光からデータを復調する復調手段と、
前記復調手段により復調されたデータに含まれる識別情報に基づいて、前記第2の可視光通信装置から送信された前記第2の送信用データを受信データとして処理する手段と
を有する構成であることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の可視光通信システム。
【請求項11】
前記第1の可視光通信装置は、
前記復調手段により復調されたデータに含まれる識別情報に基づいて、前記第1の送信用データを受信した場合には、当該前記第1の送信用データを無効にする手段を有する構成であることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の可視光通信システム。
【請求項12】
第1の可視光通信装置と第2の可視光通信装置との間で双方向可視光通信を行なう可視光通信システムに適用する可視光通信方法であって、
前記第1の可視光通信装置から、有意なデータ又は無効データの一方及び当該各データを識別する識別情報を含む第1の送信用データを重畳した可視光を発光する処理と、
前記第2の可視光通信装置により前記第1の可視光通信装置から発光された可視光を受光する処理と、
前記可視光から前記第1の送信用データを復調する処理と、
前記識別情報に基づいて前記第1の送信用データが前記有意なデータまたは前記無効データのいずれであるかを判定し、前記有意なデータを受信データとして処理する処理と、
前記第1の送信用データと識別するための識別情報を含む第2の送信用データを出力する処理と、
前記受信手段により前記第1の送信用データが無効データであると判定された場合に、前記受光した可視光の再帰反射光を、前記第2の送信用データで変調して送信する処理と
を有する構成であることを特徴とする可視光通信方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate