説明

台車の搬送設備

【課題】誘導路に沿って自動搬送機で搬送された台車を、それまでとは搬送速度及び搬送力が異なる作業ラインの台車群に搬入するための駆動源が簡潔化できる台車の搬送設備を提供する。
【解決手段】 台車の搬送設備は複数の台車AからEと、作業床20と、自動搬送機aとから成る。作業床20は、複数の台車AからEが列を成して配置されるとともに台車を全体として前方に移動させる列駆動手段25を持つ第1作業部10と、第2作業部13と、ループ形状の誘導路16とを含む。自動搬送機aは台車に係止可能で、誘導路に沿って自走し、第1作業部の前側の台車を第2作業部を通って第1作業部10の後側に移動させる。各台車は、一端に一方連結片を有し、他端に一方連結片と係脱する他方連結片を有する。複数の台車は、第1作業部の前側で一方連結片と他方連結片との連結が解除され、第1作業部の後側で一方連結片と他方連結片とが連結される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、工場などにおいて、複数の台車を自走可能な自動搬送機や床面に配置された駆動手段で搬送する台車の搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、工場における部品の搬送及び組立てを、従来のベルトコンベアに変わって、複数の作業台車上で行うことがある。作業台車は作業を行う作業台や作業者が乗る踏み台を有する。複数の作業台車は、作業ラインに搬送される前は搬送速度が早いことが望ましく、作業ラインでは搬送力が大きいことが望ましい。これを考慮して、複数の作業台車を作業ラインに至る前は誘導路に沿って自走可能な複数の自動搬送機の搬送力で搬送し、作業ラインではフロアに固定された駆動モータの駆動力で搬送することがある。
【0003】
本願の出願人は先に台車の搬送装置(特許文献1参照)を出願した。この作業台車の搬送装置は、床の所定経路に沿って配置された誘導路の所定地点に配置された駆動手段と、誘導路の所定地点よりも下流側に互いに当接して配置された複数の作業台車から成る作業台車群と、誘導路に沿って自走可能で係止部材を備えた自動搬送機と、自動搬送機の係止部材が係止可能で最上流の作業台車に当接される搬送された作業台車とを含む。
【0004】
この作業台車の搬送装置において、作業ラインの複数の作業台車は、作業ラインの入口に配置された駆動手段により押し力を付与される。作業台車は作業ラインの入口の手前まで自動搬送機で誘導路に沿って搬送される。これにより、搬送された作業台車を作業ライン入口の手前までは早い搬送速度で搬送し、作業ラインの入口以降は大きな搬送力で搬送できる。
【特許文献1】特開2004−269143号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記複数の作業台車は複数の自動搬送機により所定間隔で搬送され、作業ラインの入口の手前に間欠的に到達し、手前から間欠的に作業ラインの入口に搬入される。従って、作業ラインで作業台車を連続的に搬送するためには、作業ラインの入口の手前に達した作業台車を素早く作業ラインの入口に引き込むことが望ましい。
【0006】
これを考慮して、上記作業台車の搬送装置における駆動手段は、下流側の搬送用主駆動モータの他に、上流側の引込み用副モータを含む。副駆動モータの回転速度は主駆動モータの回転速度よりも早く、作業ラインの入口手前にある作業台車を、初めに自動搬送機の搬送速度に近い副駆動モータで作業台車を引き込み、次にタクト速度に合わせた主駆動モータに作業台車を渡すようにしている。
【0007】
また、台車を搬送した自動搬送機は作業ラインの入口で下流側の台車から分離され、台車で作業者が作業をしている間に、台車群の下方空間を台車群よりも早い速度で通過し、作業ラインの出口で上流側の台車に係止され、この台車を搬出している。これにより、作業ラインの下流側で台車を追加又は除去することにより、台車の台数で決まる作業ラインの長さを容易に変更できる。
【0008】
しかし、上記駆動手段は主駆動モータの他に副駆動モータを含むので、構造が複雑で設備コストが高い。これでは、作業ラインの長さの変更が容易に行うことができても、台車の搬送設備全体が十分に簡素化されているとは言い難い。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、誘導路に沿って自動搬送機で搬送された台車を、それまでとは搬送速度及び搬送力が異なる作業ラインの台車群に搬入するための駆動源が簡素化できる台車の搬送設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1.第1発明
請求項1に記載の第1発明の台車の搬送設備は、(イ)複数の台車と、(ロ)複数の台車が列を成して配置されるとともに列をなした台車を全体として前方に移動させる列駆動手段を持つ第1作業部と、少なくとも一つの第2作業部と、第1作業部の前端から第2作業部さらに第1作業部の後端、第1作業部の後端から第1作業部の前端とループ状に配置された誘導路とを含む作業床と、(ハ)台車に係止可能で、誘導路に沿って自走し、第1作業部の前側の台車を誘導路に沿って第2作業部を通って第1作業部の後側に移動させる自動搬送機と、を含む。
【0011】
この台車の搬送設備において、複数の台車はそれぞれ、一端に一方連結片を有し他端に一方連結片と係脱する他方連結片を有し、複数の台車は第1作業部の前側で一方連結片と他方連結片との連結が解除され、第1作業部の後側で一方連結片と他方連結片とが連結される。こうして、第1作業部の複数の台車は、第1作業部の後側で連結され、第1作業部では連結されており、第1作業部の前側で連結を解除される。そして、第1作業部では列駆動手段で駆動される。
【0012】
2.第2発明
請求項6に記載の第2発明の台車の搬送設備は、(イ)複数の台車と、(ロ)複数の台車が列を成して配置された第1作業部と、少なくとも一つの第2作業部と、第1作業部の前端から第2作業部さらに第1作業部の後端、第1作業部の後端から第1作業部の前端とループ状に配置された誘導路とを含む作業床と、(ハ)台車に係止可能で、誘導路に沿って自走し、第1作業部の前側の台車を誘導路に沿って第2作業部を通って第1作業部の後側に移動させる自動搬送機と、を含む。
【0013】
この台車の搬送設備において、複数の台車はそれぞれ、一端に一方端面を有し他端に一方端面と当接する他方端面を有し、自動搬送機は、最も後側の台車を第1作業部の後側に搬入した後、第1作業部に列をなしている全ての台車を一台車距離分押す。こうして、第1作業部の複数の台車は、第1作業部に後側から搬入される台車を搬送する自動搬送機により押される。
【発明の効果】
【0014】
1.第1発明
請求項1に記載の第1発明の台車の搬送設備によれば、第1作業部と第2作業部とで同時に別工程を進行することにより、作業効率を上昇させることができる。また、誘導路では自動搬送機の自走速度を速くすることにより、第1作業部と第2作業部との間の自動搬送機の移動時間を短くできる。
【0015】
更に、第1作業部の後側で一方連結片と他方連結片とが連結されるので、第1作業部の複数の台車は連結されており、所定の台車を列駆動手段で駆動することにより複数の台車の全体が駆動できる。ここで、連結された複数の台車を列駆動手段が引く又は押すので、第1作業部の後側に台車を引き込む専用の引込み手段が不要になり、その分搬送設備が簡素化できる。
【0016】
列駆動手段で複数の台車のうち後側寄りの台車を駆動することにより、複数の台車の全体に押し力を付与できる。列駆動手段で複数の台車のうち中間の台車を駆動することにより、複数の台車のうち、列駆動手段よりも前方の台車は押し力を、列駆動手段よりも後方の台車は引き力を付与できる。また、列駆動手段で中間の台車を駆動することにより、列駆動手段の後側にも複数の台車を配置することができ、第1作業部のライン構成に融通性が出る。つまり、列駆動手段の配置位置を基準にした場合、複数の台車への台車の搬入、連結位置を任意に選択することができる。
【0017】
ある台車の一方連結片とその前方の台車の他方連結片とを、第1作業部の後側においてある台車がその先方の台車に当接したとき、又は当接する直前に自動的に連結することにより、一方連結片と他方連結片とを連結させる別の手段を不要にできる。また、第1作業部の前側に設けられた連結解除手段で、ある台車の一方連結片とその前方の台車の他方連結片との連結を解除することにより、一方連結片と他方連結片との連結を確実に解除できる。
【0018】
2.第2発明
請求項6に記載の第2発明の台車の搬送設備によれば、第1作業部と第2作業部とで同時に別工程を進行することにより、作業効率が上昇する。また、誘導路では自動搬送機の自走速度を速くすることにより、第1作業部と第2作業部との間の自動搬送機の移動時間を短くできる。
【0019】
第1作業部の後側で一方端面と他方端面とが当接されるので、第1作業部の複数の台車は当接されており、第1作業部の後側に到達した自動搬送機で押すことにより、複数の台車の全体が駆動できる。ここで、当接された複数の台車を自動搬送機が押すので、第1作業部の後側に台車を引き込む専用の引込み手段及び台車群を引き駆動する手段が不要になり、フロアに固定された駆動手段を廃止できる。
【0020】
更に、最も後側の台車がその前方の台車に当接するまでに自動搬送機の自走速度を減速することにより、台車同士の当接時の衝撃を抑制できるとともに、自動搬送機の係止部材の台車の被係止部からの離脱が容易になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
1.第1発明
請求項1に記載の第1発明による台車の搬送設備は複数の台車と、作業床と、自動搬送機とを含む。第1発明は、第1作業部の複数の台車の台数が比較的多く、第1作業部で必要とされるライン駆動力が自動搬送機の搬送力よりも大きい場合に有効である。
【0022】
複数の台車のそれぞれは、一端から突出した一方連結片と、他端から突出し一方連結片が係合する他方連結片とを含む。隣接する台車の一方連結片と他方連結片とが係合されて台車群を形成している。複数の台車は全て同じ構成を持つことが望ましいが、基本的な構成が同じであれば細部の構成は異なっても良い。各台車は上記一方連結片及び他方連結片の他に、少なくとも部品を載せる載せ台、作業者が乗る踏み台、及び自動搬送機の係止部材が係止可能な被係止部が設けられていることが望ましい。
【0023】
作業床は第1作業部、第2作業部及び誘導部を含む。このうち、第1作業部に上記複数の台車が列を成して配置されている。第1作業部では所定の第1作業、例えば台車に載せられた部品を組み立てなどを行う。複数の台車は、第1作業部の後側(入口)で一方連結片と他方連結片とが連結される。一方連結片と他方連結片とは、第1作業部の後側で隣接する台車が当接したとき連結されることができるので、第1作業部の複数の台車は連結されている。
【0024】
また、複数の台車は、第1作業部の前側(出口)で一方連結片と他方連結片との連結が解除される。そのために、第1作業部の前側に、一方連結片と他方連結片との連結を解除する連結解除部を設けることができる。
【0025】
作業床の第1作業部に、列を成した台車を全体として前方に移動させる列駆動手段が配置されている。列駆動手段は複数の台車のうちの所定の台車に駆動力を付与するもので、所定の台車とは、最も後側(最上流)から2台目の台車、又は複数の台車のうち列の中間の台車など、どの台車でも良い。列駆動手段は例えば、台車の側面を挟持する一対のローラと、一方のローラを駆動するモータとを含む摩擦モータから成ることができる。
【0026】
第2作業部は少なくとも一つ設ければ良く、一つでも、二つ以上でも良い。第2作業部では所定の第2作業、即ち第1作業部での第1作業の前工程又は後工程に相当する作業を行う。例えば、前工程として台車上に部品のピッキングなどの作業を行うことができる。第2作業部の台車は、連結又は当接されて摩擦モータなどで駆動されても、自動搬送機で搬送され離れていても良い。
【0027】
誘導部は、第1作業部の前端から第2作業部さらに第1作業部の後端、第1作業部の後端から第1作業部の前端と、ループ状に配置されている。即ち、第1作業部の前端から第2作業部の後端に延びる部分、第2作業部の後端から第2作業部の前端に延びる部分、第2作業部の前端から第1作業部の後端に延びる部分、及び第1作業部の後端から第1作業部の前端に延びる部分を含む。ループ状の誘導路は磁気走行テープ等から成り、その上を自動搬送機が自走する。
【0028】
自動搬送機は、台車に係止可能であり、台車に係止する係止部材を有する。自動搬送機はループ状の誘導路に沿って自走し、第2作業部にある複数の台車を第1作業部に搬入するとともに、第1作業部にある複数の台車を第2作業部に搬出する。第1作業部に関して、自動搬送機は、誘導路に沿って最も後側の台車を第1作業部の後側から搬入し、また誘導路に沿って最も前方の台車を第1作業部の前側から搬出する。
【0029】
また、一方連結片と他方連結片との連結を検知する検知手段を設けることができる。検知手段は台車に配置した変位部材と、自動搬送機に配置した検知部材とを含む。ある台車がその前方の台車に当接したとき、ある台車の変位部材が前方の台車により変位されるので、この変位を自動搬送機の検知部材で検知する。
【0030】
更に、自動搬送機は、最も後側の台車がその下流側(最も後側の台車から2台目)の台車に当接するまでに、自走速度を減速することができる。減速は一段減速でも二段減速でも良い。二段減速する場合は、自動搬送機が第1作業部の後側から所定位置に到達したときに減速し、最も後側の台車がその前方の台車に当接したとき更に減速し、台車群との速度差を低減することができる。一方連結片と他方連結片との連結が検知されたときは、例えば自動搬送機の係止部材を台車の被係止部から外すことができる。
【0031】
2.第2発明
請求項6に記載の第2発明による台車の搬送設備は複数の台車と、作業床と、自動搬送機とを含む。但し、列駆動手段は設けられていない。第2発明は、第1作業部の複数の台車の台数が比較的少なく、第1作業部で必要とされるライン駆動力が自動搬送機の搬送力よりも小さい場合に特に有効である。
【0032】
複数の台車のそれぞれは、一方端面と、この一方端面と当接する他方端面と有する。隣接する台車の一方端面と他方端面とが当接して台車群を形成している。複数の台車は全て同じ構成を持つことが望ましいが、基本的な構成が同じであれば細部の構成は異なっても良い。各台車は一方端面及び他方端面の他に、少なくとも部品を載せる載せ台、作業者が乗る踏み台、及び自動搬送機の係止部材が係止可能な被係止部が設けられていることが望ましい。
【0033】
作業床は第1作業部、第2作業部及び誘導部を含む。このうち、第1作業部に上記複数の台車が列を成して配置されている。第1作業部では所定の第1作業、例えば台車に載せられた部品を組み立てなどを行う。複数の台車は、第1作業部の後側(入口)で一方端面と他方端面とが当接されるので、第1作業場の複数の台車は当接している。
【0034】
第2作業部は少なくとも一つ設ければ良く、一つでも、二つ以上でも良い。第2作業部では所定の第2作業、即ち第1作業部での第1作業の前工程又は後工程に相当する作業を行う。例えば、前工程として台車上に部品のピッキングなどの作業を行う。第2作業部の台車は、連結又は当接されて摩擦モータなどで駆動されても、自動搬送機で搬送され離れていても良い。
【0035】
誘導部は、第1作業部の前端から第2作業部さらに第1作業部の後端、第1作業部の後端から第1作業部の前端と、ループ状に配置されている。即ち、第1作業部の前端から第2作業部の後端に延びる部分、第2作業部の後端から第2作業部の前端に延びる部分、第2作業部の前端から第1作業部の後端に延びる部分、及び第1作業部の後端から第1作業部の前端に延びる部分を含む。ループ状の誘導路は磁気走行テープ等から成り、その上を自動搬送機が自走する。
【0036】
自動搬送機は、台車に係止可能であり、台車に係止する係止部材を有する。自動搬送機は誘導路に沿って自走し、第2作業部にある複数の台車を第1作業部に搬入するとともに、第1作業部にある複数の台車を第2作業部に搬出する。第1作業部に関して、自動搬送機は、誘導路に沿って最上流の台車を第1作業部の後側(入口)から搬入し、その際、最も後側(最上流)の台車を第1作業部の後側に搬入した後、更に一台車距離分複数の台車を押す。また、自動搬送機は、最も後側の台車がその下流側(最も後側から2台目)の台車に当接されるまでに、自走速度を減速することができる。減速は一段でも良いが、二段でも良い。二段に減速する場合、まず自動搬送機が第1作業部の後側から所定距離に到達したとき少し減速し、最も後側の台車がその前方の台車に当接すると同時またはその直前に更に減速する。これにより自動搬送機の自走速度をラインタクト速度にする。
【0037】
前側の自動搬送機は第1作業部の前側で待機しており、最も前側(最下流)の台車が後側の自動搬送機により押し出されてくるのを待ってその係止部材を台車の被係止部に係止し、第1作業部の前側(出口)から誘導路に沿って搬出する。
【0038】
一方端面と他方端面との当接を検知する検知手段を設けることができる。検知手段は台車に配置した変位部材と、自動搬送機に配置した検知部材とを含む。ある台車がその前方の台車に当接したとき、ある台車の変位部材が前方の台車により変位されるので、この変位を自動搬送機の検知部材で検知する。当接が検知されたときは、例えば自動搬送機の自走速度を一段階又は二段階に減速したり、搬送力を増大したりできる。
【0039】
更に、誘導路上の第1作業部の前側に待機する自動搬送機に対して台車が押し出され所定位置に達すると、待機していた自動搬送機が発進し、待機している自動搬送機が誘導路上のアドレスマークに到達した場合、その係止部材を台車の被係止部に係止させ、台車を前側から搬出することができる。
【実施例】
【0040】
<第1実施例>
以下、本発明の第1実施例を添付図面を参照しつつ説明する。
【0041】
(構成)
図1に示す台車の搬送設備は、複数の台車AからGと、複数の台車XからZと、作業床20と、自動搬送機aからcと、自動搬送機xからzとから成る。作業床(フロア)20は摩擦モータ25を有する第1作業部10、第2作業部13及び誘導路16を含む。第1作業部10は部品組立ラインであり、複数の台車AからEが連結して配置され、台車群を形成している。第2作業部13は部品ピッキングラインであり、複数の台車X、Y及びZが離れて配置され、それぞれ自動搬送機x、y及びzで搬送されている。
【0042】
誘導路16は4つの誘導路部分17、18、19及び21、即ち第1作業部10の前端から第2作業部13の後端に延びる誘導路部分17、第2作業部13の後端から第2作業部13の前端に延びる誘導路部分18、第2作業部13の前端から第1作業部10の後端に延びる誘導路部分19、及び第1作業部10の後端から前端に延びる誘導路部分21を含む。
【0043】
図2(a)(b)において、誘導路部分21の始端にアドレスマーク21aが配置され、誘導路部分21の終端にアドレスマーク21bが配置されている。誘導路部分21の始端寄りに対応して摩擦モータ25が配置されている。摩擦モータ25は、軸線が上下方向(図1の紙面と垂直方向)で平行に延び、台車Bの幅方向(図2(a)で上下方向)に所定間隔離れて配置された駆動ローラ26及び従動ローラ27と、駆動ローラ26を駆動するモータMとを含む。複数の台車AからEのうち最上流(最も後ろ側)から2台目の台車Bに摩擦モータ25が駆動力を付与する。
【0044】
誘導路部分21に5台の台車A、B、C、D及びEが配置され台車群を形成している。台車Fはすでに組立作業が終了した台車であり、誘導路部分17に沿って自動搬送機bで搬出される。台車Gは次ぎに部品組み立てライン10に搬入される台車であり、誘導路部分19に沿って自動搬送機cで搬送される。台車Aの詳細を図3及び図4に示す。その他の台車BからG、及び台車XからZはこの台車Aと同じ構成を持つ。
【0045】
図3及び図4から分かるように、台車Aはフレーム状の本体30、複数の回転輪41、踏み台43、作業台45及び中間板47などを含む。本体30は、前後方向に延びた左上フレーム31及び左下フレーム32と、前後方向に延びた右上フレーム33及び右下フレーム34と、上下方向に延びた左前フレーム36及び右前フレーム37と、上下方向に延びた左後フレーム38及び右後フレーム39とを含む。
【0046】
左下フレーム32及び右下フレーム34に回転輪41が取り付けられ、右下フレーム34に踏み台43が突設されている。左上フレーム31と右上フレーム33との間に渡された天井板45が作業台となっている。左前フレーム36、右前フレーム37、左後フレーム38及び右後フレーム39の中間部に渡って配置された中間板47にピン係合部材48が取り付けられ、所定位置にピン係合孔49が形成されている。なお、左下フレーム32と右下フレーム34との間を幅方向に横切る部材は配置されず、その結果中間板47とフロア20との間には所定高さ及び幅の通過空間50が区画されている(図4参照)。
【0047】
台車B及び台車Aの破断側面図である図6を参照しつつ台車の連結について説明する。台車Bの後端の幅方向一側から上流方向にフック部材70が延びている(フック部材は図3では不図示)。このフック部材70はL字形状でほぼ水平に配置された本体部71、本体部71の一端の打撃部72、及び本体部71の他端の爪部73を含む。
【0048】
台車Bの上流側に位置する台車Aの前端の幅方向一側には、上記フック部材70と対応する位置に、下流方向に突出する被フック部材75が設けられている。被フック部材75は上記フック部材70の爪部73が係止可能な係止孔76を備えている。なお、台車Bと台車C、台車Cと台車D、・・・も同様に連結されている。
【0049】
台車Bが上記摩擦モータ25により駆動され、これよりも下流側の台車CからEは台車Bに加わる押し力で下流方向に押される。台車Aは摩擦モータ25により引かれる。
【0050】
図2(b)及び図6に示すように、フロア20の所定位置(誘導路部分21のアドレスマーク21bの少し上流側)に、連結解除手段80が形成されている。連結解除手段80は、上記フック部材70の本体部71に結合された移動部材81と、移動部材81の下端のローラ82と、フロア20よりも高い位置に形成されローラ82が転動する案内板83とを含む。上下動可能に保持された移動部材81の上端が本体部71に結合されている。移動部材81の下端に回転可能に取り付けられたローラ82がフロア20の上方の所定位置に形成された案内板83に乗り上げ、この案内板83上を転動可能である。
【0051】
案内板83は下流側に進むにつれて高くなるように傾斜した傾斜部84と、この傾斜部84の後端に連続する平坦部85とを持つ。ローラ82が案内板83に接触していないときフック部材70は下降位置にあり、爪部73が係止孔76に係止される。ローラ82が案内板83の平坦部85に接触するとフック部材70は上昇位置に移動し、爪部73が係止孔76から外れる。なお、必要に応じて作業者が打撃部72を打撃することができ、これにより本体部71が反時計方向に回動し、爪部73が係止孔76から外すことができる。
【0052】
図5に、台車Aを部品組立ライン10に搬入し、台車Eを部品組立ライン10から搬出する自動搬送機aを示す。自動搬送機aは本体91、駆動モータ96、磁気マーカ読取部97、ピン駆動機構101及び制御盤104等を含む。複数の回転輪92により支持された本体91の前後方向中間部に駆動モータ96が、後方に電源95が搭載されている。本体91の下面に取り付けられた駆動輪98が駆動モータ96により駆動され、駆動モータ96の作動は制御盤104内に配置された制御回路により制御される。
【0053】
本体91の上面後方寄りには制御盤104と電源95との間にピン駆動機構101が配置されている。ピン駆動機構101は本体91に上下方向に移動可能に取り付けられたフックピン103と、ばね押上機構(不図示)と、モータ(不図示)により駆動されるカム及びカムフォロワ(不図示)などを含む。カムがモータにより回転されると、カムフォロワなどを介してフックピン103が上昇し、上記台車Aのピン係合孔49に係合可能となっている(図3参照)。ピン駆動機構101の下方に配置された磁気マーカ読取り部97が誘導路部分21のアドレスマーク21a及び21bを読取り(図2(b)参照)、それにより自動搬送機aの作動を制御する。
【0054】
台車Aの平面図である図7に、連結を検知する検知手段100を示す。この検知手段110は、台車Aに配置された変位部材112と、自動搬送機aに配置された検知部材118とを含む。変位部材112は、台車Aの台車Bへの当接の直前に変位するもので、台車Aの前端に配置され、突出部113、検知部114、連結部115及びばね116などを含む。突出部113が前後動可能に保持され、連結部115で突出部113に連結された検知部114が前後方向(図7で左右方向)に変位可能となっている。連結部115即ち変位部材112は圧縮ばね116により付勢されている。
【0055】
検知部材118は上記変位部材112に対向して配置され、自動搬送機aを台車Aから切り離す指令を受ける。即ち、検知部材118が変位部114の変位を検知したときは、当接とほぼ同時にその旨の信号をピン駆動機構101に発し、それに応じてフックピン103が下降する。
【0056】
(作用効果)
第1実施例の作用効果を図1から図8を参照しつつ説明する。部品組立てが終了した台車Fは製品が降された後、自動搬送機bにより誘導路部分17に沿って部品ピッキングライン13に搬送される。誘導路部分18に沿って自動搬送機bで搬送されている間に、部品をピッキングする。台車Fはさらに誘導路部分19に沿って自動搬送機bで搬送され、部品組立ライン10に至る。
【0057】
次に、停止している台車群BからEに、自動搬送機aで搬送された台車Aが連結される工程を説明する。図2(a)及び図8(a)において、台車群BからEが誘導路部分21に配置され、基準位置P2にある台車Bが摩擦モータ25で挟まれている。摩擦モータ25は、基準位置P2の上流側に隣接する連結位置P1に台車Aが到達するまでは停止しており、アドレスマーク21aを通過した時点で回転を開始する。
【0058】
台車Aは自動搬送機aにより誘導路部分19に沿って搬送され、連結位置P1に到達すると、基準位置P2にある台車Bに当接する。このとき、図6において、台車Bのフック部材70が下降位置にあるので、その爪部73が被フック部材75の係止孔76に係止される。こうして、図2(a)及び図8(a)に示すように、台車Aが台車Bに連結される。台車Aの前面が台車Bの後面に当接した時点又はその直前に、フック部材70の爪部73が被フック部材75の係止孔76に係止するので、台車Aの台車Bへの連結は確実である。
【0059】
台車Aが連結位置P1で基準位置にある台車Bに連結された後、台車Aから自動搬送機aが分離される。即ち、図7において、台車Aが台車Bに当接すると同時に、変位部材112の突出部113が台車Bにより後方(図7で右方)に押され、ばね116の付勢力に抗して、変位部114の位置が後方に変位する。この変位を自動搬送機aの検知部材118が検知し、ピン駆動機構101にフックピン103を下げる指令を発し、台車Aのピン係合孔49からフックピン103が抜ける。台車Bの台車Aへの連結後に、自動搬送機aを台車Aから分離するので、分離が容易である。
【0060】
台車Aの台車Bへの連結後、摩擦モータ25が回転を開始し、台車Bに駆動力を付与する。図8(a)から(c)に示すように、摩擦モータ25から台車Bに加わる押し力により、駆動源を持たない下流側の4台の台車B、C、D及びEが押され、駆動源を持たない台車Aは引っ張られ、5台の台車AからEは一体となって所定のタクト速度で搬送される。ここで、台車Bに連結された台車Aは、摩擦モータ25で引かれて連結位置P1から基準位置P2に至るので、従来例における引込み手段は不要となる。
【0061】
台車Aが連結位置P1から基準位置P2に至る間に、台車C及びDの踏み台43に乗った作業者甲及び乙は作業台45上に配備された治具を用いて部品を組み立てる。作業終了後、台車C及びDから降り、歩いて元の位置に戻り、次の台車B及びCに乗って同様の作業を行う。
【0062】
台車Aから分離された自動搬送機aは、その自走速度が、摩擦モータ25によるタクト速度よりも早くなる。その結果、図8(b)に示すように、台車C及びDでの組立作業中に、台車群BからEの下方のトンネル状の通過空間50内を、台車群BからEよりも速い速度で下流側に自走する。そして、図8(c)に示すように、部品組立が終了した台車Eとタイミングを合わせて部品組立ライン10の出口に至る。
【0063】
なお、台車Eがフロア20の連結解除手段80を通過するとき、そのフック部材70と台車Dの被フック部材75との連結が解除される。即ち、台車Eが部品組立ライン10から搬出されるとき、図6においてローラ82が案内板83に乗り上げ、傾斜部84の上端に向かって転動するにつれて、移動部材81及びフック部材70が一体的に上昇する。その結果、フック部材70の爪部73が被フック部材75の係止孔76から外れる。
【0064】
自動搬送機aが連結手段80よりも下流側に配置されたアドレスマーク21bを読み取った時点で、ピン駆動機構101がフックピン103を上昇させ、台車Eのピン係合孔49に係合させる。これにより、図8(c)に示すように、台車Eは自動搬送機aにより部品組立ライン10から搬出される。
【0065】
このように、部品組立ライン10の台車群BからEは摩擦モータ25で押し、台車Eは台車Aを搬送した自動搬送機aで搬出するので、部品組立ライン10の下流側の台車の台数を増減することにより、その長さを容易に調整できる。
【0066】
<変形例>
図9に、第1実施例の変形例を示す。この変形例は、部品組立ラインを形成する複数の台車GからIが摩擦モータ25よりも上流側まで伸びている点が、第1実施例とは異なり、その他の点は第1実施例と同じである。以下、異なる構成を中心に説明する。
【0067】
図8(c)に対応する図9において、摩擦モータ25に挟持された台車Aよりも下流側には、第1実施例と同様に、互いに連結された台車BからDが配置されている。加えて、台車Aの上流側に、台車GからIが配置され、台車Gが台車Aに、台車Hが台車Gに、台車Iが台車Hに、それぞれ連結されている。これら相互に連結された台車AからD及び台車GからIが部品組立ライン10を構成し、摩擦モータ25は台車Aに駆動力を付与している。その結果、摩擦モータ25よりも下流側の台車BからDは摩擦モータ25で押し力を与えられ、上流側の台車GからIは摩擦モータ25で引き力を与えられる。
【0068】
この変形例における台車Hへの台車Iの連結は、上記第1実施例における台車Bへの台車Aの連結と同様に行う。但し、台車Hが摩擦モータ25から上流側に離れており、台車Iの連結位置は、摩擦モータ25から上流側に離れている。
【0069】
この変形例によれば、第1実施例の効果に加えて、部品組立ライン10を摩擦モータ25の上流側にも延ばすことができる効果が得られる。従って、工場内で他の装置や機器との関係で、摩擦モータ25の下流側に多くの台車を配置できないときでも、部品組立ライン10の長さを確保できる。また、ラインタクト、自動搬送機aの搬送速度及び台車I等の投入タイミングにより変動する最上流の台車Iと最上流から2台目の台車Hとの連結位置を任意に選択でき、より連続稼働が可能となる。しかも、変位部材112と検知部材118(図7参照)とで連結を確実に検知できる。
【0070】
<第2実施例>
本発明の第2実施例を図10及び図11を参照しつつ説明する。この第2実施例では、フロア20に摩擦モータ25(図2(a)参照)は配置されていない。また、部品組立ライン10を構成する複数の台車KからNはフック部材70及び被フック部材75(図6参照)が形成されていない。図6において、台車Kの前面77と、台車Lの後面74とが当接可能となっている。更に、台車Kを搬送してきた自動搬送機bで台車LからNを押す。これらの点が、第1実施例とは異なり、その他の点は第1実施例と同じである。以下、異なる構成を中心に説明する。
【0071】
誘導路部分21の始端が当接位置P3となり、その下流側の入口側の基準位置P2に対応してアドレスマーク21cが配置されている。また、誘導路部分21の終端の出口側の基準位置P4に対応してアドレスマーク21bが配置されている。複数の台車KからN及び台車Oはフック部材70及び被フック部材75が形成されていない点を除き、第1実施例の台車AからEと同じ構成を持つ。最下流から2台目の台車Lが基準位置P2で停止しており、この台車Lに、自動搬送機bで搬送された最下流の台車Kが当接する場合を説明する。
【0072】
台車Kに配置された変位部材112、及び自動搬送機bに配置された検知部材118で台車Kの前面77の台車Lの後面74への当接を検知し、それに基づき自動搬送機bの自走速度を変更している。即ち、自動搬送機bは当接位置P3から上流側に大きく離れた誘導路部分19では、第1自走速度v1で自走している。但し、自動搬送機bが当接位置P3から少し離れた範囲(例えば台車Kの2台から3台分の長さに相当する距離)では、自走速度を第1自走速度v1と第2自走速度(タクト速度)v2との間の第3自走速度v3に減速している。その後、台車Kの台車Lへの当接時に、検知部材118が変位部材112の変位を検知すると、自動搬送機bの自走速度を第3自走速度v3よりも小さい第2自走速度(タクト速度)v2に減速する。
【0073】
誘導路部分21に配置されたアドレスマーク21cと、このアドレスマーク21cを読み取る自動搬送機の読取りセンサ97とで、自動搬送機bが入口側の基準位置P2に到達したことを検知する。アドレスマーク21cは誘導路部分21の始端即ち当接位置P3から一台車長さ分下流側に配置されている。自動搬送機bが台車Kを基準位置P2まで搬送すると、読取りセンサ97がアドレスマーク21cを読み取り、ピン駆動機構101を駆動させて、フックピン103を台車Kの係止孔49から抜く。
【0074】
(作用効果)
以下、第2実施例の作用効果を、第1実施例の作用効果と異なるものを中心に説明する。図11(a)に示すように、台車Lが入口側の基準位置P2に停止している。自動搬送機aは出口側の基準位置P4の少し手間で待機している。自動搬送機bで搬送された台車Kが当接位置P3に達すると、台車Kの台車Lへの当接と同時に、台車Kの変位部材112が台車Lにより上流側に変位される(図7参照)。変位部材112の変位を自動搬送機bの検知部材118で検知し、駆動モータ96に指令を出して、自動搬送機bの自走速度をタクト速度v2に減速する。
【0075】
台車Kが台車Lに当接した後、自動搬送機bは更に一台車の長さ分自走し、図11(b)(c)に示すように入口側の基準位置P2に至り、台車Kは自動搬送機bにより基準位置P2まで搬送される。その結果、台車LからNは台車Kで前方に押されるので、フロア20に上記摩擦モータ25などを配置することは不要である。また、自動搬送機bの自走速度を当接位置P3でタクト速度v2に減速しているので、当接時の衝撃が小さい。
【0076】
台車Kを基準位置P2まで搬送した後、自動搬送機bは台車Kから分離される。即ち、基準位置P2に配置されたアドレスマーク21cを自動搬送機bの読取りセンサ97が読み取ると、ピン駆動機構101に指令を出して、台車Kのピン係合孔49からフックピン103を抜く。このとき、自動搬送機bはタクト速度v2で自走しているので、そのフックピン103を台車Kのピン係合孔49から容易に抜くことができる。それ以後、第1実施例と同様、自動搬送機bは台車群L及びMのトンネル状の下方空間50内を、台車群L及びMよりも速い速度で下流側に移動し、出口側の基準位置P4の少し手前で待機する。
【0077】
なお、出口側の基準位置P4の少し手間で待機していた自動搬送機aが基準位置P4でアドレスマーク21bを読み取ると、そのフックピン103を突出される。こうして、基準位置P4において、自動搬送機bで押し出される前方の台車Nのピン係合孔49にフックピン101を係止させ、この台車Nを搬出する。
【0078】
次に、当接位置P3に達した台車Pが、入口側の基準位置P2にある台車Kに当接する。なお、P’で示すように、次の台車Pが早く搬入され、当接位置P3よりも上流側で前方の台車Kに当接した場合、その時点で自動搬送機dの自走速度はタクト速度v2に減速される。従って、台車Kが基準位置P2に至るまでの間、自動搬送機b及びdで台車群KからNを押すことになる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の第1実施例の全体説明図である。
【図2】(a)は第1作業部に相当する部品組立ライン10を示す説明図、(b)は部品組立ラインの誘導路部分を示す説明図である。
【図3】台車A及びこの台車を搬送する自動搬送機aの正面説明図である。
【図4】台車A及びこの台車を搬送する自動搬送機aの後面説明図である。
【図5】台車Aを搬送する自動搬送機aの正面説明図である。
【図6】台車Aと台車Bとを連結する連結片の説明図である。
【図7】台車間の連結を検知する検知部の説明図である。
【図8】(a)(b)及び(c)は第1実施例の作動説明図である。
【図9】第1実施例の変形例の説明図である。
【図10】(a)は第2実施例の第1作業部に相当する部品組立ライン10を示す説明図、(b)は部品組立ラインの誘導路部分を示す説明図である。
【図11】(a)(b)及び(c)は第2実施例の作動説明図である。
【符号の説明】
【0080】
10:第1作業部 13:第2作業部
16:誘導路 20:作業床
25:列駆動手段
A、B、C、D、E:台車 a:自動搬送機
70:一方連結片 75:他方連結片
74:一方当接面 77:他方当接面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の台車と、
複数の前記台車が列を成して配置されるとともに列をなした該台車を全体として前方に移動させる列駆動手段を持つ第1作業部と、少なくとも一つの第2作業部と、該第1作業部の前端から該第2作業部さらに該第1作業部の後端、該第1作業部の後端から該第1作業部の前端とループ状に配置された誘導路とを含む作業床と、
前記台車に係止可能で、前記誘導路に沿って自走し、前記第1作業部の前側の該台車を前記誘導路に沿って前記第2作業部を通って該第1作業部の後側に移動させる自動搬送機と、を含む台車の搬送設備において、
複数の前記台車はそれぞれ、一端に一方連結片を有し他端に該一方連結片と係脱する他方連結片を有し、
複数の前記台車は、前記第1作業部の前側で前記一方連結片と前記他方連結片との連結が解除され、前記第1作業部の後側で前記一方連結片と前記他方連結片とが連結されることを特徴とする台車の搬送設備。
【請求項2】
前記第1作業部に配列されている複数の前記台車のうち後側から2台目の該台車が前記列駆動手段により駆動される請求項1に記載の台車の搬送設備。
【請求項3】
前記第1作業部に配列されている複数の前記台車のうち中間の前記台車が前記列駆動手段により駆動される請求項1に記載の台車の搬送設備。
【請求項4】
前記一方連結片と前記他方連結片とは、前記第1作業部の後側で隣接する前記台車が当接したとき連結される請求項2又は3に記載の台車の搬送設備。
【請求項5】
前記第1作業部の前側に、前記一方連結片と前記他方連結片との連結を解除する連結解除部が設けられている請求項2又は3に記載の台車の搬送設備。
【請求項6】
複数の台車と、
複数の前記台車が列を成して配置された第1作業部と、少なくとも一つの第2作業部と、該第1作業部の前端から該第2作業部さらに該第1作業部の後端、該第1作業部の後端から該第1作業部の前端とループ状に配置された誘導路とを含む作業床と、
前記台車に係止可能で、前記誘導路に沿って自走し、前記第1作業部の前側の該台車を前記誘導路に沿って前記第2作業部を通って該第1作業部の後側に移動させる自動搬送機と、を含む台車の搬送設備において、
複数の前記台車はそれぞれ、一端に一方端面を有し他端に該一方端面と当接する他方端面を有し、
前記自動搬送機は、最も後側の前記台車を前記第1作業部の後側に搬入した後、該第1作業部に列をなしている全ての該台車を一台車距離分押すことを特徴とする台車の搬送設備。
【請求項7】
前記自動搬送機は、最も後側の前記台車がその前方の前記台車に当接されるまでに、自走速度を減速する請求項6に記載の台車の搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−76518(P2007−76518A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−267344(P2005−267344)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)