台車搬送装置
【課題】複数の台車を順次に搬送し所望の位置に停止させる台車搬送装置を提供する。
【解決手段】台車搬送装置1は、台車3を矢印f,bで指した案内方向に案内する案内部材5と、台車3に設けた複数の鉤7,9,11と、案内部材5により案内される台車3に対して複数の保持爪13,15,17を矢印c,dで指した方向に進退させる保持手段19と、案内部材5により案内される台車3に複数の移送爪21,23を矢印c,dで指した方向に進退させる進退手段25と、複数の移送爪21,23を案内方向に移動させる搬送手段27と、プッシャー95により台車3を案内部材5から離れる向きに押し出す搬出手段97を備える。
【解決手段】台車搬送装置1は、台車3を矢印f,bで指した案内方向に案内する案内部材5と、台車3に設けた複数の鉤7,9,11と、案内部材5により案内される台車3に対して複数の保持爪13,15,17を矢印c,dで指した方向に進退させる保持手段19と、案内部材5により案内される台車3に複数の移送爪21,23を矢印c,dで指した方向に進退させる進退手段25と、複数の移送爪21,23を案内方向に移動させる搬送手段27と、プッシャー95により台車3を案内部材5から離れる向きに押し出す搬出手段97を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車の搬送と位置決めを行う台車搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
何らかの物品に加工をする工場では、台車に複数の物品が積み上げられることがある。台車は、作業者によって手押しされ、複数の物品を1つずつ台車から取り出すロボットハンドの近傍に停止される。作業者は、台車から総ての物品の取り出される時間を見計らって台車を回収し、新たに物品の積まれた台車を上記のロボットハンドの近傍に停止させる。例えば、夜間の工場で作業者の人数に余裕がないとき、作業者による台車の走行と回収の手間を軽減することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−249908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、複数の台車を順次に搬送し所望の位置に停止させる台車搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車輪により走行する台車を案内する案内部材と、前記台車に設けた複数の鉤と、前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の保持爪を進退させる保持手段と、前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の移送爪を進退させる進退手段と、前記複数の移送爪を前記案内部材が台車を案内する案内方向に移動させる搬送手段とを備え、前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち一の鉤に前記保持爪を掛止した状態で、前記台車を前記案内部材に対して位置決めし、前記進退手段が、前記複数の移送爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち他の鉤に前記移送爪を掛止し、前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車から後退することにより、前記一の鉤から前記保持爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が、前記複数の移送爪を前記案内方向に移動させることにより、前記台車を搬送することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記複数の鉤を互いに等しい間隔で前記案内方向に配列し、前記搬送手段により前記移送爪の移動する行程の長さが前記複数の鉤の間隔に一致するように、前記搬送手段が前記複数の移送爪を往復運動させ、前記進退手段が、前記移送爪を前記台車から後退することにより、前記他の鉤から前記移送爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が台車を搬送する向きと反対向きに、前記移送爪を移動させることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記保持爪、及び前記移送爪が、それぞれ前記案内方向に直交する方向に2つの爪先を延出し、前記2つの爪先の間に前記鉤を嵌入させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記案内方向を横切る方向に動作するプッシャーにより前記案内部材から離れる向きに台車を押し出す搬出手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記台車の上面に設けた被検出部材と、前記台車の上方に設置され前記被検出部材を検出し検出信号を送出する検出手段と、前記検出信号に基づき前記保持手段、進退手段、及び搬送手段の動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る台車搬送装置によれば、台車の複数の鉤のうち一の鉤に保持爪が掛止した状態で、台車を案内部材に対して位置決めできるので、台車の不用意な走行を防止することができる。続いて、台車の複数の鉤のうち他の鉤に移送爪が掛止し、一の鉤から保持爪が離脱する。この状態で、搬送手段が複数の移送爪を案内方向に移動させることにより、台車を移送爪に従わせ案内方向に搬送することができる。このように簡素な構造で台車の搬送を行えるので、台車をコンベヤ等で搬送するような大掛かりが設備が不要であり、本発明に係る台車搬送装置は、その製造コストの低減、及び小型化に有利である。
【0011】
また、複数の鉤が互いに等しい間隔で案内方向に配列されている。搬送手段は、移送爪の移動する行程の長さが上記の間隔に一致するように、複数の移送爪を往復運動させ、保持手段による台車の位置決めと、搬送手段による台車の搬送とを交互に繰り返すことができる。このため、本発明に係る台車搬送装置は、搬送手段が移送爪を移動させる1回の行程の長さに制限されることなく、1又は複数の台車を搬送する距離を延ばすことができる。
【0012】
本発明に係る台車搬送装置によれば、保持爪、及び移送爪は、それぞれ案内方向に直交する方向に延出する2つの爪先の間に鉤を嵌入させるので、保持爪、及び移送爪を掛止された鉤は、案内方向に移動するのを規制される。このため、台車の位置決めと台車の搬送とが交互に繰り返される過程で、台車を所望の位置に的確に停止させることができる。しかも、台車を突き当てるストッパー等に依存することなく、台車搬送装置は台車を位置決めできるので、その構造を更に簡素化し、上記の効果を顕著に達成することができる。
【0013】
本発明に係る台車搬送装置によれば、搬出手段のプッシャーにより台車を案内部材から離れる向きに押し出すことができる。このため、搬送手段が台車を搬送する向きの前途が、例えば壁に遮られる等していても、台車を案内部材から離脱させるのが容易であり、また作業者は壁に邪魔されることなく台車を他所へ搬出することができる。
【0014】
本発明に係る台車搬送装置によれば、例えば台車の上面に物品が積み上げられ、この物品の総てがロボットハンドにより台車から取り去られたとき、台車の上面に設けた被検出部材が露出し、これを台車の上方に設置した被検出部材が検出し検出信号を送出する。制御手段は、検出信号に基づき保持手段、進退手段、及び搬送手段の動作を制御するので、総ての物品を取り去られた台車を直ちに搬送することができる。このため、本発明に係る台車搬送装置は、台車から総ての物品が取り去られた後、この台車を作業者が回収するまでの間、台車を待機させなくて済むという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第1例を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第2例を示す平面図。
【図3】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第3例を示す平面図。
【図4】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第4例を示す平面図。
【図5】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第5例を示す平面図。
【図6】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第6例を示す平面図。
【図7】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第7例を示す平面図。
【図8】(a)は本発明の実施形態に係る台車搬送装置により搬送される台車の平面図、(b)はその側面図、(c)はその反対側の側面図。
【図9】(a)は本発明の実施形態に係る台車搬送装置により搬送される台車の背面図、(b)はその台車搬送装置に適用した案内部材が台車を案内する構造を示す断面図。
【図10】本発明の実施例1に係る台車搬送装置に適用した案内部材の一端部に台車の係合した構造を示す平面図。
【図11】本発明の実施例1に係る台車搬送装置を示す図2のX1−X1線断面図。
【図12】本発明の実施例1に係る台車搬送装置を示す図2のX2−X2線断面図。
【図13】本発明の実施例1に係る台車搬送装置を示す図2のX3−X3線断面図。
【図14】本発明の実施例2に係る台車搬送装置に適用した案内部材の他端部から台車を押し出す動作工程を示す平面図。
【図15】本発明の実施例2に係る台車搬送装置に適用した案内部材の他端部の斜視図。
【図16】(a)は本発明の実施例3に係る台車搬送装置の要部の構成を示すブロック図、及び台車の背面図、(b)はその台車の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作を先に説明する。図1〜図7は台車搬送装置1の概略を示している。台車搬送装置1は、台車3を矢印f,bで指した案内方向に案内する案内部材5と、台車3に設けた鉤7,9,11と、案内部材5により案内される台車3に対して保持爪13,15,17を案内方向に直交する矢印c,dで指した方向に進退させる保持手段19と、案内部材5により案内される台車3に対して移送爪21,23を矢印c,dで指した方向に進退させる進退手段25と、移送爪21,23を案内方向に移動させる搬送手段27とを備える。
【0017】
台車搬送装置1は、以下の文頭の英文字で区分された工程を順に実行し、台車3を矢印fの向きに搬送する。台車3は、床等の水平面に車輪を接地し、人手によって自在に走行できるように門形の把手29を設けている。図1に示す案内部材5には後述の手順で台車3が係合されているものとする。
【0018】
A:保持手段19が保持爪13,15,17を矢印cの向きに前進(以下で単に前進と記す。)することにより、複数の鉤のうち一の鉤9に保持爪13を掛止する。この状態で台車3は案内部材5に位置決めされる。図1に表れた移送爪21,23は、搬送手段27によって矢印bの向きに移動された位置にある。
【0019】
B:図2に示すように、進退手段25が移送爪21,23を前進することにより、複数の鉤のうち他の鉤11に移送爪21を掛止する。保持手段19が、保持爪13,15,17を矢印dの向きに後退(以下で単に後退と記す。)することにより、一の鉤9から保持爪13を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印fの向きに移動させることにより、台車3を図3に示す位置に搬送する。
【0020】
C:図4に示すように、保持手段19が、保持爪13,15,17を前進することにより、鉤7に保持爪13を掛止し、台車3を案内部材5に位置決めする。進退手段25が、移送爪21,23を後退することにより、他の鉤11から移送爪21を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印bの向きに同図の仮想線の位置まで移動させる。上記の一の鉤、及び他の鉤は、1つの台車3に設けた複数の鉤を相対的に区別する指標であり、鉤の配置、又は個数を限定するものではない。
【0021】
D:進退手段25が、図4の仮想線の位置にある移送爪21,23を前進することにより、鉤9に移送爪21を掛止する。保持手段19が、保持爪13,15,17を後退することにより、鉤7から保持爪13を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印fの向きに移動させることにより、台車3を図5に示す位置に搬送する。本工程で台車搬送装置1の動作は上記Bの工程と同様であり、図3,5は互いに台車搬送装置1の同じ動作を示している。
【0022】
E:保持手段19が、保持爪13,15,17を前進することにより、鉤11に保持爪15を掛止し、台車3を案内部材5に位置決めする。進退手段25が、移送爪21,23を後退することにより、鉤9から移送爪21を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印bの向きに移動させる。本工程で台車搬送装置1の動作は上記Cの工程と同様である。
【0023】
F:台車搬送装置1が上記Bの工程と同様に動作する。これにより、鉤7に移送爪21を掛止し、鉤11から保持爪15を離脱した状態で、台車3が図6に示す位置に搬送される。本工程の直後に新たな台車3が案内部材5に係合されるものとする。
【0024】
G:台車搬送装置1が上記Cの工程と同様に動作する。これにより、2つの台車3のそれぞれの鉤9に保持爪13,15を掛止し、2つの台車3が案内部材5に位置決めされる。移送爪21,23は後退され、矢印bの向きに移動される。
【0025】
台車搬送装置1は、上記B,Cの工程と同様の動作を更に繰り返すことにより、2つの台車3を図7に示す位置まで搬送する。台車3には衣料の布地が積み上げられるものとする。また、上記Gの工程で図7の最も左側に位置決めされた台車3からロボットハンドを用いて布地が取り出され染色装置に供給されるものとする。この場合の台車搬送装置1の構成を以下の実施例で説明する。
【実施例1】
【0026】
図8(a)〜図9(a)に示すように、台車3は、その側縁部に起立部材31を固定し、鉤7,9,11を上面に設け係合ローラ33,35を下面に設けた係合部材37を、起立部材31の上端部から水平方向に延出している。台車3の総ての車輪39はキャスタである。図9(b)は、案内部材5に係合した係合ローラ35を示している。鉤7,9,11、及び係合ローラ33,35は、それぞれ係合部材37に固定した鉛直軸41の周りで回転できるローラである。
【0027】
図1に示すように、保持手段19は、保持爪13,15,17をそれぞれのピストンロッド43に取り付けた3つのエアシリンダーである。進退手段25は、移送爪21,23をそれぞれのピストンロッド43に取り付けた2つのエアシリンダーである。保持爪13,15,17、及び移送爪21,23は、合成樹脂のブロックに鉤7,9,11の何れか1つを進入させる略U字形の切り込みを形成したものである。符号45はガイドバーを指している。
【0028】
図10は、図1の中の案内部材5の右側の一端部、及び台車3の係合部材37を示している。図10,11に示すように、案内部材5は、軽金属製のサッシバーから成る支持部材47と、支持部材47を床等に支持する脚部49と、支持部材47の側面に沿って設けられ案内方向に延びるガイドプレート51と、ガイドプレート51に対向し案内方向に延びるガイドプレート53と、ガイドプレート51,53の間隔を確保するスペーサ55とを備える。保持手段19は、ステー57を介して支持部材47に支持されている。ガイドプレート51,53は、スペーサ55を貫くボルト等により支持部材47に固定されている。
【0029】
案内部材5に台車3を係合させるには、上記Aの工程の前、又はFの工程の直後に、図10に示す案内部材5の右の側方から台車3を矢印fの向きに走行させ、係合ローラ33,35を順次にガイドプレート51,53の間に進入させることにより行える。逆止爪59は、その正面を矢印fの向きに走行する台車3の鉤11、鉤9、及び鉤7が、この順に通過する毎に、ケース61に没入するようピン63を支点に回動する。そして、台車3の鉤7が逆止爪59の正面を通過した時点で、案内部材5に台車3を係合させる作業は完了し、逆止爪59は鉤7が矢印bの向きに戻るのを防止する。
【0030】
一方、図12に示すように、支持部材47の下面にエアシリンダーから成る停止手段65を取り付け、このピストンロッド66に接合した進退ストッパー67を矢印c,dで指した方向に進退させても良い。停止手段65は、台車3が案内部材5に係合される過程で、停止手段65が進退ストッパー67を前進させる。これにより、上記のように逆止爪59の正面を鉤7の通過した時点で、台車3の1つの車輪39が進退ストッパー67に突き当たる。そして、上記Aの工程、又はG工程で台車3が案内部材5に位置決めされた後、停止手段65が進退ストッパー67を後退させる。
【0031】
進退ストッパー67に取り付けた緩衝装置のピストンロッド69の端面が同図に表れている。ピストンロッド69が、進退ストッパー67に車輪39の突き当たる衝撃を受け止めるようにしても良い。
【0032】
図6,7に示すように、案内部材5に案内される1、又は複数の台車3は、その総ての鉤7,9,11を互いに等しい間隔[t]で案内方向に配列していれば良い。互いに隣接する2つの台車3が図示のように接触していることは必須でなく、これらの台車3の間に隙間が空いていても、台車搬送装置1は個々の台車3を搬送することができる。
【0033】
図2,12に示すように、搬送手段27は、支持部材47の上面に固定され案内方向に延びるスライドレール71と、スライドレール71に滑動自在に係合したスライダ73と、スライダ73に接合され両端に進退手段25をそれぞれ取り付けた板状の連結部材75と、移送爪21,23が案内方向に往復運動するように連結部材75と共に進退手段25をスライドレール71に対して移動させる搬送駆動源77とを備える。
【0034】
図12は、搬送手段27の搬送駆動源77として、支持部材47に水平姿勢で固定されたエアシリンダーの端面を表しており、この端面と反対向きにピストンロッド79が突出している。連結部材75は、その側縁から垂下片81を延出し、垂下片81の下端がピストンロッド79に連結されている。垂下片81は図1〜図7で省略されている。搬送手段27の搬送駆動源77により移送爪21,23の移動する行程の長さは、図4の寸法線に[T]で表されている。[T]は、鉤7,9,11の間隔[t]に一致していれば良い(T=t)。また、搬送手段27が移送爪21,23を移動させるとき、連結部材75は、図13に示す保持手段19と支持部材47との間を通過する。
【0035】
本実施例で述べた台車搬送装置1によれば、保持手段19による台車3の位置決めと搬送手段27による台車3の搬送とを交互に繰り返すことができる。このため、搬送手段27が移送爪21,23を移動させる1回の行程の長さに制限されることなく、1又は複数の台車3を搬送する距離を延ばすことができる。このように台車搬送装置1は構造が簡素であるため製造コストが安価である。しかも台車3を搬送できるようなコンベヤ等に比べて台車搬送装置1は小型であり、既存の設備に付加するのが容易である。
【0036】
また、保持爪13,15,17、及び移送爪21,23は、それぞれ矢印cで指した向きに2つの爪先83を延出し、2つの爪先83の間に鉤7,9,11の何れか1つを嵌入させることにより、この鉤に掛止するものである。例えば、鉤7に保持爪15を掛止したとき、保持爪15は案内方向に鉤7の移動するのを規制する。或いは、鉤11に移送爪23を掛止したとき、移送爪23は案内方向に鉤11の移動するのを規制する。このため、上記の台車3の位置決めと台車3の搬送とが交互に繰り返される過程で、台車搬送装置1は、台車3を突き当てるストッパー等に依存することなく、台車3を所望の位置に停止させられるので、台車搬送装置1はその構造を一層簡素にし、上記の効果を顕著に達成することができる。
【実施例2】
【0037】
台車3に積み上げられた総ての布地をロボットハンドが取り出した後、台車搬送装置1は台車3を矢印fの向きに更に搬送しても良いが、台車搬送装置1に隣接して設置される染色装置、又は壁が台車3の搬送される向きの前途を遮ることがある。このような場合に案内部材5の他端部から台車3を離脱させるための台車搬送装置1の構成を本実施例に述べる。
【0038】
図14,15に示すように、ガイドプレート51は、ガイドプレート53よりも案内方向の全長が長く、ガイドプレート51の端部85はガイドプレート53の端部87よりも矢印fの向きに長く延出している。案内部材5は、ガイドプレート51に対向し昇降手段89により昇降する2つの昇降レール91と、2つの昇降レール91の間に配置された補間ガイドプレート93と、プッシャー95を矢印c,dで指した方向に進退させる搬出手段97とを備える。
【0039】
補間ガイドプレート93は、ガイドプレート53よりも全長が短いことを除き、ガイドプレート53と同様のものである。昇降レール91とガイドプレート53の端部87との間は殆ど隙間なく近接している。この点は、昇降レール91と補間ガイドプレート93との間についても同様である。昇降手段89は、その上方に突出したピストンロッド99に昇降レール91を取り付けた2つのエアシリンダーである。搬出手段97は、支持部材47の下面に取り付けられたエアシリンダーであり、そのピストンロッド101にプッシャー95を接合している。ガイドバー103は、図に表れていない直線運動軸受によって支持部材47の下側で支持されている。
【0040】
2つの昇降レール91は、上記Gの工程で案内部材5に置決めされた台車3の係合ローラ33,35に対して矢印cの向きの正面にそれぞれ配置されている。台車3から布地が取り出された後、昇降手段89が2つの昇降レール91を下降させる。この状態で、搬出手段97は、プッシャー95を前進させ、プッシャー95を台車3の起立部材31に突き当てることにより台車3を案内部材5から矢印cの向きに押し出すことができる。一方、搬出手段97によって押し出される台車3の係合ローラ33,35は、2つの昇降レール91の上方を通過する。
【0041】
図14は、プッシャー95が台車3を案内部材5から押し出す過程を示している。台車3が案内部材5から押し出される距離が台車3の車幅を超えたところで、搬出手段97が停止する。この後、搬出手段97はプッシャー95をガイドプレート51の下方まで後退させる。このように、搬送手段が台車を搬送する向きの前途が遮られていても、ffは台車を案内部材から離脱させるのが容易であり、また作業者は染色装置、又は壁に邪魔されることなく台車を他所へ搬出することができる。
【実施例3】
【0042】
台車3に積み上げられた総ての布地をロボットハンドが取り出したことを検出するための台車搬送装置1の構成を本実施例で述べる。
【0043】
図16(a),(b)に示すように、台車3の上面に被検出部材105を設け、台車3の上方に被検出部材105を検出しコンピューターを主体とする制御手段107へ検出信号を送出する検出手段109を設置する。検出手段109は、被検出部材105に向けて光線を照射する反射型光電スイッチであり、被検出部材105は、検出手段109の光線を反射するリフレクターである。4つの起立した側部材110は、台車3に積み上げられる布地の荷崩れを予防するために台車3の上面に着脱自在に取り付けた溝形の軽合金である。
【0044】
既述の保持手段19、進退手段25、搬送手段27、昇降手段89、及び搬出手段97として適用したエアシリンダーは、制御手段107が記録媒体に記録されたプログラムに基づき制御する方向制御弁111に接続されている。台車搬送装置1は、方向制御弁111を介して既述のエアシリンダーに供給される圧搾空気によって上記A〜Gの工程の動作を実行する。
【0045】
台車3に1枚以上の布地が積まれているとき、この布地が被検出部材105に重り、検出手段109の光線を遮断するので、検出手段109は検出信号を送出しない。この間、保持手段19は台車3を案内部材5に位置決めし続ける。車台から総ての布地が取り出されたとき、被検出部材105が露出するので、検出手段109の光線が被検出部材105に達し検出手段109に回帰する。これにより検出手段109の送出する検出信号に基づき、制御手段107は台車搬送装置1を次のように動作させる。
【0046】
図7の最も左側に位置する台車3と、これに後続する台車3とが案内部材5に案内されているとする。先ずは、昇降手段89が2つの昇降レール91を下降させ、搬出手段97が図7の最も左側の台車3を案内部材5から離脱させる。続いて、搬送手段27が後続の台車3を図7の最も左側まで搬送し、この位置に停止手段65が台車3を位置決めする。このため、本実施例で述べた台車搬送装置1によれば、総ての布地が取り出された車台3を作業者が回収するのを待つことなく、後続の台車3からロボットハンドが布地を取り出せるので、ロボットハンドによる染色装置への布地の供給が中断しなくて済むといる利点がある。
【0047】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施することができる。1つの台車3に2つ以上の鉤が設けられていれば良く、台車3に鉤を取り付ける位置は限定されるものでない。例えば、起立部材31を台車3の把手29と反対側の前縁部に固定し、この起立部材31の上端部から延出する係合ローラ33,35に鉤7,9,11を設けるようにしても良い。
【0048】
また、案内部材5として、台車3の車輪39を案内する溝を床等に形成しても良い。保持手段19として複数のエアシリンダーを図示したが、保持爪13,15,17を1つのエアシリンダーにより進退させても良い。同様に、進退手段25が移送爪21,23を進退させる1つのエアシリンダーであっても良い。
【0049】
昇降手段89は1つのエアシリンダーであっても良く、2つの昇降レール91と補間ガイドレールに代えて、案内方向の全長が係合部材37に略等しい1つの昇降レールを1つのエアシリンダーが昇降するようにしても良い。以上に述べたエアシリンダーのうちの一部、又は総てのエアシリンダーをリニアモーター等に置き換えても良い。また、台車3の上面を被検出部材105として利用しても良い。この場合、検出手段109は台車3の上面と布地のそれぞれの色を判別する画像センサであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、衣料の布地に限らず、あらゆる物品の載せられる台車を搬送するのに有益な技術である。
【符号の説明】
【0051】
1...台車搬送装置、3...台車、5...案内部材、7,9,11...鉤、13,15,17...保持爪、19...保持手段、21,23...移送爪、25...進退手段、27...搬送手段、29...把手、31...起立部材、33,35...係合ローラ、37...係合部材、39...車輪、41...鉛直軸、43,66,69,79,99,101...ピストンロッド、45,103...ガイドバー、47...支持部材、49...脚部、51,53...ガイドプレート、55...スペーサ、57...ステー、59...逆止爪、61...ケース、63...ピン、65...停止手段、67...進退ストッパー、71...スライドレール、73...スライダ、75...連結部材、77...搬送駆動源、81...垂下片、83...爪先、85,87...端部、89...昇降手段、91...昇降レール、93...補間ガイドプレート、95...プッシャー、97...搬出手段、105...被検出部材、107...制御手段、109...検出手段、110...側部材、111...方向制御弁。
【技術分野】
【0001】
本発明は、台車の搬送と位置決めを行う台車搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
何らかの物品に加工をする工場では、台車に複数の物品が積み上げられることがある。台車は、作業者によって手押しされ、複数の物品を1つずつ台車から取り出すロボットハンドの近傍に停止される。作業者は、台車から総ての物品の取り出される時間を見計らって台車を回収し、新たに物品の積まれた台車を上記のロボットハンドの近傍に停止させる。例えば、夜間の工場で作業者の人数に余裕がないとき、作業者による台車の走行と回収の手間を軽減することが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−249908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記の実情に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、複数の台車を順次に搬送し所望の位置に停止させる台車搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、車輪により走行する台車を案内する案内部材と、前記台車に設けた複数の鉤と、前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の保持爪を進退させる保持手段と、前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の移送爪を進退させる進退手段と、前記複数の移送爪を前記案内部材が台車を案内する案内方向に移動させる搬送手段とを備え、前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち一の鉤に前記保持爪を掛止した状態で、前記台車を前記案内部材に対して位置決めし、前記進退手段が、前記複数の移送爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち他の鉤に前記移送爪を掛止し、前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車から後退することにより、前記一の鉤から前記保持爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が、前記複数の移送爪を前記案内方向に移動させることにより、前記台車を搬送することを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記複数の鉤を互いに等しい間隔で前記案内方向に配列し、前記搬送手段により前記移送爪の移動する行程の長さが前記複数の鉤の間隔に一致するように、前記搬送手段が前記複数の移送爪を往復運動させ、前記進退手段が、前記移送爪を前記台車から後退することにより、前記他の鉤から前記移送爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が台車を搬送する向きと反対向きに、前記移送爪を移動させることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記保持爪、及び前記移送爪が、それぞれ前記案内方向に直交する方向に2つの爪先を延出し、前記2つの爪先の間に前記鉤を嵌入させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記案内方向を横切る方向に動作するプッシャーにより前記案内部材から離れる向きに台車を押し出す搬出手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記台車の上面に設けた被検出部材と、前記台車の上方に設置され前記被検出部材を検出し検出信号を送出する検出手段と、前記検出信号に基づき前記保持手段、進退手段、及び搬送手段の動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る台車搬送装置によれば、台車の複数の鉤のうち一の鉤に保持爪が掛止した状態で、台車を案内部材に対して位置決めできるので、台車の不用意な走行を防止することができる。続いて、台車の複数の鉤のうち他の鉤に移送爪が掛止し、一の鉤から保持爪が離脱する。この状態で、搬送手段が複数の移送爪を案内方向に移動させることにより、台車を移送爪に従わせ案内方向に搬送することができる。このように簡素な構造で台車の搬送を行えるので、台車をコンベヤ等で搬送するような大掛かりが設備が不要であり、本発明に係る台車搬送装置は、その製造コストの低減、及び小型化に有利である。
【0011】
また、複数の鉤が互いに等しい間隔で案内方向に配列されている。搬送手段は、移送爪の移動する行程の長さが上記の間隔に一致するように、複数の移送爪を往復運動させ、保持手段による台車の位置決めと、搬送手段による台車の搬送とを交互に繰り返すことができる。このため、本発明に係る台車搬送装置は、搬送手段が移送爪を移動させる1回の行程の長さに制限されることなく、1又は複数の台車を搬送する距離を延ばすことができる。
【0012】
本発明に係る台車搬送装置によれば、保持爪、及び移送爪は、それぞれ案内方向に直交する方向に延出する2つの爪先の間に鉤を嵌入させるので、保持爪、及び移送爪を掛止された鉤は、案内方向に移動するのを規制される。このため、台車の位置決めと台車の搬送とが交互に繰り返される過程で、台車を所望の位置に的確に停止させることができる。しかも、台車を突き当てるストッパー等に依存することなく、台車搬送装置は台車を位置決めできるので、その構造を更に簡素化し、上記の効果を顕著に達成することができる。
【0013】
本発明に係る台車搬送装置によれば、搬出手段のプッシャーにより台車を案内部材から離れる向きに押し出すことができる。このため、搬送手段が台車を搬送する向きの前途が、例えば壁に遮られる等していても、台車を案内部材から離脱させるのが容易であり、また作業者は壁に邪魔されることなく台車を他所へ搬出することができる。
【0014】
本発明に係る台車搬送装置によれば、例えば台車の上面に物品が積み上げられ、この物品の総てがロボットハンドにより台車から取り去られたとき、台車の上面に設けた被検出部材が露出し、これを台車の上方に設置した被検出部材が検出し検出信号を送出する。制御手段は、検出信号に基づき保持手段、進退手段、及び搬送手段の動作を制御するので、総ての物品を取り去られた台車を直ちに搬送することができる。このため、本発明に係る台車搬送装置は、台車から総ての物品が取り去られた後、この台車を作業者が回収するまでの間、台車を待機させなくて済むという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第1例を示す平面図。
【図2】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第2例を示す平面図。
【図3】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第3例を示す平面図。
【図4】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第4例を示す平面図。
【図5】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第5例を示す平面図。
【図6】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第6例を示す平面図。
【図7】本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作工程の第7例を示す平面図。
【図8】(a)は本発明の実施形態に係る台車搬送装置により搬送される台車の平面図、(b)はその側面図、(c)はその反対側の側面図。
【図9】(a)は本発明の実施形態に係る台車搬送装置により搬送される台車の背面図、(b)はその台車搬送装置に適用した案内部材が台車を案内する構造を示す断面図。
【図10】本発明の実施例1に係る台車搬送装置に適用した案内部材の一端部に台車の係合した構造を示す平面図。
【図11】本発明の実施例1に係る台車搬送装置を示す図2のX1−X1線断面図。
【図12】本発明の実施例1に係る台車搬送装置を示す図2のX2−X2線断面図。
【図13】本発明の実施例1に係る台車搬送装置を示す図2のX3−X3線断面図。
【図14】本発明の実施例2に係る台車搬送装置に適用した案内部材の他端部から台車を押し出す動作工程を示す平面図。
【図15】本発明の実施例2に係る台車搬送装置に適用した案内部材の他端部の斜視図。
【図16】(a)は本発明の実施例3に係る台車搬送装置の要部の構成を示すブロック図、及び台車の背面図、(b)はその台車の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る台車搬送装置の動作を先に説明する。図1〜図7は台車搬送装置1の概略を示している。台車搬送装置1は、台車3を矢印f,bで指した案内方向に案内する案内部材5と、台車3に設けた鉤7,9,11と、案内部材5により案内される台車3に対して保持爪13,15,17を案内方向に直交する矢印c,dで指した方向に進退させる保持手段19と、案内部材5により案内される台車3に対して移送爪21,23を矢印c,dで指した方向に進退させる進退手段25と、移送爪21,23を案内方向に移動させる搬送手段27とを備える。
【0017】
台車搬送装置1は、以下の文頭の英文字で区分された工程を順に実行し、台車3を矢印fの向きに搬送する。台車3は、床等の水平面に車輪を接地し、人手によって自在に走行できるように門形の把手29を設けている。図1に示す案内部材5には後述の手順で台車3が係合されているものとする。
【0018】
A:保持手段19が保持爪13,15,17を矢印cの向きに前進(以下で単に前進と記す。)することにより、複数の鉤のうち一の鉤9に保持爪13を掛止する。この状態で台車3は案内部材5に位置決めされる。図1に表れた移送爪21,23は、搬送手段27によって矢印bの向きに移動された位置にある。
【0019】
B:図2に示すように、進退手段25が移送爪21,23を前進することにより、複数の鉤のうち他の鉤11に移送爪21を掛止する。保持手段19が、保持爪13,15,17を矢印dの向きに後退(以下で単に後退と記す。)することにより、一の鉤9から保持爪13を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印fの向きに移動させることにより、台車3を図3に示す位置に搬送する。
【0020】
C:図4に示すように、保持手段19が、保持爪13,15,17を前進することにより、鉤7に保持爪13を掛止し、台車3を案内部材5に位置決めする。進退手段25が、移送爪21,23を後退することにより、他の鉤11から移送爪21を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印bの向きに同図の仮想線の位置まで移動させる。上記の一の鉤、及び他の鉤は、1つの台車3に設けた複数の鉤を相対的に区別する指標であり、鉤の配置、又は個数を限定するものではない。
【0021】
D:進退手段25が、図4の仮想線の位置にある移送爪21,23を前進することにより、鉤9に移送爪21を掛止する。保持手段19が、保持爪13,15,17を後退することにより、鉤7から保持爪13を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印fの向きに移動させることにより、台車3を図5に示す位置に搬送する。本工程で台車搬送装置1の動作は上記Bの工程と同様であり、図3,5は互いに台車搬送装置1の同じ動作を示している。
【0022】
E:保持手段19が、保持爪13,15,17を前進することにより、鉤11に保持爪15を掛止し、台車3を案内部材5に位置決めする。進退手段25が、移送爪21,23を後退することにより、鉤9から移送爪21を離脱する。この状態で、搬送手段27が、移送爪21,23を矢印bの向きに移動させる。本工程で台車搬送装置1の動作は上記Cの工程と同様である。
【0023】
F:台車搬送装置1が上記Bの工程と同様に動作する。これにより、鉤7に移送爪21を掛止し、鉤11から保持爪15を離脱した状態で、台車3が図6に示す位置に搬送される。本工程の直後に新たな台車3が案内部材5に係合されるものとする。
【0024】
G:台車搬送装置1が上記Cの工程と同様に動作する。これにより、2つの台車3のそれぞれの鉤9に保持爪13,15を掛止し、2つの台車3が案内部材5に位置決めされる。移送爪21,23は後退され、矢印bの向きに移動される。
【0025】
台車搬送装置1は、上記B,Cの工程と同様の動作を更に繰り返すことにより、2つの台車3を図7に示す位置まで搬送する。台車3には衣料の布地が積み上げられるものとする。また、上記Gの工程で図7の最も左側に位置決めされた台車3からロボットハンドを用いて布地が取り出され染色装置に供給されるものとする。この場合の台車搬送装置1の構成を以下の実施例で説明する。
【実施例1】
【0026】
図8(a)〜図9(a)に示すように、台車3は、その側縁部に起立部材31を固定し、鉤7,9,11を上面に設け係合ローラ33,35を下面に設けた係合部材37を、起立部材31の上端部から水平方向に延出している。台車3の総ての車輪39はキャスタである。図9(b)は、案内部材5に係合した係合ローラ35を示している。鉤7,9,11、及び係合ローラ33,35は、それぞれ係合部材37に固定した鉛直軸41の周りで回転できるローラである。
【0027】
図1に示すように、保持手段19は、保持爪13,15,17をそれぞれのピストンロッド43に取り付けた3つのエアシリンダーである。進退手段25は、移送爪21,23をそれぞれのピストンロッド43に取り付けた2つのエアシリンダーである。保持爪13,15,17、及び移送爪21,23は、合成樹脂のブロックに鉤7,9,11の何れか1つを進入させる略U字形の切り込みを形成したものである。符号45はガイドバーを指している。
【0028】
図10は、図1の中の案内部材5の右側の一端部、及び台車3の係合部材37を示している。図10,11に示すように、案内部材5は、軽金属製のサッシバーから成る支持部材47と、支持部材47を床等に支持する脚部49と、支持部材47の側面に沿って設けられ案内方向に延びるガイドプレート51と、ガイドプレート51に対向し案内方向に延びるガイドプレート53と、ガイドプレート51,53の間隔を確保するスペーサ55とを備える。保持手段19は、ステー57を介して支持部材47に支持されている。ガイドプレート51,53は、スペーサ55を貫くボルト等により支持部材47に固定されている。
【0029】
案内部材5に台車3を係合させるには、上記Aの工程の前、又はFの工程の直後に、図10に示す案内部材5の右の側方から台車3を矢印fの向きに走行させ、係合ローラ33,35を順次にガイドプレート51,53の間に進入させることにより行える。逆止爪59は、その正面を矢印fの向きに走行する台車3の鉤11、鉤9、及び鉤7が、この順に通過する毎に、ケース61に没入するようピン63を支点に回動する。そして、台車3の鉤7が逆止爪59の正面を通過した時点で、案内部材5に台車3を係合させる作業は完了し、逆止爪59は鉤7が矢印bの向きに戻るのを防止する。
【0030】
一方、図12に示すように、支持部材47の下面にエアシリンダーから成る停止手段65を取り付け、このピストンロッド66に接合した進退ストッパー67を矢印c,dで指した方向に進退させても良い。停止手段65は、台車3が案内部材5に係合される過程で、停止手段65が進退ストッパー67を前進させる。これにより、上記のように逆止爪59の正面を鉤7の通過した時点で、台車3の1つの車輪39が進退ストッパー67に突き当たる。そして、上記Aの工程、又はG工程で台車3が案内部材5に位置決めされた後、停止手段65が進退ストッパー67を後退させる。
【0031】
進退ストッパー67に取り付けた緩衝装置のピストンロッド69の端面が同図に表れている。ピストンロッド69が、進退ストッパー67に車輪39の突き当たる衝撃を受け止めるようにしても良い。
【0032】
図6,7に示すように、案内部材5に案内される1、又は複数の台車3は、その総ての鉤7,9,11を互いに等しい間隔[t]で案内方向に配列していれば良い。互いに隣接する2つの台車3が図示のように接触していることは必須でなく、これらの台車3の間に隙間が空いていても、台車搬送装置1は個々の台車3を搬送することができる。
【0033】
図2,12に示すように、搬送手段27は、支持部材47の上面に固定され案内方向に延びるスライドレール71と、スライドレール71に滑動自在に係合したスライダ73と、スライダ73に接合され両端に進退手段25をそれぞれ取り付けた板状の連結部材75と、移送爪21,23が案内方向に往復運動するように連結部材75と共に進退手段25をスライドレール71に対して移動させる搬送駆動源77とを備える。
【0034】
図12は、搬送手段27の搬送駆動源77として、支持部材47に水平姿勢で固定されたエアシリンダーの端面を表しており、この端面と反対向きにピストンロッド79が突出している。連結部材75は、その側縁から垂下片81を延出し、垂下片81の下端がピストンロッド79に連結されている。垂下片81は図1〜図7で省略されている。搬送手段27の搬送駆動源77により移送爪21,23の移動する行程の長さは、図4の寸法線に[T]で表されている。[T]は、鉤7,9,11の間隔[t]に一致していれば良い(T=t)。また、搬送手段27が移送爪21,23を移動させるとき、連結部材75は、図13に示す保持手段19と支持部材47との間を通過する。
【0035】
本実施例で述べた台車搬送装置1によれば、保持手段19による台車3の位置決めと搬送手段27による台車3の搬送とを交互に繰り返すことができる。このため、搬送手段27が移送爪21,23を移動させる1回の行程の長さに制限されることなく、1又は複数の台車3を搬送する距離を延ばすことができる。このように台車搬送装置1は構造が簡素であるため製造コストが安価である。しかも台車3を搬送できるようなコンベヤ等に比べて台車搬送装置1は小型であり、既存の設備に付加するのが容易である。
【0036】
また、保持爪13,15,17、及び移送爪21,23は、それぞれ矢印cで指した向きに2つの爪先83を延出し、2つの爪先83の間に鉤7,9,11の何れか1つを嵌入させることにより、この鉤に掛止するものである。例えば、鉤7に保持爪15を掛止したとき、保持爪15は案内方向に鉤7の移動するのを規制する。或いは、鉤11に移送爪23を掛止したとき、移送爪23は案内方向に鉤11の移動するのを規制する。このため、上記の台車3の位置決めと台車3の搬送とが交互に繰り返される過程で、台車搬送装置1は、台車3を突き当てるストッパー等に依存することなく、台車3を所望の位置に停止させられるので、台車搬送装置1はその構造を一層簡素にし、上記の効果を顕著に達成することができる。
【実施例2】
【0037】
台車3に積み上げられた総ての布地をロボットハンドが取り出した後、台車搬送装置1は台車3を矢印fの向きに更に搬送しても良いが、台車搬送装置1に隣接して設置される染色装置、又は壁が台車3の搬送される向きの前途を遮ることがある。このような場合に案内部材5の他端部から台車3を離脱させるための台車搬送装置1の構成を本実施例に述べる。
【0038】
図14,15に示すように、ガイドプレート51は、ガイドプレート53よりも案内方向の全長が長く、ガイドプレート51の端部85はガイドプレート53の端部87よりも矢印fの向きに長く延出している。案内部材5は、ガイドプレート51に対向し昇降手段89により昇降する2つの昇降レール91と、2つの昇降レール91の間に配置された補間ガイドプレート93と、プッシャー95を矢印c,dで指した方向に進退させる搬出手段97とを備える。
【0039】
補間ガイドプレート93は、ガイドプレート53よりも全長が短いことを除き、ガイドプレート53と同様のものである。昇降レール91とガイドプレート53の端部87との間は殆ど隙間なく近接している。この点は、昇降レール91と補間ガイドプレート93との間についても同様である。昇降手段89は、その上方に突出したピストンロッド99に昇降レール91を取り付けた2つのエアシリンダーである。搬出手段97は、支持部材47の下面に取り付けられたエアシリンダーであり、そのピストンロッド101にプッシャー95を接合している。ガイドバー103は、図に表れていない直線運動軸受によって支持部材47の下側で支持されている。
【0040】
2つの昇降レール91は、上記Gの工程で案内部材5に置決めされた台車3の係合ローラ33,35に対して矢印cの向きの正面にそれぞれ配置されている。台車3から布地が取り出された後、昇降手段89が2つの昇降レール91を下降させる。この状態で、搬出手段97は、プッシャー95を前進させ、プッシャー95を台車3の起立部材31に突き当てることにより台車3を案内部材5から矢印cの向きに押し出すことができる。一方、搬出手段97によって押し出される台車3の係合ローラ33,35は、2つの昇降レール91の上方を通過する。
【0041】
図14は、プッシャー95が台車3を案内部材5から押し出す過程を示している。台車3が案内部材5から押し出される距離が台車3の車幅を超えたところで、搬出手段97が停止する。この後、搬出手段97はプッシャー95をガイドプレート51の下方まで後退させる。このように、搬送手段が台車を搬送する向きの前途が遮られていても、ffは台車を案内部材から離脱させるのが容易であり、また作業者は染色装置、又は壁に邪魔されることなく台車を他所へ搬出することができる。
【実施例3】
【0042】
台車3に積み上げられた総ての布地をロボットハンドが取り出したことを検出するための台車搬送装置1の構成を本実施例で述べる。
【0043】
図16(a),(b)に示すように、台車3の上面に被検出部材105を設け、台車3の上方に被検出部材105を検出しコンピューターを主体とする制御手段107へ検出信号を送出する検出手段109を設置する。検出手段109は、被検出部材105に向けて光線を照射する反射型光電スイッチであり、被検出部材105は、検出手段109の光線を反射するリフレクターである。4つの起立した側部材110は、台車3に積み上げられる布地の荷崩れを予防するために台車3の上面に着脱自在に取り付けた溝形の軽合金である。
【0044】
既述の保持手段19、進退手段25、搬送手段27、昇降手段89、及び搬出手段97として適用したエアシリンダーは、制御手段107が記録媒体に記録されたプログラムに基づき制御する方向制御弁111に接続されている。台車搬送装置1は、方向制御弁111を介して既述のエアシリンダーに供給される圧搾空気によって上記A〜Gの工程の動作を実行する。
【0045】
台車3に1枚以上の布地が積まれているとき、この布地が被検出部材105に重り、検出手段109の光線を遮断するので、検出手段109は検出信号を送出しない。この間、保持手段19は台車3を案内部材5に位置決めし続ける。車台から総ての布地が取り出されたとき、被検出部材105が露出するので、検出手段109の光線が被検出部材105に達し検出手段109に回帰する。これにより検出手段109の送出する検出信号に基づき、制御手段107は台車搬送装置1を次のように動作させる。
【0046】
図7の最も左側に位置する台車3と、これに後続する台車3とが案内部材5に案内されているとする。先ずは、昇降手段89が2つの昇降レール91を下降させ、搬出手段97が図7の最も左側の台車3を案内部材5から離脱させる。続いて、搬送手段27が後続の台車3を図7の最も左側まで搬送し、この位置に停止手段65が台車3を位置決めする。このため、本実施例で述べた台車搬送装置1によれば、総ての布地が取り出された車台3を作業者が回収するのを待つことなく、後続の台車3からロボットハンドが布地を取り出せるので、ロボットハンドによる染色装置への布地の供給が中断しなくて済むといる利点がある。
【0047】
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、又は変形を加えた態様でも実施することができる。1つの台車3に2つ以上の鉤が設けられていれば良く、台車3に鉤を取り付ける位置は限定されるものでない。例えば、起立部材31を台車3の把手29と反対側の前縁部に固定し、この起立部材31の上端部から延出する係合ローラ33,35に鉤7,9,11を設けるようにしても良い。
【0048】
また、案内部材5として、台車3の車輪39を案内する溝を床等に形成しても良い。保持手段19として複数のエアシリンダーを図示したが、保持爪13,15,17を1つのエアシリンダーにより進退させても良い。同様に、進退手段25が移送爪21,23を進退させる1つのエアシリンダーであっても良い。
【0049】
昇降手段89は1つのエアシリンダーであっても良く、2つの昇降レール91と補間ガイドレールに代えて、案内方向の全長が係合部材37に略等しい1つの昇降レールを1つのエアシリンダーが昇降するようにしても良い。以上に述べたエアシリンダーのうちの一部、又は総てのエアシリンダーをリニアモーター等に置き換えても良い。また、台車3の上面を被検出部材105として利用しても良い。この場合、検出手段109は台車3の上面と布地のそれぞれの色を判別する画像センサであっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、衣料の布地に限らず、あらゆる物品の載せられる台車を搬送するのに有益な技術である。
【符号の説明】
【0051】
1...台車搬送装置、3...台車、5...案内部材、7,9,11...鉤、13,15,17...保持爪、19...保持手段、21,23...移送爪、25...進退手段、27...搬送手段、29...把手、31...起立部材、33,35...係合ローラ、37...係合部材、39...車輪、41...鉛直軸、43,66,69,79,99,101...ピストンロッド、45,103...ガイドバー、47...支持部材、49...脚部、51,53...ガイドプレート、55...スペーサ、57...ステー、59...逆止爪、61...ケース、63...ピン、65...停止手段、67...進退ストッパー、71...スライドレール、73...スライダ、75...連結部材、77...搬送駆動源、81...垂下片、83...爪先、85,87...端部、89...昇降手段、91...昇降レール、93...補間ガイドプレート、95...プッシャー、97...搬出手段、105...被検出部材、107...制御手段、109...検出手段、110...側部材、111...方向制御弁。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪により走行する台車を案内する案内部材と、
前記台車に設けた複数の鉤と、
前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の保持爪を進退させる保持手段と、
前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の移送爪を進退させる進退手段と、
前記複数の移送爪を前記案内部材が台車を案内する案内方向に移動させる搬送手段とを備え、
前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち一の鉤に前記保持爪を掛止した状態で、前記台車を前記案内部材に対して位置決めし、
前記進退手段が、前記複数の移送爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち他の鉤に前記移送爪を掛止し、前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車から後退することにより、前記一の鉤から前記保持爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が、前記複数の移送爪を前記案内方向に移動させることにより、前記台車を搬送することを特徴とする台車搬送装置。
【請求項2】
前記複数の鉤を互いに等しい間隔で前記案内方向に配列し、
前記搬送手段により前記移送爪の移動する行程の長さが前記複数の鉤の間隔に一致するように、前記搬送手段が前記複数の移送爪を往復運動させ、
前記進退手段が、前記移送爪を前記台車から後退することにより、前記他の鉤から前記移送爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が台車を搬送する向きと反対向きに、前記移送爪を移動させることを特徴とする請求項1に記載の台車搬送装置。
【請求項3】
前記保持爪、及び前記移送爪は、それぞれ前記案内方向に直交する方向に2つの爪先を延出し、前記2つの爪先の間に前記鉤を嵌入させることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車搬送装置。
【請求項4】
前記案内方向を横切る方向に動作するプッシャーにより前記案内部材から離れる向きに台車を押し出す搬出手段を備えた請求項1乃至3の何れか1つに記載の台車搬送装置。
【請求項5】
前記台車の上面に設けた被検出部材と、前記台車の上方に設置され前記被検出部材を検出し検出信号を送出する検出手段と、前記検出信号に基づき前記保持手段、進退手段、及び搬送手段の動作を制御する制御手段とを備える請求項1乃至4の何れか1つに記載の台車搬送装置。
【請求項1】
車輪により走行する台車を案内する案内部材と、
前記台車に設けた複数の鉤と、
前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の保持爪を進退させる保持手段と、
前記案内部材により案内される台車に、前記鉤に掛止する複数の移送爪を進退させる進退手段と、
前記複数の移送爪を前記案内部材が台車を案内する案内方向に移動させる搬送手段とを備え、
前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち一の鉤に前記保持爪を掛止した状態で、前記台車を前記案内部材に対して位置決めし、
前記進退手段が、前記複数の移送爪を前記台車に前進することにより、前記台車の複数の鉤のうち他の鉤に前記移送爪を掛止し、前記保持手段が、前記複数の保持爪を前記台車から後退することにより、前記一の鉤から前記保持爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が、前記複数の移送爪を前記案内方向に移動させることにより、前記台車を搬送することを特徴とする台車搬送装置。
【請求項2】
前記複数の鉤を互いに等しい間隔で前記案内方向に配列し、
前記搬送手段により前記移送爪の移動する行程の長さが前記複数の鉤の間隔に一致するように、前記搬送手段が前記複数の移送爪を往復運動させ、
前記進退手段が、前記移送爪を前記台車から後退することにより、前記他の鉤から前記移送爪を離脱させた状態で、前記搬送手段が台車を搬送する向きと反対向きに、前記移送爪を移動させることを特徴とする請求項1に記載の台車搬送装置。
【請求項3】
前記保持爪、及び前記移送爪は、それぞれ前記案内方向に直交する方向に2つの爪先を延出し、前記2つの爪先の間に前記鉤を嵌入させることを特徴とする請求項1又は2に記載の台車搬送装置。
【請求項4】
前記案内方向を横切る方向に動作するプッシャーにより前記案内部材から離れる向きに台車を押し出す搬出手段を備えた請求項1乃至3の何れか1つに記載の台車搬送装置。
【請求項5】
前記台車の上面に設けた被検出部材と、前記台車の上方に設置され前記被検出部材を検出し検出信号を送出する検出手段と、前記検出信号に基づき前記保持手段、進退手段、及び搬送手段の動作を制御する制御手段とを備える請求項1乃至4の何れか1つに記載の台車搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−229083(P2012−229083A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−97970(P2011−97970)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000001339)グンゼ株式会社 (919)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]