説明

吊り下げ支持具

【課題】 部品点数の増加を招くことなく、作業の簡素化を図りながら、支持対象物をフック部にて確実に吊り下げ支持することができる吊り下げ支持具の提供。
【解決手段】 支持対象物1を吊り下げ支持するフック部2を備えた本体3と、その本体3を開放する開き状態と本体3の少なくとも一部を覆う閉じ状態とに揺動自在な蓋体4とが設けられ、蓋体4には、閉じ状態において、支持対象物1の支持部分1aがフック部2に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを規制する移動規制部14が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持対象物を吊り下げ支持するフック部を備えた本体と、その本体を開放する開き状態と前記本体の少なくとも一部を覆う閉じ状態とに揺動自在な蓋体とが設けられている吊り下げ支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような吊り下げ支持具は、例えば、ガス警報器などの支持対象物を吊り下げ支持するためのものであり、本体を壁面などの固定対象箇所に固定した状態で、蓋体を開き状態としてフック部に支持対象物を吊り下げ支持させたのち、蓋体を揺動させて閉じ状態とすることにより、支持対象物を吊り下げ支持するようにしているものである。
【0003】
このような吊り下げ支持具として、従来、本体には、固定対象箇所に対して本体を固定するための釘打ち部が設けられ、その釘打ち部への釘打ちにより固定対象箇所に本体を固定し、蓋体が、閉じ状態において、本体の全体を覆うように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、他の吊り下げ支持具として、従来、蓋体が、閉じ状態において、本体のフック部よりも上方側の一部を覆うように構成され、支持対象物の支持部分がフック部に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを規制する移動規制部材が、本体に装着自在に設けられているものもある(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第2503274号公報
【特許文献2】実用新案登録第3040443号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の吊り下げ支持具では、蓋体が、閉じ状態において、単に、本体の全体を覆うだけであるので、蓋体を閉じ状態としたときに、フック部の上方側には、支持対象物の支持部分がフック部に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを許容する空間が形成されることになる。
したがって、支持対象物の支持部分が上方側に移動して、支持対象物の支持部分がフック部から外れてしまうことがあり、支持対象物をフック部にて確実に吊り下げ支持できない虞がある。
【0006】
また、上記特許文献2に記載の吊り下げ支持具では、移動規制部材を、本体に装着することにより、支持対象物の支持部分がフック部に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを規制して、支持対象物の支持部分がフック部から外れてしまうことを防止できることになる。
しかしながら、上記特許文献2に記載の吊り下げ支持具では、本体や蓋体とは別に移動規制部材を設けなければならず、部品点数の増加を招くことになり、しかも、支持対象物の支持部分がフック部から外れてしまうことを防止するために、蓋体を閉じ状態とする作業とは別に、移動規制部材を本体に装着する作業を行わなければならず、それだけ作業が煩わしいものとなる。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、部品点数の増加を招くことなく、作業の簡素化を図りながら、支持対象物をフック部にて確実に吊り下げ支持することができる吊り下げ支持具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明にかかる吊り下げ支持具の第1特徴構成は、支持対象物を吊り下げ支持するフック部を備えた本体と、その本体を開放する開き状態と前記本体の少なくとも一部を覆う閉じ状態とに揺動自在な蓋体とが設けられている吊り下げ支持具において、
前記蓋体には、前記閉じ状態において、前記支持対象物の支持部分が前記フック部に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを規制する移動規制部が設けられている点にある。
【0009】
すなわち、蓋体を閉じ状態としたときに、移動規制部が、フック部に吊り下げ支持された支持対象物の支持部分の上方側への移動を規制することができるので、支持対象物の支持部分がフック部から外れてしまうことを防止できることになり、支持対象物をフック部にて確実に吊り下げ支持できることになる。
そして、移動規制部が蓋体に設けられているので、移動規制部と蓋体を一体的に設けることができ、部品点数の増加を招くことなく、しかも、移動規制部が一体的に設けられた蓋体を閉じ状態とする作業を行うだけで、支持対象物の支持部分がフック部に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを規制することができ、作業の簡素化を図ることができることになる。
【0010】
以上のことをまとめると、部品点数の増加を招くことなく、作業の簡素化を図りながら、支持対象物をフック部にて確実に吊り下げ支持して、支持対象物を安定した状態で支持することができる吊り下げ支持具を提供できるに至った。
【0011】
本発明にかかる吊り下げ支持具の第2特徴構成は、前記蓋体は、前記閉じ状態において、前記フック部を覆うように構成され、前記蓋体には、前記閉じ状態において、前記フック部の下方側に当接して前記フック部を受け止め支持可能な受け止め部が設けられている点にある。
【0012】
すなわち、蓋体を閉じ状態としたときに、受け止め部がフック部の下方側に当接してフック部を受け止め支持可能となるので、支持対象物を吊り下げ支持したフック部を受け止め部にて受け止め支持することが可能となる。
したがって、支持対象物の荷重を受ける部分を本体側のフック部と蓋体側の受け止め部とに分散させることができ、支持対象物の荷重を吊り下げ支持具全体にて受けることができることとなって、フック部のコンパクト化を図りながら、重量の大きな支持対象物でも支持可能となる。
【0013】
本発明にかかる吊り下げ支持具の第3特徴構成は、固定対象箇所に対して前記本体を固定するための釘打ち体が設けられ、その釘打ち体が、釘打ち方向を選択自在に構成されている点にある。
【0014】
すなわち、釘打ち方向を選択自在な釘打ち体にて本体を固定対象箇所に固定することができることになるので、釘打ち体にて釘打ち方向を自由に選択しながら釘打ち作業を行うことができることになり、釘打ち作業の簡素化を図ることができることになる。
そして、釘打ち方向を選択する際には、例えば、支持対象物の荷重を受け易い方向に釘打ち方向を選択することにより、支持対象物の荷重を受け易くなり、また、釘打ちが可能な方向が限られている固定対象箇所に対しても、その限られた方向に釘打ちすることができ、設置箇所が制限されることなく、吊り下げ支持具を設置できることになる。
しかも、釘打ちにより固定対象箇所に対して本体を強固に固定することができるので、その強固に固定した本体にて支持対象物を支持できることとなって、支持対象物を一層安定した状態で支持することができることになる。
【0015】
本発明にかかる吊り下げ支持具の第4特徴構成は、前記釘打ち体に釘打ちされた釘の頭部を押えてその釘を抜け止めする抜止め防止体が設けられ、その抜止め防止体が、前記本体または前記釘打ち体に対して装着自在に構成されている点にある。
【0016】
すなわち、抜止め防止体を本体または釘打ち体に装着することにより、その抜止め防止体にて釘打ちされた釘を抜止めすることができることになるので、釘の抜け止めを専用の抜止め防止体にて行うことができることになる。
例えば、蓋体が、閉じ状態において、釘打ち体に釘打ちされた釘の頭部を押えてその釘を抜け止めするように構成することにより、蓋体にて釘の抜け止めをすることも考えられるが、この場合には、揺動自在な蓋体にて全ての釘の頭部を押さえることになり、釘の頭部を確実に押さえることが難しいものとなる。
それに対して、専用の抜止め防止体にて釘の頭部を押さえることが可能となるので、釘の頭部を確実に押さえることができ、それだけ釘の抜け止めを確実に行うことができ、固定対象箇所への本体の固定を確実に行うことができるものとなる。
【0017】
本発明にかかる吊り下げ支持具の第5特徴構成は、前記蓋体が、前記閉じ状態において、前記抜止め防止体が前記本体または前記釘打ち体から離脱するのを防止するように構成されている点にある。
【0018】
すなわち、蓋体を閉じ状態としたときに、釘を抜け止めする抜止め防止体が本体または釘打ち体から離脱するのを蓋体にて防止することができることになるので、その蓋体により抜止め防止体の離脱を防止する作用を、釘を抜け止めするための作用として、間接的に付与させることができることになる。
したがって、抜止め防止体による直接的な作用と、蓋体による間接的な作用とを、釘の抜け止めのために付与することができるので、釘の抜け止めをより確実に行うことができることになり、固定対象箇所への本体の固定をより確実なものとすることができることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明にかかる吊り下げ支持具の実施形態について図面に基づいて説明を加える。
この吊り下げ支持具は、図1〜図3に示すように、ガス警報器などの支持対象物1を吊り下げ支持するフック部2を備えた本体3、フック部2を開放する開き状態とフック部2を覆う閉じ状態とに揺動自在な蓋体4などから構成されている。
前記本体3と蓋体4とは、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂の形抜きなどにより一体的に成形され、本体3の上端部と蓋体4の下端部とが連結され、蓋体4がその連結部分に沿う水平軸芯周りで本体3に対して揺動自在に設けられている。
【0020】
そして、本体3および蓋体4の他に、壁面などの固定対象箇所5に対して本体3を固定するための釘打ち体としての釘打ちピース6、その釘打ちピース6に釘打ちされた釘7の頭部7aを押えてその釘7を抜け止めする抜止め防止体としての抜止めキャップ8なども設けられている。
【0021】
ちなみに、図1は、吊り下げ支持具の分解斜視図を示しており、図2の(a)は、蓋体4を開き状態としたときの本体3および蓋体4の縦断側面図を示しており、図2の(b)は、蓋体4を開き状態としたときの本体3および蓋体4の正面図を示している。
【0022】
前記本体3は、その下方側部分にフック部2が配設され、そのフック部2の配設箇所に対応する箇所から上方側に矩形状の開口部9が形成されている。
そして、フック部2は、正面視が上下方向に長い長円形状で、かつ、側面視がL字状に形成され、支持対象物1における紐状の支持部分1aを引っ掛けることにより、支持対象物1を吊り下げ支持するように構成されている。
また、本体3の上方側部分には、釘打ちピース6や抜止めキャップ8の取付対象箇所として、円形状の釘打ち用凹入部10が形成され、その釘打ち用凹入部10の中央部分には、円形状の釘打ち用開口部11が形成されている。
【0023】
前記釘打ちピース6は、円形状に形成されており、釘打ち方向を選択自在に構成されている。
説明を加えると、釘打ちピース6には、図3および図4に示すように、釘7を貫通させる貫通部12が釘打ちピース6の周方向に分散配置する状態で複数個(例えば、3つ)設けられ、貫通部12の夫々が、釘7を釘打ち用開口部11に向けて案内するように構成されている。
そして、釘打ちピース6は、本体3の釘打ち用凹入部10に対して回転自在に取り付け可能であり、釘打ちピース6を釘打ち用凹入部10において回転操作することにより、貫通部12の存在位置を自由に選択して、釘打ち方向を選択するように構成されている。
【0024】
ちなみに、図3は、抜止めキャップ8を本体3に装着したときの一部を縦断した正面図を示しており、図4は、抜止めキャップ8を本体3に装着したときの縦断側面図を示している。
【0025】
前記抜止めキャップ8は、釘打ちピース6の全体を覆う円形状に形成され、本体3の釘打ち用凹入部10に嵌合自在に構成されている。
そして、抜止めキャップ8を釘打ち用凹入部10に嵌合させることにより、図4に示すように、釘打ちピース6に釘打ちされた釘7の頭部7aを押えて釘7を抜け止めするように構成されている。
【0026】
前記蓋体4は、本体3の全体を覆うべく、側面視がコの字状に形成され、その大きさが、本体3の全体を覆うことが可能な大きさに構成されている。
そして、蓋体4には、閉じ状態において、フック部2の下方側に当接してフック部2を受け止め支持可能な受け止め部13、および、閉じ状態において、支持対象物1の支持部分1aがフック部2に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを規制する移動規制部14が設けられている。
【0027】
説明を加えると、受け止め部13は、長円形状のフック部2の下方側および両横側を一連に覆うような形状に形成され、蓋体4を閉じ状態とすることにより、図5の縦断側面図に示すように、受け止め部13が、フック部2の下方側および両横側に一連に当接し、その受け止め部13にてフック部2の突出側を受け止め支持して、吊り下げ支持具全体で支持対象物1の荷重を受けることができるように構成されている。
【0028】
そして、受け止め部13は、蓋体4を閉じ状態とするときに、蓋体4が閉じ状態になることを妨げないように構成されている。
例えば、蓋体4を閉じ状態とするときに、受け止め部13の配設位置をフック部2と接触しない位置となるようにフック部2に対する相対位置を調整する、あるいは、蓋体4を閉じ状態とするときに、受け止め部13とフック部2とが接触しても、受け止め部13がフック部2にて案内されながら摺動するように、受け止め部13のフック部2と接触する部分を傾斜状に形成するように構成されている。
【0029】
前記移動規制部14は、水平方向に延びる板状部であり、平面視においてその中央部分14aが突出する凸状に形成され、蓋体4を閉じ状態としたときに、移動規制部14の中央部分14aが開口部9に挿入可能に構成されている。
そして、蓋体4を閉じ状態とすることにより、移動規制部14が、フック部2に吊り下げ支持された支持対象物1の支持部分1aと非接触状態でそれよりも上方側に位置して、支持部分1aがフック部2に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動すると、移動規制部14が支持部分1aと接触して上方側への移動を規制するように構成されている。
【0030】
また、蓋体4は、閉じ状態において、抜止めキャップ8が本体3から離脱するのを防止するように構成されている。
すなわち、蓋体4は、閉じ状態において、抜止めキャップ8の外周部を覆うように非接触状態で位置することにより、抜止めキャップ8が釘打ち用凹入部10から外れるのを防止するように構成されている。
【0031】
そして、蓋体4の外側の上方角部4aおよび下方角部4bが、傾斜状になるように面取りされており、本体3を固定対象箇所5に固定する際に、図4に示すように、固定対象箇所5に下方角部4bを当て付けて、固定対象箇所5にて蓋体4を受け止め支持することにより、蓋体4が開き状態を維持して閉じ状態となるのを防止するように構成されている。
【0032】
また、蓋体4には、閉じ状態において、本体3の横側部を覆う部分に内方側に突出する凸部15が設けられ、本体3の横側部には、蓋体4を閉じ状態としたときに、蓋体4の凸部15に対応する位置に、その凸部15に嵌合する凹部16が設けられている。
そして、蓋体4を閉じ状態としたときに、蓋体4の凸部15と本体3の凹部16との嵌合により、蓋体4を閉じ状態に維持するように構成されている。
【0033】
以下、支持対象物1を吊り下げ支持するときの構成について説明を加える。
まず、蓋体4を開き状態とし、本体3を固定対象箇所5に配置して、釘打ち用凹入部10に釘打ちピース6を当て付けた状態で、釘打ちピース6に釘打ちするように構成されている。
この釘打ちを行う場合に、本体3および釘打ちピース6を片手で保持した状態で、釘打ちピース6を釘打ち用凹入部10に対して回転操作することにより、自由に釘打ち方向を選択しながら釘打ちすることができ、釘打ち作業の簡素化を図るように構成されている。
【0034】
そして、抜止めキャップ8を釘打ちピース6を覆う状態で釘打ち用凹入部10に嵌合させて抜止めキャップ8を本体3に装着することにより、図3および図4に示すように、抜止めキャップ8にて釘打ちピース6に釘打ちされた釘7の抜け止めをするように構成されている。
その後、フック部2に支持対象物1の支持部分1aを引っ掛けて吊り下げ支持させたのち、蓋体4を揺動させて閉じ状態として、図5に示すように、受け止め部13にてフック部2を受け止め支持可能とするとともに、移動規制部14にて支持部分1aの上方側への移動を規制するように構成されている。
【0035】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、本体3の上端部と蓋体4の下端部とが連結されて、蓋体4がその連結部分に沿う水平軸芯周りで本体3に対して揺動自在に設けられているが、蓋体4を本体3に対してどの軸芯周りに揺動させるのか、本体3と蓋体との連結部分をどこに配置させるかについては適宜変更が可能である。
例えば、本体3の横側部と蓋体4の横側部とを連結し、蓋体4をその連結部分に沿う上下軸芯周りで本体3に対して揺動自在に設けて実施することも可能であり、また、蓋体4が本体3との連結部分に沿う水平軸芯周りで本体3に対して揺動自在に設ける場合も、連結部分を本体3の下端部と蓋体4の上端部として実施することも可能である。
【0036】
(2)上記実施形態では、受け止め部13が、蓋体4を閉じ状態としたときに、フック部2の下方側および両横側を一連に覆う形状に構成されているが、例えば、フック部2の下方側のみを覆う形状として実施することも可能であり、受け止め部13の形状については適宜変更が可能である。
【0037】
(3)上記実施形態では、蓋体4に移動規制部14が設けられているが、その形状や、蓋体14を閉じ状態としたときに支持部分1aに対して接触状態で位置させるか非接触状態で位置させるかについては適宜変更可能である。
【0038】
(4)上記実施形態では、釘打ち方向を選択自在な釘打ち体としての釘打ちピース6が設けられているが、必ずしも釘打ち方向を選択自在とする必要はない。
また、釘打ち方向を選択自在とする場合でも、例えば、釘打ちピース6自体に釘打ち方向を調整自在な釘打ち方向調整部を備えることにより、釘打ち方向を選択自在とすることも可能であり、釘打ちピース6を本体3に対して回転自在に設ける構成に限らず、その他の構成により、釘打ち方向を選択自在とすることが可能である。
【0039】
(5)上記実施形態では、釘打ちにより本体3を固定対象箇所5に固定するようにしているが、例えば、接着材などにより本体3を固定対象箇所5に固定することも可能であり、本体3を固定対象箇所5に固定するための構成については適宜変更が可能である。
【0040】
(6)上記実施形態では、抜止めキャップ8にて釘7の抜止めをするようにしているが、例えば、抜止めキャップ8を設けずに、蓋体4が、閉じ状態において、釘打ちピース6に釘打ちされた釘7の頭部7aを押えてその釘7を抜け止めするように構成して実施することも可能である。
【0041】
(7)上記実施形態では、蓋体4が、閉じ状態において、抜止めキャップ8が本体3から離脱するのを防止するように構成されているが、蓋体4が、閉じ状態において、単に、本体3を覆うように構成するだけでもよく、抜止めキャップ8が本体3から離脱するのを防止するように構成しなくてもよい。
【0042】
(8)上記実施形態では、抜止めキャップ8を釘打ち用凹入部10に嵌合させることにより、抜止めキャップ8を本体3に装着するようにしているが、例えば、抜止めキャップ8の内周部を釘打ちピース6の外周部に嵌合させることにより、抜止めキャップ8を釘打ちピース6に装着するように構成することも可能であり、抜止めキャップ8を本体3に装着するかあるいは釘打ちピース6に装着するかについては適宜変更が可能である。
【0043】
(9)上記実施形態では、フック部2の正面視の形状を上下方向に長い長円形状としているが、例えば、円形状とするなど、フック部2の形状については適宜変更が可能である。
【0044】
(10)上記実施形態では、蓋体4が、閉じ状態において、本体3の全体を覆うように構成されているが、例えば、本体のフック部よりも上方側の一部を覆うように構成して実施することも可能であり、蓋体4は、閉じ状態において、本体の少なくとも一部を覆うものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】吊り下げ支持具の分解斜視図
【図2】蓋体を開き状態としたときの本体および蓋体の縦断側面図および正面図
【図3】抜止めキャップを装着したときの一部を縦断した正面図
【図4】抜止めキャップを装着したときの縦断側面図
【図5】蓋体を閉じ状態としたときの縦断側面図
【符号の説明】
【0046】
1 支持対象物
1a 支持部分
2 フック部
3 本体
4 蓋体
5 固定対象箇所
6 釘打ち体
7 釘
8 抜止め防止体
13 受け止め部
14 移動規制部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持対象物を吊り下げ支持するフック部を備えた本体と、その本体を開放する開き状態と前記本体の少なくとも一部を覆う閉じ状態とに揺動自在な蓋体とが設けられている吊り下げ支持具であって、
前記蓋体には、前記閉じ状態において、前記支持対象物の支持部分が前記フック部に吊り下げ支持された状態から上方側へ移動するのを規制する移動規制部が設けられている吊り下げ支持具。
【請求項2】
前記蓋体は、前記閉じ状態において、前記フック部を覆うように構成され、
前記蓋体には、前記閉じ状態において、前記フック部の下方側に当接して前記フック部を受け止め支持可能な受け止め部が設けられている請求項1に記載の吊り下げ支持具。
【請求項3】
固定対象箇所に対して前記本体を固定するための釘打ち体が設けられ、
その釘打ち体が、釘打ち方向を選択自在に構成されている請求項1または2に記載の吊り下げ支持具。
【請求項4】
前記釘打ち体に釘打ちされた釘の頭部を押えてその釘を抜け止めする抜止め防止体が設けられ、
その抜止め防止体が、前記本体または前記釘打ち体に対して装着自在に構成されている請求項3に記載の吊り下げ支持具。
【請求項5】
前記蓋体は、前記閉じ状態において、前記抜止め防止体が前記本体または前記釘打ち体から離脱するのを防止するように構成されている請求項4に記載の吊り下げ支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−57681(P2006−57681A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−238415(P2004−238415)
【出願日】平成16年8月18日(2004.8.18)
【出願人】(000190301)新コスモス電機株式会社 (112)
【Fターム(参考)】