同期符号検出方法及び装置
【課題】本発明は、TDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する方法及び装置を提供する。
【解決手段】当該方法は、AGCユニットから得られた現在AGC利得と、所定目標利得との差に基づいて、AD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して、幅の安定したサンプル信号を取得し、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、正規化された信号に対して同期符号検出を行って上記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含む。本発明によれば、自動利得調整が行われた信号に対して予備処理を行うことにより、増幅器利得の調整による信号幅の波動を著しく低減でき、後続の同期符号検出の質を保証する。
【解決手段】当該方法は、AGCユニットから得られた現在AGC利得と、所定目標利得との差に基づいて、AD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して、幅の安定したサンプル信号を取得し、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、正規化された信号に対して同期符号検出を行って上記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含む。本発明によれば、自動利得調整が行われた信号に対して予備処理を行うことにより、増幅器利得の調整による信号幅の波動を著しく低減でき、後続の同期符号検出の質を保証する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に通信分野に関する。具体的には、TDDシステム、特にTDD−LTE(Time Division Duplex− Long Term Evolution、時分割デュプレックス−ロングタームエボリューション)システムにおいて受信信号から同期符号(Synchronization symbol、 SS)を検出する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、無線チャンネルの減衰効果により、受信信号を幅上で大幅に波動させるおそれがある。信号の量子化後の精度を保証するために、端末は通常、自動利得制御(Auto gain control)ユニットを使用して信号の変化を動的に追跡する必要がある。アナログーデジタルコンバータ(Analog digital converter、 ADC)の動作範囲に基づいて、受信信号が弱いときに増幅器の利得を大きくし、受信信号が強すぎるときに増幅器の利得を小さくする。増幅器の利得の調整が受信信号に付加した歪みを与えないことを保証するように、AGCの測定及び調整は受信信号のフレーム構造に基づいて行われる必要がある。AGCの調整は、端末と基地局との間の同期過程において行われた同期検出の品質に大きな影響がある。
【0003】
3GPPロングタームエボリューション(Long Term Evolution、 LTE)システムにおいて、時分割デュプレックス(Time Division Duplex、TDD)モードと周波数分割デュプレックス(Frequency Division Duplex,FDD)モードとが存在する。周波数分割デュプレックスモードにおいて,上り/下り信号は異なる周波数ポイントで伝送される一方、時分割デュプレックスモードにおいて上り/下り信号は同一のキャリア周波数の異なる時間帯で伝送される。
【0004】
時分割デュプレックスモードのLTE(TDD−LTE)システムにおいて、受信信号はローカル同期符号の時間領域と相関することによって、同期及びセルの同期符号のタイプの取得が実現される。したがって、応用においては、信号を受信した後に、受信信号から同期符号を検出する必要がある。TDD−LTEシステムにおいて,表1に示された7種のフレーム構造配置が存在している。表1に、「D」でダウンリンクサブフレーム、「U」でアップリンクサブフレーム、「S」でスペシャルサブフレームを標記する。各サブフレームは、長さが1msであり、二つの長さが0.5msのスロット(slot)により構成される。表1に示されたように、プライマリ同期符号(Primary synchronization symbol、 PSS)はサブフレーム番号が1と6であるサブフレームに位置し、セカンダリ同期符号(Secondary synchronization symbol、 SSS)は、サブフレーム番号が0と5であるサブフレームに位置する。図10は、半分のサブフレームのTDDフレーム構造を示す。そのうち、サブフレームSF#1(番号が1のサブフレーム)はスペシャルサブフレームであり、ダウンリンクタイムスロットDwPTSと、上り/下り変換間隔GPと、アップリンクタイムスロットUpPTSとにより構成される。図10において、PSSはダウンリンクタイムスロットDwPTSの三番目の符号に位置する一方、SSSはサブフレームSF#0(番号が0のサブフレーム)の最後の符号に位置する。セルサーチは、これらの二つの同期符号に対する検出を利用してフレームタイミングとセルIDとを取得するものである。
【表1】
【0005】
PSSは、長さが62のZadoff−Chu系列
【数1】
(k = 0, 1, …, 61)であり,合計3つがある。
【数2】
ただし、
【数3】
は{25,29,34}のうちの一つである。図11は、キャリアにおいてPSSを調整することを示している。図11に示されたように、当該系列がDCを中心に左右各31個のサブキャリアに位置し、DCサブキャリアに対応する
【数4】
が0に設定される。系列の両側における五個のサブキャリアも同様に0に設定する。合計72個のサブキャリアは中心の六個のRB (resource block、リソースブロック)に対応する。サブフレームSF#1及びサブフレームSF#6におけるPSS系列は同様のものである。
【0006】
PSSの検出は、通常、マッチングフィルタリングによる検出方法を採用する。タイミングが未知の場合は、少なくとも5msの時間で探索してPSSの位置を検出する必要がある。
【0007】
SSSは、二つの長さが31のm系列d(2k)とd(2k+1)とにより交互に形成された系列であり、合計168個の系列を有する。図12は、キャリアにおいてSSSを調整することを示している。図12に示されたように、SSSは、PSSと同様に、キャリアを中心とする六個のRBを占め、系列両側における各五個のサブキャリアが0に設定される。サブフレームSF#0とサブフレームSF#5に位置するSSS系列がそれぞれ異なる点が異なる。
【数5】
【0008】
系列の具体的な生成方法について、3GPP 36.211を参照する。ここでは、詳細な説明は省略する。
【0009】
SSS検出方式は、通常、周波数領域におけるコード系列の整合検出によるものである。また、CP(cyclic prefix)タイプが未知の場合、必要に応じてSSSでCPのタイプをブラインド検出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
初期のネットワークのアクセス又は切り替えの期間に、端末は、基地局との間で時間と周波数との同期を確立するように、同期符号検出を行ってタイミング情報を取得する。端末がタイミング情報を取得した後に、AGCユニットの利得値は、フレーム構造に基づいて、整数個のサブフレーム又はフルフレームを間隔として調整可能である。一方、端末がタイミング情報を取得していない時に、AGCの測定及び調整が符号の境界を単位として調整を行うことはできず、同期符号内で異なる利得が使用されることになる。このような調整が同期符号に発生すれば、例えば、図13に示されたようにPSSで発生する場合、又は図14に示されたようにSSSで発生する場合、PSS又はSSS内に差の大きい増幅器利得が使用され、同期符号検出の精確性を低下させるおそれがある。一方、信号間の独立性、例えば、TDDシステムの上り信号、下り信号及び上り/下り信号の変換間隔がそれぞれ独立したものであるため、あるタイプの信号によって特定された増幅器利得が他のタイプの信号に使用されると、信号が逆増幅され、後続の同期検出の品質を低下させるおそれがある。図15に示されたように、信号負荷に対する未知の原因、又は上り/下りに対する未知の原因で、上り信号から求められた利得値が下り信号中に使用される可能性があり、同様に、保護間隔における信号によって求められた利得値が下り信号中に使用される可能性がある。保護間隔にノイズ信号のみが存在し、強度が非常に低いため、このように求められた利得値が高くなる。一方、下り信号が強いときに、図15の上向きの矢印で示されたように、後続の下り信号の電力を大幅に向上させるおそれがある。特にAGC調整の周期が小さいときに、PSS信号の強度とその前の下り信号の強度との間に大きい差異を有することになるおそれがある。このような差は、PSSの検出及びフレーム同期の捕捉に影響することになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、本発明に関する簡単な概要を示すことにより、本発明の幾つかの局面に関する基本的な理解を提供する。このような概要は本発明に対する網羅的なものではないと理解すべきである。その目的として、本発明の肝要な部分又は重要な部分を定める意図はなく、本発明の範囲を限定する意図もなく、簡単な形式で幾つかの概念を提供して後述のより詳細な説明に先行する説明とすることに限らない。
【0012】
上述の従来技術に存在する問題に鑑み、本発明の実施例によって提供される同期符号検出装置及び方法は、AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得する。利得が補償された信号に対して、信号の各サンプルポイントを中心とする各ノーマライズウインドウを利用して、各サンプルポイントのそれぞれに対して正規化を行って信号をさらに安定させる。その後、正規化された信号で同期検出を行う。
【0013】
本発明の実施例によれば、TDD通信システムにおいて、自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置であって、
上記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される補償ユニットと、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得するように配置される予備処理ユニットと、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って上記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニットと、
を備える装置を提供する。
【0014】
本発明の別の局面によれば、TDD通信システムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法であって、
上記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変化後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得し、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って上記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による一実施例のTDDシステムにおいてAGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明による一実施例のAGCユニットを示す構造図である。
【図3】図1に示されたステップS110の処理の一具体例を示す図である。
【図4】図1に示されたステップS120の処理の一具体例を示す図である。
【図5】図4に示されたステップS426の処理の一具体例を示す図である。
【図6】PSS符号内のAGC利得変化に対して予備処理が行われたか、及び予備処理が行われていない信号はPSS検出で得られたPSSの相関ピークを示す比較図である。
【図7】本発明による一実施例のTDDシステムにおいてAGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する装置を示す図である。
【図8】図7に示された補償ユニット710の一具体例を示す図である。
【図9】図7に示された予備処理ユニット720の一具体例を示す図である。
【図10】TDD−LTEシステムにおけるフレーム構造図を示す図である。
【図11】TDD−LTEシステムにおけるPSS変調図を示す図である。
【図12】TDD−LTEシステムにおけるSSS変調図を示す図である。
【図13】PSS信号内のAGC利得変化を示す図である。
【図14】SSS信号内のAGC利得変化を示す図である。
【図15】AGC利得変化による信号電力の変化の状況を示す図である。
【図16】本発明の実施例による方法及び/又は装置を実現可能な汎用コンピュータの例示的な構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、自動利得調整が行われた信号に対して予備処理を行うことによって、増幅器利得調整による信号幅の波動を著しく下げることができ、後続の同期符号検出の質を保証する。
【0017】
以下、図面に関する、本発明の最適な実施例に対する具体的説明により、本発明のこれらの利点及びその他の利点がさらに明らかになるであろう。
【0018】
本発明は、以下で図面を用いて示した説明を参照することで、より良い理解が得られる。なお、すべての図面において、同一又は類似した構成部分は、同一又は類似した符号で示される。上記図面は、以下の具体的な説明とともに本開示の一部を形成し、更に本発明の好適な実施例を例に説明し、且つ本発明の原理及び利点を解釈することに用いられる。
【0019】
以下、本発明の例示的な実施例に対して図面に関して説明する。明瞭かつ簡単にするために、明細書において実際の実施形態のすべての特徴を説明する訳ではない。しかし、開発者の具体的な目標を実現するように、このような実際の実施例を開発する過程において実施形態に特定される決定を多くしなければならないことを理解すべきである。例えば、システム及び業務に関係するそれらの制限条件を満足し、且つ、これらの制限条件は実施形態によって変化する可能性がある。また、開発作業は非常に複雑で且つ時間がかかる可能性があるが、本開示の内容による便益を得る当業者にとって、このような開発作業はルーチンワークであることも理解すべきである。
【0020】
ここで、不必要な詳細により、本発明を不明瞭にすることを避けるために、図面には、本発明による技術案と密に関係する装置構造及び/又は処理ステップのみが示されており、本発明とほぼ無関係の他の詳細は省略している。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明による一実施例のTDDシステムにおいてAGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法を示すフローチャートである。
【0022】
図1に示されたように、ダウンサンプリングされた信号が受信された後に、ステップS110でAGCユニットの現在のAGC利得と所定の目標利得との差異に基づいて信号上のAGC利得変化を補償して、幅の安定したサンプル信号を取得する。ステップ120で、補償されたサンプル信号rの各サンプルポイントに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応したノーマライズ(正規化)ウインドウ(normalize window)内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化することにより、正規化された信号を取得する。ステップS130で、正規化された信号
【数6】
に対して同期符号検出を行って、上記正規化された信号
【数7】
における同期符号の位置及びタイプを特定する。
【0023】
ここで、ステップS110で言及された、ダウンサンプリングされた信号は、実際的に、自動利得制御(AGC)ユニットから出力された信号に対してダウンサンプリングを行って得られた信号である。図2は、本発明による一実施例のAGCユニットを示す構造図である。
【0024】
図2に示されたように、AGCユニットは、例えば、可変利得増幅器(VGA)210と、アナログ・デジタル(AD)コンバータ220と、自動利得生成器230と、デジタル・アナログ(DA)コンバータ240とを備えて構成される。受信されたアナログ信号はVGA 210を介して信号増幅され、増幅された利得は自動利得生成器230の出力によって決められ、増幅された信号はAD変換器220に入ってディジタル信号r(t)に変換される。量子化されたディジタル信号r(t)は出力信号として出力される。一方、量子化されたディジタル信号r(t)も自動利得生成器230に入力され、自動利得生成器230により信号r(t)の強度に基づいて使用すべき利得値G(n)(現在利得ともいう)が求められる。現在利得G(n)は、VGA 230を加えて、図7に示された補償ユニット710に出力される。現在利得G(n)の算出方法は、例えば、以下の等式(1)により測定時間
【数8】
内の信号r(t)の平均電力P(ti)を求める方法と、以下の等式(2)により平均電力P(ti)の対数値と目標電力Ptargetとの差ΔGを求める方法と、以下の等式(3)により前回の利得値G(n−1)から現在利得値G(n)を取得する方法とを含む。
【数9】
… (1)
【数10】
… (2)
【数11】
…(3)
ただし、
【数12】
は測定の開始時間であり、
【数13】
は測定時間
【数14】
内のサンプルポイントの数である。また、以下の等式(4)を利用して目標電力Ptargetを算出しても良い。
【数15】
[dB] …(4)
ただし、
【数16】
であり、
【数17】
はディジタル・アナログコンバータ(ADC)のビット数である。
【数18】
は、信号のピーク対平均電力比(peak−to−average power ratio)及びチャンネルの変化などの要素を考慮した余裕量であり、
【数19】
のうちで値を取ることができる。
【0025】
出力信号r(t)(時間領域信号)は、例えば、ローパスフィルタLPFを介してローパスフィルタリングが行われることにより、同期符号の占める帯域幅以外の周波数情報が除去される。このローパスフィルタリング過程のほか、他の処理形態を利用して不要な周波数情報を除去できることは明らかである。従って、図面において当該ローパスフィルタリング過程は示されていない。その後、フィルタリングされた信号は独立したダウンサンプリングユニットに送信されてダウンサンプリングが行われることにより、ダウンサンプル信号rDSを取得することができる。同期符号がキャリア周波数中心の6つのRBのみを占めるため、後続のユニットの実現複雑度を考慮して、ベースバンドのサンプリングレートをダウンサンプリングする必要がある。一つの例として、30.72MHzのベースバンドサンプリングレートに対応してベースバンドが1.4MHzのフィルタを使用すると共に16倍のダウンサンプリングを使用する。また、ダウンサンプリングユニットは、図7に示された予備処理ユニット720に集積可能である。
【0026】
その後、AGCユニットの現在AGC利得G(n)と所定目標利得Gtarget(n)との差異に基づいてダウンサンプル信号rDS上のAGC利得変化を補償する。したがって、信号電力が一定の範囲内まで調整されることにより、同じ符号内部の異なるAGC利得による同期性能の損失を補償する。図3は、図1に示されたステップS110の一つの具体例S310を示している。
【0027】
図3に示されたように、まず、ステップS312において、AGCユニットの一定の時間内の更新された利得値を平均して目標利得Gtarget(n)を生成する。例えば、式(5)により目標利得Gtarget(n)を算出し、AGCユニットから受信された、最近のN個の更新された利得値を平均する。
【数20】
…(5)
【0028】
Nは、5ms内のAGC更新回数を選択でき、AGC測定時間、AGC更新周期などによって異なる可能性がある。好ましくは、N≧4とする。また、対応する時間帯は5msではなくてもよい。無線チャンネルの類似度を示すコヒーレンス時間が5msよりはるかに大きい場合に、当該時間帯を長くし、コヒーレンス時間が5msよりはるかに小さい場合に、当該時間帯を短くする。
【0029】
次に、ステップS314において、現在AGC利得G(n)と目標利得Gtarget(n)との差異に基づいて、補償因子fbを特定する。AGCの利得を線形値で表すと、補償因子fbは、目標利得と現在AGC利得との比の値Gtarget(n)/G(n)となる。
【0030】
AGCの利得が対数値で表されると、補償因子fbは
【数21】
となる。
【0031】
その後、ステップS316において、補償因子fbを利用してダウンサンプル信号rDSのAGC利得を補償する。具体的には、ダウンサンプル信号rDSを補償因子fbにかけて、幅の安定したサンプル信号rを取得する。
【0032】
ここでは、サンプル信号に対してAGC利得補償を行ったが、VGAデバイスの影響で、実際のVGA増幅利得と自動利得生成器230の設定値との間に偏差が発生することが良くある。従って、AGCの誤調整の影響を無くすために、同期符号検出を行う前に、補償されたサンプル信号rに対して更に予備処理を行う必要がある。
【0033】
図1に戻れば、ステップS120において、補償されたサンプル信号rの各サンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応したノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して、正規化された信号を取得する。図4は、図1に示されたステップS120の一つの具体例S420を示している。
【0034】
図4に示されたように、ステップS422において、補償されたサンプル信号rを、Wnorm/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号
【数22】
を取得する。ここで、Wnormはノーマライズウインドウの長さであり、ノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数を示す。Wnorm/2だけ遅延させることによって、中心ウインドウの演算を実現する。通常の探索範囲は、1フレームの時間である。Wnormは、2のN乗を使用し、Nの範囲は、3−8であることが好ましい。
【0035】
また、ステップS424において、補償されたサンプル信号rのサンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応ノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出する。正規化因子を算出する際に、すべてのサンプルポイントの統計値を利用して算出する。例えば、当該統計値は、信号の幅による平均値である。
【0036】
例えば、補償されたサンプル信号rのうち受信アンテナmからのk個目のサンプルポイントの受信信号
【数23】
に対して、以下の式(6)により、受信信号
【数24】
を中心とするノーマライズウインドウ内におけるすべてのサンプルポイントの平均ノルムの値を採用して受信信号
【数25】
に対応する正規化因子N(m, k)を算出する。ノーマライズウインドウの長さはWnormである。
【数26】
…(6)
或いは、以下の式(7)により正規化因子N(m, k)を算出してもよい。
【数27】
…(7)
ただし、α及びβは実験によって最適化され、最適な実施例は
【数28】
となる。その他の好適な値として、
【数29】
及び
【数30】
がある。更に簡単にするために、
【数31】
が採用されてもよく、即ち、等式(7)を簡単にすると以下になる。
【数32】
補償されたサンプル信号rの各サンプルポイントに対して、好ましくは、等しいノーマライズウインドウの長さWnormを使用する。
【0037】
次に、ステップS426において、正規化因子を利用して遅延信号
【数33】
の相応するサンプルポイントを正規化して、正規化された信号
【数34】
を取得する。図5は、図4に示されたステップS426の一つの具体例S526を示している。
【0038】
図5に示されたように、最上位ビット検出器510で正規化因子
【数35】
の最上位ビット検出を行い、正規化因子
【数36】
の最上位ビットの位置nを探し、正規化因子
【数37】
の代わりに2nを使用し(即ちシングルビットが正規化因子
【数38】
に近似し)、次にビットシフタ520で遅延信号
【数39】
のk個目のサンプルポイントの受信信号
【数40】
に対してnビットシフト操作を行って、k個目のサンプルポイントの正規化された信号
【数41】
を取得する。遅延信号
【数42】
の全てのサンプルポイントに対して各自の正規化因子を利用して正規化操作を順に行って、正規化された信号
【数43】
を取得する。また、正規化因子
【数44】
の近似精度を向上するために、マルチビット近似を使用することができる。即ち、A*2nで正規化因子
【数45】
を近似し、Aが近似ビット数に関連するパラメータである。まず、1/Aでk個目のサンプルポイントの受信信号
【数46】
を乗算した後に、nビットシフトを行ってk個目のサンプルポイントの正規化された信号
【0039】
【数47】
を取得する。このような正規化を実現する方法の他のメリットは、正規化過程において0で割り算する問題が避けられることである。
【0040】
図1に戻れば、次に、ステップS130において、正規化された信号
【数48】
に対して同期符号検出を行い、上記正規化された信号
【数49】
における同期符号の位置及びタイプを特定する。
【0041】
例えば、正規化された信号
【数50】
がPSS検出ユニットに出力されてPSS検出が行われることにより、PSSの位置及びタイプが検出される。その後、正規化された信号
【数51】
及びPSS検出ユニットによる検出結果がSSS検出ユニットに出力されてSSS検出が行われることにより、SSSの位置及びタイプが検出される。
【0042】
図6には、PSS符号内のAGC利得変化に対して、予備処理が行われた信号及び予備処理が行われていない信号が、PSS検出によって得られたPSS相関ピークの比較図を示す。そのうちのAGC利得の差は6dBである。図6からわかるように、予備処理が行われていない信号のPSS相関ピークは、明らかなものではなく、相関ピーク値と相関平均値との比の値(ピーク対平均値比)は低い。本発明による予備処理ユニットを用いて信号を予備処理した後に、取得されたPSS相関ピークが非常に明らかになり、ピーク対平均値比が高くなり、PSS検出の質は顕著に向上する。
【0043】
以上では、図3及び図4それぞれを用いて、本発明の実施例の図1に示されたステップS110及びS120の具体的な処理過程を説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0044】
以上から分かるように、本発明の技術案によれば、増幅器の利得調整に起因した信号幅の波動による同期符号の検出過程への影響を顕著に低減することができる。具体的には、例えば、まず、自動利得調整が行われた信号に対してAGC利得補償を行う技術方法でAGC調整による信号幅の波動を低下させ、次に正規化の技術方法でAGC調整による信号幅の波動をさらに低下させることにより、後続の同期符号検出の質を保証する。
【0045】
上述した、TDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法のほか、本発明の実施例によれば、上記方法に対応する、TDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置も相応に提供される。
【0046】
図7には、本発明による一実施例におけるTDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する装置700を示す。
【0047】
図7に示されたように、本発明による実施例におけるTDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する装置は、上記AGCユニットから得られた現在のAGC利得と所定目標利得との差に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号rDS上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号rを取得するように配置される補償ユニット710と、補償されたサンプル信号rのサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して、正規化された信号
【数52】
を取得するように配置される予備処理ユニット720と、正規化された信号
【数53】
に対して同期符号検出を行って、上記正規化された信号
【数54】
における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニット730と、を備える。
【0048】
図8には、図7に示された補償ユニット710の一つの具体例810が示された。
【0049】
図8に示されたように、補償ユニット810は、AGCユニットによる特定時間内に更新された利得を平均して所定目標利得を生成するように配置される目標利得生成部814と、現在AGC利得と上記所定目標利得との差に基づいて補償因子を特定するように配置される補償因子特定部812と、補償因子を利用してダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うように配置される補償実行部816とを備える。
【0050】
具体的には、目標利得生成部814は、AGCユニットからの一定時間内に更新された利得値を平均して目標利得Gtarget(n)を生成する。例えば、制御器の補償因子特定部812は、AGCユニットからの現在AGC利得G(n)と目標利得生成部814により生成された目標利得Gtarget(n)との差に基づいて補償因子fbを特定する。AGCの利得が線形値で示されると、補償因子fbは、目標利得と現在AGC利得との比の値Gtarget(n)/G(n)となる。
【0051】
AGCの利得は対数値で示されると、補償因子fbは、
【数55】
となる。
【0052】
例えば、乗算器の補償実行部816は、入力されたダウンサンプル信号rDSに、補償因子特定部812により特定された補償因子fbを乗算して、幅の安定したサンプル信号rを取得する。
【0053】
図9には、図7に示された予備処理ユニット720の一つの具体例920を示す。
【0054】
図9に示されたように、予備処理ユニット920は、補償されたサンプル信号rをWnorm(相応ノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号
【数56】
を取得するように配置される遅延部922と、補償されたサンプル信号rのサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応ノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される正規化因子算出部924と、正規化因子算出部924により算出された正規化因子を利用して遅延部922により出力された遅延信号
【数57】
の相応するサンプルポイントを正規化して、正規化された信号
【数58】
を取得するように配置される正規化実行部926とを備える。
【0055】
上記図7に示された装置700とそれに含まれた各ユニット710−720、及び図8、9に示されたユニット810、920は、図3及び図4を参照して説明された各種操作を実行するように配置することができる。これらの操作の更なる詳細については、上述された各実施例、具体的な実施形態及び実例を参考することができ、明細書を簡潔にするために、ここでは詳細に説明しない。
【0056】
本発明の上記各実施例による同期符号検出装置は、例えばソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせの方法で実現可能である。当該同期符号検出装置がハードウェアの形態を採用して実現される場合には、集積回路チップ、ネットワークカード、USBバー(USB−bar)などの形態を採用することができる。
【0057】
勿論、本発明の上記各実施例による同期符号検出装置は、独立した機能構成として実現されても良く、相応する端末装置と集積して実現されても良い。したがって、このような同期符号検出装置を備える端末装置も本発明の保護範囲内に含まれるはずである。このような端末装置には、例えば、携帯電話機、ポータブルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、データカード、USBスティック、車載受信機、スマートアプライアンス、スマートメーター等を含んでも良い。
【0058】
以上のように、ブロック図、フローチャート及び/又は実施例により詳細説明を行い、本発明の実施例による装置及び/又は方法の異なる実施形態を説明した。これらブロック図、フローチャート及び/又は実施例に一つ、又は複数の機能及び/又は操作が含まれる場合に、当業者にとって、これらブロック図、フローチャート及び/又は実施例における各機能及び/又は操作が、各種のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの実際の任意の組合せによって個別及び/又は共同に実施可能であることは明らかである。一種の実施形態において、本明細書に記述された主題の幾つかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ディジタル信号処理装置(DSP)、又は他の集積形態で実現可能である。一方、本明細書に記述された実施形態の幾つかの局面が、全体又は部分的に、一つ又は複数のコンピュータで実行される一つ又は複数のコンピュータプログラムの形式(例えば、一つ又は複数のコンピュータシステムで実行される一つ又は複数のコンピュータプログラムの形式)、一つ又は複数のプロセッサで実行される一つ又は複数のプログラムの形式(例えば、一つ又は複数のマイクロプロセッサで実行される一つ又は複数のプログラムの形式)、ファームウェアの形式、又はそれらの実際の任意の組合せの形式で集積回路において同等に実装可能であることは、当業者にとって想定できるものである。そして、本明細書に開示された内容によれば、本開示用の回路を設計し、かつ/又は、本開示用のソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードをプログラミングすることは、当業者の能力の範囲内で完成できるものである。
【0059】
例えば、前記装置700と各構成モジュール、ユニット、サブユニットは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意な組み合わせの方式によって構成可能である。ソフトウェア、ファームウェアにより実現された場合に、記憶媒体又はネットワークから専用のハードウェア構造を有するコンピュータ(例えば、図16に示されたコンピュータ1600)に当該ソフトウェアを構成するプログラムをインストールすることができる。当該コンピュータは、各種のプログラムがインストールされているときに、各種の機能を実行することができる。
【0060】
図16は、本発明の実施例による方法及び装置の実施に使用可能なコンピュータの模式的なブロック図を示す。
【0061】
図16において、中央処理装置(CPU)1601は、読取専用メモリ(ROM)1602に記憶されたプログラム又はメモリ部1608からランダムアクセスメモリ(RAM)1603にロードされたプログラムに基づいて各種の処理を実行する。RAM1603において、必要に応じてCPU1601が各種の処理等を実行するために必要なデータも記憶されている。CPU501、ROM1602とRAM1603はバス1604を介して互いに接続されている。入力/出力インタフェース1605もバス1604に接続されている。
【0062】
入力部1606(キーボード、マウス等を含む)と、出力部1607(ディスプレイ、例えば、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等とスピーカ等を含む)と、メモリ部1608(ハードディスク等を含む)と、通信部1609(ネットワークインターフェースカード、例えば、LANカード、モデム等を含む)は、入力/出力インタフェース1605に接続されている。通信部1609がネットワーク、例えばインターネットを経由して通信処理を実行する。必要に応じて、入力/出力インタフェース1605にはドライブ1610も接続されている。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のような取り外し可能な媒体1611は、必要に応じてドライブ1610に装着可能である。これにより、読み出されたコンピュータプログラムは必要に応じてメモリ部1608にインストールされる。
【0063】
ソフトウェアで上記一連の処理を実現する場合に、ネットワーク、例えばインターネット、又は記憶媒体、例えば取外し可能な媒体1611からソフトウェアを構成するプログラムをインストールすることができる。
【0064】
このような記憶媒体は、図16に示された、その中にプログラムが記憶されており、デバイスから離れて配布されてユーザにプログラムを提供する取り外し可能な媒体1611に限定されないことを、当業者は理解すべきである。取り外し可能な媒体1611として、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)・ディスクを含む)、光ディスク(コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD−ROM)やディジタル多用途ディスク(DVD)を含む)、光磁気ディスク(ミニディスク(MD)(登録商標)を含む)、及び半導体メモリを含む。あるいは、記憶媒体は、ROM1602、メモリ部1608に含まれるハードディスクであって、プログラムが記憶されており、且つそれらを含むデバイスと一緒にユーザに配布されるハードディスクなどであっても良い。
【0065】
したがって、本発明は、マシンで読み取り可能な命令コードが記憶されたプログラム・プロダクトを提供する。上記命令コードは、マシンで読み取られて実行される際に、上記本発明の実施例による各種の方法を実行することができる。それに対して、このようなプログラム・プロダクトを搭載する、上述の各種記憶媒体も本発明の開示に含まれる。
【0066】
本発明による方法及び装置は、TDD−LTEシステムだけではなく、将来のLTEシステムに継承されるIMT−Advancedシステム、例えばTDD−LTE Advancedシステムなどにも適用することができる。
【0067】
以上の本発明の具体的な実施例に対する記述において、一種の実施形態に対して記述し、かつ/又は示した特徴は、同一又は類似の形態で一つ又は複数の他の実施形態で使用されたり、他の実施形態における特徴と組み合わせたり、あるいは他の実施形態における特徴で置き換えたりすることができる。
【0068】
強調すべき点は、「含む/有する」の語が、本文で使用される場合に、特徴、要素、ステップ、又は構成部分の存在を意味するが、一つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ又は構成部分の存在又は付加を排除するわけではない。
【0069】
また、本発明の方法は、明細書に記述された時間順に従って実行されることに限られず、他の時間順に従って順番に実行されてもよく、並行して実行されてもよく、個別に実行されてもよい。従って、本明細書で記述された方法の実行順序は本発明の技術的範囲を制限しない。
【0070】
上記実施例を含む実施形態について、以下の付記をさらに記載する。
付記1.装置であって、
自動利得制御AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される補償ユニットと、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得するように配置される予備処理ユニットと、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニットと、
を備えることを特徴とする、TDD通信システムにおいて、自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置。
付記2.前記補償ユニットは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成するように配置される目標利得生成部と、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定するように配置される補償因子特定部と、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うように配置される補償実行部と、
を備えることを特徴とする付記1に記載の装置。
付記3. 前記目標利得生成部は、
【数59】
の式で前記所定予定目標利得を算出するように配置され、
ただし、N(N≧4)は前記更新された利得の数であり、i=nのときのG(n)は現在AGC利得を示し、
前記補償因子特定部は、前記所定目標利得と現在AGC利得との比の値、または前記所定目標利得と現在AGC利得との差の値により前記補償因子を特定するように配置され、
前記補償実行部は、前記ダウンサンプリングされた信号に、前記補償因子を乗算して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置されることを特徴とする付記2に記載の装置。
付記4. 前記予備処理ユニットは、
補償されたサンプル信号を、Wnorm(相応のノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号を取得するように配置される遅延部と、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される正規化因子算出部と、
正規化因子を利用して遅延された信号の相応サンプルポイントに対して正規化を行うように配置される正規化実行部と、を備えることを特徴とする付記1−3のいずれかに記載の装置。
付記5. 前記正規化因子算出部は、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントのノルムの値の平均値を利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置されることを特徴とする付記4に記載の装置。
付記6. 前記正規化実行部は、正規化因子に対して最上位ビット検出を行って最上位ビットの位置nを特定し、A×2nで正規化因子に対してビット近似を行い、遅延された信号の相応サンプルポイントに1/Aを乗算してからnビットシフト操作を行うように配置され、
前記Aは、1より大きいか、又は等しい定数であることを特徴とする付記4に記載の装置。
付記7. 更に、AGCユニットから出力された信号に対してローパスフィルタリングを行って、同期符号以外の周波数情報を除去するように配置されるフィルタ装置を備えることを特徴とする付記1−3のいずれかに記載の装置。
付記8. 前記TDD通信システムは、TDD−LTEシステムまたはTDD−LTE Advancedシステムであることを特徴とする付記1−3のいずれかに記載の装置。
付記9.自動利得制御AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変化後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得し、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含むことを特徴とする、TDD通信システムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法。
付記10.AGC利得変化を補償することは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成し、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定し、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うこと、を含むことを特徴とする付記9に記載の方法。
付記11.
【数60】
の式で前記所定目標利得を算出し、
ただし、N(N≧4)は前記更新された利得の数であり、i=nのときのG(n)は現在AGC利得を示し、前記所定目標利得と現在AGC利得との比の値、または前記所定目標利得と現在AGC利得との差の値により前記補償因子を特定し、前記ダウンサンプリングされた信号に、前記補償因子を乗算して幅の安定したサンプル信号を取得することを特徴とする付記10に記載の方法。
付記12.正規化を行うことは、補償された信号を、Wnorm(相応のノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号を取得し、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出し、正規化因子を利用して遅延された信号の相応サンプルポイントに対して正規化を行うことを含むことを特徴とする付記9−11のいずれかに記載の方法。
付記13.補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべての複数のサンプルポイントの平均ノルムの値を利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出することを特徴とする付記12に記載の方法。
付記14.相応のサンプルポイントを正規化することは、正規化因子に対して最上位ビット検出を行って最上位ビットの位置nを特定し、A×2nで正規化因子に対してビット近似を行い、遅延された信号の相応サンプルポイントに1/Aを乗算してからnビットシフト操作を行い、前記Aは、1より大きいか、又は等しい定数であることを特徴とする付記12に記載の方法。
付記15.AGC利得変化を補償する前に、AGCユニットから出力された信号に対してローパスフィルタリングを行って、同期符号以外の周波数情報を除去することをさらに含むことを特徴とする付記9−11のいずれかに記載の方法。
付記16.前記TDD通信システムは、TDD−LTEシステムまたはTDD−LTE Advancedシステムであることを特徴とする付記9−11のいずれかに記載の方法。
付記17.前記TDD通信システムにおける同期符号検出を実行する装置を備えることを特徴とする、付記1−8のいずれかに記載の端末装置。
付記18.命令コードは、機械で読取られて実行される際に、付記9−16のいずれかに記載のTDD通信システムにおいて同期符号検出を実行する方法を実行することができることを特徴とする、マシンで読み取り可能な命令コードが記憶されるプログラム・プロダクト。
付記19. 付記18に記載のプログラム・プロダクトを搭載することを特徴とする記憶媒体。
以上のように本発明は具体的な実施例を説明することにより開示したが、当業者は添付された請求項の趣旨と範囲内に本発明に対する様々な修正、改良、又は同等物を企図することができる。これら、修正、改良、又は同等物は本発明の保護範囲内に含まれるものと認められるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体的に通信分野に関する。具体的には、TDDシステム、特にTDD−LTE(Time Division Duplex− Long Term Evolution、時分割デュプレックス−ロングタームエボリューション)システムにおいて受信信号から同期符号(Synchronization symbol、 SS)を検出する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムにおいて、無線チャンネルの減衰効果により、受信信号を幅上で大幅に波動させるおそれがある。信号の量子化後の精度を保証するために、端末は通常、自動利得制御(Auto gain control)ユニットを使用して信号の変化を動的に追跡する必要がある。アナログーデジタルコンバータ(Analog digital converter、 ADC)の動作範囲に基づいて、受信信号が弱いときに増幅器の利得を大きくし、受信信号が強すぎるときに増幅器の利得を小さくする。増幅器の利得の調整が受信信号に付加した歪みを与えないことを保証するように、AGCの測定及び調整は受信信号のフレーム構造に基づいて行われる必要がある。AGCの調整は、端末と基地局との間の同期過程において行われた同期検出の品質に大きな影響がある。
【0003】
3GPPロングタームエボリューション(Long Term Evolution、 LTE)システムにおいて、時分割デュプレックス(Time Division Duplex、TDD)モードと周波数分割デュプレックス(Frequency Division Duplex,FDD)モードとが存在する。周波数分割デュプレックスモードにおいて,上り/下り信号は異なる周波数ポイントで伝送される一方、時分割デュプレックスモードにおいて上り/下り信号は同一のキャリア周波数の異なる時間帯で伝送される。
【0004】
時分割デュプレックスモードのLTE(TDD−LTE)システムにおいて、受信信号はローカル同期符号の時間領域と相関することによって、同期及びセルの同期符号のタイプの取得が実現される。したがって、応用においては、信号を受信した後に、受信信号から同期符号を検出する必要がある。TDD−LTEシステムにおいて,表1に示された7種のフレーム構造配置が存在している。表1に、「D」でダウンリンクサブフレーム、「U」でアップリンクサブフレーム、「S」でスペシャルサブフレームを標記する。各サブフレームは、長さが1msであり、二つの長さが0.5msのスロット(slot)により構成される。表1に示されたように、プライマリ同期符号(Primary synchronization symbol、 PSS)はサブフレーム番号が1と6であるサブフレームに位置し、セカンダリ同期符号(Secondary synchronization symbol、 SSS)は、サブフレーム番号が0と5であるサブフレームに位置する。図10は、半分のサブフレームのTDDフレーム構造を示す。そのうち、サブフレームSF#1(番号が1のサブフレーム)はスペシャルサブフレームであり、ダウンリンクタイムスロットDwPTSと、上り/下り変換間隔GPと、アップリンクタイムスロットUpPTSとにより構成される。図10において、PSSはダウンリンクタイムスロットDwPTSの三番目の符号に位置する一方、SSSはサブフレームSF#0(番号が0のサブフレーム)の最後の符号に位置する。セルサーチは、これらの二つの同期符号に対する検出を利用してフレームタイミングとセルIDとを取得するものである。
【表1】
【0005】
PSSは、長さが62のZadoff−Chu系列
【数1】
(k = 0, 1, …, 61)であり,合計3つがある。
【数2】
ただし、
【数3】
は{25,29,34}のうちの一つである。図11は、キャリアにおいてPSSを調整することを示している。図11に示されたように、当該系列がDCを中心に左右各31個のサブキャリアに位置し、DCサブキャリアに対応する
【数4】
が0に設定される。系列の両側における五個のサブキャリアも同様に0に設定する。合計72個のサブキャリアは中心の六個のRB (resource block、リソースブロック)に対応する。サブフレームSF#1及びサブフレームSF#6におけるPSS系列は同様のものである。
【0006】
PSSの検出は、通常、マッチングフィルタリングによる検出方法を採用する。タイミングが未知の場合は、少なくとも5msの時間で探索してPSSの位置を検出する必要がある。
【0007】
SSSは、二つの長さが31のm系列d(2k)とd(2k+1)とにより交互に形成された系列であり、合計168個の系列を有する。図12は、キャリアにおいてSSSを調整することを示している。図12に示されたように、SSSは、PSSと同様に、キャリアを中心とする六個のRBを占め、系列両側における各五個のサブキャリアが0に設定される。サブフレームSF#0とサブフレームSF#5に位置するSSS系列がそれぞれ異なる点が異なる。
【数5】
【0008】
系列の具体的な生成方法について、3GPP 36.211を参照する。ここでは、詳細な説明は省略する。
【0009】
SSS検出方式は、通常、周波数領域におけるコード系列の整合検出によるものである。また、CP(cyclic prefix)タイプが未知の場合、必要に応じてSSSでCPのタイプをブラインド検出する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
初期のネットワークのアクセス又は切り替えの期間に、端末は、基地局との間で時間と周波数との同期を確立するように、同期符号検出を行ってタイミング情報を取得する。端末がタイミング情報を取得した後に、AGCユニットの利得値は、フレーム構造に基づいて、整数個のサブフレーム又はフルフレームを間隔として調整可能である。一方、端末がタイミング情報を取得していない時に、AGCの測定及び調整が符号の境界を単位として調整を行うことはできず、同期符号内で異なる利得が使用されることになる。このような調整が同期符号に発生すれば、例えば、図13に示されたようにPSSで発生する場合、又は図14に示されたようにSSSで発生する場合、PSS又はSSS内に差の大きい増幅器利得が使用され、同期符号検出の精確性を低下させるおそれがある。一方、信号間の独立性、例えば、TDDシステムの上り信号、下り信号及び上り/下り信号の変換間隔がそれぞれ独立したものであるため、あるタイプの信号によって特定された増幅器利得が他のタイプの信号に使用されると、信号が逆増幅され、後続の同期検出の品質を低下させるおそれがある。図15に示されたように、信号負荷に対する未知の原因、又は上り/下りに対する未知の原因で、上り信号から求められた利得値が下り信号中に使用される可能性があり、同様に、保護間隔における信号によって求められた利得値が下り信号中に使用される可能性がある。保護間隔にノイズ信号のみが存在し、強度が非常に低いため、このように求められた利得値が高くなる。一方、下り信号が強いときに、図15の上向きの矢印で示されたように、後続の下り信号の電力を大幅に向上させるおそれがある。特にAGC調整の周期が小さいときに、PSS信号の強度とその前の下り信号の強度との間に大きい差異を有することになるおそれがある。このような差は、PSSの検出及びフレーム同期の捕捉に影響することになる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以下に、本発明に関する簡単な概要を示すことにより、本発明の幾つかの局面に関する基本的な理解を提供する。このような概要は本発明に対する網羅的なものではないと理解すべきである。その目的として、本発明の肝要な部分又は重要な部分を定める意図はなく、本発明の範囲を限定する意図もなく、簡単な形式で幾つかの概念を提供して後述のより詳細な説明に先行する説明とすることに限らない。
【0012】
上述の従来技術に存在する問題に鑑み、本発明の実施例によって提供される同期符号検出装置及び方法は、AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得する。利得が補償された信号に対して、信号の各サンプルポイントを中心とする各ノーマライズウインドウを利用して、各サンプルポイントのそれぞれに対して正規化を行って信号をさらに安定させる。その後、正規化された信号で同期検出を行う。
【0013】
本発明の実施例によれば、TDD通信システムにおいて、自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置であって、
上記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される補償ユニットと、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得するように配置される予備処理ユニットと、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って上記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニットと、
を備える装置を提供する。
【0014】
本発明の別の局面によれば、TDD通信システムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法であって、
上記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変化後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得し、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って上記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含む方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による一実施例のTDDシステムにおいてAGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明による一実施例のAGCユニットを示す構造図である。
【図3】図1に示されたステップS110の処理の一具体例を示す図である。
【図4】図1に示されたステップS120の処理の一具体例を示す図である。
【図5】図4に示されたステップS426の処理の一具体例を示す図である。
【図6】PSS符号内のAGC利得変化に対して予備処理が行われたか、及び予備処理が行われていない信号はPSS検出で得られたPSSの相関ピークを示す比較図である。
【図7】本発明による一実施例のTDDシステムにおいてAGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する装置を示す図である。
【図8】図7に示された補償ユニット710の一具体例を示す図である。
【図9】図7に示された予備処理ユニット720の一具体例を示す図である。
【図10】TDD−LTEシステムにおけるフレーム構造図を示す図である。
【図11】TDD−LTEシステムにおけるPSS変調図を示す図である。
【図12】TDD−LTEシステムにおけるSSS変調図を示す図である。
【図13】PSS信号内のAGC利得変化を示す図である。
【図14】SSS信号内のAGC利得変化を示す図である。
【図15】AGC利得変化による信号電力の変化の状況を示す図である。
【図16】本発明の実施例による方法及び/又は装置を実現可能な汎用コンピュータの例示的な構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明によれば、自動利得調整が行われた信号に対して予備処理を行うことによって、増幅器利得調整による信号幅の波動を著しく下げることができ、後続の同期符号検出の質を保証する。
【0017】
以下、図面に関する、本発明の最適な実施例に対する具体的説明により、本発明のこれらの利点及びその他の利点がさらに明らかになるであろう。
【0018】
本発明は、以下で図面を用いて示した説明を参照することで、より良い理解が得られる。なお、すべての図面において、同一又は類似した構成部分は、同一又は類似した符号で示される。上記図面は、以下の具体的な説明とともに本開示の一部を形成し、更に本発明の好適な実施例を例に説明し、且つ本発明の原理及び利点を解釈することに用いられる。
【0019】
以下、本発明の例示的な実施例に対して図面に関して説明する。明瞭かつ簡単にするために、明細書において実際の実施形態のすべての特徴を説明する訳ではない。しかし、開発者の具体的な目標を実現するように、このような実際の実施例を開発する過程において実施形態に特定される決定を多くしなければならないことを理解すべきである。例えば、システム及び業務に関係するそれらの制限条件を満足し、且つ、これらの制限条件は実施形態によって変化する可能性がある。また、開発作業は非常に複雑で且つ時間がかかる可能性があるが、本開示の内容による便益を得る当業者にとって、このような開発作業はルーチンワークであることも理解すべきである。
【0020】
ここで、不必要な詳細により、本発明を不明瞭にすることを避けるために、図面には、本発明による技術案と密に関係する装置構造及び/又は処理ステップのみが示されており、本発明とほぼ無関係の他の詳細は省略している。
【実施例】
【0021】
図1は、本発明による一実施例のTDDシステムにおいてAGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法を示すフローチャートである。
【0022】
図1に示されたように、ダウンサンプリングされた信号が受信された後に、ステップS110でAGCユニットの現在のAGC利得と所定の目標利得との差異に基づいて信号上のAGC利得変化を補償して、幅の安定したサンプル信号を取得する。ステップ120で、補償されたサンプル信号rの各サンプルポイントに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応したノーマライズ(正規化)ウインドウ(normalize window)内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化することにより、正規化された信号を取得する。ステップS130で、正規化された信号
【数6】
に対して同期符号検出を行って、上記正規化された信号
【数7】
における同期符号の位置及びタイプを特定する。
【0023】
ここで、ステップS110で言及された、ダウンサンプリングされた信号は、実際的に、自動利得制御(AGC)ユニットから出力された信号に対してダウンサンプリングを行って得られた信号である。図2は、本発明による一実施例のAGCユニットを示す構造図である。
【0024】
図2に示されたように、AGCユニットは、例えば、可変利得増幅器(VGA)210と、アナログ・デジタル(AD)コンバータ220と、自動利得生成器230と、デジタル・アナログ(DA)コンバータ240とを備えて構成される。受信されたアナログ信号はVGA 210を介して信号増幅され、増幅された利得は自動利得生成器230の出力によって決められ、増幅された信号はAD変換器220に入ってディジタル信号r(t)に変換される。量子化されたディジタル信号r(t)は出力信号として出力される。一方、量子化されたディジタル信号r(t)も自動利得生成器230に入力され、自動利得生成器230により信号r(t)の強度に基づいて使用すべき利得値G(n)(現在利得ともいう)が求められる。現在利得G(n)は、VGA 230を加えて、図7に示された補償ユニット710に出力される。現在利得G(n)の算出方法は、例えば、以下の等式(1)により測定時間
【数8】
内の信号r(t)の平均電力P(ti)を求める方法と、以下の等式(2)により平均電力P(ti)の対数値と目標電力Ptargetとの差ΔGを求める方法と、以下の等式(3)により前回の利得値G(n−1)から現在利得値G(n)を取得する方法とを含む。
【数9】
… (1)
【数10】
… (2)
【数11】
…(3)
ただし、
【数12】
は測定の開始時間であり、
【数13】
は測定時間
【数14】
内のサンプルポイントの数である。また、以下の等式(4)を利用して目標電力Ptargetを算出しても良い。
【数15】
[dB] …(4)
ただし、
【数16】
であり、
【数17】
はディジタル・アナログコンバータ(ADC)のビット数である。
【数18】
は、信号のピーク対平均電力比(peak−to−average power ratio)及びチャンネルの変化などの要素を考慮した余裕量であり、
【数19】
のうちで値を取ることができる。
【0025】
出力信号r(t)(時間領域信号)は、例えば、ローパスフィルタLPFを介してローパスフィルタリングが行われることにより、同期符号の占める帯域幅以外の周波数情報が除去される。このローパスフィルタリング過程のほか、他の処理形態を利用して不要な周波数情報を除去できることは明らかである。従って、図面において当該ローパスフィルタリング過程は示されていない。その後、フィルタリングされた信号は独立したダウンサンプリングユニットに送信されてダウンサンプリングが行われることにより、ダウンサンプル信号rDSを取得することができる。同期符号がキャリア周波数中心の6つのRBのみを占めるため、後続のユニットの実現複雑度を考慮して、ベースバンドのサンプリングレートをダウンサンプリングする必要がある。一つの例として、30.72MHzのベースバンドサンプリングレートに対応してベースバンドが1.4MHzのフィルタを使用すると共に16倍のダウンサンプリングを使用する。また、ダウンサンプリングユニットは、図7に示された予備処理ユニット720に集積可能である。
【0026】
その後、AGCユニットの現在AGC利得G(n)と所定目標利得Gtarget(n)との差異に基づいてダウンサンプル信号rDS上のAGC利得変化を補償する。したがって、信号電力が一定の範囲内まで調整されることにより、同じ符号内部の異なるAGC利得による同期性能の損失を補償する。図3は、図1に示されたステップS110の一つの具体例S310を示している。
【0027】
図3に示されたように、まず、ステップS312において、AGCユニットの一定の時間内の更新された利得値を平均して目標利得Gtarget(n)を生成する。例えば、式(5)により目標利得Gtarget(n)を算出し、AGCユニットから受信された、最近のN個の更新された利得値を平均する。
【数20】
…(5)
【0028】
Nは、5ms内のAGC更新回数を選択でき、AGC測定時間、AGC更新周期などによって異なる可能性がある。好ましくは、N≧4とする。また、対応する時間帯は5msではなくてもよい。無線チャンネルの類似度を示すコヒーレンス時間が5msよりはるかに大きい場合に、当該時間帯を長くし、コヒーレンス時間が5msよりはるかに小さい場合に、当該時間帯を短くする。
【0029】
次に、ステップS314において、現在AGC利得G(n)と目標利得Gtarget(n)との差異に基づいて、補償因子fbを特定する。AGCの利得を線形値で表すと、補償因子fbは、目標利得と現在AGC利得との比の値Gtarget(n)/G(n)となる。
【0030】
AGCの利得が対数値で表されると、補償因子fbは
【数21】
となる。
【0031】
その後、ステップS316において、補償因子fbを利用してダウンサンプル信号rDSのAGC利得を補償する。具体的には、ダウンサンプル信号rDSを補償因子fbにかけて、幅の安定したサンプル信号rを取得する。
【0032】
ここでは、サンプル信号に対してAGC利得補償を行ったが、VGAデバイスの影響で、実際のVGA増幅利得と自動利得生成器230の設定値との間に偏差が発生することが良くある。従って、AGCの誤調整の影響を無くすために、同期符号検出を行う前に、補償されたサンプル信号rに対して更に予備処理を行う必要がある。
【0033】
図1に戻れば、ステップS120において、補償されたサンプル信号rの各サンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応したノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して、正規化された信号を取得する。図4は、図1に示されたステップS120の一つの具体例S420を示している。
【0034】
図4に示されたように、ステップS422において、補償されたサンプル信号rを、Wnorm/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号
【数22】
を取得する。ここで、Wnormはノーマライズウインドウの長さであり、ノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数を示す。Wnorm/2だけ遅延させることによって、中心ウインドウの演算を実現する。通常の探索範囲は、1フレームの時間である。Wnormは、2のN乗を使用し、Nの範囲は、3−8であることが好ましい。
【0035】
また、ステップS424において、補償されたサンプル信号rのサンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応ノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出する。正規化因子を算出する際に、すべてのサンプルポイントの統計値を利用して算出する。例えば、当該統計値は、信号の幅による平均値である。
【0036】
例えば、補償されたサンプル信号rのうち受信アンテナmからのk個目のサンプルポイントの受信信号
【数23】
に対して、以下の式(6)により、受信信号
【数24】
を中心とするノーマライズウインドウ内におけるすべてのサンプルポイントの平均ノルムの値を採用して受信信号
【数25】
に対応する正規化因子N(m, k)を算出する。ノーマライズウインドウの長さはWnormである。
【数26】
…(6)
或いは、以下の式(7)により正規化因子N(m, k)を算出してもよい。
【数27】
…(7)
ただし、α及びβは実験によって最適化され、最適な実施例は
【数28】
となる。その他の好適な値として、
【数29】
及び
【数30】
がある。更に簡単にするために、
【数31】
が採用されてもよく、即ち、等式(7)を簡単にすると以下になる。
【数32】
補償されたサンプル信号rの各サンプルポイントに対して、好ましくは、等しいノーマライズウインドウの長さWnormを使用する。
【0037】
次に、ステップS426において、正規化因子を利用して遅延信号
【数33】
の相応するサンプルポイントを正規化して、正規化された信号
【数34】
を取得する。図5は、図4に示されたステップS426の一つの具体例S526を示している。
【0038】
図5に示されたように、最上位ビット検出器510で正規化因子
【数35】
の最上位ビット検出を行い、正規化因子
【数36】
の最上位ビットの位置nを探し、正規化因子
【数37】
の代わりに2nを使用し(即ちシングルビットが正規化因子
【数38】
に近似し)、次にビットシフタ520で遅延信号
【数39】
のk個目のサンプルポイントの受信信号
【数40】
に対してnビットシフト操作を行って、k個目のサンプルポイントの正規化された信号
【数41】
を取得する。遅延信号
【数42】
の全てのサンプルポイントに対して各自の正規化因子を利用して正規化操作を順に行って、正規化された信号
【数43】
を取得する。また、正規化因子
【数44】
の近似精度を向上するために、マルチビット近似を使用することができる。即ち、A*2nで正規化因子
【数45】
を近似し、Aが近似ビット数に関連するパラメータである。まず、1/Aでk個目のサンプルポイントの受信信号
【数46】
を乗算した後に、nビットシフトを行ってk個目のサンプルポイントの正規化された信号
【0039】
【数47】
を取得する。このような正規化を実現する方法の他のメリットは、正規化過程において0で割り算する問題が避けられることである。
【0040】
図1に戻れば、次に、ステップS130において、正規化された信号
【数48】
に対して同期符号検出を行い、上記正規化された信号
【数49】
における同期符号の位置及びタイプを特定する。
【0041】
例えば、正規化された信号
【数50】
がPSS検出ユニットに出力されてPSS検出が行われることにより、PSSの位置及びタイプが検出される。その後、正規化された信号
【数51】
及びPSS検出ユニットによる検出結果がSSS検出ユニットに出力されてSSS検出が行われることにより、SSSの位置及びタイプが検出される。
【0042】
図6には、PSS符号内のAGC利得変化に対して、予備処理が行われた信号及び予備処理が行われていない信号が、PSS検出によって得られたPSS相関ピークの比較図を示す。そのうちのAGC利得の差は6dBである。図6からわかるように、予備処理が行われていない信号のPSS相関ピークは、明らかなものではなく、相関ピーク値と相関平均値との比の値(ピーク対平均値比)は低い。本発明による予備処理ユニットを用いて信号を予備処理した後に、取得されたPSS相関ピークが非常に明らかになり、ピーク対平均値比が高くなり、PSS検出の質は顕著に向上する。
【0043】
以上では、図3及び図4それぞれを用いて、本発明の実施例の図1に示されたステップS110及びS120の具体的な処理過程を説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0044】
以上から分かるように、本発明の技術案によれば、増幅器の利得調整に起因した信号幅の波動による同期符号の検出過程への影響を顕著に低減することができる。具体的には、例えば、まず、自動利得調整が行われた信号に対してAGC利得補償を行う技術方法でAGC調整による信号幅の波動を低下させ、次に正規化の技術方法でAGC調整による信号幅の波動をさらに低下させることにより、後続の同期符号検出の質を保証する。
【0045】
上述した、TDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法のほか、本発明の実施例によれば、上記方法に対応する、TDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置も相応に提供される。
【0046】
図7には、本発明による一実施例におけるTDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する装置700を示す。
【0047】
図7に示されたように、本発明による実施例におけるTDDシステムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号のうちから同期符号を検出する装置は、上記AGCユニットから得られた現在のAGC利得と所定目標利得との差に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号rDS上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号rを取得するように配置される補償ユニット710と、補償されたサンプル信号rのサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して、正規化された信号
【数52】
を取得するように配置される予備処理ユニット720と、正規化された信号
【数53】
に対して同期符号検出を行って、上記正規化された信号
【数54】
における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニット730と、を備える。
【0048】
図8には、図7に示された補償ユニット710の一つの具体例810が示された。
【0049】
図8に示されたように、補償ユニット810は、AGCユニットによる特定時間内に更新された利得を平均して所定目標利得を生成するように配置される目標利得生成部814と、現在AGC利得と上記所定目標利得との差に基づいて補償因子を特定するように配置される補償因子特定部812と、補償因子を利用してダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うように配置される補償実行部816とを備える。
【0050】
具体的には、目標利得生成部814は、AGCユニットからの一定時間内に更新された利得値を平均して目標利得Gtarget(n)を生成する。例えば、制御器の補償因子特定部812は、AGCユニットからの現在AGC利得G(n)と目標利得生成部814により生成された目標利得Gtarget(n)との差に基づいて補償因子fbを特定する。AGCの利得が線形値で示されると、補償因子fbは、目標利得と現在AGC利得との比の値Gtarget(n)/G(n)となる。
【0051】
AGCの利得は対数値で示されると、補償因子fbは、
【数55】
となる。
【0052】
例えば、乗算器の補償実行部816は、入力されたダウンサンプル信号rDSに、補償因子特定部812により特定された補償因子fbを乗算して、幅の安定したサンプル信号rを取得する。
【0053】
図9には、図7に示された予備処理ユニット720の一つの具体例920を示す。
【0054】
図9に示されたように、予備処理ユニット920は、補償されたサンプル信号rをWnorm(相応ノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号
【数56】
を取得するように配置される遅延部922と、補償されたサンプル信号rのサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応ノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される正規化因子算出部924と、正規化因子算出部924により算出された正規化因子を利用して遅延部922により出力された遅延信号
【数57】
の相応するサンプルポイントを正規化して、正規化された信号
【数58】
を取得するように配置される正規化実行部926とを備える。
【0055】
上記図7に示された装置700とそれに含まれた各ユニット710−720、及び図8、9に示されたユニット810、920は、図3及び図4を参照して説明された各種操作を実行するように配置することができる。これらの操作の更なる詳細については、上述された各実施例、具体的な実施形態及び実例を参考することができ、明細書を簡潔にするために、ここでは詳細に説明しない。
【0056】
本発明の上記各実施例による同期符号検出装置は、例えばソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組み合わせの方法で実現可能である。当該同期符号検出装置がハードウェアの形態を採用して実現される場合には、集積回路チップ、ネットワークカード、USBバー(USB−bar)などの形態を採用することができる。
【0057】
勿論、本発明の上記各実施例による同期符号検出装置は、独立した機能構成として実現されても良く、相応する端末装置と集積して実現されても良い。したがって、このような同期符号検出装置を備える端末装置も本発明の保護範囲内に含まれるはずである。このような端末装置には、例えば、携帯電話機、ポータブルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、データカード、USBスティック、車載受信機、スマートアプライアンス、スマートメーター等を含んでも良い。
【0058】
以上のように、ブロック図、フローチャート及び/又は実施例により詳細説明を行い、本発明の実施例による装置及び/又は方法の異なる実施形態を説明した。これらブロック図、フローチャート及び/又は実施例に一つ、又は複数の機能及び/又は操作が含まれる場合に、当業者にとって、これらブロック図、フローチャート及び/又は実施例における各機能及び/又は操作が、各種のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの実際の任意の組合せによって個別及び/又は共同に実施可能であることは明らかである。一種の実施形態において、本明細書に記述された主題の幾つかの部分は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、ディジタル信号処理装置(DSP)、又は他の集積形態で実現可能である。一方、本明細書に記述された実施形態の幾つかの局面が、全体又は部分的に、一つ又は複数のコンピュータで実行される一つ又は複数のコンピュータプログラムの形式(例えば、一つ又は複数のコンピュータシステムで実行される一つ又は複数のコンピュータプログラムの形式)、一つ又は複数のプロセッサで実行される一つ又は複数のプログラムの形式(例えば、一つ又は複数のマイクロプロセッサで実行される一つ又は複数のプログラムの形式)、ファームウェアの形式、又はそれらの実際の任意の組合せの形式で集積回路において同等に実装可能であることは、当業者にとって想定できるものである。そして、本明細書に開示された内容によれば、本開示用の回路を設計し、かつ/又は、本開示用のソフトウェア及び/若しくはファームウェアのコードをプログラミングすることは、当業者の能力の範囲内で完成できるものである。
【0059】
例えば、前記装置700と各構成モジュール、ユニット、サブユニットは、ソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、又はそれらの任意な組み合わせの方式によって構成可能である。ソフトウェア、ファームウェアにより実現された場合に、記憶媒体又はネットワークから専用のハードウェア構造を有するコンピュータ(例えば、図16に示されたコンピュータ1600)に当該ソフトウェアを構成するプログラムをインストールすることができる。当該コンピュータは、各種のプログラムがインストールされているときに、各種の機能を実行することができる。
【0060】
図16は、本発明の実施例による方法及び装置の実施に使用可能なコンピュータの模式的なブロック図を示す。
【0061】
図16において、中央処理装置(CPU)1601は、読取専用メモリ(ROM)1602に記憶されたプログラム又はメモリ部1608からランダムアクセスメモリ(RAM)1603にロードされたプログラムに基づいて各種の処理を実行する。RAM1603において、必要に応じてCPU1601が各種の処理等を実行するために必要なデータも記憶されている。CPU501、ROM1602とRAM1603はバス1604を介して互いに接続されている。入力/出力インタフェース1605もバス1604に接続されている。
【0062】
入力部1606(キーボード、マウス等を含む)と、出力部1607(ディスプレイ、例えば、ブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)等とスピーカ等を含む)と、メモリ部1608(ハードディスク等を含む)と、通信部1609(ネットワークインターフェースカード、例えば、LANカード、モデム等を含む)は、入力/出力インタフェース1605に接続されている。通信部1609がネットワーク、例えばインターネットを経由して通信処理を実行する。必要に応じて、入力/出力インタフェース1605にはドライブ1610も接続されている。磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ等のような取り外し可能な媒体1611は、必要に応じてドライブ1610に装着可能である。これにより、読み出されたコンピュータプログラムは必要に応じてメモリ部1608にインストールされる。
【0063】
ソフトウェアで上記一連の処理を実現する場合に、ネットワーク、例えばインターネット、又は記憶媒体、例えば取外し可能な媒体1611からソフトウェアを構成するプログラムをインストールすることができる。
【0064】
このような記憶媒体は、図16に示された、その中にプログラムが記憶されており、デバイスから離れて配布されてユーザにプログラムを提供する取り外し可能な媒体1611に限定されないことを、当業者は理解すべきである。取り外し可能な媒体1611として、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)・ディスクを含む)、光ディスク(コンパクトディスク・リードオンリーメモリ(CD−ROM)やディジタル多用途ディスク(DVD)を含む)、光磁気ディスク(ミニディスク(MD)(登録商標)を含む)、及び半導体メモリを含む。あるいは、記憶媒体は、ROM1602、メモリ部1608に含まれるハードディスクであって、プログラムが記憶されており、且つそれらを含むデバイスと一緒にユーザに配布されるハードディスクなどであっても良い。
【0065】
したがって、本発明は、マシンで読み取り可能な命令コードが記憶されたプログラム・プロダクトを提供する。上記命令コードは、マシンで読み取られて実行される際に、上記本発明の実施例による各種の方法を実行することができる。それに対して、このようなプログラム・プロダクトを搭載する、上述の各種記憶媒体も本発明の開示に含まれる。
【0066】
本発明による方法及び装置は、TDD−LTEシステムだけではなく、将来のLTEシステムに継承されるIMT−Advancedシステム、例えばTDD−LTE Advancedシステムなどにも適用することができる。
【0067】
以上の本発明の具体的な実施例に対する記述において、一種の実施形態に対して記述し、かつ/又は示した特徴は、同一又は類似の形態で一つ又は複数の他の実施形態で使用されたり、他の実施形態における特徴と組み合わせたり、あるいは他の実施形態における特徴で置き換えたりすることができる。
【0068】
強調すべき点は、「含む/有する」の語が、本文で使用される場合に、特徴、要素、ステップ、又は構成部分の存在を意味するが、一つ又は複数の他の特徴、要素、ステップ又は構成部分の存在又は付加を排除するわけではない。
【0069】
また、本発明の方法は、明細書に記述された時間順に従って実行されることに限られず、他の時間順に従って順番に実行されてもよく、並行して実行されてもよく、個別に実行されてもよい。従って、本明細書で記述された方法の実行順序は本発明の技術的範囲を制限しない。
【0070】
上記実施例を含む実施形態について、以下の付記をさらに記載する。
付記1.装置であって、
自動利得制御AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される補償ユニットと、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得するように配置される予備処理ユニットと、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニットと、
を備えることを特徴とする、TDD通信システムにおいて、自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置。
付記2.前記補償ユニットは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成するように配置される目標利得生成部と、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定するように配置される補償因子特定部と、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うように配置される補償実行部と、
を備えることを特徴とする付記1に記載の装置。
付記3. 前記目標利得生成部は、
【数59】
の式で前記所定予定目標利得を算出するように配置され、
ただし、N(N≧4)は前記更新された利得の数であり、i=nのときのG(n)は現在AGC利得を示し、
前記補償因子特定部は、前記所定目標利得と現在AGC利得との比の値、または前記所定目標利得と現在AGC利得との差の値により前記補償因子を特定するように配置され、
前記補償実行部は、前記ダウンサンプリングされた信号に、前記補償因子を乗算して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置されることを特徴とする付記2に記載の装置。
付記4. 前記予備処理ユニットは、
補償されたサンプル信号を、Wnorm(相応のノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号を取得するように配置される遅延部と、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される正規化因子算出部と、
正規化因子を利用して遅延された信号の相応サンプルポイントに対して正規化を行うように配置される正規化実行部と、を備えることを特徴とする付記1−3のいずれかに記載の装置。
付記5. 前記正規化因子算出部は、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントのノルムの値の平均値を利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置されることを特徴とする付記4に記載の装置。
付記6. 前記正規化実行部は、正規化因子に対して最上位ビット検出を行って最上位ビットの位置nを特定し、A×2nで正規化因子に対してビット近似を行い、遅延された信号の相応サンプルポイントに1/Aを乗算してからnビットシフト操作を行うように配置され、
前記Aは、1より大きいか、又は等しい定数であることを特徴とする付記4に記載の装置。
付記7. 更に、AGCユニットから出力された信号に対してローパスフィルタリングを行って、同期符号以外の周波数情報を除去するように配置されるフィルタ装置を備えることを特徴とする付記1−3のいずれかに記載の装置。
付記8. 前記TDD通信システムは、TDD−LTEシステムまたはTDD−LTE Advancedシステムであることを特徴とする付記1−3のいずれかに記載の装置。
付記9.自動利得制御AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変化後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得し、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含むことを特徴とする、TDD通信システムにおいて自動利得制御AGCユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法。
付記10.AGC利得変化を補償することは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成し、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定し、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うこと、を含むことを特徴とする付記9に記載の方法。
付記11.
【数60】
の式で前記所定目標利得を算出し、
ただし、N(N≧4)は前記更新された利得の数であり、i=nのときのG(n)は現在AGC利得を示し、前記所定目標利得と現在AGC利得との比の値、または前記所定目標利得と現在AGC利得との差の値により前記補償因子を特定し、前記ダウンサンプリングされた信号に、前記補償因子を乗算して幅の安定したサンプル信号を取得することを特徴とする付記10に記載の方法。
付記12.正規化を行うことは、補償された信号を、Wnorm(相応のノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号を取得し、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出し、正規化因子を利用して遅延された信号の相応サンプルポイントに対して正規化を行うことを含むことを特徴とする付記9−11のいずれかに記載の方法。
付記13.補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべての複数のサンプルポイントの平均ノルムの値を利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出することを特徴とする付記12に記載の方法。
付記14.相応のサンプルポイントを正規化することは、正規化因子に対して最上位ビット検出を行って最上位ビットの位置nを特定し、A×2nで正規化因子に対してビット近似を行い、遅延された信号の相応サンプルポイントに1/Aを乗算してからnビットシフト操作を行い、前記Aは、1より大きいか、又は等しい定数であることを特徴とする付記12に記載の方法。
付記15.AGC利得変化を補償する前に、AGCユニットから出力された信号に対してローパスフィルタリングを行って、同期符号以外の周波数情報を除去することをさらに含むことを特徴とする付記9−11のいずれかに記載の方法。
付記16.前記TDD通信システムは、TDD−LTEシステムまたはTDD−LTE Advancedシステムであることを特徴とする付記9−11のいずれかに記載の方法。
付記17.前記TDD通信システムにおける同期符号検出を実行する装置を備えることを特徴とする、付記1−8のいずれかに記載の端末装置。
付記18.命令コードは、機械で読取られて実行される際に、付記9−16のいずれかに記載のTDD通信システムにおいて同期符号検出を実行する方法を実行することができることを特徴とする、マシンで読み取り可能な命令コードが記憶されるプログラム・プロダクト。
付記19. 付記18に記載のプログラム・プロダクトを搭載することを特徴とする記憶媒体。
以上のように本発明は具体的な実施例を説明することにより開示したが、当業者は添付された請求項の趣旨と範囲内に本発明に対する様々な修正、改良、又は同等物を企図することができる。これら、修正、改良、又は同等物は本発明の保護範囲内に含まれるものと認められるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動利得制御を実行するAGC(Automatic Gain Control)ユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置であって、
前記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される補償ユニットと、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得するように配置される予備処理ユニットと、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニットと、
を備える装置。
【請求項2】
前記補償ユニットは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成するように配置される目標利得生成部と、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定するように配置される補償因子特定部と、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うように配置される補償実行部と、
を備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記目標利得生成部は、
【数61】
式で前記所定予定目標利得を算出するように配置され、
ただし、N(N≧4)は前記更新された利得の数であり、i=nのときのG(n)は現在AGC利得を示し、
前記補償因子特定部は、前記所定目標利得と現在AGC利得との比の値、または前記所定目標利得と現在AGC利得との差の値により前記補償因子を特定するように配置され、
前記補償実行部は、前記ダウンサンプリングされた信号に、前記補償因子を乗算して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記予備処理ユニットは、
補償されたサンプル信号を、Wnorm(相応のノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号を取得するように配置される遅延部と、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される正規化因子算出部と、
正規化因子を利用して遅延された信号の相応サンプルポイントに対して正規化を行うように配置される正規化実行部と、を備える請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記正規化因子算出部は、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントのノルムの値の平均値を利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記正規化実行部は、正規化因子に対して最上位ビット検出を行って最上位ビットの位置nを特定し、A×2nで正規化因子に対してビット近似を行い、遅延された信号の相応サンプルポイントに1/Aを乗算してからnビットシフト操作を行うように配置され、
前記Aは、1より大きいか、又は等しい定数である請求項4に記載の装置。
【請求項7】
更に、AGCユニットから出力された信号に対してローパスフィルタリングを行って、同期符号以外の周波数情報を除去するように配置されるフィルタ装置を備える請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
TDD−LTE(Time
Division Duplex-Long Term Evolution)システムまたはTDD−LTE Advanced(Time Division Duplex−Long Term Evolution
Advanced)システムに適用される請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
自動利得制御を実行するAGC(Automatic Gain Control)ユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法であって、
前記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変化後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得し、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含む方法。
【請求項10】
AGC利得変化を補償することは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成し、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定し、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うこと、を含む請求項9に記載の方法。
【請求項1】
自動利得制御を実行するAGC(Automatic Gain Control)ユニットから出力された信号から同期符号を検出する装置であって、
前記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいてAD変換後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される補償ユニットと、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得するように配置される予備処理ユニットと、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定するように配置される同期符号検出ユニットと、
を備える装置。
【請求項2】
前記補償ユニットは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成するように配置される目標利得生成部と、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定するように配置される補償因子特定部と、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うように配置される補償実行部と、
を備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記目標利得生成部は、
【数61】
式で前記所定予定目標利得を算出するように配置され、
ただし、N(N≧4)は前記更新された利得の数であり、i=nのときのG(n)は現在AGC利得を示し、
前記補償因子特定部は、前記所定目標利得と現在AGC利得との比の値、または前記所定目標利得と現在AGC利得との差の値により前記補償因子を特定するように配置され、
前記補償実行部は、前記ダウンサンプリングされた信号に、前記補償因子を乗算して幅の安定したサンプル信号を取得するように配置される請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記予備処理ユニットは、
補償されたサンプル信号を、Wnorm(相応のノーマライズウインドウ内のサンプルポイントの数)/2個のサンプルポイントの時間だけ遅延させて遅延信号を取得するように配置される遅延部と、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントのそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントを利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される正規化因子算出部と、
正規化因子を利用して遅延された信号の相応サンプルポイントに対して正規化を行うように配置される正規化実行部と、を備える請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記正規化因子算出部は、補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントのノルムの値の平均値を利用して当該サンプルポイントに対応する正規化因子を算出するように配置される請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記正規化実行部は、正規化因子に対して最上位ビット検出を行って最上位ビットの位置nを特定し、A×2nで正規化因子に対してビット近似を行い、遅延された信号の相応サンプルポイントに1/Aを乗算してからnビットシフト操作を行うように配置され、
前記Aは、1より大きいか、又は等しい定数である請求項4に記載の装置。
【請求項7】
更に、AGCユニットから出力された信号に対してローパスフィルタリングを行って、同期符号以外の周波数情報を除去するように配置されるフィルタ装置を備える請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
TDD−LTE(Time
Division Duplex-Long Term Evolution)システムまたはTDD−LTE Advanced(Time Division Duplex−Long Term Evolution
Advanced)システムに適用される請求項1−3のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
自動利得制御を実行するAGC(Automatic Gain Control)ユニットから出力された信号から同期符号を検出する方法であって、
前記AGCユニットから得られた現在AGC利得と所定目標利得との差異に基づいて、AD変化後のダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化を補償して幅の安定したサンプル信号を取得し、
補償されたサンプル信号のサンプルポイントそれぞれに対して、当該サンプルポイントを中心とする相応のノーマライズウインドウ内のすべてのサンプルポイントの統計値を利用して当該サンプルポイントを正規化して正規化された信号を取得し、
正規化された信号に対して同期符号検出を行って前記正規化された信号における同期符号の位置及びタイプを特定することを含む方法。
【請求項10】
AGC利得変化を補償することは、
前記AGCユニットの所定時間帯内に更新された利得を平均して前記所定目標利得を生成し、
現在AGC利得と前記所定目標利得との差異に基づいて補償因子を特定し、
前記補償因子を利用して前記ダウンサンプリングされた信号上のAGC利得変化に対して補償を行うこと、を含む請求項9に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2012−34368(P2012−34368A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167110(P2011−167110)
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月29日(2011.7.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
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