説明

同軸ケーブルの端末処理構造および端末処理方法

【課題】編組のほつれを防ぐ。簡素な構成で、端子を接続した際に安定した固着力を発揮できるようにする。
【解決手段】ケーブル端末部において外皮24が、周方向に沿って切り込まれることによって、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの二つの外皮に分割され、しかも、先端側の外皮が基端側の外皮から離間した位置に保持されることによって、先端側の外皮と基端側の外皮との間に、シールド端子30の編組加締部36が加締められる編組の露出部23Aが設けられると共に、先端側の外皮により編組23の先端が覆われており、編組の露出部に、シールド端子の編組加締部が加締められると共に、先端側の外皮と基端側の外皮とにそれぞれ、シールド端子の外皮加締部35、37が加締められている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同軸ケーブルの端末処理構造および端末処理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
アンテナ線などの高周波信号伝送に用いられる同軸ケーブルは、一般的に、中心導体としての芯線と、芯線の外周を覆う誘電体としての絶縁体と、誘電体の外周を覆う外部導体としての編組と、編組の外周を覆う外皮(絶縁シースともいう)と、を中心から外側に向けて順に備えている。このような構成の同軸ケーブルには、相手側の機器や同軸ケーブル等に接続するために、その端末部に同軸コネクタが設けられている。同軸コネクタは、編組を相手側同軸コネクタにアース接続して電磁波や静電気などの電気的ノイズを遮断するようにした同軸ケーブル用のシールド端子を有している。
【0003】
図4は、特許文献1に記載された同軸ケーブルの端末処理構造の例を示している。
同軸ケーブル20は、芯線21と、芯線21の外周を覆う絶縁体22と、絶縁体22の外周を覆う編組23と、編組23の外周を覆う外皮24と、を備えており、ケーブル端末部に先端側から順に、外皮24と編組23と絶縁体22とを除去して芯線21を露出させた芯線露出部と、外皮24と編組23とを除去して絶縁体22を露出させた絶縁体露出部と、外皮24を除去して編組23を露出させた編組露出部と、が形成されている。
【0004】
そして、芯線21の露出部に同軸コネクタ60の中心導体61が加締められ、編組23の露出部に同軸コネクタ60のシールド端子63の編組加締部66が加締められ、外皮24にシールド端子63の外皮加締部67が加締められている。なお、同軸コネクタ60の中心導体61とシールド端子63との間には絶縁体62が配されている。この場合、編組23は、外皮24の先端縁から露出しており、編組23の先端は、カットされたまま絶縁体22の先端より手前の位置にとどまっている。
【0005】
この同軸ケーブル20の端末処理は、次のように行っている。図5はその手順を示す。
まず、図5(A)に示すように、全体が外皮24に覆われた同軸ケーブル20を準備し、その端末部に皮むき処理を施す。即ち、外皮24、編組23、絶縁体22を所定寸法ずつ除去することにより、ケーブルの先端側から順に、芯線21、絶縁体22、編組23を露出させる。そして、編組23の露出部にシールド端子63の編組加締部66を加締め、外皮24にシールド端子63の外皮加締部67を加締め、これにより、端末処理構造を完成させている。
【0006】
また、別の同軸ケーブルの端末処理構造の例として、特許文献2に記載のものが知られている。図6を用いてその内容を説明する。
この端末処理構造では、次のように同軸ケーブル100を同軸コネクタ200に接続している。
【0007】
即ち、この端末処理構造では、同軸ケーブル100の端末部における外皮101の中間部分を周方向に皮むきし、先端側の外皮101Aを基端側の外皮101Bに引き寄せ、この引き寄せに伴って編組102を、先端側および基端側の外皮101A、101Bの端部間から該外皮101A、101Bの外径よりも外側へ環状に突出させて環状突出編組部102Aを形成し、この後、環状突出編組部102Aを先端側の外皮101Aに積層するように折り重ねることにより折曲編組部102Bを形成し、この折曲編組部102Bに、同軸コネクタ200のシールド端子201の編組加締部202を加締め接続すると共に、折曲編組部102Bの基端部に形成される端子引掛かり部102Cの近傍となる他方の外皮101Bに、シールド端子201の外皮加締部203を加締め固定している。なお、図中、符号103は芯線、104は絶縁体、204は圧着部、210は誘電体を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2010−49859号公報
【特許文献2】特開2009−54461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、図4および図5に示した特許文献1に記載の技術のように、編組23の先端(切断端)を外皮24の先端から露出したままにしている場合、シールド端子63の編組加締部66を編組23の露出部に加締めた状態でケーブルに引っ張り力が加わった際に、編組23が先端(図中Hで示す部分)からほつれる可能性があり、編組23がほつれることにより、同軸ケーブル20とシールド端子63の固着力が弱くなるという問題があった。
【0010】
また、図6に示した特許文献2に記載の技術のように、編組102の切断端(先端)を先端側の外皮101Aで覆った状態にした場合、編組102の切断端のほつれは防げるようになるが、環状突出編組部102Aを先端側の外皮101Aの上に被せて、その部分にシールド端子63の編組加締部202を加締めるので、加締部分の断面サイズが大きくなってしまい、占有スペースが大きくなるという問題がある。また、環状突出編組部102Aや折曲編組部102Bを形成する関係で、ケーブル端末部の構成が複雑になる上、端末処理作業の手間も多くかかるという問題もある。さらに、外皮101に編組102を被せた部分(折曲編組部102B)にシールド端子63の加締めを行うので、部材が何層にも重なった部分への加締めゆえに、加締部において編組23がずれやすくなり固着強度が落ちるという問題もある。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、編組のほつれを防ぐことができると共に、簡素な構成で、端子を接続した際に安定した固着力を発揮できる同軸ケーブルの端末処理構造および端末処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、本発明に係る同軸ケーブルの端末処理構造は、下記(1)〜(2)を特徴としている。
(1) 芯線と、前記芯線の外周を覆う絶縁体と、前記絶縁体の外周を覆う編組と、前記編組の外周を覆う外皮と、を備え、
ケーブル端末部において前記外皮が、周方向に沿って切り込まれることによって、先端側の外皮と基端側の外皮との二つの外皮に分割され、前記先端側の外皮が前記基端側の外皮から離間した位置に保持されることによって、前記先端側の外皮と前記基端側の外皮との間に、シールド端子の編組加締部が加締められる前記編組の露出部が設けられると共に、前記先端側の外皮により前記編組の先端が覆われていること。
(2) 上記(1)の構成の同軸ケーブルの端末処理構造において、
前記先端側の外皮と前記基端側の外皮との間に設けられた前記編組の露出部に、前記シールド端子の編組加締部が加締められると共に、前記先端側の外皮と基端側の外皮とにそれぞれ、前記シールド端子の前記編組加締部の両側に設けられた外皮加締部が加締められていること。
また、前述した目的を達成するために、本発明に係る同軸ケーブルの端末処理方法は、下記(3)を特徴としている。
(3) 芯線と、前記芯線の外周を覆う絶縁体と、前記絶縁体の外周を覆う編組と、前記編組の外周を覆う外皮と、を備えた同軸ケーブルの端末部に、先端側から順に、外皮と編組と絶縁体とを除去して芯線を露出させた芯線露出部と、外皮と編組とを除去して絶縁体を露出させた絶縁体露出部と、外皮を除去して編組を露出させた編組露出部とを形成する工程と、
該工程後、前記編組露出部に隣接する前記外皮の先端縁より基端側に所定寸法だけ間隔をおいた位置に、周方向に沿った切り込みを入れることで、前記外皮を、先端側の外皮と基端側の外皮との二つの外皮に分割する工程と、
該工程後、前記先端側の外皮を、ケーブル先端側にスライドさせて、前記基端側の外皮から離間した位置に保持することによって、前記先端側の外皮と前記基端側の外皮との間に、シールド端子の編組加締部が加締められる前記編組の露出部を確保すると共に、前記先端側の外皮により前記編組の先端を覆う工程と、
を有すること。
【0013】
上記(1)の構成の同軸ケーブルの端末処理構造によれば、編組の先端(切断端)を外皮の一部(先端側の外皮)で覆うので、編組の先端のほつれを防ぐことができ、編組がほつれて固着強度が落ちるのを防止することができる。また、外皮の上に編組を被せず、先端側の外皮と基端側の外皮との間に確保された編組の露出部にシールド端子の編組加締部を加締めるので、シールド端子の加締部分の断面サイズを小さくすることができ、占有スペースを小さくすることができる。また、先端側の外皮と基端側の外皮との間に編組を露出させるだけであるから、構成が簡単であり、端末処理作業の手間もかからない。さらに、外皮に被せない状態の編組(絶縁体の外周に密着した状態の編組)に直接シールド端子の編組加締部を加締めることができるので、加締部において編組がずれにくく、シールド端子との固着強度を高く維持することができる。
上記(2)の構成の同軸ケーブルの端末処理構造によれば、先端側の外皮と基端側の外皮との間に設けられた編組の露出部に、シールド端子の編組加締部が加締められると共に、先端側の外皮と基端側の外皮とに、それぞれシールド端子の編組加締部の両側に設けられた外皮加締部が加締められているので、編組のほつれを確実に防ぐことができると共に、同軸ケーブルとシールド端子の固着強度を高めることができる。
上記(3)の構成の同軸ケーブルの端末処理方法によれば、外皮の一部(先端側の外皮)を先端側にスライドさせることで、上記(1)の構成の端末処理構造を得るので、編組に弛みが生じないようにしながら、編組の先端を外皮の一部でほつれないように保護することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、編組の先端のほつれを防ぐことができ、編組がほつれて固着強度が落ちるのを防止することができる。また、シールド端子の加締部分の断面サイズを小さくすることができ、占有スペースを小さくすることができる。また、構成を簡単にすることができると共に、端末処理作業の手間を減らせる。さらに、シールド端子の加締部において編組がずれるのを防ぐことができ、シールド端子との固着強度を高く維持することができる。
【0015】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態の同軸ケーブルの端末処理構造を示す図で、シールド端子の加締め前の状態を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施形態の同軸ケーブルの端末処理構造を示す図で、シールド端子の加締め後の状態を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の同軸ケーブルの端末処理方法の工程説明図であって、図3(A)〜図3(D)はそれぞれ、その一工程を示す図である。
【図4】従来の同軸ケーブルの端末処理構造の一例を示す断面図である。
【図5】従来の同軸ケーブルの端末処理方法の一例を示す工程説明図であって、図5(A)〜図5(C)はそれぞれ、その一工程を示す図である。
【図6】従来の同軸ケーブルの端末処理構造の他の例を示す図であり、図6(A)は環状突出編組部の斜視図、図6(B)は折曲編組部の斜視図、図6(C)はシールド端子の加締め前の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は実施形態の同軸ケーブルの端末処理構造を示す図で、シールド端子の加締め前の状態を示す斜視図、図2は同シールド端子の加締め後の状態を示す斜視図、図3は同軸ケーブルの端末処理方法の工程説明図である。
【0018】
この同軸ケーブルの端末処理構造10は、同軸ケーブル20と、シールド端子30と、中心導体40と、シールド端子30と中心導体40との間に介在される誘電体33と、を備えている。
同軸ケーブル20は、芯線21と、芯線21の外周を覆う絶縁体22と、絶縁体22の外周を覆う編組23と、編組23の外周を覆う外皮24と、を備え、中心から外側に向かって、芯線21、絶縁体22、編組23、外皮24の順で配置されている。また、同軸ケーブル20の先端部分には、その先端部分において露出する芯線21に、ピン状の中心導体(インナー端子)40が取り付けられている。
【0019】
一方、シールド端子30は、端子本体31と、加締部32と、誘電体33と、を備えている。端子本体31は、導電材で略円筒状に形成されている。加締部32は、端子本体31の一端側(後部)に連設され、加締部32と端子本体31は、導電性を有する金属薄板をプレス加工することによって一体に形成されている。加締部32には、同軸ケーブル20の端末部に形成された編組の露出部23Aに加締められる編組加締部36と、その前後に位置し、同軸ケーブル20の端末部に形成された先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bにそれぞれ加締められる2つの外皮加締部35、37とが設けられている。各加締部35〜37は、同軸ケーブル20の周方向に巻き付くような短冊形状に形成されている。
【0020】
また、同軸ケーブル20の端末部における外皮24は、周方向に沿って切り込まれることによって、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの二つの外皮に分割されている。しかも、先端側の外皮24Aが基端側の外皮24Bから離間した位置に保持されることによって、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの間に、シールド端子30の編組加締部36(後述)が加締められる編組の露出部23Aが設けられると共に、先端側の外皮24Aにより編組23の先端が覆われている。
【0021】
このような端末処理は次の手順で行われている。
まず、図3(A)、図3(B)に示すように、同軸ケーブル20の端末部に、先端側から順に、外皮24と編組23と絶縁体22とを除去して芯線21を露出させた芯線露出部と、外皮24と編組23とを除去して絶縁体22を露出させた絶縁体露出部と、外皮24を除去して編組23を露出させた編組露出部とを形成する。例えば、外皮24や編組23や絶縁体22を適当寸法だけ剥離することにより、芯線21は寸法S1だけ露出させ、絶縁体22は寸法S2だけ露出させ、編組23は寸法S3だけ露出させる。
【0022】
次に、編組23の露出部に隣接する外皮24の先端縁より基端側に所定寸法S4だけ間隔をおいた位置に、周方向に沿った切り込みXを入れることで、外皮24を、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの二つの外皮に分割する。
【0023】
次に、図3(B)、図3(C)に示すように、先端側の外皮24Aを、ケーブル先端側に矢印Yのようにスライドさせて、基端側の外皮24Bから離間した位置に保持することによって、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの間に、シールド端子30の編組加締部36が加締められる寸法S5の幅の編組の露出部23Aを確保すると共に、先端側の外皮24Aにより編組23の先端を覆う。
【0024】
そして、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの間に設けられた編組の露出部23Aに、シールド端子30の編組加締部36が加締められると共に、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとにそれぞれ、シールド端子30の編組加締部36の両側に設けられた外皮加締部35、37が加締められることで、実施形態の同軸ケーブルの端末処理構造10が構成されている。
【0025】
この端末処理構造10によれば、編組23の先端(切断端)を外皮24の一部(先端側の外皮24A)で覆うので、編組23の先端のほつれを防ぐことができ、編組23がほつれて固着強度が落ちるのを防止することができる。また、外皮24の上に編組23を被せず、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの間に確保された編組の露出部23Aにシールド端子30の編組加締部36を加締めるので、シールド端子30の加締部分の断面サイズを小さくすることができ、占有スペースを小さくすることができる。
【0026】
また、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの間に編組23を露出させるだけであるから、構成が簡単であり、端末処理作業の手間もかからない。さらに、外皮24に被せない状態の編組(絶縁体の外周に密着した状態の編組)23に直接シールド端子30の編組加締部36を加締めることができるので、加締部において編組23がずれにくく、シールド端子30との固着強度を高く維持することができる。
【0027】
また、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの間に設けられた編組の露出部23Aに、シールド端子30の編組加締部36が加締められると共に、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとに、それぞれシールド端子30の編組加締部36の前後に設けられた外皮加締部35、37が加締められているので、同軸ケーブル20とシールド端子30の固着強度を一層高めることができる。
【0028】
また、外皮24の一部(先端側の外皮24A)を先端側にスライドさせることで、先端側の外皮24Aと基端側の外皮24Bとの間に編組の露出部23Aを確保するので、編組23に弛みが生じないようにしながら、編組23の先端を外皮24の一部でほつれないように保護することができる。
【0029】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【符号の説明】
【0030】
20 同軸ケーブル
21 芯線
22 絶縁体
23 編組
23A 編組の露出部
24 外皮
24A 先端側の外皮
24B 基端側の外皮
30 シールド端子
35,37 外皮加締部
36 編組加締部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯線と、前記芯線の外周を覆う絶縁体と、前記絶縁体の外周を覆う編組と、前記編組の外周を覆う外皮と、を備え、
ケーブル端末部において前記外皮が、周方向に沿って切り込まれることによって、先端側の外皮と基端側の外皮との二つの外皮に分割され、前記先端側の外皮が前記基端側の外皮から離間した位置に保持されることによって、前記先端側の外皮と前記基端側の外皮との間に、シールド端子の編組加締部が加締められる前記編組の露出部が設けられると共に、前記先端側の外皮により前記編組の先端が覆われていることを特徴とする同軸ケーブルの端末処理構造。
【請求項2】
前記先端側の外皮と前記基端側の外皮との間に設けられた前記編組の露出部に、前記シールド端子の編組加締部が加締められると共に、前記先端側の外皮と基端側の外皮とにそれぞれ、前記シールド端子の前記編組加締部の両側に設けられた外皮加締部が加締められていることを特徴とする請求項1に記載の同軸ケーブルの端末処理構造。
【請求項3】
芯線と、前記芯線の外周を覆う絶縁体と、前記絶縁体の外周を覆う編組と、前記編組の外周を覆う外皮と、を備えた同軸ケーブルの端末部に、先端側から順に、外皮と編組と絶縁体とを除去して芯線を露出させた芯線露出部と、外皮と編組とを除去して絶縁体を露出させた絶縁体露出部と、外皮を除去して編組を露出させた編組露出部とを形成する工程と、
該工程後、前記編組露出部に隣接する前記外皮の先端縁より基端側に所定寸法だけ間隔をおいた位置に、周方向に沿った切り込みを入れることで、前記外皮を、先端側の外皮と基端側の外皮との二つの外皮に分割する工程と、
該工程後、前記先端側の外皮を、ケーブル先端側にスライドさせて、前記基端側の外皮から離間した位置に保持することによって、前記先端側の外皮と前記基端側の外皮との間に、シールド端子の編組加締部が加締められる前記編組の露出部を確保すると共に、前記先端側の外皮により前記編組の先端を覆う工程と、
を有することを特徴とする同軸ケーブルの端末処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−182074(P2012−182074A)
【公開日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−45405(P2011−45405)
【出願日】平成23年3月2日(2011.3.2)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)