説明

同軸コネクタおよびその組立方法

2つの電気同軸部品を接続するために、外部が絶縁された同軸コネクタ(2)は、それぞれ同軸部品の少なくとも一部を受容し、互いに整合せず、互いに垂直な関係にあってもよい中央長手軸(16,22)を備える第一交差経路(18)および第二交差経路(20)を規定する絶縁体ハウジング(6)を含む。このコネクタは、さらに第一交差経路によって少なくとも部分的に収容された第一シールド部材(54)と第二交差経路によって少なくとも部分的に収容され、前記第二交差経路に対して移動することによって、前記第一シールド部材と係合可能である第二シールド部材(120)を含む。第一コア接続部材(44)と第二コア接続部材(110)との互いの係合は、プッシュ嵌合内部係合手段によってもよい

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに整合しない軸を備えた2つの電気的同軸部品を接続するための外部に絶縁された同軸コネクタ、特に、互いにほぼ直角である同軸部品を接続するためのコネクタに関する。
【0002】
直角同軸コネクタが本願で説明されるが、本発明は、90°以外の角度で交わる中央長手軸を有する非整合同軸部品を接続するためのコネクタにも適用できることが理解される。2つの同軸部品の接続に関しては、同軸プラグ、2つの同軸ケーブルの接続および2つの同軸プラグの接続に同軸ケーブルを接続することを含むことを意図される。
【背景技術】
【0003】
同軸コネクタは、一般的に2つの同軸部品のシールド部を相互接続する第一電気接続手段と2つの部品のコア部を接続する第二電気接続手段とを含む。部品のシールド部が接地電位であると、第一電気接続手段は、2つの同軸部品のシールド部を相互接続させ、コネクタの露出した外側の部分をほぼ構成する。しかしながら、部品のシールド部に電流が流れるので絶縁が必要となるアプリケーションがある。そのようなアプリケーションのためのコネクタは、一般的に絶縁体の外部ハウジングに備えられる。方向の90°変化を許容する1つの方法は、ハウジング内に同軸ケーブルの短い円弧長さを含むコネクタを与えることである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、同軸ケーブルの円弧長さの曲率の最小半径のために、コネクタの高さは望ましくないほど大きい。別の形態では、方向の90°変化を許容するコネクタ部品は、予め組み立てられ、2以上の部材からなるハウジング内に入れられてもよい。この配置の不利な点は、所望される以上の部材が必要とされることであり、汚物の侵入を防ぐためにハウジング部材が封止されることが必要となるという点がさらに問題となる。
本発明の第一の目的は、改善された同軸コネクタを提供することである。本発明の第二の目的は、改善された同軸コネクタの組み立て方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
それゆえに、本発明の第一側面によれば、2つの電気同軸部品を接続するために、外部が絶縁された同軸コネクタが提供される。このコネクタは、それぞれ同軸部品の少なくとも一部を受容し、互いに整合しない中央長手軸を備える第一交差経路および第二交差経路を規定する絶縁体ハウジングを含む。このコネクタは、さらに第一交差経路によって少なくとも部分的に収容された第一シールド部材と第二交差経路によって少なくとも部分的に収容された第二シールド部材を含む。第二シールド部材は第二交差経路に対して第二シールド部材の移動によって第一シールド部材と係合可能なコネクタを提供することによって、シールドの方向に変化を与えるための同軸ケーブルの円弧の長さに対する必要性がなくなり、それゆえにコネクタ高さを低くすることが可能となる。一部材のハウジングは、それゆえに、部材数を減少させ、1以上のハウジング連結部を封止することとすることができる。ハウジングは、好適にはより一体形成された一部材のハウジングであると好適である。
【0006】
以上で説明されるように、本発明は、特に中央長手軸が互いにほぼ垂直であるコネクタに関する。
好適には、シールド部材は、プッシュ嵌合内部係合手段を含む。これは、シールド部材と内部係合する特に迅速かつ容易な手段を提供する。しかしながら、他の内部係合手段の形態も可能である。第二シールド部材は、第一シールド部材と係合する第二経路の長手軸に沿って他の方向に移動してもよい。第二シールド部材は、例えば、第一シールド部材または絶縁体ハウジングと係合するように構成されてもよい。さらに可能なのは、第二シールド部材は、第二経路に沿って長手軸上に置換可能であり、1以上の固定具または固定手段が第一シールド部材および第二シールド部材を内部係合状態とするために設けられてもよい。
【0007】
便宜的に、プッシュ嵌合内部係合手段は、第二シールド部材が第一シールド部材に対して最終位置に一旦移動すると、内部係合を自動的に生じさせるための少なくとも1つの弾性戻り止めを含む。
【0008】
特に確実な内部係合手段は、低電気抵抗および高機械剛性を与えるために設計可能な手段が、プッシュ嵌合内部係合手段が他のシールド部材の複数の弾性ディテントによって係合される表面に内側に当接するシールド部材の1つにおいて、開口を含む。この配置は、コネクタが長い時間、振動が高い水準である状況において、特に効果的であるようにも示される。
【0009】
組み立てが容易で、小型化されたコネクタを提供するために、コネクタは、好適にはさらに経路の1つ内に少なくとも部分的に収容された第一コア接続部材および他の経路によって少なくとも部分的に収容された第二コア接続部材を含み、それぞれの経路に対して第二コア接続部材の移動により、第一コア接続部材と係合可能である。さらに好適には、コア接続部材は、プッシュ嵌合内部係合手段を含む。
【0010】
第一シールド部材は、好適には、覆いであり、絶縁体部材を備えた第一コア接続部材を収容する。そのような配置は、ハウジングの経路の1つの中に挿入するためのサブ組立体の組立を容易にする。サブ組立体は、ハウジング内に挿入する前に同軸ケーブルに容易に接続可能である。
【0011】
便宜的には、第二コア接続部材は、第一コア接続部材のクリアランス開口および絶縁体部材の開口を貫通する。
【0012】
部品の数を最小限に抑えるために、シールド部材および経路の1つに少なくとも部分的に収容されたコア接続部材は、ハウジングの絶縁壁構成部によって電気的に互いから絶縁される。
【0013】
コネクタは、2つの同軸部品を構成する同軸ケーブルおよび同軸プラグに接続するように構成されてもよい。
【0014】
コネクタは、好適には、同軸ケーブルの外部層を噛むように配置され、ハウジングの外側のケーブルに付勢することによって、外部層により深く付勢されるよう構成された少なくとも1つのバルブを含むストレインリリーフ部材を含む。
そのようなストレインリリーフ部材は、同軸ケーブルの導電体部品と連結されたコネクタとの間に接続される過度な張力を防止するために、特に効果的であることが見出された。バルブは、導入端を規定する複数の面の間に鋭角を有する導入端を備える。バルブは、好適には、ケーブルがハウジングの外方に付勢されるように引かれる方向に向かう導入面を備え、面がケーブルの中央長手軸と垂直な鋭角で配置される。
【0015】
本発明の第二側面によれば、2つの電気同軸部品を接続するために外部が絶縁された同軸コネクタを組み立てる方法が提供できる。その方法は、(a)互いに非整合な中央長手軸を備える第一交差経路および第二交差経路を規定する絶縁体ハウジングを備える段階と、(b)前記第一交差経路内に少なくとも部分的に第一シールド部材を挿入する段階と、(c)前記第一シールド部材と係合し、電気接続するように、前記第二交差経路内に少なくとも部分的に第二シールド部材を挿入する段階と、を含む。
【0016】
好適な方法は、絶縁体部材を備えた前記第一シールド部材内に少なくとも部分的に第一コア接続部材を配置する段階をさらに含む。さらに好適な方法は、前記第一コア接続部材と係合しかつ電気的に接続するように前記第二経路内に少なくとも部分的に第二コア接続部材を挿入する段階をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、本発明の第一実施形態のプラグコネクタを含むコネクタの分解斜視図である。
【図2】図2は、図1に示されるコネクタの2つのケーブルサブ組立体のうちの1つの分解図である。
【図3】図3は、図5に示される本発明の第一実施形態のコネクタの線A−Aで切断される断面図およびコネクタ内へ挿入のために配置された状態での相補プラグ(図5に示さない)の半断面図である。
【図4】図4は、コネクタハウジングに据え付けられた丁度2つの内部係合シールド部材を備えたコネクタハウジングの部分断面斜視図である。
【図5】図5は、コネクタに接続される同軸ケーブルの2つのショート部を備ええた本発明のコネクタの斜視図である。
【図6】図6は、ストレインリリーフ部材を示し、図3のBで示された領域の拡大図である。
【図7】図7は、図6に示されるストレインリリーフ部材の斜視図である。
【図8】図8は、本発明の第二実施形態のヘッダコネクタを含むコネクタの斜視図である。
【図9】図9は、図8のコネクタを反対側から見た斜視図である。
【図10】図10は、図9に示されるコネクタのハウジング部分のみを線C−Cで切断した断面図である。
【図11】図11は、図8に示されるコネクタの分解斜視図である。
【図12】図12は、図11に示されるコネクタの2つのケーブル接続組立体のうちの1つの組み立てられた状態での斜視図である。
【図13】図13は、図8に示されるコネクタの線C−Cで切断した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、以下において、添付図面を参照して例示的に開示される。
【0019】
本発明の第一実施形態は、図1から図7までに示され、2つの同軸ケーブル4に接続するための二連90°プラグコネクタの形態とされる。コネクタ2は、同軸ケーブル4の一端に接続されるように各々が構成された2つのケーブルサブ組立体8を受容するように構成された第一部10、およびコネクタ2と係合可能な位置として、図3に示される部分断面図で示される相補ダブルヘッダ14と係合するように構成された第二部12を備える絶縁体ハウジング6を含む。ヘッダ14は、支持面で開口を通じて突出して実装するように構成され、2つの同軸ケーブルをヘッダの片側に接続されるようにコネクタ2に接続させる。
【0020】
実施形態は、特に二連コネクタについてであるが、本発明は、単一のコネクタや、3以上の同軸ケーブルに接続するためのコネクタなどに等しく適用できる。説明の容易性のために、片側だけのコネクタ2およびヘッダ14に連結された部品が開示される。もう一方の側のコネクタ2およびヘッダ14に連結された部品は、片側と鏡像関係にあり、複数の図面において同じ符号が付される。
【0021】
ハウジングの第一部10は、中央長手軸16を備えるケーブル受容経路18を構成する第一経路を含む。ハウジングの第二部12は、図3に示される相補ヘッダ14を受容するように構成されたヘッダ受容経路20を構成する第二経路12を含む。ヘッダ14は、コネクタ2に接続されるように構成されたヘッダ係合部24を含む。ハウジングの第二部12は、ヘッダ係合部24と係合するように構成され、中央長手軸22を備えるコネクタ係合部26を含む。コネクタ係合部26の中央長手軸22は、ケーブル受容経路18の中央長手軸16と垂直に交差する。
【0022】
ケーブルサブ組立体8を構成する部品は、特に図2および図3に詳細に示される。コネクタ2に接続されるケーブルは、内部絶縁層32によって取り囲まれた最内部導電体コア30を含む。最内部導電体コア30は外部絶縁層36によって取り囲まれたシールド編組層34によって取り囲まれている。ケーブル4が一定長さに一旦切断されると、シールリテーナ72、ストレインリリーフ68およびケーブルシール70が、順番にケーブルの端部上をスライドする。これら部品の機能については後述する。
【0023】
ケーブル副組立体8に接続するケーブル4を準備するために、最初に、外部絶縁層36、シールド編組層34、内部絶縁層32は、コア端38を露出させるようにストリップされる。次に、シールド編組層34は、図2に示されるように、円環編組接続部40内へ形成される。導電性材料の円環圧着スペーサ42は、内部絶縁層32の端部を覆うように円環編組接続部40と密着する。次に、コア端38は、第一コア接続部材内の経路46内へスライドする。第一コア接続部材は、コア端38がスライドする側とは反対側の端部近くの接続開口48を備える圧着端子44の形態である。圧着端子44は、銅合金など任意の適当な導電性材料から形成される。コア端38への圧着端子44の接続は、圧着端子44の内部圧着によって効果的にされる。絶縁体スリーブ50の形態の絶縁体部材は、圧着端子44を覆うようにスライドし、圧着端子44を取り囲み、円環圧着スペーサ42と当接する。絶縁体スリーブ50は、圧着端子44の接続開口48と内部で整合するクリアランス開口52を備える。絶縁体スリーブ50の外郭は、長手軸方向に配置され、半径方向に延伸するスペーサリブ51を備えている。
【0024】
ケーブルサブ組立体8の最終部品は、圧着シールド54の形態の第一シールド部材であり、銅合金などの任意の適切な導電性材料によって形成され、深絞りやキャスティングなどによって形成されてもよい。圧着シールド54は、絶縁体スリーブ50を受容するように構成された内部56と、絶縁体スリーブ50のクリアランス開口52および圧着端子44の接続開口48と一致するように構成された貫通した係合開口58を備える。係合開口58は、好適には、打ち抜きによって形成される。圧着シールド54への絶縁体スリーブ50の挿入は、圧着シールド54の相補第二当接面62と当接する絶縁体スリーブ50の第一当接面60によって制限される。圧着シールド54、絶縁体スリーブ50および圧着端子44は、開口58,52および48の軸が互いに全て整合することを確実にする形状である。図2に示される実施形態において、そのような整合は、互いに内部係合する相補的D字形状の横断面である部品によってなされる。しかし、正確な整合性を得るための他の形状としては、相補的なリブや溝などを挙げることができる。圧着シールド54の近接端64は、圧着スペーサ42を覆う編組接続部40を覆うように絶縁体スリーブ50の近接端66を超えて延伸し、編組接続部40と内部係合するように圧着する。
【0025】
次に、上述されたケーブルサブ組立体8は、ハウジング6のケーブル受容経路18内に挿入される。圧着シールド4および経路18は、一旦互いに係合すると、圧着シールド54、絶縁体スリーブ50および圧着端子44のそれぞれの開口58,52および48の中央軸が関連したヘッダ受容経路20の軸と少なくともほぼ整合することを確実にする相補的な形状を有する。図1から図5までに示される実施形態において、圧着シールド54の絶縁体スリーブ50と接続される側とは反対側の端部の外面74および経路18の相補的内面は、相補的にD字の形状の断面である。
【0026】
次に、ケーブルシール70は、経路18内にケーブル4に沿ってスライドする。ストレインリリーフ68は、半径方向に貫通したスロット82および外部に突出した円環フランジ80を備えたリングの形態である。ストレインリリーフ68の周囲に所定間隔で設けられた複数の各開口は、外面上の肩部86を備えた可撓性を有する梁78を含む。梁78は、内部がa°の鋭角となる内面導入端88と、ストレインリリーフ68の中央長手軸92と垂直なb°の鋭角で傾斜した導入面90を備える。ストレインリリーフ68は、フランジ80がケーブルシール70と接触するまで、ケーブル4に沿ってスライドする。次に、シールリテーナ72は、ストレインリリーフ68と係合するまでケーブルに沿ってスライドする。さらに、シールリテーナ72がハウジング6へ向かって付勢されると、シールリテーナ72は、第一に、ストレインリリーフ68をケーブルシール70を押圧するように動かし、第二に、ストレインリリーフ68の梁78を、導入端88がケーブル4の外部絶縁層36と噛み合うように付勢する。最終的には、シールリテーナ72上の2つのリテーナラッチ94は、ハウジング6上の相補ラッチ肩部96と係合し、ハウジング6のケーブル受容経路18を所定位置に確実に保持する。
【0027】
各梁78の導入端88の鋭角a°は、45°から75°の範囲であることが好適であり、さらに好適には、ほぼ60°である。ストレインリリーフ68の中央長手軸92に垂直な各梁78の導入面90の角度b°は、10°から20°の範囲であることが好適であり、さらに好適には、ほぼ15°である。ストレインリリーフ68は、ケーブル4をハウジング6の外方へ強制する張力(ストレイン)がケーブル4の外部絶縁層36により確実に付勢される梁78の導入端88にかかる場合に、特に効果的である。ストレインリリーフは、本明細書で言及された他の特徴の別の独立した発明を構成してもよい。
【0028】
ハウジング6の第二部12内において、コネクタ係合部26を構成する部品は、特に図1,図3および図4に詳細に示される。
【0029】
ハウジング6の第二部12の第二経路20は、内部経路98および外部経路100内に一体的な円環状の絶縁壁102によって区画される。他の場合、絶縁壁102は、絶縁体ハウジングに押圧されるか、または、固定される別部材であってもよい。絶縁壁102の内部端は、絶縁壁102の外面と半径方向に整合する4つのアーチ状スロット106を含む区画壁104によって一体形成され、支持されている。絶縁壁102の内部端は、アーチ状スロット106間に位置する狭い橋部108によって、区画壁104と接続する。円環状の停止壁130は、絶縁壁102の近接部に近接してアーチ状スロット106の外方へ区画壁104から延伸する。ハウジングの第二部12の外壁から内部へ所定間隔とされた楕円形状のヘッダシール103が備えられる。ヘッダシール103は、両方の停止壁130の外側に配置される。
【0030】
圧着端子44との電気的接続は、コアコンタクト110の形態とされる第二コア接続部材によってなされる。コアコンタクト110は、圧着端子44内で接続開口48と係合するように構成される末端112を含む。コアコンタクト110は、さらに中間導入部114を含む。導入部114は、絶縁壁102と係合するためのカム表面を含む。コアコンタクト110は、ヘッダ受容経路20の中央軸22(すなわち圧着端子44の接続開口48の中央軸)に対してコアコンタクト110をセンタリングするように内部経路98内へ挿入される。圧着端子44の接続開口48とコアコンタクト110の末端112との係合前に、コアコンタクト110の外面116は、上述した整合を維持するために、絶縁壁102の内面118との接触により、スライドされ、ガイドされる。末端112は、圧入によって接続開口48と係合する。末端112および接続開口48は、内部係合可能なねじ接続を具備してもよく、すなわち、ねじ締結具がコアコンタクト110内の貫通孔を貫通し、圧着端子44内のねじ接続孔と係合してもよい。これら係合手段は、係合部分を目視することなく、作業者はこれら部品同士を係合可能であり、いわゆるコアコンタクト110と圧着端子44との盲目的係合を可能にする。コアコンタクト110は、長手軸方向へのスライドまたはねじ運動の少なくとも一方によって、単にヘッダ受容経路20に対して移動する。このようにして、コアコンタクト110は、圧着端子44と係合するヘッダ受容経路20内にすなわち沿って移動する。
【0031】
圧着シールド54との電気接続は、銅合金などの適切な導電性材料から形成可能なシールドコンタクト120の形態の第二シールド部材によってなされる。シールドコンタクト120は、複数のスロット122を備える環状のボディを含む。スロット122は、導入端124からボディに沿って途中まで延伸する。各スロットを形成するために切り出された材料の一部は、タブ126を形成するために外方に曲げられる。スロット122間のボディの複数の導入端部は、弾性戻り止めを形成するように外方に曲げられる。シールドコンタクト122は、シールドコンタクト122をヘッダ受容経路20内へ挿入することによって、ハウジング6内に据え付けられ、シールドコンタクト122のボディが絶縁壁102を取り囲む。シールドコンタクト122の挿入が進むにつれ、シールドコンタクト122の導入端124は、弾性戻り止め128が区画壁104に接触するまで、絶縁壁102と停止壁130との間の間隙を通過する。シールドコンタクト122は、区画壁104で回転し、アーチ状スロット106と整合する。シールドコンタクト122のヘッダ受容経路20内へのさらなる移動は、アーチ状スロット106を通過する弾性戻り止め128による。圧着シールド54の係合開口58は、ヘッダ受容経路20の中央軸22と整合し、区画壁104に隣接して配置される。結果として、複数の弾性戻り止め128がアーチ状スロット106から現れると、弾性戻り止めは係合開口58の内方の当接面と係合することによって、内方へ偏向させられる。シールドコンタクト120の挿入が、タブ126が停止壁130と接触するようになるまで継続されると、弾性戻り止め128は、外方へ跳ね返り、圧着シールド54の内面に係合する。
【0032】
上述の過程は、第二コアコンタクト110と第二シールドコンタクト120を備える第二経路18内に第二ケーブルサブ組立体8を係合する場合でも同様に用いられる。
【0033】
相補的なヘッダコネクタ14を備え、組み立てられたコネクタ2の係合は、ヘッダコネクタ14の半分の断面図として示される図3を参照して簡潔に説明される。
【0034】
相補的なヘッダは、ヘッダが突出する支持面に接続するための外方へ突出したフランジ136を備えた外部ヘッダハウジング134を含む。実装用シール部138は、支持面との係合を封止するために、ハウジング134を取り囲む。図3に示されない側のものを含めて、2つのヘッダ係合部24が、ハウジング134の内側にある。各ヘッダ係合部24は、内方に突出する複数のヘッダスプリングコンタクト143を備える環状ヘッダシールド140を含む。ヘッダ絶縁体144によってヘッダシールド140から絶縁されるヘッダコア142は、ハウジング134に対して中央に配置される。ヘッダシールド140およびコア142は、銅合金などの任意の適切な導電性材料から形成される。ハウジング134は、ほぼ楕円形であり、プラグコネクタ2のハウジング6の第二部12と対応する形状であり、上述のように2つのヘッダ係合部24を含む。
【0035】
プラグコネクタ2がヘッダ14と係合すると、プラグハウジング6の第二部12は、ヘッダハウジング134を取り囲むように配置され、プラグコネクタ2がヘッダ14と完全に係合するまで押される。この状態になると、ヘッダハウジング134の導入端146は、プラグコネクタ2のヘッダシール部103および内面118間の間隙に入り、プラグコネクタ2とヘッダ14間の接続を封止する。ヘッダシールド140の複数のスプリングコンタクト143は、プラグコネクタ2のシールドコンタクト120と電気的に接触する。ヘッダコア142は、コアコンタクト110内の経路148に入り、電気的に接触する。
【0036】
本発明の第二の実施形態について、図8から図13を参照して以下説明される。第二の実施形態は、支持面の開口に実装するためのヘッダコネクタを含み、2つの同軸デバイスがいくつかの手段によって接続される。
【0037】
図8は、本発明の第二の実施形態のヘッダコネクタ200の斜視図である。第一の実施形態で説明したように、片側のコネクタのみが説明されるが、ヘッダコネクタは中央平面軸について対称的であり、さらに2つの同軸部品に2つの同軸部品を接続するように構成されることが理解されるべきである。ヘッダコネクタ200は、第一中央長手軸208を備える第一部204と、第一軸208と垂直に交差する第二中央長手軸210を備える第二部206を備える外部絶縁体ハウジング202を含む。
【0038】
ハウジングの第一部204内の第一経路212は、一端付近に接続開口220を備える端子218の形態のコア接続部材を含むケーブル接続組立体216を収容する。端子218は、一端付近にクリアランス開口226を備える絶縁体スリーブ224内の経路222内に配置される。絶縁体スリーブ224は、一端付近に係合開口232を備えるシールド部材230内の経路228内に配置される。端子218、絶縁体スリーブ224およびシールド部材230は、端子218、絶縁体スリーブ224およびシールド部材230が互いに完全に係合する際に、開口220,226および232が少なくとも互いにほぼ整合する内部係合形態となる。シールド部材230および絶縁体スリーブ224は、ほぼ正方形の断面形状である。接続開口220を含む端子218の端部234は、絶縁体スリーブ224内の経路222の対応するD字形状端236に対応するD字形状の断面を備える。他の整合する形態を用いてもよい。複数のシールド舌部238は、外部端部に近接したシールド部材230から外方に突出する。シールド部材230および端子218は、銅合金などの適切な導電性材料から形成される。ケーブル接続組立体216は、シールド部材230の正方形の断面と相補的な正方形断面を備えるハウジングの第一部204内の第一経路212内に配置される。シールド部材230および第一経路212および第一経路212の端部250を備えたシールド部材230の端面248の当接の相補的形態は、開口220,226および232がハウジングの第二部206内の第二経路214の第二軸210と少なくともほぼ整合することを確実にする。
【0039】
ケーブル接続組立体216は、外部端部に近接したシールド部材230から外方に突出するシールド舌部238と接続された同軸部品のシールドを備える同軸部品と接続可能であり、締結具を受容するためのねじ溝とすることも可能である端子218の外部端部内で開口270に接続される同軸部品のコアと接続可能である。
【0040】
ヘッダコネクタ200を支持面に固定するための締結具を受容するために配置された軸受け筒246を備える孔244を含むフランジ240は、ハウジングの第一部204から外方へ突出する。カラー242は、フランジ240から離れるように延伸する。シール252は、カラー242内に配置される。
【0041】
ハウジングの第二部206内の第二経路214は、第二軸210が中央軸となるようにされ、同じく第二軸210が中央軸となるようにされる孔256が貫通する区画壁254によって第一経路212から区画される。シールドコンタクト258の形態の第二シールド部材は、区画壁254内の孔256を貫通して突出し、圧入などによってシールド部材230の係合開口232と係合する導入端260を備え、第二経路214内に配置される。このヘッダコネクタ200の生産的機能によって、シールドコンタクト258は、第二経路214内へ押圧されることによってシールド部材232と単に盲目的に係合することが可能になる。シールド部材230を備えたシールドコンタクト258の他の内部係合手段を、第一の実施形態で述べたように用いることも可能である。複数のスプリングコンタクト262は、据え付けられない相補プラグのシールド部材と係合するためにシールドコンタクト258上に備えられる。
【0042】
絶縁体カラー268は、シールドコンタクト258の導入端260の内側に配置され、導入端260の後端から延伸し、絶縁体スリーブ224のクリアランス開口226内に圧入される。コアコンタクト264の形態のコア接続部材の末端266は、絶縁体カラー268を貫通し、端子218の接続開口220と電気的に圧入によって係合する。そのような係合は、ハウジング202の第二経路214内へ単に押圧されるので、コアコンタクト264が端子218と盲目的に嵌合することを可能にする。コアコンタクト264の末端266と接続開口218間の他の係合手段も可能であり、例えば、内部係合するねじ係合手段やねじ締結具によって接続されてもよい。コアコンタクト264は、部品間の盲目的嵌合を可能にするために、第二経路214に沿って、および/または、第二経路214内にコアコンタクト264を移動させることによって、端子218と接触させることが重要となる。
【0043】
本発明の上述した実施形態は、小型で一体化されたハウジングを備える外部から絶縁された90°同軸コネクタを提供する。コネクタの作業者は、複数部分のハウジングおよび関連した付加的なシール部材の必要性を避けるハウジングの経路に沿って、および/または、ハウジングの経路内にコアおよびシールド部材の移動をすることが可能となる。一実施形態に示された特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。実施形態の変更は、請求項に記載される本発明の技術的範囲から逸脱することなくなすことが可能である。
【符号の説明】
【0044】
2・・・同軸コネクタ
16,22・・・中央長手軸
18,20・・・交差経路
44,110・・・コア接続部材
54・・・第一シールド部材
120・・・第二シールド部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの電気同軸部品間を接続するための外部絶縁された同軸コネクタであって、
前記コネクタは、前記同軸部品の少なくとも一部に受容し、互いに整合しない中央長手軸を備えるための第一交差経路および第二交差経路を規定する絶縁体ハウジングを含み、
前記コネクタは、さらに、前記第一経路によって少なくとも部分的に収容される第一シールド部材および前記第二経路によって少なくとも部分的に収容される第二シールド部材を含み、
前記第二シールド部材は、前記第二経路に対して前記第二シールド部材が移動することによって、前記第一シールド部材と係合可能であることを特徴とする同軸コネクタ。
【請求項2】
前記中央長手軸は、互いにほぼ垂直であることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記シールド部材は、プッシュ嵌合内部係合手段を含むことを特徴とする請求項1または2記載のコネクタ。
【請求項4】
前記プッシュ嵌合内部係合手段は、少なくとも1つの弾性戻り止めを含むことを特徴とする請求項3記載のコネクタ。
【請求項5】
前記プッシュ嵌合内部係合手段は、前記シールド部材の1つに開口を含み、
前記開口の内方当接面は、もう一方のシールド部材の複数の弾性戻り止めによって係合されることを特徴とする請求項4記載のコネクタ。
【請求項6】
前記経路の一方内に少なくとも部分的に収容された第一コア接続部材と、
前記もう一方の経路によって少なくとも部分的に収容された第二コア接続部材と、を含み、
前記第二コア接続部材は、各経路に対して前記第二コア接続部材の移動によって、前記第一コア接続部材が係合可能であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項7】
前記コア接続部材は、プッシュ嵌合内部係合手段を含むことを特徴とする請求項6記載のコネクタ。
【請求項8】
前記第一シールド部材は、覆いであり、絶縁体部材を備えた前記第一コア接続部材を収容することを特徴とする請求項6または7記載のコネクタ。
【請求項9】
前記第二コア接続部材は、前記第一シールド部材内のクリアランス開口および前記絶縁体部材内の開口を貫通することを特徴とする請求項8記載のコネクタ。
【請求項10】
前記経路の1つによって少なくとも部分的に収容される前記シールド部材および前記コア接続部材は、互いに電気的に絶縁されていることを特徴とする請求項6記載のコネクタ。
【請求項11】
前記2つの同軸部品を構成する同軸ケーブルおよび同軸プラグに接続するように構成されたことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項12】
同軸ケーブルの外部層に噛み合うように配置され、前記ケーブルを前記ハウジングの外方へ強制するために、前記外部層内へ深く強制される少なくとも1つの逆刺を含むストレインリリーフ部材を含むことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項13】
前記ハウジングは、一部材のハウジングであることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項記載のコネクタ。
【請求項14】
2つの電気同軸部品を接続するための外部絶縁同軸コネクタの組立方法であって、
互いに整合しない中央長手軸を備える第一交差経路および第二交差経路を規定する絶縁体ハウジングを与える段階(a)と、
前記第一シールド部材を前記第一交差経路内に少なくとも部分的に挿入する段階(b)と、
前記第二シールド部材を前記第二交差経路内に少なくとも部分的に挿入し、前記第一シールド部材と係合して電気的に接続する段階(c)と、を含む組立方法。
【請求項15】
さらに、前記絶縁体部材を備えた前記第一シールド部材内に、少なくとも部分的に前記第一コア接続部材を配置する段階を含むことを特徴とする請求項14記載の組立方法。
【請求項16】
さらに、前記第二交差経路内に少なくとも部分的に第二コア接続部材を挿入し、前記第一コア接続部材と係合し、電気的に接続する段階を含むことを特徴とする請求項15記載の組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公表番号】特表2012−522347(P2012−522347A)
【公表日】平成24年9月20日(2012.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−502780(P2012−502780)
【出願日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際出願番号】PCT/GB2010/050506
【国際公開番号】WO2010/112898
【国際公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【出願人】(502165089)タイコ エレクトロニクス ユーケー リミテッド (15)
【Fターム(参考)】