説明

吐出器

【課題】吐出器におけるストッパ部材の強度の低下を抑えつつ、軽量化を図る。
【解決手段】押下ヘッド2の外筒部23と装着キャップ30の天壁部32との間(中間部分)に取り付けられるストッパ部材70が、径方向に開口する側方開口部71を有し、上面視C字状に形成されると共に、前記中間部分に着脱自在に取り付けられる本体筒部72を有し、この本体筒部72に、該本体筒部72の周方向に間隔を空けて複数配設されるとともに上下方向に沿って延在する縦リブ74と、該本体筒部72の周方向に沿って延在する横リブ75と、が一体に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吐出器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば販売前の流通、保管時または販売陳列時において他人により意図的にまたは不意に加えられた外力によって内容物が吐出されることを防止するために、ストッパ部材を備える吐出器が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この吐出器は、内容物を収容した容器の口部に装着され、天壁部を有する有頂筒状の装着キャップと、装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有するポンプ(吐出機構)と、ステムの上端に装着されると共に吐出口が形成され、下方に向けて延設された筒体部を有する押下ヘッドと、を有する吐出器本体を備え、筒体部の下端縁と上記天壁部との間に位置する中間部分に、ストッパ部材が装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−240638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような従来の吐出器では、ストッパ部材について強度の低下を抑えつつ、軽量化を図ることに改善の余地があった。
【0005】
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、ストッパ部材の強度の低下を抑えつつ、軽量化を図ることのできる吐出器の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題の解決手段として、本発明は、内容物を収容した容器の口部に装着され、天壁部を有する有頂筒状の装着キャップと、前記装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有する吐出機構と、前記ステムの上端に装着されると共に吐出口が形成され、下方に向けて延設された筒体部を有する押下ヘッドと、を有する吐出器本体を、備える吐出器であって、前記吐出器本体のうち、前記筒体部の下端縁と前記天壁部との間に位置する中間部分には、上端縁が前記筒体部の下端縁に該筒体部の下側から近接または当接すると共に下端縁が前記天壁部上に位置するストッパ部材が装着され、前記ストッパ部材が、径方向に開口する側方開口部を有し、上面視C字状に形成されると共に前記中間部分に着脱自在に取り付けられる本体筒部を有し、該本体筒部には、当該本体筒部の周方向に間隔を空けて複数配設されるとともに上下方向に沿って延在する縦リブと、当該本体筒部の周方向に沿って延在する横リブと、が一体に形成されていることを特徴とする吐出器を提供する。
【0007】
この吐出器では、ストッパ部材の本体筒部に、複数の縦リブと横リブとが一体に形成されているので、本体筒部の強度が確保され、本体筒部を薄肉に形成した場合にあってもストッパ部材の強度を確保することできる。これにより、ストッパ部材の強度の低下を抑えつつ、軽量化を図ることができる。なお、本体筒部の周方向に沿って延在する横リブが形成されることで、本体筒部の拡径および縮径への変形が有効に抑制される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ストッパ部材の強度の低下を抑えつつ、軽量化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る吐出器を構成するポンプ、押下ヘッド及びストッパ部材の断面図である。
【図2】上記ストッパ部材の上面図である。
【図3】図2のX−X線に沿う断面図である。
【図4】上記ストッパ部材の変形例に係るストッパ部材の上面図である。
【図5】図4のY−Y線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
図1には、本発明に係る吐出器を構成するポンプ1及び押下ヘッド2が示されている。図中Oは、ポンプ1および押下ヘッド2が装着される図示しない容器の容器軸線を示し、以下では、容器軸線Oに沿って押下ヘッド2側を上側、ポンプ1側を下側という。また、容器軸線Oに直交する方向を径方向、容器軸線Oの周回方向を周方向という。
【0011】
ポンプ1は、上記容器の口部に上方付勢状態で下方移動可能に立設されたステム10を有し、押下ヘッド2は、ステム10の上端部に配設されノズル孔21を有している。
ポンプ1には、ステム10が上下動自在に挿入(貫設)される挿通孔31を備えるとともに容器の口部に装着される装着キャップ30と、押下ヘッド2およびステム10に連係した空気用ピストン40が内部に上下摺動自在に収容された空気用シリンダ15と、押下ヘッド2およびステム10に連係した液用ピストン50が内部に上下摺動自在に収容された液用シリンダ16と、空気用シリンダ15からの空気と液用シリンダ16からの液体とが合流する気液混合室3と、この気液混合室3とノズル孔21との間に配設され、気液混合室3で混合された気液混合体を発泡する発泡部材60と、が備えられている。ここで、本実施形態では、ポンプ1が本発明でいう吐出機構に対応し、装着キャップ30を含むポンプ1と、押下ヘッド2とが、本発明でいう吐出器本体Bに対応する。また、ノズル孔21は、本発明でいう吐出口に対応する。
【0012】
図示の例では、装着キャップ30は有頂筒状であって、挿通孔31が形成された天壁部32と、天壁部32の外周縁から下方に向けて延設された装着周壁部33と、天壁部32において挿通孔31の外周縁部(天壁部32の内周縁)から上方に向けて延設されたガイド筒部34と、を備えており、装着周壁部33の内周面には容器の口部に螺着するためのネジ部35が形成されている。
【0013】
液用シリンダ16および空気用シリンダ15はそれぞれ円筒状をなしており、本実施形態では液用シリンダ16と空気用シリンダ15とが一体に形成され、空気用シリンダ15の上端開口部における外周面が、装着キャップ30の装着周壁部33および天壁部32の内面に密着させられている。空気用シリンダ15は、有底筒状に形成され、その底面に筒状の液用シリンダ16が、その内部と空気用シリンダ15の内部とが連通した状態で連結された構成とされている。つまり、大径の空気用シリンダ15の下側に小径の液用シリンダ16が連設されている。
【0014】
ノズル孔21を有する押下ヘッド2には、下方に向けて延設されて内部にステム10が嵌合された装着筒部22と、下方に向けて延設されて装着筒部22をその径方向外方から囲繞する外筒部23と、が備えられている。装着筒部22の上端開口部は、先端にノズル孔21が形成されたノズル筒部24の基端に形成された基端開口部に連通している。このノズル筒部24の基端開口部は下方に向けて開口しており、装着筒部22とノズル筒部24とはL字状をなすように接続されている。
【0015】
装着筒部22は、装着キャップ30に設けられたガイド筒部34の内側に上下動自在に挿入されている。また、外筒部23の内径は、ガイド筒部34の外径よりも大きくなっており、押下ヘッド2を押し下げたときに、外筒部23の内周面とガイド筒部34の外周面とが径方向で対向するようになっている。また、装着筒部22の下端部の上下方向における位置は、外筒部23の下端部の上下方向における位置とほぼ同等であり、より詳しくは、外筒部23の下端部よりもわずかに下方に突出している。なお、本実施形態では、外筒部23が本発明でいう筒体部に対応する。
【0016】
押下ヘッド2の装着筒部22の内側に位置する発泡部材60は、装着筒部22の上端部内に配設され、発泡部材60の下端部にはステム10の上端部が嵌合されている。発泡部材60は、筒状のケーシング61と、ケーシング61内に装入された2つの発泡エレメント62と、を備えている。ケーシング61は、上側に大径部、下側に小径部を有する2段円筒状をなしていて、大径部は装着筒部22の内側に挿入固定され、小径部はステム10の上端部の内側に嵌合されている。小径部の外周面にはその下端から上方に延びて大径部の底部外表面に至り、さらにその径方向外方に向けて延在して開口した複数のケーシング溝61aが形成されている。
【0017】
さらに、発泡エレメント62は筒状本体に網が張設された構成とされており、ケーシング61内に配された2つの発泡エレメント62のうち、下側に位置する方は、筒状本体の下側開口面に網が張設され、上側に位置する方では筒状本体の上側開口面に網が張設されている。
【0018】
ここで、装着筒部22の上端開口部、ノズル筒部24の基端開口部、及び発泡部材60の上端開口部それぞれの上下方向における位置は、互いに同等とされている。
【0019】
ステム10は、装着筒部22の下端開口面から下方に突出している。装着筒部22の内周面においてステム10の上端部が嵌合された部分には、上下方向に延在し、かつ下方に開口した複数の縦溝22aが形成されている。これらの縦溝22aは、ステム10の上端開口縁を径方向に跨いで、発泡部材60のケーシング61に形成された複数のケーシング溝61aに連通している。
【0020】
空気用ピストン40は、空気用シリンダ15内に気密状態で上下摺動可能に配設され、多段筒状の外筒41と、この外筒41の内側に配置された内筒42と、外筒41の上端部と内筒42の外周面とを連結し、上下方向に貫通する空気孔43を有する天板部44と、内筒42の外周面に嵌合されて上記空気孔43を開閉する弁体45と、を備えている。このうち、内筒42の内側に、ステム10において装着筒部22に嵌合した上端部の下方に連なる部分が上下動可能に挿入されている。
【0021】
空気用ピストン40における内筒42の上端縁には、装着筒部22の下端側内周面に摺接する上側摺接部42aが、内筒42の全周にわたって形成されている。また、外筒41の下端部には、空気用シリンダ15の内面に摺接する環状の下側摺接部41aが形成されている。
【0022】
上側摺接部42aの上端縁と、装着筒部22の内面との間には、上下方向の隙間Sが設けられている。また、装着筒部22の下端と、内筒42の上端縁との間には、隙間が設けられている。
【0023】
また、天板部44に形成された空気孔43は、装着キャップ30の挿通孔31よりも径方向の外側で、装着キャップ30の天壁部32と上下方向で対向する位置に形成されている。そして、天板部44において空気孔43よりも径方向の内側に位置する部位には、邪魔板46が上方に向けて突設されている。邪魔板46の上端は、装着キャップ30の天壁部32に、該天壁部32の下方から近接又は当接している。
【0024】
ここで、前記隙間Sには、装着筒部22の内周面に形成された縦溝22aが開口している。また、ステム10の外周面において、空気用ピストン40における内筒42が配設された部分には、上下方向に延在し、かつ隙間Sに開口する複数のステム溝10aが形成されている。このステム溝10a、装着筒部22に形成された縦溝22a、発泡部材60のケーシング61に形成されたケーシング溝61a、および前記隙間Sによって、空気用シリンダ15と気液混合室3とを連通する空気通路5が構成されている。
【0025】
次に、液用シリンダ16内に配設されて上下に摺動する液用ピストン50は、その上端側がステム10の内側に液密状態で挿入固定される小径筒部51とされ、下端側がステム10の下端開口縁から下方に突出し、かつその外周面がステム10の外周面とほぼ面一とされた大径筒部52とされている。
【0026】
液用ピストン50および液用シリンダ16の内部には、上端部が中空逆円錐状をなす上部弁体17aとされるとともに下端部が液用シリンダ16内の下端開口部に着座および離反可能な下部弁体17bとされた棒状の弁部材17が設けられている。
【0027】
上部弁体17aは、液用シリンダ16内とステム10の上端部内との連通およびその遮断を切替える弁である。なお、図中符合4は、液用ピストン50と液用シリンダ16の下端部内面との間に配設され、液用ピストン50を上方に付勢するコイルスプリングを示している。
【0028】
弁部材17において、上部弁体17aと下部弁体17bとの間に位置する中間部分の外周面には、その上下方向における全長にわたって連続して延びる縦溝18が形成されている。この縦溝18は、上記中間部分の周方向に間隔をあけて複数形成されており、縦溝18の径方向の内端面は、上下方向における全長にわたって面一とされている。
なお、例えば、前記中間部分の横断面は、十字形状に形成されている。
【0029】
ここで、ステム10の内周面において、液用ピストン50と発泡部材60との間に位置する部分には、径方向内方に向けて円環状の弁座12が突設されており、この弁座12に着座および離反可能に球状の液吐出弁13が設けられている。そして、ステム10の内部において、発泡部材60の小径部の下端と、弁座12の上面との間の空間が上記気液混合室3となっている。
【0030】
さらに、ステム10の外周面においては、複数のステム溝10aそれぞれの下端が位置する部分に、その全周にわたって突状部11が突設されている。押下ヘッド2を押下する前の待機状態では、この突状部11の上面に、空気用ピストン40における内筒42の下端が当接することにより、空気用シリンダ15における空気通路5の開口部を塞いで、空気用シリンダ15の内部と気液混合室3との連通を遮断するようになっている。
【0031】
ここで、押下ヘッド2の外筒部23の下端縁と、装着キャップ30の天壁部32との間に位置するガイド筒部34には、押下ヘッド2の下方移動を規制するストッパ部材70が着脱可能に嵌合されている。ストッパ部材70は、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料で形成されている。
【0032】
ストッパ部材70は、その上端縁が外筒部23の下端縁に外筒部23の下側から近接または当接すると共に、その下端縁が天壁部32上に位置するように配設されている。これによって、押下ヘッド2の押し下げを防止している。図2および図3に示されるように、このストッパ部材70は、径方向に開口する側方開口部71を有し、上面視C字状に形成されると共に、ガイド筒部34に着脱自在に取り付けられる本体筒部72を備えている。またストッパ部材70は、本体筒部72において上記側方開口部71に径方向で対向する部位に、横断面でT字状を呈するつまみ部73を、本体筒部72と一体に備えている。つまみ部73は、径方向の外側に向けて本体筒部72に突設されている。
【0033】
本体筒部72の内面には、該本体筒部72の周方向に間隔を空けて複数配設されるとともに上下方向に沿って延在する縦リブ74が、本体筒部72の上端と下端とに亘って形成され、縦リブ74は本体筒部72と一体に成形されている。縦リブ74は、上下方向に連続して延在している。複数の縦リブ74のうちの一つは、本体筒部72のつまみ部73の接続部分に径方向で連続するように形成されている。また、本体筒部72の周方向の両端部にも、複数の縦リブ74のうちの一つが各別に形成されている。
【0034】
本体筒部72の内面において上下方向の中央の部位には、本体筒部72の周方向に沿って延在する横リブ75が、本体筒部72の周方向の全長に亘って形成され、この横リブ75も本体筒部72に一体に形成されている。横リブ75は、本体筒部72の内面において周方向で隣り合う縦リブ74同士を接続するように形成されており、その突出高さは、縦リブ74と同等に設定されている。横リブ75は、本体筒部72の周方向に沿って連続して延在している。また、本実施形態では、縦リブ74および横リブ75をガイド筒部34の外周面に近接または当接させた状態で、ストッパ部材70がガイド筒部34に嵌合されている。
【0035】
以上のようなポンプ1および押下ヘッド2が備えられる吐出器では、押下ヘッド2を押下する前の待機状態において、ステム10の突状部11の上面に、空気用ピストン40における内筒42の下端が当接し、かつ押下ヘッド2における装着筒部22の下端部と空気用ピストン40の内筒42の上端との間に上下方向の隙間Sが設けられている。
【0036】
この状態から、ストッパ部材70を取り外して、押下ヘッド2を押し下げると、装着筒部22が下降し、発泡部材60、ステム10、液用ピストン50も、コイルスプリング4が圧縮変形されつつ下方に移動させられる。この際、空気用ピストン40は移動せず、この空気用ピストン40における内筒42の下端と、ステム10の突状部11との間に隙間が形成され、また、空気用ピストン40における内筒42の上端と装着筒部22の内面との間の隙間Sは小さくなる。これによって、空気通路5を通して空気用シリンダ15内と気液混合室3内とが連通する。
さらに、下部弁体17bが下方に移動させられ、この下部弁体17bが液用シリンダ16の下端開口部に着座して閉塞し、液用ピストン50の上端部が、弁部材17の上部弁体17aから下方に離反し、液用シリンダ16とステム10内とが連通される。
【0037】
そして、さらに押下ヘッド2を押し下げると、空気用ピストン40も、弁体45が空気孔43を閉塞した状態で下方に移動させられることにより、空気用シリンダ15内において空気用ピストン40の下方に位置する下室内の空気が圧縮させられる。これにより、この下室内の空気が、空気用ピストン40における内筒42の下端とステム10の突状部11との間の隙間から空気通路5内に流入して気液混合室3に移送される。
【0038】
さらにこの際、弁部材17の下部弁体17bが液用シリンダ16の下端開口部を閉塞した状態で、液用ピストン50が下方移動するので、液用シリンダ16内の液体が上昇してステム10内に到達する。そして、液用シリンダ16内の液圧を、ステム10の弁座12に着座している液吐出弁13に作用させてこの液吐出弁13を弁座12から離反させることにより、液用シリンダ16内の液体を気液混合室3内に移送する。
【0039】
上述のようにして、気液混合室3内で液体および空気を合流させ、発泡部材60を通過させて液体を発泡させた後に、押下ヘッド2のノズル孔21を通じて泡状の液体を吐出させる。
その後、押下ヘッド2の押し下げを解除すると、コイルスプリング4の弾性復元力により押下ヘッド2、ステム10、このステム10に連係された空気用ピストン40および液用ピストン50が上方付勢状態に戻ることになる。
【0040】
以上に説明したように、本発明の実施形態では、ストッパ部材70が、径方向に開口する側方開口部71を有し、上面視C字状に形成されると共にガイド筒部34に着脱自在に取り付けられる本体筒部72を有し、本体筒部72には、本体筒部72の周方向に間隔を空けて複数配設されるとともに上下方向に沿って延在する縦リブ74と、本体筒部72の周方向に沿って延在する横リブ75と、が一体に形成されている。
このような構成では、ストッパ部材70の本体筒部72に、複数の縦リブ74と横リブ75とが一体に形成されているので、本体筒部72の強度が確保され、本体筒部72を薄肉に形成した場合にあってもストッパ部材70の強度を確保することできる。これにより、ストッパ部材70の強度の低下を抑えつつ、軽量化を図ることができる。なお、本体筒部72の周方向に沿って延在する横リブ75が形成されることで、本体筒部72の拡径および縮径への変形が有効に抑制される。
従って、ストッパ部材70を薄肉化(軽量化)した場合においても、押下ヘッド2の押し下げを効果的に防止する強度を確保することができる。
【0041】
以上、本発明に係る吐出器の実施形態について説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0042】
例えば、図4および図5に示されるように、横リブ75’が、本体筒部72の外面において上下方向の中央の部位に形成されていてもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、横リブ75が一つのみ形成される態様を説明したが、横リブ75の数は複数であってもよい。また、縦リブ74の数も限定されるものではない。
さらに、横リブ75及び縦リブ74の突出高さは同等でなくてもよく、どちらか一方が他方に対して低くなるように形成されてもよく、複数のリブの一部を低くなるように形成してもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、吐出器が気液混合体(泡体)を吐出する構成を説明したが、本発明でいう吐出器は、これに限定されるものでなく、内容物を霧状に噴射する、所謂スプレー機構や、液体を吐出するポンプのもの、エアゾール機構のもの等、押下ヘッド(操作ボタン)を操作する(押し下げる)ことによって内容物を外部に吐出できるものを含むものである。
また、上記実施形態では、ストッパ部材70が装着キャップ30のガイド筒部34に取り付けられる構成を説明したが、ストッパ部材70は、例えばステムを中間部分としてステムに着脱自在に取り付けられる構成であってもよく、本発明でいう中間部分は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。また、本実施形態では、ストッパ部材70の上端が押下ヘッド2の外筒部23に近接または当接する構成を説明したが、例えば外筒部23を設けずに、ストッパ部材70の上端が、上記実施形態における装着筒部22のような部位に近接または当接する構成であってもよく、本発明でいう筒体部は、上記実施形態の構成に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、縦リブ74が本体筒部72の上端と下端とに亘って延在する構成を説明したが、必ずしも上端と下端に亘って延在していない構成でもよいし、横リブ75についても、本体筒部72の周方向の両端に亘って延在しない構成であってもよい。
また、縦リブ72および横リブ75は、それぞれ断続的に延在させてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 ポンプ(吐出機構)
2 押下ヘッド
3 気液混合室
10 ステム
21 ノズル孔(吐出孔)
22 装着筒部
23 外筒部(筒体部)
30 装着キャップ
32 天壁部
34 ガイド筒部(中間部分)
70 ストッパ部材
71 側方開口部
72 本体筒部
74 縦リブ
75,75’ 横リブ
B 吐出器本体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を収容した容器の口部に装着され、天壁部を有する有頂筒状の装着キャップと、
前記装着キャップに上方付勢状態で下方移動可能に貫設されたステムを有する吐出機構と、
前記ステムの上端に装着されると共に吐出口が形成され、下方に向けて延設された筒体部を有する押下ヘッドと、を有する吐出器本体を、備える吐出器であって、
前記吐出器本体のうち、前記筒体部の下端縁と前記天壁部との間に位置する中間部分には、上端縁が前記筒体部の下端縁に該筒体部の下側から近接または当接すると共に下端縁が前記天壁部上に位置するストッパ部材が装着され、
前記ストッパ部材が、径方向に開口する側方開口部を有し、上面視C字状に形成されると共に前記中間部分に着脱自在に取り付けられる本体筒部を有し、
該本体筒部には、当該本体筒部の周方向に間隔を空けて複数配設されるとともに上下方向に沿って延在する縦リブと、当該本体筒部の周方向に沿って延在する横リブと、が一体に形成されていることを特徴とする吐出器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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