説明

含硫黄環状化合物の製造方法

【課題】高耐熱性、高透明性、高屈折率を有する透明性樹脂の原材料として有用な含硫黄環状化合物を高効率かつ経済的に製造する方法を提供する。
【解決手段】25℃における比誘電率が10以上である有機溶媒中で、特定のビス(ハロメチル)化合物、例えばビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(クロロメチル)と硫化アルカリ金属塩とを反応し、特定の含硫黄環状化合物、例えば2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンを製造する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性、高屈折率および高透明性が要求される光学材料として有用な樹脂の原材料として用いることのできる含硫黄環状化合物を容易に高効率で製造することが可能となる新規な製造方法を提供することを目的とするものである。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等に搭載されるレンズ等を構成する透明樹脂は、屈折率の高いものが求められており、透明樹脂の屈折率を高める方法として様々な検討がなされており、例えば含硫黄環状化合物を重合した含硫黄環状ポリオレフィンが提案されている。
【0003】
該含硫黄環状化合物としては、例えば2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンが知られており、該2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンの製法としては、1)ノルボルネン−2,3−ジメタノールジメタンスルホネートをメタノール還流下に無水硫化ナトリウム水溶液を滴下し、さらに加熱還流させることにより2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンを製造する方法(例えば非特許文献1参照。)、2)シクロペンタジエンと2,5−ジヒドロチオフェンをトルエン存在下でディールズ−アルダー反応し、混合生成物を蒸留分離して2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンを製造する方法(例えば非特許文献2参照。)、等が開示されている。
【0004】
【非特許文献1】ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー,30巻,p.2560−2564(1965)
【非特許文献2】ジャーナル オブ オーガニック ケミストリー,21巻,p.970−974(1956)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、非特許文献1に開示された方法は、原材料であるノルボルネン−2,3−ジメタノールジメタンスルホネートの入手が困難であるために、大量の原材料を必要とする工業的製造方法としては適さない。また、入手が困難であるということは経済的な課題までも有する可能性が極めて高くなる。また、非特許文献2に開示された方法においても、原材料である2,5−ジヒドロチオフェンの入手が困難であるという課題を有する上に、さらに反応効率に劣るという課題までも有するものであった。
【0006】
そこで、本発明は、高耐熱性、高透明性、高屈折率を有する光学用樹脂の原材料として有用な含硫黄環状化合物を高効率かつ経済的に製造する新規な方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の条件で、安価で容易に合成できるビス(ハロメチル)化合物と硫化アルカリ金属塩とを反応することにより高収率で含硫黄環状化合物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
即ち、本発明は、25℃における比誘電率が10以上である有機溶媒中で、下記の一般式(1)で表されるビス(ハロメチル)化合物と硫化アルカリ金属塩とを反応し、下記の一般式(2)で表される含硫黄環状化合物とすることを特徴とする含硫黄環状化合物の製造方法に関するものである。
【0009】
【化1】

(1)
(ここで、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20の芳香族基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、複素環化合物、ハロゲン基であり、RとRおよびRとR10とは環を形成しているものであってもよい。X及びXは、それぞれ独立して塩素、臭素、ヨウ素であり、mは1又は2である。)
【0010】
【化2】

(2)
(ここで、R11〜R20は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20の芳香族基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、複素環化合物、ハロゲン基であり、R17とR18およびR19とR20とは環を形成しているものであってもよい。nは1又は2である。)
以下に本発明を詳細に説明する。
【0011】
本発明の含硫黄環状化合物の製造方法は、上記の一般式(1)で表されるビス(ハロメチル)化合物と硫化アルカリ金属塩を有機溶媒中で反応し、上記の一般式(2)で表される含硫黄環状化合物とする際に、25℃における比誘電率が10以上の有機溶媒を用いることにより、硫化および環化の反応効率を高め、優れた生産効率で該含硫黄環状化合物を製造する新規な方法である。
【0012】
本発明において用いられるビス(ハロメチル)化合物は、上記の一般式(1)で表される範疇に属するものであれば如何なる構造を有するビス(ハロメチル)化合物であってもよい。ここで、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20の芳香族基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、複素環化合物、ハロゲン基であり、RとRおよびRとR10とは環を形成しているものであってもよく、炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基等を挙げることができ、炭素数1〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基等を挙げることができ、炭素数1〜20の芳香族基としては、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができ、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等を挙げることができ、複素環化合物としては、例えばチオフェン基、ピリジル基等を挙げることができ、ハロゲン基としては、例えば塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。また、X及びXは、それぞれ独立して塩素、臭素、ヨウ素であり、mは1又は2である。
【0013】
一般式(1)で表されるビス(ハロメチル)化合物の具体的な例示としては、例えばビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(クロロメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(ブロモメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(ヨードメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロエチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロプロピル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロブチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロオクチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロドデシル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロ−1−メトキシメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロ−1−メトキシエチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(1−クロロ−1−シアノメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス((2−チエニル)クロロメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス((2−ピリジル)クロロメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス((4−ピリジル)クロロメチル)、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(ジクロロメチル)などを挙げることができ、その中でも特に透明樹脂の材料として有用な下記一般式(3)で示される2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンを高効率で製造することが可能となることから、ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(クロロメチル)であることが好ましい。
【0014】
本発明において用いられる有機溶媒は、25℃における比誘電率が10以上である有機溶媒であり、該範疇に属するものであれば如何なる制限を受けることなく用いることが可能であり、生産効率に優れた製造方法となることから、アルコール、エーテル、エステル、アミン、アミド、アルデヒド、ニトリル、ニトロ化合物、ハロゲン化合物、硫黄化合物及び炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の有機溶媒であることが好ましい。ここで、有機溶媒の25℃における比誘電率が10未満である場合、含硫黄環状化合物の製造が困難となる。また、たとえその製造が可能である場合でも反応効率が低く、実用に適さないものとなる。
【0015】
25℃における比誘電率が10以上である有機溶媒としては、例えばメタノール(32.66)、エタノール(24.55)、1−プロパノール(20.45)、2−プロパノール(19.92)、1−ブタノール(17.51)、2−ブタノール(16.56)、2−メチル−1−プロパノール(17.93)、ベンジルアルコール(11.92)、エチレングリコールモノメチルエーテル(16.93)、エチレングリコールモノエチルエーテル(29.6)、ジメチルホルムアミド(36.71)、ジメチルアセトアミド(37.78)、N−メチル−2−ピロリドン(32.2)、ジメチルスルホキシド(46.45)、アセトニトリル(35.94)、プロピオニトリル(28.86)、ニトロメタン(35.87)、ニトロベンゼン(34.78)等を挙げることができる。なお、( )の数値は25℃における比誘電率であり、化学便覧(日本化学会編)等を参照できる。そして、特に生産効率に優れた製造方法となることから、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1−ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルであることが好ましい。
【0016】
本発明に用いられる硫化アルカリ金属塩としては、該範疇に属するものであれば如何なるものも用いることも可能であり、無水物、水和物であってもよく、例えば硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化リチウム、硫化ルビジウムを挙げることができ、硫化ナトリウム塩としては、硫化ナトリウム2.8水塩、硫化ナトリウム5水塩、硫化ナトリウム9水塩等の水和物であってもよい。
【0017】
該硫化アルカリ金属塩の使用量としては、本発明の製造方法が実施できる限りにおいて如何なる量の使用であってもよく、その中でも特に経済的に効率よく製造を行うことが可能となることから、該ビス(ハロメチル)化合物に対して0.8〜10当量の範囲であることが好ましく、特に1〜3当量であることが好ましい。
【0018】
本発明の製造方法においては、上記の一般式(2)で表される含硫黄環状化合物をより容易に高効率で製造することが可能となる。
【0019】
ここで、R11〜R20は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20の芳香族基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、複素環化合物、ハロゲン基であり、R17とR18およびR19とR20とは環を形成しているものであってもよく、炭素数1〜20のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、オクチル基、ドデシル基等を挙げることができ、炭素数1〜20のアラルキル基としては、例えばベンジル基等を挙げることができ、炭素数1〜20の芳香族基としては、例えばフェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができ、炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基等を挙げることができ、複素環化合物としては、例えばチオフェン基、ピリジル基等を挙げることができ、ハロゲン基としては、例えば塩素、臭素、ヨウ素等を挙げることができる。また、nは1又は2である。
【0020】
本発明により製造可能な該含硫黄環状化合物の具体的例示としては、例えば2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジメチル−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジエチル−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジプロピル−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジブチル−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジオクチル−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジドデシル−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジメトキシ−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジエチキシ−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジシアノ−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジ(2−チエニル)−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジ(2−ピリジル)−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジ(4−ピリジル)−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジクロロ−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジブロモ−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン、2−チア−1,3−ジヨード−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエン等を挙げることができ、その中でも特に透明樹脂の材料として有用な下記一般式(3)で示される2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンを高効率で製造することが好ましい。
【0021】
【化3】

(3)
本発明の製造方法は、空気雰囲気下、窒素やアルゴンなどの不活性ガス雰囲気下の何れでも実施することが可能であり、その中でも副反応等の抑制が可能となることから窒素雰囲気下で実施することが望ましい。また、反応温度は、より容易に高効率での製造が可能となることから0〜200℃の範囲であることが好ましい。反応時間としては、1〜20時間の範囲であることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、良好な耐熱性、高透明性及び高屈折率を有する透明樹脂の原材料として有用な含硫黄環状化合物を効率良く経済的に製造することができる。
【実施例】
【0023】
以下に実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。
【0024】
以下に実施例に用いた評価・測定方法を示す。
【0025】
〜GCの測定〜
ガスクロマトグラフィー測定装置(島津製作所製、商品名GC−14A)を用い、カラムに外径0.25mm、長さ30mのキャピラリーカラム(GLサイエンス製,商品名DB−1)を用いて測定を行った。
【0026】
合成例、実施例、比較例で用いた試薬は全て和光純薬製のものを使用した。
【0027】
合成例1(ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(クロロメチル)の合成)
ジシクロペンタジエン212g(1.6mol)と1,4−ジクロロ−2−ブテン800g(6.4mol)を2リットルのオートクレーブに仕込んだ。内部を窒素置換した後、撹拌しながら170℃まで昇温し、そのまま5時間加熱撹拌を継続した。反応終了後、25℃まで温度を下げ、オートクレーブから反応液を取り出した。反応液は褐色溶液であった。得られた褐色の溶液を0.4kPaの減圧下で蒸留し、80〜93℃の範囲の留出分を集めることにより純度94重量%のビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(クロロメチル)を364.7g(ジシクロペンタジエン基準の収率:60%)の無色溶液として得た。
【0028】
実施例1(2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンの合成)
磁気回転子、ジムロート、温度計を付した200mlの四つ口フラスコに事前に粉砕した無水硫化ナトリウム2.26g(0.029mol)、ジメチルホルムアミド(25℃における比誘電率36.71)40mlを加えた。この混合物を窒素雰囲気で撹拌しながらオイルバスで昇温し、内温を60℃とした。ここに、合成例1により得られたビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(クロロメチル)5.0g(0.026mol)、内部標準物質としてメシチレン2.5gを加え、そのまま4時間加熱撹拌を継続した。反応終了後、オイルバスを外し室温(23℃)まで放冷した。混合物をサンプリングして、クロロホルムで希釈した上澄み液をGCによって測定し、ピーク比から換算した収率は52%であった。
【0029】
実施例2〜7
ジメチルホルムアミドの代わりに、表1に示す有機溶媒を用いた以外は、実施例1と同様の方法により2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンの合成を行った。その結果は表1に示す。
【0030】
【表1】

比較例1〜2
ジメチルホルムアミドの代わりに、表2に示す有機溶媒を用いた以外は、実施例1と同様の方法により2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンの合成を試みた。その結果を表2に示す。2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンを得ることはできなかった。
【0031】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
25℃における比誘電率が10以上である有機溶媒中で、下記の一般式(1)で表されるビス(ハロメチル)化合物と硫化アルカリ金属塩とを反応し、下記の一般式(2)で表される含硫黄環状化合物とすることを特徴とする含硫黄環状化合物の製造方法。
【化1】

(1)
(ここで、R〜R10は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20の芳香族基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、複素環化合物、ハロゲン基であり、RとRおよびRとR10とは環を形成しているものであってもよい。X及びXは、それぞれ独立して塩素、臭素、ヨウ素であり、mは1又は2である。)
【化2】

(2)
(ここで、R11〜R20は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアラルキル基、炭素数1〜20の芳香族基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、複素環化合物、ハロゲン基であり、R17とR18およびR19とR20とは環を形成しているものであってもよい。nは1又は2である。)
【請求項2】
ビシクロ−(2,2,1)−ヘプト−5−エン−2,3−ビス(クロロメチル)と硫化アルカリ金属塩とを反応し、2−チア−1,2−ジヒドロジシクロペンタジエンとすることを特徴とする請求項1に記載の含硫黄環状化合物の製造方法。
【請求項3】
硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化リチウム、硫化ルビジウム及びその水和物からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の硫化アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の含硫黄環状化合物の製造方法。
【請求項4】
アルコール、エーテル、エステル、アミン、アミド、アルデヒド、ケトン、二トリル、ニトロ化合物、ハロゲン化合物、硫黄化合物および炭化水素からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の25℃における比誘電率が10以上の有機溶媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の含硫黄環状化合物の製造方法。
【請求項5】
ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、1−ブタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の25℃における比誘電率が10以上の有機溶媒であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の含硫黄環状化合物の製造方法。

【公開番号】特開2008−94747(P2008−94747A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−277264(P2006−277264)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)