説明

含窒素ヘテロ環化合物またはその塩、ならびに農園芸用殺菌剤

【課題】農園芸用殺菌剤の提供。
【解決手段】式(III)で表される新規含窒素ヘテロ環化合物およびその塩。


式(III)中、R1〜R6は、夫々独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基等を示す。A1−A2は、C=N等を示す。Yは、酸素原子等を示す。Hetは、6員のヘテロ環の2価基を示す。XおよびX’は、夫々独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基等を示す。mはX’の個数を示し且つ0〜2のいずれかの整数であり、nはXの個数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な含窒素ヘテロ環化合物またはその塩、ならびに該含窒素ヘテロ環化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤に関する。
【背景技術】
【0002】
農園芸作物の栽培に当り、作物の病害に対して多数の防除薬剤が使用されているが、その防除効力が不十分であったり、薬剤耐性の病原菌の出現によりその使用が制限されたり、植物体に薬害や汚染を生じさせたり、若しくは人畜魚類に対する毒性や環境への影響が大きかったりなどで、十分に満足できる防除薬剤とは言い難いものが少なくない。そのため、かかる欠点の少ない安全に使用できる薬剤の出現が強く要望されている。
【0003】
本発明に関連して、下記特許文献1または2には、本発明化合物と類似の化学構造を有するキノリン誘導体、およびそれを有効成分として含有する農園芸用殺菌剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2005/070917
【特許文献2】WO2007/011022
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Journal of Fluorine Chemistry 126 (2005) 791-795
【非特許文献2】Tetrahedro Letters 40 (1999) 3109-3112
【非特許文献3】Heterocycles 34 (1992) 1523-1538
【非特許文献4】Journal of Heterocycl. Chemistry 21 (1984) 1033-1040
【非特許文献5】J. Org. Chem. 73 1 (2008) 81-87
【非特許文献6】Chemistry Letters 36 8 (2007) 1036-1037
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規含窒素ヘテロ環化合物またはその塩、ならびにこれらの化合物の少なくとも1種を有効成分として含有する、効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、式(I)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩を得るに至った。そして、この含窒素ヘテロ環化合物またはその塩は、効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤の有効成分として有用であることを見出した。本発明は、これらの知見に基づきさらに検討し完成するに至ったものである。
【0008】
すなわち、本発明は以下の態様を包含するものである。
〔1〕 式(I)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩。

式(I)中、R1およびR2は、夫々独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、シアノ基、またはニトロ基を示す。
1とR2は一緒になって、無置換の若しくは置換基を有する5〜8員環を形成してもよい。
3〜R6は、夫々独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、またはシアノ基を示す。
Yは、酸素原子、硫黄原子、またはスルフィニル基を示す。
【0009】
式(I)中に含まれる部分構造A1−A2は、 C=N 、 CR7−NR8

、または

を示す。
7は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、ハロゲノ基、またはシアノ基を示す。
8は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基を示す。
3〜R6のうち少なくとも2つが一緒になって、無置換の若しくは置換基を有する3〜8員環を形成してもよい。
3とR4、またはR5とR6は一緒になって、オキソ基、チオキソ基、無置換の若しくは置換基を有するイミノ基、または無置換の若しくは置換基を有するエキソメチレン基を形成してもよい。
【0010】
式(I)中に含まれる部分構造

は、6員のヘテロ環の2価基を示す。
XおよびX’は、夫々独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、シアノ基、またはニトロ基を示す。
mは、X’の個数を示し且つ0〜2のいずれかの整数である。
nは、Xの個数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。
【0011】
〔2〕 式(II)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩。

式(II)中、X、n、R3〜R6およびY、並びに部分構造A1−A2、および

は、式(I)中のそれらと同じ意味を示す。
X”は、夫々独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、シアノ基、またはニトロ基を示す。
pは、X”の個数を示し且つ0〜6のいずれかの整数である。
【0012】
〔3〕 式(III)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩。

式(III)中、X、X”、n、p、R3〜R6およびY、並びに部分構造

は、式(II)中のそれらと同じ意味を示す。
【0013】
〔4〕 前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の含窒素ヘテロ環化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。
【発明の効果】
【0014】
本発明の含窒素ヘテロ環化合物またはその塩は、効果が確実で安全に使用できる農園芸用殺菌剤の有効成分として有用な新規化合物である。
本発明の農園芸用殺菌剤は優れた防除効果を有し、植物体に薬害を生じることがなく、人畜魚類に対する毒性や環境への影響が少ない薬剤である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を、1)含窒素ヘテロ環化合物またはその塩、および2)農園芸用殺菌剤に項分けして詳細に説明する。
【0016】
1)含窒素ヘテロ環化合物またはその塩
本発明に係る含窒素ヘテロ環化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)と表記することがある。)、好ましくは式(II)で表される化合物(以下、化合物(II)と表記することがある。)、より好ましくは式(III)で表される化合物(以下、化合物(III)と表記することがある。)である。
【0017】
本発明に係る含窒素ヘテロ環化合物またはその塩には、水和物、各種溶媒和物や結晶多形等も含まれる。さらに、本発明に係る含窒素ヘテロ環化合物またはその塩は、不斉炭素原子、二重結合などに基づく立体異性体若しくはそれらの混合物を包含する。
【0018】
〔R1〜R6、X、X’、およびX”〕
式(I)、式(II)および式(III)における、R1〜R6、X、X’、およびX”で示される各基は、以下のとおりの意味である。
【0019】
まず、「無置換の」および「置換基を有する」の意味を説明する。
「無置換の」の用語は、該基が母核となる基のみであることを意味する。なお、本明細書において、「置換基を有する」との記載がなく母核となる基の名称のみで記載しているときは、別段の断りがない限り「無置換の」の意味である。
一方、「置換基を有する」の用語は、母核となる基のいずれかの水素原子が、母核と異なる構造の基で置換されていることを意味する。従って、「置換基」は、母核となる基に置換された他の基である。置換基は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。2つ以上の置換基は同一であってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、置換基を有するC1〜6アルキル基は、母核となる基が1〜6個の炭素原子を有するアルキル基で、該アルキル基の中のいずれかの水素原子が異なる構造の基(「置換基」)で置換されているものである。
「C1〜6」等の用語は、母核となる基の炭素原子数が1〜6個等であることを示している。この炭素原子数には、置換基の中に在る炭素原子の数を含まない。例えば、置換基としてエトキシ基を有するブチル基は、C2アルコキシC4アルキル基に分類する。
【0020】
「置換基」は化学的に許容され、本発明の効果を有する限りにおいて特に制限されない。
「置換基」となり得る基としては、
フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基等のアルキル基、好ましくはC1〜6アルキル基;
シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等のシクロアルキル基、好ましくは、C3〜8シクロアルキル基;
ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シンナミル基等のアルケニル基、好ましくはC2〜6アルケニル基;
2−シクロプロペニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロヘキセニル基、4−シクロオクテニル基等のシクロアルケニル基、好ましくは、C3〜8シクロアルケニル基;
エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基等のアルキニル基、好ましくはC2〜6アルキニル基;
メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、好ましくはC1〜6アルコキシ基;
【0021】
ビニルオキシ基、アリルオキシ基、プロペニルオキシ基、ブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基、好ましくはC2〜6アルケニルオキシ基;
エチニルオキシ基、プロパルギルオキシ基等のアルキニルオキシ基、好ましくはC2〜6アルキニルオキシ基;
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等のアリール基、好ましくはC6〜10アリール基;
フェノキシ基、1−ナフトキシ基等のアリールオキシ基、好ましくはC6〜10アリールオキシ基;
ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;好ましくはC7〜11アラルキル基;
ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基等のアラルキルオキシ基、好ましくはC7〜12アラルキルオキシ基;
ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、シクロヘキシルカルボニル等のアシル基、好ましくはC1〜7アシル基;
ホルミルオキシ基、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、シクロヘキシルカルボニルオキシ基等のアシルオキシ基、好ましくはC1〜7アシルオキシ基;
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、好ましくはC1〜6アルコキシカルボニル基;
カルボキシル基;
水酸基;
【0022】
クロロメチル基、クロロエチル基、1,2−ジクロロ−n−プロピル基、1−フルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基等のハロアルキル基、好ましくはC1〜6ハロアルキル基;
2−クロロ−1−プロペニル基、2−フルオロ−1−ブテニル基等のハロアルケニル基、好ましくはC2〜6ハロアルケニル基;
4,4−ジクロロ−1−ブチニル基、4−フルオロ−1−ペンチニル基、5−ブロモ−2−ペンチニル基等のハロアルキニル基、好ましくはC2〜6ハロアルキニル基;
2−クロロ−n−プロポキシ基、2,3−ジクロロブトキシ基等のハロアルコキシ基、好ましくはC1〜6ハロアルコキシ基;
2−クロロプロペニルオキシ基、3−ブロモブテニルオキシ基等のハロアルケニルオキシ基、好ましくはC2〜6ハロアルケニルオキシ基;
4−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基等のハロアリール基、好ましくはC6〜10ハロアリール基;
4−フルオロフェニルオキシ基、4−クロロ−1−ナフトキシ基等のハロアリールオキシ基、好ましくはC6〜10ハロアリールオキシ基;
クロロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、4−クロロベンゾイル基等のハロゲン置換アシル基;
【0023】
シアノ基;イソシアノ基;ニトロ基;イソシアナト基;シアナト基;アミノ基;
メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のアルキルアミノ基;
アニリノ基、ナフチルアミノ基、アントラセニルアミノ基等のアリールアミノ基;
ベンジルアミノ基、フェニルエチルアミノ基等のアラルキルアミノ基;
メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、n−プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、n−ブチルスルホニルアミノ基、t−ブチルスルホニルアミノ基等のアルキルスルホニルアミノ基;
フェニルスルホニルアミノ基等のアリールスルホニルアミノ基;
ピペラジニルスルホニルアミノ基等のヘテロアリールスルホニルアミノ基;
ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブチリルアミノ基、イソプロピルカルボニルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基;
メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、イソプロポキシカルボニルアミノ基等のアルコキシカルボニルアミノ基;
フルオロメチルスルホニルアミノ基、クロロメチルスルホニルアミノ基、ブロモメチルスルホニルアミノ基、ジフルオロメチルスルホニルアミノ基、ジクロロメチルスルホニルアミノ基、1,1−ジフルオロエチルスルホニルアミノ基、トリフルオロメチルスルホニルアミノ基、1,1,1−トリフルオロエチルスルホニルアミノ基、ペンタフルオロエチルスルホニルアミノ基等のハロアルキルスルホニルアミノ基;
ビス(メチルスルホニル)アミノ基、ビス(エチルスルホニル)アミノ基、(エチルスルホニル)(メチルスルホニル)アミノ基、ビス(n−プロピルスルホニル)アミノ基、ビス(イソプロピルスルホニル)アミノ基、ビス(n−ブチルスルホニル)アミノ基、ビス(t−ブチルスルホニル)アミノ基等のビス(アルキルスルホニル)アミノ基;
【0024】
ビス(フルオロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(クロロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(ブロモメチルスルホニル)アミノ基、ビス(ジフルオロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(ジクロロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(1,1−ジフルオロエチルスルホニル)アミノ基、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミノ基、ビス(1,1,1−トリフルオロエチルスルホニル)アミノ基、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミノ基等のビス(ハロアルキルスルホニル)アミノ基;
ヒドラジノ基、N’−フェニルヒドラジノ基、N’−メトキシカルボニルヒドラジノ基、N’−アセチルヒドラジノ基、N’−メチルヒドラジノ基等の無置換若しくは置換ヒドラジノ基;
アミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、N−フェニル−N−メチルアミノカルボニル基等の無置換若しくは置換基を有するアミノカルボニル基;
ヒドラジノカルボニル基、N’−メチルヒドラジノカルボニル基、N’−フェニルヒドラジノカルボニル基等の無置換若しくは置換基を有するヒドラジノカルボニル基;
N−メチルイミノメチル基、1−N−フェニルイミノエチル基、N−ヒドロキシイミノメチル基、N−メトキシイミノメチル基等のN無置換またはN置換イミノアルキル基;
【0025】
チオール基;イソチオシアナト基;チオシアナト基;
メチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、n−ブチルチオ基、イソブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基等のアルキルチオ基;
ビニルチオ基、アリルチオ基等のアルケニルチオ基;
エチニルチオ基、プロパルギルチオ基等のアルキニルチオ基;
フェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基;
2−ピリジルチオ基、3−ピリダジルチオ基等のヘテロアリールチオ基;
ベンジルチオ基、フェネチルチオ基等のアラルキルチオ基;
メチルチオカルボニル基、エチルチオカルボニル基、n−プロピルチオカルボニル基、イソプロピルチオカルボニル基、n−ブチルチオカルボニル基、イソブチルチオカルボニル基、s−ブチルチオカルボニル基、t−ブチルチオカルボニル基等のアルキルチオカルボニル基;
【0026】
メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、t−ブチルスルフィニル基等のアルキルスルフィニル基;
アリルスルフィニル基等のアルケニルスルフィニル基;
プロパルギルスルフィニル基等のアルキニルスルフィニル基;
フェニルスルフィニル基等のアリールスルフィニル基;
2−ピリジルスルフィニル基、3−ピリジルスルフィニル基等のヘテロアリールスルフィニル基;
ベンジルスルフィニル基、フェネチルスルフィニル基等のアラルキルスルフィニル基;
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基等のアルキルスルホニル基;
アリルスルホニル基等のアルケニルスルホニル基;
プロパルギルスルホニル基等のアルキニルスルホニル基;
フェニルスルホニル基等のアリールスルホニル基;
2−ピリジルスルホニル基、3−ピリジルスルホニル基等のヘテロアリールスルホニル基;
ベンジルスルホニル基、フェネチルスルホニル基等のアラルキルスルホニル基;
【0027】
フラン−2−イル基、フラン−3−イル基、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基、ピロール−2−イル基、ピロール−3−イル基、オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基、チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、チアゾール−5−イル基、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、イソチアゾール−3−イル基、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基、イミダゾール−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、イミダゾール−5−イル基、ピラゾール−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピラゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基等の不飽和複素5員環基;
ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、5−クロル−3−ピリジル基、3−トリフルオロメチル−2−ピリジル基、ピリダジン−3−イル基、ピリダジン−4−イル基、ピラジン−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−4−イル基、ピリミジン−5−イル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基、1,2,4−トリアジン−3−イル基等の不飽和複素6員環基;
テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドラピラン−4−イル基、ピペリジン−3−イル基、ピロリジン−2−イル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、N−メチルピペラジニル基等の飽和複素環基;
2−ピリジルオキシ基、3−オキサゾリルオキシ基等の複素環オキシ基;
等を挙げることができる。
【0028】
「置換基」としては、上記以外にも、−Si(Me)3、−SiPh3、−Si(cPr)3、−Si(Me)2tBu)(tBuはターシャリーブチル基を示す。以下同じ。)等の−Si(R20)(R21)(R22)で表される基等が挙げられる。上記のR21、R22、およびR23は、夫々独立して、C1〜6アルキル基またはフェニル基を示す。
また、これらの「置換基」はそれの中にさらに別の「置換基」を有するものであってもよい。
【0029】
「C1〜8アルキル基」は、炭素原子1〜8個で構成される飽和炭化水素基である。C1〜8アルキル基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。C1〜8アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、2−メチルブチル基、2,2−ジメチルプロピル基、イソヘキシル基等が挙げられる。これらのうち、C1〜6アルキル基が好ましい。
【0030】
「置換基を有するC1〜8アルキル基」としては、 シクロプロピルメチル基、2−シクロプロピルエチル基、シクロペンチルメチル基、2−シクロヘキシルエチル基、2−シクロオクチルエチル基等のシクロアルキルアルキル基、好ましくはC4〜10シクロアルキルC1〜6アルキル基; シクロペンテニルメチル基、3−シクロペンタテニルメチル基、3−シクロヘキセニルメチル基、2−(3−シクロヘキセニル)エチル基等のシクロアルケニルアルキル基、好ましくはC4〜8シクロアルケニルC1〜6アルキル基; フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジフルオロメチル基、ジクロロメチル基、ジブロモメチル基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリブロモメチル基、2,2,2−トルフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、ペンタフルオロエチル基、4−フルオロブチル基、4−クロロブチル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル基、パーフロロヘキシル基、パークロロヘキシル基、パーフロロオクチル基、パークロロオクチル基、2,4,6−トリクロロヘキシル基、パーフロロデシル基、2,2,4,4,6,6−へキサクロロオクチル基等のハロアルキル基、好ましくはC1〜6ハロアルキル基; ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基等のアリールアルキル基、好ましくはC6〜10アリールC1〜6アルキル基;
【0031】
2−ピリジルメチル基、3−ピリジルメチル基、4−ピリジルメチル基、2−(2−ピリジル)エチル基、2−(3−ピリジル)エチル基、2−(4−ピリジル)エチル基、3−(2−ピリジル)プロピル基、3−(3−ピリジル)プロピル基、3−(4−ピリジル)プロピル基、2−ピラジニルメチル基、3−ピラジニルメチル基、2−(2−ピラジニル)エチル基、2−(3−ピラジニル)エチル基、3−(2−ピラジニル)プロピル基、3−(3−ピラジニル)プロピル基、2−ピリミジルメチル基、4−ピリミジルメチル基、2−(2−ピリミジル)エチル基、2−(4−ピリミジル)エチル基、3−(2−ピリミジル)プロピル基、3−(4−ピリミジル)プロピル基、2−フリルメチル基、3−フリルメチル基、2−(2−フリル)エチル基、2−(3−フリル)エチル基、3−(2−フリル)プロピル基、3−(3−フリル)プロピル基等のヘテロ環アルキル基、好ましくは5〜10員ヘテロ環C1〜6アルキル基; ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等のヒドロキシアルキル基、好ましくはヒドロキシC1〜6アルキル基; メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシn−プロピル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、n−プロポキシメチル基、i−プロポキシエチル基、s−ブトキシメチル基、t−ブトキシエチル基、2,2−ジメトキシエチル基等のアルコキシアルキル基、好ましくはC1〜6アルコキシC1〜6アルキル基; ホルミルオキシメチル基、アセトキシメチル基、2−アセトキシエチル基、プロピオニルオキシメチル基、プロピオニルオキシエチル基等のアシルオキシアルキル基、好ましくはC2〜7アシルオキシC1〜6アルキル基;などが挙げられる。
【0032】
「C2〜8アルケニル基」は、少なくとも1つ炭素−炭素二重結合を有する炭素原子2〜8個で構成される不飽和炭化水素基である。C2〜8アルケニル基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。C2〜8アルケニル基としては、、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、1−ヘプテニル基、6−ヘプテニル基、1−オクテニル基、7−オクテニル基、1−メチル−2−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−メチル−2−ブテニル基、2−メチル−2−ブテニル基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6アルケニル基が好ましい。
【0033】
「置換基を有するC2〜8アルケニル基」としては、3−クロロ−2−プロペニル基、4−クロロ−2−ブテニル基、4,4−ジクロロ−3−ブテニル基、4,4−ジフルオロ−3−ブテニル基、3,3−ジクロロ−2−プロペニル基、2,3−ジクロロ−2−プロペニル基、3,3−ジフルオロ−2−プロペニル基、2,4,6−トリクロロ−2−ヘキセニル基等のハロアルケニル基;好ましくはハロゲン原子が1〜3個置換したC2〜6アルケニル基が挙げられる。
【0034】
「C2〜8アルキニル基」は、少なくとも1つ炭素−炭素三重結合を有する炭素原子2〜8個で構成される不飽和炭化水素基である。C2〜8アルキニル基は直鎖であってもよいし、分岐鎖であってもよい。C2〜8アルキニル基としては、エチニル基、1−プロピニル基、プロパルギル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、2−メチル−3−ペンチニル基、1,1−ジメチル−2−ブチニル基等が挙げられる。これらのうち、C2〜6アルキニル基が好ましい。
【0035】
「置換基を有するアルキニル基」としては、3−クロロ−1−プロピニル基、3−クロロ−1−ブチニル基、3−ブロモ−1−ブチニル基、3−ブロモ−2−プロピニル基、3−ヨード−2−プロピニル基、3−ブロモ−1−ヘキシニル基、4,4,6,6−テトラフロロ−1−ドデシニル基、5、5−ジクロロ−2−メチル−3−ペンチニル基、4−クロロ−1,1−ジメチル−2−ブチニル基等のハロアルキニル基、好ましくはハロゲン原子が1〜3個置換したC2〜6アルキニル基が挙げられる。
【0036】
「C3〜8シクロアルキル基」は、環状部分を有する炭素原子3〜8個で構成されるアルキル基である。C3〜8シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。これらのうち、C3〜6シクロアルキル基が好ましい。
【0037】
「置換基を有するC3〜8シクロアルキル基」としては、2,3,3−トリメチルシクロブチル基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシル基、1,3−ジブチルシクロヘキシル基等のアルキルシクロアルキル基、好ましくはC1〜6アルキル基が1〜3個置換したC4〜8シクロアルキル基;などが挙げられる。
【0038】
「C4〜8シクロアルケニル基」は、環状部分を有する炭素原子4〜8個で構成されるアルケニル基である。C4〜8シクロアルケニル基としては、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基、3−シクロヘプテニル基、4−シクロオクテニル基等が挙げられる。
【0039】
「置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基」としては、2−メチル−3−シクロヘキセニル基、3,4−ジメチル−3−シクロヘキセニル基等のアルキルシクロアルケニル基、好ましくはC1〜6アルキル基が1〜3個置換したC5〜8シクロアルケニル基;などが挙げられる。
【0040】
「C6〜10アリール基」は、単環または多環の炭素数6〜10のアリール基である。なお、多環アリール基は、少なくとも一つの環が芳香環であれば、残りの環が飽和脂環、不飽和脂環または芳香環のいずれであってもよい。C6〜10アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アズレニル基、インデニル基、インダニル基、テトラリニル基等が挙げられる。これらのうち、フェニル基が好ましい。
【0041】
「ヘテロ環基」は、環を構成する原子として炭素原子以外に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個の複素原子を含む3〜7員の芳香族ヘテロ環、飽和ヘテロ環、不飽和ヘテロ環、またはこれらのヘテロ環とベンゼン環が縮合した9〜10員の縮合ヘテロ環からなる基を包含するものである。ヘテロ環基としては、アジリジン−1−イル基、アジリジン−2−イル基、エポキシ基;テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロフラン−3−イル基、ピロリジン−1−イル基、ピロリジン−2−イル基、ピロリジン−3−イル基;ピロ−ル−1−イル基、ピロ−ル−2−イル基、ピロ−ル−3−イル基、フラン−2−イル基、フラン−3−イル基、チオフェン−2−イル基、チオフェン−3−イル基、イミダゾール−1−イル基、イミダゾール−2−イル基、イミダゾール−4−イル基、イミダゾール−5−イル基、ピラゾール−1−イル基、ピラゾール−3−イル基、ピラゾール−4−イル基、ピラゾール−5−イル基、オキサゾール−2−イル基、オキサゾール−4−イル基、オキサゾール−5−イル基、チアゾール−2−イル基、チアゾール−4−イル基、チアゾール−5−イル基、イソオキサゾール−3−イル基、イソオキサゾール−4−イル基、イソオキサゾール−5−イル基、イソチアゾール−3−イル基、イソチアゾール−4−イル基、イソチアゾール−5−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−4−イル基、1,2,3−トリアゾール−5−イル基、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,4−トリアゾール−3−イル基、1,2,4−トリアゾール−5−イル基、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル基、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル基、1,3,4−チアジアゾール−2−イル基、1,2,4−チアジアゾール−3−イル基、テトラゾール−1−イル基、テトラゾール−2−イル基;
【0042】
ピリジン−2−イル基、ピリジン−3−イル基、ピリジン−4−イル基、ピラジン−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、ピリミジン−4−イル基、ピリミジン−5−イル基、ピリダジン−3−イル基、ピリダジン−4−イル基、トリアジニル基;インドール−1−イル基、インドール−2−イル基、インドール−3−イル基、インドール−4−イル基、インドール−5−イル基、インドール−6−イル基、インドール−7−イル基、ベンゾフラン−2−イル基、ベンゾフラン−3−イル基、ベンゾフラン−4−イル基、ベンゾフラン−5−イル基、ベンゾフラン−6−イル基、ベンゾフラン−7−イル基、ベンゾチオフェン−2−イル基、ベンゾチオフェン−3−イル基、ベンゾチオフェン−4−イル基、ベンゾチオフェン−5−イル基、ベンゾチオフェン−6−イル基、ベンゾチオフェン−7−イル基、イソインドール−1−イル基、イソインドール−2−イル基、イソインドール−4−イル基、イソインドール−5−イル基、イソインドール−6−イル基、イソインドール−7−イル基、イソベンゾフラン−1−イル基、イソベンゾフラン−4−イル基、イソベンゾフラン−5−イル基、イソベンゾフラン−6−イル基、イソベンゾフラン−7−イル基、ベンゾイミダゾール−1−イル基、ベンゾイミダゾール−2−イル基、ベンゾイミダゾール−4−イル基、ベンゾイミダゾール−5−イル基、ベンゾオキサゾール−2−イル基、ベンゾオキサゾール−4−イル基、ベンゾオキサゾール−5−イル基、ベンゾチアゾール−2−イル基、ベンゾチアゾール−4−イル基、ベンゾチアゾール−5−イル基;
【0043】
クロメン−2−イル基、クロメン−3−イル基、クロメン−4−イル基、クロメン−5−イル基、クロメン−6−イル基、クロメン−7−イル基、クロメン−8−イル基、キノリン−2−イル基、キノリン−3−イル基、キノリン−4−イル基、キノリン−5−イル基、キノリン−6−イル基、キノリン−7−イル基、キノリン−8−イル基、イソキノリン−1−イル基、イソキノリン−3−イル基、イソキノリン−4−イル基、イソキノリン−5−イル基、イソキノリン−6−イル基、イソキノリン−7−イル基、イソキノリン−8−イル基;ピペリジン−1−イル基、ピペリジン−2−イル基、ピペリジン−3−イル基、ピペリジン−4−イル基、ピペラジン−1−イル基、ピペラジン−2−イル基、ピペラジン−3−イル基、モルホリン−2−イル基、モルホリン−3−イル基、モルホリン−4−イル基;1,3−ベンゾジオキソール−4−イル基、1,3−ベンゾジオキソール−5−イル基、1,4−ベンゾジオキサン−5−イル基、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル基、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−イル基、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−7−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−4−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−6−イル基、2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル基;等が挙げられる。これらのうち、5〜10員のヘテロ環基が好ましい。
【0044】
「C1〜8アシル基」は、水素原子、C1〜7のアルキル基、C2〜7のアルケニル基、C2〜7のアルキニル基、C6〜7アリール基、または5〜7員のヘテロ環基が、カルボニル基と結合した基である。
C1〜8アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、n−プロピルカルボニル基、n−ブチルカルボニル基、ペンタノイル基、バレリル基、オクタノイル基、i−プロピルカルボニル基、i−ブチルカルボニル基、ピバロイル基、イソバレリル基等のアルキルカルボニル基;アクリロイル基、メタクリロイル基等のアルケニルカルボニル基;プロピオロイル基等のアルキニルカルボニル基;ベンゾイル基等のアリールカルボニル基;2−ピリジルカルボニル基、チエニルカルボニル基等のヘテロ環カルボニル基等が挙げられる。これらのうち、C1〜7アシル基が好ましい。
【0045】
「置換基を有するアシル基」としては、モノフルオロアセチル基、モノクロロアセチル基、モノブロモアセチル基、ジフルオロアセチル基、ジクロロアセチル基、ジブロモアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基、トリブロモアセチル基、3,3,3−トリフルオロプロピオニル基、3,3,3−トリクロロプロピオニル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピオニル基等のハロゲン原子が置換したC1〜8アシル基、好ましくはハロゲン原子が1〜3個置換したC1〜6アシル基; カルボキシル基; メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基; シクロプロピルメチルオキシカルボニル基、2−シクロペンチルエチルオキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基等のC1〜7のアルコキシカルボニル基; カルバモイル基;メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基等のモノC1〜6アルキルカルバモイル基またはジC1〜6アルキルカルバモイル基; フェニルカルバモイル基、4−メチルフェニルカルバモイル基等のモノアリールカルバモイル基、好ましくはモノC6〜10アリールカルバモイル基; アセチルカルバモイル基、ベンゾイルカルバモイル基等のアシルカルバモイル基、好ましくはC1〜6アシルカルバモイル基等が挙げられる。
【0046】
「(1−イミノ)C1〜8アルキル基」は、イミノメチル基、若しくはC1〜7のアルキル基がイミノメチル基と結合した基である。(1−イミノ)C1〜8アルキル基としては、イミノメチル基、(1−イミノ)エチル基、(1−イミノ)プロピル基、(1−イミノ)ブチル基、(1−イミノ)ペンチル基、(1−イミノ)ヘキシル基、(1−イミノ)ヘプチル基等が挙げられる。これらのうち、(1−イミノ)C1〜6アルキル基が好ましい。
「置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基」としては、ヒドロキシイミノメチル基、(1−ヒドロキシイミノ)エチル基、(1−ヒドロキシイミノ)プロピル基、(1−ヒドロキシイミノ)ブチル基等の(1−ヒドロキシイミノ)C1〜8アルキル基、好ましくは(1−ヒドロキシイミノ)C1〜6アルキル基;メトキシイミノメチル基、(1−エトキシイミノ)メチル基、(1−エトキシイミノ)エチル基等の(1−(C1〜6アルコキシ)イミノ)C1〜6アルキル基;等が挙げられる。
【0047】
「置換基を有するアミノ基」としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のモノC1〜6アルキルアミノ基またはジC1〜6アルキルアミノ基;メチリデンアミノ基、エチリデンアミノ基等のモノC1〜6アルキリデンアミノ基;フェニルアミノ基、4−メチルフェニルアミノ基等のモノアリールアミノ基、好ましくはモノC6〜10アリールアミノ基; ジ1−ナフチルアミノ基等のジアリールアミノ基、好ましくはジC6〜10アリールアミノ基; アセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等のアシルアミノ基、好ましくはC1〜6アシルアミノ基;等が挙げられる。
【0048】
「置換基を有する水酸基」としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、ラウリルオキシ基、i−プロポキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、1−エチルプロポキシ基、イソヘキシルオキシ基、4−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、2−メチルペントキシ基、1−メチルペントキシ基、3,3−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブトキシ基、1−エチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基等のアルコキシ基、好ましくはC1〜7アルコキシ基; シクロプロピルメチルオキシ基、2−シクロペンチルエチルオキシ基、ベンジルオキシ基; クロロメトキシ基、ジクロロメトキシ基、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、1−フルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基等のハロゲン原子が1〜3個置換したC1〜6アルコキシ基; ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、1−ペンテニルオキシ基、2−ペンテニルオキシ基、3−ペンテニルオキシ基、4−ペンテニルオキシ基、1−ヘキセニルオキシ基、2−ヘキセニルオキシ基、3−ヘキセニルオキシ基、4−ヘキセニルオキシ基、5−ヘキセニルオキシ基、1−ヘプテニルオキシ基、6−ヘプテニルオキシ基、1−オクテニルオキシ基、7−オクテニルオキシ基、1−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、1−メチル−2−ブテニルオキシ基、2−メチル−2−ブテニルオキシ基等のC2〜8アルケニルオキシ基、好ましくはC2〜6アルケニルオキシ基;
【0049】
エチニルオキシ基、プロピニルオキシ基、プロパルギルオキシ基、1−ブチニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、1−ペンチニルオキシ基、2−ペンチニルオキシ基、3−ペンチニルオキシ基、4−ペンチニルオキシ基、1−ヘキシニルオキシ基、ドデシニルオキシ基、ブタデシニルオキシ基、ヘプタデシニルオキシ基、1−メチル−2−プロピニルオキシ基、2−メチル−3−ブチニルオキシ基、1−メチル−2−ブチニルオキシ基、2−メチル−3−ペンチニルオキシ基、1,1−ジメチル−2−ブチニルオキシ基、4−エチルヘキサデシニルオキシ基等のアルキニルオキシ基、好ましくはC2〜6アルキニルオキシ基; シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基; 2−メチルシクロプロピルオキシ基、2−エチルシクロプロピルオキシ基、2,3,3−トリメチルシクロブチルオキシ基、2−メチルシクロペンチルオキシ基、2−エチルシクロヘキシルオキシ基、2−エチルシクロオクチルオキシ基、4,4,6,6−テトラメチルシクロヘキシルオキシ基、1,3−ジブチルシクロヘキシルオキシ基等のC3〜8シクロアルコキシ基、好ましくはC3〜6シクロアルコキシ基; フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アズレニルオキシ基、インデニルオキシ基、インダニルオキシ基、テトラリニルオキシ基等のC6〜10アリールオキシ基、好ましくはC6〜10アリールオキシ基; アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、i−プロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、i−ブチルカルボニルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、ピバロイルオキシ基等のC1〜8アシルオキシ基、好ましくはC1〜7アシルオキシ基;などが挙げられる。
【0050】
「置換基を有するメルカプト基」としては、メチルチオ基、エチルチオ基等のC1〜6アルキルチオ基;フェニルチオ基、4−メチルフェニルチオ基等のアリールチオ基、好ましくはC6〜10アリールチオ基;アセチルチオ基、ベンゾイルチオ基等のアシルチオ基、好ましくはC1〜6アシルチオ基;などが挙げられる。
【0051】
「ハロゲノ基」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0052】
「置換基を有するスルホニル基」としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、n−ブチルスルホニル基、イソブチルスルホニル基、s−ブチルスルホニル基、t−ブチルスルホニル基、n−ペンチルスルホニル基、イソペンチルスルホニル基、ネオペンチルスルホニル基、1−エチルプロピルスルホニル基、n−ヘキシルスルホニル基、イソヘキシルスルホニル基等のC1〜6アルキルスルホニル基; トリフロロメチルスルホニル基等のハロアルキルスルホニル基、好ましくはC1〜6ハロアルキルスルホニル基; フェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基等のアリールスルホニル基、好ましくはC6〜10アリールスルホニル基; スルフォ基;メトキシスルホニル基、エトキシスルホニル基等のアルコキシスルホニル基、好ましくはC1〜6アルコキシスルホニル基;
スルファモイル基;N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジエチルスルファモイル基等のスルファモイル基、好ましくは、モノC1〜6アルキルスルファモイル基またはジC1〜6アルキルスルファモイル基; フェニルスルファモイル基、4−メチルフェニルスルファモイル基等のモノアリールスルファモイル基、好ましくはモノC6〜10アリールスルファモイル基等が挙げられる。
【0053】
1とR2とが一緒になって形成する無置換の若しくは置換基を有する5〜8員環としては、ベンゼン環などの芳香族炭化水素環; フラン環、チオフェン環、ピロ−ル環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環等の芳香族ヘテロ環; シクロペンテン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環もしくはシクロオクテン環のごときシクロアルケン環等の脂肪族炭化水素環; ジヒドロ−2H−ピラン環、ジヒドロ−2H−チオピラン環、テトラヒドロピリジン環等の不飽和ヘテロ環が挙げられる。
これらのうち芳香族炭化水素環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。すなわち、本発明に係る化合物は、化合物(II)であることが好ましい。
【0054】
3とR4、またはR5とR6とが一緒になって形成する「置換基を有するイミノ基」としては、メチルイミノ基、ベンジルイミノ基;ヒドロキシイミノ基、エトキシイミノ基等が挙げられる。
3とR4、またはR5とR6とが一緒になって形成する「置換基を有するエキソメチレン基」としては、メチレン基、エチリデン基等が挙げられる。
【0055】
3〜R6から複数選択されるものが一緒になって形成する無置換の若しくは置換基を有する3〜8員環としては、シクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環のごときシクロアルカン環等の脂肪族炭化水素環; ベンゼン環などの芳香族炭化水素環; フラン環、チオフェン環、ピロ−ル環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、チアゾール環、オキサゾール環、イソオキサゾール環等の芳香族ヘテロ環; ジヒドロ−2H−ピラン環、ジヒドロ−2H−チオピラン環、テトラヒドロピリジン環等の不飽和ヘテロ環が挙げられる。
【0056】
本発明化合物は、R3〜R6としては、上記のように様々に選択することが可能であるが、水素原子、またはC1〜6アルキル基が好ましい。
また、本発明化合物においては、X、X’およびX”としては、上記のように様々に選択することが可能であるが、ハロゲノ基が好ましい。
【0057】
〔 Y 〕
Yは、酸素原子、硫黄原子、またはスルフィニル基を示す。本発明化合物においては、Yとしては、酸素原子が好ましい。
【0058】
〔部分構造A1−A2
式(I)中に含まれる部分構造A1−A2は、 C=N 、 CR7−NR8

、または

を示す。
【0059】
CR7−CR8中の、R7およびR8で示される基のそれぞれは、R1〜R6、X、X’、およびX”で示される基として例示したと同じものを挙げることができる。
本発明化合物においては、A1−A2としては、C=Nが好ましい。本発明に係る化合物としては、R1とR2とが一緒になってベンゼン環を形成し且つA1−A2がC=Nである化合物、すなわち化合物(III)が好ましい。
【0060】
〔部分構造Het〕
式(I)、式(II)および式(III)中に含まれる部分構造

は、6員のヘテロ環の2価基を示す。
【0061】
部分構造Hetとしては、ピリジン環、ピラジン環、ピリダジン環等の6員ヘテロ環の2価基などが挙げられる。
【0062】
本発明化合物の塩としては、農園芸学的に許容される塩であれば、特に制限されない。例えば、塩酸、硫酸等の無機酸の塩;酢酸、乳酸等の有機酸の塩;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の塩;カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属の塩;鉄、銅等の遷移金属の塩;アンモニア、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、ヒドラジン等の有機塩基の塩等が挙げられる。
【0063】
(本発明化合物の製造方法 1)
本発明の化合物は、公知の方法により製造することができる。例えば、式(1)で表される化合物は、式(2)で表されるボロン酸誘導体と、式(3)で表されるイミドイルハライド誘導体を、非特許文献1若しくは非特許文献2に記載されているパラジウム錯体などを用いたSuzukiカップリング反応させることによって調製することができる。
ここにおいて、式(2)で表されるボロン酸誘導体にかえて、式(2’)で表されるボロン酸誘導体を用いてもよい。
【0064】

【0065】

【0066】

(式(1)および式(3)中、R1〜R6、X、X’、Y、n、mは式(I)中のそれらと同じ意味を示す。X3はハロゲン原子を示す。)
【0067】

(式中、R1〜R2、X’、mは前記と同じ意味を示す。R’14はC1〜8アルキル基を示す。Mは、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を示す。)
【0068】

【0069】
式(3)で表される化合物は、式(4)で表される環状アミドを、ホスゲン、オキザリルクロライド、チオニルクロライド等の酸ハライド存在下で、反応させる方法で調製することができる。また、トリフェニルホスフィン、四塩化炭素の混合系でも同様に得られる。
【0070】

(式(5)中、R3〜R6、X、Y、nは前記と同じ意味を示す。Z’は酸素原子またはN−OHを示す。)
【0071】
式(4)で表される化合物は、式(5)で表される環状のアセトフェノン誘導体をシュミット反応させることにより、または式(5)で表される環状のアセトフェノン誘導体をオキシムに誘導した後、ベックマン転位させることにより調製することができる。両反応については様々な変法が報告されている。
【0072】
シュミット反応においては、非特許文献3若しくは非特許文献4に記載されているようなケトンを、アジ化ナトリウムと、濃塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸などの強酸との中で、溶媒の非存在下にまたはアセトニトリル、クロロホルム、塩化メチレンなどのような溶媒中で反応させることができる。
【0073】
ベックマン転位においては、カルボニル化合物のオキシムをポリリン酸またはそれのトリメチルシリルエステルと反応させるか、若しくは、カルボニル化合物のオキシムを三ヨウ化アルミニウムや塩化鉄(III)含浸モンモリロナイトなどのルイス酸の存在下で、溶媒を用いずにまたはアセトニトリルのような溶媒中で高温にして反応させることができる。また、オキシムのメシレートまたはトシレートを生成させ、次いで水性水酸化ナトリウム溶液などの塩基で処理することによって、若しくは塩化ジエチルアルミニウムなどのルイス酸で処理することによって、式(4)で表される化合物を調製することができる。
【0074】
オキシムは、既知の調製方法によって得ることができる。例えば、エタノールのような溶媒中で、必要に応じて、ピリジン、酢酸ナトリウム、水性水酸化ナトリウム溶液などの塩基を添加して、溶媒の沸点までの温度において、アセトフェノン誘導体とヒドロキシルアミン塩酸塩とを反応させてオキシムを調製することができる。
【0075】
また、式(1’)で表される化合物は、例えば、(i)式(1)で表される化合物を、パラジウム−炭素、酸化白金およびラネーニッケル等の接触還元触媒の存在下で水素と反応させる接触水素添加方法によって、または(ii)式(1)で表される化合物を、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム等の金属水素化合物の存在下で還元する方法によって、調製することができる。
【0076】

(式(1’)中、R1〜R6、X、X’、Y、n、mは前記と同じ意味を示す。)
【0077】
(中間体の製造方法)
本発明化合物の製造に用いられる製造中間体の製造方法について説明する。
先ず、C1〜6アルキルマグネシウムハライドとC1〜6アルキルリチウムとを反応させる。次いで、式(6)で表される化合物を反応させる。
【0078】

【0079】
式(6)中、X”は、夫々独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、フッ素原子、塩素原子またはニトロ基を示す。
X”で示される各基の具体例としては、式(I)の説明において例示した「基」が挙げられる。
pは、X”の個数を示し且つ0〜6のいずれかの整数である。X1は、臭素原子またはヨウ素原子を示す。
【0080】
製造中間体の製造に用いられるC1〜6アルキルマグネシウムハライドとしては、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、n−プロピルマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムクロライド、s−ブチルマグネシウムクロライド、t−ブチルマグネシウムクロライド、n−ブチルマグネシウムブロマイド、n−ブチルマグネシウムイオダイド等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、n−ブチルマグネシウムクロライドが好ましい。
【0081】
製造中間体の製造に用いられるC1〜6アルキルリチウムとしては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち、n−ブチルリチウムが好ましい。
【0082】
C1〜6アルキルマグネシウムハライドの使用量は、式(6)で表される化合物1モルに対して、0.25〜2モル、好ましくは0.3〜1.0モルである。C1〜6アルキルリチウムの使用量は、C1〜6アルキルマグネシウムハライド1モルに対して、2.0〜2.5モルである。
【0083】
次いで、前記の反応生成物にトリアルコキシボラン試薬( B(OR123 で表される化合物; 式中、R12は、夫々独立して、C1〜6アルキル基、好ましくはメチル基もしくはi−プロピル基である。)を反応させる。これによって、式(7)で表されるボロン酸誘導体を製造することができる。このボロン酸誘導体は、本発明化合物の製造中間体として用いることができる。トリアルコキシボラン試薬は、1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0084】

(式(7)中、X”およびpは、上記と同じ意味を示す。)
【0085】
トリアルコキシボラン試薬の使用量は、式(6)で表される化合物1モルに対して、1.0〜2.5モル、好ましくは1.0〜1.2モルである。
【0086】
アルキルマグネシウムハライドと2倍モルのアルキルリチウムとでアート型錯体を形成する。このアート型錯体が前記反応の進行に寄与していると考えられる。この反応においては、アルキルマグネシウムハライドとアルキルリチウムとを反応させてアート型錯体を先ず形成させ、式(6)で表される化合物を反応させ、次いでトリアルコキシボラン試薬を反応させる方法が好ましい。
【0087】
この反応に用いる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に制限されない。例えば、ヘキサン、シクロへキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、THF等のエーテル系溶媒等が挙げられる。これらは1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0088】
溶媒の使用量は特に限定されないが、式(6)で表される化合物1重量部に対して、通常、3〜100容量部、好ましくは4〜40容量部である。
反応時の温度は、好ましくは−78℃から室温までの範囲の温度、より好ましくは−10℃〜0℃である。
【0089】
また、式(7’)で表されるボロン酸エステル誘導体も、本発明化合物の製造中間体として用いることができる。
【0090】

式(7’)中、X”およびpは、上記と同じ意味を示す。R’12は、夫々独立して、C1〜8アルキル基を示す。R’12同士は一緒になって、5〜8員環を形成してもよい。)
式(7’)で表されるボロン酸エステル誘導体は、前記式(7)で表されるボロン酸誘導体をエステル化することによって製造することができる。エステル化の方法については、非特許文献5、非特許文献6等に記載された方法を用いることができる。
【0091】
(本発明化合物の製造方法 2)
本発明の化合物は、公知の方法により製造することができる。例えば、式(1)で表される化合物であって式中のYが酸素原子である化合物(式(1:Y=O)の化合物)は、式(8)で表される化合物を、酸性条件下環化反応を行うことで調製することができる。
【0092】

(式中、R1〜R6、X、X’、n、mは前記と同じ意味を表す。)
【0093】
式(8)で表される化合物は、式(9)で表される化合物(以下、「化合物(9)」ということがある。)から、アミノ基の保護基を脱保護することによって調製することができる。
【0094】

(式中、R1〜R6、X、X’、n、mは前記と同じ意味を表す。)
アミノ基の保護基は、上記のフタルイミド基に限らず、ジホルミルアミド基等の種々の保護基を用いることができる。
【0095】
式(9)で表される化合物は、式(10)で表される化合物(以下、「化合物(10)」ということがある。)と、式(11)で表される化合物(以下、「化合物(11)」ということがある。)を、塩基存在下縮合することで調製することができる。
【0096】

(式中、R1〜R6、X、X’、n、mは前記と同じ意味を表す。)
【0097】
化合物(9)を得る反応において、化合物(11)の使用量は、化合物(10)1モルに対して、通常0.8〜5倍モル、好ましくは1〜3倍モルである。
【0098】
化合物(9)を得る反応に用いる塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等の金属アルコキシド;水素化ナトリウム、水素化カリウム、水素化カルシウム等の金属水素化物;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7−エン(DBU)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等の有機塩基;が挙げられる。
塩基の使用量は、化合物(10)1モルに対して、通常1〜20倍モルである。
【0099】
この反応は、適当な有機溶媒中で行うことができる。用いる有機溶媒としては、反応に不活性なものであれば特に制限されない。例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド等の含硫黄系溶媒;ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;アセトニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系溶媒;及びこれらの二種以上からなる混合溶媒;等が挙げられる。
有機溶媒の使用量は、特に限定されないが、化合物(10)1gに対して、通常、1〜100mlである。
化合物(9)を得る反応は、0℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
【0100】
上記のいずれの反応においても、反応終了後は、有機合成化学における通常の後処理操作、および、必要により従来公知の分離精製手段を施すことによって、目的物を効率よく単離することができる。
【0101】
目的物の構造は、1H−NMRスペクトル、IRスペクトル、マススペクトルの測定や、元素分析等により、同定・確認することができる。
【0102】
2)農園芸用殺菌剤
本発明に係る農園芸用殺菌剤は、本発明に係る式(I)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有するものである。
【0103】
本発明殺菌剤は、広範囲の種類の糸状菌、例えば、藻菌類(Oomycetes)、子のう(嚢)菌類(Ascomycetes),不完全菌類(Deuteromycetes)、担子菌類(Basidiomycetes)に属する菌に対し優れた殺菌力を有する。
【0104】
本発明殺菌剤は、花卉、芝、牧草を含む農園芸作物の栽培に際し発生する種々の病害の防除に、種子処理、茎葉散布、土壌施用または水面施用等により使用することができる。
【0105】
例えば、
テンサイ:褐斑病(Cercospora beticola)、黒根病(Aphanomyces cochlloides)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris);
ラッカセイ:褐斑病(Mycosphaerella arachidis、黒渋病(Mycosphaerella berkeleyi);
キュウリ:うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、炭そ病(Colletotrichum orbiculare)、黒星病(Cladosporium cucumerinum)、褐斑病(Corynespora cassicola)、苗立枯病(Pythium debaryanam、Rhizoctonia solani Kuhn)、斑点細菌病(Pseudomonas syringae pv.Lecrymans);
トマト:灰色かび病(Botrytis cinerea)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans);
ナス:灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒枯病(Corynespora melongenae)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、すすかび病(Mycovellosiella nattrassii);
イチゴ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Sohaerotheca humuli)、炭そ病(Colletotrichum acutatum、Colletotrichum fragariae)、疫病(Phytophthora cactorum);
タマネギ:灰色腐敗病(Botrytis allii)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、白斑葉枯病(Botrytis squamosa)、べと病(Peronospora destructor);
キャベツ:根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、軟腐病(Erwinia carotovora)、べと病(Peronospora parasitica);
インゲン:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、灰色かび病(Botrytis cinerea);
りんご:うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、黒星病(Venturia inaequalis)、モニリア病(Monilinia mali)、黒点病(Mycosphaerella pomi)、腐らん病(Valsa mali)、斑点落葉病(Alternaria mali)、赤星病(Gymnosporangium yamadae)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、炭そ病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、褐斑病(Diplocarpon mali)、すす点病(Zygophiala jamaicensis)、すす斑病(Gloeodes pomigena);
カキ:うどんこ病(Phyllactinia kakicola)、炭そ病(Gloeosporium kaki)、角斑落葉病(Cercospora kaki);
【0106】
モモ:灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、ホモプシス腐敗病(Phomopsis sp.);
オウトウ:灰星病(Monilinia fructicola)
ブドウ:灰色かび病(Botrytis cinerea)、うどんこ病(Uncinula necator)、晩腐病(Glomerella cingulata、Colletotrichum acutatum)、べと病(Plasmopara viticola)、黒とう病(Elsinoe ampelina)、褐斑病(Pseudocercospora vitis)、黒腐病(Guignardia bidwellii);
ナシ:黒星病(Venturia nashicola)、赤星病(Gymnosporangium asiaticum)、黒斑病(Alternaria kikuchiana)、輪紋病(Botryosphaeria berengeriana)、うどんこ病(Phyllactinia mali);
チャ:輪斑病(Pestalotia theae)、炭そ病(Colletotrichum theae-sinensis);
カンキツ:そうか病(Elsinoe fawcetti)、青かび病(Penicillium italicum)、緑かび病(Penicillium digitatum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、黒点病(Diaporthe citri)、かいよう病(Xanthomonas campestris pv.Citri);
コムギ:うどんこ病(Erysiphe graminis f.sp.tritici)、赤かび病(Gibberella zeae)、赤さび病(Puccinia recondita)、褐色雪腐病(Pythium iwayamai)、紅色雪腐病(Monographella nivalis)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Septoria tritici)、ふ枯病(Leptosphaeria nodorum)、雪腐小粒菌核病(Typhula incarnata)、雪腐大粒菌核病(Myriosclerotinia borealis)、立枯病(Gaeumanomyces graminis);
【0107】
オオムギ:斑葉病(Pyrenophora graminea)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、裸黒穂病(Ustilago tritici、U.nuda);
イネ:いもち病(Pyricularia oryzae)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、馬鹿苗病(Gibberella fujikuroi)、ごま葉枯病(Cochliobolus niyabeanus)、苗立枯病(Pythium graminicola)、白葉枯病(Xanthomonas oryzae)、苗立枯細菌病(Burkholderia plantarii)、褐条病(Acidovorax avenae)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae);
タバコ:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum);
チューリップ:灰色かび病(Botrytis cinerea);
ベントグラス:雪腐大粒菌核病(Sclerotinia borealis)、赤焼病(Pythium aphanidermatum);
オーチャードグラス:うどんこ病(Erysiphe graminis);
ダイズ:紫斑病(Cercospora kikuchii)、べと病(Peronospora Manshurica)、茎疫病(Phytophthora sojae);
ジャガイモ・トマト:疫病(Phytophthora infestans);
等の防除に使用することができる。
【0108】
また、本発明殺菌剤は、耐性菌に対しても優れた殺菌効果を有する。耐性菌としては、チオファネートメチル、ベノミル、カルベンダジム等のベンズイミダゾール系殺菌剤に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)やテンサイ褐斑病菌(Cercospora beticola)、リンゴ黒星病菌(Venturia inaequalis)、ナシ黒星病菌(Venturia nashicola);ジカルボキシイミド系殺菌剤(例えば、ビンクロゾリン、プロシミドン、イプロジオン)に耐性を示す灰色かび病菌(Botrytis cinerea)などが挙げられる。
【0109】
本発明殺菌剤の適用がより好ましい病害としては、リンゴの黒星病、キュウリの灰色かび病、コムギのうどんこ病、トマトの疫病、コムギの赤さび病、水稲のいもち病、キュウリのつる割病等が挙げられる。
【0110】
また、本発明殺菌剤は薬害が少なく、魚類や温血動物への毒性が低く、安全性の高い薬剤である。
本発明殺菌剤は、農薬としてとり得る形態、即ち、水和剤、粒剤、粉剤、乳剤、水溶剤、懸濁剤、顆粒水和剤等の農薬製剤の形態で使用することができる。
【0111】
固体の製剤に用いられる添加剤および担体としては、大豆粉、小麦粉等の植物性粉末、珪藻土、燐灰石、石こう、タルク、ベントナイト、パイロフィライト、クレー等の鉱物性微粉末、安息香酸ソーダ、尿素、芒硝等の有機および無機化合物などが挙げられる。
【0112】
液体の製剤に用いられる溶剤としては、ケロシン、キシレンおよび石油系の芳香族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アルコール、アセトン、トリクロロエチレン、メチルイソブチルケトン、鉱物油、植物油、水等が挙げられる。
【0113】
さらに、これらの製剤において均一かつ安定な形態をとるために、必要に応じ界面活性剤を添加することができる。
添加することができる界面活性剤は特に限定されない。例えば、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンが付加したアルキルエーテル、ポリオキシエチレンが付加した高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したソルビタン高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンが付加したトリスチリルフェニルエーテル等の非イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンが付加したアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩のホルムアルデヒド縮合物、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体等が挙げられる。
【0114】
このようにして得られた水和剤、乳剤、フロアブル剤、水溶剤、若しくは顆粒水和剤は水で所定の濃度に希釈して、溶解液、懸濁液あるいは乳濁液として植物に散布する方法で使用される。また、粉剤・粒剤はそのまま植物に散布する方法で使用される。
【0115】
本発明の殺菌剤中における有効成分量は、製剤全体に対して、好ましくは0.01〜90重量%、より好ましくは0.05〜85重量%である。
【0116】
本発明殺菌剤の施用量は、気象条件、製剤形態、施用時期、施用方法、施用場所、防除対象病害、対象作物等により異なるが、通常1ヘクタール当たり有効成分化合物量にして好ましくは1〜1,000g、より好ましくは10〜100gである。
【0117】
水和剤、乳剤、懸濁剤、水溶剤、顆粒水和剤等を水で希釈して施用する場合、その施用濃度は、好ましくは1〜1000ppm、より好ましくは10〜250ppmである。
【0118】
本発明殺菌剤には、他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、共力剤などを混合することができる。
混合して使用できる他の殺菌剤、殺虫剤、殺ダニ剤、植物生長調節剤の代表例を以下に示す。
【0119】
殺菌剤:
ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール、チアベンダゾール、チオファネート メチル等のベンゾイミダゾール系;
クロゾリネート、イプロジオン、プロシミドン、ビンクロゾリン等のジカルボキシイミド系;
イマザリル、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ、トリフルミゾール、トリホリン、ピリフェノックス、フェナリモル、ヌアリモル、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール、エポキシコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホル、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、プロチオコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、エタコナゾール、ファーコナゾールシス、イプコナゾール、イミベンコナゾール、等のDMI−殺菌剤;
ベナラキシル、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル−M、オキサジキシル、オフラセ等のフェニルアミド系;
アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ、フェンプロピジン、ピペラリン、スピロキサミン等のアミン系;
EDDP、イプロベンホス、ピラゾホス等のホスホロチオレート系;
イソプロチオラン等のジチオラン系;
ベノダニル、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラン、フルトラニル、フラメトピル、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンチオピラド、チフルザミド等のカルボキサミド;
ブピリメート、ジメチリモル、エチリモル等のヒドロキシ−(2−アミノ)ピリミジン;
【0120】
シプロジニル、メパニピリム、ピリメタニル等のAP殺菌剤 (アニリノピリミジン) ;
ジエトフェンカルブ等のN−フェニルカーバメート;アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、クレソキシム−メチル、トリフロキシストロビン、ジモキシストロビン、メトミノストロビン、オリザストロビン、ファモキサドン、フルオキサストロビン、フェンアミドン、メトミノフェン、ピリベンカルブ等のQoI−殺菌剤 (Qo阻害剤);
フェンピコニル、フルジオキソニル等のPP殺菌剤 (フェニルピロール) ;
キノキシフェン等のキノリン系 ;
ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン、トルクトフォス−メチル等のAH殺菌剤 (芳香族炭化水素);
フサライド、ピロキロン、トリシクラゾール等のMBI−R;
カルプロパミド、ジクロシメット、フェノキサニル等のMBI−D;
フェンヘキサミド、ピリブチカルブ、タービナフィン等のSBI剤;
ペンシクロン等のフェニルウレア;
シアゾファミド等のQiI−殺菌剤(Qi阻害剤);
ゾキサミド等のベンズアミド;
ブラストサイジン、ミルディオマイシン等のエノピランウロン;
カスガマイシン等のへキソピラノシル;
ストレプトマイシン、バリダマイシン等のグルコピラノシル;
シモキサニル等のシアノアセトアミド;
プロパモカルブ、プロチオカルブ、ポリカーバメート等のカーバメート;
ビナパクリル、ジノカップ、フェリムゾン、フルアジナム等の脱共役剤;
酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ等の有機スズ化合物;
【0121】
亜リン酸、トルクロホスメチル、ホセチル等のリン酸エステル;
テクロフタラム等のフタルアミド酸;
トリアゾキシド等のベンゾトリアジン;
フルスルファミド等のベンゼンスルフォナミド;
ジクロメジン等のピリダジノン;
ジメトモルフ、フルモルフ、ベンチアバリカルブ、イプロバリカルブ、マンジプロパミド等のCAA殺菌剤 (カルボン酸アミド);
オキシテトラサイクリン等のテトラサイクリン;
メタスルホカルブ等のチオカーバメート;
エトリジアゾール、ポリオキシン、オキソリニック酸、ヒドロキシイソキサゾール、オクチノリン、シルチオファム、ジフルメトリム、アシベンゾラルSメチル、プロベナゾール、チアジニル、エタボキサム、シフルフェナミド、プロキナジド、メトラフェノン、フルオピコリド、水酸化第二銅、有機銅、硫黄、ファーバム、マンゼブ、マンネブ、メチラム、プロピネブ、チウラム、ジネブ、ジラム、キャプタン、カプタホール、フォルペット、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリルフルアニド、ドジン、グアザチン、イミノクタジン、アニラジン、ジチアノン、クロロピクリン、ダゾメット、メタムナトリウム塩、キノメチオネート、シプロフラム、シルチオファム、アグロバクテリウム、フルオルイミド等のその他の化合物。
【0122】
殺虫・殺ダニ剤:
有機燐およびカーバメート系殺虫剤:
フェンチオン、フェニトロチオン、ダイアジノン、クロルピリホス、ESP、バミドチオン、フェントエート、ジメトエート、ホルモチオン、マラソン、トリクロルホン、チオメトン、ホスメット、ジクロルボス、アセフェート、EPBP、メチルパラチオン、オキシジメトンメチル、エチオン、サリチオン、シアノホス、イソキサチオン、ピリダフェンチオン、ホサロン、メチダチオン、スルプロホス、クロルフェンビンホス、テトラクロルビンホス、ジメチルビンホス、プロパホス、イソフェンホス、エチルチオメトン、プロフェノホス、ピラクロホス、モノクロトホス、アジンホスメチル、アルディカルブ、メソミル、チオジカルブ、カルボフラン、カルボスルファン、ベンフラカルブ、フラチオカルブ、プロポキスル、BPMC、MTMC、MIPC、カルバリル、ピリミカーブ、エチオフェンカルブ、フェノキシカルブ、EDDP等。
ピレスロイド系殺虫剤:
ペルメトリン、シペルメトリン、デルタメスリン、フェンバレレート、フェンプロパトリン、ピレトリン、アレスリン、テトラメスリン、レスメトリン、ジメスリン、プロパスリン、フェノトリン、プロトリン、フルバリネート、シフルトリン、シハロトリン、フルシトリネート、エトフェンプロクス、シクロプロトリン、トロラメトリン、シラフルオフェン、ブロフェンプロクス、アクリナスリン等。
ベンゾイルウレア系その他の殺虫剤:
ジフルベンズロン、クロルフルアズロン、ヘキサフルムロン、トリフルムロン、テトラベンズロン、フルフェノクスロン、フルシクロクスロン、ブプロフェジン、ピリプロキシフェン、メトプレン、ベンゾエピン、ジアフェンチウロン、アセタミプリド、イミダクロプリド、ニテンピラム、フィプロニル、カルタップ、チオシクラム、ベンスルタップ、硫酸ニコチン、ロテノン、メタアルデヒド、機械油、BTや昆虫病原ウイルス等の微生物農薬等。
【0123】
殺線虫剤:
フェナミホス、ホスチアゼート等。
殺ダニ剤:
クロルベンジレート、フェニソブロモレート、ジコホル、アミトラズ、BPPS、ベンゾメート、ヘキシチアゾクス、酸化フェンブタスズ、ポリナクチン、キノメチオネート、CPCBS、テトラジホン、アベルメクチン、ミルベメクチン、クロフェンテジン、シヘキサチン、ピリダベン、フェンピロキシメート、テブフェンピラド、ピリミジフェン、フェノチオカルブ、ジエノクロル等。
植物生長調節剤:
アブシジン酸、インドール酪酸、ウニコナゾール、エチクロゼート、エテホン、クロキシホナック、クロルメコート、クロレラ抽出液、過酸化カルシウム、シアナミド、ジクロルプロップ、ジベレリン、ダミノジッド、デシルアルコール、トリネキサパックエチル、メピコートクロリド、パクロブトラゾール、パラフィン、ワックス、ピペロニルブトキシド、ピラフルフェンエチル、フルルプリミドール、プロヒドロジャスモン、プロヘキサジオンカルシウム塩、ベンジルアミノプリン、ペンディメタリン、ホルクロルフェニュロン、マレイン酸ヒドラジドカリウム、1−ナフチルアセトアミド、4−CPA、MCPB、コリン、硫酸オキシキノリン、エチクロゼート、ブトルアリン、1−メチルシクロプロペン、アビグリシン塩酸塩。
【実施例】
【0124】
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されることはない。なお、実施例の化合物番号は、表中の化合物番号に対応している。
【0125】
実施例1
3-(Pyrido[3,2-f][1,4]oxazepin-5-yl)-quinoline(化合物番号A1−18)の合成
【0126】

【0127】
N-(2-hydroxy-isobutyl)-phthalimide(1.6g;7.3mmol)をDMF25mLに溶解し、0℃下でNaH(60% oil dispersion)(0.32g;8.0mmol)を加え、室温にて30分間攪拌した。ここにQuinolin-3-yl-(2-chloropyridin-3-yl)-methanone(1.96g;7.3mmol)を加え、90〜100℃で3時間攪拌した。反応液を冷却後、水100mLを加え、AcOEtにて抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧下に留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製を行い、化合物1を0.63g得た。化合物1(0.21g;0.46mmol)を5mLのエタノールに溶解し、40%メチルアミン溶液を1mL加え、室温で3時間攪拌した。反応液を水に注ぎ、塩化メチレンにて抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、次いで減圧下で溶媒を留去した。残渣にエタノール8mlおよび酢酸1mLを加え、5時間加熱還流を行った。反応液を水に注ぎ、飽和重曹水で中和し、次いで酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、硫酸マグネシウムにて乾燥させ、減圧下で溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、目的物を0.05g得た。
物性: 融点147−150℃
【0128】
なお、Quinolin-3-yl-(2-chloropyridin-3-yl)-methanoneは、J. Med. Chem., 14, 1, 1971, 17-24に記載の方法に従って合成した。
N-(2-hydroxy-isobutyl)-phthalimideは、Chem. Ber., 54, 1921, 3160に記載の方法に従って合成した。
【0129】
上記の実施例等に示した方法と同様の手法で製造できる化合物を表1に示す。表中の、Meはメチル基、Etはエチル基を示す。表1中のR3、R4、R5、R6、X”p、Yおよび部分構造Hetは、式(A)で表わされる化合物の中の置換基を示す。
【0130】

【0131】
【表1】

【0132】

【0133】

【0134】
(製剤)
次に、本発明殺菌剤の実施例を若干示すが、添加物および添加割合は、これら実施例に限定されるべきものではなく、広範囲に変化させることが可能である。また、製剤実施例中の部は重量部を示す。
【0135】
製剤実施例1 水和剤
本発明化合物 40部
クレー 48部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 4部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
以上を均一に混合して微細に粉砕し、有効成分40%の水和剤を得る。
【0136】
製剤実施例2 乳剤
本発明化合物 10部
ソルベッソ200 53部
シクロヘキサノン 26部
ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム塩 1部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 10部
以上を混合溶解し、有効成分10%の乳剤を得る。
【0137】
製剤実施例3 粉剤
本発明化合物 10部
クレー 90部
以上を均一に混合して微細に粉砕し、有効成分10%の粉剤を得る。
【0138】
製剤実施例4 粒剤
本発明化合物 5部
クレー 73部
ベントナイト 20部
ジオクチルスルホサクシネートナトリウム塩 1部
リン酸カリウム 1部
以上をよく粉砕混合し、水を加えてよく練り合せた後、造粒乾燥して有効成分5%の粒剤を得る。
【0139】
製剤実施例5 懸濁剤
本発明化合物 10部
ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル 4部
ポリカルボン酸ナトリウム塩 2部
グリセリン 10部
キサンタンガム 0.2部
水 73.8部
以上を混合し、粒度が3ミクロン以下になるまで湿式粉砕し、有効成分10%の懸濁剤を得る。
【0140】
製剤実施例6 顆粒水和剤
本発明化合物 40部
クレー 36部
塩化カリウム 10部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩 1部
リグニンスルホン酸ナトリウム塩 8部
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩のホルムアルデヒド縮合物
5部
以上を均一に混合して微細に粉砕後,適量の水を加えてから練り込んで粘土状にする。粘土状物を造粒した後乾燥し、有効成分40%の顆粒水和剤を得る。
【0141】
(試験例)キュウリ灰色かび病防除試験
素焼きポットで栽培したキュウリ幼苗(品種「相模半白」、子葉期)に、本発明化合物の乳剤を有効成分100ppmの濃度で散布した。室温で自然乾燥した後、キュウリ灰色かび病菌(Botrytis cinerea)の分生胞子懸濁液を滴下接種し、暗所、20℃、高湿度の室内に4日間保持した。葉上の病斑出現状態を無処理と比較調査し、防除効果を求めた。
化合物番号A1−1の化合物についてキュウリ灰色かび病防除試験を行った。75%以上の防除価を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩。


式(I)中、R1およびR2は、夫々独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、シアノ基、またはニトロ基を示す。
1とR2は一緒になって、無置換の若しくは置換基を有する5〜8員環を形成してもよい。
3〜R6は、夫々独立して、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、またはシアノ基を示す。
Yは、酸素原子、硫黄原子、またはスルフィニル基を示す。
式(I)中に含まれる部分構造A1−A2は、 C=N 、 CR7−NR8

、または

を示す。
7は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、ハロゲノ基、またはシアノ基を示す。
8は、水素原子、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、または無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基を示す。
3〜R6のうち少なくとも2つが一緒になって無置換の若しくは置換基を有する3〜8員環を形成してもよい。
3とR4、またはR5とR6は一緒になって、オキソ基、チオキソ基、無置換の若しくは置換基を有するイミノ基、または無置換の若しくは置換基を有するエキソメチレン基を形成してもよい。
式(I)中に含まれる部分構造

は、6員のヘテロ環の2価基を示す。
XおよびX’は、夫々独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、シアノ基、またはニトロ基を示す。
mは、X’の個数を示し且つ0〜2のいずれかの整数である。
nは、Xの個数を示し且つ0〜3のいずれかの整数である。
【請求項2】
式(II)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩。


式(II)中、X、n、R3〜R6およびY、並びに部分構造A1−A2、および

は、式(I)中のそれらと同じ意味を示す。
X”は、夫々独立して、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC2〜8アルキニル基、無置換の若しくは置換基を有するC3〜8シクロアルキル基、無置換の若しくは置換基を有するC4〜8シクロアルケニル基、無置換の若しくは置換基を有するC6〜10アリール基、無置換の若しくは置換基を有するヘテロ環基、無置換の若しくは置換基を有するC1〜8アシル基、無置換の若しくは置換基を有する(1−イミノ)C1〜8アルキル基、無置換の若しくは置換基を有する水酸基、無置換の若しくは置換基を有するアミノ基、無置換の若しくは置換基を有するメルカプト基、置換基を有するスルホニル基、ハロゲノ基、シアノ基、またはニトロ基を示す。
pは、X”の個数を示し且つ0〜6のいずれかの整数である。
【請求項3】
式(III)で表される含窒素ヘテロ環化合物またはその塩。


式(III)中、X、X”、n、p、R3〜R6およびY、並びに部分構造

は、式(II)中のそれらと同じ意味を示す。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の含窒素ヘテロ環化合物またはその塩から選ばれる少なくとも1種を有効成分として含有する農園芸用殺菌剤。

【公開番号】特開2011−162472(P2011−162472A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−26401(P2010−26401)
【出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【出願人】(000004307)日本曹達株式会社 (434)
【Fターム(参考)】