説明

含酸素化合物の流動接触分解法

含酸素炭化水素化合物、たとえばグリセロールおよびバイオ油を流動接触分解する方法が開示される。該方法において、該含酸素炭化水素化合物は流動分解用触媒物質と3秒間未満、接触される。好まれる方法では、原油から誘導された物質、たとえばVGOも該触媒と接触される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変更された流動接触分解プロセスにおいて、石油から誘導された供給原料とともに、含酸素化合物、たとえばグリセロール、炭水化物、糖アルコール、または他のバイオマス由来の含酸素分子、たとえばデンプン、セルロースおよびヘミセルロース由来の化合物を同時供給することによって、オレフィン、芳香族、合成ガス(水素、一酸化炭素)、プロセスヒート、およびコークを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
流動接触分解(FCC)は、原油をガソリン、オレフィンおよび他の炭化水素に転化するために最も広く使用されている方法である。FCCプロセスは、図1に示されたように互いに連結された2の容器から成る。第一の反応器において、熱い粒子状触媒が炭化水素供給原料と接触され、それによって分解生成物および使用済みコーク付着触媒を製造する。分解反応が行われた後、触媒はコークによって大方失活されている。
【0003】
コーク付着触媒は、分解生成物から分けられ、スチームストリッピングによって残留油を取り除かれ、そしてそれから再生器中で失活触媒からコークを燃焼除去することによって再生される。熱い触媒は、それからさらなる分解のためにライザー反応器にリサイクルされる。FCCプロセスのために、多様なプロセス構成および触媒が開発されている。FCC触媒の中心はフォージャサイトゼオライトである。生成物の分布においてより高い柔軟性を達成するために、新規な中孔径、大孔径および超大孔径ゼオライトが活発に探索されている。
【0004】
欧州委員会(European Commission)は、2010年までにEU内の輸送燃料の5.75%をバイオ燃料にするという目標を設定した。石油に基づいた燃料にバイオ燃料をブレンドすることは、輸入原油への依存を低減し、温室効果ガスの放出を低減し、および農業の経済性を改善するのに資するだろう。FCCプラントは、石油精製所にすでに設置されているので、バイオマスの転化のためにFCCプロセスを使用することは、有意の設備投資を必要としない。したがって、効率的な方法が開発されて、FCCプロセスを使用してバイオマス由来の分子を輸送燃料に転化するならば、それは現在の技術水準におけるかなりの進歩を示すことになるだろう。
【0005】
ゼオライト触媒を使用してバイオマス由来の分子を液体燃料に転化するいくつかの方法が報告されている。特許文献1および2(Mobil社)においてChenおよびKoenigは、500℃においてゼオライト触媒上に水性流を通すことによって、バイオマス由来の炭水化物、デンプンおよびフルフラールを、液状炭化水素生成物、COおよびコークに転化する方法を報告している[Chen、1986、#9;Chen、1990、#10]。キシロース、グルコース、デンプンおよびスクロースが500℃においてZSM−5触媒上に供給されると、該炭素の40〜66%がコークとして反応器から出て行くことを、彼らは観察した[Chen、1986、#9]。生成された他の生成物は、炭化水素、COおよびCOを含む。水性炭水化物流にメタノールを混合すると、より低いレベルのコークおよびより高いレベルの炭化水素が生成されることがもたらされる。
【0006】
バイオマス転化の主要な課題は、バイオマスから酸素を除去しかつ炭化水素生成物の水素含有量を高めることであると、Chenらは報告している。彼らは、式1で定義される有効水素対炭素比(H/Ceff)を定義する。バイオマス由来の含酸素炭化水素化合物のH/Ceff比は、バイオマス由来分子の高い酸素含有量の故に、石油から誘導された供給原料よりも低い。炭水化物、ソルビトールおよびグリセロール(すべてバイオマス由来化合物)のH/Ceff比は、それぞれ0、1/3および2/3である。石油から誘導された供給原料のH/Ceff比は、(液状アルカンについての)2から(ベンゼンについての)1までの範囲にある。この点において、石油に基づいた供給原料と比較されると、バイオマスは水素欠乏分子とみなされることができる。

この式で、H、C、O、NおよびSは、それぞれ水素、炭素、酸素、窒素およびイオウのモル数である。
【0007】
グリセロールは現在のところバイオジーゼル油製造からの価値の高い副生成物であり、バイオジーゼル油の製造は、トリグリセリドをエステル交換して対応するメチルまたはエチルエステルにすることを含む。バイオジーゼル油生産量が増加するにつれて、グリセロールの価格は相当に下がると予想されている。事実、グリセロールの価格はすでに、最近数年でほとんど半分までに下がった[McCoy、2005、#6]。したがって、グリセロールを化学品および燃料に転化するための安価な方法を開発することが望ましい。
【0008】
酸加水分解、熱分解および液化によって、固形バイオマスを液体に転化する方法は周知である[Klass、1998、#12]。固形物質、たとえばリグニン、フミン酸およびコークは、上記の反応の副生成物である。上記の反応からは広い範囲の生成物が製造され、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、多糖、単糖(たとえば、グルコース、キシロース、ガラクトース)、フルフラール、多糖およびリグニン由来のアルコール(クマリル、コニフェリルおよびシナピルアルコール)が含まれる。
【0009】
バイオマスの急速熱分解または液化によって製造されるバイオ油は、300より多い化合物の混合物である。バイオ油は熱的に不安定であり、これらが燃料として使用されることになるならばアップグレーディングされる必要がある。バイオ油、したがってバイオ油成分は、ゼオライト触媒を使用してより安定な燃料に転化されることができる[Bridgwater、1994、#14]。上記の方法に使用される反応条件は、350〜500℃の温度、大気圧、および約2の気体時空間速度である。この反応からの生成物は、炭化水素(芳香族、脂肪族)、水溶性有機物、水、油溶性有機物、ガス(CO、CO、軽質アルカン)、およびコークを含む。この方法の間、脱水、分解、重合、脱酸素、および芳香族化を含む多数の反応が生じる。しかし、不十分な炭化水素収率および高いコーク収率が一般にこれらの反応条件下に生じ、ゼオライトによるアップグレーディングの有用性を限定する。
【0010】
Bakhshiおよび共同研究者らは、木材由来の急速熱分解バイオ油のゼオライトアップグレーディングを検討し、バイオ油の30〜40重量%がコークまたはチャー(炭化物)を生成することを観察した[非特許文献1、2および3]。ZSM−5触媒は、試験された触媒のいずれのうちでも最大量(供給原料の34重量%)の液状有機生成物を生成した。有機炭素の生成物は、ZSM−5の場合ほとんど芳香族であり、SiO−Alの場合脂肪族であった。ガス状生成物はCO、CO、軽質アルカン、および軽質オレフィンを含む。バイオ油は熱的に不安定であり、ゼオライトアップグレーディングの間に熱分解反応が起きる。Bakhshiおよび共同研究者らは2反応器プロセスも開発し、該方法では第一の空の反応器中で熱反応のみが起き、そして触媒を内蔵する第二の反応器中で触媒反応が起きる(非特許文献4)。2反応器系の報告された利点は、触媒上に堆積されるコークの量を低減することによって触媒寿命が改良されたことである。
【0011】
バイオ油化合物のモデル、たとえばアルコール、フェノール、アルデヒド、ケトン、酸、および混合物の変換が、HZSM−5触媒上で検討された(非特許文献5、6および7)。アルコールが、約200℃の温度においてオレフィンに、次に250℃においてより高級オレフィンに、それに続いて350℃においてパラフィンおよび小割合の芳香族に転化された(非特許文献5)。フェノールは、HZSM−5上では低い反応性を有し、小量のプロピレンおよびブタンを製造するのみである。2−メトキシフェノールも炭化水素への低い反応性を有し、熱分解してコークを生成する。アセトアルデヒドはZSM−5触媒上で低い反応性を有し、これも熱分解を生じてコーク生成問題をもたらした(非特許文献6)。アルコールよりも低度に反応性であるアセトンは、350℃超の温度においてC5+オレフィンに転化する。これらのオレフィンは次に、C5+パラフィン、芳香族および軽質アルケンに転化される。酢酸はまずアセトンに転化され、そしてそれからアセトンが上記のように反応する。酢酸およびアセトンのゼオライトアップグレーディングからの生成物は、アルコール供給原料からの生成物よりもかなり多いコークを生じる。したがって、バイオ油中の様々な分子は、反応性およびコーク生成速度において有意の差を有する。
【0012】
植物油の接触分解は、直鎖および環式のパラフィン、オレフィン、アルデヒド、ケトン、およびカルボン酸を含有する液体燃料を製造するために使用されることができる。植物油の分解は1921年以来検討されており、第一次および第二次世界戦争の間、植物油の熱分解生成物は燃料として使用された。植物油の接触分解の間、均一系および不均一系反応の双方が起きている。熱分解反応は、触媒を用いてまたは用いないで行われることができ、HZSM−5、ゼオライトβおよびUSYを含む多数の触媒が試験された60、61。TwaiqらはZSM−5触媒を使用して、パーム油供給原料からそれぞれ28、9、および5%の収率のガソリン、灯油、およびジーゼル燃料を生成した。Limaらは、ZSM−5触媒ならびに大豆油およびパーム油供給原料を用いた熱分解生成物がブラジルジーゼル燃料と類似した燃料特性を有すると主張している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】米国特許第4,933,283号明細書
【特許文献2】米国特許第4,549,031号明細書
【非特許文献】
【0014】
【非特許文献1】Sharma,R.K.およびN.N.Bakhshi、「熱分解油の接触アップグレーディング」、1993年、Energy and Fuels、第7巻、306〜314ページ
【非特許文献2】Katikaneni,S.P.R.およびJ.D.Adjayeら、「木材由来油および植物油から炭化水素を製造するアルミノホスフェートモレキュラーシーブ触媒の性能」、1995年、Energy and Fuels、第9巻、1065〜1078ページ
【非特許文献3】Adjaye,J.D.およびS.P.R.Katikaneniら、「炭化水素へのバイオ燃料の接触転化:生成物分布へのHZSM−5とシリカ−アルミナとの混合物触媒の効果」、1996年、Fuel Processing Technology、第48巻、115〜143ページ
【非特許文献4】Srinivas,S.T.およびA.K.Dalaiら、「2反応系におけるバイオマス由来油の熱的および接触アップグレーディング」、2000年、Canadian Journal of Chemical Engineering、第78巻、343〜354ページ
【非特許文献5】Gayubo,A.G.およびA.T.Aguayoら、「HZSM−5ゼオライト上でのバイオマス熱分解の含酸素物成分の変換I.アルコールおよびフェノール」、2004年、Ind.Eng.Chem.Res.、第43巻、2610〜2618ページ
【非特許文献6】Gayubo,A.G.およびA.T.Aguayoら、「HZSM−5ゼオライト上でのバイオマス熱分解油の含酸素物成分の変換II.アルデヒド、ケトン、および酸」、2004年、Ind.Eng.Chem.Res.、第43巻、2619〜2626ページ
【非特許文献7】Gayubo,A.G.およびA.T.Aguayoら、「HZSM−5ゼオライト触媒上でのバイオマス熱分解油の炭化水素への変換における望まれていない成分」、2005年、Journal of Chemical Technology and Biotechnology、第80巻、1244〜1251ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
FCCプラントは、石油精製所にすでに設置されているので、バイオマスの転化のためにFCCプロセスを使用することは、有意の設備投資を必要としない。したがって、効率的な方法が開発されて、FCCプロセスを使用してバイオマス由来の分子を輸送燃料に転化するならば、それは現在の技術水準におけるかなりの進歩を示すことになるだろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は一般に、含酸素炭化水素化合物を流動接触分解する方法であって、含酸素炭化水素化合物を含んでいる反応供給原料を流動分解用触媒物質と300〜700℃の範囲の温度において3秒間未満、接触させる段階を含む方法に関する。
【0017】
本発明はより具体的には、変更された流動接触分解プロセスにおいて、石油から誘導された供給原料とともに、グリセロール、炭水化物、糖アルコールまたは高濃度の酸素を有する他のバイオマス由来の分子(たとえば、デンプン、セルロース由来の化合物、およびヘミセルロース由来の化合物)を同時供給することによって、オレフィン、芳香族、合成ガス(水素、一酸化炭素)、プロセスヒート、アルカン、およびコークを製造する方法に関する。これらの化合物の混合物、たとえば熱分解または液化から誘導されたバイオ油中に認められるようなものも、バイオマス由来の含酸素物の定義に含まれる。
【0018】
本発明は一般に、含酸素炭化水素化合物を流動接触分解する方法であって、含酸素炭化水素化合物を含んでいる反応供給原料を流動分解用触媒物質と300〜700℃の範囲の温度において3秒間未満、接触させる段階を含む方法に関する。好まれる実施態様では、接触時間は1秒間未満である。
【0019】
接触時間は1/GHSVと定義され、この式でGHSVは気体時空間速度を表す。本明細書で言及される接触時間は、含酸素炭化水素化合物と流動分解用触媒物質との平均接触時間であることが理解されるだろう。個々の含酸素炭化水素分子は、平均よりも長いまたは短い接触時間を有することができる。さらに、反応器中の触媒粒子の平均滞留時間は本明細書で定義される平均接触時間よりも長いことはあるが短いことはないという意味で、反応器中の触媒粒子の平均滞留時間は該平均接触時間とは異なっていることができることを、当業者は理解するだろう。
【0020】
本発明はより具体的には、標準的なまたは変更された流動接触分解プロセスにおいて、石油から誘導された供給原料とともに、グリセロール、炭水化物、糖アルコールまたは他のバイオマス由来の含酸素化合物、たとえば、デンプン、セルロース由来の化合物、およびヘミセルロース由来の化合物を同時供給することによって、オレフィン、芳香族、合成ガス(水素、一酸化炭素)、プロセスヒート、アルカン、およびコークを製造する方法に関する。含酸素化合物の混合物、たとえば熱分解または液化から誘導されたバイオ油中に認められるようなものも、バイオマス由来の含酸素物の定義に含まれる。一般に、固形バイオマス物質の液化によって製造された含酸素炭化水素化合物が特に好まれる。特定の実施態様では、含酸素炭化水素化合物は、穏やかな水熱転化プロセス、たとえば2006年5月5日に出願された同時係属出願である欧州特許出願第061135646号に記載されたものによって製造され、この公開内容は引用によって本明細書に取り込まれる。他の特定の実施態様では、含酸素炭化水素化合物は、穏やかな熱分解プロセス、たとえば2006年5月5日に出願された同時係属出願である欧州特許出願第061135679号に記載されたものによって製造され、この公開内容は引用によって本明細書に取り込まれる。
【発明の効果】
【0021】
含酸素炭化水素化合物は、たとえばそれらが得られたプロセスの結果として、無機物質と混合されていることができる。特に、固形バイオマスは、2006年5月5日に出願された同時係属出願である欧州特許出願第061135810号に記載されたようなプロセスにおいて特定の無機物質と予め処理されていることができ、この公開内容は引用によって本明細書に取り込まれる。本明細書において上で引用された欧州特許出願第061135646号のプロセスまたは欧州特許出願第061135679号のそれにおいて、これらの物質はその後液化されることができる。得られた液状生成物は無機粒子を含有する。含酸素炭化水素化合物から、本発明の方法にこれらの化合物を使用する前に、無機粒子を除くことは必要でない。それどころか、無機粒子を含酸素炭化水素供給原料中に残すことは、特に無機物質が触媒活性な物質であれば、好都合であることができる。
【0022】
反応供給原料は有意の量の水を含んでいることができることが発見された。これは特に好都合である。何故ならば、バイオマス転化プロセスから誘導されたバイオ油およびグリセロールのような供給原料は水と混合されている傾向があるからである。たとえば、バイオジーゼル油エステル交換プロセスは、グリセロールおよび水を1:3モル比で製造する。本発明の方法は、含酸素物質が接触分解反応器中に供給される前に、これらから水が除かれることを要求しない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の特定の実施態様は、図面を参照して説明される。
【図1】典型的なFCCプロセスの工程系統図である。
【図2】石油供給原料とともにバイオマス由来の含酸素炭化水素化合物を同時供給するために変更されたFCCプロセスの工程系統図である。
【図3】バイオマスの接触分解についての水素生成反応を示す図である。
【図4】バイオマスの接触分解についての水素消費反応を示す図である。
【図5】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解への触媒組成の効果を示す図である。(図5〜5cについてのキーマーク:黒菱形−FCC1、黒四角形−ZSM5、三角形−ECat、丸形−Al、白四角形−炭化ケイ素、白菱形−ゼオライトY。グリセロール50重量%−水混合物としての反応器中へのグリセロール供給原料。収率は炭素モル選択率基準である。転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図5a】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解への触媒組成の効果を示す図である。
【図5b】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解への触媒組成の効果を示す図である。
【図5c】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解への触媒組成の効果を示す図である。
【図6a】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。(図6a〜6iについてのキーマーク:黒菱形−FCC1、黒四角形−ZSM5、三角形−ECat、丸形−Al、白四角形−炭化ケイ素、白菱形−ゼオライトY。グリセロールはグリセロール50重量%−水混合物として反応器中に供給された。収率は炭素モル選択率基準である。転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図6b】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図6c】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図6d】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図6e】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図6f】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図6g】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図6h】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図6i】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への触媒組成の効果を示す図である。
【図7a】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比への触媒組成の効果を示す図である。(図7a〜7dについてのキーマーク:黒菱形−FCC1、黒四角形−ZSM5、三角形−ECat、丸形−Al、白四角形−炭化ケイ素、白菱形−ゼオライトY。グリセロールはグリセロール50重量%−水混合物として反応器中に供給された。収率は炭素モル選択率基準である。転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図7b】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比への触媒組成の効果を示す図である。
【図7c】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比への触媒組成の効果を示す図である。
【図7d】MAT反応器中におけるグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのC異性体対パラフィン比への触媒組成の効果を示す図である。
【図8】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。(図8〜8kについてのキーマーク:四角形−500℃、三角形−600℃、丸形−700℃。グリセロール50重量%−水混合物としての反応器中へのグリセロール供給原料。収率は炭素モル選択率基準である。純粋なグリセロール供給原料についての転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図8a】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8b】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8c】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8d】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8e】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8f】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8g】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8h】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8i】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8j】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図8k】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解への温度の効果を示す図である。
【図9】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への温度の効果を示す図である。(図9〜9aについてのキーマーク:四角形−500℃、三角形−600℃、丸形−700℃。グリセロールはグリセロール50重量%−水混合物として反応器中に供給された。収率は炭素モル選択率基準である。純粋なグリセロール供給原料についての転化率は、コーク+ガス+芳香族を含む。)
【図9a】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解についての気相収率への温度の効果を示す図である。
【図10】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比への温度の効果を示す図である。(図10〜10cについてのキーマーク:四角形−500℃、三角形−600℃、丸形−700℃。グリセロールはグリセロール50重量%−水混合物として反応器中に供給された。収率は炭素モル選択率基準である。純粋なグリセロール供給原料についての転化率は、コーク+ガス+芳香族を含む。)
【図10a】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比への温度の効果を示す図である。
【図10b】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比への温度の効果を示す図である。
【図10c】MAT反応器中におけるZSM−5触媒を用いたグリセロール50重量%水溶液の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比への温度の効果を示す図である。
【図11】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒および炭化ケイ素触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。(図11〜11jについてのキーマーク:黒四角形−ZSM−5を用いたグリセロール、黒三角形−ZSM−5を用いたソルビトール、白四角形−SiCを用いたグリセロール、白三角形−SiCを用いたソルビトール。転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図11a】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒および炭化ケイ素触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11b】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒および炭化ケイ素触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11c】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒および炭化ケイ素触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11d】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11e】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11f】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11g】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11h】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11i】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図11j】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用するグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の接触分解を示す図である。
【図12a】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用する接触分解についてのグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の気相収率を示す図である。(図12a〜12cについてのキーマーク:四角形−グリセロール、三角形−ソルビトール。転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図12b】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用する接触分解についてのグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の気相収率を示す図である。
【図12c】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用する接触分解についてのグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液の気相収率を示す図である。
【図13a】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用する接触分解についてのグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液についてのオレフィン対パラフィン比を示す図である。(図13a〜13cについてのキーマーク:四角形−グリセロール、三角形−ソルビトール。転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図13b】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用する接触分解についてのグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液についてのオレフィン対パラフィン比を示す図である。
【図13c】MAT反応器中、500℃におけるZSM−5触媒を使用する接触分解についてのグリセロール50重量%水性溶液およびソルビトール50重量%水性溶液についてのオレフィン対パラフィン比を示す図である。
【図14】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解を示す図である。(図14〜14eについてのキーマーク:白四角形:グリセロール、黒四角形:グリセロールとVGOとの1−2体積混合物、黒丸形:グリセロールとVGOとの1−9体積混合物、および黒三角形:VGO。破線は、グリセロールとVGOとの相加的効果が観察されるとした場合の収率を表す。グリセロールは、グリセロール50重量%−水混合物として反応器中に供給された。収率は炭素モル選択率基準であり、VGOの分子量はフェニルヘプタンのそれであると見積もられる。VGOおよびグリセロール−VGO混合物についての転化率は、ガス+コーク+模擬蒸留からのガソリン留分を含む。純粋なグリセロール供給原料についての転化率はコーク+ガス+芳香族を含む。)
【図14a】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解を示す図である。
【図14b】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解を示す図である。
【図14c】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解を示す図である。
【図14d】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解を示す図である。
【図14e】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解を示す図である。
【図15】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率および生成されたHマイクロモル数を示す図である。(図15〜15iについてのキーマーク:白四角形:グリセロール、黒四角形:グリセロールとVGOとの1−2体積混合物、黒丸形:グリセロールとVGOとの1−9体積混合物、および黒三角形:VGO。グリセロールは、グリセロール50重量%−水混合物として反応器中に供給された。破線は、グリセロールとVGOとの相加的効果が観察されるとした場合の収率を表す。収率は炭素モル選択率基準であり、VGOの分子量はフェニルヘプタンのそれであると見積もられる。VGOおよびグリセロール−VGO混合物についての転化率は、ガス+コーク+模擬蒸留からのガソリン留分を含む。純粋なグリセロール供給原料についての転化率は、コーク+ガス+芳香族を含む。)
【図15a】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図15b】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における製造されたHマイクロモル数を示す図である。
【図15c】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図15d】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図15e】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図15f】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図15g】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図15h】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図15i】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解における気相収率を示す図である。
【図16】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比を示す図である。(図16〜16cについてのキーマーク:白四角形:グリセロール、黒四角形:グリセロールとVGOとの1−2体積混合物、黒丸形:グリセロールとVGOとの1−9体積混合物、および黒三角形:VGO。グリセロールは、グリセロール50重量%−水混合物として反応器中に供給された。収率は炭素モル選択率基準であり、VGOの分子量はフェニルヘプタンのそれであると見積もられる。VGOおよびグリセロール−VGO混合物についての転化率は、ガス+コーク+模擬蒸留からのガソリン留分を含む。純粋なグリセロール供給原料についての転化率は、コーク+ガス+芳香族を含む。)
【図16a】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比を示す図である。
【図16b】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比を示す図である。
【図16c】MAT反応器中、500℃におけるFCC1触媒を使用する減圧軽油(VGO)とグリセロール50重量%水性溶液との混合物の接触分解についてのオレフィン対パラフィン比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好まれる実施態様では、反応供給原料は原油から誘導された物質、たとえば減圧軽油をさらに含んでいる。
【0025】
バイオマス由来の含酸素化合物は、図2に示されたようにFCCプロセスにおける様々な場所で、たとえば(1)別個のライザー反応器中に、(2)減圧軽油の導入の前で、(3)減圧軽油とともに、または(4)減圧軽油の後で、部分的に失活された触媒上に、供給されることができる。一般に、含酸素化合物が別個のライザー反応器中に(選択肢(1))、または主ライザー反応器中に減圧軽油の後で(選択肢(4))供給されたときに、最良の結果が得られる。何故ならば、これらは含酸素化合物と流動接触分解用触媒物質との短い接触時間を許すからである。含酸素化合物をストリッパー中に供給することも可能である。
【0026】
減圧軽油(VGO)の分解と並行した別個の反応器へのグリセロールの注入は、中間的な運転を許す。VGOの注入点の前では、非常に厳しい分解条件(高い温度、高い触媒対油比)に直面させられうる。VGOとともにバイオマス供給原料を注入する場合は、高いまたは中程度の温度において行われることもできる。VGOの注入点の後で、またはストリッパー中へでは、非常に穏やかな分解条件(穏やかな温度、低減された活性を有するコーク付着触媒)が利用できる。VGO供給原料をどこに注入するかの選択は、所望の生成物および使用される触媒に依存するだろう。実施例3で検討されるように、VGOとともにバイオマス由来の供給原料を供給することは、重要な影響をもつ相乗効果を有することができ、たとえばVGOかあるいはグリセロールの分解よりもエチレン、プロピレンおよびブタンの収率がはるかに高い。
【0027】
本発明に使用される分解用触媒物質は、慣用のFCC触媒物質であることができる。FCC触媒は一般にゼオライト、たとえばUSYゼオライト、マトリクス物質、たとえばアルミナ、およびカオリン粘土を含んでいる。該触媒は、当業者によって容易に理解されるように、金属汚染物を捕捉するための添加物、イオウ化合物を転化するための添加物等をさらに含んでいることができる。
【0028】
別の方法では、分解触媒物質は、塩基性物質を含んでいる。好適な塩基性物質の例は、層状物質、および層状物質を熱処理することによって得られた物質を含む。好ましくは、層状物質は、スメクタイト、アニオン性粘土、層状ヒドロキシ塩およびこれらの混合物から成る群から選択される。ハイドロタルサイト様物質、特にMg−AlおよびCa−Alのアニオン性粘土が特に好まれる。本発明の方法の特定の実施態様において第一の供給原料として使用されることができるような、原油から誘導された物質、たとえばVGOを分解するのに、塩基性物質が適していることが、驚いたことに発見された。
【0029】
該塩基性触媒物質は、そのまま使用されることができ、または慣用のFCC分解用触媒との付加混合物として使用されることができる。
【0030】
FCCプロセスにおけるバイオマス由来の含酸素炭化水素化合物の転化は、主に一連の脱水、水素生成、水素消費、および芳香族生成の反応を通して行われる。図3および4において、本発明者らはグリセロールをバイオマス由来の含酸素炭化水素化合物の代表として使用する。このプロセスでは、図3に示されるように、炭水化物および炭化水素の水蒸気改質または直接脱水素、水性ガスシフト反応、および部分的に脱水された化学種の脱カルボニル化を通して、Hが生成されることができる。これらの反応は、水素とともにCO、COおよびコークを生成することができる。これらの反応において生成された水素は、図4に示された生成物のH/Ceff比を増加する反応で消費されて、オレフィンおよびアルカンをもたらすことができる。2の炭化水素/炭水化物鎖間の水素移動反応を通して、または逐次的脱水素/水素化プロセスを通して、水素は直接に交換されることができる。水素移動反応は酸性部位上で起き、他方、脱水素/水素化反応は金属の存在によって大いに促進される。このプロセスの間に、おそらくはオレフィンと部分的に脱水された/水素化された化学種とのディ−ルス・アルダー反応および縮合によって、芳香族は生成される。オレフィンおよび芳香族を選択的に生成するためには、適切な触媒および反応条件を選ぶことによって、脱水反応、水素生成反応および水素移動反応が適切にバランスを保たれなければならない。
【0031】
本発明の方法は、(1)持続可能なバイオマス資源から得られる燃料、(2)石油プラントからのCO排出量の低減、(3)石油精製所における石油供給原料の量の低減、および(4)既に開発されかつ石油精製所において使用されているFCC技術の利用をもたらし、したがってFCC装置へのバイオマスの同時供給は有意の設備投資を要求しないであろう。
【0032】
以下の実施例は、主題である発明のより完全な開示を提供するためのみに包含されている。したがって、以下の実施例は本発明の本質を例示する役目をするが、ここに開示され特許請求された本発明の範囲をいかなる様式でも限定するものではない。
【0033】
本明細書に記載された実験は、ミクロアクティビティ(Microactivity)試験(本明細書においてMATと呼ばれる。)で実施された[Corma、1990、#15]。反応帯域および生成物回収系は、ASTM D−3907に従って設計された。各実験の前に、反応温度において50ml/分のN流で30分間、MAT系はパージされた。反応後、40ml/分のN流を使用して15分間、触媒のストリッピングが実施された。反応段階およびストリッピング段階の間、反応器の出口に置かれた、コンピュータ制御された浴によって278Kの温度に保たれた対応するガラス受器中に、液状生成物が集められた。その間、ガスビュレット中に水置換によって、ガス状生成物が集められた。ストリッピング後、100ml/分の空気流中で813Kの温度において3時間、触媒は再生された。ガスはVarian 3800−GCを使用して分析され、該GCは3の検出器、すなわち15mのモレキュラーシーブカラム中で分離されたHおよびNの分析のための熱伝導度型検出器(TCD)、および水素炎イオン化型検出器(FID)、および30mのPlot(多孔層オープンチューブ)/Alカラム中で分離されたC〜C炭化水素のためのものを備えていた。ASTM−2887−Dの手順に従って、Varian 3800−GCを用いて液状物の模擬蒸留が実施された。軽質ガソリンについて423.8K、重質ガソリンについて489.3KおよびLCOについて617.1Kにおいて、留分カットが行われた。再生段階の間に生成されたCOはIRセルによって監視されそして定量された。
【0034】
炭素収率は、生成物中の炭素のモル数を供給原料中の炭素のモル数で割ったものとして以下定義される。以下のすべての転化率は炭素当たり基準で報告される。水素選択率は、水素モル数を潜在的な生成水素モル数で割ったものとして以下定義される。潜在的な生成水素モル数とは、生成された炭素のモル数に供給原料の水素対炭素比を掛けたものに、生成されたCOのモル数を加えたものである。
【0035】
これらの実施例について、6の異なった触媒が使用された。この検討に使用された6の固形物の物理的化学的特性は表1に提示されている。これらは、シリカ−アルミナマトリクス中にゼオライトYを含有する、新品の業務用FCC触媒(FCC1)、VおよびNi不純物を有する、業務に使用された平衡FCC触媒(ECat)、Al、ゼオライトY(Y)、ZSM−5 FCC添加物(ZSM5)、および低表面積不活性炭化ケイ素(SiC)を含む。ECatは4400ppmのVおよび1600ppmのNiの金属含有量を有していた。FCC1触媒は、水蒸気−蒸気雰囲気下に816℃で4時間、実験室的に失活された。ゼオライトYは816℃で4時間水蒸気処理されたCBU 500であった。ZSM−5ゼオライトは粘土バインダーと混合され、約15重量%とされた。99.5重量パーセントのグリセロール(Aldrich Chemicals社)を用いて蒸留水で1:1重量比(約1:5のグリセロール/水モル比)に希釈されたグリセロール溶液が調製された。99%のソルビトールおよび同量の水の1:1重量比の水希釈によって、ソルビトール溶液が調製された。
[表1]使用された触媒の触媒特性

【実施例1】
【0036】
図5〜7dに示されたように、50重量%の水性グリセロールの接触分解について、FCC1、ECat、Al、Y、ZSM−5およびSiCを含む6の異なった触媒が試験された。FCC1触媒の場合の生成物はコーク、ガスおよび液状生成物を含んでいる。FCC1触媒の場合、グリセロール供給原料中の炭素の30〜50%がコークに転化された(図5b)。FCC1触媒の場合、転化率が増加するにつれてコーク収率が増加し、他方、転化率が増加するにつれて芳香族収率は減少した。これは芳香族化合物からのコークの生成の故であるかも知れない。FCC1についての気相収率は、CO>プロピレン>CO>エチレン>ブテン>メタン>エタン>プロパン>n−ブタンの順に減少した(図6a〜6i)。アルカンおよびオレフィンが芳香族およびコークと一緒に生成され、このことは水素移動反応が最終生成物分布に強い影響を与えることを示す。FCC1の場合のCおよびCのオレフィン対パラフィン比は図7bおよび7cに示されたように10より大きかった。
【0037】
石油から誘導された供給原料は典型的には金属不純物(V、NiおよびFe)を含有し、これらはFCC反応の間に触媒上に堆積する。したがって、生成物分布への金属(主にVおよびNi)の潜在的効果を検討するために、4400ppmのVおよび1600ppmのNiを含有するFCC平衡触媒(ECAT)を、本発明者らは試験した。この触媒は新品のFCC1触媒よりも低い活性を与え、これは後者のより高いゼオライト含有量および表面積から予想されることができる通りであった。しかし、FCC1およびECAT触媒についての生成物の選択率は非常に類似しており、このことはVおよびNiが触媒作用をほとんどまたはまったく有しないことを示す。「不活性」のSiC物質を使用することによって、グリセロールの熱分解が検討された。「不活性」のSiCの低い活性は、グリセロールが高い熱安定性を有することおよび触媒による変換に比較して熱的反応は無視しうることを示す。
【0038】
FCC触媒は、触媒マトリクス中にAl、SiO−AlおよびゼオライトYを含有する。Al触媒は、FCC1およびECat触媒と類似したガスおよびコーク収率を有していた。Alが、FCC1およびECatよりも高いHおよびエタン収率、ならびに低いプロピレン、n−ブタン、ブタン、および芳香族収率を有することを除いて、Alについての気相収率もFCC1およびECat触媒のそれと類似していた。
【0039】
ゼオライトYは、FCC1触媒と類似した触媒活性を有していた。ゼオライトYおよびγ−Al触媒によって高い転化率が得られたという事実は、ブレンステッド酸部位およびルイス酸部位の双方上で脱水反応が容易に起きることができることを示す。純粋なゼオライト成分をFCC1触媒と比較すると、ゼオライトYについてのコーク収率は、FCC1よりもわずかに高いことがわかる。ゼオライトYについての芳香族収率は、FCC1についてよりも低かった。ゼオライトYとFCC1との間の他の違いは、ゼオライトYはFCC1触媒よりも低いCO収率ならびに高いC〜CアルカンおよびH収率を与えたことである。ゼオライトYおよびFCC1触媒についてのオレフィン収率は類似しており、したがってゼオライトYについてのオレフィン対パラフィン比はFCC1触媒よりも低かった。
【0040】
ZSM−5はFCC触媒のための周知の触媒添加物であり、そこで、本発明者らは、グリセロールの接触分解についてZSM−5触媒の活性も試験した。ZSM−5と試験された他の触媒との主要な違いは、ZSM−5がより低いコーク収率(20%未満)を有しかつガスおよび芳香族のより高い収率を与えたことである。これはおそらく、ZSM−5ゼオライトのより小さい孔サイズが、より大きい芳香族コーク前駆体が小さいZSM−5孔の内部で生成することを困難にさせる故である。(ガス、コークおよび芳香族への合計転化率の観点からの)触媒の活性はY〜FCC1>Al>ZSM5>ECat>>SiCのように減少した。ガス収率はZSM−5>>ECat>FCC1>Al〜Yの順に減少した。芳香族収率は、ZSM5触媒の場合、転化率とともに直線的に増加したが、FCC1、Y、ECatおよびAl触媒の場合は転化率をさらに増加すると最初は増加しそしてそれから減少した。ZSM−5ゼオライトの小さい孔通路は芳香族が縮合することを困難にすることが、炭化水素の分解についてすでに広範に示されている。Y、ECatおよびFCC1触媒上で、コークのより高い収率が認められた。これは、ゼオライトY触媒のより大きいかご直径ならびに広大なメソ孔容積が、芳香族のより高い縮合を許してコークの生成をもたらす故である。ZSM5についての気相炭素収率はCO>エチレン>プロピレン>CO>ブテン>メタン>エタン>プロパン>n−ブタンの順に減少した。ZSM5触媒は他の触媒よりもはるかに高いエチレン収率および低いメタン収率を与え、このことは、ZSM5上で、より長鎖の炭化水素の分解を経由してというよりもむしろ含酸素中間体の脱カルボニル化を通してエチレンが生成されることができることを示しているかも知れない。
【0041】
これらの触媒についてのオレフィン対パラフィン比は、図7a〜7dに示されたようにほとんどの場合10より大きかった。ZSM5触媒の場合、C化合物についてのオレフィン対パラフィン比は極めて高かった(たとえば、60超)。ECatおよびFCC1触媒の場合、CおよびCのオレフィン対パラフィン比は、転化率が増加するにつれて減少し、これはコークの増加と並行している。イソ−C化合物についてのオレフィン対パラフィン比はAl>FCC1>ECat>ZSM5>Yの順に減少した。
【実施例2】
【0042】
図8〜10cは、ZSM5を用いたグリセロールの接触分解への温度の効果を示す。図8に示されたように、グリセロールの分解の活性は温度とともに増加した。温度が増加するにつれて、コーク収率は有意に減少し(図8a)かつCO、Hおよびエチレンの収率が増加した(図8d、8fおよび8i)。FCC1を用いたグリセロールの接触分解について、類似した温度の効果が観察された。500℃においてコーク収率は転化率とともに直線的に増加し、他方、600℃および700℃においてはコーク収率は転化率とともには増加しなかった。500℃において芳香族もまた転化率とともに直線的に増加し、他方、600℃および700℃においては芳香族は転化率とともに直線的に減少した。おそらくこれは、反応温度が上げられたときのオレフィンのオリゴマー化および水素移動(双方とも発熱反応)のより低い寄与の結果である。ガス収率は、転化率および温度の双方とともに増加した。
【実施例3】
【0043】
他のバイオマス由来の含酸素炭化水素化合物の接触分解を試験するために、本発明者らは、触媒としてZSM5およびSiCを用いて、ソルビトールを供給原料として使用した。ソルビトールはグリセロールよりも低いH/Ceff比を有する。図11〜12cは、MAT反応器におけるソルビトール50重量%水性溶液供給原料およびグリセロール50重量%水性溶液供給原料の結果を示す。グリセロールの熱安定性はソルビトールのそれよりも大きい。しかし、驚いたことに、ソルビトールおよびグリセロールは、異なったH/Ceff比を有するけれども、類似したコーク、ガスおよび芳香族の収率を有していた。
【0044】
グリセロールおよびソルビトールについての気相収率が図12に示されている。該2の供給原料間の主な違いは、ZSM−5触媒を用いるとソルビトールはグリセロール供給原料よりも高いCO収率を有していたことである。COおよびCO収率もまた、「触媒」としてSiCを用いる熱的ソルビトール反応についての方(転化率4〜18%においてCO収率1〜2%)が、グリセロールについて(転化率2〜8%においてCO収率0.3〜0.5%)よりも高い。ソルビトールをパラフィンまたはオレフィンに転化するためには、グリセロールの場合よりも多くの水素が要求され、したがって、水素生成反応(たとえば、CO生成)は、類似したオレフィンおよびパラフィンの収率においてソルビトールの場合はグリセロールの場合よりも大きくなければならない。ソルビトールは、グリセロールよりも低いエチレン収率も有しており、他の炭化水素の収率はかなり類似していた。
【実施例4】
【0045】
VGOとともにバイオマス由来の含酸素炭化水素化合物の同時供給のシミュレーションをするために、本発明者らは、図13a〜15iに示されたようにMAT反応器中500℃においてFCC1触媒を用いて供給原料として純粋なVGOおよびVGOとグリセロールとの混合物を処理した。すべての混合物において、水中グリセロール50重量%溶液が使用された。混合された供給原料は9:1および2:1のVGO/グリセロール溶液の混合物(体積比)から成っており、これらはそれぞれ31:1および7:1のVGO/グリセロールの炭素モル比に相当する。これらの図における転化率は、VGOおよびVGO混合物についてガス、コークおよびガソリン留分を含む。純粋なグリセロール供給原料については、転化率はガス、コークおよび芳香族を含む。図17における触媒対供給原料比は、供給原料重量にグリセロール溶液およびVGOの双方の重量を含む。
【0046】
図17に示されたように、グリセロール溶液はVGOよりも高いガス、芳香族およびコークの収率を与えた。VGO−グリセロール混合物中のグリセロールの量の増加は、転化率をわずかに増加した。9:1のVGO−グリセロール混合物では、選択率への効果はほとんど認められなかった。見たところ、バイオマスの量が少なすぎて異なった収率における有意の変化を生じないようであった。しかし、2:1のVGO−グリセロール混合物はVGO供給原料の重要な影響をもつ希釈(VGO供給原料分子とグリセロール/水混合物との間の少なくとも3/1のモル比)をもたらし、ガスおよびコーク収率への有意の効果が観察された。図18および19に破線で含められているのは、VGOへのグリセロールの添加が純粋に相加的であるならば(これを本発明者らは相加的効果と呼ぶ。)得られるであろう理論生成物収率である。グリセロール溶液およびVGOの実験で得られた収率を、両供給原料の質量比に関して加算しそして100%に正規化することによって、この効果は計算された。
【0047】
VGOとグリセロールとの間の大きい違いの一つは、グリセロールがVGOよりも多くのコーク、エチレンおよびプロピレンを生成することである。VGOにグリセロールを添加するとコークの量が有意に増加したが、相加的効果として観察されるであろうものと同様な割合においてであった。グリセロールの分解は分解軽質軽油(LCO)留分を生成しないで、いくらかの含酸素炭化水素化合物を含むいくらかのガソリン範囲の留分を生成するので、VGOにグリセロールを添加すると、ガソリン収率は変わらなかったが、グリセロール供給原料の希釈効果の故にLCO収率がまさに減少した。
【0048】
この実施例からの驚くべき効果は、VGO/グリセロール混合物についてのエチレンおよびプロピレンの収率が、図14に示されたように相加的効果から予測されるであろうものよりも高かったことである。VGOと比較して、グリセロールの分解は、有意の量のCOおよびCO、類似した収率の水素、より多くのメタンおよびエチレンしかしより少ないエタン、より多くのプロピレンしかしより少ないプロパン、ならびにはるかにより少ないブタンおよびブタンを生成した。
【実施例5】
【0049】
VGOの注入後にバイオマス由来の含酸素炭化水素化合物を供給することのシミュレーションをするために、本発明者らはMAT反応器中において、表2に示されたように試験前にその上にコークを予め堆積させたところのFCC1上でグリセロール50重量%溶液を分解した。グリセロール溶液を通す前に、該コークは、MAT反応器中において重質軽油を用いて通例の再生段階を行わないで触媒上に堆積された。試験前の触媒のコーク含有量は、2.0重量パーセントであった。この予めコークを付着された触媒は、表2に示されたように新品の触媒よりも低いコーク収率を有していた。しかし、予めコークを付着された触媒は、新品の触媒よりも低い活性を示した。コーク付着された触媒を用いて触媒/供給原料比4において得られたガス収率は、触媒対供給原料比1.5において得られた新品の触媒のガス収率に類似していた。コーク付着された触媒上で、種々のガス留分の収率は炭化水素については類似しており、他方でより多いCOおよびより少ないCOが生成された。新品の触媒およびコーク付着された触媒の双方について、芳香族の選択率もかなり類似していた。
[表2]MAT反応器中、500℃において30秒間のFCC1触媒を用いたグリセロール50重量%水性溶液の転化

【実施例6】
【0050】
少量のグリセロール/水混合物の注入のシミュレーションをするために、(FCCにおける典型的な条件と比較して)非常に高い温度(740℃)および非常に低い空間速度におけるシミュレーションが実施された。この非常に厳しい条件は、グリセロールからのオレフィン収率を最大にすること、ならびにグリセロールの処理がVGOの処理とできるだけ少なく重なり合うようにグリセロールの処理によって生成されるガソリン範囲の含酸素物の量を下げることを目的としていた。結果が表3にまとめられている。
[表3]


【特許請求の範囲】
【請求項1】
含酸素炭化水素化合物を流動接触分解する方法であって、含酸素炭化水素化合物を含んでいる反応供給原料を流動分解用触媒物質と300〜700℃の範囲の温度において3秒間未満の接触時間、接触させる段階を含む方法。
【請求項2】
接触時間が1秒間未満である、請求項1に従う方法。
【請求項3】
含酸素炭化水素化合物が、バイオマス物質から誘導されたものである、請求項1に従う方法。
【請求項4】
反応供給原料が、水をさらに含んでいる、請求項1〜3のいずれか1項に従う方法。
【請求項5】
反応供給原料が、原油から誘導された物質をさらに含んでいる、請求項1〜4のいずれか1項に従う方法。
【請求項6】
原油から誘導された物質が、減圧軽油を含む、請求項4に従う方法。
【請求項7】
含酸素炭化水素化合物が、多糖、オリゴ糖、糖、多価アルコール、オリゴ価アルコール、一価アルコール、カルボン酸、およびこれらの混合物から成る群から選択された物質を含む、請求項1〜6のいずれか1項に従う方法。
【請求項8】
含酸素炭化水素化合物が、グリセロールを含む、請求項1〜7のいずれか1項に従う方法。
【請求項9】
流動接触分解装置中で実施される、請求項1〜8のいずれか1項に従う方法。
【請求項10】
流動接触分解反応器が、原油起源の第一の供給原料、および含酸素炭化水素化合物を含む第二の供給原料を用いて実施され、その場合に該第一の供給原料が第一の注入点において該流動接触分解装置中に注入され、かつ該第二の供給原料が該第一の注入点とは別個の第二の注入点において該流動接触分解装置中に注入される、請求項9に従う方法。
【請求項11】
第二の注入点が、第一の注入点から上流にある、請求項10に従う方法。
【請求項12】
第二の注入点が、第一の注入点から下流にある、請求項10に従う方法。
【請求項13】
流動接触分解装置がライザー反応器およびストリッパーを含んでおり、かつ第二の注入点が該ストリッパー中に流れを入れる、請求項12に従う方法。
【請求項14】
流動接触分解装置が第一のライザー反応器および第二のライザー反応器を含んでおり、その場合に第一の注入点が該第一のライザー反応器中に流れを入れ、かつ第二の注入点が該第二のライザー反応器中に流れを入れる、請求項10に従う方法。
【請求項15】
第一の供給原料が減圧軽油を含む、請求項10〜14のいずれか1項に従う方法。
【請求項16】
第二の供給原料がグリセロールを含む、請求項10〜15のいずれか1項に従う方法。
【請求項17】
第二の供給原料が水をさらに含んでいる、請求項10〜16のいずれか1項に従う方法。
【請求項18】
第二の供給原料が、バイオジーゼル油エステル交換プロセスにおいて製造されたグリセロール/水混合物を含む、請求項10〜17のいずれか1項に従う方法。
【請求項19】
分解用触媒物質が塩基性物質を含む、請求項1〜18のいずれか1項に従う方法。
【請求項20】
塩基性物質が、層状物質または層状物質の熱処理された形のものである、請求項19に従う方法。
【請求項21】
層状物質が、スメクタイト、アニオン性粘土、層状ヒドロキシ塩、およびこれらの混合物から成る群から選択される、請求項20に従う方法。
【請求項22】
層状物質が、Mg−AlまたはCa−Alのアニオン性粘土である、請求項20または21に従う方法。
【請求項23】
触媒物質が、慣用の流動接触分解用触媒をさらに含んでいる、請求項19〜22のいずれか1項に従う方法。
【請求項24】
含酸素炭化水素化合物が、固形バイオマスの液化から得られたものである、請求項1〜23のいずれか1項に従う方法。
【請求項25】
含酸素炭化水素化合物が、穏やかな水熱プロセスまたは穏やかな熱分解プロセスにおいて固形バイオマスの液化によって得られたものである、請求項24に従う方法。
【請求項26】
含酸素炭化水素化合物が、無機物質と混合されている、請求項1〜25のいずれか1項に従う方法。
【請求項27】
無機物質が触媒活性な物質である、請求項26に従う方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図6f】
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【図6g】
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【図6h】
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【図6i】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図8】
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【図8a】
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【図8b】
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【図8c】
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【図8d】
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【図8e】
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【図8f】
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【図8g】
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【図8h】
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【図8i】
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【図8j】
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【図8k】
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【図9】
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【図9a】
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【図10】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図11】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【図11f】
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【図11g】
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【図11h】
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【図11i】
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【図11j】
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【図12a】
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【図12b】
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【図12c】
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【図13a】
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【図13b】
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【図13c】
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【図14】
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【図14a】
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【図14b】
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【図14c】
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【図14d】
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【図14e】
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【図15】
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【図15a】
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【図15b】
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【図15c】
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【図15d】
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【図15e】
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【図15f】
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【図15g】
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【図15h】
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【図15i】
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【図16】
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【図16a】
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【図16b】
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【図16c】
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【公表番号】特表2010−500464(P2010−500464A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524192(P2009−524192)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【国際出願番号】PCT/EP2007/058467
【国際公開番号】WO2008/020047
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(508328877)バイオイーコン インターナショナル ホールディング エヌ.ブイ. (11)
【Fターム(参考)】