説明

吸収ヒートポンプ

【課題】長期運転による能力の低下を抑制する吸収ヒートポンプを提供すること。
【解決手段】冷媒液Rを加熱して冷媒蒸気Reを発生させる蒸発器Eと、吸収溶液Lsが蒸発器Eで発生した冷媒蒸気Reを吸収する際の吸収熱で被加熱媒体Waを加熱する吸収器Aと、蒸発器Eで発生した冷媒蒸気Reを吸収して濃度が低くなった希溶液Lwを導入し加熱することにより、希溶液Lw中の冷媒を蒸発させて希溶液Lwよりも高濃度の濃溶液Lsを生成する再生器Gと、再生器Gで蒸発した冷媒蒸気Rgを導入し凝縮させて蒸発器Eに供給する冷媒液Rを生成する凝縮器Cと、凝縮器C内の不凝縮ガスNcgを抽気する抽気手段31〜37とを備える吸収ヒートポンプ1とすると、蒸発器E、吸収器A、再生器G、凝縮器Cのうち最も圧力が低くなる凝縮器Cから抽気することとなり、ほとんどの不凝縮ガスNcgを抽気することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は吸収ヒートポンプに関し、特に長期運転による能力の低下を抑制する吸収ヒートポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
低温の熱源から熱を汲み上げて高温の熱源にする機器であるヒートポンプのうち、熱駆動のものとして、吸収ヒートポンプが知られている。吸収ヒートポンプには、駆動熱源として投入した熱量より多くの熱量を得る増熱型のヒートポンプである第一種吸収ヒートポンプと、駆動熱源温度より高い温度の被加熱媒体を取り出す昇温型のヒートポンプである第二種吸収ヒートポンプとがある。
【0003】
吸収ヒートポンプの内部は冷媒の蒸発を促進させるために高真空となっており、配管接続部等から吸収ヒートポンプの内部に大気が侵入することがある。また、吸収ヒートポンプの缶胴を構成する鋼材が吸収溶液と反応して水素ガスが発生することがある。このように、吸収ヒートポンプの内部に不凝縮ガスが溜まることは避けられない。不凝縮ガスは吸収ヒートポンプの能力を著しく低下させるため、機外に排出する必要がある。一般に、吸収ヒートポンプと類似の構成を有する吸収冷凍機では、吸収器に抽気管を設け、不凝縮ガスを吸引、排出することが行われている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−118301号公報(段落0020、図1等)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、吸収ヒートポンプにおいても吸収冷凍機と同じように吸収器に抽気管を設けて抽気を行うと、長期運転で次第に能力が低下してくるという問題があった。
【0005】
本発明は上述の課題に鑑み、長期運転による能力の低下を抑制する吸収ヒートポンプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、冷媒液Rを加熱して冷媒蒸気Reを発生させる蒸発器Eと;吸収溶液Lsが蒸発器Eで発生した冷媒蒸気Reを吸収する際の吸収熱で被加熱媒体Waを加熱する吸収器Aと;蒸発器Eで発生した冷媒蒸気Reを吸収して濃度が低くなった希溶液Lwを導入し加熱することにより、希溶液Lw中の冷媒を蒸発させて希溶液Lwよりも高濃度の濃溶液Lsを生成する再生器Gと;再生器Gで蒸発した冷媒蒸気Rgを導入し凝縮させて蒸発器Eに供給する冷媒液Rを生成する凝縮器Cと;凝縮器C内の不凝縮ガスNcgを抽気する抽気手段31A、31B、33、34、35、36、37とを備える。
【0007】
このように構成すると、凝縮器内の不凝縮ガスを抽気する抽気手段を備えるので、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器のうち最も圧力が低くなる凝縮器から抽気することとなり、ほとんどの不凝縮ガスを抽気することができ、長期運転による能力の低下を抑制することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1に示すように、請求項1に記載の吸収ヒートポンプにおいて、前記抽気手段が、凝縮器C内の不凝縮ガスNcgを導入する導入口33aの形成されたエジェクタ33と、エジェクタ33で吸引した不凝縮ガスNcgを収集し分離する抽気タンク34とを有する。
【0009】
このように構成すると、エジェクタを有するので不凝縮ガスを確実に凝縮器から抽気することができる。また、抽気タンクを有するのでエジェクタの駆動流体と不凝縮ガスとを容易に分離することができ、捕集した不凝縮ガスを溜めておくことができる。
【0010】
また、請求項3に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1、図3、及び図6に示すように、請求項2に記載の吸収ヒートポンプにおいて、エジェクタ33の駆動源が、吸収溶液Ls、冷媒液R、及び凝縮器C内の冷媒蒸気Rgを凝縮させる第1の冷却媒体Wcよりなる群から選択された流体である。
【0011】
このように構成すると、吸収ヒートポンプが有する流体をエジェクタの駆動源とすることができて別途駆動源を用意する必要がなく、駆動源として用いた後に所定の場所に戻すため駆動源となる流体の廃棄処分が不要となる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図3に示すように、請求項2又は請求項3に記載の吸収ヒートポンプにおいて、エジェクタ33に導入される駆動源Lsを冷却する冷却手段42を備える。
【0013】
このように構成すると、駆動源が冷却されていることにより駆動源の蒸気圧が低下して抽気能力が向上する。
【0014】
また、請求項5に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図4に示すように、請求項1に記載の吸収ヒートポンプにおいて、前記抽気手段が、吸収溶液Lsを導入して冷却する冷却手段52と、冷却手段52で冷却された吸収溶液Lsを導入すると共に不凝縮ガスNcgを導入する導入口54aの形成された抽気タンク54とを有する。
【0015】
このように構成すると、単純な構成で不凝縮ガスを捕集することができる。
【0016】
また、請求項6に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図5に示すように、請求項5に記載の吸収ヒートポンプにおいて、抽気タンク64が、吸収溶液Lsよりも温度が低い第2の冷却媒体Wtを内部に流す伝熱管68を有する。
【0017】
このように構成すると、第2の冷却媒体で冷却されることにより抽気タンク内の蒸気圧が低下し、不凝縮ガスが抽気タンクに吸引される。
【0018】
また、請求項7に記載の発明に係る吸収ヒートポンプは、例えば図1及び図3〜図6に示すように、請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の吸収ヒートポンプにおいて、凝縮器Cが、導入した冷媒蒸気Rgを冷却する第1の冷却媒体Wcを内部に流す冷却媒体流路19を内部に有し、凝縮器C内に、冷却媒体流路19の上流部を囲むように仕切られた低圧室48が形成され;低圧室48内に集結した不凝縮ガスNcgを導入口33a、54a、64aに導入するように構成されている。
【0019】
このように構成すると、凝縮器内に冷却媒体流路の上流部を囲むように仕切られた低圧室が形成されているので、低圧室内の熱負荷が小さくなると共に圧力が低くなり、不凝縮ガスが低圧室に集まりやすくなって凝縮器から排出しやすくなる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、凝縮器内の不凝縮ガスを抽気する抽気手段を備えるので、蒸発器、吸収器、再生器、凝縮器のうち最も圧力が低くなる凝縮器から抽気することとなり、ほとんどの不凝縮ガスを抽気することができ、長期運転による能力の低下を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において、互いに同一又は相当する部材には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。なお、以下に説明する吸収ヒートポンプ(単段、多段を問わない)の作動媒体としては、吸収溶液と冷媒の組み合わせが用いられる。吸収溶液及び冷媒は、典型的には、臭化リチウム(LiBr)を吸収溶液として使用し、水を冷媒として使用する。しかしながらこれに限らず、例えば水を吸収溶液とし、アンモニアを冷媒として使用してもよい。
【0022】
(第1の実施の形態)
まず図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ1を説明する。図1は、吸収ヒートポンプ1を説明する系統図である。吸収ヒートポンプ1は、凝縮器Cから導入した冷媒液Rを蒸発させて冷媒蒸気Reとする蒸発器Eと、蒸発器Eで発生した冷媒蒸気Reを吸収溶液Lsで吸収する吸収器Aと、冷媒蒸気Reを吸収して吸収溶液Lsの濃度が低くなった希溶液Lwを導入し加熱して冷媒蒸気Rgを発生させる再生器Gと、再生器Gで発生した冷媒蒸気Rgを冷却して凝縮させる凝縮器Cと、凝縮器Cに集まった不凝縮ガスNcgを抽気するエジェクタ33と、抽気した不凝縮ガスNcgと駆動源としての冷媒液Rとを導入する抽気タンク34とを備えている。
【0023】
吸収器Aと蒸発器Eとは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁27が設けられている。吸収器Aと蒸発器Eとは仕切壁27の上部で連通しており、蒸発器Eで発生した冷媒蒸気Reを吸収器Aに移動させることができるように構成されている。なお、吸収器Aと蒸発器Eとは、シェルアンドチューブ型に限らず、プレート式熱交換器を用いた構造等であってもよい。
【0024】
蒸発器Eは、伝熱部として熱源温水配管17を有している。熱源温水配管17には、加熱媒体としての温水Weが流れる。蒸発器Eは、凝縮器Cと冷媒配管16で接続されている。蒸発器Eは、凝縮器Cから冷媒液Rを導き入れ、温水Weの熱により冷媒液Rを蒸発させて冷媒蒸気Reを発生させることができるように構成されている。熱源温水配管17は、蒸発器E内に溜まった冷媒液Rを加熱するように、冷媒液Rに浸っている。このようにすると、蒸発器E内で冷媒液Rを循環させるための循環ポンプが不要になる。また、蒸発器Eには、給水予熱熱交換器23が配設されている。給水予熱熱交換器23は、蒸発器Eから吸収器Aへと移動する冷媒蒸気Reにより、内部を流れる被加熱媒体としての給水Waを予熱することができるように構成されている。
【0025】
吸収器Aは、伝熱部として蒸気発生熱交換器24を有している。吸収器Aは、その内部に比較的濃度が高い吸収溶液である濃溶液Lsが散布され、濃溶液Lsが蒸発器Eで発生した冷媒蒸気Reを吸収する際に吸収熱が発生する。この吸収熱により、給水予熱熱交換器23で予熱されて蒸気発生熱交換器24内に導入された被加熱媒体としての給水Waが昇温して高温水あるいは蒸気となるように構成されている。給水Waは、給水ポンプ21により圧送され、給水予熱熱交換器23を介して蒸気発生熱交換器24に導入される。吸収器Aの下部には、散布された濃溶液Lsが冷媒蒸気Reを吸収して濃度が低くなった吸収溶液である希溶液Lwが貯留されるが、蒸気発生熱交換器24は希溶液Lwに没入しない位置に配設されている。このようにすると、蒸気発生熱交換器24の表面に濡れ広がった濃溶液Lsに冷媒蒸気Reが吸収されるようになるため、濃溶液Lsと冷媒蒸気Reとの接触面積を大きくできると共に、発生した吸収熱が蒸気発生熱交換器24内を流れる給水Waに速やかに伝わり、吸収能力の回復を早めることができる。
【0026】
再生器Gと凝縮器Cとは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁28が設けられている。再生器Gと凝縮器Cとは仕切壁の上部で連通しており、再生器Gで発生した冷媒蒸気Rgを凝縮器Cに移動させることができるように構成されている。再生器Gと凝縮器Cとが形成された缶胴は、典型的には、吸収器Aと蒸発器Eとが形成された缶胴よりも下方に配設されており、吸収器Aの希溶液Lwを再生器Gに重力によって送液することができるように構成されている。
【0027】
再生器Gは、伝熱部として熱源温水配管18を有している。熱源温水配管18には、温水Wgが流れる。温水Wgは温水Weと同じものを並列あるいは直列に導入してもよい。再生器Gは、吸収器Aと濃溶液配管12及び希溶液配管13で接続されている。また、吸収器Aの気相部と再生器Gの気相部とは、吸収器Aに集まった不凝縮ガスNcgを再生器Gへと導くガス配管38で接続されている。ガス配管38にはオリフィス(不図示)が設置されている。再生器Gは、希溶液配管13を介して吸収器Aから希溶液Lwを導入し、温水Wgの熱により希溶液Lw中の冷媒を蒸発させて濃溶液Lsに再生することができるように構成されている。濃溶液配管12には再生器Gの濃溶液Lsを吸収器Aに圧送する溶液ポンプ11が配設されている。また、濃溶液配管12及び希溶液配管13には溶液熱交換器10が配設されている。溶液熱交換器10は、吸収器Aから再生器Gへ流れる高温の希溶液Lwと、再生器Gから吸収器Aへ圧送される低温の濃溶液Lsとの間で熱交換を行わせる機器である。溶液熱交換器10は、典型的にはプレート型熱交換器が用いられるがシェルアンドチューブ型やその他の熱交換器を用いてもよい。
【0028】
凝縮器Cは、伝熱部として冷却水配管19を有している。冷却水配管19には、冷却水Wcが流れる。凝縮器Cは、再生器Gで発生した冷媒蒸気Rgを導入し、これを冷却水Wcで冷却して凝縮させるように構成されている。冷却水配管19は、冷媒蒸気Rgを直接冷却することができるように、冷媒液Rに浸らない位置に配設されている。また、凝縮器Cは、その内部の冷却水配管19の上流部を囲むように仕切ることにより、低圧室48が形成されている。低圧室48には抽気管35が接続されている。また、凝縮器Cの冷媒液Rが貯留されている部分には、冷媒液Rを蒸発器Eに導く冷媒配管16が接続されている。冷媒配管16には、冷媒液Rを蒸発器Eに圧送するための冷媒ポンプ15が配設されている。また、凝縮器Cには、抽気タンク34内の冷媒液Rを導入するための冷媒液戻り管36が接続されている。
【0029】
エジェクタ33は、駆動源としての冷媒液Rを減圧して加速させるノズル(不図示)と、吸引物としての不凝縮ガスNcgを導入する導入口33aとを有している。エジェクタ33の導入口33aには、抽気管35が接続されている。エジェクタ33のノズルの吸い込み側には、冷媒ポンプ15の吐出側で冷媒配管16から分岐した冷媒液配管31Aが接続されている。冷媒液配管31Aには、流量調整用の二方弁39が配設されている。エジェクタ33のノズルの吐出側には、駆動源の冷媒液Rと吸引物の不凝縮ガスNcgとの混合流体を抽気タンク34へと導く冷媒液配管31Bが接続されている。
【0030】
抽気タンク34は、駆動源の冷媒液Rと吸引物の不凝縮ガスNcgとの混合流体を導入し、冷媒液Rと不凝縮ガスNcgとに分離して、捕集した不凝縮ガスNcgを溜めておくことができるタンクである。抽気タンク34には、冷媒液Rと不凝縮ガスNcgとの混合流体を導入する冷媒液配管31Bと、分離された冷媒液Rを凝縮器Cに戻す冷媒液戻り管36と、分離された不凝縮ガスNcgを系外に排出する排出ポート37が接続されている。冷媒液配管31Bは、抽気タンク34の上方で、抽気タンク34の内部に突き抜けて下方に延び、開口端が冷媒液Rに没入している。また、冷媒液戻り管36は、U字状に配設されて液トラップを形成しており、冷媒ポンプ15の停止時には内部に冷媒液Rが満たされて気体の流通がないようになっている。これにより、抽気タンク34に導かれた不凝縮ガスNcgが凝縮器Cに逆流しないように構成されている。また、排出ポート37には、二方弁37aが配設されていると共に、二方弁37aより下流側に抽気タンク34内の不凝縮ガスNcgを系外に排出する真空ポンプ30が配設されている。なお、上記の冷媒液配管31A、31B、エジェクタ33、抽気タンク34、抽気管35、冷媒液戻り管36、排出ポート37で抽気手段が構成されている。
【0031】
続いて図1に加えて図2のデューリング線図を参照して、吸収ヒートポンプ1の作用を説明する。デューリング線図とは、飽和圧力と吸収溶液の温度との関係を表したもので、縦軸に飽和圧力を、横軸に溶液温度(吸収溶液の温度)をとっている。右上がりの線は吸収溶液の等濃度線を表し、右に行くほど高濃度、左に行くほど低濃度となり、図中の原点を通る右上がりの線は溶液濃度0%(すなわち冷媒のみ)の線である。なお、本図では縦軸にその点の圧力に対応する冷媒の露点温度を表示している。
【0032】
吸収器A内で散布された濃度が高い吸収溶液の濃溶液Lsが、仕切壁27を越えて蒸発器Eから移動してきた冷媒蒸気Reを吸収すると、濃溶液Lsの濃度が低下して希溶液Lwとなる(j〜k)。このとき発生する吸収熱で加熱された蒸気発生熱交換器24内の給水Waは、蒸気あるいは高温水となって有効に利用される。濃度が低下した希溶液Lwは、希溶液配管13を通って再生器Gに至る間の溶液熱交換器10にて温度が低下する(k〜m)。溶液熱交換器10を出て再生器Gに入った希溶液Lwは、熱源温水配管18内を流れる温水Wgの熱によって加熱され、希溶液Lw中の冷媒が蒸発すると共に濃度が上昇して再び濃溶液Lsに再生される(n〜p)。再生された濃溶液Lsは、濃溶液配管12を介して溶液ポンプ11で吸収器Aに戻る間の溶液熱交換器10にて温度が上昇する(p〜q)。溶液熱交換器10を出て吸収器Aに戻った濃溶液Lsは冷媒蒸気Reを吸収し、以降同様のサイクルを繰り返す。
【0033】
一方冷媒のサイクルとして、再生器Gから仕切壁28を越えて凝縮器Cへと移動した冷媒蒸気Rgは、冷却水配管19内を流れる冷却水Wcで冷却されて凝縮し、冷媒液Rとなって凝縮器Cの下部に貯留する(v)。凝縮器C内の冷媒液Rは、冷媒ポンプ15で圧送され冷媒配管16を介して蒸発器Eに導入される。蒸発器Eに入った冷媒液Rは、熱源温水管17内を流れる温水Weで加熱されて蒸発し冷媒蒸気Reとなる(w)。冷媒蒸気Reは、仕切壁27を越えて吸収器Aへと移動する際、冷媒蒸気Reの一部は給水予熱熱交換器23の表面で凝縮し、給水予熱熱交換器23内を流れる給水Waを加熱する。以上のようにして、吸収ヒートポンプ1は、蒸発器E内の熱源温水管17内を流れる加熱媒体としての温水We及び再生器を流れるWgから、吸収器A内の蒸気発生熱交換器24内を流れる被加熱媒体としての給水Waに熱を汲み上げる。なお、図2から明らかなように、冷媒蒸気Reの移動がある吸収器A(j、k)と蒸発器E(w)は同じ圧力(露点温度)となっているが温度は異なっている。他方、再生器G(n、p)と凝縮器C(v)は同じ圧力(露点温度)となっているが温度は異なっている。また、吸収器A及び蒸発器Eよりも、再生器G及び凝縮器Cの方が低い圧力(露点温度)となっている。吸収器A、再生器G、凝縮器C及び蒸発器Eの圧力及び温度は、供給する温水We、Wg、冷却水Wcの温度によるバランスによって決まり、ヒートポンプとして取り出す蒸気(温水)Waの温度も各器のバランスによって定まる。
【0034】
上記のような吸収溶液及び冷媒のサイクルを行う吸収ヒートポンプ1は、内部が大気圧以下であるため大気が侵入する場合があり、缶胴を構成する鋼材が吸収溶液と反応して水素ガスが発生する。大気は比較的低圧となる再生器G及び凝縮器Cに侵入しやすく、水素ガスは比較的高温となる吸収器Aで多く発生する。この大気及び水素ガスが不凝縮ガスNcgとして吸収ヒートポンプ1内に滞留すると能力が低下するため、以下に説明するように抽気手段で不凝縮ガスNcgを吸収ヒートポンプ1の外に排出する。蒸発器Eで発生した不凝縮ガスNcgは、冷媒蒸気Reの移動に伴って吸収器Aへと移動する。吸収器Aの不凝縮ガスNcgは、オリフィス(不図示)が設けられたガス配管38を通ってより低圧の再生器Gへと導かれる。再生器G内の不凝縮ガスNcgは、冷媒蒸気Rgの移動に伴って凝縮器Cへと移動し、凝縮器C内で最も低圧となる低圧室48に収集される。
【0035】
不凝縮ガスNcgを低圧室48から排出するために、凝縮器Cから蒸発器Eに圧送される冷媒液Rの一部を、冷媒液配管31Aを介してエジェクタ33に導く。エジェクタ33に導かれた冷媒液Rは、エジェクタ33内のノズル(不図示)で減圧・加速され、導入口33aに接続された抽気管35を介して凝縮器Cの低圧室48から不凝縮ガスNcgを吸引する。冷媒液Rと不凝縮ガスNcgとは混合して冷媒液配管31B内を流れ、抽気タンク34に流入する。抽気タンク34に流入した冷媒液Rと不凝縮ガスNcgとの混合流体は分離して、冷媒液Rは抽気タンク34の下部に溜まり、不凝縮ガスNcgは、抽気タンク34の上部に溜まる。冷媒液Rは、冷媒液戻り管36を通って凝縮器Cに戻る。この凝縮器Cから抽気タンク34への不凝縮ガスNcgの抽気は、吸収ヒートポンプ1の稼動中は常時行っている。抽気タンク34は、常時排出ポート37から真空引きしなくても不凝縮ガスNcgを溜めておくことができる。抽気タンク34内の不凝縮ガスNcgは、真空ポンプ30が起動すると共にそれまで閉じられていた二方弁37aが開となることにより排出ポート37から系外に排出される。このようにして、凝縮器C内の不凝縮ガスNcgが吸収ヒートポンプ1から排出される。
【0036】
不凝縮ガスNcgを抽気タンク34から排出するタイミングは、抽気タンク34に圧力計(不図示)を設け、検出した圧力に基づいて二方弁37aを開閉制御することにより行ってもよいし、吸収ヒートポンプ1を起動及び/又は停止する度に行ってもよい。あるいは、タイマー(不図示)によって所定の時間ごとに二方弁37aを開閉制御することにより行ってもよい。
【0037】
以上の説明では、給水予熱熱交換器23が蒸発器E内に配設されていることとしたが、吸収溶液の循環系統(濃溶液配管12及び希溶液配管13)に配設して吸収溶液から受熱するようにしてもよく、凝縮器C内に配設して冷媒蒸気Rgの凝縮熱により加熱するようにしてもよく、熱源温水We、Wgにより直接加熱するようにしてもよく、あるいはこれらを組み合わせてもよい。また、エジェクタ33に導入する駆動源としての冷媒液Rを冷却して冷媒液Rの蒸気圧を低下させてもよい。このようにすると不凝縮ガスNcgを吸引する能力が向上する。冷媒液Rを冷却するために、冷媒液配管31Aに熱交換器を配設してもよい。
【0038】
(第2の実施の形態)
次に図3を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ2を説明する。図3は、吸収ヒートポンプ2を説明する部分系統図である。以下では、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と異なる部分を説明し、同様の部分の説明は省略する。図3においても、吸収器A、蒸発器E、及びこれらに付随する部分は省略して図示していないが、図1に示す吸収ヒートポンプ1と同様に構成されている。
【0039】
吸収ヒートポンプ2では、エジェクタ33のノズル(不図示)の吸い込み側に接続されるのが、溶液ポンプ11の吐出側で濃溶液配管12から分岐した吸収溶液配管41Aとなっている。すなわち、エジェクタ33の駆動源が濃溶液Lsとなっている。吸収溶液配管41Aには、流量調整用の二方弁49と冷却手段としての熱交換器42とが配設されており、熱交換器42内で濃溶液Lsと冷却水Wsとが熱交換を行って駆動源としての濃溶液Lsの温度が低下するように構成されている。エジェクタ33のノズルの吐出側には、駆動源の濃溶液Lsと吸引物の不凝縮ガスNcgとの混合流体を抽気タンク34へと導く吸収溶液配管41Bが接続されている。吸収溶液配管41Bは、抽気タンク34の上方で、抽気タンク34の内部に突き抜けて下方に延び、開口端が濃溶液Lsに没入している。
【0040】
抽気タンク34では、流入した濃溶液Lsと不凝縮ガスNcgとの混合流体が、濃溶液Lsと不凝縮ガスNcgとに分離する。抽気タンク34には、分離された濃溶液Lsを再生器Gに戻す吸収溶液戻り管46が接続されている。また、吸収溶液戻り管46は、U字状に配設されて液トラップを形成しており、溶液ポンプ11の停止時には内部に濃溶液Lsが満たされて気体の流通がないようになっている。このような吸収溶液戻り管46の構成と、吸収溶液配管41Bの開口端が抽気タンク34内で濃溶液Lsに没入している構成とにより、抽気タンク34に導かれた不凝縮ガスNcgが再生器G及び凝縮器Cに逆流しないようになっている。
【0041】
吸収ヒートポンプ2における吸収溶液及び冷媒のサイクルは、吸収ヒートポンプ1における場合と同様であるので説明を省略する。吸収ヒートポンプ2において、不凝縮ガスNcgを排出するには、まず、再生器Gから吸収器Aに圧送される濃溶液Lsの一部を、吸収溶液配管41Aを介してエジェクタ33に導く。その途中の熱交換器42で濃溶液Lsは冷却されて温度が低下する。駆動源である濃溶液Lsは、冷却されることによって蒸気圧が低下し、エジェクタ33における吸引能力が向上することとなる。エジェクタ33に導かれた濃溶液Lsは、エジェクタ33内のノズル(不図示)で減圧・加速され、導入口33aに接続された抽気管35を介して凝縮器Cの低圧室48から不凝縮ガスNcgを吸引する。濃溶液Lsと不凝縮ガスNcgとは混合して吸収溶液配管41B内を流れ、抽気タンク34に流入する。抽気タンク34に流入した濃溶液Lsと不凝縮ガスNcgとの混合流体は分離して、濃溶液Lsは抽気タンク34の下部に溜まり、不凝縮ガスNcgは、抽気タンク34の上部に溜まる。濃溶液Lsは、吸収溶液戻り管46を通って再生器Gに戻る。この凝縮器Cから抽気タンク34への不凝縮ガスNcgの抽気は、吸収ヒートポンプ2の稼動中は常時行っている。抽気タンク34は、常時排出ポート37から真空引きしなくても不凝縮ガスNcgを溜めておくことができる。抽気タンク34内の不凝縮ガスNcgは、真空ポンプ30が起動すると共にそれまで閉じられていた二方弁37aが開となることにより排出ポート37から系外に排出される。このようにして、凝縮器C内の不凝縮ガスNcgが吸収ヒートポンプ2から排出される。なお、不凝縮ガスNcgを抽気タンク34から排出するタイミングは、吸収ヒートポンプ1における場合と同様に制御するとよい。また、熱交換器42を省略してもよい。
【0042】
(第3の実施の形態)
次に図4を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ3を説明する。図4は、吸収ヒートポンプ3を説明する部分系統図である。以下では、主として吸収ヒートポンプ2(図3参照)と異なる部分を説明し、同様の部分の説明は省略する。図4において、図示していない吸収器A、蒸発器E、及びこれらに付随する部分は、図1に示す吸収ヒートポンプ1と同様に構成されている。
【0043】
吸収ヒートポンプ3は、エジェクタを備えていない。また、凝縮器Cの低圧室48に一端が接続された抽気管55の他端は、抽気タンク54の導入口54aに接続されている。導入口54aは、典型的には抽気タンク54の上部に形成されている。抽気管55には、抽気タンク54内の不凝縮ガスNcgの逆流を防ぐためのチェッキ弁58が配設されている。また、溶液ポンプ11の吐出側で濃溶液配管12から分岐した吸収溶液配管51が、抽気タンク54の上部に接続されている。吸収溶液配管51には、濃溶液Lsを噴霧するスプレーノズル51sが抽気タンク54の内部で接続されている。吸収溶液配管51には、濃溶液Lsの冷却手段としての熱交換器52が配設されている。熱交換器52では、抽気タンク54に送液される濃溶液Lsと凝縮器Cから蒸発器Eへ送られる冷媒液Rとの間で熱交換を行い、濃溶液Lsの温度が低下して冷媒液Rの温度が上昇する。
【0044】
抽気タンク54には、吸収溶液配管51及び抽気管55の他に、濃溶液Ls(冷媒蒸気を吸収して濃度が低下したものも含む)を再生器Gに戻す吸収溶液戻り管56と、不凝縮ガスNcgを系外に排出する排出ポート57とが接続されている。吸収溶液戻り管56は、U字状に配設されて液トラップを形成しており、溶液ポンプ11の停止時には内部に濃溶液Lsが満たされて気体の流通がないようになっている。このような吸収溶液戻り管56の構成と、抽気管55にチェッキ弁58が設けられている構成とにより、抽気タンク54に導かれた不凝縮ガスNcgが再生器G及び凝縮器Cに逆流しないようになっている。また、排出ポート57には、二方弁57aが配設されていると共に、二方弁より下流側に抽気タンク54内の不凝縮ガスNcgを系外に排出する真空ポンプ50が配設されている。
【0045】
吸収ヒートポンプ3における吸収溶液及び冷媒のサイクルは、吸収ヒートポンプ1、2における場合と同様であるので説明を省略する。吸収ヒートポンプ3において、不凝縮ガスNcgを低圧室48から排出するために、再生器Gから吸収器Aに圧送される濃溶液Lsの一部を、吸収溶液配管51を介して抽気タンク54に導く。その途中の熱交換器52で濃溶液Lsは冷媒液Rと熱交換することにより冷やされて温度が低下する。冷やされた濃溶液Lsは、スプレーノズル51sから抽気タンク54内に噴霧される。これにより抽気タンク54内の蒸気圧が低下し、凝縮器Cの低圧室48内に集まった不凝縮ガスNcgが冷媒蒸気Rgと共に抽気管55を介して抽気タンク54に吸引される。吸引された不凝縮ガスNcgは、抽気タンク54の上部に溜まる。不凝縮ガスNcgと共に抽気タンク54に吸引された冷媒蒸気Rgは、抽気タンク54に導かれた濃溶液Lsに吸収される。冷媒蒸気Rgを吸収した濃溶液Lsは、濃度が低下すると共に温度が上昇し、吸収溶液戻り管56を通って再生器Gに戻る。この凝縮器Cから抽気タンク54への不凝縮ガスNcgの抽気は、吸収ヒートポンプ3の稼動中は常時行っている。抽気タンク54は、常時排出ポート57から真空引きしなくても不凝縮ガスNcgを溜めておくことができる。抽気タンク54の上部に溜まった不凝縮ガスNcgは、真空ポンプ50が起動すると共にそれまで閉じられていた二方弁57aが開となることにより排出ポート57から系外に排出される。このようにして、凝縮器C内の不凝縮ガスNcgが吸収ヒートポンプ3から排出される。なお、不凝縮ガスNcgを抽気タンク54から排出するタイミングは、吸収ヒートポンプ1、2における場合と同様に制御するとよい。本実施の形態では、熱交換器52において、抽気のための濃溶液Lsの冷却を行うと同時に凝縮器Cから蒸発器Eに向かう冷媒液Rの予熱を行うことにより、熱の有効利用を図っている。
【0046】
(第4の実施の形態)
次に図5を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ4を説明する。図5は、吸収ヒートポンプ4を説明する部分系統図である。以下では、主として吸収ヒートポンプ3(図4参照)と異なる部分を説明し、同様の部分の詳しい説明は省略する。図5において、図示していない吸収器A、蒸発器E、及びこれらに付随する部分は、図1に示す吸収ヒートポンプ1と同様に構成されている。
【0047】
吸収ヒートポンプ4は、吸収ヒートポンプ3(図4参照)と同様にエジェクタを備えていない。また、同様に、抽気管65が凝縮器Cの低圧室48及び抽気タンク64の導入口64aに接続されている。抽気管65は、図5では抽気タンク64の内部に延長されて開口端が濃溶液Lsに没入している。また、同様に、抽気タンク64には、抽気管65の他に、吸収溶液配管61と、吸収溶液戻り管66と、不凝縮ガスNcgを系外に排出する排出ポート67とが接続されており、吸収溶液配管61にはスプレーノズル61sが抽気タンク64の内部で接続されている。排出ポート67には、二方弁67aが配設されていると共に、二方弁より下流側に抽気タンク64内の不凝縮ガスNcgを系外に排出する真空ポンプ60が配設されている。
【0048】
吸収ヒートポンプ4では、抽気タンク64内に伝熱管68が設けられている点で吸収ヒートポンプ3(図4参照)と異なっている。伝熱管68は、内部に第2の冷却媒体としての冷却水Wtを流して表面に散布された濃溶液Lsを冷却すように構成されており、抽気タンク64内の下部に溜まった濃溶液Lsに没入しない位置に配設されている。冷却水Wtは、駆動源の濃溶液Lsよりも温度が低い状態で伝熱管68内に供給される。伝熱管68は、冷却水Wtによって表面に散布された濃溶液Lsを冷却することができればよく、厳密な管ではなく例えばプレート状に形成されていてもよい。このように管以外のプレート状等に形成されているものも伝熱管68に含まれることとする。
【0049】
また、吸収ヒートポンプ4では、濃溶液Lsの冷却手段としての熱交換器62が吸収溶液配管61及び吸収溶液戻り管66に配設され、抽気タンク64に送液される濃溶液Lsと抽気タンク64から再生器Gへと戻る濃溶液Lsとの間で熱交換を行っている点で吸収ヒートポンプ3(図4参照)と異なっている。熱交換器62では、濃溶液Ls同士で熱交換を行うことにより、抽気タンク64に送液される濃溶液Lsの温度が低下し、抽気タンク64から再生器Gへと戻る濃溶液Lsの温度が上昇する。なお、後述するように、抽気タンク64に送液される濃溶液Lsよりも、抽気タンク64から再生器Gへと戻る濃溶液Lsの方が低濃度となっている。
【0050】
吸収ヒートポンプ4における吸収溶液及び冷媒のサイクルは、吸収ヒートポンプ1〜3(図1〜3参照)における場合と同様であるので説明を省略する。吸収ヒートポンプ4において、不凝縮ガスNcgを低圧室48から排出するために、再生器Gから吸収器Aに圧送される濃溶液Lsの一部を、吸収溶液配管61を介して抽気タンク64に導く。その途中の熱交換器62で濃溶液Lsは再生器Gへと戻る低濃度の濃溶液Lsと熱交換することにより予冷されて温度が低下する。予冷された濃溶液Lsは、スプレーノズル61sから抽気タンク64内の伝熱管68に散布される。散布された濃溶液Lsは、伝熱管68の表面に液膜状に広がり、これが冷却水Wtに冷やされることによって抽気タンク64内の蒸気圧が低下し、凝縮器Cの低圧室48内に集まった不凝縮ガスNcgが冷媒蒸気Rgと共に抽気管65を介して抽気タンク64に吸引される。吸引された不凝縮ガスNcgは、抽気タンク64の上部に溜まる。不凝縮ガスNcgと共に抽気タンク64に吸引された冷媒蒸気Rgは、抽気タンク64に導かれた濃溶液Lsに吸収される。冷媒蒸気Rgを吸収した濃溶液Lsは、濃度が低下すると共に吸収熱により温度が上昇するが、吸収熱は冷却水Wtに放熱されるため、濃溶液Lsの吸収能力を持続することができる。冷媒蒸気Rgを吸収して濃度が低下した濃溶液Lsは、吸収溶液戻り管66を通り、熱交換器62で温度が上昇して再生器Gに戻る。この凝縮器Cから抽気タンク64への不凝縮ガスNcgの抽気は、吸収ヒートポンプ4の稼動中は常時行っている。抽気タンク64は、常時排出ポート67から真空引きしなくても不凝縮ガスNcgを溜めておくことができる。抽気タンク64の上部に溜まった不凝縮ガスNcgは、真空ポンプ60が起動すると共にそれまで閉じられていた二方弁67aが開となることにより排出ポート67から系外に排出される。このようにして、凝縮器C内の不凝縮ガスNcgが吸収ヒートポンプ4から排出される。なお、不凝縮ガスNcgを抽気タンク64から排出するタイミングは、吸収ヒートポンプ1〜3(図1〜3参照)における場合と同様に制御するとよい。
【0051】
(第5の実施の形態)
次に図6を参照して、本発明の第5の実施の形態に係る吸収ヒートポンプ5を説明する。図6は、吸収ヒートポンプ5を説明する系統図である。吸収ヒートポンプ5は、蒸発器及び吸収器がそれぞれ高圧と低圧との2段に構成されている。高圧吸収器AHと高圧蒸発器EHとは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁87Hが設けられている。高圧吸収器AHと高圧蒸発器EHとは仕切壁87Hの上部で連通しており、高圧蒸発器EHで発生した冷媒蒸気Rehを高圧吸収器AHに移動させることができるように構成されている。他方、低圧吸収器ALと低圧蒸発器ELとは共に1つの缶胴内にシェルアンドチューブ型に形成され、両者の間には仕切壁87Lが設けられている。低圧吸収器ALと低圧蒸発器ELとは仕切壁87Lの上部で連通しており、低圧蒸発器ELで発生した冷媒蒸気Relを低圧吸収器ALに移動させることができるように構成されている。なお、高圧吸収器AHと高圧蒸発器EH、及び低圧吸収器ALと低圧蒸発器ELとは、各々シェルアンドチューブ型に限らず、プレート式熱交換器を用いた構造等であってもよい。
【0052】
高圧吸収器AHは、吸収ヒートポンプ1(図1参照)の吸収器Aと同様の内部構造を有している。他方、高圧蒸発器EHは、伝熱部として熱媒伝熱管77を有している。熱媒伝熱管77は、低圧吸収器AL内の熱媒伝熱管78と熱媒配管80で接続されており、循環流路を形成している。熱媒伝熱管77には、循環媒体Wrが流れる。また、高圧蒸発器EHには、給水予熱熱交換器23が配設されると共に、冷媒配管76が接続されている。低圧吸収器ALは、伝熱部として熱媒伝熱管78を有している。上述のように、熱媒伝熱管78は、高圧蒸発器EH内の熱媒伝熱管77と熱媒配管80で接続されて循環流路を形成し、内部には循環媒体Wrが流れる。低圧蒸発器ELは、吸収ヒートポンプ1(図1参照)の蒸発器Eとほぼ同様の内部構造を有しているが、給水予熱熱交換器を有しない点において異なっている。再生器G及び凝縮器Cは、吸収ヒートポンプ1(図1参照)の再生器G及び凝縮器Cと同じように構成されている。なお、低圧蒸発器ELに給水予熱熱交換器を設けてもよい。
【0053】
再生器Gと高圧吸収器AHとは、再生器G内の濃溶液Lsを高圧吸収器AHへ送る濃溶液配管72を介して接続されている。濃溶液配管72は途中で濃溶液配管72Aが分岐しており、濃溶液配管72Aは低圧吸収器ALと接続されている。高圧吸収器AHの下部には、冷媒蒸気Rehを吸収し濃度が低下した中間濃度溶液Lmを導出する中間濃度溶液配管73が接続されている。低圧吸収器ALの下部には、冷媒蒸気Relを吸収し濃度が低下した希溶液Lwを導出する希溶液配管74が接続されている。中間濃度溶液配管73と希溶液配管74とは合流継手(不図示)によって接続されて一本の混合溶液配管75となり、混合溶液配管75は再生器Gの上部に接続されている。濃溶液配管72と混合溶液配管75とには、低温溶液熱交換器70Lが配設されている。濃溶液配管72と中間濃度溶液配管73とには、高温溶液熱交換器70Hが配設されている。なお、濃溶液配管72Aは、低温溶液熱交換器70Lと高温溶液熱交換器70Hとの間の濃溶液配管70から分岐している。
【0054】
高圧吸収器AHの気相部と低圧吸収器ALの気相部とは、高圧吸収器AHに集まった不凝縮ガスNcgを低圧吸収器ALへと導くガス配管88で接続されている。また、低圧吸収器ALの気相部と再生器Gの気相部とは、低圧吸収器ALに集まった不凝縮ガスNcgを再生器Gへと導くガス配管89で接続されている。ガス配管88及び89には、それぞれオリフィスが設置されている。さらに、凝縮器Cと高圧蒸発器EHとは、凝縮器C内の冷媒液Rを高圧蒸発器EHへ送る冷媒配管76を介して接続されている。冷媒配管76は途中で冷媒配管76Aが分岐しており、冷媒配管76Aは低圧蒸発器ELと接続されている。
【0055】
吸収ヒートポンプ5は、吸収ヒートポンプ1(図1参照)と同様に、抽気手段を構成するエジェクタ33及び抽気タンク34等を備えている。吸収ヒートポンプ5における抽気手段は、エジェクタ33の駆動源が冷却水Wcとなっている点で、吸収ヒートポンプ1の抽気手段と異なっている。エジェクタ33の導入口33aに抽気管35が接続されている点は、吸収ヒートポンプ1と同じである。しかし、抽気管35にチェッキ弁35vが配設されている点、及びエジェクタ33のノズル(不図示)の吸い込み側には、冷却水配管91Aの一端が接続されている点が吸収ヒートポンプ1と異なっている。冷却水配管91Aの他端は、凝縮器C内の冷却水配管19に接続されている。冷却水配管91Aは、凝縮器Cとエジェクタ33との間で冷却水配管91Cが分岐している。冷却水配管91Aから冷却水配管91Cが分岐する部分には、冷却水Wcの一部をエジェクタ33に分岐する三方弁92が配設されている。三方弁92よりも上流側の冷却水配管91Aには、冷却水Wcを圧送する駆動源ポンプ98が配設されている。エジェクタ33のノズルの吐出側には、駆動源の冷却水Wcと吸引物の不凝縮ガスNcgとの混合流体を抽気タンク34へと導く冷却水配管91Bが接続されている。
【0056】
抽気タンク34では、導入された駆動源の冷却水Wcと吸引物の不凝縮ガスNcgとの混合流体が、冷却水Wcと不凝縮ガスNcgとに分離される。抽気タンク34には、冷却水Wcと不凝縮ガスNcgとの混合流体を導入する冷却水配管91Bと、分離された冷却水Wcを冷却塔(不図示)に導く冷却水戻り管96と、分離された不凝縮ガスNcgを系外に排出する排出ポート37が接続されている。なお、抽気管35にチェッキ弁35vが配設されていることにより、抽気タンク34に導かれた不凝縮ガスNcgが凝縮器Cに逆流せず、また、冷却水Wcの停止時に冷却水Wcや大気が吸収ヒートポンプ5内に侵入しないように構成されている。冷却水戻り管96には、冷却水配管91Aから分岐した冷却水配管91Cが接続されている。冷却水配管91Cの接続部よりも上流側の冷却水戻り管96には、抽気タンク34に貯留された冷却水Wcを冷却塔(不図示)に圧送する冷却水ポンプ99が配設されている。また、排出ポート37には、二方弁37aが配設されていると共に、二方弁より下流側に抽気タンク34内の不凝縮ガスNcgを系外に排出する真空ポンプ30が配設されている。
【0057】
引き続き図6を参照して、吸収ヒートポンプ5の作用を説明する。再生器G内の濃溶液Lsは、溶液ポンプ11で圧送されて濃溶液配管72を流れ、低温熱交換器70Lで温度が上昇した後に分流し、一部は低圧吸収器ALに流入して散布され、残りは高温熱交換器70Hでさらに温度が上昇した後に高圧吸収器AHに流入して散布される。低圧蒸発器ELでは、冷媒液Rが熱源温水管17内を流れる温水Weによって加熱されて冷媒蒸気Relとなる。冷媒蒸気Relは、仕切壁87Lを越えて低圧吸収器ALへと移動する。低圧吸収器ALへと移動した冷媒蒸気Relは、低圧吸収器AL内で散布された濃溶液Lsに吸収され、このとき吸収熱が発生し、この吸収熱で熱媒伝熱管78内の循環媒体Wrを加熱する。加熱された循環媒体Wrは熱媒配管80を通って高圧蒸発器EH内の熱媒伝熱管77に導かれる。
【0058】
高圧蒸発器EHでは、冷媒液Rが熱媒伝熱管77内を流れる循環媒体Wrによって加熱されて冷媒蒸気Rehとなる。冷媒蒸気Rehは、仕切壁87Hを越えて高圧吸収器AHへと移動する。移動の際、冷媒蒸気Rehの一部は給水予熱熱交換器23の表面で凝縮し、給水予熱熱交換器23内を流れる給水Waを加熱する。高圧吸収器AHへと移動した冷媒蒸気Relは、高圧吸収器AH内で散布された濃溶液Lsに吸収され、このとき吸収熱が発生し、この吸収熱で蒸気発生熱交換器24内の給水Waを加熱する。蒸気発生熱交換器24内の加熱された給水Waは、蒸気あるいは高温水となって有効に利用される。
【0059】
冷媒蒸気Rehを吸収して濃度が低くなった中間濃度溶液Lmは、中間濃度溶液配管73を通って高温熱交換器70Hに流入して放熱し、温度が降下する。他方、冷媒蒸気Relを吸収して濃度が低くなった希溶液Lwは、希溶液配管74を通って、高温熱交換器70Hから出た中間濃度溶液Lmと合流して混合溶液Lcとなり、混合溶液配管75を流れる。混合溶液配管75を流れる混合溶液Lcは、低温熱交換器70Lに流入して放熱し、温度が降下した後に再生器G内に流入する。
【0060】
再生器Gに流入した混合溶液Lcは、熱源温水配管18内を流れる温水Wgによって加熱され、混合溶液Lc中の冷媒が蒸発して再び濃溶液Lsに再生される。再生された濃溶液Lsは、濃溶液配管72、72Aを介して溶液ポンプ11で高圧吸収器AH及び低圧吸収器ALへと圧送される。他方、混合溶液Lcから蒸発して蒸気となった冷媒蒸気Rgは、仕切壁28を越えて凝縮器Cへと移動する。移動の際、冷媒蒸気Rgの一部は給水予熱熱交換器82の表面で凝縮し、給水予熱熱交換器82内を流れる給水Waを予熱する。凝縮器Cへと移動した冷媒蒸気Rgは、冷却水配管19内を流れる冷却水Wcによって冷却されて凝縮し、冷媒液Rとなって凝縮器Cの下部に貯留する。凝縮器C内の冷媒液Rは、冷媒配管76、76Aを介して冷媒ポンプ15で高圧蒸発器EH及び低圧蒸発器ELへと圧送される。
【0061】
吸収ヒートポンプ5のように、吸収ヒートポンプのサイクルを多段にすることによって、吸収ヒートポンプ1(図1参照)等と同じ温度の熱源We、Wgから、より高温の熱を蒸気あるいは高温水として取り出すことができる。吸収ヒートポンプ5においても吸収ヒートポンプ1等と同様に不凝縮ガスNcgが発生する。高圧蒸発器EHで発生した不凝縮ガスNcgは、冷媒蒸気Rehの移動に伴って高圧吸収器AHへと移動する。また、低圧蒸発器ELで発生した不凝縮ガスNcgは、冷媒蒸気Relの移動に伴って低圧吸収器ALへと移動する。高圧吸収器AHの不凝縮ガスNcgは、ガス配管88を通ってより低圧の低圧吸収器ALへと導かれる。低圧吸収器ALの不凝縮ガスNcgは、ガス配管89を通ってより低圧の再生器Gへと導かれる。再生器G内の不凝縮ガスNcgは、冷媒蒸気Rgの移動に伴って凝縮器Cへと移動し、凝縮器C内で最も低圧となる低圧室48に収集される。
【0062】
不凝縮ガスNcgを排出するには、まず、凝縮器C内の冷却水配管19を流れた冷却水Wcを駆動源ポンプ98で圧送し、冷却水配管91Aを介してエジェクタ33に導く。エジェクタ33に導かれた冷却水Wcは、エジェクタ33内のノズル(不図示)で減圧・加速され、導入口33aに接続された抽気管35とチェッキ弁35vを介して凝縮器Cの低圧室48から不凝縮ガスNcgを吸引する。冷却水Wcと不凝縮ガスNcgとは混合して冷却水配管91B内を流れ、抽気タンク34に流入する。抽気タンク34に流入した冷却水Wcと不凝縮ガスNcgとの混合流体は分離して、冷却水Wcは抽気タンク34の下部に溜まり、不凝縮ガスNcgは、抽気タンク34の上部に溜まる。冷却水Wcは、冷却水ポンプ99にて圧送され、冷却水戻り管96を介して冷却塔(不図示)に導かれる。この凝縮器Cから抽気タンク34への不凝縮ガスNcgの抽気は、吸収ヒートポンプ5の稼動中は常時行っている。他方、不凝縮ガスNcgは、真空ポンプ30が起動すると共にそれまで閉じられていた二方弁37aが開となることにより排出ポート37から系外に排出される。このようにして、凝縮器C内の不凝縮ガスNcgが吸収ヒートポンプ5から排出される。
【0063】
不凝縮ガスNcgを抽気タンク34から排出するタイミングは、抽気タンク34に圧力計(不図示)を設け、検出した圧力に基づいて二方弁37aを開閉制御することにより行ってもよいし、吸収ヒートポンプ1を起動及び/又は停止する度に行ってもよい。あるいは、タイマー(不図示)によって所定の時間ごとに二方弁37aを開閉制御することにより行ってもよい。
【0064】
(その他)
上述の熱源温水We、Wgとしては、エンジンのジャケット温水や工場における排熱等を適用することができる。また、熱源温水We、Wgは、廃蒸気など温水以外の他の媒体としてもよい。また、被加熱媒体としての給水Waは、水に限らず他の媒体であってもよい。また、抽気タンク内の不凝縮ガスNcgを排出するための真空ポンプ30、50、60に代えて、エジェクタやパラジウムセル等を用いてもよい。また、吸収ヒートポンプ5(図6参照)の抽気手段を、例えば吸収ヒートポンプ3(図4参照)のように、エジェクタ33を省略して冷却手段及び抽気タンクを中心に構成してもよい。また、ガス配管38、88、89を、再生器Gに代えて凝縮器Cに接続してもよく、あるいは省略してもよい。また、ガス配管38、88、89に配設されるオリフィスに代えてバルブを配設してもよい。また、冷却手段は空冷のラジエータ等であってもよい。
【0065】
以上の説明では、エジェクタ33の駆動源を、吸収ヒートポンプ1では冷媒液R、吸収ヒートポンプ2では濃溶液Ls、吸収ヒートポンプ5では冷却水Wcとしたが、ここに示した組み合わせに限定されるものではなく、適宜組み合わせを変更して、例えば吸収ヒートポンプ1で冷却水Wcを駆動源としてもよい。また、生成した蒸気の一部を駆動流体とするエジェクタでもよい。また、吸収ヒートポンプ1〜4においても、凝縮器C内に給水予熱熱交換器を配設してもよい。
【0066】
以上の説明では、凝縮器Cに低圧室48が形成されているとして説明したが、形成されていなくてもよい。しかしながら、低圧室が形成されていると、不凝縮ガスNcgが集まるので抽気しやすくなる。
【0067】
以上の説明では、蒸発器及び吸収器が単段(吸収ヒートポンプ1〜4)又は2段(吸収ヒートポンプ5)であるとして説明したが、3段以上としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する系統図である。
【図2】単段の吸収ヒートポンプのデューリング線図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する部分系統図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する部分系統図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する部分系統図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る吸収ヒートポンプを説明する系統図である。
【符号の説明】
【0069】
1〜5 吸収ヒートポンプ
19 冷却媒体流路
33 エジェクタ
33a 導入口
34、54、64 抽気タンク
42 冷却手段
48 低圧室
52 熱交換器(冷却手段)
54a、64a 導入口
68 伝熱管
A 吸収器
C 凝縮器
E 蒸発器
G 再生器
Ls 濃溶液
Lw 希溶液
Ncg 不凝縮ガス
R 冷媒液
Re、Rg 冷媒蒸気
Wa 被加熱媒体
Wc 冷却水(第1の冷却媒体)
Wt 冷却水(第2の冷却媒体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒液を加熱して冷媒蒸気を発生させる蒸発器と;
吸収溶液が前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収する際の吸収熱で被加熱媒体を加熱する吸収器と;
前記蒸発器で発生した冷媒蒸気を吸収して濃度が低くなった希溶液を導入し加熱することにより、前記希溶液中の冷媒を蒸発させて前記希溶液よりも高濃度の濃溶液を生成する再生器と;
前記再生器で蒸発した冷媒蒸気を導入し凝縮させて前記蒸発器に供給する冷媒液を生成する凝縮器と;
前記凝縮器内の不凝縮ガスを抽気する抽気手段とを備える;
吸収ヒートポンプ。
【請求項2】
前記抽気手段が、前記凝縮器内の不凝縮ガスを導入する導入口の形成されたエジェクタと、前記エジェクタで吸引した前記不凝縮ガスを収集し分離する抽気タンクとを有する;
請求項1に記載の吸収ヒートポンプ。
【請求項3】
前記エジェクタの駆動源が、前記吸収溶液、前記冷媒液、及び前記凝縮器内の冷媒蒸気を凝縮させる第1の冷却媒体よりなる群から選択された流体である;
請求項2に記載の吸収ヒートポンプ。
【請求項4】
前記エジェクタに導入される駆動源を冷却する冷却手段を備える;
請求項2又は請求項3に記載の吸収ヒートポンプ。
【請求項5】
前記抽気手段が、前記吸収溶液を導入して冷却する冷却手段と、前記冷却手段で冷却された吸収溶液を導入すると共に前記不凝縮ガスを導入する導入口の形成された抽気タンクとを有する;
請求項1に記載の吸収ヒートポンプ。
【請求項6】
前記抽気タンクが、前記吸収溶液よりも温度が低い第2の冷却媒体を内部に流す伝熱管を有する;
請求項5に記載の吸収ヒートポンプ。
【請求項7】
前記凝縮器が、前記導入した冷媒蒸気を冷却する第1の冷却媒体を内部に流す冷却媒体流路を内部に有し、
前記凝縮器内に、前記冷却媒体流路の上流部を囲むように仕切られた低圧室が形成され;
前記低圧室内に集結した前記不凝縮ガスを前記導入口に導入するように構成された;
請求項2乃至請求項6のいずれか1項に記載の吸収ヒートポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−147148(P2007−147148A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341041(P2005−341041)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)