説明

吸収性ゲル化材料を有する発熱組成物を含む加熱セルの製造方法

【課題】使い捨てヒートラップ類に組み込むのに好適である加熱セルの製造方法に関する。
【解決手段】加熱セルは、吸収性ゲル化材料を含む発熱組成物を含み、この際吸収性ゲル化材料は一過性の又は慢性の身体の疼き及び痛みの軽減における改善された熱の適用を提供する。吸収性ゲル化材料は、粒子状発熱組成物内に水を保持できるようにし、その結果水が制御された速度で放出されて鉄粉末の酸化を生じさせ、これによりこの粒子状発熱組成物が、持続温度が改善された長持ちする熱の発生を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使い捨てヒートラップ類に組み込まれるのに好適である加熱セルの製造方法に関する。詳細には、本発明は吸収性ゲル化材料を含む発熱組成物を含む加熱セルの製造方法に関し、この際前記吸収性ゲル化材料は改善された熱の適用を提供する。
【背景技術】
【0002】
使い捨てヒートラップ類は、一過性の又は慢性の身体の疼き及び痛みの不快感を軽減するために熱を適用することの応用としてよく知られるようになってきた。これらの使い捨てヒートラップ類は典型的に、熱を発生するための発熱組成物を含み、ここで、前記発熱組成物は典型的に、金属粉末、塩類、及び前記金属粉末の酸化時に前記発熱組成物に熱を放出させる水を含む。この使い捨てヒートラップによって提供される加熱処置は、こわばった筋肉及び関節、神経の痛み、背中の痛み、リウマチなどと関連する疼き及び痛みの処置に好適であることが見出されている。
【0003】
使い捨て加熱装置は、約1時間〜約24時間の期間の持続された加熱を提供することができ、及び渦巻き風呂(whirlpools)、ホットタオル、ハイドロコレーター、加熱用パッド、及び弾性圧縮バンドのような他の従来の加熱源より使用するのが面倒でなく及び便利であると説明されている。使い捨て加熱装置は更に、一貫した及び制御された温度を維持できる満足のいく装置であると説明されており、例えば、持続された温度を提供し、その結果一過性又は慢性の痛みを処置するために、一貫した、便利な、及び快適な熱の適用をもたらすために、特定の鉄酸化化学に基づく加熱セル類が使い捨て身体用ラップ類に組み込まれるのに好適であるということを開示している、米国特許第5,918,590号を参照のこと。
【0004】
しかしながら、約24時間までの期間温度を持続する一方、この持続された温度の一貫性は改善されることができるということが判明している。発熱反応を増進する1つの手法は、活性化及び不活性炭材料のような炭素材料を組み込むことである。他の手法としては、水保持剤(water-retainers)又は水保持材料(water-holding materials)の添加が挙げられる。例えば、米国特許第6,436,126号;第6,099,556号;及び第5,233,981号に開示された使い捨て加熱装置を参照のこと。米国公開特許出願2004/0042965及び2004/0178384に開示されている加熱装置もまた参照のこと。
【0005】
吸水性ポリマーを含む発熱組成物の1つの具体例は、米国特許出願公開2002/0020406に開示されている。この公報は、発熱剤を吸水性ポリマーと混合し及び次いでこの剤/ポリマー混合物をアルコール、架橋剤、又は可塑剤と共に特定の圧力で圧縮することにより合体された、合体発熱媒体を開示している。
【0006】
発熱組成物を含む使い捨て加熱装置の技術分野での開示にもかかわらず、加熱期間を通して制御された及び持続された温度を提供する発熱組成物を含む、特定の加熱装置がなお必要とされている。加熱セル類の熱的性能は、水分レベルに極めて影響を受け易く、及び典型的な加熱セルはその加熱セルの加熱温度を持続するために約27%以上の水濃度を含むことができるということが知られている。しかしながら、約27%以上のレベルの高濃度の水を包含させると、結果として所望の初期加熱温度よりも遅くなる可能性がある。従って、治療効果のために所望される温度に急速に到達するための能力、及びその温度を持続する能力は、達成するのが困難である。
【0007】
更に、既存の加熱装置は、極めて凝離作用を起こしやすい発熱組成物を含有する。組成構成成分間の粒径の違いは粒子の凝離の原因となる可能性があると考えられる。例えば、水保持剤類(例えば、バーミキュライト、木粉、吸収性ゲル化材料)を、鉄粉末及び炭素と組み合わせて含む発熱組成物を含有する加熱装置は、凝離する傾向を有する。典型的に、水保持剤の粒径は、鉄及び炭素粒子と比較した場合に極めて大きい。例えば、既存の加熱装置類は、発熱組成物を含むことができ、この際水保持剤の鉄粒子に対する中位径は、10:1以上であることが多く、高度な粒子凝離をもたらす。
【0008】
凝離が原因で粒子混合組成物を変更すると、最適なものよりも劣り及び/又は意図された設計とは異なる製品の熱的性能につながる恐れがある。従って、粒子凝離の作用を補うためには過剰の発熱組成物が必要であるため、典型的には既存の加熱装置では最大の反応効率は達成されない。これらの加熱装置類は典型的には、比較的大きな体積を有する加熱セルを含み、それによってそれらを過剰な発熱組成物に適応できるようにしている。
【0009】
吸収性ゲル化材料を含む発熱組成物を含む加熱セルは、24時間までの期間一貫した温度を維持することにおいて有効であるとともに、初期の加熱温度に急速に到達することにおいて特に有効であるということが見出されている。他の組成成分との精選された比で用いた時、吸収性ゲル化材料は、凝離のような組成変化に抵抗する発熱組成物を提供することに加えて、改善された熱の適用を提供するということが見出されている。最小限の凝離作用を与えるか又は全く凝離作用を与えないために、本発明の発熱組成物は、吸収性ゲル化材料と鉄粉末との精選された粒径比を含む。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の加熱セルは、背中用ラップ、膝用ラップ、胴部用ラップ、関節用ラップ、月経用ラップ、首から腕用ラップなどのような、使い捨て加熱装置に組み込まれるべき加熱セルを提供する、適合性のある物理的寸法を有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、粒子状発熱組成物を含む加熱セルの製造方法に関し、ここで、本方法は、(a)約0.4g〜約2.5gのプレミックスセル重量を有する粒子状プレミックス組成物を構築する工程と(b)前記プレミックス組成物上に塩水溶液を急速に投入する工程とを含む。得られた加熱セルは少なくとも2つの対向する表面を含む一体化構造に形成されるポケット内に組み合わされ、ここで、少なくとも1つの表面は酸素透過性である。
【0012】
粒子状プレミックス組成物の構成成分は、(a)約10重量%〜約90重量%の鉄粉末と、(b)約1重量%〜約25重量%の、活性炭、不活性炭、及びこれらの混合物から成る群から選択される炭素と、(c)約1重量%〜約25重量%の、約300μm〜約800μmの中位径を有する吸収性ゲル化材料と、(d)約1重量%〜約10重量%の水とを包含する。
【0013】
塩水溶液の構成成分は、(a)約0.5重量%〜約20重量%の金属塩、約1重量%〜約90重量%の水と、(c)任意で約0.01重量%〜約10重量%の水素ガス抑制剤とを包含する。
【0014】
使い捨て加熱装置の温度の一貫性は、改善されることができ、それにより加熱装置は24時間までの期間の持続された加熱を提供するということが見出されている。このような加熱装置は、具体的に定義された方法によって製造された具体的に定義された加熱セルを含み、この際、前記加熱セルは、吸収性ゲル化材料を有する発熱組成物を含む。この吸収性ゲル化材料は、粒子状発熱組成物内に水を保持できるようにし、その結果水が制御された速度で放出されて鉄粉末の酸化を生じさせ、これによりこの粒子状発熱組成物が、持続温度が改善された長持ちする熱の発生を提供することになる。
【0015】
粒子状発熱組成物はその発熱組成物の加工中に凝離作用を経験する可能性があり、このことが一貫した及び制御された温度の維持を提供しない場合のある発熱組成物をもたらすということもまた見出されている。最小限の凝離作用を与えるか又は凝離作用を全く与えないために、本発明の粒子状発熱組成物は、約10:1〜約1:10、好ましくは約7:1〜約1:7、より好ましくは約5:1〜約1:5、及び最も好ましくは約3:1〜約1:3の吸収性ゲル化材料と鉄粉末との精選された中位径比を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の加熱セルは、粒子状発熱組成物を含む。一過性の又は慢性の身体の疼き及び痛みの不快感を軽減するために当該加熱セルが使い捨て加熱装置に組み込まれる場合、当該粒子状発熱組成物は改善された持続温度を提供する。
【0017】
本発明の発熱組成物は、粒子状発熱組成物である。本明細書で使用する時、「粒子状」とは組成物内に含有された別個の粒子をいう。換言すれば、本明細書で定義される粒子状発熱組成物は別個の粒子を含有し、ここで、各粒子は約25μm(ミクロン)〜約800μmの範囲の中位径を有する。
【0018】
本明細書で定義される発熱組成物の粒子状構成成分の粒径の変化は、発熱組成物内での粒子の分離又は凝離をもたらす可能性がある。換言すれば、粒径は粒子の移動性に直接影響し、及び本明細書で定義される粒子状構成成分はその移動性を変化させて、結果として粒子の分離又は凝離が引き起こされる可能性がある。本明細書で定義される発熱組成物は好ましくは、その発熱組成物が粒子の分離又は凝離に抵抗するような範囲の、定義された中位径を有する粒子状構成成分を含む。しかしながら、本明細書で定義される範囲を上回る又は下回る範囲の中位径を有する粒子状構成成分が本明細書で定義される発熱組成物で使用するのに好適であるということも企図されている。
【0019】
本明細書で使用する時、「持続された温度」とは、約20秒〜約24時間、好ましくは約20分〜約20時間、より好ましくは約4時間〜約16時間、最も好ましくは約8時間〜約12時間の期間の、約32℃〜約50℃、好ましくは約32℃〜約45℃、より好ましくは約32℃〜約40℃、及び最も好ましくは約32℃〜約37℃の範囲の温度を言い、ここで、最大皮膚温度、及び皮膚温度を最大皮膚温度に維持する時間の長さは、高温を長時間用いることによって負うことのある皮膚火傷のようないかなる有害事象も伴わずに所望の治療効果が達成されるように、そのような処置を必要とする人によって適宜選択されてよい。本発明の粒子状発熱組成物によって提供される「持続された温度」の維持は、このような痛みを有する人の、骨、筋肉、及び/又は関連の痛みを包含する、急性の、再発の、及び/又は慢性の痛みを実質的に軽減し、及び粒子状発熱組成物を含む使い捨て加熱装置が負傷した体の部分から取り除かれた後でさえ、いずれの有害事象も伴わずに軽減が実質的に長く続くことが示されている。
【0020】
本明細書で使用する時、用語「使い捨て」とは、長期の使用の後廃棄されるように意図された装置を言う。換言すれば、本明細書で定義される「使い捨て」加熱装置は、その加熱装置が本発明の加熱セルによって提供された熱の放出において十分に働いた後は、好適なごみ容器に入れられることを意味する装置を言う。本明細書で定義される使い捨て加熱装置は、その使い捨て加熱装置が熱の放出において十分に働ききるまで、一過性の又は慢性の身体の疼き及び痛みの軽減における反復使用のために、再密閉可能な実質的に空気不透過性の容器中に保存されることができる。
【0021】
本発明の加熱セルは、粒子状発熱組成物を含み、ここで、この粒子状発熱組成物は、本明細書に記載される本発明の要素及び限定、並びに本明細書に記載される追加の又は任意の成分、構成成分、又は限定のいずれかを含み、それらから成り、又はそれらから本質的に成ることができる。
【0022】
全ての百分率、割合及び比は、特に指定のない限り、粒子状発熱組成物の重量による。
列挙する成分に関するこのようなすべての重量は、具体的成分の濃度に基づいており、そのため特に指定のない限り、市販の材料に包含されている可能性があるキャリアや副生成物を包含しない。
【0023】
本明細書に記載される出版物、特許出願、及び発行された特許を包含する本明細書で引用する全ての文献は、関連部分において、本明細書に参考として組み込まれる。いかなる文献の引用も、本発明に対する従来技術として利用できることのいずれかの決定に関する容認ではない。
【0024】
加熱セル
本発明は、粒子状発熱組成物を含む加熱セルに関する。当該加熱セルは、使い捨て加熱装置に組み込まれて一過性の又は慢性の身体の疼き及び痛みの軽減における持続温度の改善を提供することができる。当該加熱セルは好ましくは、複数の加熱セルとして使い捨て加熱装置中に組み込まれる。
【0025】
当該加熱セルは、少なくとも2つの対向する表面、好ましくはフィルム層基材面を含む一体化構造に形成され、ここで、少なくとも1つの表面は酸素透過性であり、及び粒子状発熱組成物で満たされている場合、充填体積、空隙体積、及びセル体積を有する。充填体積とは、本明細書で使用する時、充填された加熱セル中の粒子状組成物の体積を意味する。空隙体積とは、本明細書で使用する時、加熱セルにおける圧力差なしで、及び基材材料の追加の延伸又は変形なしで測定された、最終加熱セル中で粒子状組成物によって満たされずに残っているセルの体積を意味する。セル体積とは、本明細書で測定する時、加熱セルの充填体積プラス空隙体積を意味する。充填体積とセル体積の比は、約0.7〜約1.0、好ましくは約0.75〜約1.0、より好ましくは約0.8〜約1.0、更により好ましくは約0.85〜約1.0、及び最も好ましくは約0.9〜約1.0である。
【0026】
加熱セルはまた、その頂き部(apex)でも測定されることができる。本明細書で定義される加熱セルの頂き部(apex)は、約0.2cm(センチメートル)よりも大きく約1.0cmまで、好ましくは約0.3よりも大きく約0.9cmまで、より好ましくは約0.4cm〜約0.8cm、及び最も好ましくは約0.5cm〜約0.7cmの高さを有する。
【0027】
前述したように、当該加熱セルは、少なくとも2つの対向する表面、好ましくはフィルム層基材面を含む一体化構造に形成される。フィルム層基材は好ましくは、フィルム類、又は不織布布地へと積層化されたフィルム類で作製される。一般には、好ましいフィルム類はヒートシール可能であり、及び容易に熱融合されることができる。不織布は、使用される場合、フィルム層基材に支持及び一体性を与える。好適なフィルムの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、鹸化されたエチレン−ビニルアセテートコポリマー、エチレン−ビニルアセテートコポリマー、天然ゴム、再生ゴム、及び合成ゴムが挙げられる。フィルム層基材の厚さは、約1〜約300μmの範囲であり、及び酸素透過性であっても酸素不透過性であってもよい。不織布布地については、軽量及び高い引張り強度の好ましい特性を有するもの、例えば、ナイロン、レーヨン、セルロースエステル、ポリビニル誘導体、ポリオレフィン類、ポリアミド類、又はポリエステル類、キュプロアンモニウムセルロース(ベムバーグ(Bemberg))、及び他の高分子量化合物類、並びに毛、絹、ジュート、麻、綿、リネン、サイザルアサ、又はラミーのような天然材料が好適である。これらの不織布材料については、概して、その全体が参考として本明細書に組み込まれる、リーデル(Riedel)の「不織布結合法及び材料(Nonwoven Bonding Methods and Materials)」(不織布の世界(Nonwoven World)(1987年))に記載されている。本発明の好ましいフィルム層基材は、約5〜約100μmの厚さを有する、ポリ(エチレン−ビニルアセテート)又は低密度ポリエチレン(LDPE)のフィルムに積層化されたポリプロピレン不織布シートである。市販の不織布シートの1つの例は、米国、バージニア州、ウェインスボロ(Waynesboro)にあるPGI(ポリマー・グループ・インターナショナル(Polymer Group International))から市販されている、物質番号W502FWHである。市販のポリプロピレン/エチレンビニルアセテート(PP/EVA)フィルムの1つの例は、米国、オハイオ州、シンシナティ(Cincinnati)のクロペイ・プラスチックス(Clopay Plastics)から市販されている、物質番号DH245である。
【0028】
対向する表面は、2つの基材をそれらの周囲で共に結合し、それによって、フィルム側をパウチ、エンベロープ、又はポケットの内側(充填されるべき側)に向け、及び不織布側を外側に向けた、パウチ、エンベロープ、又はポケットを形成することにより作製できる。ポケットはまた、熱成形、機械的エンボス加工、真空エンボス加工、又は他の許容可能な手段によって、基材中に作製することができる。その全体が参考として本明細書に組み込まれる、「熱成形(Thermoforming)」、包装技術のワイリー百科事典(The Wiley Encyclopedia of Packaging Technology)、668〜675頁(1986年)、(マリリン バッカー(Marilyn Bakker)編)に記載された熱成形が、本明細書で使用するのに好ましい。
【0029】
得られる加熱セルは、あらゆる幾何学的形状、例えば、円盤、三角形、ピラミッド、円錐、球形、正方形、立方体、矩形、方形平行六面体、円柱形、楕円体等を有することができる。本発明の好ましい形状は、約0.2cm〜約5cm、好ましくは約1cm〜約4cm、より好ましくは約2cm〜約3cmのセル直径、及び約0.2cmより大きく約1cmまで、好ましくは約0.3cmより大きく約0.9cmまで、より好ましくは約0.4cm〜約0.8cm、及び最も好ましくは約0.5cm〜約0.7cmの高さを有し、その結果約0.0045cm〜約20cm、好ましくは約0.2cm〜約11cmのセル体積を有する円盤型の形状を含む。あるいは、本発明の加熱セルの形はまた、その形状が細長いものであって、その長軸が基材と平行であり、約0.2cm〜約5cm、好ましくは約0.5cmよりも大きく約1cmまでの高さ、約0.2cm〜約20cm、好ましくは約5cm〜約10cmの幅、及び約1cm〜約20cm、好ましくは約5cm〜約10cmの長さを有し、その結果約0.04cm〜約2000cm、好ましくは約1.25cm〜約10cmのセル体積を有していてもよい。
【0030】
本発明の加熱セルは好ましくは、セル当たりの断面積が約0.03cm〜約20cm、より好ましくは約0.1cm〜約15cm、更により好ましくは約1cm〜約10cm、及び最も好ましくは約3cm〜約7cmである。このセル当たりの断面積を有する加熱セルは、体の形体に対する改善された適合性を与える身体用ラップなどに容易に組み込まれる。
【0031】
本発明の加熱セルは好ましくは、セル当たり約0.4gのプレミックス〜セル当たり約2.5gのプレミックス、より好ましくはセル当たり約1.0gのプレミックス〜セル当たり約2.4gのプレミックス、及び最も好ましくはセル当たり約1.5gのプレミックス〜セル当たり約2.3gのプレミックスのプレミックス重量を有する。このセル当たりのプレミックス重量を有する加熱セルもまた、体の形体との改善された適合性を与え、及び従って、目標領域に対する均等で一様な加熱及び改善された着用者の快適性を与える、身体用ラップ類などに容易に組み込まれる。
【0032】
本発明の加熱セルの酸素透過性は、具体的に所望された透過性特性を有するパウチ、エンベロープ、ポケット、及び/又はカバーリング層を形成するフィルム層基材のためのフィルム類又はフィルムコーティング類を選択することによって、与えることができる。所望の透過性特性は、微小多孔性フィルム類によるか、又はその中に孔若しくは穴が形成されるフィルム類により与えられてもよい。これらの穴/孔の形成は、押出鋳造/真空成形によるか、又は熱針開口化によるものであってよい。酸素透過性はまた、フィルム層基材の少なくとも1つに、例えば、少なくとも1つのピン、好ましくは約20〜約60個のピンの列であって例えば先細の先端部及び約0.2mm〜約2mm、好ましくは約0.4mm〜約0.9mmの直径を有するものを用いて通気穴を穿孔することによって本発明において提供することができる。
【0033】
あるいは、フィルム層基材を共に結合し、それらの間のポケット内に本明細書の以下で定義する粒子状発熱組成物を封入した後で、加熱セルの片側に、例えば、少なくとも1つのピン、好ましくは約20〜約60個のピンの列であって、例えば先細の先端部及び約0.2mm〜約2mm、好ましくは約0.4mm〜約0.9mmの直径を有するものを用いて通気孔を穿孔してもよい。これらのピンは、加熱セル材料の片側を貫通して、粒子状発熱組成物中に約2%〜約100%、好ましくは約20%〜約100%、及びより好ましくは約50%〜約100%の深さまで押し付けられる。この穴の構成は、粒子状発熱組成物の酸化中、加熱セル中に約0.01ccO/min./5cm〜約15.0ccO/min./5cm(21℃、0.1MPa(1気圧)で))、好ましくは約0.9ccO/min./5cm〜約3ccO/min./5cm(21℃、0.1MPa(1気圧))で)の酸素の拡散を与える。上部カバーフィルム層に通気穴が提供されているのが好ましいが、下部カバーフィルム層に、及び/又は双方に通気穴を提供することもまた可能である。
【0034】
本発明の加熱セルには、任意で、皮膚を通って送達されるべき構成成分を組み込んでもよく、ここで、その任意構成成分としては、活性芳香族化合物類、非活性芳香族化合物類、薬剤活性物質類、又は他の治療剤類、及びこれらの混合物が挙げられる。任意構成成分は、別個の基材層として加熱セルに組み込まれることができ、又はフィルム層基材の少なくとも1つに組み込まれることができる。かかる活性芳香族化合物としては、メントール、カンファー、ユーカリ、及びこれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。
かかる非活性芳香族化合物としては、ベンズアルデヒド、シトラール、デカナール、アルデヒド、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。かかる薬剤活性物質/治療剤としては、抗生物質類、ビタミン類、抗ウィルス剤類、鎮痛剤類、抗炎症剤類、止痒剤類、解熱剤類、麻酔剤類、抗カビ剤類、抗菌剤類、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。加熱セルはまた、別個の基材層を含んでもよく、又はフィルム層基材、粘着性の構成成分、及び/又は吸汗性構成成分の少なくとも1つに組み込まれてもよい。
【0035】
発熱組成物
本発明の加熱セルは、加熱セルが使い捨て身体用ラップのような使い捨て加熱装置に組み込まれた場合に改善された持続温度を提供する、粒子状発熱組成物を含む。粒子状発熱組成物は粒子状プレミックス組成物及び塩水溶液を含む。
【0036】
粒子状プレミックス組成物の構成成分は典型的には、鉄粉末、炭素、吸収性ゲル化材料、及び水を包含し、これらの構成成分については詳細には後述する。また、塩水溶液の典型的な構成成分には、金属塩、水、及び任意でチオ硫酸ナトリウムのような水素ガス抑制剤が包含される。本明細書で定義される発熱組成物は一般に、粒子状プレミックス組成物を構築し、及び前記プレミックスに塩水溶液を急速に投入して、本発明の加熱セルの形成をもたらすことにより調製される。本発明の典型的な加熱セルは、セル当たり約0.4gのプレミックス〜セル当たり約2.5gのプレミックス、及びセル当たり約0.4gの塩水溶液〜セル当たり約1.5gの塩水溶液を含むことができる。従って、本発明の発熱組成物は、セル当たり、約0.8g〜約4.0g、好ましくは約1.5g〜約3.5g、より好ましくは約2.5g〜約3.0gの総セル重量を含むことができる。
【0037】
当該粒子状発熱組成物の発熱性酸化反応の速度、持続性、及び温度は、空気と接触する面積を変化させることにより、より具体的には酸素の拡散性/透過性を変化させることにより、所望のように制御することができる。発熱反応を改変する他の方法としては、組成物内の構成成分の選択、例えば、後述する具体的な構成成分を選択すること、構成成分の粒径を改変すること等によるものが挙げられる。
【0038】
実例として、発熱反応を改変するための1つの詳細な方法は、約200μmの中位径を有する鉄粉末、及び約300μmの中位径を有する吸収性ゲル化材料を添加することを伴い、ここで、吸収性ゲル化材料と鉄粉末との中位径の比は、1.5:1である。吸収性ゲル化材料と鉄粉末とのこの精選された比は、既存の発熱組成物では達成が困難であった、速い初期加熱温度及び長い加熱持続性を示す発熱組成物を提供するということが示された。既存の発熱組成物は、高濃度の水分を含み、この水分が粒子間空隙中に水を生じさせ、この水が酸素の流れを制限し及び初期加熱温度の速度を遅くするものと考えられる。吸収性ゲル化材料と鉄粉末との精選された中位径比を含む発熱組成物は、粒子間空隙から余計な水を追い出し、その結果初期加熱温度のより早い速度が達成されるということが見出されている。
【0039】
鉄粉末
本発明の粒子状発熱組成物は、1以上の鉄粉末構成成分を、組成物の約10重量%〜約90重量%、好ましくは約30重量%〜約88重量%、より好ましくは約50重量%〜約87重量%の範囲の濃度で含む。
【0040】
本明細書で定義された粒子状発熱組成物は、鉄粉末の酸化時に熱を放出すると考えられる。鉄は、鉄の発熱酸化に伴う電気化学的反応のためのアノードであることが知られている。鉄粉末は、電気伝導性の水及び空気と共に発熱を生ずるために使用することができる限り、その純度、種類、大きさ等に特に制限はない。例えば、約50μm〜約400μm、好ましくは約100μm〜約400μm、より好ましくは約150μm〜約300μmの中位径を有する鉄粉末は、本明細書で使用するのに好適であることが見出されている。
【0041】
鉄粉末、及び本明細書で定義されるあらゆる他の粒子状構成成分の中位径は、ASTM法B214に開示された方法のようなふるい法を用いて決定することができる。一般には、粒子は、異なる大きさから成る一連のふるいを通って選別され、及び各スクリーン上に保持された粒子の重量分画を測定する。次いで、各スクリーンにおける粒子の重量分画を使用して、累積重量分布曲線を作成する。累積重量分布曲線は、粒径を、二番目に大きなふるい上に保持された粒径よりも小さい粒子の累積的に加えられた重量%に対してプロットすることによって作成される。中位径は、累積的重量分布曲線から決定され、ここで、中位径は、累積重量の50%に相当する粒径として定義される。累積重量分布曲線の作成における詳細は、粒径測定(Particle Size Measurement)、153〜156ページ、第4版、テレンス・アレン(Terrence Allen)(1990年)の「サイズ分析データを提示する方法(Methods of Presenting Size Analysis Data)」に記載されており、それらの記述の全体を参考として本明細書に組み込む。ふるい法を例示するために、各ふるいがそれよりも下のスクリーンよりも大きなスクリーン開口を有する米国標準ふるいの積み重ね体の一番上のメッシュスクリーン上に約100g+/−0.1gの試験サンプルを載せ、一番上のスクリーン上に蓋を置き、そのふるいの積み重ね体を次いでテイラー・ロタップ・シェイカー(Tyler RoTap shaker)のような機械的に作動されるふるいシェイカーにクランプで固定し、このシェイカーを15分間作動させ、この間に手動でふるう時に起こる振盪の動きが機械的に再現され、その振盪プロセス中にふるい積み重ね体のタッピングが起こって粒子がメッシュスクリーンを通って落ちるのを助け、15分の振盪の後、各メッシュスクリーン上に収集された物質の重量を0.1gの単位で量る。すべての分画の重量の合計が試験サンプルの重量の99.7%未満となってはならない。各ふるい上に保持された分画の重量は、0.1%の単位で試験サンプルの重量の百分率として表される。試験サンプルの重量の0.04重量%以下であるあらゆる分画は「微量」と報告すべきである。試験サンプルの重量の0.05重量%以上であるあらゆる分画は、小数点以下2桁まで報告するように指定されない限り、0.1%として報告される。分画が無い場合、0.0%と報告すべきである。次に中位径が決定される。
【0042】
好ましくは、粒子状発熱組成物は、本明細書の下記で定義する吸収性ゲル化材料と鉄粉末の精選された中位径比を含む。構成成分類のこの精選された中位径比を含む発熱組成物は、熱の適用が改善され及び粒子の凝離に対する抵抗性のような組成変化に抵抗する能力を有する加熱セルを提供することが示されている。吸収性ゲル化材料の鉄粉末に対する中位径比は、典型的に、約10:1〜約1:10、好ましくは約7:1〜約1:7、より好ましくは約5:1〜約1:5、及び最も好ましくは約3:1〜約1:3の範囲である。
【0043】
本発明の加熱セルは典型的に、既存の加熱セルと比較して小さく、及び粒子の凝離作用を補うために過剰なレベルの発熱組成物を使用することはできない。実際、過剰なレベルの発熱組成物を添加すると、加熱セルの熱的性能に顕著な変化が生ずる可能性がある。粒子の凝離作用は、本明細書で定義した範囲内の中位径を有する鉄粉末を用いることによって、特に吸収性ゲル化材料が鉄粉末に対して一定の比で組み合わされた鉄粉末を用いることによって低減されることが見出されている。発熱組成物の反応速度は、発熱組成物の多孔性によって制御され、換言すれば、加熱セルが熱を放出する速度は、粒子の充填挙動(すなわち粒子間空隙体積)によって、及びその発熱組成物中に存在する水の量によって、影響を受けると考えられる。本明細書で定義される鉄粉末は、低い充填挙動を与え、一方吸収性ゲル化材料は、水が粒子間隙に入り込むのを防ぎ、こうして、一過性の又は慢性の身体の疼き及び痛みを処置するために速い初期加熱温度及び加熱の長期持続性を示す加熱セルがもたらされる。
【0044】
本発明の鉄粉末の好適な供給源の非限定例としては、鋳鉄粉末、還元鉄粉末、電解鉄粉末、くず鉄粉末、海綿鉄、銑鉄、錬鉄、種々の鋼鉄、鉄合金、これらの鉄供給源の処理された変化形、及びこれらの混合物が挙げられる。海綿鉄が好ましい。
【0045】
海綿鉄は鉄粉末の1つの供給源であり、海綿鉄の内部表面積の高さゆえに、特に有利である場合がある。内部表面積は、外部表面積よりも桁違いに大きいため、反応性は粒径によって制御されない場合がある。市販の海綿鉄の非限定例としては、M−100及びF−417が挙げられ、米国、ニュージャージー州にある、ホーガニーズ・コーポレーション(the Hoeganaes Corporation)から入手可能である。
【0046】
海綿鉄は、鉄鋼製造業において、鉄鋼の生産のための基本原料として利用される材料である。いずれの製造法にも限定されるものではないが、海綿鉄は、粉砕した形態の赤鉄鋼(Fe)鉄鉱石を送風溶鉱炉温度よりもいくらか低い温度の還元ガス環境に曝すことによって生産されてよい。海綿鉄は、海綿鉄の生成を包含して、米国特許第2,243,110号;第2,793,946号;第2,807,535号;第2,900,247号;第2,915,379号;第3,128,174号;第3,136,623号;第3,136,624号;第3,136,625号;第3,375,098号;第3,423,201号;第3,684,486号;第3,765,872号;第3,770,421号;第3,779,741号;第3,816,102号;第3,827,879号;第3,890,142号;及び第3,904,397号に、より具体的に開示されており、これらの開示は参考として本明細書に組み込まれる。
【0047】
酸素は鉄の酸化反応が起こるために必要である一方で、内部酸素源は本発明の加熱セルでは必要ではないが、しかし、本発明の範囲を変更することなく、酸素生成化学物質を、その調製の時点で粒子状発熱組成物に組み込んでもよい。本発明の目的のために使用される酸素源には、空気及び人工的に作られる種々の純度の酸素が包含される。これらの酸素源の中では、空気が最も簡便であり安価であるため好ましい。
【0048】
炭素
本発明の粒子状発熱組成物は、1以上の炭素構成成分を、組成物の約1重量%〜約25重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲の濃度で含む。
【0049】
本明細書で使用するのに好適な炭素の非限定例としては、活性炭、不活性炭、及びこれらの混合物が挙げられる。炭素構成成分は、約25μm〜約200μm、好ましくは約50μm〜約100μmの中位径を有する。活性炭が好ましい。
【0050】
活性炭は、鉄の発熱酸化に伴う電気化学的反応のためのカソードとして機能する。しかし、不活性炭粉末、すなわちコストを低減するためにブレンドされた炭素を追加で使用することによって、そのカソードの能力を拡張することができる。故に、上記炭素の混合物は本発明でも同様に有用である。
【0051】
活性炭は、内部構造において極端に多孔質であり、それによって特に良好な酸素吸収能が付与される。事実、活性炭は、その活性炭が湿っている時に、酸素を極めて良好に吸収する能力を有し、それ故に活性炭を電気化学的反応における触媒として機能させることができる。
【0052】
更に、活性炭は、水をよく吸収でき、及び水保持材料として機能することができる。更に、活性炭は、鉄粉末の酸化によって生ずるもののような臭気を吸収することができる。
【0053】
ココナッツの殻、木材、木炭、石炭、骨炭等から調製された活性炭は、本明細書で使用するのに好適であるが、動物性産物類、天然ガス、脂肪類、油類、及び樹脂類のような他の原料から調製されたものもまた、本発明の粒子状発熱組成物において有用である。使用される活性炭の種類には制限は無いが、好ましい活性炭は良好な酸素吸収能を有するものである。市販の活性炭の例としては、バージニア州(米国)、コビントン(Covington)にあるミードウェストヴェーコ(MeadWestvaco)から入手可能な活性炭が挙げられる。
【0054】
発熱組成物の早い加熱を提供しつつ、熱の持続時間を維持するために、発熱組成物は、活性炭よりも多くの吸収性ゲル化材料を有するべきである。吸収性ゲル化材料が活性炭よりも少ない場合には、発熱反応は水分含量に影響されやすくなり、及びあまり早く熱くならないということが示されている。理論に束縛されないが、これは、吸収性ゲル化材料と活性炭との間の水分の獲得競争に起因し、及び発熱反応が進むためには、活性炭は、それが酸素を吸収するための触媒として作用するために十分なだけ、湿っている必要があるものと考えられる。
【0055】
更に、本明細書で定義される粒子状発熱組成物中の炭素の量は、粒子間空隙体積を最大にするために最小限とされるべきである。炭素は典型的には、最も細かい粒子状構成成分であり、及び過剰の炭素は、粒子間空隙体積を埋める炭素となり得る。使用される吸収性ゲル化材料が比較的高い濃度であるために、発熱反応に必要な炭素の量は、既存の発熱組成物に使用されるものよりも著しく少ないことが見出されている。従って、炭素はその触媒活性のために主に使用され、及びその水保持特性のためには最小限に使用される。
【0056】
低濃度の炭素はまた、その低濃度の炭素が塩水溶液を急速に吸収するためのプレミックスを提供するので、本発明の加熱セルの製造方法のために極めて望ましい。このことは、本明細書で定義される加熱セルの製造方法の速度を著しく増大させる。
【0057】
吸収性ゲル化材料
本発明の粒子状発熱組成物は、1以上の吸収性ゲル化材料を、組成物の約1重量%〜約25重量%、好ましくは約1重量%〜約15重量%、より好ましくは約1重量%〜約10重量%の範囲の濃度で含む。
【0058】
本明細書で使用するのに好適な吸収性ゲル化材料は、本発明の粒子状発熱組成物内に水を物理的又は化学的に保持することを可能にする。特に、吸収性ゲル化材料は、鉄粉末構成成分に水を徐々に供給する機能を果たし、この際、水は制御された速度で放出される。
理論に束縛されるものではないが、吸収性ゲル化材料は、発熱組成物の種々の粒子間の空隙に水が入り込むこと、又はその中に維持されることを防止し又は抑制し、それによって浸水を防止し又は抑制するのを助けることができる。
【0059】
好適な吸収性ゲル化材料の非限定例としては、流体吸収特性を有し及び水と接触してヒドロゲルを形成できる吸収性ゲル化材料が挙げられる。こうした吸収性ゲル化材料の1つの具体例は、ポリ酸、例えばポリアクリル酸をベースとするヒドロゲル形成性吸収性ゲル化材料である。このタイプのヒドロゲル形成性ポリマー材料は、水のような液体と接触した時に、このような流体を吸収し、及びそれによってヒドロゲルを形成するものである。これらの好ましい吸収性ゲル化材料は一般に、重合可能な不飽和酸含有モノマー類から調製される、実質的に水不溶性の、わずかに架橋され部分的に中和されたヒドロゲル形成性ポリマー材料を含む。このような材料において、不飽和の酸含有モノマー類から形成されるポリマー構成成分が、ゲル化剤全体を構成してもよく、又はデンプン若しくはセルロースのような他の種類のポリマー部分にグラフト化されてもよい。アクリル酸グラフト化デンプン物質がこの後者の種類のものである。このように、具体的な好適な吸収性ゲル化材料としては、加水分解アクリロニトリルグラフト化デンプン、アクリル酸グラフト化デンプン、ポリアクリレート、無水マレイン酸系コポリマー、及びこれらの組み合わせが挙げられる。ポリアクリレート類及びアクリル酸グラフト化デンプン物質が好ましい。市販のポリアクリレート類の非限定例としては、テネシー州(米国)、チャタヌーガ(Chatanooga)にある日本触媒(Nippon Shokubai)から入手可能なポリアクリレート類が挙げられる。
【0060】
吸収性ゲル化材料は、約300μm〜約800μm、好ましくは約400μm〜約800μm、より好ましくは約500μm〜約800μmの中位径を有する。300μm又はそれ以上の中位径を有する吸収性ゲル化材料は、最小限の凝離作用に寄与するか又は全く凝離作用に寄与しないことが示されている。凝離作用を低減することにより、持続温度が改善され、その結果皮膚火傷のようないかなる有害事象も伴わずに所望の治療的加熱効果が達成される。凝離作用の減少はまた、24時間までの治療的加熱を提供する複数の加熱セルを含む使い捨て加熱装置を高速で生産することを可能にする。
【0061】
本明細書で上述したように、本明細書で定義される粒子状発熱組成物は好ましくは吸収性ゲル化材料と鉄粉末との精選された中位径比を有する。定義された精選された中位径比のこれらの構成成分を含む発熱組成物は、最小限の凝離作用を示すか又は全く凝離作用を示さず、これにより所望の治療的加熱効果のための意図された熱的挙動を満たす発熱組成物がもたらされるということが示されている。
【0062】
吸収性ゲル化材料に加えて、本発明の粒子状発熱組成物は任意で、毛管作用及び/又は親水性特性を有する他の水保持材料を含むことができる。これらの任意の水保持材料は、粒子状発熱組成物中に、組成物の約0.1重量%〜約25重量%、好ましくは約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約15重量%の範囲の濃度で包含されることができる。このような任意の水保持材料の非限定例としては、バーミキュライト、多孔質シリケート類、木粉(wood powder)、木粉(wood flour)、綿、紙、植物性物質、カルボキシメチルセルロース塩類、無機塩類、及びこれらの混合物が挙げられる。吸収性ゲル化材料及び任意で水保持材料は、米国特許第5,918,590号、及び第5,984,995号に更に記載され、この記載は本明細書に参考として組み込まれる。
【0063】
金属塩
本発明の粒子状発熱組成物は、1以上の金属塩類を、組成物の約0.5重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約7重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%の範囲の濃度で含む。
【0064】
本明細書で使用するのに好適な金属塩類には、鉄粉末の表面を活性化して空気との酸化反応を容易にするための反応促進剤として作用する、及び発熱組成物に導電性を与えて腐食反応を持続させるようにする金属塩類が包含される。一般に、鉄の腐食反応を持続させるために単独で又は組み合わせで使用できる幾つかの好適なアルカリ、アルカリ土類、及び遷移金属塩類が存在する。
【0065】
好適な金属塩類の非限定例としては、サルフェート類、クロライド類、炭酸塩類、酢酸塩類、ニトレート類、ニトライト類、及びこれらの混合物が挙げられる。サルフェート類の具体的な非限定例としては、硫酸第二鉄、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸マンガン、硫酸マグネシウム、及びこれらの混合物が挙げられる。クロライド類の具体的な非限定例としては、塩化第二銅、塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マンガン、塩化マグネシウム、塩化第一銅、及びこれらの混合物が挙げられる。塩化第二銅、塩化ナトリウム、及びこれらの混合物は好ましい金属塩である。市販の塩化ナトリウムの例としては、イリノイ州(米国)、シカゴ(Chicago)にあるモートン・ソルト(Morton Salt)から入手可能な塩化ナトリウムが挙げられる。
【0066】

本発明の粒子状発熱組成物は、水を、組成物の約1重量%〜約35重量%、好ましくは約5重量%〜約33重量%の範囲の濃度で含む。本明細書で用いるのに好適な水は、あらゆる適切な供給源から得ることができる。例えば、水道水、蒸留水、若しくは脱イオン水、又はこれらのいずれかの混合物が本明細書で用いるのに好適である。
【0067】
加熱セル類の熱特性は、水分濃度に対し極めて影響を受け易く、及び典型的な加熱セルは、加熱セルの加熱温度を持続させるために、約27%以上の濃度で水を含むことができるということが知られている。しかしながら、約27%以上のレベルの高濃度の水を包含することにより、所望の初期加熱温度よりも遅くなる可能性がある。従って、治療効果のための所望の温度に素早く到達する能力、及びその温度を持続する能力は、達成するのが困難である。しかし、本発明の粒子状発熱組成物は持続された、制御された、及び一貫した温度を維持するのに極めて有効な加熱セルを提供するだけでなく、初期加熱温度の速い加熱セルを提供し、従って皮膚火傷のようないずれの有害事象も伴わずに所望の治療的加熱効果を提供する加熱セルをもたらすということが見出されている。これは、粒子状発熱組成物が高度な内部の水の保持及び大きな粒子間空隙体積を有するように、水と吸収性ゲル材との十分な重量比を組み込むことによって達成される。本発明の粒子状発熱組成物は、発熱組成物の重量基準で約3:1〜約9:1、好ましくは約4:1〜約7:1の、水と吸収性ゲル化材料との重量比を含む。
【0068】
更に、既存の加熱セルは典型的には、加熱セルの加熱温度を持続する時間の長さを増大させるために高い濃度の水を含む。それ故に、本発明の発熱組成物は、高濃度の水を含むことができ、及び既存の加熱セル類よりも低いセルの重量レベルで構築されることができる。すなわち、本発明の発熱組成物は、高い水濃度でもってより効果的に使用され、及び所望の加熱温度持続時間を達成するために必要とされる発熱組成物がより少ない。
【0069】
任意構成成分
本発明の発熱組成物は、既知の又は発熱組成物に使用するのに有効な、その他の1以上の他の任意構成成分を、その任意構成成分が本明細書で上述した組成構成成分と物理的及び化学的に適合性であり、又は他の態様で生成物の安定性、審美性、又は性能を過度に損わない限りにおいて、更に含んでもよい。本明細書で用いるのに好適な他の任意構成成分としては、コーンシロップ、マルチトールシロップ、結晶性ソルビトールシロップ、及び非晶質ソルビトールシロップを包含するアグロメレーション助剤類;微結晶セルロース、微小セルロース、マルトデキストリン、噴霧ラクトース、共結晶化スクロース及びデキストリン、改質デキストロース、マンニトール、事前にゼラチン化されたデンプン、リン酸二カルシウム、並びに炭酸カルシウムを包含する乾燥結合剤類;元素クロム、マンガン、銅、及び前記元素を含む化合物類を包含する、酸化反応増強剤剤;無機及び有機アルカリ化合物類、及びアルカリ弱酸塩類を包含し、具体的な非限定例としてはチオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、及びプロピオン酸ナトリウムが挙げられる、水素ガス抑制剤類;木材粉塵、綿リンター、及びセルロースを包含する天然セルロース断片類、ポリエステル繊維類を包含する断片形状の合成繊維類、発泡ポリスチレン及びポリウレタンなどの発泡合成樹脂類、シリカ粉末、多孔質シリカゲル、硫酸ナトリウム、硫酸バリウム、鉄酸化物類、及びアルミナを包含する無機化合物類、などの充填剤類;リン酸三カルシウム及びシリコアルミン酸ナトリウムなどの固化防止剤類;並びにこれらの混合物、のような物質が挙げられる。かかる構成成分としては、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、カルボキシメチルセルロース、及びαデンプンなどの増粘剤類、及びアニオン性、カチオン性、非イオン性、双極性、及び両性種に包含されるものなどの界面活性剤類も挙げられる。更に他の任意構成成分が、適切な場合、本明細書の組成物又は物品内に包含されてもよく、メタシリケート類、ジルコニウム、及びセラミックス、及びこれらの混合物のような増量剤類が挙げられる。他の任意構成成分は、組成物の約0.01重量%〜約35重量%、好ましくは約0.1重量%〜約30重量%の範囲の濃度で粒子状発熱組成物中に包含されることができる。
【0070】
製造方法
本発明の粒子状発熱組成物は、治療的加熱効果を提供する発熱組成物を与えるために好適なあらゆる既知の又はそれ以外の有効な技術によって調製されてよい。本発明の粒子状発熱組成物は、好ましくは、本明細書に記載されるようなブレンド技術などの従来のブレンド技術を用いて調製される。本発明の粒子状発熱組成物の構成成分をブレンドするための他の好適な方法は、米国特許第4,649,895号(ヤスキ(Yasuki)ら、1987年3月17日発行)に、より詳細に記載されており、この記述は本明細書に参考として組み込まれる。
【0071】
粒子状発熱組成物の構成成分をブレンドするための具体的な技術は、炭素をブレンダー又はミキサーに添加し、次いで全体の水のうちの少量を加え、次にこの炭素/水の組み合わせを混合することを伴う。通常はブレンドを助けつつ腐食が激しく増大するのを回避するために十分な水が添加される。混合を停止し、及びその炭素/水の組み合わせに吸収性ゲル化材料を加える。すべての構成成分が完全に混合されるまで混合を再開し、次いで鉄粉末を加え及び混合する。次に組成物を、完全に混合されて粒子状プレミックスが形成されるまでブレンドする。塩化ナトリウム、任意でチオ硫酸ナトリウムなどの水素ガス抑制剤、及び残りの水を別個に混合して塩水溶液を形成し、それを次に鉄粉末プレミックスに加えて、本発明の加熱セルの構築に使用される粒子状発熱組成物を形成する。
【0072】
個々の加熱セルは、ポリプロピレン不織布/LDPEフィルム層基材シート中のポケットのようなフィルム層基材シート中のポケットに、定量の粒子状プレミックス組成物を加えることによって調製することができる。この工程では、水及び塩水溶液をプレミックス組成物の最上部に急速に投入し、及びポリプロピレン不織布/ポリ(エチレン−ビニルアセテート)フィルム層基材の平坦シートを、そのポリ(エチレン−ビニルアセテート)フィルム側が予め形成されるポケットを含有するシートのLDPEフィルム側に向くようにセルを覆って配置する。2枚のシートのフィルム層を低温加熱を用いて互いに結合し、一体化した構造体を形成する。得られる加熱セルは、2枚のフィルム層基材シートの間のポケット内に密封された粒子状発熱組成物を含有している。本明細書に記載された方法によって調製された加熱セルは、加熱セルが本明細書で定義された吸収性ゲル化材料と鉄粉末との精選された中位径比を含む発熱組成物を含むならば、初期に及び所望の加熱処置の間中、一貫した、持続された、及び制御された加熱温度を提供するのに特に有効であることが見出されている。
【0073】
あるいは、個々の加熱セルは、真空を用いてポケットを形成することにより調製することができる。すなわち、真空を用いて、フィルム層基材面を鋳型に引き込み、粒子状プレミックス組成物を鋳型を直接覆うフィルム層基材面の最上部に配置する。その粒子状プレミックス組成物を真空形成されるポケット内へと落とし、及び鋳型の底部の粒子状プレミックス組成物にかけられた真空によって所定位置に保持する。次に、塩水溶液を、プレミックス組成物の最上部に急速に投入する。次に第2のフィルム層基材面を第1のフィルム層基材面を覆って配置し、粒子状発熱組成物が2つの表面の間にくるようにする。次いで粒子状発熱組成物を第1及び第2のフィルム層基材面の間に封入する。
【0074】
得られた加熱セルは、単独で、又は複数の加熱セルとして使用することができ、この際、この加熱セルは使い捨て身体用ラップ類のような種々の使い捨て加熱装置に組み込むことができる。典型的には、身体用ラップは、膝、首、背中等のような身体の様々な部分の周りの所定位置にラップを保持するための手段を有し、及び様々なスタイル及び形状を含むことができ、この際保持手段としては、再閉鎖可能な2つの部品からなるフック及びループ締着装置のような締着装置が挙げられる。
【0075】
得られた加熱セルは、好ましくは、既に参考として本明細書に組み込まれている前述した米国特許第4,649,895号に記載されているように、所望されるまで酸化反応が起こるのを防止するように、第2の空気不透過性のパッケージ中に包装される。あるいは、空気不透過性の除去可能な接着剤ストリップを加熱セルの通気穴を覆って配置し、そのストリップが除去された時に、空気が加熱セルに入ることが可能となり、こうして鉄粉末の酸化反応を活性化するようにすることができる。
【実施例】
【0076】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明及び実証する。これら実施例は、例示の目的のためのみに提示するものであって、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、それらの多くの変形が可能であるので、本発明を限定するものと解釈すべきではない。すべての例示した濃度は、特に指定のない限り、重量−重量パーセントである。
【0077】
下記に例示する粒子状発熱組成物は、従来のブレンド技術を用いて粒子状発熱組成物を形成することにより調製され、この際、得られる組成物は本発明の加熱セルの構築を与える。
【0078】
プレミックスは、活性炭及び水を、リトルフォード・デイ・ミキサー(Littleford Day Mixer)のようなブレンダー又はミキサー中に加え、及び約10分間混合することにより調製される。次にポリアクリレートなどの吸収性ゲル化材料を加え、及び混合物を約10分間混合する。次に、海綿鉄などの鉄粉末をミキサーに加え、及び得られたプレミックスを約5分間混合する。
【0079】
およそ2.2gの得られたプレミックス組成物を、LDPEのフィルムでコーティングされたポリプロピレン不織布のシート中にポケットを形成するように熱形成され、予め形成されるポケットに加える。
【0080】
次に、水、塩化ナトリウムなどの金属塩、及び任意でチオ硫酸ナトリウムをミキサー中に加え及び約15分間混合することにより塩水溶液を調製する。次いで得られた塩水溶液をプレミックス組成物上に急速に投入し、その結果本発明の1以上の加熱セルが構築される。
【0081】
次にポリ(エチレン−ビニルアセテート)でコーティングされた平坦なポリプロピレン不織布シートを加熱セルを覆って配置し、及び底部シートへと熱結合させる。セルの周囲の過剰の材料が2.5cmとなるように、加熱セルの周りの材料を切り取る。直径およそ0.5mmの100個のピンを同時に、それらがその発熱組成物中におよそ100%侵入するが底部シートは貫通しないところまで、セルの片側に押し付ける。この穿孔工程は、約1cc/min./5cm(21℃、0.1MPa(1気圧)において)の拡散Oの透過性をもたらす。セルは、塩水溶液が粒子状組成物に加えられた後すぐに熱を発生し始めるので、上部シート及び底部シートを結合し、及び完成した加熱セルを将来的な使用のために、気密な第2のパッケージ中に素早く包装する。
【0082】
得られた加熱セルは、背中用ラップ、膝用ラップ、関節用ラップ、月経用ラップ、首から腕用ラップ等のような使い捨て身体用ラップを包含する使い捨て加熱装置に組み込むことができる。
【表1】

【0083】
本発明の粒子状発熱組成物で用いるのに好適な特定の実施形態について記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には明白であろう。本発明の範囲内にあるこのような全ての修正については、添付の特許請求の範囲に包含されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.4g〜2.5g、好ましくは1.0g〜2.4gのプレミックスセル重量を有する粒子状プレミックス組成物を作製する工程と、
(b)前記プレミックス組成物の上に塩水溶液を投入する工程と
を含む、粒子状発熱組成物を含む加熱セルの製造方法。
【請求項2】
前記粒子状プレミックス組成物が、
(a)10重量%〜90重量%の鉄粉末と、
(b)1重量%〜25重量%の、活性炭、不活性炭、及びこれらの混合物から成る群から選択される炭素と、
(c)1重量%〜25重量%の吸収性ゲル化材料と、
(d)1重量%〜10重量%の水と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記吸収性ゲル化材料の中位径と前記鉄粉末の中位径の比が、10:1〜1:10である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記鉄粉末が、50μm〜300μmの中位径を有し、前記鉄粉末が、鋳鉄粉末、還元鉄粉末、電解鉄粉末、くず鉄粉末、銑鉄、海綿鉄、錬鉄、鋼鉄、鉄合金、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは前記鉄粉末が海綿鉄である、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
前記吸収性ゲル化材料が、加水分解アクリロニトリルグラフト化デンプン、アクリル酸グラフト化デンプン、ポリアクリレート、無水マレイン酸系コポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択されるヒドロゲル形成性ポリマー材料であり、前記ヒドロゲル形成性ポリマー材料が、300μm〜800μmの中位径を有する、請求項2〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記塩水溶液が、
(a)0.5重量%〜20重量%の金属塩と、
(b)1重量%〜90重量%の水と、
(c)所望により、0.01重量%〜10重量%の水素ガス抑制剤と
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記金属塩が、アルカリ金属塩類、アルカリ土類金属塩類、遷移金属塩類、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは塩化ナトリウム、塩化第二銅、及びこれらの混合物である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記水素ガス抑制剤が、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、プロピオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択され、好ましくは前記水素ガス抑制剤が、チオ硫酸ナトリウムである、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記加熱セルが、少なくとも2つの対向する表面を含む一体化構造に形成されるポケット内に組み合わされ、少なくとも1つの表面が、酸素透過性である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記加熱セルが、背中用ラップ、膝用ラップ、首用ラップ、月経用ラップ、関節用ラップ、及び首から腕用ラップから成る群から選択される使い捨て加熱物品に組み込まれる、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

【公開番号】特開2011−87941(P2011−87941A)
【公開日】平成23年5月6日(2011.5.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−251088(P2010−251088)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【分割の表示】特願2008−530738(P2008−530738)の分割
【原出願日】平成18年9月22日(2006.9.22)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】