説明

吸収性物品、及び当該吸収性物品の製造方法

【課題】仮置き時の剥離性と、着用時の固定性とを両立することができる吸収性物品を提供すること。
【解決手段】水解性のトップシートと、水解性のバックシートと、上記バックシートの、上記トップシートと反対側の面に配置された、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部と、上記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートとを含む水解性の吸収性物品であって、上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されていることを特徴とする吸収性物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着部が特定の接触面を有する吸収性物品、及び当該吸収性物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水解性を有する吸収性物品、例えば、水解性を有する生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド等が開発され、そして市販されている。これらの吸収性物品は、水解性を有する素材から構成され、水洗トイレ等の多量の水に流した場合に、水に分散する。
これらの吸収性物品には、通常、バックシートに、吸収性物品を、下着等の衣類に固定するための粘着部が含まれ、平面のバックシートに、平面の粘着部がコーティングされているものが多い。従って、剥離紙が剥離された、使用前の吸収性物品を、誤って水洗トイレに廃棄してしまった場合には、粘着部の全面が便器に貼り付き、剥がすために苦労するときがある。また、便器に貼り付かずに流れてしまった場合には、下水の配管の内壁に貼り付き、配管の詰まりを生じさせるときがあった。
【0003】
上記問題点を解決するために、例えば、特許文献1には、バックシートの裏面に、吸収性物品を外部装着体に掛止させるための粘着部が吸収性物品の縦方向及び横方向に間隔を開けて複数箇所に設けられており、隣り合う粘着部どうしの間隔が、上記バックシートに含有される上記繊維の最大繊維長より長いことを特徴とする水解性の吸収性物品が開示されている。そして特許文献1の図4には、複数の、ドット状の粘着部が、千鳥型に配置されている吸収性物品が開示されている。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の吸収性物品では、粘着部の総面積が小さいため、便器、配管の内壁等に貼り付く可能性が低く、仮に便器、配管の内壁等に貼り付いた場合であっても簡易に剥離することができるが、吸収性物品の、衣類への固定力が小さく、着用時に吸収性物品が衣類からずれる、よれる等の恐れがある。また、特許文献1に記載の吸収性物品では、1つ当りの面積が小さい粘着部が、複数、バックシートに配置されているので、粘着部の縁部の量が増え、衣類に粘着部の一部が残る、糊残りが発生しやすい問題があった。
【0005】
特許文献2には、実質上二次元の構成に変形可能な複数の三次元突出部と、上記三次元突出部が上記実質上二次元の構成に変形するまで外面との不注意による接触が防止された、上記突出部を取り囲む接着剤の相互接続網状構造とを含む接着系を含む、吸収性物品が記載されている。特許文献2に記載の吸収性物品では、接着面が、三次元突出部に保護されているので、着用前に、誤って水洗トイレに流してしまった場合であっても、便器、配管の内壁等に付着する可能性は低い。
【0006】
しかし、特許文献2に記載される吸収性物品は、接着面が三次元突出部に保護されているので、着用の際に、下着等の衣類に、位置決め等のために仮置きすることができず、着用しにくい問題点がある。また、特許文献2に記載される吸収性物品は、構造が複雑であり、高コストとなる問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2001−145669号
【特許文献2】特表2003−506151号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の水解性の吸収性物品は、上述のような問題点を有していた。
従って、本発明は、仮置き時の剥離性と、着用時の固定性とを両立することができる吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、水解性のトップシートと、水解性のバックシートと、上記バックシートの、上記トップシートと反対側の面に配置された、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部と、上記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートとを含む水解性の吸収性物品であって、上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されていることを特徴とする吸収性物品により、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
具体的には、本発明は以下の態様に関する。
[態様1]
水解性のトップシートと、
水解性のバックシートと、
上記バックシートの、上記トップシートと反対側の面に配置された、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部と、
上記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートと、
を含む水解性の吸収性物品であって、
上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されていることを特徴とする、上記吸収性物品。
【0011】
[態様2]
上記バックシートが、突状部と窪み部とを有し、上記突状部及び窪み部に沿って、上記粘着部の凸部と凹部とが形成されている、態様1に記載の吸収性物品。
[態様3]
上記バックシートが、お互いに独立した複数の突状部と、上記突状部を囲む、連続する窪み部とを含む、態様2に記載の吸収性物品。
【0012】
[態様4]
上記バックシートの突状部が、千鳥型に配置されている、態様3に記載の吸収性物品。
[態様5]
上記粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成り、そして各領域に、凸部と凹部とが形成されている、態様2〜4のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[態様6]
上記バックシートが水解性不織布又は水解紙を含み、そして上記バックシートの、粘着部と接する面に、上記水解性不織布又は水解紙が存在する、態様5に記載の吸収性物品。
【0013】
[態様7]
上記粘着部の各領域の面積が、上記バックシートの突状部の面積よりも大きい、態様5又は6に記載の吸収性物品。
[態様8]
上記粘着部の各領域の、上記吸収性物品の長手方向の長さが、上記吸収性物品の長手方向と直交する方向の長さよりも長い、態様5〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【0014】
[態様9]
上記粘着部の各領域の間隔が、上記水解性不織布又は水解紙を構成する繊維の繊維長よりも長い、態様5〜8のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[態様10]
上記バックシート、粘着部及び剥離シートが、一体で賦形されることにより、上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成された、態様1〜9のいずれか一つに記載の吸収性物品。
[態様11]
上記トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートが、一体で賦形されることにより、上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成された、態様1〜9のいずれか一つに記載の吸収性物品。
【0015】
[態様12]
水解性のトップシート、
水解性のバックシート
上記バックシートの、上記トップシートと反対側の面に配置された、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部、及び
上記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シート、
を含む水解性の吸収性物品であって、
上記バックシートが、千鳥型に配置されている突状部と、上記突状部を囲む、連続する窪み部とを有し、上記突状部及び窪み部に沿って、上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されており、
上記粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成り、そして各領域に、凸部と凹部とが形成されており、上記バックシートが水解性不織布又は水解紙を含み、そして上記バックシートの、粘着部と接する面に、上記水解性不織布又は水解紙が存在する、上記粘着部の各領域の面積が、上記バックシートの突状部の面積よりも大きく、上記粘着部の各領域の、上記吸収性物品の長手方向の長さが、上記吸収性物品の長手方向と直交する方向の長さよりも長く、上記粘着部の各領域の間隔が、上記水解性不織布又は水解紙を構成する繊維の繊維長よりも長く、そして
上記トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートが、一体で賦形されることにより、上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成された、
ことを特徴とする、上記吸収性物品。
【0016】
[態様13]
上記粘着部が、凸部と凹部とにおいて異なる厚さを有することにより、上記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されている、態様1に記載の吸収性物品。
[態様14]
水解性のトップシートと、水解性のバックシートと、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部と、上記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートとを含む水解性の吸収性物品の製造方法であって、
上記バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部を間に挟んで積層することにより、積層物を形成するステップ、
上記積層物を、上記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形して、賦形された積層物を形成するステップ、そして
上記賦形された積層物にトップシートを積層するステップ、
を含む、上記方法。
【0017】
[態様15]
水解性のトップシートと、水解性のバックシートと、吸収性物品を外部装着体に固定するための粘着部と、上記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートとを含む水解性の吸収性物品の製造方法であって、
上記トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部がバックシートと剥離シートの間に配置されるように積層して、積層物を形成するステップ、そして
上記積層物を、上記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形するステップ、
を含む、上記方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明の吸収性物品は、仮置き時の剥離性と、着用時の固定性とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の実施形態の1つを示す図である。
【図2】図2は、図1に示される吸収性物品のX−X断面を示す図である。
【図3】図3は、本発明の吸収性物品を仮置きした場合の、吸収性物品の状態を示す断面図である。
【図4】図4は、本発明の吸収性物品が着用者に着用された場合の、吸収性物品の状態を示す断面図である。
【図5】図5は、バックシートと、粘着部の接触面の凹凸との例を示す図である。
【図6】図6は、バックシートの突状部及び窪み部の例を示す図である。
【図7】図7は、粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成る場合の、各領域の配置の例を示す図である。
【図8】図8は、エンボス加工を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の吸収性物品、及び当該吸収性物品の製造方法について、以下、詳細に説明する。
本発明の吸収性物品としては、水解性を有するものであり且つ衣類に固定されるものであれば、特に制限されずに含まれるが、例えば、水解性を有する生理用ナプキン、パンティライナー、尿取りパッド等が含まれる。
また、上記衣類としては、下着、例えば、パンツ、パンティー等が含まれる。
【0021】
図1は、本発明の吸収性物品の実施形態の1つを示す図である。図1は、バックシート側から見た図であり、剥離シートは取り外されている。図1では、向かって左側が吸収性物品の前方であり、向かって左側が吸収性物品の後方である。図1に示される吸収性物品1は、トップシート(図示せず)、セカンドシート(図示せず)、防漏シート(図示せず)、バックシート2及び粘着部3を含み、そしてバックシート2には、複数の突状部4と、突状部4を囲む、連続した窪み部5とが形成されている。
また、図1に示される吸収性物品1では、バックシート2の突状部4が、千鳥型に配置されている。
【0022】
さらに、図1に示される吸収性物品1では、バックシート2の突状部4及び窪み部5に沿って、粘着部3の凸部6と凹部7とが形成されている。
なお、図1のように、バックシートが突状部と窪み部とを有し、突状部及び窪み部に沿って粘着部の凸部と凹部とが形成されることにより、粘着部の厚みそのものに変化を持たせる必要がないため、粘着部の厚みに変化を持たせることにより凹凸を形成する場合よりも、少ない粘着部の量で大きな凹凸を形成することができる。
【0023】
また、図1に示される吸収性物品1では、粘着部3が、お互いに独立した複数の領域から成り、そして各領域に、凸部6と凹部7とが形成されている。
さらに、図1に示される吸収性物品1では、粘着部3の各領域の面積が、バックシート2の突状部4の面積よりも大きい。
【0024】
図2は、図1に示される吸収性物品1のX−X断面を示す図である。図2に示される吸収性物品1は、トップシート10、セカンドシート9、防漏シート8、バックシート2、及び粘着部3を含み、それぞれは、ホットメルト接着剤で接着されている。バックシート2は、突状部4と窪み部5とを有し、突状部4及び窪み部5に沿って、粘着部3の凸部6と凹部7とが形成されている。粘着部3は、ほぼ均一の厚みを有する。
【0025】
図3は、本発明の吸収性物品を仮置きした場合の、吸収性物品の状態を示す断面図である。図3は、図1のX−Xで示される断面に相当する。図3に示される吸収性物品1は、トップシート10、セカンドシート9、防漏シート8、バックシート2、及び粘着部3を含み、これらが、ホットメルト接着剤で接着されている。
図3に示される吸収性物品1は、仮置きする際には、粘着部3の凸部6が仮置き面11に接触するが、粘着部3の凹部7は、仮置き面11に接触しない。従って、簡易に仮置き面11から、吸収性物品1を剥がすことができる。
【0026】
なお、上記「仮置き面」としては、例えば、衣類、トイレの床、水洗トイレの配管の内壁、便器等が挙げられ、そして「仮置きする」とは、吸収性物品の自重に近い力で、吸収性物品を、上記仮置き面に配置すること、例えば、置くこと、落とす、流すこと等を意味する。
本発明の吸収性物品は、使用の際に、衣類に仮置きされることができるため、本発明の吸収性物品を、衣類の好適な位置に配置することができ、また、本発明の吸収性物品は、衣類の好適な位置に配置されるまでの間に、衣類から、誤って落下する可能性が少ない。
【0027】
本発明の吸収性物品は、粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されているので、トイレの便器に落とした場合であっても、簡易に剥離されることができる。また、剥離紙が剥離された、使用前の吸収性物品を、誤って水洗トイレに廃棄してしまった場合であっても、粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されているので、配管の内壁に貼り付きにくいか、又は配管の内壁に貼り付いた場合であっても、水流により容易に剥離されうる。
【0028】
図1に示される吸収性物品では、バックシートに、複数の突状部と、上記突状部を囲む、連続した窪み部とが形成されているが、本発明の吸収性物品が当該構成を採用することにより、配管の内壁に貼り付いてしまった場合でも、本発明の吸収性物品のバックシートと、配管の内壁等との間に、水が侵入しやすくなるので、本発明の吸収性物品が剥離されやすくなる。
また、図1に示される吸収性物品では、バックシートの突状部が、千鳥型に配置されているが、本発明の吸収性物品が当該構成を採用することにより、本発明の吸収性物品が、配管の内壁等に貼り付いた場合に、バックシートと、配管の内壁との間に、任意の方向から水が侵入しやすくなるので、本発明の吸収性物品が剥離されやすくなる。
【0029】
なお、吸収性物品を使用し、廃棄する場合には、吸収性物品の粘着部の粘着力が初期より低下し、且つ粘着部の接触面に、衣類の布目の凹凸形状が転写されている。従って、水洗トイレに廃棄しても、そもそも、便器、配管の内壁等に貼り付く問題は生じにくい。また、仮に、使用済みの吸収性物品の粘着部が、配管の内壁等に貼り付いた場合であっても、粘着部の接触面に凹凸形状が形成されているので、バックシートと配管の内壁との間、特に、粘着部の凹部を水が通り抜けることができるので、吸収性物品が、水流により配管の内壁から剥がれやすく、詰まり等の問題が、やはり生じにくい。
【0030】
図4は、本発明の吸収性物品が着用者に着用された場合の、吸収性物品の状態を示す断面図である。図4は、図1のX−Xで示される断面に相当する。図4に示される吸収性物品1は、トップシート10、セカンドシート9、防漏シート8、バックシート2、及び粘着部3を含み、それぞれは、ホットメルト接着剤で接着されている。また、トップシート10は、着用者の体、例えば、臀部により、下向きの体圧が加えられている。
【0031】
図4に示される吸収性物品1は、着用時には、着用者の体圧により、バックシート2の突状部4及び粘着部3の凹部7が潰れ、粘着部3の凸部6とともに、粘着部3の凹部7も衣類12に接触することができる。従って、粘着部3が、衣類12に接触する面積が増え、着用者が体を動かした場合であっても、吸収性物品1を、衣類12に固定し続けることができる。
なお、一般に、着用時の体圧は、約10g/cm2であることが知られているので、図1のような、バックシートが、突状部と窪み部とを有し、上記突状部及び窪み部に沿って、粘着部の凸部と凹部とが形成されている場合には、バックシートの突状部は、上記圧力で潰れることが好ましい。
【0032】
図1では、バックシートが突状部と窪み部とを有し、突状部及び窪み部に沿って粘着部の凸部と凹部とが形成されているが、本発明では、粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されている限り、図1に示される実施形態に限定されない。
図5は、バックシートと、粘着部の接触面の凹凸との例を示す図である。図5では、バックシート及び粘着部以外の要素は、省略されている。
【0033】
図5(a)に示される例では、バックシート2の厚みが場所により異なり、それにより、突状部4と窪み部5とが形成され、バックシート2の突状部4及び窪み部5に沿って、粘着部3の凸部6と凹部7とが形成されている。バックシート及び粘着部が図5(a)に示されるような形状を有することにより、仮置き時には、粘着部の凸部が仮置き面に接触するが、粘着部の凹部は仮置き面に接触せず、そして着用時には、粘着部の凸部とともに、体圧によって粘着部の凹部も衣類に接触することができる。
【0034】
なお、図5(a)に示される例では、バックシートの厚みが場所によって異なるが、本発明の吸収性物品、及び固定される衣類は、両方とも、柔らかいのが一般的であるので、着用時には、体圧によって粘着部の凹部も衣類に接触することができる。また、バックシートの突状部が、体圧で潰れるものであってもよい。
なお、図5(a)に示される例では、粘着部3は、ほぼ均一の厚みを有するが、粘着部3も、場所によって厚みが異なっていてもよい。
【0035】
図5(b)に示される例では、粘着部3の厚みが場所によって異なり、それにより、粘着部3の凸部6と凹部7とが形成されている。バックシート及び粘着部が図5(b)に示されるような形状を有することにより、仮置き時には、粘着部の凸部が仮置き面に接触するが、粘着部の凹部は仮置き面に接触せず、そして着用時には、粘着部の凸部とともに、体圧によって粘着部の凹部も衣類に接触することができる。
【0036】
なお、図5(b)に示される例では、粘着部の厚みが場所によって異なるが、粘着部、及び固定される衣類は、両方とも、柔らかいのが一般的であるので、着用時には、体圧によって粘着部の凹部も衣類に接触することができる。また、粘着部の凸部が、体圧で潰れるものであってもよい。
なお、図5(b)に示される例では、バックシート2は、ほぼ均一の厚みを有するが、バックシート2も、場所によって厚みが異なっていてもよい。
【0037】
図5(b)に示されるように、粘着部の厚みが場所によって異なり、それにより、粘着部の凸部と凹部とが形成されている実施形態では、凸部及び凹部は、後述のバックシートの突状部及び窪み部と同等の形状及び配列を有することが好ましい。
【0038】
図1に示される実施形態では、バックシートが、お互いに独立した複数の突状部と、突状部を囲む、連続する窪み部とを含み、そしてさらに、バックシートの突状部が、角千鳥型に配置されているが、本発明においては、本発明の効果を奏する範囲内であれば、突状部及び窪み部の形状及び配置は、特に制限されず、種々の形状及び配置を有する突状部及び窪み部を有することができる。
なお、バックシートにおける突状部及び窪み部は、粘着部に凸部及び凹部を形成するための手段の1つであって、任意の要件である。従って、図5(b)に示すような実施形態では、バックシートが、突状部及び窪み部を有しない場合もある。
【0039】
図6は、バックシートの突状部及び窪み部の例を示す図である。図6(a)及び(b)では、粘着部は示されていない。図6(a)は、突状部が直列型に配列しているバックシートの例である。図6(b)は、吸収性物品の長手方向に伸びた突状部を有するバックシートの例である。
図6(c)は、突状部が、粘着部の各領域付近にのみ存在する例である。
【0040】
本発明において、バックシートの突状部が、千鳥型、例えば、角千鳥型、60°千鳥型に配置されていることが好ましい。本発明の吸収性物品が、配管の内壁等に貼り付いた場合に、バックシートと、配管の内壁との間に、任意の方向から水が侵入しやすくなるからである。
【0041】
また、本発明において、突状部は、吸収性物品の長手方向の長さ(以下、単に「長さ」と称する場合がある)が、吸収性物品の長手方向と直行する方向の長さ(以下、単に「幅」と称する場合がある)の約1〜約5倍であることが好ましく、そして約2〜約4倍であることがより好ましい。
【0042】
吸収性物品は、水洗トイレに廃棄されると、配管の中を、吸収性物品の長手方向を水流の方向と平行するように流れることが多く、配管の内壁に吸収性物品が貼り付く場合には、その長手方向を水流の方向と平行して貼り付くことが多い。従って、突状部の長さを、突状部の幅と同等以上にすることにより、吸収性物品が配管の内壁に貼り付いた場合に、バックシートと配管の内壁の間を通過する水の量を増やすことができ、より早期に吸収性物品を剥離させることができる。
【0043】
さらに、吸収性物品が、その長手方向を水流の方向と平行して貼り付いた場合に、長手方向に沿って吸収性物品を剥離する際の剥離力は、長手方向と直行する方向の粘着部の幅に比例するため、粘着部の幅を小さくするためにも、突状部の長さを、突状部の幅と同等以上にすることが好ましい。
【0044】
本発明において、上記粘着部は、バックシートの全面又はその一部に、1領域として存在していてもよいが、図1に示すように、粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成り、そして各領域に、凸部と凹部とが形成されていることが好ましい。
粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成ることにより、本発明の吸収性物品が、配管の内壁に貼り付いた場合に、バックシートと、配管の内壁との間に、水流が通るための通路を形成することができ、より早期に、吸収性物品を、配管の内壁から剥離することができるからである。
【0045】
図1に示すように、粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成る場合には、粘着部の各領域の面積が、バックシートの突状部の面積よりも大きいことが好ましい。各領域に、凸部と凹部とが形成されることになるからである。
【0046】
図1に示すように、粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成る場合には、粘着部の各領域の、吸収性物品の長手方向の長さが、上記吸収性物品の長手方向と直交する方向の長さ(以下、単に「幅」と称する場合がある)の約1〜約5倍であることが好ましく、そして約2〜約4倍であることがより好ましい。
【0047】
上述のように、吸収性物品は、水洗トイレに廃棄されると、配管の中を、吸収性物品の長手方向を水流の方向と平行するように流れることが多く、配管に吸収性物品が貼り付く場合には、その長手方向を水流の方向と平行して貼り付くことが多い。従って、粘着部の各領域の、吸収性物品の長手方向の長さを、上記吸収性物品の長手方向と直交する方向の幅と同等以上にすることにより、吸収性物品が配管の内壁に貼り付いた場合に、バックシートと配管の内壁の間を通過する水の量を増やすことができ、より早期に吸収性物品を剥離させることができる。
【0048】
さらに、吸収性物品が、その長手方向を水流の方向と平行して貼り付いた場合に、長手方向に沿って剥離する際の剥離力は、長手方向と直行する方向の粘着部の幅に比例するため、剥離力を弱めるためにも、粘着部の各領域の、吸収性物品の長手方向の長さを、上記吸収性物品の長手方向と直交する方向の幅と同等以上にすることが好ましい。
ただし、上記粘着部は、水への溶解、分散等が遅く、粘着部は、浄化槽中で、しばらく、その形状を保持することが多い。従って、粘着部の各領域の長さをあまり長くすると、紐状となり、浄化槽内の散気管に絡まり、損傷させる場合がある。従って、上記範囲が好ましい。
【0049】
上記粘着部の総面積は、着用後に衣類から本発明の吸収性物品を剥離する際の剥離力が、約5N以下であれば、特に制限されない。しかし、上記粘着部の各領域の領域1つ当たりの面積は、約900mm2以下であることが好ましく、約450mm2以下であることがより好ましく、約250mm2以下であることがさらに好ましく、そして約150mm2以下であることが最も好ましい。大きな粘着部が浮遊すると、浄化槽内の散気管に絡まり、損傷させる場合があるからである。
【0050】
上記剥離力は、以下のように測定することができる。
粘着部を有するバックシートの粘着部面を、シルクサテンの光沢面に重ね、さらにアクリル板で挟み、3.5kgの荷重をかける。一定時間後、バックシートと、シルクサテンとの間の剥離力を、テンシロン型試験器を用いて測定する。初期のつかみ間隔を20mmとし、引張速度を300mm/分とし、最大荷重を、上記剥離力とする。
【0051】
図1に示すように、粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成る実施形態において、バックシートが水解性不織布又は水解紙を含み、そしてバックシートの、粘着部と接する面に、上記水解性不織布又は水解紙が存在する場合には、粘着部の各領域の間隔が、水解性不織布又は水解紙を構成する繊維の繊維長よりも長いことが好ましい。
粘着部の各領域のピッチを、水解性不織布又は水解紙を構成する繊維の繊維長よりも長くすると、バックシートが水解した際に、粘着部の各領域が、上記水解性不織布又は水解紙を構成していた繊維で繋がれたまま保持される可能性が少なくなる。その結果、粘着部の各領域が繋がれて紐状となり、浄化槽内の散気管に絡みつく現象が生じにくくなる。
上記水解性不織布又は水解紙を構成する繊維の繊維長は、水解性を考慮すると、8mm以下であることが好ましい。従って、粘着部の各領域は、その周縁部同士が、約8mm超離れていることが好ましい。
【0052】
バックシートの、粘着部と接する面に、水解性不織布又は水解紙が存在する実施形態では、本発明の吸収性物品が、便器、配管の内壁等に貼り付いた場合に、バックシートの水解性不織布又は水解紙の中を、水が通過することができる。従って、便器、配管の内壁等に貼り付いた吸収性物品が、水流に押しつけられそうになった場合に、水圧を逃がし、上記内壁への貼付力を下げることができる。また、上記水解性不織布又は水解紙の中を通って、バックシートと上記内壁との間に、水が侵入することができるので、本発明の吸収性物品が剥離されやすい。
なお、バックシートが、水解性不織布又は水解紙から成る場合には、上述の超浮力を下げる効果、及び剥離されやすくなる効果がさらに大きくなる。
【0053】
図1に示される実施形態では、お互いに独立した複数の領域から成る粘着部が、バックシート上に直列型に配置されているが、本発明において、粘着部がお互いに独立した複数の領域から成る場合には、バックシート上の粘着部の各領域は、特に制限されず、種々の配列構造を有するように配置されうる。
【0054】
図7は、粘着部3の各領域が、バックシート上に千鳥型に配置されている例である。粘着部の各領域を千鳥型に配置することにより、バックシートの突状部を千鳥型に配置する場合と同様に、本発明の吸収性物品が、配管の内壁等に貼り付いた場合に、バックシートと、配管の内壁との間に、任意の方向から水が侵入しやすくなるので、本発明の吸収性物品が剥離されやすくなる。
【0055】
本発明に用いられるバックシートとしては、例えば、水分散性繊維を含む水解紙、水解性不織布等が挙げられる。具体的には、(1)パルプを原料とし、パルプ繊維同士の水素結合により、シート化した水解紙、(2)パルプ、レーヨン等の水分散性繊維を原料とし、水溶性のバインダーによりシート化した水解紙、(3)水分散性繊維を交絡させてシート化した水解紙、(4)単繊維の水分散性繊維を、ウォータージェット処理により交絡させることにより形成した水解性の不織布等が挙げられる。
また、上記バックシートは、上記水分散性繊維を含む水解紙、水解性不織布等と、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール等との積層物であってもよい。
本発明に用いられるバックシートの具体例としては、水解性を有する湿式スパンレースが挙げられる。
【0056】
本発明に用いられるトップシートとしては、当技術分野で水解性のトップシートとして用いられているものを特に制限されずに用いることができ、例えば、上述のバックシートと同様の水解性不織布、水解紙等が挙げられる。
【0057】
本発明に用いられる粘着部としては、当技術分野で通常用いられている粘着剤、例えば、ホットメルト粘着剤、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレン)系ホットメルト粘着剤、エチレン・酢酸ビニル共重合体系ホットメルト粘着剤、合成ゴム(例えば、スチレン系コポリマー、ブタジエン系コポリマー、イソプレン系コポリマー)系ホットメルト粘着剤、アクリル樹脂系粘着剤、ポリビニルアルコール系粘着剤等が挙げられる。
上記粘着剤は、親水性保護コロイド層を有するアクリル系エマルジョンであることもできる。
【0058】
本発明に用いられる剥離シートとしては、例えば、水解紙等の水解性シートの表面にポリビニルアルコールなどの水解性樹脂をコーティングし、その表面をシリコーン樹脂等で被覆したものが挙げられる。
本発明に用いられうる、所望によるセカンドシートとしては、当技術分野で水解性のセカンドシートとして用いられているものを特に制限されずに用いることができ、例えば、上述のバックシートと同様の水解性不織布、水解紙等が挙げられる。
【0059】
本発明に用いられうる、所望による防漏シートとしては、当技術分野で水解性の防漏シートとして用いられているものを特に制限されずに用いることができ、例えば、上述のバックシートと同様の水解性不織布、水解紙等、並びに水解紙、水解性不織布等と、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール等との積層物が挙げられる。
上記防漏シートとしてはまた、ポリ乳酸、ポリビニルアルコール等のフィルムが挙げられる。
本発明に用いられうる防漏シートの具体例としては、水解性を有する湿式スパンレースと、ポリ乳酸との積層物が挙げられる。
【0060】
続いて、本発明の吸収性物品の製造方法について説明する。
本発明の吸収性物品を製造する方法の第1の実施形態は、バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部を間に挟んで積層することにより、積層物を形成するステップ、上記積層物を、上記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形して、賦形された積層物を形成するステップ、及び上記賦形された積層物にトップシートを積層するステップを含む。
【0061】
バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部を間に挟んで積層することにより、積層物を形成するステップとしては、例えば、(i)バックシートに粘着部をコーティングし、次いで、その上に剥離シートを貼り合わせ、積層物を形成する工程、(ii)剥離シートに粘着部をコーティングし、次いで、その上にバックシートを貼り合わせ、積層物を形成する工程等が挙げられる。
【0062】
上記積層物を、上記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形して、賦形された積層物を形成するステップとしては、積層物をエンボス加工することが挙げられる。上記エンボス加工としては、例えば、特開2009−273722号明細書に記載されるように、当業界で公知の任意の手段を用いることができるが、例えば、図8に示されるような、凸型14及び凹型15を有するエンボス型13を用いてエンボス加工することができる。エンボス型13の凸型14及び凹型15の間に、バックシート2、粘着部3及び剥離シート16を含む積層物を配置し、凸型14及び凹型15で、上記積層物を加圧して、賦形された積層物を形成することが挙げられる。加圧の際の温度は、通常、約50〜約60℃である。
また、剥離シート側の片面のみを、エンボス加工等により賦形し、粘着部の接触面に凹凸を形成することもできる。
【0063】
上記賦形された積層物にトップシートを積層するステップとしては、上記賦形された積層物と、トップシートとを、間にホットメルト接着剤等を間に挟んで貼り合わせることが挙げられる。また、吸収性物品が、セカンドシート、防漏シート等の所望によるシートを含む場合には、トップシート、セカンドシート、防漏シート等を、ホットメルト接着剤等を間に挟んで貼り合わせたものを、上記賦形された積層物と貼り合わせることができる。
次いで、トップシートを含む積層物を、吸収性物品の形状にカットすることができる。
【0064】
本発明の吸収性物品を製造する方法の第2の実施形態は、トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部がバックシートと剥離シートの間に配置されるように積層して、積層物を形成するステップ、及び上記積層物を、上記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形するステップを含むことができる。
【0065】
トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部がバックシートと剥離シートの間に配置されるように積層して、積層物を形成するステップとしては、例えば、(i)バックシートに粘着部をコーティングし、次いで、その上に剥離シートを貼り合わせ、任意の順序でバックシートとトップシートとを、ホットメルト接着剤等を間に挟んで貼り合わせることにより、積層物を形成する工程、(ii)剥離シートに粘着部をコーティングし、次いで、その上にバックシートを貼り合わせ、任意の順序でバックシートとトップシートとを、ホットメルト接着剤等を間に挟んで貼り合わせることにより、積層物を形成する工程等が挙げられる。また、吸収性物品が、セカンドシート、防漏シート等の所望によるシートを含む場合には、トップシート、セカンドシート、防漏シート等を、ホットメルト接着剤等を間に挟んで貼り合わせたものを、任意の順序で、バックシートと貼り合わせることができる。
【0066】
上記積層物を、上記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形するステップとしては、積層物をエンボス加工することが挙げられる。上記エンボス加工としては、当業界で公知の任意の手段を用いることができるが、例えば、図8に示されるような、凸型14及び凹型15を有するエンボス型13を用いてエンボス加工することができる。
また、剥離シート側の片面のみを、エンボス加工等により賦形し、粘着部の接触面に凹凸を形成することもできる。
次いで、賦形された積層物を、吸収性物品の形状にカットすることができる。
【0067】
本発明の吸収性物品を製造する方法の第2の実施形態では、トップシートが、バックシート、粘着部及び剥離シートとともに賦形処理される。従って、トップシートが凹凸を有することになるので、着用時の体液の吸収性が向上し、着用時に肌への貼り付きが少なく、そしてトップシートが廃棄された後に、吸収性物品のトップシート側が便器、配管等に貼り付くことが少ない。
【0068】
図5(a)に示されるようなバックシートを含む吸収性物品の場合には、図5(a)に示されるようなバックシートを準備し、上述のように、各シートを、ホットメルト接着剤等を用いて貼り合わせることにより製造することができる。
図5(b)に示されるような粘着部を含む吸収性物品の場合には、(i)粘着部を、バックシートの上に、図5(b)に示されるように不均一にコーティングし、上述のように、各シートを、ホットメルト接着剤等を用いて貼り合わせること、(ii)粘着部を、バックシートの上に、均一な厚さを有するようにコーティングし、粘着部が一定の模様を有するように、例えば、ドット状の粘着部が千鳥型にコーティングされた剥離シートを、均一な厚さの粘着部を有するバックシートと貼り合わせ、次いで他のシートを貼り合わせること等により製造することができる。
【実施例】
【0069】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示すようなパンティライナー1(製品の長手方向の長さ:140mm、製品の幅:56mm)を準備した。粘着部は、各領域が約25mm×約8mmの大きさを有し、長手方向に約25mmの間隔を空け、そして幅方向に約9mmの間隔を空けて配置されていた。また、パンティライナー1は、トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートが一体で賦形され、図1に示すような凸部と凹部とが形成されていた。
【0070】
30°に傾斜させた塩化ビニル板に、水を掛け、その上に、パンティライナー1(計3枚)を、約1mの高さから自然落下させて、自重により貼り付かせた。次いで、パンティライナー1の約20cm上方から、塩化ビニル板に沿わせるようにして、水道水(約2L)を、約1分かけて流した。パンティライナー1の長手方向から10回、次いで、塩化ビニル板を回転させることにより、パンティライナー1の幅方向から10回水を掛けたところ、3枚とも塩化ビニル板から剥がれた。
【0071】
[比較例1]
実施例1で用いられたパンティライナー1と、賦形されていない以外は同一であるパンティライナー2を準備し、実施例1と同様の試験を行った。その結果、3枚中1枚が、塩化ビニル板に貼り付いたままであった。
【符号の説明】
【0072】
1 吸収性物品
2 バックシート
3 粘着部
4 突状部
5 窪み部
6 凸部
7 凹部
8 防漏シート
9 セカンドシート
10 トップシート
11 仮置き面
12 衣類
13 エンボス型
14 凸型
15 凹型
16 剥離シート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水解性のトップシートと、
水解性のバックシートと、
前記バックシートの、前記トップシートと反対側の面に配置された、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部と、
前記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートと、
を含む水解性の吸収性物品であって、
前記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されていることを特徴とする、前記吸収性物品。
【請求項2】
前記バックシートが、突状部と窪み部とを有し、前記突状部及び窪み部に沿って、前記粘着部の凸部と凹部とが形成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記バックシートが、お互いに独立した複数の突状部と、前記突状部を囲む、連続する窪み部とを含む、請求項2に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記バックシートの突状部が、千鳥型に配置されている、請求項3に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成り、そして各領域に、凸部と凹部とが形成されている、請求項2〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
前記バックシートが水解性不織布又は水解紙を含み、そして前記バックシートの、粘着部と接する面に、前記水解性不織布又は水解紙が存在する、請求項5に記載の吸収性物品。
【請求項7】
前記粘着部の各領域の面積が、前記バックシートの突状部の面積よりも大きい、請求項5又は6に記載の吸収性物品。
【請求項8】
前記粘着部の各領域の、前記吸収性物品の長手方向の長さが、前記吸収性物品の長手方向と直交する方向の長さよりも長い、請求項5〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項9】
前記粘着部の各領域の間隔が、前記水解性不織布又は水解紙を構成する繊維の繊維長よりも長い、請求項5〜8のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項10】
前記バックシート、粘着部及び剥離シートが、一体で賦形されることにより、前記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成された、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項11】
前記トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートが、一体で賦形されることにより、前記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成された、請求項1〜9のいずれか一項に記載の吸収性物品。
【請求項12】
水解性のトップシート、
水解性のバックシート
前記バックシートの、前記トップシートと反対側の面に配置された、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部、及び
前記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シート、
を含む水解性の吸収性物品であって、
前記バックシートが、千鳥型に配置されている突状部と、前記突状部を囲む、連続する窪み部とを有し、前記突状部及び窪み部に沿って、前記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されており、
前記粘着部が、お互いに独立した複数の領域から成り、そして各領域に、凸部と凹部とが形成されており、前記バックシートが水解性不織布又は水解紙を含み、そして前記バックシートの、粘着部と接する面に、前記水解性不織布又は水解紙が存在する、前記粘着部の各領域の面積が、前記バックシートの突状部の面積よりも大きく、前記粘着部の各領域の、前記吸収性物品の長手方向の長さが、前記吸収性物品の長手方向と直交する方向の長さよりも長く、前記粘着部の各領域の間隔が、前記水解性不織布又は水解紙を構成する繊維の繊維長よりも長く、そして
前記トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートが、一体で賦形されることにより、前記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成された、
ことを特徴とする、前記吸収性物品。
【請求項13】
前記粘着部が、凸部と凹部とにおいて異なる厚さを有することにより、前記粘着部の接触面に、凸部と凹部とが形成されている、請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項14】
水解性のトップシートと、水解性のバックシートと、吸収性物品を衣類に固定するための粘着部と、前記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートとを含む水解性の吸収性物品の製造方法であって、
前記バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部を間に挟んで積層することにより、積層物を形成するステップ、
前記積層物を、前記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形して、賦形された積層物を形成するステップ、そして
前記賦形された積層物にトップシートを積層するステップ、
を含む、前記方法。
【請求項15】
水解性のトップシートと、水解性のバックシートと、吸収性物品を外部装着体に固定するための粘着部と、前記粘着部の、衣類と接する接触面を保護するための剥離シートとを含む水解性の吸収性物品の製造方法であって、
前記トップシート、バックシート、粘着部及び剥離シートを、粘着部がバックシートと剥離シートの間に配置されるように積層して、積層物を形成するステップ、そして
前記積層物を、前記粘着部の接触面が凹凸を有するように賦形するステップ、
を含む、前記方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−71057(P2012−71057A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219978(P2010−219978)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】