説明

吸収性物品の包装構造体

【課題】収容された個別包装に施された情報がパッケージの窓を通して見え易く、見る者に感情的な効果を与え、吸収性物品使用前の憂鬱な気分を更に軽減させることのできる吸収性物品の個別包装体を提供すること。
【解決手段】本発明の包装構造体100は、個別包装体10をパッケージ11に収容してなる。個別包装体10は、生理用ナプキン1を包装シート9と共に折り畳むことにより形成され、個別包装体10の外面10aに、選択可能な図柄12を有している。パッケージ12は、その外面に表示111と、その内部を視認可能な透明な第1窓部112とを有している。包装構造体100は、パッケー12の透明な第1窓部112を通して、個別包装体10の図柄12が視認できるように、個別包装体10をパッケージ11に収容して形成されている。パッケージ12の表示111と、個別包装体10の図柄12とは関連性を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の包装構造体、特に吸収性物品の個別包装体が吸収性物品の包装構造体の外部から認識可能な吸収性物品の包装構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)等の吸収性物品は、包装シートと共に折り畳まれて、個別包装体(個装)とされ、複数の吸収性物品の個別包装体をパッケージに収容して吸収性物品の包装構造体として市販等されている。
特許文献1には、個別包装体が、吸収性物品の包装構造体の窓から直接認識されるようにパッケージに収容されており、個別包装体の外面に印刷された第1図形と包装構造体の外面に印刷された第2図形とが、共通の視覚効果を有する、包装された吸収性製品が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2008−528398号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の包装構造体は、審美的デザインを有しているので、消費者の憂鬱な気分を低減することができる。しかしながら、特許文献1には、個別包装体の外面に、使用者が選択可能な図柄を有することについて何ら記載されていない。また、特許文献1に記載の包装構造体は、個別包装の外面が視認できる窓を有しており、該窓に個別包装体の第1図形と共通な柄の第2図形を施しているため、窓を通して収容された個別包装が見え難い。
【0005】
従って、本発明の課題は、収容された個別包装に施された情報がパッケージの窓を通して見え易く、見る者に感情的な効果を与え、吸収性物品使用前の憂鬱な気分を更に軽減させることのできる吸収性物品の個別包装体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、吸収性物品の個別包装体をパッケージに収容してなる吸収性物品の包装構造体であって、前記個別包装体は、前記吸収性物品を、該吸収性物品を包む包装シートと共に折り畳むことにより形成され、該個別包装体の外面に、使用者が選択可能な図柄を有しており、前記パッケージは、その外面に、使用者が認識可能な表示と、その内部を視認可能な透明な第1窓部とを有しており、前記包装構造体は、前記パッケージの透明な前記第1窓部を通して、前記個別包装体の前記図柄が視認できるように、前記個別包装体を前記パッケージに収容して形成されており、前記パッケージの前記表示と、前記個別包装体の前記図柄とが関連性を有している吸収性物品の包装構造体を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の吸収性物品の包装構造体によれば、収容された個別包装に施された図柄がパッケージの窓を通して見え易く、パッケージの表示と、個別包装体の図柄とが関連性を有しているので、見る者に嗜好性による感情的な効果を与え、吸収性物品使用前の憂鬱な気分を更に軽減することがのできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態としての生理用ナプキンの包装構造体を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す包装構造体の正面図である。
【図3】図3は、図1に示す包装構造体を形成する生理用ナプキンの個別包装体を示す斜視図である。
【図4】図4は、図3に示す個別包装体の一部を開いた状態を示す斜視図である。
【図5】図5は、図1に示す個別包装体の構成及び製造手順を説明するための展開図である。
【図6】図6は、図5の展開図を裏面側から見た部分破断展開図である。
【図7】図7は、図3に示す個別包装体における生理用ナプキンを、表面シート側から見た平面図である。
【図8】図8は、図3に示す個別包装体における生理用ナプキンを、裏面シート側から見た平面図である。
【図9】図9は、本発明の第2実施形態としての生理用ナプキンの包装構造体の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。
本発明の一実施形態の包装構造体は、図1,図2に示すように、吸収性物品の一例である生理用ナプキン1の個別包装体10をパッケージ11に収容してなる吸収性物品(生理用ナプキン)の包装構造体100である。
【0010】
個別包装体10は、図3,図4に示すように、生理用ナプキン1を、生理用ナプキン1を包む包装シート9と共に折り畳むことにより形成され、個別包装体10の外面10aに、使用者が選択可能な図柄12を有している。第1実施形態における個別包装体10は、図5,図6に示すように、生理用ナプキン1と包装シート9とを共に、生理用ナプキン1の長手方向に三つ折りに折り畳むことにより形成されている。
尚、生理用ナプキン1の長手方向とは、図5中のY方向のことであり、Y方向に直交する生理用ナプキン1の幅方向を、図5中のX方向として以下説明する。生理用ナプキン1を折り畳んで形成された個別包装体10の長手方向及び幅方向は、生理用ナプキン1の長手方向及び幅方向と逆転しており、個別包装体10の長手方向を、図3中のX方向、個別包装体10の幅方向を、図3中のY方向として以下説明する。
【0011】
生理用ナプキン1は、図7,図8に示すように、肌当接面を構成する表面シート2、非肌当接面を構成する裏面シート3及びこれら両シート2,3間に介在された液保持性の吸収体4を具備し、実質的にY方向に縦長の形状を有している。表面シート2は、液透過性の中央シート2a及びY方向の左右両側に一部を重ねた状態で接合された撥水性の側部シート2b,2bからなる。
【0012】
ナプキン1は、図7,図8に示すように、Y方向に縦長に形成された本体5と、該本体5の長手方向(Y方向)の左右両側縁からX方向の外方に延出する一対のウイング部6,6を具備している。ウイング部6は、使用者の液排泄部に対向配置される液排泄部対向部Aの左右両側に形成されている。ウイング部6は、吸収体4のY方向の両側縁からX方向に延出した表面シート2及び裏面シート3により形成されている。
【0013】
ウイング部6は、図7,図8に示すように、裏面シート3側の面に、接着剤の塗工により形成されたウイング部接着部61を有している。ウイング部6は、ナプキン1をショーツ等の下着に固定する際に、裏面シート3側に折り曲げられ、ウイング部接着部61を介して該下着の非肌対向面に接着固定されるものである。本体5は、図7,図8に示すように、裏面シート3側の面に、接着剤の塗工により形成された矩形状の本体接着部51を有している。
【0014】
第1実施形態の個別包装体10は、例えば、下記のようにして得られる。
先ず、図5,図6に示すように、生理用ナプキン1を、生理用ナプキン1より広く、Y方向に長い長方形状の包装シート9上に載置する。
生理用ナプキン1を、包装シート9上に載置する前には、予め、図6に示すように、生理用ナプキン1の本体接着部51を、第1剥離シート7によって被覆しておくと共に、第1剥離シート7及び/又は包装シート9の相対向面に接着剤71を塗工しておく。それにより、生理用ナプキン1を包装シート9上に載置し、必要に応じて加圧等をすることにより、第1剥離シート7が接着剤71を介して包装シート9に固定される。図6には、第1剥離シート7が、接着剤71を介して包装シート9に固定された固定部72〜74を示している。なお、第1剥離シート7で本体接着部51を被覆した後に、第1剥離シート7を接着剤71を介して包装シート9に固定するのに代えて、包装シート9に固定した後の第1剥離シート7で、本体接着部51を被覆するようにしても良い。
【0015】
また、ウイング部6,6は、図5に示すように、本体5の長手方向(Y方向)の両側縁に沿って本体5の表面シート2側(肌当接面側)に折り曲げると共に、その状態のウイング部のウイング部接着部61,61を一枚の第2剥離シート8によって被覆しておく。第2剥離シート8は、図5に示すように、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)において、その一部が少なくともウイング部接着部61より長手方向(Y方向)の前方に延出するように配置されていることが好ましく、図5に示す第1実施形態のように、第2剥離シート8の一部がウイング部6よりも長手方向(Y方向)の前方に延出するように配置されていることが更に好ましい。
【0016】
そして、生理用ナプキン1を包装シート9上に載置した状態において、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)の後方側の領域Rを、Br線を折り軸として、包装シート9と共に表面シート2側に折り曲げる。即ち、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)の後端1bから所定長さの図5中Rで示す領域を、表面シート2側が谷側となるように前方に向かって折り曲げ、当該領域Rを、当該領域Rよりも長手方向(Y方向)の前方に位置する図中Mで示す領域上に重ねる。これが三つ折りする際の第1回目の折り曲げである。
【0017】
次いで、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)の前方側の領域Fを、Bf線を折り軸として、包装シート9と共に表面シート2側に折り曲げる。即ち、ナプキン1の長手方向(Y方向)の前端1aから所定長さの図5中Fで示す領域を、表面シート2側が谷側となるように後方に向かって折り曲げ、図5中Mで示す領域に重ねた図5中Rで示す領域上に重ねる。これが三つ折りする際の第2回目の折り曲げである。
この第2回目の折り曲げの前には、図5に示すように、第2剥離シート8のナプキン前端1a寄りの部分に接着剤81を塗工しておくことが好ましい。接着剤81の塗工により、ナプキン1の前方側Fを折り曲げ、必要に応じて加圧等をすることにより、第2剥離シート8の折り返された部分82が、図5に示すように、接着剤81を介して、後方側の領域Rにおける包装シート9の外面に固定される。図4には、第2剥離シート8が、接着剤81を介して包装シート9の外面に固定された固定部83を示している。
このように第1回目及び第2回目の折り曲げを行うことにより、生理用ナプキン1は、包装シート9と共にY方向に3つ折りされた状態となる。
【0018】
そして、その折り畳まれた状態の生理用ナプキン1の両側縁からX方向外方に延出する包装シート9の両側部をヒートエンボス加工等の公知の接合方法により接合して側方封止部10bを形成すると共に、包装シート9の開封開始端10cを公知のタブテープ14で所定箇所に止着することにより、図3に示すナプキン1の個別包装体10が得られる。
【0019】
個別包装体10は、その外面10aに、使用者が選択可能な図柄12を有している。個別包装体10の図柄12と後述するパッケージ11の表示111とは、関連性を有している。詳述すると、図柄12としては、複数個の図形(イラスト)、複数個の色彩違いの図形、複数個の文字等が挙げられ、例えば、図形(イラスト)としては、ハート型、星型、花型、キャラクター等が挙げられる。第1実施形態においては、図3に示すように、ハート型のイラスト図形が用いられている。図柄12の数としては、3個〜5個であることが好ましく、第1実施形態においては、図3に示すように、ハート型のイラスト図形が4個、個別包装体10の外面10aを形成する包装シート9の外表面に、開封開始端10cに沿ってX方向に略等間隔を空けて並置されている。
【0020】
また、第1実施形態の個別包装体10は、図4に示すように、上述のように三つ折りに折り畳むことにより遮蔽された位置に、使用者が認識可能なメッセージ13を更に有している。メッセージ13は、個別包装体10の図柄12の数と同じ個数であり、第1実施形態においては、図4に示すように、図柄12の数が4個であるため、メッセージ13の数も4個配されている。メッセージ13としては、複数個の文字情報、複数個の図形(イラスト)、複数個の色彩違いの図形等が挙げられ、例えば、文字情報としては、憂鬱になりがちな生理期間中もぐっすり寝られるアドバイスや、もっとハッピーな気分になるアドバイスや、占い等の情報が挙げられ、図形(イラスト)としては、上述した図柄12と同じでないキャラクターやアルファベット文字、星座を示す象徴記号等が挙げられ、第1実施形態においては、図4に示すように、アルファベット文字のA,C,E,Zが用いられている。
【0021】
各メッセージ13は、図4に示すように、各図柄12と重なる位置に形成されている。詳述すると、第1実施形態においては、図4に示すように、4個のメッセージ13それぞれが、4個の図柄12それぞれと1対1で重なる位置に配されており、4個のメッセージ13が、三つ折りする際の第2回目の折り曲げにより重ねられて遮蔽される、後方側の領域Rにおける包装シート9の外表面に、X方向に略等間隔を空けて並置されている。
【0022】
メッセージ13は、使用者が生理用ナプキン1の個別包装体10を開封する前は、生理用ナプキン1の後方側の部分R及びその部分Rにおける包装シート9により遮蔽されており、認識し難いが、個別包装体10の開封後、生理用ナプキン1の前方側の部分F及びその部分Fにおける包装シート9を開くことにより認識される。各メッセージ13は、各図柄12と重なる位置に配されているので、使用者が選択した図柄12に相当する位置のメッセージ13に目が向き易い。各図柄12は、各メッセージ13を遮蔽する観点及び使用者が認識し易い観点から、その面積が、2〜10cm2であることが好ましく、各メッセージ13は、使用者が認識し易い観点から、その面積が、3〜12cm2であることが好ましい。前記メッセージが文字で形成されている場合には、同様に使用者が認識し易い観点から、その一つの文字の大きさが0.1〜9cm2であることが好ましい。
【0023】
第1実施形態の個別包装体10においては、図5に示すように、ウイング部接着部61を被覆する第2剥離シート8の一部である、折り返された部分82が、接着剤81を介して、メッセージ13が設けられている、生理用ナプキン1の後方側の部分Rにおける包装シート9の外面に固定されている。そのため、第2剥離シート8を包装シート9の内面に固定した場合とは異なり、包装シート9をナプキン1の後端1bから延出させる必要がない。従って、包装シート9のナプキン後端1bから延出する部分が、前方折り軸Bf又はその近傍に達して折り曲げられることに起因する包装シート9のシワやヨレを防止することができ、これにより、後方側の部分Rにおける包装シート9の外面に設けられたメッセージ13が視認され易くなされている。
【0024】
また、第2剥離シート8は、第1剥離シート7(図5,図6参照)よりもX方向の長さが長くされることがあるが、この第2剥離シート8を第2剥離シート8よりX方向の長さの長い包装シート9の外面に固定することで、製造工程で固定が安定し、容易かつ安定したナプキン1の取出しが行える個別包装体10とすることができる。尚、第2剥離シート8の一部を包装シート9に固定することにより、生理用ナプキン1を取り出す際に第2剥離シート8を床に落としてしまうことを防止したり、第2剥離シート8を包装シート9とは別に処理する煩わしさをなくしたりすることができる。
【0025】
図4に示すように、第2剥離シート8の一部を折り返して折り返された部分82を形成する場合、折り返された部分82とメッセージ13とが重ならないように設けられることが、表示の視認性及び第2剥離シート8と包装シート9との接合安定性の点から好ましい。具体的には、メッセージ13は、折り返された部分82の折り返し側の端縁から2mm以上離間した位置に設けられることが好ましい。また、包装シート9を折り返して折り返された部分82を形成する折り返し長さL8(図5参照)は、4〜15mmが好ましい。尚、第2剥離シート8(折り返された部分82)が透明性の高い材料で形成されている場合には、メッセージ13は、その透明性の高い部分82と重なっていても良く、その場合、該部分82を介してメッセージ13を視認することができる。
【0026】
また、第1実施形態におけるナプキン1は、図5,図7に示すように、ウイング部6が、ナプキン1の長手方向(Y方向)において前端1a側に偏倚させて形成されているため、図5中Fで示す領域のY方向の長さを、図5中Mで示す領域、図5中Rで示す領域のY方向の長さよりも短く形成できる。そのため、図3に示すように、開封開始端10cの位置を、個装体10のY方向における中央部付近から端部までの広い範囲に自由に設定できる。このように、タブテープ14を有する個別包装体10を手で持つ場合に、タブテープ14から開封する際、タブテープ14が邪魔とならないように、開封開始端10cの位置を設定できる。
【0027】
第1実施形態の個別包装体10においては、ナプキン1又は包装シート9の長手方向(Y方向)と同方向の長さが短いコンパクトな包装体である。開封開始端10cを個別包装体10のY方向中央域に配置する観点から、後方側の折り軸Brを、図5に示すように、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)におけるウイング部6の位置より後方に位置させ、前方側の折り軸Bfを、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)におけるウイング部6の中央位置より前方に位置させてある。
後方側の折り軸Brが、図5に示すように、ウイング部6の後端6bより後方にあると、個別包装体10の開封開始端10cを制御できるだけでなく、第2剥離シート8で覆われていないウイング部分6が、表面シート2側に折られた状態から更に三つ折りされることによって起こり易くなるウイング部6の折皺発生を抑制できる。これにより、ウイング部6の装着性の低下や第2剥離シート8の製造時の剥がれ等を防止できる。前方の折り軸Bfが、ウイング部6のある中央位置(図5中Mで示す領域)より前方にあると、個別包装体10の開封性が低下し難く、ウイング部6におけるY方向中央域すなわち排泄領域に、X方向に亘る連続する折線が形成されることはなく、横漏れを誘発し難くなる。
【0028】
前方側の折り軸Bfは、ウイング部6のウイング部接着部61より前方において、ウイング部6の前端6aと重なっていることが好ましい。ウイング部6に折りが形成されていると、接着部61を介してウイング部6と一体的となっている第2剥離シート8によって、生理用ナプキン1の表面シート2に折り皺が形成され難く、包装形状も安定化されやすい。なお、前方側の折り軸Bfとウイング部接着部61との間の距離L7(図5参照)は、10〜30mm、特に15〜25mm程度であることが好ましい。
【0029】
第1実施形態における包装シート9は、図5,図6に示すように、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)の前端1a側においては、生理用ナプキン1の前端1aより外方に延出しており、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)の後端1b側においては、生理用ナプキン1の後端1bより外方に延出している。包装シート9の後方端9bがBr軸で折り曲げた際にBr軸を越えない場合において、生理用ナプキン1の後端1bから延出する長さL6が、5mm以下の場合も含まれるが、包装シート9が生理用ナプキン1の後端1bから延出していないことが好ましい。尚、生理用ナプキン1の後端1b側においては、後端1bの位置又はそれよりナプキン1の前方側に後端9bを有していてもよい。このように配することにより、前方側の折り軸Bfにおける折り曲げの際に、包装シート9が折れ曲がったり、包装シート9にシワやヨレが生じることが防止され、折り畳まれた包装シート9が部分的に多く重なることによる包装シート9の両側部(個別包装体10の側方封止部10b)のシール性が低下したり、第2剥離シート8と包装シート9との固定が不充分となったりすることが防止される。
【0030】
また、第1実施形態の個別包装体10においては、図5に示すように、ウイング部接着部61の全体が後方側の折り軸Brと前方側の折り軸Bfとの間に位置している。そのため、第2剥離シート8が後方側の折り軸Brの折加工による影響を受けず、前方側の折り軸Bfの折加工では第2剥離シート8によってウイング部6の前方側を抑えながら前方側の折り軸Bfが形成されるため、第2剥離シート8がウイング部接着部61から剥がれにくく、折りが整った生理用ナプキン1が提供できる。
【0031】
また、第1実施形態の個別包装10においては、図6に示すように、第1剥離シート7と包装シート9とを固定した固定部72〜74が、ナプキン1の長手方向(Y方向)に離間させて複数形成されている。固定部72〜74は、図6に示すように、後方側の折り軸Brと前方側の折り軸Bfと重ならずに配されていることが、後方側の折り軸Brと前方側の折り軸Bfを形成しやすい点から好ましい。また、図5に示すように、第2剥離シート8を包装シート9に接合する接着剤81が、前方側の折り軸Bfより前方側に位置する固定部72と重っている。
尚、第2剥離シート8と包装シート9との固定は、包装シート9の加工時の乱れによって、固定強度が低くされる場合があるが、包装シート9と第1剥離シート7との固定部分では包装シート9の加工時の乱れがおこらないため、安定した固定強度が得られる。
【0032】
また、第1実施形態においては、固定部72〜74は、図6に示すように、前方側の折り軸Bf及び後方側の折り軸Brによって画成される図5中の部分F,M及びRにそれぞれ形成されている。このように固定部72〜74が配されていることにより、生理用ナプキン1、包装シート9及び第1剥離シート7の3つ折り形状が安定化する。
【0033】
また、第2剥離シート8における、前方側の折り軸Bfによって折り返された部分82の長さL8(図5参照)は、生理用ナプキン1の長手方向(Y方向)と同方向における第2剥離シート8の接着剤81の後方側の位置からウイング部接着部61の前方側の端部までの長さL9(図5参照)の30%以上、特に40〜60%であることが、製造時に、第2剥離シート8がウイング部接着部61から剥がれることや第2剥離シート8の折りの安定の点から好ましく、包装シート9の後端9bが、生理用ナプキン1の後端1bの位置又はそれより前方に位置している場合であっても、第2剥離シート8の折りが安定することによって包装シート9の外面との固定を安定して行うことができる。
【0034】
個別包装体10を収容するパッケージ11は、可撓性を有するシートから形成されたものである。パッケージ11は、第1実施形態においては、図1に示すように、図1中のZ方向に長い直方体形状のものである。図1中のZ方向は、複数個の個別包装体10を重ねる方向、言い換えれば、生理用ナプキン1の厚み方向と同方向であり、図1中のX方向は、個別包装体10の長手方向(生理用ナプキン1の幅方向)と同方向であり、図1中のY方向は、個別包装体10の幅方向(生理用ナプキン1の長手方向)と同方向である。
【0035】
パッケージ11は、パッケージ11の外面に、使用者が認識可能な表示111と、パッケージ11の内部を視認可能な透明な第1窓部112とを有している。詳述すると、第1実施形態のパッケージ11は、図1に示すように、X方向に対向する一対の対向面11a(天面),11a’(底面)と、Y方向に対向する一対の対向面11b(正面),11b’(背面)と、Z方向に対向する一対の対向面11c(第1側面),11c’(第2側面)からなる六面体である。図1,図2に示すように、第1実施形態においては、表示111は、パッケージ11の正面11bに形成されており、第1窓部112は、第1側面11cに形成されている。パッケージ11は、透明な第1窓部112及び後述する透明な第2窓部113以外は、色付けされている。
【0036】
表示111は、使用者が認識可能な文字であり、例えば、図1,図2に示すように、第1実施形態の表示111においては、「ラッキー記号つき」という表現の文字情報である。表示111は、使用者が認識できるように、パッケージ11のZ方向の長さの10%以上の長さで形成されていることが好ましく、20%以上の長さで形成されていることが更に好ましい。表示111は、第1実施形態のように、使用者が真っ先に認識できるように、面積の最も広い正面11bに形成されていることが好ましい。
【0037】
第1窓部112は、パッケージ11の内部に個別包装体10が配された後、上述した、個別包装体10の外面10aに形成された図柄12が見えるよう形成されたものであり、第1実施形態においては、第1側面11cに、X方向に長い長方形状に形成されている。第1窓部112は、個別包装体10の図柄12が認識できるように、パッケージ11のX方向の長さの80%以上の長さで形成されていることが好ましく、95%以上の長さで形成されていることが更に好ましい。第1窓部112は、個別包装体10の図柄12が見え易い観点から、パッケージ11を構成する材料の透明度Tpが、50以上であることが好ましく、80以上であることが更に好ましい。透明度Tpは、以下に示す方法により算出することができる。
【0038】
<透明度Tpの算出>
測定は、ハンディ型分光色差計(日本電色工業(株)製、型式:NF333、先端径Φ8mm、光源C/2)を使用して、以下の手順でおこなう。パッケージ11の第1窓部112をカットしてパッケージ11から取り出し、取り出したサンプルを測定サンプルとする。測定サンプルを固定前の円孔プレート固定状態で、ペンタイプセンサー(装置付属のターゲットプレートを使用、使用により測定位置を決定し易い)に装置付属の標準黒色板を当て、その状態での該部分のL*値を3回測定し、その平均値を背黒色明度Lbとした。同様に、装置付属の標準白色板を当て、その状態での該部分のL*値を3回測定し、その平均値を背白色明度Lwとした。次いで、測定サンプル(包装構造体を形成する材料)を標準黒色板上で3回測定し、得られたL*値を黒色測定値L0とし、下記の式1により透明度Tpを算出した。
Tp=(Lw−L0)/(Lw−Lb)×100・・・(式1)
【0039】
第1実施形態のパッケージ11は、図1に示すように、第1窓部112の近傍に、開封要素114を有している。開封要素114は、後述するように、包装構造体100を開封する為のものであり、開封要素114としては、図1に示すミシン目や、タブテープ等を用いることができる。特に、開封要素114としてミシン目を用いる場合には、見栄えの観点から、透明な第1窓部112上に配すること無く、透明な第1窓部112の近傍の色付けされた面上に配されていることが好ましい。第1実施形態の開封要素114(ミシン目)は、図1に示すように、第1側面11cにおける第1窓部112を除く領域であって、第1窓部112の近傍に、X方向に直線状に形成されている。
【0040】
更に、第1実施形態のパッケージ11は、図1に示すように、パッケージ11の内部を視認可能な透明な第2窓部113を更に有している。第2窓部113は、後述するように、パッケージ11の内部の個別包装体10の有無を確認する為のものであり、第1実施形態においては、正面11bに、Z方向に長い形状で形成されている。第2窓部113は、個別包装体10の有無が認識できるように、パッケージ11のZ方向の長さの80%以上の長さで形成されていることが好ましく、90%以上の長さで形成されていることが更に好ましい。第2窓部113は、個別包装体10が見え易い観点から、パッケージ11を構成する材料の透明度Tpが、50以上であることが好ましく、80以上であることが更に好ましい。透明度Tpは、上述した方法により算出することができる。
【0041】
吸収性物品(生理用ナプキン)の包装構造体100は、図1に示すように、パッケージ11の透明な第1窓部112を通して、個別包装体10の図柄12が視認できるように、生理用ナプキン1の個別包装体10をパッケージ11に収容して形成されている。第1実施形態の包装構造体100は、複数個の個別包装体10を有し、図1に示すように、パッケージ11の一対の対向面11c(第1側面),11c’(第2側面)同士の間に、5個〜40個の個別包装体10を一体的に圧縮した状態で収容して形成されている。収容される複数個の個別包装体10は、各個別包装体10の図柄12が同じ方向(第1実施形態においては第1側面11c側)に向くように重ね合わされている。このように形成されているため、包装構造体100は、図1に示すように、パッケージ11の透明な第1窓部12を通して、個別包装体10の図柄12が視認できる。また、第1実施形態の包装構造体100は、開封要素114(ミシン目)から開封されて、個別包装体10が取り出される。また、第1実施形態の包装構造体100は、図1,図2に示すように、パッケージ11の透明な第2窓部113を通して、個別包装体10の残数が認識できる。
【0042】
第1実施形態の包装構造体100の形成材料について説明する。
個別包装体10を収容するパッケージ11を形成する可撓性を有するシートとしては、通常、吸収性物品のパッケージに用いられるものであれば、特に制限なく用いることができ、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の複合フィルム材料を用いることができる。パッケージ11の表示111は、印刷を施したり、印刷された別材を接着したりすることにより形成することができる。
【0043】
個別包装体10における生理用ナプキン1を包む包装シート9としては、生理用ナプキン等の吸収性物品の個別包装体10に、従来用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、包装シート9としては、樹脂フィルムや不織布等を用いることができ、適宜選択して用いることができるが、滑らかさや、シート強度、耐液性(ホットメルトの染みだし抵抗性)の点からは、スパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)との複合不織布(SM,SMS等)が好ましく、柔軟性の観点からは、バインダー繊維によるエアースルー不織布が好ましい。包装シート9に直接鮮明な印刷をおこなう観点からは、フィルム材料またはフィルムと不織布のラミネート構造も好ましく用いられる。
【0044】
上述した個別包装体10に形成される図柄12及びメッセージ13は、包装シート9に印刷や刺繍を施したり、既に印刷された別材を接着したりすることにより形成することができる。図柄12及びメッセージ13は、包装シート9における配置位置が変わっていることから、同じ形状や色彩であってもよいが、互いの関連性を高めるには、例えば、図柄12の印刷を互いに異ならせ、メッセージ13に図柄12と関連する図形等を使用したり、同じ色彩や同じ色調の色を一部に使用したり、各々の印刷の間を離間したりすることが好ましい。メッセージ13を、同調効果を促進して遮蔽する観点からは、同じ色彩や同じ色調の色を使用したり、メッセージ13を図柄12により遮蔽したりする観点からは、図柄12の色を濃く、メッセージ13の色を淡くすることが好ましい。
【0045】
第1及び第2剥離シート7,8としては、それぞれ、樹脂フィルムや不織布(特にスパンボンド系の不織布)からなる基材シートの剥離処理を施したもの等を用いることができる。剥離処理としては、例えばシリコン系樹脂、フッ素系樹脂、または四フッ化エチレン系樹脂などの離型処理液等を、塗工するかスプレー塗布し表面に薄い被膜を形成する方法、さらに紫外線照射や熱処理により剥離被膜を安定化させる方法等を挙げることができる。第1剥離シート7と第2剥離シート8とで基材シートの種類や剥離処理が同じであっても異なっていても良い。第1及び第2剥離シート7,8は、ウイング部接着部61又は本体接着部51に当接される面が剥離処理面である一方、それとは反対側の面は、包装材との固定を安定させる観点から剥離処理されていない非剥離処理面であることが好ましい。
【0046】
生理用ナプキン1を構成する表面シート2、裏面シート3、吸収体4としては、それぞれ、通常、使い捨ておむつ等の吸収性物品に用いられるものであれば、特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、親水性且つ液透過性の不織布等を用いることができ、裏面シート3としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体4としては、吸収性ポリマーの粒子及び繊維材料から構成され、ティッシュペーパ(図示せず)によって被覆されているものを用いることができる。
【0047】
ウイング部接着部61及び本体接着部51形成用の接着剤としては、それぞれ、生理用ナプキン等の吸収性物品の接着部形成用に従来用いられている各種の接着剤を特に制限なく用いることができ、ウイング部接着部61と本体接着部51とで、接着剤の種類が同一であっても異なっていても良い。
【0048】
上述した本発明の第1施形態の包装構造体100を使用した際の作用効果について説明する。
第1施形態の包装構造体100は、図1に示すように、生理用ナプキン1の個別包装体10をパッケージ11に収容して形成され、個別包装体10の外面に、使用者が選択可能な図柄12を有しており、パッケージ11は、その外面に、使用者が認識可能な表示111と、その内部を視認可能な透明な第1窓部112とを有している。第1施形態の包装構造体100は、図1に示すように、パッケージ11の透明な第1窓部112を通して、個別包装体10の図柄12が視認できる。第1施形態の包装構造体100は、図1に示すように、パッケージ11の表示111と、個別包装体10の図柄12とが関連性を有している。その為、見る者に嗜好性による感情的な効果を与え、生理用ナプキン1の使用前の憂鬱な気分を更に軽減することができる。
【0049】
憂鬱な気分を軽減するとの効果について更に説明すると、生理用ナプキン1の使用者は、先ず、包装構造体100を形成するパッケージ11の最も面積の広い正面11bの「ラッキー記号つき」との文字情報である表示111を認識する。この文字情報である表示111から、使用者は、包装構造体100に何らかの記号が記載されていることを認識し、第1窓部112を通して見える図柄12に気づき、表示111と図柄12とが関連性を有することを認識する。このように、図柄12を選ぶという行為により、楽しみが得られ、生理用ナプキン1の使用前の憂鬱な気分を軽減することができる。
【0050】
また、第1施形態の包装構造体100から取り出した個別包装体10は、図4に示すように、図柄12と、更に、折り畳むことにより遮蔽されたメッセージ13を有している。生理用ナプキン1の使用者は、上述したように、「ラッキー記号つき」との表示111から、図柄12に気づいた後、個別包装体10を開封し、遮蔽されていたメッセージ13を見ることとなる。ここで、例えば、ハート柄の4個の図柄12と、開封前に図柄12と重なっていたアルファベット文字(A,C,E,Z)であるメッセージ13とは、外見こそ互いに異なるものの、生理用ナプキン1の使用者が個別包装体10の開封開始端10cからめくるだけで視線を変えずに図柄12とメッセージ13とを見ることができるため、使用者によって容易且つ自然に関連付けられる。各図柄12と各メッセージ13とが1対1で重なって設けられていることにより、図柄12における個々の図柄に対応する選択結果として、重なって設けられたメッセージ13が機能し得る。各図柄12と各メッセージ13とが、図柄とその選択結果という関係にあると、個別包装体10の所定箇所に何らかの情報が単に表示されているだけの場合に比して、個別包装体10を開封する楽しみがより大きく且つ確実に得られるようになり、使用者の生理用ナプキン1使用前の憂鬱な気分を更に軽減することが可能となる。
【0051】
次に、本発明の第2実施形態の包装構造体100’について、図9に基づいて説明する。
第2実施形態の包装構造体100’については、第1実施形態の包装構造体100と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の包装構造体100と同様であり、第1実施形態の包装構造体100の説明が適宜適用される。
【0052】
第2実施形態の包装構造体100’は、図9に示すように、構成材料であるパッケージ11’の外面に、使用者が認識可能な情報115を更に有している点が、第1実施形態の包装構造体100の構成材料であるパッケージ11と異なる。
【0053】
パッケージ11’は、パッケージ11の外面に、使用者が認識可能な表示111以外に更に情報115を有しており、第2実施形態においては、情報115は、使用者が認識可能な文字であり、例えば、憂鬱になりがちな生理期間中もぐっすり寝られるアドバイスや、もっとハッピーな気分になるアドバイスや、占い等の文字情報である。
【0054】
第2実施形態のように、パッケージ11の外面に上述のような文字情報である情報115を有する場合には、個別包装体10のメッセージ13には、情報115以外の文字情報、複数個の図形(イラスト)、複数個の色彩違いの図形等が用いられる。パッケージ11の情報115は、個別包装体10のメッセージ13に対応する個数分が配されていることが好ましい。各情報115は、使用者が認識できるように、パッケージ11のZ方向の長さの60%以上の長さで形成されていることが好ましい。情報115は、第1実施形態のように、パッケージ11の表示111や、個別包装体10の図柄12の見えるパッケージ11の第1窓部112の配された面と、異なる面に配されていることが好ましく、第2実施形態においては、パッケージ11の背面11b’に形成されている。
【0055】
第2実施形態の包装構造体100’の形成材料について説明する。第2実施形態の包装構造体100’については、第1実施形態の包装構造体100の形成材料と同様である。パッケージ11の情報115は、パッケージ11の表示111同様に、印刷を施したり、印刷された別材を接着したりすることにより形成することができる。
【0056】
上述した本発明の第2実施形態の包装構造体100’を使用した際の作用効果について説明する。第2実施形態の包装構造体100’の効果については、第1実施形態の包装構造体100の効果と異なる点について説明する。特に説明しない点は、第1実施形態の包装構造体100の効果と同様であり、第1実施形態の包装構造体100の効果の説明が適宜適用される。
【0057】
個別包装体10においてメッセージ13を記載する範囲に比べ、パッケージ11の背面11b’に配される情報115を記載する範囲は広いため、更に使用者に有意義な情報を提供することができる。第1施形態の包装構造体100と同様に、生理用ナプキン1の使用者は、パッケージ11の「ラッキー記号つき」との表示111から、図柄12の何れかを選択し、個別包装体10を開封する際に、選択した図柄12に重なる位置に配されたメッセージ13を得る。例えば、使用者が、4個のアルファベット文字(A,C,E,Z)であるメッセージ13から、アルファベット文字「A」を得た場合には、その「A」に対応する、パッケージ11に記載の有意義な情報115を使用者は得ることができ、生理用ナプキン1を使用する楽しみが得られ、使用者の生理用ナプキン1使用前の憂鬱な気分を更に軽減することが可能となる。
【0058】
本発明の包装構造体は、上述の第1,第2実施形態の包装構造体100,100’に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。
【0059】
例えば、上述の第1,第2実施形態の包装構造体100,100’においては、図3,図5に示すように、個別包装体10は、生理用ナプキン1と包装シート9とを共に、長手方向(Y方向)に三つ折りに折り畳むことにより形成されているが、四つ折りに折り畳むことにより形成されていてもよい。四つ折りに折り畳まれて個別包装体10が形成される場合も、三つ折りに折り畳まれて個別包装体10が形成される場合と同様に、その外面に、図柄12を有し、四つ折りに折り畳むことにより遮蔽された位置であって、各図柄12と重なる位置にメッセージ13を有していることが好ましい。
【0060】
また、上述の第1,第2実施形態の包装構造体100,100’においては、それを構成する個別包装体10は、メッセージ13を有しているが、有していなくてもよい。
【0061】
また、上述の第1,第2実施形態の包装構造体100,100’においては、それを構成する個別包装体10は、包装シート9の外面に図柄12及びメッセージ13を配しているが、裏面シート3の外面に配していてもよい。
【0062】
上述の第1,第2実施形態の包装構造体100,100’を構成する個別包装体10の有する図柄12及びメッセージ13は、図形と文字の組み合わせから形成されていてもよく、図形同士、文字同士の組み合わせやその複合、さらには、色彩より与えられる情報(例えば風水による色)、占いにおける記号を用いる事で付加的な情報を与える事もできる。
【0063】
本発明における吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の他の吸収性物品であってもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
1a 前端,1b 後端
2 表面シート
2a 中央シート,2b 側部シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 本体
51 本体接着部
6 ウイング部
6a 前端,6b 後端
61 ウイング部接着部
7 第1剥離シート
71 接着剤
72〜74 固定部
8 第2剥離シート
81 接着剤
82 折り返される(た)部分
83 固定部
9 包装シート
9a 前方端,9b 後方端
Br 後方側の折り軸
Bf 前方側の折り軸
10 生理用ナプキン1の個別包装体
10a 外面
10b 側方封止部
10c 開封開始端
11,11’ パッケージ
111 表示
112 第1窓部
113 第2窓部
114 開封要素
115 情報
12 図柄
13 メッセージ
14 タブテープ
100,100’ 包装構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸収性物品の個別包装体をパッケージに収容してなる吸収性物品の包装構造体であって、
前記個別包装体は、前記吸収性物品を、該吸収性物品を包む包装シートと共に折り畳むことにより形成され、該個別包装体の外面に、使用者が選択可能な図柄を有しており、前記パッケージは、その外面に、使用者が認識可能な表示と、その内部を視認可能な透明な第1窓部とを有しており、前記包装構造体は、前記パッケージの透明な前記第1窓部を通して、前記個別包装体の前記図柄が視認できるように、前記個別包装体を前記パッケージに収容して形成されており、前記パッケージの前記表示と、前記個別包装体の前記図柄とが関連性を有している吸収性物品の包装構造体。
【請求項2】
前記個別包装体は、前記吸収性物品と前記包装シートとを共に、該吸収性物品の長手方向に三つ折り又は四つ折りに折り畳むことにより形成され、折り畳むことにより遮蔽された位置に、使用者が認識可能なメッセージを有しており、
前記メッセージは前記個別包装体の前記図柄の数と同じ個数であり、各該メッセージは各該図柄と重なる位置に形成されている請求項1に記載の吸収性物品の包装構造体。
【請求項3】
前記パッケージは、その外面に、使用者が認識可能な情報を更に有しており、該情報と、前記個別包装体の前記メッセージとは関連性を有している請求項2に記載の吸収性物品の包装構造体。
【請求項4】
前記パッケージは、透明な前記第1窓部の近傍に、開封要素を有しており、
該開封要素から前記包装構造体が開封されて、前記個別包装体が取り出される請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品の包装構造体。
【請求項5】
前記パッケージは、その内部を視認可能な透明な第2窓部を更に有しており、
前記個別包装体は、複数個からなり、
前記包装構造体は、複数個の前記個別包装体を、該個別包装体の前記図柄が同じ方向に向くように重ね合わせて前記パッケージに収容して、形成されており、前記パッケージの透明な前記第2窓部を通して、前記個別包装体の残数が認識可能な請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品の包装構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−136724(P2011−136724A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−297242(P2009−297242)
【出願日】平成21年12月28日(2009.12.28)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】