説明

吸収性物品の取替えの必要性を判断するための装置及び方法

吸収性物品用の濡れモニタシステムが提供される。前記濡れモニタシステムは、排尿回数をカウントするためのカウンタ、吸収性物品を着用してからの経過時間をモニタするタイマと、いずれが先に発生したかを問わず、前記排尿回数が限度回数に達したこと、または前記経過時間が限度時間に達したことを知らせるアラームを発する手段を含む信号通知装置を備える。信号通知装置は、着用者または世話人により通知すべき状態と選択された、前記個別的な排尿の回数が限度回数に達した状態である第1の状態、前記経過時間が限度時間に達した状態である第2の状態、または第1の状態及び第2の状態のいずれか一方が先に生じた状態である第3の状態のうちの1つを通知するように構成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、着用者による着用中における吸収性物品内の排泄物等の存在を検出するための方法及びその方法を実施するためのモニタシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品が濡れた際にそのことを世話人に知らせる濡れセンサを備えた吸収性物品が提案されている。トイレ訓練中の幼児をモニタする1つの方法は、下着の濡れに応じて下着の電気特性が変化する場合、その電気特性の変化を検出することである。例えば、電気特性は、抵抗、インピーダンス、キャパシタンス、または、下着が濡れた際に変化する任意のその他のパラメータとすることができる。例えば、下着の吸収性材料に、互いに平行に離間した一対の導電体を配置することができる。これらの導電体は、下着の吸収性材料と電気的に接続されており、電気特性をモニタするための検出回路に接続される。検出回路は、例えば電池などの電源を含む。例えば、検出回路は、導電体間の抵抗を測定するための分圧器を含む。検出回路の出力は、抵抗値に対応するアナログ出力電圧である。下着が乾燥している場合、導電体間の抵抗は極めて高く相対的に無限大であり、開回路として表せる。下着が濡れた場合、より具体的には下着の吸収性物品における導電体間の領域が濡れた場合、尿が導電体として作用するので、下着における導電体間の領域の抵抗値は乾燥時の抵抗値よりも低い値に低下する。
【0003】
そのため、従来のシステムでは、センサによって導電体間の抵抗値をモニタし、予め定められた固定された抵抗閾値と比較している。モニタされた抵抗値が、抵抗閾値よりも低い場合、検出回路(本明細書中ではセンサ)は、着用者が排尿したことを世話人及び/または着用者に知らせるためのアラーム装置に対して信号を送信する。例えば、アラーム装置は、音などの可聴信号、光などの可視信号、または温度変化などの触知式信号を生成する装置であり得る。
【0004】
吸収性物品をトイレ訓練及び夜尿症のために使用する場合、是正処置及び訓練プロセスを可能にするために、吸収性物品に排尿したときにそのことをすぐに知ることは、世話人及び/または使用者にとって有益である。吸収性物品を他の用途に使用する場合、吸収性物品の取替え及び廃棄のいかんによらず、吸収性物品に何回排尿したかを知ることは、世話人にとって有益である。このことは、新生児及び乳児の場合に言える。吸収性物品が尿で濡れた場合でも、吸収性物品が排便物で汚れるまでは、または、吸収性物品が尿で飽和されたと思われるまでは、世話人は吸収性物品を取替えない。特に、新生児の場合、少量の排尿が、非常に頻繁に行われる。しかし、排尿が何度か行われた後は、スキンケアのために、世話人は、吸収性物品を取替える必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願第11/611、435号明細書
【特許文献2】PCT特許出願第WO−00/37009号公報
【特許文献3】米国特許第4、940、464号明細書
【特許文献4】米国特許第5、766、389号明細書
【特許文献5】米国特許第6、645、190号明細書
【特許文献6】米国特許第4、704、116号明細書
【特許文献7】米国特許第5、486、166号明細書
【特許文献8】米国特許第5、490、846号明細書
【特許文献9】米国特許第5、820、973号明細書
【特許文献10】米国特許第4、100、324号明細書
【特許文献11】米国特許第5、284、703号明細書
【特許文献12】米国特許第5、350、624号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり。吸収性物品が受けた排尿の回数、吸収性物品の着用時間、またはその両方に基づいて、世話人が吸収性物品の取替えを判断することを可能とするシステム及び方法を提供する。本発明は、吸収性物品への排尿の回数を知ることができ、排尿回数が限度回数に達したときアラームを発するようにした物品及び方法を含む。また、本発明は、世話人に、吸収性物品を着用してからの経過時間を知らせることができ、経過時間が限度時間に達したときアラームを発するようにした物品及び方法を提供する。本発明の物品及び方法によれば、吸収性物品を取替える回数を減少させることにより得られる経済的であり便利であるという利点と、スキンケアのために吸収性物品の取替えを頻繁に行うことができるという利点とを両方得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本発明の上記及び他の特徴及び態様並びにそれらを達成するための方法は、以下の説明、添付された特許請求の範囲及び添付図面を参照することでより明らかとなり、本発明自体がより良く理解されるであろう。
【0008】
【図1】吸収性物品の一態様の後方斜視図である。
【図2】図1に示した吸収性物品の前方斜視図である。
【図3】図1に示した吸収性物品の平面図であり、吸収性物品は未締結で折り畳まれていない平坦に展開された状態であり、吸収性物品における、着用者に面する面と反対側の面を示している。
【図4】図3と同様の平面図であり、吸収性物品における、着用時に着用者に面する面を示している。下層の要素を示すために、部分的に破断して示している。
【図5】濡れ検知回路の概略図である。
【図6】図1乃至図4に示した吸収性物品を利用した本発明の一態様を説明するためのフローチャートである。
【0009】
本明細書及び図面において繰り返し使用される参照符号は、本発明の同一または類似の機構または要素を表すことを意図している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本考察は例示的な態様の説明に過ぎず、本発明の広範な態様を限定することを意図するものではないことは、当業者であれば理解できるであろう。
【0011】
新生児及び乳児は、トイレ訓練中の子供とは異なる排尿パターンを示す。新生児及び乳児は、例えば10分乃至20分の間隔で、1回に20mlの尿を排尿する。同様の排尿挙動が、成人失禁物品の使用者にも見られる。そのような排尿挙動をモニタするために、濡れ検出装置が、吸収性物品及び濡れ検出装置の使用時に吸収性物品から取得した抵抗データを処理するための高次アルゴリズムと共に利用可能である。より詳細には、同時係属で本出願人に譲渡された、2006年12月15日出願のAles他による米国特許出願第11/611、435号明細書(特許文献1)に記載されており、この特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0012】
本明細書中では、着用者、赤ん坊、新生児、及び乳児は、吸収性物品を着用する者を指す。世話人(caregiver)は、親または、乳児の世話(吸収性物品の取替えを含む)をするその他の者を指す。使用者は、その用語が使用される文脈及び問題となる対象を使用するのに必要な能力に応じて、世話人または吸収性物品の着用者を指す。
【0013】
図1及び図2を参照して、例示を目的として、本発明に従って作製され得る吸収性物品20が示されている。吸収性物品20は、使い捨てでもあってもよいし、使い捨てでなくてもよい。本発明は、本発明の範囲から逸脱することなく、パーソナルウエア用の様々なその他の吸収性物品と共に使用するのに適していることを理解されたい。吸収性物品には、これらに限定するものではないが、おむつ、トレーニングパンツ、水着用下着、女性用衛生用品、失禁用品、医療用衣服、手術用パッド及び包帯、その他の個人ケア用衣服または健康ケア用衣服などが含まれる。
【0014】
例示としてのみであるが、例えばおむつ20などの本発明の様々な態様の吸収性物品を作製するための様々な材料及び方法が、2000年6月29日に公開されたA. Fletcher他によるPCT特許出願第WO−00/37009号公報(特許文献2)、1990年7月10日にVan Gompel他に付与された米国特許第4、940、464号明細書(特許文献3)、1998年6月16日にBrandon他に付与された米国特許第5、766、389号明細書(特許文献4)、2003年11月11日にOlson他に付与された米国特許第6、645、190号明細書(特許文献5)に開示されており、これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0015】
部分的に締結された状態のおしめ20が、図1に代表的に示されている。また、図1及び図2に示したおしめ20の折り畳まれていない展開された状態を、図3及び図4に示す。具体的には、図3は、おしめ20の外面を示す平面図であり、図4は、おしめ20の内面を示す平面図である。図3及び図4に示すように、おしめ20は、着用した際に物品の前側から物品の後側に延びる縦方向48を画定する。縦方向48と直交する方向が、横方向49となる。
【0016】
おむつ20は、一対の縦方向両側の端部領域(本明細書中では前側領域22及び後側領域24とも呼ばれる)と、前側領域22と後側領域24との間に縦方向に延在し前記両領域を相互連結する中央領域(本明細書中では股部領域26とも呼ばれる)とを含む。また、おむつ20は、使用時に着用者と向い合うように位置する(すなわち、物品20の他の構成要素に対して相対的に内側に位置する)内面28と、内面と反対側の面である外面30とを含む。前側領域22及び後側領域24は、おむつ20における、着用した際に着用者のウエスト(すなわち、胴体の中程から下部にかけての部分)を全体的または部分的に覆うかまたは取り囲む部分である。股部領域26は、一般的には、おむつ20における、着用時に着用者の両脚の間に位置し、着用者の胴体下部及び股部を覆う部分である。吸収性物品20は、一対の横方向両側の側縁部36と、一対の縦方向両側のウエスト側縁部(前側ウエスト側縁部38と後側ウエスト側縁部39)とを含む。
【0017】
図示したおむつ20は、本態様では、前側領域22、後側領域24及び股部領域26を包含するシャーシ32を含む。図1乃至図4を参照して、シャーシ32は、アウターカバー40及び身体側ライナ42(図1及び図4)を含む。身体側ライナ42は、接着剤、超音波接着、熱接着、またはその他の従来技術によってアウターカバー40に接合させることができる。図4を参照して、ライナ42は、好適には、前側ウエストシーム62及び後側ウエストシーム64を形成するようにして、シャーシ32の周縁部に沿ってアウターカバー40に接合される。図4に示すように、ライナ42は、好適には、前側領域22及び後側領域24において1対のサイドシーム61を形成するようにして、アウターカバー40に接合される。ライナ42は、通常は、吸収性物品の着用中に着用者の皮膚と対向して位置するように構成される(すなわち、物品20の他の構成要素に対して相対的に内側に配置される)。シャーシ32は、アウターカバー40と身体側ライナ42との間に配置され着用者から滲出または排出された身体流体(排泄物及び体液など)を吸収する吸収性構造体44と(図4参照)、身体流体の横方向流れを抑止するために身体側ライナ42に設置された1対の閉じ込めフラップ46とをさらに含む。
【0018】
図4に示した伸縮性を有する閉じ込めフラップ46は、着用者の身体に対して密閉を形成するための、少なくともおむつ20の股部領域26において垂直構造をなす部分的に未結合の側縁部を画定する。閉じ込めフラップ46は、シャーシ32の全長に沿って縦方向に延在するか、またはシャーシ32の長さ方向に沿って部分的にのみ延在する。閉じ込めフラップ46についての適切な構造及び構成は一般的に当業者に公知であり、例えば、1987年11月3日にEnloeに付与された米国特許第4、704、116号明細書(特許文献6)に記載されている(この特許文献の開示内容は、この参照により本明細書に組み込まれるものとする)。
【0019】
身体流体(身体滲出液)の閉じ込め及び/または吸収をさらに向上させるために、当業者には公知のように、おしめ20は、好適には、脚部弾性部材58(図4)も含む。脚部弾性部材58は、吸収性物品20の股領域26に配置され、アウターカバー40及び/または身体側ライナ42に作用可能に接合される。
【0020】
脚部弾性部材58は、任意の適切な弾性材料から形成可能である。当業者には公知のように、適切な伸縮性材料には、天然ゴム、合成ゴム、または熱可塑性弾性ポリマーから形成された、シート、ストランドまたはリボンが含まれる。弾性材料が、引き伸ばしてから基材に接着されるか、ギャザーされた(寄せ集めされた)基材に接着されるか、或いは、基材に接着された後に加熱して収縮させられることにより、基材に弾性収縮力が付与される。特定の一態様では、例えば、脚部弾性部材58は、米国デラウェア州ウィルミントン所在のインビスタ社(Invista)から入手可能のLYCRAの商標名で販売されている、乾式紡糸法により融着された複数の多繊維スパンデックス(弾性糸)を含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、吸収性物品20は、随意的に吸収性構造体44に隣接して配置され、接着剤の使用等の当分野で公知の方法によって吸収性構造体44または身体側ライナ42などの物品20の様々な構成要素に取り付けられるサージ制御層60をさらに含み得る。サージ制御層60は、物品の吸収構造体内に急速に導入された液体の強く激しい流れを弱めるまたは拡散させるのを助ける。吸収構造体の貯蔵または保持部分が液体を吸収する前に、サージ制御層60が液体を素早く受容し一時的に保持することが望ましい。適切なサージ制御層60の例は、1996年1月23日にDavid F. Bishop他に付与された米国特許第5、486、166号明細書(特許文献7)や1996年2月13日にClifford J. Ellis他に付与された米国特許第5、490、846号明細書(特許文献8)に記載されている。他の適切なサージ管理材料は、1998年10月13日にRichard N. Dodge Il他に付与された米国特許第5、820、973号明細書(特許文献9)に記載されている。これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0022】
図1乃至図4に示すように、吸収性物品20は、シャーシ32の後側領域に取り付けられた、横方向両側に対向配置される一対の弾性サイドパネル34をさらに含む。図1及び図2に詳しく示すように、サイドパネル34は、前記物品を適切な位置で固定するために、着用者のウエスト(腰部)及び/または臀部の周囲で伸張させることができる。図3及び図4に示すように、弾性サイドパネル34は、横方向両側に対向配置される一対の縦方向側縁部37に沿って、シャーシ32に取り付けられる。サイドパネル34は、任意の適切な接合技術を用いて、シャーシ32に取り付けるまたは接合させることができる。例えば、サイドパネル34は、接着剤、超音波接着、熱接着または他の従来の技術によって、シャーシに接合させることができる。
【0023】
別の態様では、弾性サイドパネルを、シャーシ32と一体的に形成することもできる。例えば、サイドパネル34は、身体側ライナ42の延長部分、アウターカバー40の延長部分、または、身体側ライナ42及びアウターカバー40の両者の延長部分から構成することができる。
【0024】
これらの図示した態様では、サイドパネル34は吸収性物品20の後側領域に取り付けられており、物品20を着用者の適切な位置に固定する際に、物品20の前側領域に延ばされる。なお、サイドパネル34を物品20の前側領域に取り付け、物品を着用する際に、後側領域に延ばすようにしてもよいことを理解されたい。
【0025】
図1及び図2に部分的に示した締結位置にある吸収性物品20では、締結システム80によって弾性サイドパネル34を締結することによって、ウエスト開口部50及び一対の脚開口部52を含む3次元のおむつ構造が画定される。物品20のウエスト開口部50は、着用者のウエストを取り囲むウエスト側縁部38及び39によって画定される。
【0026】
これらの図に示した態様では、サイドパネルは、締結システムによって、物品20の前側領域22に着脱自在に結合可能である。なお、他の態様では、左右両端において、サイドパネルをシャーシ32に恒久的に結合することも可能なことを理解されたい。例えば、トレーニングパンツまたは吸収性水泳着を形成する際は、サイドパネルは恒久的に一体結合される。
【0027】
弾性サイドパネル34は、それぞれ、縦方向外側縁部68、おしめ20の縦方向中央に向かって配された脚部端側縁部70、及び吸収性物品の縦方向端部に向かって配されたウエスト側縁部72を有している。着用者の脚部の周りにより良くフィットさせるために、吸収性物品20の脚部端側縁部70は、横方向49に対して適切に湾曲及び/または角度付けされた形状にすることができる。しかしながら、本発明の範囲から逸脱することなく、脚部端側縁部70のうち一方だけ(例えば、後側領域24の脚部端側縁部)を湾曲または角度付けされた形状にする、または脚部端側縁部のいずれも湾曲または角度付けされた形状にしないことも可能であることを理解されたい。図4に示すように、外側縁部68は縦方向48に対して概ね平行であり、ウエスト側縁部72は、横方向軸49に対して概ね平行である。しかしながら、他の態様では、外側縁部68及び/またはウエスト側縁部72は、所望に応じて傾斜または湾曲させて形成してもよいことを理解されたい。最終的に、サイドパネル34は、シャーシのウエスト領域90と概ね整列配置される。
【0028】
締結システム80は、横方向両側の第1の締結部材82とそれに対応する第2の締結部材84とを備えており、第1の締結部材82は第2の締結部材に対して再締結可能(着脱可能)に結合するように構成されている。図示した態様では、第1の締結部材82は弾性サイドパネル34に配設され、第2の締結部材84はシャーシ32の前側領域122に配設されている。一態様では、締結部材82、84のそれぞれの前面または外面は、複数の係合要素を備える。第1の締結部材82の係合要素は、それに対応する第2の締結部材84の係合要素に対して繰返して係合及び解離可能に構成されており、物品20を3次元構造に解除可能に固定する。
【0029】
締結部材82、84は、接着剤締結具、粘着性締結具、機械的締結具などの、吸収性物品に適した任意の再締結可能な締結具であり得る。特定の態様では、締結部材は、高性能化のための機械的締結要素を含む。適切な機械的締結要素は、フック、ループ、バルブ、きのこ型、矢じり型、ボールオンステム型、オス型及びメス型嵌合部材、バックル、スナップなどの相互結合形状の部材を用いて構成することができる。
【0030】
図示した態様では、第1の締結部材82がフック締結具を含み、第2の締結部材84が前記フック締結具と相補的なループ締結具を含む。或いは、第1の締結部材82がループ締結具を含み、第2の締結部材84が前記ループ締結具と相補的なフック締結具を含むようにしてもよい。他の態様では、締結部材82、84は、相互結合する同様の面ファスナか、或いは、接着剤締結要素と粘着性締結要素(例えば、接着剤締結具と接着剤受容結合領域若しくは材料)であり得る。フック及びループの形状、密度及びポリマー組成は、締結部材82、84間の所望レベルの結合を得ることができるように選択されることは、当業者であれば理解できるであろう。適切な締結システムは、先に本明細書に組み込まれるものとした2000年6月29日に公開されたA. Fletcher他によるPCT特許出願第WO‐00/37009号公報(特許文献2)、及び先に本明細書に組み込まれるものとした2003年11月11日にOlsen他に付与された米国特許第6,645,190号明細書(特許文献5)に開示されている。
【0031】
図示した態様では、締結部材82は、外側縁部68に沿ってサイドパネル34に取り付けられている。この態様では、締結部材82は、弾性すなわち伸縮可能ではない。しかしながら、他の態様では、締結部材は、サイドパネル34と一体的に構成してもよい。例えば、締結部材は、サイドパネル34の表面に直接的に取り付けてもよい。
【0032】
弾性サイドパネルを有する可能性に加えて、吸収性物品20は、ウエスト開口部の周囲に弾性を提供するための様々な弾性部材を含み得る。例えば、図示するように、吸収性物品20は、前側ウエスト弾性部材54及び/または後側ウエスト弾性部材56を含むことができる。
【0033】
吸収性物品20の作製に使用される、ウエスト弾性部材54及び56を取り巻く材料は、特定の用途及び作成される特定の物品に応じて様々であり得る。
【0034】
アウターカバー40は、例えば、通気性及び/または液体不透過性であり得る。アウターカバー40は、単一の層、複数の層、積層体、スパンボンド布、フィルム、メルトブローン布、弾性網材、微小孔性ウェブ、ボンディング・カーディングされたウェブ、或いは、エラストマー性またはポリマー性材料から形成された発泡体で構成することができる。アウターカバー40は、例えば、液体不透過性材料の単層構造体、あるいは、少なくとも1つの層が液体不透過性である多層積層構造体とすることができる。しかしながら他の態様においては、アウターカバーは、液体透過性とすることができることを理解されたい。この態様においては、例えば、吸収性物品は、内側液体バリア層を含むことができる。
【0035】
例えば、アウターカバー40は、液体透過性の外側層と液体不透過性の内側層とを含むことができ、両層は、好適には、積層接着剤、超音波接合、熱接合などによって互いに接合される。ビード、スプレー、平行渦巻きなどのパターンで連続的または断続的に塗布可能な適切な積層接着剤は、米国ウィスコンシン州ウォーワトサ所在のボスティック・フィンドレイ・アドヒーシブ社(Bostik Findley Adhesives,Inc.)または米国ニュージャージー州ブリッジウオーター所在のナショナル・スターチ・アンド・ケミカル社(National Starch and Chemical Company)から入手可能である。液体透過性の外側層は、任意の適当な材料から形成することができるが、布のような手触りを与えるものが望ましい。このような材料の一例としては、20gsm(グラム/平方メートル)のスパンボンドポリプロピレン不織ウェブがある。外側層はまた、液体透過性の身体側ライナ42を形成する材料と同じ材料から作製することもできる。
【0036】
アウターカバー40の内側層は、液体不透過性かつ蒸気不透過性であってもよいし、液体不透過性かつ蒸気透過性であってもよい。内側層は、薄いプラスチックフィルムから製造されることが望ましいが、他の可撓性を有する液体不透過性材料を用いてもよい。内側層、または単層である場合の液体不透過性アウターカバー40は、ベッド用シーツ及び衣服といった物品や着用者及び世話人が、汚物で汚れるのを防ぐ。液体不透過性内側層や、単一層の液体不透過性アウターカバー40として使用するのに適切な液体不透過性フィルムは、米国イリノイ州シャウムバーグ所在のプリアント社(Pliant Corporation)から市販されている厚さ0.02ミリメートルのポリエチレンフィルムである。
【0037】
身体側ライナ42は、柔軟であり、柔らかい肌触りであり、かつ着用者の皮膚を刺激しないことが適切である。身体側ライナ42はまた、身体流体(身体滲出液)の吸収性コア44の厚さ方向への透過を容易にするのに十分な液体透過性も有する。適切な身体側ライナ42は、多孔質発泡体、網状発泡体、穿孔されたプラスチックフィルム、織成ウェブ、不織ウェブ、またはそれらの任意の材料の組み合わせなどの様々なウェブ材料の幅広い選択肢の中から作製することができる。例えば、身体側ライナ42は、メルトブローンウェブ、スパンボンドウェブ、または天然繊維、合成繊維またはこれらの組み合わせから成るボンデッドカーデッドウェブから作製することができる。身体側ライナ42は、実質的に疎水性材料から構成することができる。前記疎水性材料は、所望のレベルの湿潤性及び親水性を付与するために、随意的に、界面活性剤で処理するかまたは他の手法で処理することができる。
【0038】
吸収性構造体44は、アウターカバー40と身体側ライナとの間に配置される。吸収性構造体44は、一般的に、圧縮可能で、応従性があり、着用者の皮膚を刺激しない、かつ、液体及び或る種の身体流体(身体排出物)を吸収及び保持することが可能な、任意の構造または構成要素の組み合わせとすることができる。例えば、吸収性構造体44は、セルロース系繊維(例えば、木質パルプ繊維)、他の天然繊維または合成繊維の吸収性ウェブ材料、織成または不織シート、目の粗い網材または他の安定化構造体、超吸収性材料、結合剤材料、表面活性剤、選択された疎水性材料、顔料、ローション、脱臭剤または同様のもの、並びにこれらの組み合わせを含み得る。特定の態様においては、吸収性ウェブ材料は、セルロース系フラフのマトリックスと、超吸収性ヒドロゲル形成粒子とを含む。セルロース系フラフには、木質パルプフラフの混合物が含まれ得る。フラフの1つの好ましいタイプは、米国サウスカロライナ州グリーンヴィル所在のボウォーター(Bowater)社から入手可能なCR1654(登録商標)で特定される、主として南方軟材繊維を含む高吸収性の硫酸塩木材パルプを漂白したものである。吸収性材料は、種々の従来の方法及び技術を用いて、ウェブ構造に形成することができる。例えば、吸収性ウェブは、乾燥形成技術、空気形成技術、湿潤形成技術、発泡形成技術、または同様のもの、及びこれらの組み合わせを用いて形成することができる。このような技術を実施するための方法及び装置は、当業者には公知である。さらに、吸収性構造体は、そのZ軸方向に複数の層を含むことができる。このような多層体は、各層の吸収容量の違いを利用することができ、例えば、低容量の吸収性材料層をライナ42の近くに配置し、高容量の吸収性材料をアウターカバー層40の近くに配置するようにすることができる。同様に、単一層から成る吸収性構造体を互いに別個の複数の部分に分けて、或る部分が高容量の吸収体を含み、別の部分が低容量の吸収体を含むようにすることもできる。
【0039】
通例、超吸収性材料は、吸収性ウェブ内に、吸収性ウェブの総重量を基準として約0乃至約90重量パーセントの量で存在する。ウェブは、約0.10乃至約0.60グラム/立方センチメートルの範囲内の密度を有することができる。
【0040】
超吸収性材料は、当業者には公知であり、天然、合成、及び修飾天然ポリマー及び材料から選択することができる。超吸収性材料は、シリカゲルなどの無機材料、または架橋結合されたポリマーなどの有機化合物とすることができる。典型的には、超吸収性材料は、それ自体の重量の少なくとも約10倍の量の液体を吸収することが可能であり、望ましくは、それ自体の重量の約25倍を超える量の液体を吸収することが可能である。適当な超吸収性材料は、様々な供給者から容易に入手することができる。例えば、SXM9394及びFavor9543超吸収体が、米国ニュージャージー州パーサイパニー所在のデグサスーパーアブソーバーズ(DeGussa Superabsorbers)社から入手可能である。
【0041】
所望の形状に形成または切断された後、吸収性ウェブ材料は、吸収性構造体44の一体性及び形状を維持することを助ける適切なティッシュ、またはメルトブローンウェブなどのラップシートにより、覆うかまたは包み込むことができる。
【0042】
吸収性ウェブ材料は、コフォーム材料とすることができる。「コフォーム材料」という用語は、一般的には、熱可塑性繊維と非熱可塑性材料との混合物または安定マトリックスを含む複合材料を意味する。例えば、コフォーム材料は、少なくとも1つのメルトブローンダイヘッドをシュートの近くに配置し、ウェブ形成中に、前記シュートからウェブに別の材料を添加するという方法によって形成することができる。このような他の材料としては、これらに限定されるものではないが、木質パルプなどの繊維性有機材料、または綿などの非木質パルプ、レーヨン、再生紙、パルプフラフ及び超吸収性粒子、無機吸収性材料、処理済みのポリマー性ステープル繊維などがある。また、種々の合成ポリマーを、コフォーム材料の溶融紡糸成分として使用することができる。例えば、ある態様においては、熱可塑性ポリマーを利用することができる。利用可能な適切な熱可塑性ポリマーのいくつかの例としては、ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンなど)、ポリアミド、及びポリエステルがある。一態様においては、熱可塑性ポリマーはポリプロピレンである。このようなコフォーム材料のいくつかの例は、Anderson他に付与された米国特許第4、100、324号明細書(特許文献10)、Everhart他に付与された米国特許第5、284、703号明細書(特許文献11)、及びGeorger他に付与された米国特許第5、350、624号明細書(特許文献12)に開示されており、これらの特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0043】
本発明の吸収性物品20は、吸収性物品20内の尿(広義には侵襲物)の存在を検知するための濡れモニタシステムを含む。濡れモニタシステムは他の形態をとることもできるが、この特定の形態のシステムでは、吸収性物品20の電気特性をモニタし、電気特性を利用して着用者が吸収性物品20内に排尿したかどうかを判断する。尿を検知した後、このシステムは、侵襲アラームを生成して、世話人及び/または着用者に、尿の存在を知らせる。このアラームは、着用者、世話人、またはその両方が知覚可能でさえあれば、音などの聴覚信号、温度変化などの触知式信号、または、点滅光などの視覚信号のいずれかとすることができる。このシステムは、該システムから離間して配置されたアラーム装置(聴覚、視覚、触知式またはその他の感知可能なアラームを発する)に対して、無線信号を送信するための装置を含み得ることを理解されたい。信号通知装置または遠隔通知手段の電池の寿命を延ばすために、世話人または遠隔通知手段が、遠隔通知手段または信号通知装置に対して、侵襲回数または経過時間を定期的に問い合わせるようにすることができる。
【0044】
1つの特定の適切な実施形態では、図3に最もよく示されているように、モニタシステムの一例が参照番号170で全体的に示されている。モニタシステム170は、物品の電気特性(例えば、抵抗R)を検知するセンサを含む。センサは、吸収性物品20内に設置された1対の導電体C1、C2を含む。1対の導電体C1、C2は互いに離間して略平行に配置され、導電体C1、C2の間に吸収性物品のモニタ領域174を画定する。導電体C1、C2は、一般的に導電性である任意の材料で構成することができる。例えば、導電体は、金属ストリップ(例えば、アルミニウムストリップ)、金属フィルム、被膜されたフィルム、導電性ポリマー、導電性インク、または導電性糸で形成することができる。他の導電体も、本発明の範囲内とする。導電体C1、C2は、吸収性物品20の前側領域22から後側領域24まで股部領域26を通って縦方向に延在する。導電体C1、C2は、吸収性構造体44と身体側ライナ42との間に、吸収性構造体44に配置されるが、導電体は、本発明の範囲から逸脱しない範囲で、他の位置に配置してもよい。
【0045】
図1及び図5に最もよく示されているように、電源Bからの電流iが、センサの導電体C1、C2を通って流れる。電源Bは、電池のような直流電源か、または別の電源とすることができる。図示した実施形態では、導電体C1、C2は、導電性スナップ締結具179によって、電源に電気的に接続されている。導電体を電源に電気的に接続する他の方法も、本発明の範囲内である。各導電体C1、C2における対応する端部は、吸収性物品20の後側領域24に設置されたスナップ締結具部材179に接続される。或いは、導電性スナップ締結具179は、前側領域22か、または吸収性物品20の他の位置に配置することができる。電源Bを収容するハウジング182は、スナップ締結具179と係合してハウジング182を吸収性物品20に固定するための、スナップ締結具179に対応する導電性スナップ締結具を有する。本実施形態のハウジング182は、電源Bに加えて後述するモニタシステム170の残りの部品も収容するが、ハウジング182は、残りの部品のいくつかだけを収容するか、あるいは、残りの部品を含まないことも考えられる。図示された実施形態では、ハウジング182は、スナップ締結具179によって吸収性物品20に着脱可能に固定されるが、ハウジングは、本発明の範囲から逸脱しない範囲で、他の手段によって着脱可能に固定するか、または、永久的に固定することもできることを理解されたい。
【0046】
センサの測定装置185は、吸収性物品20のモニタ領域174の電気特性を測定する。一実施形態では、吸収性物品20のモニタ領域174の抵抗Rが測定される。導電体C1、C2は互いに離間しているので、回路を完成させるためには、電源Bからの電流iはモニタ領域174を通過しなければならない。モニタ領域174は、実質的には、参照記号Rで示されるように抵抗として作用する。モニタ領域174が乾燥状態の場合(例えば、尿が存在する前)、モニタ領域の抵抗値は比較的高い(例えば200kΩを超える値となる)。モニタ領域174が、例えば排尿により湿潤状態となった場合、尿の電気的導電性により抵抗値は低下する(例えば、200kΩ未満の値となる)。
【0047】
別の実施形態では、吸収性物品20のモニタ領域174のコンダクタンスが測定される。上述したように、尿は導電性であり、物品20は一般的に導電性ではない。そのため、吸収性物品20のモニタ領域74における湿潤時のコンダクタンスは、乾燥時よりも大きくなる。本発明の範囲を逸脱しない範囲で、吸収性物品20における、インピーダンスを含む他の電気特性を測定することができる。
【0048】
さらなる技術的な詳細は、同時係属で本出願人に譲渡された、2006年12月15日出願の米国特許出願第11/611、435号明細書(特許文献1)に記載されており、この特許文献の開示内容は、本明細書と一致する範囲で(すなわち、矛盾しない範囲で)、この参照により本明細書に組み込まれるものとする。
【0049】
新生児及び乳児の排尿挙動をモニタするために、濡れ検出装置が、吸収性物品及び濡れ検出装置の使用時に吸収性物品から取得した抵抗データを処理するための高次アルゴリズムと共に利用可能である。図6は、そのようなアルゴリズムの例である。信号通知装置を吸収性物品に接続し(300)、抵抗値データの収集を開始する(305)。同時に、着用者が吸収性物品を着用してからの経過時間を記録するために、タイマ1をスタートさせる(310)。吸収性物品が尿で濡れると抵抗値が低下するので、第1の排尿を示す第1の抵抗値の低下を信号通知装置で検出する(315)。第1の排尿を、信号通知装置は濡れイベント1として記録する(320)。それと同時に、タイマ2をスタートさせて、第1の排尿と第2の排尿との間の経過時間を測定する(325)。
【0050】
信号通知装置が、第2の排尿を示す第2の抵抗値低下を検出したとき(330)、信号通知装置は、タイマ2で記録された経過時間を読み込む(335)。第1の排尿から第2の排尿までの経過時間が20分未満である場合、信号通知装置は、第2の排尿が第1の排尿の継続であると判断する。そのような予め選択された時間間隔内での排尿回数には制限がないことに留意されたい。例えば、20分未満に1回、2回、3回またはそれ以上の回数の排尿が発生しても、それらの排尿はまとめて1回の排尿としてカウントされる。第1回の排尿から第2の排尿までの経過時間が20分以上である場合、信号通知装置は、第2の排尿は第1の排尿とは別の事象(イベント)であると判断し、第2の排尿を濡れイベント2として記録する(340)。信号通知装置が濡れイベント2を記録する(340)のと同時に、信号通知装置はタイマ3をスタートさせて、第2の排尿から第3の排尿までの経過時間を測定する(345)。
【0051】
信号通知装置が、第3の排尿を示す第3の抵抗値低下を検出したとき、信号通知装置は、タイマ3で記録された経過時間を読み込む(355)。第2の排尿から第3の排尿までの経過時間が20分未満である場合、信号通知装置は、第3の排尿が第2の排尿の継続であると判断する。第2回の排尿から第3の排尿までの経過時間が20分以上である場合、信号通知装置は、第3の排尿は第2の排尿とは別の事象(イベント)であると判断し、第3の排尿を、濡れイベント3として記録する(360)。
【0052】
信号通知装置はまた、記録された濡れイベントの数をモニタする(365)。信号通知装置が、濡れイベントの数が3以上であると判断した場合、または、タイマ1の記録時間が3時間以上経過した(つまり、吸収性物品を3時間以上着用した)と判断した場合、信号通知装置はアラームを発する(375)。そして、信号通知装置を吸収性物品から取り外し、全てのタイマ及びカウンタをリセットした後、新しい吸収性物品に取り付ける。
【0053】
本実施例では、排尿回数の限度は3回であり、排尿回数が3回に達したときに信号通知装置がアラームを発するように構成した。しかし、排尿回数の限度は、製造業者が事前に設定するか、または信号通知装置の使用者が設定するようにしてもよい。排尿回数の限度が3回以外の場合、図6のフローチャートは、変更された排尿回数の限度回数に適合するように修正される。また、本実施例では、経過時間の限度時間は3時間であり、経過時間が3時間に達したときに信号通知装置がアラームを発するように構成した。しかし、経過時間の限度は、製造業者が事前に設定するか、信号通知装置の使用者が設定するようにしてもよい。また、本実施例では、連続的に行われた排尿を別個の濡れイベントとして記録するか否かを判定するための時間(判定時間)は20分に設定したが、前記判定時間は、製造業者が事前に設定するか、信号通知装置の使用者が設定するようにしてもよい。
【0054】
本発明の別の態様では、第1の排尿後の吸収性物品を着用してからの経過時間(着用時間)を測定するために、第1の排尿が検出されたときに、タイマ1または別のタイマ1Aをスタートさせる。世話人及び/または着用者によっては、スキンケアの目的で、第1の排尿後の経過時間をより重要視する。
【0055】
本発明の他の態様では、信号通知装置は、排尿回数が限度回数に達したとき、経過時間が限度時間に達したとき、または、いずれか一方が先に生じたときにアラームを発するように構成してもよい。本発明の一態様では、アラームの設定を、使用者が選択するようにしてもよい。加えて、信号通知装置は、排尿回数の限度または経過時間の限度あるいはその両方についてのアラームの設定を、製造者または使用者が選択するようにしてもよい。信号通知装置はまた、排尿回数の限度回数と経過時間の限度時間とについて互いに異なるアラームを発するように構成してもよい。
【0056】
本発明の他の態様では、信号通知装置は、排尿回数、経過時間、またはその両方を表示することを含む。前記表示は、LCDディスプレイ、LCD光、または、前記情報を使用者に表示するのに適切な任意のその他の表示方式であり得る。
【0057】
本発明に対するこれらの及び他の変更及び変形は、添付した特許請求の範囲により詳細に規定された本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者により実施することができる。また、本発明の様々な態様は、全体的にまたは部分的に相互に置き換え可能であることを理解されたい。さらに、前述の説明は、例示のみを目的とするものであり、添付した特許請求の範囲に詳細に述べられている本発明の限定を意図するものではないことは、当業者には明らかであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者が着用する吸収性物品のための濡れモニタシステムであって、
吸収性物品への個別的な排尿の回数をカウントするためのカウンタと、吸収性物品を着用してからの経過時間をモニタするためのタイマと、いずれが先に発生したかを問わず、前記個別的な排尿の回数が限度回数に達したこと、または前記経過時間が限度時間に達したことを知らせるアラームを発する手段とを有する信号通知装置を備えることを特徴とするシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
前記アラームが、世話人に感知可能な信号であることを特徴とするシステム。
【請求項3】
請求項2に記載の濡れモニタシステムであって、
前記アラームが、可聴信号であることを特徴とするシステム。
【請求項4】
請求項2に記載の濡れモニタシステムであって、
前記アラームが、可視信号であることを特徴とするシステム。
【請求項5】
請求項2に記載の濡れモニタシステムであって、
前記アラームが、複数のアラームから選択可能であることを特徴とするシステム。
【請求項6】
請求項2に記載の濡れモニタシステムであって、
第1のアラームが、前記個別的な排尿の回数が限度回数に達したことを示し、
第2のアラームが、前記経過時間が限度時間に達したことを示し、
前記第1のアラームと前記第2のアラームとが互いに異なるようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
前記排尿回数の限度が、前記着用者または世話人により設定されることを特徴とするシステム。
【請求項8】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
前記毛経過時間の限度が、着用者または世話人により設定されることを特徴とするシステム。
【請求項9】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
連続的して行われた排尿が或る単回排尿時間内に発生した場合、前記カウンタは、前記連続的に行われた排尿を1回の個別的な排尿としてカウントすることを特徴とするシステム。
【請求項10】
請求項9に記載の濡れモニタシステムであって、
前記単回排尿時間が、前記着用者または世話人により設定されることを特徴とするシステム。
【請求項11】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
前記カウンタ及びタイマが、ゼロにリセット可能に構成されていることを特徴とするシステム。
【請求項12】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
前記信号通知装置が、排尿の回数を表示するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項13】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
前記信号通知装置が、前記経過時間を表示するようにしたことを特徴とするシステム。
【請求項14】
請求項1に記載の濡れモニタシステムであって、
前記経過時間を、第1回目の排尿から測定することを特徴とするシステム。
【請求項15】
着用者に着用された吸収性物品の取替えの必要性を判断するための方法であって、
吸収性物品への個別的な排尿の回数をカウントするステップと、
前記吸収性物品を着用してからの経過時間をモニタするステップと、
着用者または世話人により通知すべき状態と選択された、前記個別的な排尿の回数が限度回数に達した状態である第1の状態、前記経過時間が限度時間に達した状態である第2の状態、または第1の状態及び第2の状態のいずれか一方が先に生じた状態である第3の状態のうちの1つを通知するステップとを含むことを特徴とする方法。
【請求項16】
請求項15に記載の方法であって、
前記通知するステップが、世話人に感知可能なアラームを発することを含むことを特徴とする方法。
【請求項17】
請求項15に記載の方法であって、
前記通知するステップが、前記個別的な排尿の回数が限度回数に達したことを示す第1のアラームと、前記着用時間が限度時間に達したことを示す第2のアラームと発することを含み、前記第1のアラームと前記第2のアラームとが互いに異なるようにしたことを特徴とする方法。
【請求項18】
請求項15に記載の方法であって、
前記モニタするステップが、前記経過時間を表示することを含むことを特徴とする方法。
【請求項19】
着用者が着用する吸収性物品のための濡れモニタシステムであって、
吸収性物品への個別的な排尿の回数をカウントするためのカウンタと、吸収性物品を着用してからの経過時間をモニタするためのタイマとを含む信号通知装置を備え、
前記信号通知装置が、着用者または世話人により通知すべき状態と選択された、前記個別的な排尿の回数が限度回数に達した状態である第1の状態、前記経過時間が限度時間に達した状態である第2の状態、または第1の状態及び第2の状態のいずれか一方が先に生じた状態である第3の状態のうちの1つを通知するように構成されたことを特徴とするシステム。
【請求項20】
請求項19に記載の濡れモニタシステムであって、
前記信号通知装置が、世話人が感知可能なアラームを用いて通知することを特徴とするシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−537695(P2010−537695A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522481(P2010−522481)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【国際出願番号】PCT/IB2008/052551
【国際公開番号】WO2009/027871
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(309038085)キンバリー クラーク ワールドワイド インコーポレイテッド (51)
【Fターム(参考)】