説明

吸収性物品の表面シート

【課題】液流れや液戻りが生じにくく、ドライ感及び漏れ防止性に優れた吸収性物品の表面シートを提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品の表面シート2は、疎水性繊維を主体として構成された不織布からなる吸収性物品の表面シートであり、肌当接面2aに、親水化剤が施された親水性領域22と該親水性領域22に周囲を囲まれた多数の疎水性領域23が形成されており、表面シート2における親水性領域22を有する部分20は、非肌当接面20b側の親水度が肌当接面20a側の親水度より低くなっている。本発明の吸収性物品は、上記構成の表面シート2を具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品の表面シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生理用ナプキンや使い捨ておむつ等の吸収性物品の表面シートとして、着用者の肌に当接される肌当接面に、親水性領域と疎水性領域とを設けたものが知られている。
例えば、特許文献1には、親水性繊維を主体とする不織布からなり、該不織布に、親水部と、撥水剤が塗布又は印刷されることによってパターン形成される疎水部とが存在し、疎水部の面積が不織布の表面積に対して20〜70%であるものが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、親水性のベースシートの高さを高くした領域上に優先的に疎水性物質を堆積し、疎水性物質が堆積した部分を疎水性、それ以外を親水性とした吸収性ウェブが記載されている。
【0004】
【特許文献1】特開平10−28700号公報
【特許文献2】特表2001−521590号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1には、特許文献1記載の表面シートは、サラット感が良好であることが記載されている。
しかし、特許文献1に具体的に記載された疎水部の形成パターンは、表面シートの面と平行な一方向、又は互いに直交する二方向に疎水部が連続的に延びており、そのため、液が、疎水部上を流れて広範囲に拡がり、漏れや、使用後のナプキン等の外観の悪化を招く恐れがある。
【0006】
また、特許文献2のライナーにおいては、親水性のベースシートを用いているため、吸収体に一旦吸収された液が、親水性の部分を介して肌当接面に戻る液戻り(ウエットバック)が生じ易い。この液戻りは、べたつきを生じさせたり、ドライ感ないしサラット感を低下させる原因となる。
【0007】
従って、本発明の目的は、表面の液流れや液戻りが生じにくく、ドライ感及び漏れ防止性に優れた、吸収性物品の表面シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、疎水性繊維を主体として構成された不織布からなる吸収性物品の表面シートであって、肌当接面に、親水化剤が施された親水性領域と該親水性領域に周囲を囲まれた多数の疎水性領域が形成されており、前記表面シートにおける前記親水性領域を有する部分は、非肌当接面側の親水度が肌当接面側の親水度より低くなっている、吸収性物品の表面シートを提供することにより前記目的を達成したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明の吸収性物品の表面シートは、表面の液流れや液戻りが生じにくく、ドライ感及び漏れ防止性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明について、その好ましい一実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
第1実施形態の生理用ナプキン1は、図1及び図2に示すように、表面シート2、裏面シート3及びこれら両シート2,3間に位置する吸収体4を備えている。
表面シート2は、生理用ナプキン1における、着用時に着用者の肌に当接される肌当接面Pを構成し、裏面シート3は、生理用ナプキン1における、肌当接面Pとは反対側の面である非肌当接面Qを構成している。表面シート2は液透過性を有しており、裏面シート3は液不透過性又は撥水性である。
裏面シート3の非肌当接面Q側の面には、生理用ナプキン1をショーツのクロッチ部に固定するための粘着部5が形成されている。
吸収体4及び裏面シート3としては、従来この種の物品に使用されているものを特に制限なく用いることができる。例えば、吸収体4としては、パルプ繊維等の親水性繊維からなる繊維集合体又はこれに吸水性ポリマーを担持させたものを、ティッシュペーパーや透水性の薄い不織布で被覆したもの等を用いることができ、裏面シート3としては、樹脂フィルムや、樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。
【0011】
図1に示す生理用ナプキン1の表面シート2は、本発明の吸収性物品の表面シートの一実施形態である。
表面シート2は、疎水性繊維を主体として構成された不織布(以下、疎水性不織布ともいう)からなる。
疎水性不織布を構成する疎水性繊維としては、例えばポリオレフィンやポリエステルなどの熱可塑性樹脂からなるものが用いられる。このような繊維は、ポリオレフィン単独あるいはポリエステル単独からなる繊維であってもよく、或いは2種の異なるポリオレフィン又はポリオレフィンと他のポリマーとの混合紡糸繊維又は複合繊維(芯鞘型、サイドバイサイド型、交互配列型、海島型など)であってもよい。
【0012】
好ましく用いられるポリオレフィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、及びこれらのランダム又はブロック共重合体等が挙げられる。ポリオレフィンと混合或いは複合できるポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフテレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン−6やナイロン−66などのポリアミドを挙げることができる。
【0013】
不織布中の疎水性繊維の割合は、該不織布を基本的に疎水性とする観点から、不織布の構成繊維中、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることが更に好ましい。
【0014】
疎水性不織布としては、各種の製造方法により製造された不織布を用いることができる。例えば、スパンボンド法、メルトブローン法により製造した不織布や、カード機を用いて得られたウエブをエアスルー法やヒートロール法による不織布化したもの、カード機を用いて得られたウエブを、ニードルパンチ法やスパンレース法などにより不織布化したもの等を用いることができる。また、不織布は、単体の不織布であることが好ましいが、不織布同士を複合・一体化した積層不織布を用いることもできる。
疎水性不織布を構成する疎水性繊維には、基本的に、親水化油剤を練り込んだり、親水化油剤を表面に付着させたりしない。
【0015】
表面シート2は、その肌当接面2aに、図3及び図4に示すように、親水化剤22が塗布された親水性領域21と該親水性領域21に周囲を囲まれた多数の疎水性領域23が形成されている。親水性領域21は、図4に示すように、表面シート2を構成する疎水性不織布の肌当接面2a側の表面に親水化剤22を塗布して形成されており、それにより、表面シート2における、親水性領域21を有する部分20は、非肌当接面20b側の親水度が肌当接面20a側の親水度より低くなっている。親水化剤22の塗布は、親水化剤22が、表面シート2の非肌当接面20bに達しないように塗布することが好ましい。
親水性領域21を有する部分20の非肌当接面20b側の親水度が該部分20の肌当接面20a側の親水度より低いか否かは、例えば、表面シートの肌当接面20a及び非肌当接面20bにそれぞれ水滴を滴下したときの、肌当接面20a及び肌当接面20aに対する水滴の接触角を測定する方法や吸収速度を測定する方法等の各種公知の方法により確認できる。
【0016】
親水化剤22としては、各種公知のものを特に制限なく使用することができ、例えば、親水性の油剤が用いられる。親水性の油剤としては、アニオン性、カチオン性、両性あるいはノニオン性の界面活性剤が一般的であるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは所定濃度の水溶液や乳化液等にして用いることもできる。好ましい親水化剤としては、脂肪族モノカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルりん酸塩、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸ポリエチレングリコール、アルキルアミン塩、アルキルベタイン等を挙げることができる。
親水化剤の塗布方法は、特に限定されないが、例えば、インクジェット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、噴霧、刷毛塗布などの方法で塗布することができ、特にインクジェット印刷、噴霧が親水性領域21を有する部分20の非肌当接面20b側の親水度が該部分20の肌当接面20a側の親水度より低くする観点から好ましい。
【0017】
本実施形態の表面シート2は、その肌当接面2aに、親水性領域21と該親水性領域に周囲を囲まれた多数の疎水性領域23を有し、親水性領域21を有する部分20の非肌当接面20b側の親水度が同部分20の肌当接面20a側の親水度より低くなっているため、疎水性領域23によるべたつき防止性と、親水性領域21による液の吸収体への引き込み性と、親水性領域21を有する部分20の非肌当接面20b側の親水性の低いことによる液戻り防止性とが、バランス良く発現される。
これにより、本実施形態における表面シート2は、表面の液流れや液戻りが生じにくく、ドライ感及び漏れ防止性に優れている。また、表面シート2を用いた生理用ナプキン1も、表面の液流れや液戻りが生じにくく、ドライ感及び漏れ防止性に優れている。
表面の液流れが生じ難いことは、よこ漏れ等の漏れが生じにくくなることや、経血等の色の付いた液体が拡がる範囲が小さくなり使用後の外観が向上する等の利点がなる。表面への液戻りが生じ難いことは、ドライ感の向上や、経血等の色の付いた液体が表面に戻りにくくなり使用後の外観が一層向上する等の利点がなる。
【0018】
液流れの防止及びドライ感の向上等の観点から、疎水性領域23の面積は、表面シート2の表面積に対して60〜90%であることが好ましく、より好ましくは70〜90%、更に好ましくは80〜90%である。尚、第1実施形態に係る表面シート2の個々の疎水性領域23は、略全域が平面状を維持している。
【0019】
本実施形態の表面シート2における親水性領域21は、図3に示すように、線状に形成されており、線と線の交点21cが、肌当接面2aの一方向(図3中のX方向)及びその直交方向(図3中のY方向)に分散した状態に多数形成されている。より具体的に説明すると、親水性領域21として、互いに平行に形成された複数本の第1線状領域21aと、互いに平行に形成された複数本の第2線状領域21bとを有しており、それら複数本の第1線状領域21aと複数本の第2線状領域21bとが互いに交差している。本実施形態において、図3中のX方向は、生理用ナプキン1の長手方向(図1中のX方向)である。疎水性領域23は、2本の第1線状領域21aと2本の第2線状領域21bとに囲まれた領域であり、図3では、菱形状に形成されている。
【0020】
疎水性領域23によるべたつき防止性と、親水性領域21による液の吸収体への引き込み性と、親水性領域21を有する部分20の液戻り防止性とをバランス良く発現させ、ドライ感及び漏れ防止性に一層優れた、表面シートや生理用ナプキンとする観点から、線状の親水性領域21の幅W1(図3参照)は、0.5〜10mm、特に1〜5mmであることが好ましく、線状の親水性領域21の同士間の幅W2(図3参照)は、5〜10mm、特に6〜8mmであることがこのましい。
【0021】
また、菱形状又は正方形状の疎水性領域23を形成する場合の疎水性領域23のナプキン前後方向の内角の角度α(図3参照)は、30〜120度、特に40〜90度であることが好ましい。
また、親水性領域23は、本実施形態及び後述する図6に示す実施形態におけるように、生理用ナプキン(吸収性物品)の長手方向(X方向)と平行な線状部分を有しないことが、液が、ナプキンの長手方向に流れることを抑制し、漏れ防止性や使用後の外観を一層向上させ得る観点から好ましい。
【0022】
図5は、本発明の第2実施形態の生理用ナプキン及び表面シートを示す図(図4相当図)である。
第2実施形態については、主として、第1実施形態の生理用ナプキン及び表面シートとの相違点について説明し、同様の点については説明を省略する。特に説明しない点については、第1実施形態について上述した説明が適宜適用される。
【0023】
第2実施形態の表面シート2Aは、図5に示すように、肌当接面P側にエンボス部6が形成されており、該エンボス部6に、親水化剤22が塗布されて親水性領域21が形成されている。エンボス部6の形成パターンと親水性領域21の形成パターンとは一致しており、親水性領域21は、疎水性領域23よりも窪んだエンボス部6内に形成されている。
エンボス部6の形成は、例えば、周面に、図3に示す親水性領域21の形成パターンに対応するパターンの凸部を有するエンボスロールと、該エンボスロールに対向配置されたアンビルロールとの間に不織布を導入し、エンボスロールの凸部とアンビルロールの平滑な周面との間で該不織布を圧縮することにより行う。
このエンボス加工は、熱エンボス、超音波エンボス、高周波エンボス、圧縮するだけのエンボスのいずれであっても良い。
【0024】
第2実施形態の表面シート2A及びその表面シートを用いた生理用ナプキン(吸収性物品)によれば、第1実施形態と同様の作用効果がより一層向上して奏される。
尚、第2実施形態の表面シート2Aの個々の疎水性領域23も、凸部の頂部のみを疎水化したようなものとは異なり、疎水性領域23の中央部は平面状を維持している。
【0025】
以上、本発明の好ましい幾つかの実施形態について説明したが、本発明の表面シート及び吸収性物品は、上述した実施形態に制限されず、適宜変更が可能である。
例えば、親水性領域21の形成パターンは、菱形状の疎水性領域23を形成する上述したパターンに制限されず、図6又は図7に示すようなパターン等であっても良い。
また、吸収性物品は、生理用ナプキン以外のものであっても良く、生理用ナプキン以外の吸収性物品としては、パンティライナー(下り物シート)、失禁パッド、使い捨ておむつ、ハイジーンパッド、授乳パッド等が挙げられる。
【実施例】
【0026】
以下、本発明を実施例を用いて更に説明するが、本発明は、かかる実施例によって何ら制限されるものではない。
〔実施例1〕
下記疎水性不織布に、超音波エンボスにより、エンボス部を形成し、該エンボス部に下記親水化剤を塗布して親水性領域を形成した。得られたシートを、実施例1の表面シートとした。親水性領域の形成パターンは、図3に示すパターンとし、幅W1=1mm、幅W2=8mm、角度α=60度とした。エンボス部の形成パターンも同様のパターンとした。疎水性領域の面積割合は、不織布(片面)の全面積の80%であった。
〔疎水性不織布〕
繊維径3.3dtexの芯鞘型複合繊維(芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がポリエチレン、容積比40/60)をカード機に通してウェブとし、このウェブを熱風処理により不織布化してエアスルー不織布(25g/m2)を得た。このエアスルー不織布は、構成繊維に親水化油剤を練り込んだり、構成繊維に親水化油剤を付着させたりしていない。
〔親水化剤〕
ポリオキシエチレンアルキルりん酸塩
【0027】
〔実施例2〕
疎水性不織布にエンボス部を形成しなかった以外は、実施例1と同様にして、実施例2の表面シートを得た。
【0028】
〔比較例1〕
エンボス部及び親水性領域の形成パターンを、ドット状のパターンに変えた以外は、実施例1と同様にして、比較例1の表面シートを得た。ドット状のパターンは、各ドットの直径が1mm、ドット間距離が1.8mmとし、それらを千鳥状に配置したパターンとした。
〔比較例2〕
実施例1で用いた疎水性不織布をそのまま比較例2の表面シートとした。
〔比較例3〕
実施例2で用いた疎水性不織布の全面をポリオキシエチレンアルキルりん酸塩で親水化し、比較例3の表面シートとした。
【0029】
〔参考例〕
実施例2において、親水性領域の形成パターンを、幅W1=5mm、幅W2=8mm、角度α=60度にした以外は、実施例2と同様にして、参考例1の表面シートを得た。疎水性領域の面積割合は不織布(片面)の全面積の44%であった。
【0030】
花王株式会社の市販の生理用ナプキン(商品名「ロリエさらさらクッション肌きれい吸収」)から表面シートを取り除き、その代わりに、実施例及び比較例の各表面シートを積層し、その周囲を固定して評価用の生理用ナプキンを得た。
【0031】
各生理用ナプキンを用いて下記の評価を行い、その結果を表1に示した。
〔血液吸収後の白さ及び赤み〕
生理用ナプキンを水平に置き、直径1cmの注入口のついたアクリル板を重ねて、注入口から脱繊維馬血(日本バイオテスト(株)製)6gを注入し、注入後3分間その状態を保持した後アクリル板を取り除き、生理用ナプキンの脱繊維馬血が注入された部分のL***表色系のL値及びa*値を日本電色工業株式会社製MF333簡易型分色差計により測定した。
尚、「L***表色系」とは、国際照明委員会(CIE)で規格化され、JIS(JIS Z8729)においても採用されている表色系をいう。「L***表色系」では、L*は明るさを、a*、b*は色の方向を示しており、a*は略赤方向、−a*は略緑方向、b*は略黄色方向、−b*は略青方向を示している。
【0032】
〔表面拡散面積〕
生理用ナプキンを水平に置き、直径1cmの注入口のついたアクリル板を重ねて、注入口から脱繊維馬血(日本バイオテスト(株)製)6gを注入し、注入後3分間その状態を保持し、脱繊維馬血が広がった面積を測定した。
【0033】
〔表面液残り量〕
生理用ナプキンを水平に置き、直径1cmの注入口のついたアクリル板を重ねて、注入口から脱繊維馬血(日本バイオテスト(株)製)3gを注入し、注入後1分間その状態を保持した。次に、アクリル板を取り除き、表面シートの表面上に、縦6cm×横9.5cmで坪量13g/m2の吸収紙(市販のティッシュペーパー)を16枚重ねて載せた。更にその上に圧力が5.3×102Paになるように重りを載せて5秒間加圧した。加圧後、吸収紙を取り出し、加圧前後の紙の重さを測定して、紙に吸収された脱繊維馬血の重量を測定して表面液残り量とした。
【0034】
〔表面液流れ距離〕
生理用ナプキンを、その表面シート側が上方に向けて、45度に傾斜した板上に固定した。生理用ナプキンの中央部(排尿ポイント)の位置に、前記の脱繊維馬血を0.1g/秒の速度で0.05g滴下し、脱繊維馬血が表面シート上を伝って流れ落ちた距離を測定した。
【0035】
【表1】

【0036】
表1に示す結果から、実施例の表面シート及び生理用ナプキン(吸収性物品)は、表面液流れや液戻りが生じにくく、ドライ感や漏れ防止性に優れることが判る。これに対して、比較例1,2の表面シートは、表面液流れ距離が長く、液漏れや使用後の外観の悪化が起きやすい。他方、比較例3の表面シートは、表面液流れ距離は短いが、液残り量や拡散面積が大きく、ドライ感に劣り、使用後の外観の悪化も起こりやすい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態である生理用ナプキンを示す斜視図である。
【図2】図2は、図1のII−II線断面図である。
【図3】図1に示す生理用ナプキンの肌当接面の一部を拡大して示す拡大平面図である。
【図4】図3のIV−IV線拡大断面図である。
【図5】図5は、本発明の第2実施形態を示す断面図(図2相当図)である。
【図6】図6は、親水性領域の他の形成パターンを示す図である。
【図7】図7は、親水性領域の更に他の形成パターンを示す図である。
【符号の説明】
【0038】
1 生理用ナプキン
2 表面シート
20 親水性領域を有する部分
21 親水性領域
21a 第1線状領域
21b 第2線状領域
22 親水化剤
23 疎水性領域
3 裏面シート
4 吸収体
5 粘着部
6 エンボス部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性繊維を主体として構成された不織布からなる吸収性物品の表面シートであって、
肌当接面に、親水化剤が施された親水性領域と該親水性領域に周囲を囲まれた多数の疎水性領域が形成されており、前記表面シートにおける前記親水性領域を有する部分は、非肌当接面側の親水度が肌当接面側の親水度より低くなっている、吸収性物品の表面シート。
【請求項2】
前記親水性領域は、線状に形成されており、線と線の交点が、肌当接面の一方向及びその直交方向に分散した状態に多数形成されている、請求項1記載の吸収性物品の表面シート。
【請求項3】
前記疎水性領域の面積が、表面シートの表面積に対して60〜90%である、請求項1又は2記載の吸収性物品の表面シート。
【請求項4】
肌当接面側にエンボス部が形成されており、該エンボス部に前記親水化剤が施されて前記親水性領域が形成されている、請求項1〜3の何れかに記載の吸収性物品の表面シート。
【請求項5】
請求項1〜4の何れかに記載の吸収性物品の表面シート、裏面シート及びこれら両シート間に位置する吸収体を備えた吸収性物品。
【請求項6】
請求項2に記載の吸収性物品の表面シートを具備し、実質的に縦長の形状を有しており、前記表面シートの前記親水性領域が、吸収性物品の長手方向と平行な線状部分を有しない、請求項5記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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