説明

吸収性物品の製造方法

【課題】フラップ部形成シートにおける、接着剤や粘着剤が塗布される部位の平滑性が高く、フラップ部形成シートの他の部材に対する接合強度やフラップ部の着衣に対する止着強度が実用上十分な範囲にある吸収性物品を、フラップ部の材料ロスを極力発生させずに製造し得る、吸収性物品の製造方法を提供すること。
【解決手段】本発明の吸収性物品の製造方法は、フラップ部形成シート原反60’における、接着剤及び粘着剤それぞれの配置予定位置に、熱可塑性樹脂を含む流動体を塗布・乾燥して、フラップ部形成シート原反60’上に樹脂層54,55を形成する樹脂層形成工程と、樹脂層54,55が形成され且つフラップ部6の形状を有するフラップ部形成シート60を、樹脂層54上の接着剤64を介して吸収性本体5の構成部材に接合するフラップ部形成シート接合工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生理用ナプキン、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等の吸収性物品の製造方法に関し、特にフラップ部(ウイング部、ヒップガード)を有する吸収性物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品は、一般に、表面シートと裏面シートとの間に吸収体が介在された吸収性本体を含んで構成されている。また、吸収性物品に、下着等の着衣への止着性や漏れ防止性を向上させること等を目的として、吸収性本体の両側縁から幅方向外方に延出した一対のフラップ部(ウイング部、ヒップガードなどとも呼ばれる)を設けることも行われており、フラップ部の形成方法として、表面シートや裏面シート等の原反とは異なる原反から、フラップ部の形状あるいはフラップ部に近い形状を有する、フラップ部形成シートを形成し、そのフラップ部形成シートを、表面シートや裏面シート等の吸収性本体の構成材料と接合し、吸収性本体の両側部に固定する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
フラップ部を有する吸収性物品に関し、例えば特許文献2には、フラップ部を、不織布のみからなる第1領域と、該第1領域に対して該吸収性物品の幅方向の外側に設けられ且つ不織布及び該不織布よりも平滑なフラップ部用裏面シート(例えばフィルム状のシート)からなる第2領域とから構成することが記載されている。特許文献2に記載の吸収性物品は、斯かるフラップ部の構成によりフラップ部の剛性が高く、そのため、吸収性物品を下着に装着する際にフラップ部を折り返し易く、且つフラップ部における柔軟性及び通気性が高いとされている。
【0004】
また、特許文献2には、特許文献2に記載の吸収性物品の製造方法として、フラップ部の形状を有していない帯状のフラップ部の連続体(フラップ部形成シート)を具備する、吸収性物品の連続体を製造し、該吸収性物品の連続体を、目的とする吸収性物品の形状となるように切断する工程を含む製造方法が記載されている。図7(a)及び図7(b)には、それぞれ、特許文献2に記載の吸収性物品の製造方法で得られる製造中間品である、吸収性物品の連続体90A,90Bが示されている。吸収性物品の連続体90A,90Bは、何れも、長尺帯状の吸収性本体の連続体91と、該連続体91の左右両側に接合された長尺帯状のフラップ部の連続体(フラップ部形成シート)92とから構成されており、最終的に図9中符号Pで示す吸収性物品の形状となるように切断される。吸収性物品の連続体90Aにおけるフラップ部の連続体92は、図7(a)に示すように、基材シート(不織布)の連続体93の一面にフラップ部用裏面シートの連続体94aを貼り合わせることにより形成されており、また、吸収性物品の連続体90Bにおけるフラップ部の連続体92は、図7(b)に示すように、基材シート(不織布)の連続体93の一面におけるフラップ部形成位置及びその近傍に枚葉のフラップ部用裏面シート94bを接合することにより形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−248774号公報
【特許文献2】特開2010−88822号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献2に記載されているように、フラップ部が不織布の如き比較的表面平滑性の低いシート材を含んで構成されている場合、フラップ部における表面平滑性の低いシート材に、該フラップ部を他の部材に接合するための接着剤や着衣に止着させるための粘着剤を塗布すると、該シート材の接着剤や粘着剤の被塗布性が低いため、これらの剤が該シート材に十分に塗布されず、そのため、フラップ部の他の部材に対する接合強度の低下やフラップ部の着衣に対する止着強度の低下を招くおそれがある。
【0007】
また、フラップ部を有する吸収性物品の製造方法に関し、特許文献2に記載されているように、フラップ部の形状を有していない帯状のフラップ部の連続体92を、吸収性本体の連続体91の両側部に接合後、こうして得られた吸収性物品の連続体90A,90Bを、フラップ部の形状を有するように図7中符号Pで示す吸収性物品の形状に沿って切断すると、図7中符号Qで示す部位におけるフラップ部を除く部位が、切除されて廃棄されることになり、フラップ部の材料ロスが多量に発生するという問題がある。
【0008】
また、基材シートとフラップ部用裏面シートとの積層体を含んで構成されるフラップ部形成シートの製造に関し、特許文献2に記載されているように、長尺帯状の基材シート(不織布)の連続体における所定部位に、長尺帯状のフラップ部用裏面シートの連続体を貼り合わせてフラップ部形成シートを得る場合、両連続体の走行中に生じる蛇行、あるいは各連続体について個別に実施される蛇行修正によって、基材シートの所定部位にフラップ部用裏面シートの連続体を精度良く貼り合わせることが難しく、最終製品においてフラップ部用裏面シートの接合位置にズレが生じるおそれがある。
【0009】
また、例えば、基材シートの連続体の長手方向に沿う両側縁部それぞれに、フラップ部用裏面シートの連続体を、両連続体の長手方向に沿う側縁が一致するように貼り合わせる場合、両連続体の走行中の蛇行等によってそのような連続体どうしの高精度の貼り合わせが困難であることに鑑み、基材シートの連続体の両側縁部それぞれに、フラップ部用裏面シートの連続体を、該基材シートの連続体の側縁を幅方向に跨ぐように貼り合わせる方法が考えられるが、そのような方法では、フラップ部用裏面シートの連続体における、基材シートの連続体の側縁から外方に延出した部分は、最終的に切除されて廃棄されるため、フラップ部の材料ロスを低減することはできない。
【0010】
従って、本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る吸収性物品の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、縦長の吸収性本体及び該吸収性本体の側縁から延出するフラップ部を有し、該フラップ部が、該吸収性本体の構成部材とは別体のフラップ部形成シートを、該吸収性本体の側部に接着剤を介して接合して形成されており、該フラップ部における、該吸収性本体の側縁からの延出部に、該フラップ部を着衣に止着する粘着剤が配されている、吸収性物品の製造方法であって、前記フラップ部形成シートにおける、前記接着剤及び前記粘着剤それぞれの配置予定位置に、熱可塑性樹脂を含む流動体を塗布して、該フラップ部形成シート上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、前記樹脂層が形成され且つ前記フラップ部の形状を有する前記フラップ部形成シートを、該樹脂層上の前記接着剤を介して前記吸収性本体の構成部材に接合するフラップ部形成シート接合工程とを有する、吸収性物品の製造方法を提供することにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、フラップ部が吸収性本体の構成部材とは別体のフラップ部形成シートから構成される吸収性物品で、フラップ部形成シートにおける、接着剤や粘着剤が塗布される部位の表面平滑性が高く、フラップ部形成シートの他の部材に対する接合強度やフラップ部の着衣に対する止着強度が実用上十分な範囲にある吸収性物品を、フラップ部の材料ロスを極力発生させずに製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の製造方法の実施によって製造される吸収性物品の一例である生理用ナプキンを、表面シート側から見た平面図である。
【図2】図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、図1に示す生理用ナプキンを裏面シート側から見た平面図である。
【図4】図4(a)〜図4(c)は、それぞれ、本発明の吸収性物品の製造方法の一実施態様の工程の概略を順次説明する平面図である。
【図5】図5(a)〜図5(c)は、それぞれ、図4に示す工程の続きを順次説明する平面図である。
【図6】図6は、本発明の吸収性物品の製造方法に係る樹脂層形成工程の実施に使用可能な装置の概略斜視図である。
【図7】図7(a)及び図7(b)は、それぞれ、従来の吸収性物品の製造方法で得られる製造中間品を裏面シート側から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の吸収性物品の製造方法の好ましい一実施態様について、図面を参照しながら説明する。図1〜図3には、本実施態様の吸収性物品の製造方法で製造される吸収性物品の一例である生理用ナプキン1が示されている。先ず、生理用ナプキン1(以下、ナプキン1ともいう)について説明する。
【0015】
ナプキン1は、図1〜図3に示すように、一方向Xに長い縦長の吸収性本体5及び該吸収性本体5の本体長手方向Xに沿う両側縁51,51から延出する一対のフラップ部6,6を有する。一対のフラップ部6,6は、それぞれ、吸収性本体5の構成部材(後述する表面シート2、裏面シート3及び吸収体4)とは別体のフラップ部形成シート60を、吸収性本体5の本体長手方向Xに沿う側部に、接着剤64(図2参照)を介して接合して形成されている。
【0016】
更に説明すると、ナプキン1は、図1及び図3に示すように、本体長手方向Xに、左右両側方にフラップ部6,6を有する中央部Aと、ナプキン1の着用時に中央部Aよりも着用者の腹側に配される前方部Bと、ナプキン1の着用時に中央部Aよりも着用者の背中側に配される後方部Cとに区分される。中央部Aは、一対のフラップ部6,6及び該一対のフラップ部6,6に挟まれた部位からなり、ナプキン1の着用時には、吸収性本体5における該一対のフラップ部6,6に挟まれた部位の肌対向面側が、着用者の液排出部(膣口等)に対向配置される。
【0017】
吸収性本体5は、図1〜図3に示すように、吸収性本体5の肌対向面を形成する、液透過性の表面シート2、吸収性本体5の非肌対向面を形成する、液不透過性又は撥水性の裏面シート3、及びこれら両シート2,3間に配された液保持性の吸収体4を具備しており、吸収性本体5の構成部材は、表面シート2、裏面シート3及び吸収体4である。表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、何れも、本体長手方向Xに長い縦長の形状を有している。表面シート2及び裏面シート3と吸収体4との間は、それぞれ、ホットメルト型接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段により接合されていても良い。
【0018】
尚、本明細書において、長手方向は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその構成部材(例えば吸収性本体)の長辺に沿う方向であり、幅方向は、該長手方向と直交する方向である。図中、符号Xで示す方向は、ナプキン1(吸収性本体5)の長手方向(本体長手方向)であり、符号Yで示す方向は、ナプキン1(吸収性本体5)の幅方向(本体幅方向)である。また、肌対向面は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその構成部材における、吸収性物品(生理用ナプキン)の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌対向面は、吸収性物品(生理用ナプキン)又はその構成部材における、吸収性物品(生理用ナプキン)の着用時に肌側とは反対側(着衣側)に向けられる面である。
【0019】
表面シート2及び裏面シート3は、それぞれ、図1に示すように、中央部A、前方部B及び後方部Cの全域において、吸収性本体5の輪郭と一致する輪郭を有している。表面シート2及び裏面シート3は、吸収性本体5の本体長手方向Xに沿う両側部においては、それぞれ、吸収体4の本体長手方向Xに沿う両側縁から本体幅方向Yの外方に延出しており、それらの延出部においてホットメルト型接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合加工により接合されて、後述する接合部11又は12を形成している。また、表面シート2及び裏面シート3の本体幅方向Yに沿う両端部は、それぞれ、吸収体4の本体幅方向Yに沿う両端部から本体長手方向Xの外方に延出し、それらの延出部において公知の接合加工により接合されて、後述する接合部12を形成している。
【0020】
吸収性本体5の非肌対向面(裏面シート3の非肌対向面3b)には、図2及び図3に示すように、吸収性本体5を、ショーツ等の着衣のクロッチ部の肌対向面に止着するための本体粘着剤56が形成されている。本体部粘着剤56は、図3に示すように、平面視して本体長手方向Xに延びる連続直線状を有しており、本体幅方向Yに所定間隔を置いて複数本形成されている。本体粘着剤56は、公知の粘着剤を吸収性本体5の非肌対向面の所定箇所に塗布することにより形成されており、ナプキン1の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる図示しない剥離シートによって被覆されている。
【0021】
フラップ部6は、図1〜図3に示すように、吸収性本体5の構成部材(表面シート2、裏面シート3及び吸収体4)とは別体のフラップ部形成シート60を、吸収性本体5側に位置する内側縁61側が、表面シート2と裏面シート3との間に固定され、外側縁62側が、吸収性本体5の側縁51(表面シート2の本体長手方向Xに沿う側縁及び裏面シート3の本体長手方向Xに沿う側縁)よりも本体長手方向Xの外方に延出するように、吸収性本体5に固定して形成されている。フラップ部形成材60は、図1及び図3に示すように、本体幅方向Yの中央側に配される内側縁61が、本体長手方向Xに沿って延びる直線状をなしており、本体幅方向Yの外方側に配される外側縁62が、ナプキン1の輪郭に一致する形状を有しており、その長さ方向(本体長手方向X)の中央部が外方に突出した形状を有している。
【0022】
フラップ部形成材60は、図2に示すように、吸収性本体5内において接着剤64によって裏面シート3に接合されていることに加えて、図1及び図3に示すように、フラップ部6の付け根63及びその近傍において、ホットメルト型接着剤、ヒートシール、超音波シール等の接合加工によって表面シート2及び裏面シート3に接合されており、付け根63及びその近傍には、これら3つの部材2,60,3が互いに接合された接合部11が形成されている。ナプキン1においては、これら3つの部材2,60,3を互いに接合させる方法として、接合加工の1種である融着加工が採用されている。融着加工は、表面シート2等の被融着材に含まれる合成樹脂を溶融固化させて、複数の被融着材が融着した融着部を形成させる公知の接合加工である。尚、フラップ部6の付け根63は、吸収性本体5の側縁部(吸収性本体5の側縁51及びその近傍)とフラップ部6の周縁部(フラップ部6の周縁及びその近傍)との連接部及びその近傍であり、ナプキン1の周縁部における、吸収性本体5からフラップ部6に続く部位である。
【0023】
接合部11は、ナプキン1の周縁部における、表面シート2、フラップ部形成材60及び裏面シート3が互いに接合(融着)された部位であり、同じくナプキン1の周縁部に形成された接合部12と共に、ラウンドシール部を形成している。接合部12は、吸収性本体5の周縁部でフラップ部形成材60が存していない部位における、部材どうしが互いに接合(融着)されて形成されており、接合部12においては、表面シート2と裏面シート3とが接合(融着)されている。また、フラップ部6におけるフラップ部形成材60のみからなる部位(表面シート2及び裏面シート3が存していない部位)の周縁部には、接合部11,12を形成した接合加工(融着加工)の被加工部が形成されている。
【0024】
フラップ部6における、吸収性本体5の側縁51からの延出部の非肌対向面には、図2及び図3に示すように、フラップ部6を、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面に止着するためのフラップ部粘着剤65が形成されている。フラップ部粘着剤65は、図3に示すように、平面視して矩形形状を有している。フラップ部粘着剤65は、公知の粘着剤をフラップ部6の非肌対向面の所定箇所に塗布することにより形成されており、ナプキン1の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる剥離シート66〔図5(c)参照〕によって被覆されている。
【0025】
ナプキン1の主たる特長の1つとして、図2及び図3に示すように、フラップ部形成シート60と吸収性本体5の構成部材(裏面シート3)とを接合する接着剤64、及びフラップ部6を着衣に止着するフラップ部粘着剤65が、それぞれ、フラップ部形成シート60の一面(非肌対向面)上に形成された樹脂層54,55上に形成されている点が挙げられる。樹脂層54,55は、後述するように、熱可塑性樹脂を含む流動体を塗布して得られるものであり、通常表面平滑性の低い不織布からなる、フラップ部形成シート60の他の部位に比して、表面平滑性が高く流動体の被塗布性に優れる。従って、このような表面平滑性の高い樹脂層54,55上に接着剤64やフラップ部粘着剤65を塗布することにより、これらの剤の必要量をムラ無く均一に塗布することが可能となり、フラップ部形成シート60の他の部材(裏面シート3)に対する接合強度の向上及びフラップ部6の着衣に対する止着強度の向上が期待できる。
【0026】
図3に示すように、樹脂層54は、フラップ部形成シート60における吸収性本体5との重複部分(表面シート2と裏面シート3との間に挟持されている部分)の略全域に形成されており、また樹脂層55は、フラップ部形成シート60における、吸収性本体5の側縁51からの延出部の非肌対向面に、該フラップ部形成シート60(フラップ部6)の本体長手方向Xの全長に亘って形成されており、何れの樹脂層54,55も、平面視して本体長手方向Xに延びる直線状である。そして、接着剤64は、樹脂層54上に該樹脂層54よりも幅狭に形成されており、フラップ部粘着剤65は、樹脂層55上に該樹脂層55よりも幅狭に形成されている。尚、図示していないが、接着剤64は、公知の接着剤を樹脂層54の本体長手方向Xの略全長に亘って塗布して形成されている。
【0027】
樹脂層54,55の形成材料としては、フラップ部形成シート60に対し熱接着可能な可撓性を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられ、このような熱可塑性樹脂として、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、樹脂層54,55の塗布厚み(乾燥状態での塗布厚み)は、それぞれ、好ましくは0.01〜0.5mm、更に好ましくは0.05〜0.3mmである。
【0028】
ナプキン1における各部の形成材料について説明すると、表面シート2、裏面シート3、吸収体4としては、生理用ナプキン等の吸収性物品において従来用いられている各種の材料を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、単層又は多層構造の不織布や、開孔フィルム等を用いることができる。裏面シート3としては、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルムや樹脂フィルムと不織布の積層体等を用いることができる。吸収体4としては、パルプ繊維等の繊維の集合体(不織布であっても良い)又はこれに吸水性ポリマーの粒子を保持させてなる吸収性コアを、透水性の薄紙や不織布からなるコアラップシートで被覆したものや、各種公知のポリマーシート等を用いることができる。
【0029】
フラップ部形成材60としては、単層又は多層の不織布、紙、不織布及び/又は紙と樹脂フィルムとの積層体等を用いることができる。これらの材料のなかでも、通気性や柔軟性の観点から、不織布が好ましく用いられる。本実施形態のナプキン1においては、前述したように、フラップ部形成材60の所定部位に表面平滑性の高い樹脂層54,55が形成され、該樹脂層54,55上に接着剤64及びフラップ部粘着剤65が配置されるため、フラップ部形成材60自体が表面平滑性の低いものであっても、接着剤64及びフラップ部粘着剤65を安定して配置することができる。フラップ部形成材60として使用可能な単層の不織布としては、例えば、スパンボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、ニードルパンチ不織布等が挙げられ、多層の不織布としては、スパンボンド−メルトブロー複合不織布(SM)や、スパンボンド−メルトブロー−スパンボンド複合不織布(SMS)等が挙げられる。不織布及び/又は紙と樹脂フィルムとの積層体における、不織布及び/又は紙と樹脂フィルムとの間は、溶融樹脂をフィルムに塗工した後固化させて一体化されていても良いし、ホットメルト型接着剤等の接着剤を介して接合されていても良い。
【0030】
粘着剤56、65及び接着剤64その他のナプキン1に用いられる接着剤の好ましい材料としては、非晶性ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EEA)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)などの熱可塑性ポリマー及びそれらの混合物等が挙げられる。
【0031】
次に、本発明の吸収性物品の製造方法を、前述したナプキン1の製造方法を例にとり、図面を参照しながら説明する。図4及び図5には、本実施態様の吸収性物品の製造方法の工程の概略が示されている。本実施態様のナプキン1の製造方法は、以下の各工程P1〜P5を有している。
【0032】
(1)樹脂層形成工程P1:フラップ部6の形状を有していない長尺帯状のフラップ部形成シート60’(フラップ部形成シート60の原反)における、接着剤64及びフラップ部粘着剤65それぞれの配置予定位置に、熱可塑性樹脂を含む流動体を塗布して、フラップ部形成シート60’上に樹脂層54,55を形成する〔図4(a)参照〕。
(2)フラップ部形成シート切断工程P2:フラップ部6の形状を有していない長尺帯状のフラップ部形成シート60’を、フラップ部6の形状を有するように切断して、枚葉のフラップ部形成シート60を得る〔図4(b)及び図4(c)参照〕。
【0033】
ここで、「熱可塑性樹脂を含む流動体」は、接着剤64及びフラップ部粘着剤65に隣接して(他の層を介在させずに)積層される、樹脂層54,55の形成材料を含む塗布液であり、後述するアンカーコート剤(樹脂層54,55とシート60’との間に介在配置されるアンカーコート層の形成材料を含む塗布液)を含まない。本発明においては、アンカーコート層の形成は必須ではない。
【0034】
(3)フラップ部形成シート接合工程P3:樹脂層54,55が形成され且つフラップ部6の形状を有するフラップ部形成シート60を、樹脂層54上の接着剤64(吸収性本体5とフラップ部形成シート60とを接合する接着剤)を介して吸収性本体5の構成部材(裏面シート3の原反30)に接合して、フラップ部6を有する本体中間体連続体10を得る〔図5(a)参照〕。
(4)吸収性本体形成工程P4:本体中間体連続体10に、前記工程P3で使用していない、吸収性本体5の他の構成部材(吸収体4、表面シート2の原反)を順次合流させて一体化してナプキン連続体を得、該ナプキン連続体を所定長さに切断して、吸収性本体5及びフラップ部6を有するナプキン中間体1’を得る〔図5(b)参照〕。
(5)フラップ部粘着剤配置工程P5:ナプキン中間体1’における一対のフラップ部6,6を吸収性本体5の表面シート2側に折り曲げ、折り曲げられた両フラップ部6,6それぞれの非肌対向面に形成されている樹脂層55上に、フラップ部粘着剤65が予め塗布された剥離シート66を、フラップ部粘着剤65と樹脂層55とが重なるように配置する〔図5(c)参照〕。
【0035】
図6には、樹脂層形成工程P1の実施に使用可能な装置70(ラミネート装置)が示されている。装置70は、ナプキン1の製造装置の一部であり、装置70による樹脂層形成工程は、インラインで実施される。装置70は、フラップ部形成シート60’に樹脂層54,55を形成する手段として、ダイヘッド73を有する熱可塑性樹脂の溶融押出し機74を備え、また、樹脂層54,55の下方にアンカーコート層(図示せず)を形成する手段として、ダイヘッド73のMD(Machine Direction)の前段に塗布部71及び乾燥部72を備えている。樹脂層54,55の形成に先立ってその形成面(樹脂層形成面)にアンカーコート層を形成することにより、樹脂層形成面の平滑性、被塗布性が向上し、これにより樹脂層54,55がより確実に形成されるようになる。アンカーコート層は、樹脂層形成面の全域に形成しても良く、樹脂層形成面における樹脂層が形成される位置(接着剤64及び粘着剤65それぞれの配置予定位置)のみに選択的に形成しても良い。
【0036】
前記アンカーコート層を形成するアンカーコート剤としては、例えば、ポリアリルアミン共重合体、ポリエチレンイミン、ワニス等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、前記アンカーコート層の乾燥状態での厚みは、好ましくは0.005〜5μm、更に好ましくは0.05〜0.5μmである。アンカーコート剤を塗布する塗布部71及び乾燥部72としては、この種の塗工装置で採用されている公知のものを特に制限無く用いることができる。
【0037】
装置70を用いた樹脂層形成工程P1では、図6に示すように、先ず、ロール状に巻回された、フラップ部6の形状を有していない長尺帯状のフラップ部形成シート60’を巻き出し、塗布部71にて、シート60’の一面(樹脂層形成面)にアンカーコート剤(図示せず)を塗布した後、シート60’を乾燥部72に導入してアンカーコート剤を乾燥させて、シート60’の該一面上にアンカーコート層(図示せず)を形成する。
【0038】
次いで、走行中のフラップ部形成シート60’における、接着剤64及びフラップ部粘着剤65それぞれの配置予定位置の前記アンカーコート層上に、ダイヘッド73から熱可塑性樹脂75を溶融押出しし、次いで、押出された溶融状態の熱可塑性樹脂75が付与されたシート60’を、冷却ロール76とニップロール77との間隙を通過させて引き取る。溶融状態の熱可塑性樹脂75は、冷却ロール75を通過することによって、冷却・固化されて樹脂層54,55となる。こうして、熱可塑性樹脂75をシート60’に熱接着ラミネートして、図4(a)に示すように、フラップ部形成シート60’上に熱可塑性樹脂75からなる樹脂層54,55を形成する。
【0039】
続くフラップ部形成シート切断工程P2では、図4(b)に示すように、フラップ部6の形状を有していない長尺帯状のフラップ部形成シート60’を、図示しない公知のカッター機構により、その長手方向(MD)に沿って延びる波線状の切断線Sにて、フラップ部6の形状を有するように切断し、フラップ部中間体6’が長手方向に連続した一対のフラップ部中間体連続体61’,61’を形成する。切断線Sは、MDに沿って延び、且つシート60’の幅方向(CD;Cross machine Direction)中央部に位置しMDに沿って延びる直線状の樹脂層55を、CDに一定のピッチで跨ぐように蛇行している。形成された直後の一対のフラップ部中間体連続体61’,61’の長手方向位置は、半ピッチ分ずれている。ここで、「1ピッチ」は、1つのフラップ部中間体連続体61’における、長手方向(MD)に互いに隣接するフラップ部中間体6’,6’の中心線の間隔である。
【0040】
更に、フラップ部形成シート切断工程P2では、一対のフラップ部中間体連続体61’,61’を、その搬送経路において、図示しない位置調整機構により、一方のウイング中間体連続体61’の長手方向位置を他方のウイング中間体連続体61’の長手方向位置に対して相対的に半ピッチ分ずらし、他方のウイング中間体連続体61’との位相を合わせ、然る後、各ウイング中間体連続体61’を、図示しない公知のカッター機構により、その長手方向(MD)に所定長さで切断して、図4(c)に示す如き枚葉のフラップ部形成シート60を得る。
【0041】
続くフラップ部形成シート接合工程P3では、図5(a)に示すように、吸収性本体5の構成部材である長尺帯状の裏面シート3の原反(裏面シート原反30)を走行させ、走行中の裏面シート原反30の一面(肌対向面)の左右両側縁部の所定部位に接着剤64を塗布しておき、この接着剤64の塗布部に、樹脂層54,55が形成され且つフラップ部6の形状を有する枚葉の一対のフラップ部形成シート60,60それぞれの該樹脂層54を重ね合わせる。これにより、樹脂層54上に接着剤64が配置される。こうして、一対のフラップ部形成シート60,60それぞれが樹脂層54上の接着剤64を介して裏面シート原反30に接合され、一対のフラップ部6,6を有する本体中間体連続体10が得られる。
【0042】
続く吸収性本体形成工程P4では、前記工程P3で得られた本体中間体連続体10における裏面シート原反30上に、複数の吸収体4をMDに所定間隔を置いて配置し、更に、吸収体4の上方から長尺帯状の表面シート原反(図示せず)を合流させて、接合手段等で一体化してナプキン連続体を得る。裏面シート原反30における、吸収体4の配置予定位置には接着剤が予め塗布されており、該配置予定位置に吸収体4を配置することにより、該接着剤を介して吸収体4が裏面シート3に接合される。次いで、前記ナプキン連続体に、最終製造物であるナプキン1の輪郭に沿ってホットメルト型接着剤、ヒートシール、超音波シール等の接合加工を施して該表面シート原反と裏面シート原反30とを接合し、ナプキン1(吸収性本体5)の周縁部を構成するラウンドシール部としての接合部11,12(図1及び図3参照)を形成する。接合加工後、前記ナプキン連続体を所定長さに切断して、図5(b)に示す如き、吸収性本体5及びフラップ部6を有するナプキン中間体1’を得る。ナプキン中間体1’には、フラップ部粘着部65が配置されていない。尚、前記ナプキン連続体の切断は、続くフラップ部粘着剤配置工程P5において樹脂層55上にフラップ部粘着剤65を配置した後に実施しても良く、その場合、ナプキン中間体1’は、図5(b)に示す如き枚葉ではなく、長尺帯状の連続体である。
【0043】
続くフラップ部粘着剤配置工程P5では、図5(c)に示す如く表面シート2側に折り曲げられた一対のフラップ部6,6それぞれの非肌対向面における樹脂層55上に、ナプキン中間体1’とは別体の1枚の剥離シート66に塗布されたフラップ部粘着剤65を重ね合わせて、該剥離シート66を一対のフラップ部6,6に固定する。これにより、樹脂層55上にフラップ部粘着剤65が配置される。こうして、ナプキン中間体1’にフラップ部粘着剤65が配置されて、目的とするナプキン1が得られる。
【0044】
尚、本体部粘着剤56の吸収性本体5への配置も、前述した、フラップ部粘着剤65の配置と同様に実施することができ、また、本体部粘着剤56の配置のタイミングは、特に制限されず、例えばフラップ部粘着剤配置工程P5において、フラップ部粘着剤65の配置と略同時でも良い。ナプキン1は、通常、図5(c)に示すフラップ部6,6の折り曲げ状態から、吸収性本体5が長手方向に折り曲げられて2つ折りあるいは3つ折りされ、更に、所定箇所を融着されて、ナプキン1の個装体とされる。
【0045】
前述した本実施態様のナプキン1の製造方法によれば、フラップ部形成シート60’(フラップ部形成シート60の原反)における、接着剤64及びフラップ部粘着剤65の配置予定位置それぞれに、表面平滑性の高い樹脂層54,55を形成しているため、仮に、フラップ部形成シート60’が不織布の如き比較的表面平滑性の低いシート材を含んで構成されている場合であっても、該フラップ部形成シート60’における接着剤64及びフラップ部粘着剤65の配置予定位置は、樹脂層54,55によって表面平滑性が高められており、そのため、該配置予定位置には、所定量の接着剤64やフラップ部粘着剤65がムラ無く均一に配置される。従って、ナプキン1は、フラップ部形成シート60の接着剤64を介しての他の部材(裏面シート3)に対する接合強度、及びフラップ部6のフラップ部粘着剤65を介しての着衣に対する止着強度が、何れも実用上十分なレベルにあり、本実施態様のナプキン1の製造方法によれば、このような特長を有するナプキン1を、安定して製造することができる。
【0046】
また、本実施態様のナプキン1の製造方法によれば、フラップ部6を吸収性本体5の構成部材(表面シート2、裏面シート3、吸収体4)とは別体のフラップ部形成シート60から構成しているため、従来のように、フラップ部6を表面シート2及び/又は裏面シート3から構成している場合に比して、吸収性本体5の構成部材の材料ロスを低減することができる。
【0047】
また、本実施態様のナプキン1の製造方法によれば、フラップ部形成シート60’上の樹脂層54,55を、該シート60’への熱可塑性樹脂を含む流動体の塗布・乾燥により形成しているため、フラップ部の材料ロスを低減し且つフラップ部形成シート60の所定位置に樹脂層54,55を精度良く形成することができる。また、このような、流動体の塗布・乾燥による樹脂層54,55の形成を採用した、本実施態様のナプキン1の製造方法は、例えば特許文献2に記載されているように、長尺帯状の連続体どうし(フラップ部形成シートの連続体と熱可塑性樹脂シートの連続体)を貼り合わせる方法に比して、また、熱可塑性樹脂シートの連続体を繰り出すための装置が不要であるため、製造装置が比較的省スペースで済み、更に、連続体どうしの貼り合わせで懸念される連続体のヨレの心配が無い。
【0048】
また、本実施態様のナプキン1の製造方法によれば、装置70(ラミネート装置)による樹脂層形成工程P1が、ナプキン1の製造ラインの一部となっていてインラインで実施されるため、特許文献2に記載されているように、ナプキンの製造ラインとは別のラインでシート状の樹脂層(ラミネート原反材料)を別途形成し、該ラミネート原反材料をナプキン中間体に貼り合わせる場合に比して、所望の箇所に樹脂層54,55を高精度で配置することができ、また、より安価にフラップ部形成シート(ナプキン)を得ることができ、更には、そのようなラミネート原反材料の貼り合わせでは困難な、樹脂層の分割配置(樹脂層54,55のように、シートの複数の箇所に樹脂層を設けること)が可能になる。
【0049】
以上、本発明をその好ましい実施態様に基づき説明したが、本発明は前記実施態様に制限されない。例えば、樹脂層54,55を形成する材料となる、熱可塑性樹脂を含む流動体は、層(薄膜)を形成できるものであれば、溶融状態の熱可塑性樹脂に制限されず、例えば熱可塑性樹脂を含むエマルションであっても良い。
【0050】
また、前記実施態様では、フラップ部形成シート60の内側縁61側の非肌対向面(裏面シート3との対向面)に樹脂層54を設け、該樹脂層54上の接着剤64を介してフラップ部形成シート60を裏面シート3に接合していたが、樹脂層54及び接着剤64に代えて、内側縁61側の肌対向面(表面シート2との対向面)に、樹脂層及び接着剤(以下、両者を合わせて、表面シート側接合手段という)を設け、該樹脂層上の該接着剤を介してフラップ部形成シート60を表面シート2に接合しても良く、あるいは、樹脂層54と接着剤64との組み合わせ及び前記表面シート側接合手段の両方を採用して、フラップ部形成シート60を表面シート2及び裏面シート3の両方に接合しても良い。
【0051】
また、前記実施態様では、フラップ部形成シート60の内側縁61側は、表面シート2と裏面シート3との間に挟持固定されていたが、1)表面シート2の肌対向面2a上に接着剤を介して接合されていても良く、あるいは2)裏面シート3の非肌対向面3b上に接着剤を介して接合されていても良い。前記1)の場合は、前記実施態様と同様に、接着剤に対応する樹脂層とフラップ部粘着剤に対応する樹脂層とが、何れもフラップ部形成シートの同一面(非肌対向面)上に配置されるが、前記2)の場合は、接着剤に対応する樹脂層が、フラップ部形成シートの肌対向面上に配置され、フラップ部粘着剤に対応する樹脂層が、フラップ部形成シートの非肌対向面上に配置される。
【0052】
また、表面シート2として、全域が液透過性のものに代えて、液透過性の中央シートの両側それぞれに、撥水性の不織布からなるサイドシートが連結した構成の複合シートを用いることもできる。また、フラップ部6の形成位置は、ナプキン1の中央部A、即ち着用者の液排出部に対向配置される部位(排泄部対向部)に制限されず、例えば後方部Cであっても良く、いわゆるヒップガード等とも呼ばれるものも、本発明に係るフラップ部に含まれる。また、本発明に係る吸収性物品は、生理用ナプキンの他、パンティライナー(おりものシート)、失禁パッド等であっても良い。
【符号の説明】
【0053】
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
5 吸収性本体
54,55 樹脂層
56 本体部粘着剤
6 フラップ部
60 フラップ部形成シート
60’ フラップ部形成シートの原反
64 接着剤
65 フラップ部粘着剤
A 中央部
B 前方部
C 後方部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長の吸収性本体及び該吸収性本体の側縁から延出するフラップ部を有し、該フラップ部が、該吸収性本体の構成部材とは別体のフラップ部形成シートを、該吸収性本体の側部に接着剤を介して接合して形成されており、該フラップ部における、該吸収性本体の側縁からの延出部に、該フラップ部を着衣に止着する粘着剤が配されている、吸収性物品の製造方法であって、
前記フラップ部形成シートにおける、前記接着剤及び前記粘着剤それぞれの配置予定位置に、熱可塑性樹脂を含む流動体を塗布して、該フラップ部形成シート上に樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
前記樹脂層が形成され且つ前記フラップ部の形状を有する前記フラップ部形成シートを、該樹脂層上の前記接着剤を介して前記吸収性本体の構成部材に接合するフラップ部形成シート接合工程とを有する、吸収性物品の製造方法。
【請求項2】
前記樹脂層形成工程において、前記フラップ部の形状を有していない長尺帯状のフラップ部形成シートに前記樹脂層を形成した後、前記フラップ部形成シート接合工程の前に、該長尺帯状のフラップ部形成シートを、前記フラップ部の形状を有するように切断して、枚葉のフラップ部形成シートを得る、請求項1記載の吸収性物品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−75797(P2012−75797A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−226007(P2010−226007)
【出願日】平成22年10月5日(2010.10.5)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】