説明

吸収性物品有効性の判断

仮想吸収性物品の吸収性物品有効性を決定(判断、確認)する方法。方法の工程には、仮想ボディモデルを用意する工程と、仮想吸収性物品モデルを用意する工程と、仮想シミュレーションソフトウェアを用意する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションと仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションとを結び付ける工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの吸収性物品有効性を決定(判断、確認)する工程とが含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想吸収性物品の吸収性物品有効性を決定(判断、確認)する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吸収性物品の設計者が直面している最大の課題の1つは、吸収性物品が使用時にどのように機能するかを理解する必要である。吸収性物品は、一般に、腸及び膀胱制御の不足、月経、及び人体から出てくる他の排泄物を管理するために、人々によって着用される。吸収性物品の着用者は、歩く、這う、座る、自転車に乗る、走る、チームスポーツをする、及びベッドで眠ることを含めた、様々な活動に携わっている。おむつ及び女性ケア製品など、人の身体に近接して着用されるように設計された吸収性物品では、吸収性物品は、使用時に吸収性物品と着用者の身体との間の密接度が変化する複雑な環境で機能しなければならない。吸収性物品と着用者の身体との間の接触だけが使用時に変化するわけではなく、着用者の身体の幾何学形状及び吸収性物品の幾何学形状も変化する。吸収性物品と着用者の身体との間の接触の変化、並びに着用者の身体及び吸収性物品の幾何学形状の変化は、吸収性物品が流体を獲得する能力及び吸収性物品の着用がどのくらい快適であるかに大きな影響を与える可能性がある。
【0003】
吸収性物品はまた、表面の洗浄、表面からの流体の獲得、及び表面の処理にも使用される。これらのタイプの吸収性物品は、一般に、拭き取り用品と呼ばれることがある。女性用拭き取り用品、おむつ拭き取り用品、身体拭き取り用品、トイレットペーパー(toilet tissue)、トイレットペーパー(toilet paper)、ペーパータオル、フェイシャルティッシュ、ハンカチ、表面拭き取り用品、調理台拭き取り用品、及び床拭き取り用品を含め、多種多様な拭き取り用品が市販されている。調理台、床、及びテーブル面などの表面は、実質的に剛性であってよい。室内装飾材料及び動物の体などの表面は、変形可能であってよい。表面は、洗浄助剤又は表面トリートメントがそこから分配される分与物品として吸収性物品を使用することによって、処理されてもよい。吸収性物品が表面を洗浄又は処理するために使用されるときには、吸収性物品は、しばしば、ユーザーによって丸められ、ユーザーの手の平の中に適合するようにいくらか伸ばされ、又はユーザーが拭き取り用品を使用するのを助けるためにデバイスに貼り付けられる。吸収性物品と表面との間の接触は、ユーザーが吸収性物品をどのように使用するか、及び吸収性物品がその上で使用される表面がどのくらい変形するかによって、変わることがある。吸収性物品と吸収性物品がその上で使用される表面との間の接触の密接性は、吸収性物品が表面を洗浄する能力、表面から流体を獲得する能力、及び/又は表面を処理する能力に大きな影響を与える可能性がある。
【0004】
人の身体に近接して着用される吸収性物品は、尿、膣液、及び排便物質を含めた様々な流体を吸収するように設計される。流体は、着用者の体内から移動して吸収性物品内に収容されるが、それには基本的に3つの工程プロセスがある:(1)流体が着用者の身体から出てくる、(2)流体が着用者の身体の表面から吸収性物品の表面へと移動する、(3)吸収性物品が流体を吸収する。流体が着用者の身体の表面を離れて移動するときに吸収性物品が流体を獲得する能力は、吸収性物品にとって重要な性能尺度である。例えば、生理用ナプキンの設計が不十分な場合、女性の膣から出てくる膣液が生理用ナプキンによって獲得されず、女性の外陰部の皮膚にとどまり、女性の不快感をまねく可能性がある。不十分な設計の生理用ナプキンがまねく他の結果は、生理用ナプキンが捕捉できない膣液が移動して、ついにはその膣液が女性の下着又は外側の衣服と接触し、染みを作る可能性があることである。
【0005】
身体に近接した吸収性物品が流体を獲得する能力は、直接的に測定することができる。人体に近接して着用される吸収性物品では、着用者の身体から出てくる流体の量、着用者の身体と接触する流体の量、並びに吸収性物品の表面上及び吸収性物品内の流体の量を精密に測定することには、多くの課題がある。それらの課題としては、測定が実施される人の社会的及び身体的不快感、乳幼児によって着用されるおむつを試験する場合に起こり得る、試験対象者の不順守、並びに測定を実施するために必要な器具の複雑さが挙げられる。他の課題は、表面上及び吸収性物品内の流体の動きを解析する器具が、しばしば、尿、膣液、又は排便物質などの複雑な流体ではなく、きれいな水のような単純な流体に関わる測定を実施するのに最も適していることである。
【0006】
コンピュータモデリングを使用して、人体に対する衣類の共形度(conformance)を解析することができる。モデリングは、典型的には、人体及び衣類の3次元表現を作り出し、衣類が身体に近接して着用されるときの衣類の状態を仮想的に表すことを含む。一部のモデリングソフトウェアは、着用者の身体及び衣類の変形を決定(判断、確認)できるように、身体の動きを考慮し、衣類が身体とどのように動的に相互作用するかについての解析を可能にする。人の身体の近くに着用される吸収性物品は、同じ技術を使用してモデル化することができる。ゆえに、設計者は、様々な使用条件について人の身体に近接して着用される吸収性物品の形状を予測することができる。同じ手法を使用して、表面の洗浄、表面からの流体の獲得、及び表面の処理に使用される吸収性物品がクッション又はテーブルなどの表面とどのように相互作用するかを解析することができる。
【0007】
また、コンピュータモデリングを使用して、吸収性物品中の流体の動きを解析することができる。モデリングは、典型的には、吸収性物品の3次元表現を作り出し、吸収性物品が流体を流体源から獲得する又は流体を分与するときの吸収性物品の状態を仮想的に表すことを含む。吸収性物品における流体の動きを表す方程式を解くために必要な熱心な計算努力により、流体の動きの根本的な物理的原因を扱わない簡易方程式が、時に、より根本に基礎をおいたモデルの代用物として使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
仮想吸収性物品の吸収性物品有効性を決定(判断、確認)するために、身体の形状及び身体に近接して着用される又は身体上で使用される吸収性物品の形状に関するコンピュータモデリングと、身体から吸収性物品の表面への流体の動き又は吸収性物品内の流体の動きのコンピュータモデリングとを結び付ける方法に関して、問題が残っている。この問題を解決するためには、様々な使用条件について身体の表面から吸収性物品の表面への流体移動を定量化する能力が必要である。さらに、仮想吸収性物品の吸収性物品有効性を決定(判断、確認)するために、様々な使用条件について吸収性物品がどのように流体を吸収するかを定量化できることが必要である。最後に、仮想吸収性物品の吸収性物品有効性を決定(判断、確認)できるように、人間の被験者又は物理的測定を伴うことなく様々な使用条件について着用者の身体に近接して着用される吸収性物品の流体バランスを定量化する能力が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
仮想吸収性物品の吸収性物品有効性を決定(判断、確認)する方法が開示される。方法は、仮想ボディモデルを用意する工程と、仮想吸収性物品モデルを用意する工程と、仮想シミュレーションソフトウェアを用意する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションと仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションとを結び付ける工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの吸収性物品有効性を決定(判断、確認)する工程と、を含むことができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程は、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程の前に実施することができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程は、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程の前に実施することができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程とは、時間増分的に交互に、互いに協調して進めることができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想ボディモデルの表面エネルギーを表すパラメータ、仮想吸収性物品モデルの表面エネルギーを表すパラメータ、及び流体表面エネルギーを表すパラメータからなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを含むことができる。
【0010】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品のひずみに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含むことができる。仮想吸収性物品のひずみに応じて変化するパラメータは、多孔度、飽和浸透率、相対浸透率、毛細管圧、非還元性流体飽和、最大流体収容量、毛細管圧と飽和との関係、相対浸透率と毛細管圧との関係、相対浸透率と飽和との関係、及び流体と仮想吸収性物品を構成する仮想材料との間の接触角からなる群から選択することができる。
【0011】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品の部分における流体バランスに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含むことができる。仮想吸収性物品の部分における流体バランスに応じて変化するパラメータは、弾性率、密度、可塑性挙動、及びポアソン比からなる群から選択することができる。
【0012】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品のひずみに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含むことができる。仮想吸収性物品パラメータのひずみに応じて変化する少なくとも1つのパラメータは、弾性率とすることができる。
【0013】
仮想吸収性物品モデルは、1つを超える種類の仮想吸収性材料を含むことができる。仮想吸収性物品モデルは、仮想トップシートと、仮想バックシートと、仮想トップシートと仮想バックシートとの間に配置された仮想吸収性コアと、を含むことができる。仮想吸収性物品モデルは、さらに、仮想下着モデルを含むことができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想ボディモデルを含むことができ、仮想吸収性物品の流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品と仮想ボディモデルとの間の空間的関係を表す少なくとも1つのパラメータを含む。仮想吸収性物品と仮想ボディモデルとの間の空間的関係を表す少なくとも1つのパラメータは、多様なものとすることができる。
【0014】
仮想吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、タンポン、陰唇間パッド、おむつ、及び胸パッドからなる群から選択される吸収性物品を表すことができる。仮想吸収性物品は、女性用拭き取り用品、おむつ拭き取り用品、身体拭き取り用品、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、創傷包帯、ハンカチ、家庭用拭き取り用品、窓拭き取り用品、浴室拭き取り用品、表面拭き取り用品、調理台拭き取り用品、及び床拭き取り用品からなる群から選択される吸収性物品を表すことができる。仮想ボディモデルは、人間を表すことができる。仮想ボディモデルは、家庭の表面(household surface)を表すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】仮想吸収性物品の有効性を決定(判断、確認)する方法のフローチャート。
【図2】仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行するシステムの一実施形態を概略的に描くフローチャート。
【図3】点群の描写。
【図4】2つの定義済みボリュームの略図。
【図5】2つの定義済みボリュームの他の略図。
【図6】メッシュ化された仮想ボディモデルの略図。
【図7】メッシュ化された仮想吸収性物品モデルの略図。
【図8】仮想ボディモデル上に着用された仮想吸収性物品モデルの略図。
【図9】仮想ボディモデルの膣のところに指定された少量の膣液の略図。
【図10】1つを超える種類の材料を含むメッシュ化された仮想吸収性物品モデルの略図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の方法及びシステムは、ボディに近接することが意図された吸収性物品の設計に使用することができる。本明細書で使用するとき、ボディという単語は、一般的な意味で、物理的空間内の知覚可能な物体を指すために使用される。本明細書で使用するとき、単語「ボディ」には動物の身体が含まれており、人間の身体も動物の身体と見なされる。単語「ボディ」にはまた、表面の洗浄、表面からの流体の獲得、及び表面の処理のために吸収性物品がその上で使用される物体が含まれる。ボディには、さらに、室内装飾材料、カーペット、フローリング、調理台、窓、家庭の備品、家庭内部の表面、自動車部品、家庭外部の表面などが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の範囲内の吸収性物品としては、生理用ナプキン、パンティライナー、陰唇間パッド、失禁パッド、タンポン、おむつ、及び胸パッドが挙げられるが、これらに限定されない。本発明の範囲内の他の吸収性物品としてはまた、女性用拭き取り用品、おむつ拭き取り用品、身体拭き取り用品、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、創傷包帯、ハンカチ、家庭用拭き取り用品、窓拭き取り用品、浴室拭き取り用品、表面拭き取り用品、調理台拭き取り用品、及び床拭き取り用品が挙げられ、これらすべてが当該技術分野では一般に拭き取り用品と呼ばれているが、これらに限定されない。吸収性物品としては、衣服、スウェットバンド、アームバンド、及び汗吸収用の衣服が挙げられるが、これらに限定されない。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態のフローチャートを示す。方法の工程は、仮想ボディモデルを用意する工程と、仮想吸収性物品モデルを用意する工程と、仮想シミュレーションソフトウェアを用意する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションと仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションとを結び付ける工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの吸収性物品有効性を決定(判断、確認)する工程と、を含む。方法は、中央演算処理装置と、ディスプレイを含めたグラフィカル・ユーザー・インターフェースと、中央演算処理装置に通信可能に接続されたユーザー・インターフェース選択デバイスと、を含むコンピュータシステム内で実行することができる。
【0018】
仮想ボディモデルを用意する工程、仮想吸収性物品モデルを用意する工程、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程は、米国特許出願第11/072,152号(マツーラ(Macura)ら)に、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する仮想シミュレーションソフトウェアとともに記載されている。仮想製品モデリングに関する他の米国特許出願及び特許としては、11/071917(アナスト(Anast)ら)、11/071919(ルーニー(Looney)ら)、11/071916(アナストら)、11/071918(アナストら)、11/071920(マツーラ(Macura)及びラヴァッシュ(Lavash))、11/072047(ラヴァッシュら)、米国特許第6,810,300号(ウォルトマン(Woltman)ら)、及び米国特許第7,099,734号(ピーパー(Pieper)ら)が挙げられる。
【0019】
仮想ボディモデルを用意する工程、仮想吸収性物品モデルを用意する工程、仮想シミュレーションソフトウェアを用意する工程、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程に関係した要素が、図2に示されるフローチャートに描かれている。
【0020】
仮想ボディモデルを作成するためには、ボディ又はその一部分を画像化することができる。画像から、ボディ又はその一部分をサーフェシングすることができる。サーフェシングは、実際の3Dオブジェクトのコンピュータ生成3次元(3D)画像をレンダリングする技術である。一実施形態では、股部10及び外陰部を含めた成人女性のウエスト部をボディとすることができる。他の実施形態では、人間の乳幼児のウエスト部をボディとすることができ、これは、おむつのモデル化に有用な可能性がある。他の実施形態では、ボディは、革張りされた長椅子のクッションなど、物体の表面の洗浄、物体の表面からの流体の獲得、及び/又は物体の表面の処理のために吸収性物品がその上で使用される物体とすることができる。
【0021】
ボディのサーフェシングは、表面デジタル画像化技術を使用して、ボディの所望の部分の一連の画像を作成することによるボディの一部分の外表面の画像化によるなど、当該技術分野において既知の手段によって達成することができる。あるいは、磁気共鳴映像法(MRI)など、内部部分も捕捉する技術を使用して、ボディの部分をサーフェシングすることもできる。超音波イメージング又はX線イメージングなど、サーフェシングに適した画像を得る他の技術を使用することができる。シルエットキャプチャなどを含めた他の既知の技術もまた、MRIイメージングに必要な体位が重要な目的領域でのボディの歪みを引き起こす状況で有用な可能性がある。
【0022】
MRI画像の解像度は、共形度の解析に利用可能な詳細度を決定することになる。したがって、MRIスキャンは、解析に関連のある特徴を捕捉するために、十分な数の「スライス」を含め、十分な解像度を有するべきである。人の身体に近接して着用される吸収性物品の共形度及び快適性解析では、解剖学的特徴が共形度及び快適性と関連していることがある。用語「スライス」は、MRIスキャンに関するその通常の意味で使用されており、MRIイメージングによって作り出される2次元画像を意味する。一実施形態では、成人女性のウエスト部の冠状スライスが、GEメディカル・システムズ・ジェネシス・シグマ1.5エコー・スピードLX MRI(GE Medical Systems Genesis Sigma 1.5 Echo Speed LX MRI)ユニットを使用して2mm(1:1スケール)増分解像度で画像化された。データ出力は、さらなる評価及び解析のためにエクスポートできる一連のDICOM画像ファイルとすることができる。DICOM画像ファイルは、ボディの様々な構成要素又は層に対応する多数の領域を有することができる。人体の場合、それらの領域は、様々な組織層とすることができる。例えば、MRI画像の各スライスは、脂肪、皮膚、筋肉、骨、内臓などの領域を示してもよい。生理用ナプキンなどの一実施形態の目的では、外陰部の皮膚、脂肪、及び筋肉の領域が、最も関心のあるものとなり得る。室内装飾材料上で使用されることになる拭き取り用品では、表面カバー、裏材層、及び詰め物材料の領域が、最大の関心事となり得る。
【0023】
点群表現は、DICOM画像ファイルから作成することができる。MRI画像の各スライス上では、様々な領域、及び領域間の境界部を、ソフトウェア又はユーザーの手作業によって識別・指定できる一連の点によって、場所を特定し、指定することができる。そのように指定された点は、MRI画像の各スライスの点群表現を作り出す。点の数、濃度、及び間隔は、様々な領域での組織の、例えば皮膚の凹凸を、又は室内装飾材料などの表面の複雑な幾何学形状を捕捉するのに十分な解像度など、モデル化されているボディの部分について十分な解像度を得るように選択することができる。一般に、点の数及びそれらの間隔は、ボディの関連部分が吸収性物品とボディとの共形状態に関連した十分な解像度で精確に表現されるようなものとすべきである。一実施形態では、点群の点間の距離約2mm(1:1スケール)が、成人女性の身体の膣に近接して着用される吸収性物品の共形度及び快適性を解析するのに十分な解像度をもたらすことがわかった。
【0024】
各2次元MRIスライス上の点が置かれた後、トモヴィジョン(Tomovision)(カナダ、モントリオール(Montreal))から入手可能なSLICEOMATIC(登録商標)などのソフトウェアを使用して、MRIスライスの相対位置に基づいた3次元点群を作り出すことができる。3次元点群が得られた後、データを様々なファイルタイプの電子形式で記憶させることができる。例えば、点群は、点が連結される多角形メッシュを含むことができ、さらなる評価及び解析のためにエクスポートできる、ステレオリソグラフィファイルなどの多角形メッシュファイルとして保存され得る。人間の女性のウエスト及び股部10についての3D点群12の視覚的レンダリングの一例が、図3に示されている。
【0025】
ボディ部分112の点群は、次いで、例えばレインドロップ・ジオマジック(Raindrop Geomagic)(ノースカロライナ州リサーチ・トライアングル・パーク(Research Triangle Park))から入手可能なGEOMAGIC(登録商標)など、ほとんどのコンピュータ支援設計(CAD)ソフトウェアパッケージを含めた適切なソフトウェアを用いてサーフェシングすることができる。サーフェシングはまた、必要に応じて、手作業を含め、当該技術分野において既知の様々な手段のいずれかによって達成することもできる。一実施形態では、脂肪と筋肉の間、脂肪と皮膚の間、及び/又は筋肉と骨の間の境界部など、人体の特定の領域をサーフェシングすることができる。他の実施形態では、非平坦リノリウム床の表面をサーフェシングすることができる。基本的に、目的のいずれの表面もサーフェシングすることができる。
【0026】
あるいは、初めに点群を作り出さずに、ボクセルアプローチを用いてMRIデータをサーフェシングすることもできる。
【0027】
目的ボディ部分112がサーフェシングされた後、モデル化されるべき特定の目的ボディ部分112が決定される。例えば、生理用ナプキンをモデル化するときには、サーフェシングされる人体の部分は、成人女性のウエスト及び股部10全体であってもよく、モデル化されるべき目的ボディ部分112は、外陰部である。モデル化されるべき目的ボディ部分112は、変形が流体バランス、共形度、及び快適性に及ぼす影響が考慮されるべきボディの部分とすることができる。仮想吸収性物品の流体バランスは、目的の時間増分にわたって仮想吸収性物品の特定の部分に流入する、又は特定の部分から流出する、流体の質量である。
【0028】
モデル化されるべき目的ボディ部分112の決定後、モデル化されるべき目的ボディ部分112、すなわち、物理学ベースの基準に基づいてモデル化の間変形可能なままとなるべきボディの部分を1つのボリューム内で分離するために、サーフェシングされた部分を適宜少なくとも2つのボリュームへと分割することができる。人体の場合に起こり得るように、ボディが動くことになる場合、サーフェシングされたボリュームの残りの部分は、単に規定の運動によってモデル化することができ、それによって演算時間の資源を節約することができる。人体に関わる一実施形態では、図4に示されるように、サーフェシングされたボディは、少なくとも変形可能ボリューム22と、少なくとも規定運動ボリューム26と、を含めた、別個の2つの非交差ボリュームへと分割される。「変形可能ボリューム(deformable volume)」とは、シミュレーションが実施されるときに、これらに限定するものではないが、応力、変形、及び運動を含めた物理的挙動が算出されるボリュームを意味する。反対に、「規定運動ボリューム(prescribed motion volume)」とは、変形及び運動がシミュレーションへの入力によって決定されるボリュームを意味する。規定運動ボリューム26は、長椅子のクッションなどのボディの場合のように、静的なものとすることができる。
【0029】
2つのボリュームに関して「非交差(non-intersecting)」とは、それらのボリュームが重なり合わない、すなわち、モデル化されたボディに、変形可能ボリューム22と規定運動ボリューム26との両方からなる部分がなく、それらの2つのボリュームが明確に分割されていることを意味する。一実施形態では、変形可能ボリューム22だけを決定する必要があり、その場合、定義により、モデル化されるべきボディ部分112の残りの部分が規定運動ボリューム26を表す。2つのボリュームは、共通の境界表面を共有することができるが、それは、2つのボリューム間で共有されるそれらのそれぞれの表面のすべて又は一部分である。
【0030】
図4に示されるように、境界面24は、サーフェシングされたボディ部分112の完全に内部にあることができ、すなわち、言わば外表面20からある特定の距離だけ「中に」あるものとして定義される表面とすることができる。中への距離は、「表面法線距離(surface normal distance)」と呼ぶことができ、モデル化されたときに外表面20を変形可能にできるよう、十分に大きなものにするべきである。表面法線距離は、表面のくぼみの予想される大きさよりも3〜5倍大きいものとすることができる。さらに、境界面24は、外表面20の少なくとも一部分の運動を駆動可能となるように、外表面20に十分に近接しているべきである。図4に示される実施形態では、境界面24は、規定運動ボリューム26を画定しており、規定運動ボリューム26は、変形可能ボリューム22の「内側」にあり、ボディ部分112の断面のところを除き、外表面20の一部を形成しない。
【0031】
図5に示されるように、境界面24は、外表面20へと延びて、外表面20の一部分によって部分的に境界を形成されることがある。図5では、変形可能ボリューム22及び規定運動ボリューム26は、外表面20へと延びる境界面24のところで交わる。生理用ナプキンなど、婦人衛生デバイスをモデル化するのに有用であることが判明している2つのボリュームが、図5に示されている。ここに示されるように、変形可能ボリューム22は、モデル化されるべき目的ボディ部分112、この場合には生理用ナプキンの評価のための成人女性の外陰部に対応する。同様に、規定運動ボリューム26(又は表面)は、吸収性物品がボディに与える影響にあまり関心をもたれない場所であるが、共形度及び全体的なボディの動きの解析に影響を与えてもよい、ボディの部分に対応する。
【0032】
仮想ボディモデルを分割した後、分割された仮想ボディモデルを、規定運動ボリューム26として規定運動モデル内でモデル化するためにメッシュ化することができる。GEOMAGIC(登録商標)などのサーフェシングソフトウェアから、表面を、例えばIGESファイルフォーマットを通じて、エレクトロニック・データ・システムズ社(Electronic Data Systems Corporation)(テキサス州プラノ(Plano))の子会社であるUGSPLMソリューションズ(UGSPLM Solutions)から入手可能なI−DEAS(登録商標)など、3次元で表面をレンダリング可能なソフトウェアへとインポートすることができる。I−DEAS(登録商標)を使用すると、表面が、解析されるべきボディの部分の組織、例えば、人体の脂肪、筋肉、及び骨に対応する、別個の対応構成要素を定義する3Dレンダリングを作り出すために使用される。これらの3Dレンダリングを作り出すためには、当該技術分野において一般に知られているように、表面からのボリュームレンダリングの技術を使用することができる。
【0033】
変形可能ボリューム22は、当該技術分野において既知の手段によって節点及び要素のメッシュへとメッシュ化することができる。例えば、ソリッド要素、シェル要素、ビーム要素、又はこれらの組み合わせを含む、メッシュを作り出すことができる。本発明の方法では、変形可能ボリューム22は、図6に示されるようにソリッド要素としてメッシュ化することができる。人体では、脂肪組織や筋肉組織など、変形可能ボリューム22内の様々な組織は、別個の部分へとメッシュ化することができ、各部分は、それに割り当てられた適切な材料特性を有することができ、それでもメッシュの連続性を維持することができる。表面の洗浄、表面からの流体の獲得、及び/又は表面の処理のために吸収性物品をその上で使用できる表面のようなボディでは、仮想ボディモデルの部分を2つ以上の層から構成することができる。別個の各層は、別個の部分でメッシュ化することができる。例えば、長椅子のクッションは、表面層、裏材層、及び詰め物層を含む3つの部分へと分離可能な場合があり、それぞれ別個の部分へとメッシュ化される。図6に示されるように、変形可能ボリューム22の部分は、他の部分よりも大きな密度の節点及び要素でメッシュ化することができる。
【0034】
規定運動ボリューム26は、シェル要素又はソリッド要素を使用して作り出されてもよい。規定運動ボリューム26は、静的条件及び動的条件の両方について現実的なモデル化を可能にするのに十分にメッシュ化されればよい。
【0035】
運動シミュレーション及び/又は共形度モデリングを行うためには、モデル化されているボディ部分112の運動を駆動させる、すなわち、徐々に空間内を動かす必要がある。本発明の一実施形態では、運動は、境界面24の少なくとも部分を駆動させることによって駆動することができる。境界面24は、物理学ベースの制約下におくことのできる変形可能ボリューム22を駆動させる。境界面24を駆動させると、次には自由に移動・変形できる変形可能ボリューム22の運動が駆動され、変形が、定量化可能な応力及びひずみを生み出す。着用されている吸収性物品をモデル化するために使用される場合、測定可能な応力及びひずみは、モデル化されている吸収性物品との接触に起因することがある。吸収性物品の多数の層は、同時に試験することができる。例えば、おむつは、テープなどの留め付け手段によって後を覆うことができ、又は生理用ナプキンは、下着内に着用することができる。
【0036】
境界面24は、空間及び時間内で所定の運動経路に沿って駆動させることができる。所定の運動経路は、外部のモーションキャプチャを使用して作り出すことができる。例えば、写真撮影、デジタルイメージング、ステレオリソグラフィ、レーザスキャンなど、様々な技術を使用して、動いているボディの外表面上の識別された不連続な点の運動を捕捉することができる。モーションキャプチャ手段は、空間内の不連続な場所での識別された点の位置を経時的に捕捉することができる。所与の点について、所与の時間内の点捕捉事例の数、すなわち、捕捉頻度は、動いているボディ上で追跡される各点について空間内で一連の経路を生み出すように、所望に応じて調節することができる。一連の経路を使用して、共形度及び運動について解析されるべきメッシュボディ上の対応する点の運動を駆動することができる。モーションキャプチャの他の形態としては、光ファイバ形状テープ、磁場キャプチャ、「フロック・オブ・バーズ(flock of birds)」技術、及び視点又は隠し手段(hidden means)を使用して運動を捕捉する他の既知の技術の使用が挙げられる。
【0037】
規定運動ボリューム26の運動をシミュレートするために、運動テンプレートを捕捉又は算出することができる。一実施形態では、モーションキャプチャは、処理されたビデオ画像を用いて達成することができる。そのような処理では、実際の目的ボディ部分112の多数のビデオ画像が、ボディに対して多数の較正済みカメラ位置から記録され、ボディの形状を抽出するために処理されるが、これは、当該技術分野において既知の技術である。ビデオ撮像されたボディの形状は、点群を生成するためのボクセル・カービング(voxel carving)や、表面を生成するためのシェイプ・フロム・シルエット(shape from silhouette)などによるような、当該技術分野において既知の手段によって作り出すことができる。さらに、写真測量法を使用すると、処理されたビデオ画像内のフィーチャを測定に使用することができる。そのような測定には、運動テンプレートに組み込むことのできる、皮膚、衣類、又は表面カバーなどの表面上のひずみ測定を含めることができる。
【0038】
一実施形態では、エイリアス(Alias)(カナダ、トロント)から入手可能なMAYA(登録商標)ソフトウェアなどを使用することができる。例えば、MAYA(登録商標)を使用すると、点群又は表面形状などの代表的なボディ形状を、目的工程ごとに時間で記録することができる。すべてのボディ形状が各時間増分ごとに記録された後、それらの形状は、相まって、ボディの運動を表す運動テンプレートとなるが、このテンプレートが既知の場所及びパラメータを有するメッシュ節点に基づいていないので、このテンプレートは、FEA解析には適していない。
【0039】
FEA技術による解析に有用な運動モデルは、規定運動モデルを(1つ又はそれより多くの)運動テンプレートに、当該技術分野でフィッティングという用語が使用されているように、フィッティングすることによって作り出すことができる。一実施形態では、フィッティングは、以下の工程によって達成することができる。初めに、規定運動モデルが、ポーザブル(poseable)モデルを得るために、当該技術分野でスキニング(skinned)という用語が使用されているように、スキニングされる。スキニングは、それ自体当該技術分野において既知の技術であり、MAYA(登録商標)などのソフトウェアを使用して実施することができる。例えば、MAYA(登録商標)は、規定運動モデルの内側に置くことのできるジョイントセグメントスケルトンが作成され得るようにし、その後、モデルをスキニングする。
【0040】
次に、ポーザブル(poseable)モデルを、以上で捕捉又は算出された運動テンプレートのうちの1つに位置合わせすることができる。この工程は、時間を通じて変化するポーズを表す運動テンプレートそれぞれについて繰り返すことができる。これは、「第1フィット(first fit)」と呼ばれる。「第2フィット(second fit)」として、サーフェシングされたボディは、目的テンプレートのそれぞれについて運動テンプレートに合致するように変形することができる。次いで、MAYA(登録商標)などのソフトウェアが、各時間枠において運動を補間することができる。MAYA(登録商標)は、データをアニメーションとして保存できるが、データをFEA解析に有用なデータへと変換する能力は有さない。したがって、このデータを、FEA技術による運動解析のためにエクスポートすることができる。
【0041】
FEA解析には、MAYA(登録商標)で作成された運動経路を、変位経路を作り出すようにエクスポートして、目的節点ごとに時間に対する3次元変位経路を作成することができる。この一連の経路(すなわち、節点ごとに3つの経路(x、y、z))を、さらなる解析のためにテキストファイルとして保存することができる。さらに、摩擦係数などの接触特性を、別個のボリューム及び/又は外表面20間の物理学を考慮するために入力することができる。
【0042】
外表面20上の節点変位を既知として、この情報をアバカス(Abaqus, Inc.)(ロードアイランド州ポータケット(Pawtucket))から入手可能なABAQUS(登録商標)内で使用して、変位経路がそれについて作り出された節点ごとに節点変位コマンドを用いて外部ボディ表面を直接動かすことができる。ABAQUS(登録商標)を使用すると、視認可能な外表面が駆動されるとき、メッシュボディ上のすべての節点の運動を算出することができる。ABAQUS(登録商標)では、すべての節点についての変位が、固定された所定の変位についての節点変位が主にボディの基本的な材料特性によって決まる、物理学ベースの計算を使用して算出される。
【0043】
外表面20のメッシュが駆動されるとき、境界面24の運動を記録することができる。この情報は、境界面24の少なくとも一部分について節点変位の形態で記録することができ、境界面運動経路(すなわち、ABAQUSの用語では「境界条件(boundary conditions)」及び「振幅(amplitude)」)として保存することができる。
【0044】
次いで、変形可能ボリューム22の外表面20上の規定の節点変位を除去し、境界面運動経路の規定の節点変位で置き換えることができる。次いで、境界面運動経路を使用して、規定運動ボリューム26の一部となり得る外表面20の部分を含めた、モデル化されたボディの運動を駆動してもよい。したがって、境界面24を駆動すると、モデル化されているボディ部分112のシミュレートされた運動が達成される。
【0045】
非変形可能ボリューム22の視認可能な外表面とともにボリューム境界面を駆動できることの利益は、現実的な運動を精確に表すことができることであり、ボディの外表面20の一部分を、その部分がどのように変形するかを定義する規定の運動なしに変形可能にする。さらに、必要な節点及び要素の数を最小限に抑えることができ、それでもなお、動いている又は変形しているボディの一部分の精確且つ効率的な解析を可能にすることができる。
【0046】
仮想ボディモデルは、ある1つの仮想吸収性物品モデル又は多数の仮想吸収性物品モデルでモデル化することができる。本発明の方法によって評価されるべき仮想吸収性物品モデルは、目的の実際の吸収性物品のコンピュータ支援設計(CAD)ジオメトリを作り出すことによって生み出すことができる。CADジオメトリは、当該技術分野において既知のようにCAD図面から作り出すことができる。CADジオメトリが作り出された後には、それを当該技術分野において既知の手段によって節点及び要素のメッシュへとメッシュ化することができる。節点及び要素の数は、吸収性物品を適切にモデル化するのに必要なように又は望ましいように変更することができる。さらに、ボディの部分間又はボディと吸収性物品との間の摩擦係数などの接触特性を入力して、別個のボリューム及び/又は外表面20間の物理学を表すことができる。
【0047】
一実施形態では、仮想吸収性物品モデルは、成人女性の身体に当てて着用されることが意図される、生理用ナプキン100とすることができる。メッシュ化された生理用ナプキン100が図7に示されている。ほとんどの場合、生理用ナプキン100は、伸縮性のあるパンティなどの下着の内側に着用される。したがって、本発明の一実施形態では、仮想吸収性物品モデルは、実際に、吸収性物品と吸収性物品を支持する下着とを表す仮想吸収性物品システムとすることができる。すなわち、仮想吸収性物品モデルは、仮想下着モデルをさらに含むことができる。
【0048】
吸収性物品は、1つよりも多くの構成要素から構成することができる。吸収性物品は、吸収性物品の機械的一体性を提供する1つ又はそれより多くの構造的構成要素を含むことができる。吸収性物品は、1つ又はそれより多くの流体処理構成要素を含むことができる。吸収性物品は、1つ又はそれより多くの構造的構成要素と1つ又はそれより多くの流体処理構成要素との組み合わせを含むことができる。吸収性物品の単一の構成要素は、機械的一体性及び流体処理の両方を提供することができる。仮想吸収性物品モデルを作成する際には、各構成要素を、別個の部分として作成し、独立してメッシュ化することができる。これによって、個々の材料特性を各構成要素に割り当てられるようになり、各構成要素の材料特性を異種のものとすることができる。例えば、下着は、少なくとも3つの構成要素、すなわち、全体的なパンティ布地、クロッチ布地、及びゴムひもを有することができる。これらの構成要素は、それぞれ、各材料又は各材料の部分に適した個別の材料特性を備える別個の部分として作り出すことができる。材料特性は、衣類によって異なるものとすることができる。他の例では、吸収性物品は、トップシート80と、バックシート95と、それらの間に配置された吸収性コア82と、から構成することができ、吸収性物品の各要素を、別個の部分として作成し、独立してメッシュ化することができる。ゆえに、本願の状況内では、仮想吸収性物品モデルは、仮想トップシートと、仮想バックシートと、仮想トップシートと仮想バックシートとの間に配置された仮想吸収性コアと、を含むものとして表すことができる。吸収性コア82(又は仮想吸収性コア)は、1つ又はそれより多くの流体分配層と、1つ又はそれより多くの流体貯蔵層と、を含む吸収性システムとして当該技術分野で知られているものとすることができる。
【0049】
1つのモデル化手法では、仮想吸収性物品モデルは、仮想吸収性物品モデルの部分を飽和した(saturated)又は飽和していない(unsaturated)ものとして特徴付けるために簡易化される。仮想吸収性物品モデルの部分を飽和した又は飽和していないものとして特徴付けることは、各要素に部分飽和レベルを割り当てることよりも単純であってもよい。
【0050】
仮想吸収性物品モデルは、緩んだ非変形状態、又は緊張した若しくは変形した状態など、様々な初期状態でモデル化することができる。例えば、生理用ナプキン100は、図7に示されるように、初めは概ね扁平な変形していない初期状態でモデル化することもできるし、又は初めは丸められて折り畳まれた状態でモデル化することもできる。
【0051】
メッシュ化された仮想吸収性物品モデル又は仮想吸収性物品システム上の所定の固定点を識別することができ、それらの固定点は、空間内で、又は共形度解析時にメッシュボディに対して固定される。一般に、固定点は、メッシュボディの変形可能ボリューム22から最大距離とすることができる。
【0052】
固定点は、それらの固定点が仮想ボディモデルに対して第1の初期モデル化位置から第2の固定位置へと平行移動されるように、固定点への運動を規定するための運動経路を用いて仮想吸収性物品モデルが仮想ボディモデルへと「適用」されるのを助ける。仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品モデルの共形度をシミュレートするためには、初めに仮想吸収性物品モデル又は吸収性物品システムを前述のように「適用」することができる。この時点で、シミュレーションは、ボディの運動前の共形度に関係した応力及びひずみを計算することができる。境界面24の所定の運動経路を通じてボディの運動を駆動することによって、変形可能ボリューム22及び仮想吸収性物品モデル又は仮想吸収性物品システム上の動的応力−ひずみ計算を行うことができる。
【0053】
動的応力−ひずみ解析は、例えば、LS−DYNA(登録商標)(リバモア・ソフトウェア・テクノロジー社(Livermore Software Technology Corporation)、カリフォルニア州リバモア(Livermore))、ABAQUS(登録商標)(アバカス(ABAQUS Inc.)、ロードアイランド州ポータケット(Pawtucket))、又はANSYS(登録商標)(アンシス(ANSYS Inc.)、ペンシルバニア州キャノンズバーグ(Canonsburg))など、動的応力−ひずみ解析装置を使用して達成することができる。ボディメッシュ運動、仮想吸収性物品モデルメッシュ運動、接触表面、仮想吸収性物品モデルメッシュ、及び/又はボディメッシュなど、いずれか所望の入力を入力して、解析を達成することができる。応力−ひずみ解析装置は、変形した運動及び対応する力、並びに応力及びひずみの出力を供給する。力には、仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデルの両方の変形に関係した力が含まれる。
【0054】
所望により、変形及び力などのシミュレーション出力は、LS−PREPOST(登録商標)(リバモア・ソフトウェア・テクノロジー社(Livermore Software Technology Corporation)、カリフォルニア州リバモア(Livermore))、HYPERVIEW(登録商標)(アルテア・エンジニアリング(Altair Engineering)、ミシガン州トロイ(Troy))、ENSIGHT(登録商標)(コンピュテーショナル・エンジニアリング・インターナショナル(Computational Engineering International)、ノースカロライナ州エイペックス(Apex))、若しくはABAQUS VIEWER(登録商標)(アバカス(ABAQUS Inc.)、ロードアイランド州ポータケット(Pawtucket))、又は他の好適な視覚化ソフトウェアなどのソフトウェアを使用して視覚化することができる。仮想吸収性物品モデルが操作されるときの仮想吸収性物品モデルの視覚化は、仮想吸収性物品モデルの変形を視覚的表現で示すことができる。例えば、生理用ナプキンは、着用中に、座屈(buckling)、ねじれ(twisting)、及び丸まり(bunching)を起こす可能性がある。そのような変形は、そのようなシステムの現実的制約があるので、実際の人の上でリアルタイムで観察することは、不可能ではないにしても困難な可能性がある。
【0055】
視覚化ソフトウェアにより、モデラーが、解析の定義された部分をユーザー定義シミュレーション状態で3次元表現として出力できるようになる。モデラーは、任意の変形状態にある目的部分又は目的要素を選択することができ、それらを、ステレオリソグラフィファイル、VRMLファイル、又は変形メッシュなどの3次元表現として出力することができる。一実施形態では、LS−PrePostを使用して、変形状態にある仮想吸収性物品モデルの少なくとも一部分についてのシミュレーション結果をステレオリソグラフィファイルとして、また、同じ状態にある仮想ボディモデルの少なくとも一部分についてのシミュレーション結果をステレオリソグラフィファイルとして、出力することができる。出力ファイルは、当該技術分野において既知のように、変換アルゴリズムを使用して、ある出力フォーマットから別のフォーマットに変換することができる。
【0056】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、計算流体力学(CFD)ソフトウェアを使用して実行することができる。本明細書の開示の方法を実践するのに適した1つのCFDプログラムは、FLOW−3D(登録商標)である。FLOW−3D(登録商標)は、フロー・サイエンス(Flow Science, Inc.)(ニューメキシコ州サンタフェ(Santa Fe))によって開発・流通される市販のマルチフィジックス(multi-physics)ソフトウェアコードである。FLOW−3D(登録商標)は、デスクトップコンピュータ上、又はUNIX(登録商標)など、より高度なオペレーティングシステムを有するコンピュータ上で、実行することができる。仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、1次元、2次元、又は3次元フレームワーク内で実施することができる。
【0057】
仮想吸収性物品モデルの流体バランスは、負、静、又は正となることができる。物質を分与する吸収性物品の場合に起こるように、仮想吸収性物品モデル内の流体の質量が減少する場合、仮想吸収性物品モデルの流体バランスは、負である。仮想吸収性物品モデル内の流体の質量が変化しない場合、吸収性物品の流体バランスは、静である。流体を獲得するように設計された吸収性物品の場合に起こるように、仮想吸収性物品モデル内の流体の質量が増加する場合、仮想吸収性物品モデルの流体バランスは、正である。仮想吸収性物品の部分は、仮想吸収性物品の他の部分とは異なる流体バランスを有することができる。
【0058】
仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデルの物理的寸法は、ステレオリソグラフィ(STL)ファイルを使用してCFDソフトウェアにインポートすることができる。生理用ナプキン100を含む仮想吸収性物品モデルを着用している人間の女性110の仮想ボディモデルが、図8に示されている。仮想吸収性物品モデルは、変形した吸収性物品を表すことができる。変形した吸収性物品の形状は、前述のように仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションから決定(判断、確認)することができる。変形した吸収性物品の形状はまた、手によって又はコンピュータ若しくは計算機の助けを借りて解くことのできる簡易化された力学モデルを使用して決定(判断、確認)することもできる。変形した吸収性物品の形状は、単に、直感に基づいたモデル化されている吸収性物品がどのように機能するかという設計者の着想に基づくこと、又は吸収性物品の変形形状を予測若しくは概念化する当該技術分野において既知の他のいずれかの手法の使用に基づくこともできる。仮想吸収性物品モデルはまた、変形していない吸収性物品を表すこともできる。
【0059】
インポートされた後には、仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデルは、当該技術分野において既知の手段によって節点及び要素へとメッシュ化することができる。節点及び要素の数は、仮想吸収性物品モデルの流体バランスの適切なモデル化に必要なように又は望ましいように変更することができる。また、表面の物理的寸法並びに表面のトポグラフィーも表すことができる。詳細な流体構造相互作用モデリングでは、表面トポグラフィー又は粗さをミクロンスケールで表すことができる。表面が均一な場合、トポグラフィーのより大まかな記述を使用することができる。仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションがモデルの構成要素として仮想ボディモデルを含む必要はないが、仮想ボディモデルが仮想吸収性物品モデルの流体バランスに与える影響すべてを、この手法を使用して認識できないことがある。
【0060】
CFDソフトウェア内では、境界条件、初期条件、材料特性、ソルバー制御(solver control)、及び出力制御を指定することができる。境界条件には、1つ又はそれより多くの流体源を含めることができる。ほとんど又は全く流れのない長い期間に短時間の多量の流れが入り込む、月経中の女性で起こり得るような流体源の変動を考慮するために、境界条件の一時的性質もまた、流体獲得の仮想シミュレーションに入力することができる。基本的に、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、特定の時間及び面積にわたって適用される流体源を含むことができる。
【0061】
仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデルの初期条件は、仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデル全体を通じて同一とすることもでき、又は空間的に多様なものとすることもできる。初めに、仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデルは、流体がないものとして指定することができる。あるいは、規定量の流体を、初めに、仮想ボディモデル、仮想吸収性物品モデル、及び仮想ボディモデルと仮想吸収性物品モデルとの間の隙間(存在する場合)の特定の場所に指定することもできる。例えば、図9に示されるように、少量の膣液120を女性の膣130のところに指定することができる。
【0062】
仮想ボディモデル、流体、及び仮想吸収性物品モデルを表すために、材料特性がCFDソフトウェアに入力される。仮想吸収性物品モデルの流体バランスに影響を与える可能性のある仮想ボディモデルの材料特性には、ボディ上の流体の接触角が含まれる。接触角は、ヤングの式を使用して表形式のデータから決定すること(デュリアン(Dullien)(1992)、多孔質媒体:流体輸送及び細孔構造(Porous Media: Fluid Transport and Pore Structures)、第2版、アカデミックプレス(Academic Press))、直接測定すること、又は当該技術分野において既知の他の手段を用いて決定することもできる。
【0063】
仮想吸収性物品モデルの流体バランスに影響を与える可能性のある流体の材料特性としては、密度、粘度、及び表面張力が挙げられるが、これらに限定されない。関心をもたれることのある他のパラメータとしては、温度、不均質性、固形分、及び流体への添加物が挙げられる。ひずみの関数となり得る材料特性には、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションから算出されるひずみに基づいた値を割り当てることができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションからの出力は、CFDソフトウェアにおける材料特性を割り当てるプロセスを単純化するために、ひずみに基づいて分割された部分でCFDソフトウェアにインポートすることができる。理論に束縛されるものではないが、ひずみの関数となり得る材料特性としては、多孔度、飽和浸透率、相対浸透率、毛細管圧、非還元性流体飽和、最大流体収容量、毛細管圧と飽和との関係、相対浸透率と毛細管圧との関係、相対浸透率対飽和、及び流体と仮想吸収性物品を構成する材料との間の接触角が挙げられるが、これらに限定されない。
【0064】
仮想ボディモデル、流体、及び仮想吸収性物品モデルの材料特性は、吸収性物品がその上で使用される実際のボディ、及び吸収性物品によって獲得又は分与されることになる実際の流体から集めることができる。例えば、実際のボディから出てくる又は実際のボディに適用される流体の粘度、実際のボディの表面エネルギー、実際のボディから出てくる又は実際のボディに適用される流体の表面エネルギー、及びボディに近接して使用される実際の吸収性物品の表面エネルギーからなる群から選択されるパラメータに関するデータを収集することができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想ボディモデルの表面エネルギーを表すパラメータ、仮想吸収性物品モデルの表面エネルギーを表すパラメータ、及び流体表面エネルギーを表すパラメータからなる群から選択される少なくとも1つのパラメータを含むことができる。各構成要素の特性は、個々に指定することができ、それらの特性は、モデル化される吸収性物品を表すように任意の方向で空間的に多様なものとすることができる。
【0065】
仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションのために指定される定数としては、重力定数が挙げられる。
【0066】
ソルバー制御は、当該技術分野において既知のように、CFDソフトウェアで実装される数値解法を制御するためにCFDソフトウェアに入力される。
【0067】
出力制御もまた、CFDソフトウェアに入力される。CFDソフトウェアからの出力は、すべて仮想吸収性物品モデルに関連する、流体分布、流体速度分布、流体圧力分布、吸収性物品によって吸収される流体の体積、ボディ上に残る流体の体積、並びに時間及び場所に応じた吸収性物品流体飽和を含むことができる。
【0068】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの吸収性物品有効性は、仮想ボディモデル上、及び仮想吸収性物品モデル上若しくは仮想吸収性物品モデル内の流体の量を定量化することによって決定(判断、確認)することができる。仮想ボディモデルと仮想吸収性物品モデルとの間に隙間がある場合、隙間内の流体の量はまた、吸収性物品有効性の指標となり得る。生理用ナプキンなどの吸収性物品では、吸収性物品は、好ましくは、着用者の身体から出てくる、又は着用者の身体上の流体すべてを獲得する。吸収性物品有効性の1つの尺度は、仮想吸収性物品モデルによって獲得される流体の体積を、流体源の体積又は流体源によって放出される流体の体積によって除した比とすることができる。生理用ナプキンなどの吸収性物品では、吸収性物品有効性の尺度は、ステインサイズとすることができる。ステインサイズは、生理用ナプキンを着用者の身体の近くに配置された状態から除去したときに着用者がその上に流体を観察できる、パッドの身体に面する表面の面積として特徴付けることができる。生理用ナプキン又はパンティライナーの吸収性物品有効性の他の尺度は、流体源の体積のうちの、下着内又は上の流体(存在する場合)の体積の割合とすることができる。
【0069】
分与型の仮想吸収性物品モデルの吸収性物品有効性は、例えば、仮想ボディモデルの表面に分与された流体の体積と、分与前の仮想吸収性物品モデル内の流体の全体積との比として定量化することができる。
【0070】
人体に近接して着用される吸収性物品の吸収性物品有効性はまた、仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品モデルの共形度及び/又は快適性、並びに仮想ボディモデルに近接して着用される仮想吸収性物品モデルの快適性を定量化することによって決定(判断、確認)することができる。吸収性コア82をセルロース材料から構成できる図10に示される生理用ナプキンのような吸収性物品では、材料の密度変化が、吸収性コア82の部分飽和した流体輸送特性に大きな影響を与えることがある。同様に、仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデルによる動きは、仮想ボディモデルと仮想吸収性物品モデルとの間に隙間を形成することになる可能性がある。仮想ボディモデルと仮想吸収性物品モデルとの間の隙間は、仮想ボディモデルの表面から仮想吸収性物品モデルの表面への流体の輸送を妨げる可能性がある。
【0071】
共形度及び快適性解析は、例えば、LS−DYNA(登録商標)(リバモア・ソフトウェア・テクノロジー社(Livermore Software Technology Corporation)、カリフォルニア州リバモア(Livermore))、ABAQUS(登録商標)(アバカス(ABAQUS Inc.)、ロードアイランド州ポータケット(Pawtucket))、ANSYS(登録商標)(アンシス(ANSYS Inc.)、ペンシルバニア州キャノンズバーグ(Canonsburg))、又は他の適切なソフトウェアなど、動的応力−ひずみ解析装置を使用して実施することができる。ボディメッシュ運動、吸収性物品メッシュ運動、下着メッシュ運動、接触表面、衣類メッシュ、及び/又はボディメッシュなど、いずれか所望の入力を入力して、解析を達成することができる。応力−ひずみ解析装置は、変形した運動、並びに応力及びひずみなどの対応する力の出力を供給する。力には、ボディ及び衣類の両方の変形に関係した力が含まれる。衣類の変形及び変形を作り出すために必要な力の大きさは、共形度及び快適性と相関させることができる。
【0072】
所望により、変形及び力などのシミュレーション出力はまた、例えば、LS−PREPOST(登録商標)(リバモア・ソフトウェア・テクノロジー・コーポレーション(Livermore Software Technology Corporation)、カリフォルニア州リバモア(Livermore))、HYPERVIEW(登録商標)(アルテア・エンジニアリング(Altair Engineering)、ミシガン州トロイ(Troy))、ENSIGHT(登録商標)(コンピュテーショナル・エンジニアリング・インターナショナル(Computational Engineering International)、ノースカロライナ州エイペックス(Apex))、又はABAQUS VIEWER(登録商標)(アバカス(ABAQUS Inc.)、ロードアイランド州ポータケット(Pawtucket))などのソフトウェアを使用して視覚化することができる。仮想ボディモデルが操作されるときの仮想吸収性物品モデルの視覚化は、仮想吸収性物品モデルの変形を視覚的表現で示すことができる。例えば、生理用ナプキンは、着用中に、座屈(buckling)、ねじれ(twisting)、及び丸まり(bunching)を起こす可能性がある。そのような変形は、そのようなシステムの現実的制約があるので、実際の人の上でリアルタイムで観察することは、不可能ではないにしても困難な可能性がある。ただし、そのような生理用ナプキン共形度特徴は、コンピュータ・シミュレーションで容易に視覚化し、操作することができる。この能力は、生理用ナプキンなど、より共形度の高い吸収性物品を設計する時間及び費用を大幅に削減する。材料の特性は、所望に応じて変更し、動的応力−ひずみ解析装置に入力して吸収性物品の特徴を変化させ、それによって様々な設計の仮想プロトタイピングをもたらすことができる。
【0073】
本明細書に開示の方法を使用して、仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品モデルの共形度が仮想吸収性物品モデルの流体バランスに及ぼす影響を評価することができる。仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品モデルの共形度が仮想吸収性物品モデルの流体バランスに及ぼす影響を評価するために、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程を、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程の前に実施することができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、吸収性物品の場所、ボディの場所、及び吸収性物品とボディとの間の空間的関係を引き渡すことによって、仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションに結び付けることができる。吸収性物品の場所を引き渡す際には、構造的構成要素、流体処理構成要素、又は飽和した構成要素を引き渡すことができる。「引き渡す(passing)」とは、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品の流体バランスから仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションへと、及び/又は仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションから仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品の流体バランスへと、情報が伝えられることを意味する。
【0074】
一実施形態では、データは、前述したようにステレオリソグラフィファイルを使用して引き渡される。この手法を用いて、仮想吸収性物品モデルの変形及び仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品モデルの共形状態が仮想吸収性物品モデルの流体バランスに及ぼす影響を評価することができる。例えば、仮想吸収性物品モデルの部分は、仮想ボディモデルによる動きの結果、程度の差はあるが、高密度となることがある。同じ手法を、流体を分与するために使用される吸収性物品に使用することができる。
【0075】
仮想吸収性物品モデルの流体バランスが仮想ボディモデルに近接して着用される仮想吸収性物品モデルの共形度及び快適性に及ぼす影響を評価するためには、仮想ボディモデルに近接して着用される仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程を、仮想ボディモデルに近接して着用される仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程の前に実施することができる。「共形度(conformance)」は、仮想吸収性物品がどのくらい良好に仮想ボディモデルに適合するかを表すことが意図されており、仮想吸収性物品の様々な領域での仮想吸収性物品モデルと仮想ボディモデルとの間の距離によって特徴付けることができる。快適性は、仮想吸収性物品モデルと仮想ボディモデルとの間で伝達される応力若しくは力によって、又は仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの存在により引き起こされる仮想ボディモデルの変形の大きさによって特徴付けることができる。
【0076】
仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションは、流体バランスの仮想シミュレーション終了時に吸収性物品内の流体の空間的場所を引き渡すことによって、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションに結び付けることができる。この手法を用いると、仮想吸収性物品モデルの流体バランスが仮想吸収性物品モデルと仮想ボディモデルとの共形度に及ぼす影響を決定(確認、判断)することができる。また、仮想吸収性物品モデルの流体バランスが仮想吸収性物品モデルの快適性に及ぼす影響も決定(確認、判断)することができる。例えば、仮想吸収性物品モデルの部分が濡れるとき、又は流体を解放するとき、密度及び弾性率など、仮想吸収性物品の部分の機械的特性が変化してもよい。超吸収性ポリマー(例えば吸収性ゲル化材料)など、膨潤剤を含む吸収性物品のような他の事例では、吸収性物品の密度は、濡れた(すなわち、吸収性物品が膨潤する)ときに低下することがある。吸収性物品で使用される材料には、濡れたときに圧潰するものもあり、それが密度の増加をまねく。仮想吸収性物品の機械的特性の変化は、仮想ボディモデルと仮想吸収性物品モデルとが互いに対して相対的に動くときの仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品の共形状態に影響を与える可能性がある。
【0077】
仮想ボディモデルに近接して着用される仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程が仮想ボディモデルに近接して着用される仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程の前に実施される場合、吸収性物品の設計者及びモデラーにとっての関心事となり得る、流体バランスの仮想シミュレーションの1つの結果は、仮想吸収性物品モデルの構成要素の流体飽和である。仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションの結果を視覚化するENSIGHTなどのポストプロセッサを使用して、仮想吸収性物品モデルの流体飽和の画像を捕捉することができる。画像は、JPEG、PNG、GIF、ビットマップ、又は他のいずれか類似の形態で記録することができる。流体飽和の画像は、仮想吸収性物品モデルの構成要素ごとに作成することができる。例えば、吸収性物品の各層の流体飽和の画像を作成することができる。生理用ナプキンの仮想吸収性物品モデルでは、トップシート80だけ、吸収性コア82だけ、バックシート95だけ、及び仮想吸収性物品モデルの他のいずれかの別個の構成要素又は部分の、流体飽和の画像を作成することができる。
【0078】
仮想吸収性物品モデルの構成要素の流体飽和の画像は、仮想吸収性物品モデルの構成要素の機械的特性をモデラーが割り当てるのを支援するために、LS−PREPOST(登録商標)(リバモア・ソフトウェア・テクノロジー社(Livermore Software Technology Corporation)、カリフォルニア州リバモア(Livermore))などのプリプロセッサにインポートすることができる。例えば、仮想吸収性物品モデルの構成要素の流体飽和の画像は、プリプロセッサにおけるビューポートのバックグラウンドとして使用することができる。次いで、仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションについてのメッシュを、仮想吸収性物品モデルの構成要素の流体飽和の画像に重ねることができ、また、仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションについてのメッシュが流体飽和の画像によって調整され、仮想吸収性物品モデルの個々の材料特性を割り当てることができるように、スケール調整し、配向させることができる。例えば、吸収性物品の構成要素の弾性率は、飽和に応じて多様なものとすることができ、仮想吸収性物品モデルの構成要素の異なる部分には、飽和に応じて異なる弾性率を割り当てることができる。仮想吸収性物品モデルの各構成要素は、他の構成要素から独立して前処理することができる。
【0079】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程と、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程とは、時間増分的に交互に、互いに協調して進めることができる。協調して進める一例は、時間ゼロで開始し、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションをある時間増分(例えば、0.1s)だけ進め、次いで、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションをある時間増分(例えば、0.1s)だけ進め、次いで、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションをさらなる時間増分(例えば、0.1s)だけ進め、次いで、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションをさらなる時間増分(例えば、0.1s)だけ進め、それによって時間を段階的に進むことである。この手法の一要素は、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションと、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションとの間のタイムラグが、ごく少量しか位相がずれていないので、そのタイムラグがシミュレーションの結果に及ぼす影響が小さいことである。この手法は、仮想吸収性物品モデルの流体バランスと仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品モデルの共形度とが、互いにどのように経時的に相互作用するかに関する情報を提供することができる。同じ手法を、流体を分与するために使用される吸収性物品に使用することができる。
【0080】
仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションの数値的安定性を改善するために、飽和が変化する(すなわち、乾燥から部分飽和へと、又は部分飽和から乾燥へと移行する)仮想吸収性物品モデルの部分のひずみ履歴を無視することができる。仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーション及び仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションが進められる時間増分は、仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーション及び仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションの数値的安定性を保証するために吸収性物品の特性の増分変化が小さくなるように、十分に小さいものとすべきである。
【0081】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品モデルのひずみに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含むことができる。例えば、仮想吸収性物品モデルのひずみに応じて変化し得るパラメータは、多孔度、飽和浸透率、相対浸透率、毛細管圧、非還元性流体飽和、最大流体収容量、毛細管圧と飽和との関係、相対浸透率と毛細管圧との関係、相対浸透率と飽和との関係、及び流体と仮想吸収性物品を構成する仮想材料との間の接触角からなる群から選択することができる。理論に束縛されるものではないが、これらのパラメータは、仮想吸収性物品モデルのひずみに応じて変化し得ると考えられている。
【0082】
同様に、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品モデルの部分における流体バランスに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含むことができる。仮想吸収性物品モデルの部分における流体バランスに応じて変化し得るパラメータは、弾性率、密度、可塑性挙動、及びポアソン比からなる群から選択することができる。理論に束縛されるものではないが、これらのパラメータは、飽和に応じて変化し得ると考えられている。
【0083】
仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品モデルのひずみに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含むことができる。例えば、一部の吸収性材料についての応力−ひずみ関係は、非線形であることが知られている。ゆえに、一部の吸収性材料の弾性率は、吸収性材料のひずみの関数となることがある。
【0084】
おむつ、失禁用製品、及び生理用ナプキンなどの吸収性物品は、一般に、多数の材料層から構成される。例えば、生理用ナプキンは、トップシート80と、バックシート95と、トップシート80とバックシート95との間に配置された吸収性コア82と、から構成されてもよい。1つよりも多くの材料層から構成される吸収性物品の吸収性物品有効性を評価するために、仮想吸収性物品モデルを図10に示されるように1つよりも多くの種類の仮想吸収性材料から構成することができる。図10は、半分に切られた変形した生理用ナプキン100の一表現であり、変形した生理用ナプキン100の後ろ半分が示されている。図10に示される生理用ナプキン100は、トップシート80(網掛けされた薄い灰色)と、吸収性コア82と、チャネル84(網掛けされた濃い灰色)と、バックシート95と、を含む。チャネルは、隣接した部分よりも高密度又は低密度にされた、吸収性コア82の部分とすることができる。仮想吸収性物品モデルは、トップシート80と、バックシート95と、トップシート80とバックシートとの間に配置された吸収性コア82と、から構成される、吸収性物品を表すことができる。仮想吸収性物品モデルは、所望により、仮想下着モデル105を含むことができる。仮想吸収性物品モデルはまた、超吸収体などの添加材を表す要素を含むことができる。超吸収体は、一般に、吸収性物品の吸収性を高めるために吸収性物品に追加される。超吸収体としては、当該技術分野において知られているような吸収性ゲル化材料(AGM)、及びキトサンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
仮想吸収性物品は、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、タンポン、陰唇間パッド、おむつ、及び胸パッドからなる群から選択される吸収性物品を表すことができる。仮想吸収性物品は、女性用拭き取り用品、おむつ拭き取り用品、身体拭き取り用品、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、創傷包帯、ハンカチ、家庭用拭き取り用品、窓拭き取り用品、浴室拭き取り用品、表面拭き取り用品、調理台拭き取り用品、及び床拭き取り用品からなる群から選択される吸収性物品を表すことができる。
【0086】
方法の一実施形態では、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想ボディモデルを含んでおり、仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションは、仮想吸収性物品モデルと仮想ボディモデルとの間の空間的関係を表す少なくとも1つのパラメータを含む。この実施形態では、仮想ボディモデルと仮想吸収性物品モデルとの間の間隔が流体獲得に及ぼす影響を確認することができる。例えば、仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実施して、使用時の仮想ボディモデル及び仮想吸収性物品モデルの幾何学形状、並びに仮想ボディモデルと仮想吸収性物品モデルとの間の空間的関係を決定(判断、確認)することができる。仮想ボディモデルに近接した仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションでは、仮想ボディモデルを仮想吸収性物品モデルに対して相対的に動くように規定することができる。例えば、仮想吸収性物品モデル及び仮想ボディモデルは、次のモード:剪断(shear)、法線(normal)、循環的(cyclically)、並びに剪断及び/又は法線での可変速度、のうちの1つ若しくはそれより多くで、互いに対して相対的に動くことができる。すなわち、仮想吸収性物品モデルと仮想ボディモデルとの間の空間的関係を表す少なくとも1つのパラメータは、多様なものとすることができる。この手法を使用すると、仮想ボディモデルに対する仮想吸収性物品モデルの動きが仮想吸収性物品モデルの流体バランスに及ぼす影響を確認することができる。
【0087】
本明細書に開示されている寸法及び値は、列挙した正確な数値に厳しく限定されるものとして理解すべきではない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0088】
本発明の「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において、本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本明細書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲においては、本明細書においてその用語に付与した意味又は定義を適用するものとする。
【0089】
本発明の特定の実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるこのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想ボディモデルを用意する工程と、
仮想吸収性物品モデルを用意する工程と、
仮想シミュレーションソフトウェアを用意する工程と、
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程と、
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程と、
前記仮想吸収性物品モデルの変形の前記仮想シミュレーションと、前記仮想吸収性物品モデルの流体バランスの前記仮想シミュレーションと、を結び付ける工程と、
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの吸収性物品有効性を判断する工程と、を含む、仮想吸収性物品の吸収性物品有効性を判断する方法。
【請求項2】
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの変形の仮想シミュレーションを実行する工程と、
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの流体バランスの仮想シミュレーションを実行する工程と、が、
時間増分的に交互に進められる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの流体バランスの前記仮想シミュレーションが、前記仮想吸収性物品のひずみに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの変形の前記仮想シミュレーションが、前記仮想吸収性物品の部分における流体バランスに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの変形の前記仮想シミュレーションが、前記仮想吸収性物品のひずみに応じて変化する少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記仮想吸収性物品モデルが、仮想トップシート(80)と、仮想バックシート(95)と、前記仮想トップシート(80)と前記仮想バックシート(95)との間に配置された仮想吸収性コア(82)と、から構成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記仮想ボディモデルに近接した前記仮想吸収性物品モデルの流体バランスの前記仮想シミュレーションが、仮想ボディモデルを含み、前記仮想吸収性物品の流体バランスの前記仮想シミュレーションが、前記仮想吸収性物品と前記仮想ボディモデルとの間の空間的関係を表す少なくとも1つのパラメータを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記仮想吸収性物品モデルが、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド、タンポン、陰唇間パッド、おむつ、及び胸パッドからなる群から選択される吸収性物品を表す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記仮想吸収性物品モデルが、女性用拭き取り用品、おむつ拭き取り用品、身体拭き取り用品、トイレットペーパー、フェイシャルティッシュ、創傷包帯、ハンカチ、家庭用拭き取り用品、窓拭き取り用品、浴室拭き取り用品、表面拭き取り用品、調理台拭き取り用品、及び床拭き取り用品からなる群から選択される吸収性物品を表す、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記仮想ボディモデルが、ヒトを表す、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2010−516373(P2010−516373A)
【公表日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−546848(P2009−546848)
【出願日】平成20年1月18日(2008.1.18)
【国際出願番号】PCT/IB2008/050195
【国際公開番号】WO2008/093256
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】