説明

吸収性物品

【課題】立体ギャザーを有効に機能させるように装着することを容易にする技術を提供すること。
【解決手段】液透過性のトップシート62と液不透過性のバックシート63との間に介在して体液を吸収する吸収体61を備えるおむつ100であって、着用者の股部にあてがわれる股間部1と、股間部1の前側に延在する腹側部2と、股間部1の後側に延在する背側部3と、股間部1において、前後方向に延在するように設けられ、股間部1に対して起立する一対の立体ギャザー7と、立体ギャザー7を他の部位から識別させる識別部8とを備える。また、識別部8は、立体ギャザー7のうち、鼠蹊部に対応する位置に設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、吸収性物品に関する技術であって、特に、立体ギャザーの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、紙おむつや尿吸収性パッドなどの吸収性物品では、尿等の体液が外部に漏れないようにするために、立体ギャザーが採用されている。立体ギャザーは、着用者の股間にあてがわれる部分に対して起立する構造体であり、身体と吸収性物品との間の隙間をなくす目的で設けられている。このような立体ギャザーを採用した吸収性物品は、例えば特許文献1に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−219826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般的に、立体ギャザーは、股間の鼠蹊部に沿って装着させることを意図して設けられている。しかしながら、このような立体ギャザーの正しい装着方法が分からないために、鼠蹊部に正しく装着されない場合がある。このような場合、立体ギャザーが適切に機能しないために、尿漏れ等が発生しやすくなる。
【0005】
また、誤った装着方法による尿漏れを防止するために、着用者等が隙間を埋めるべく尿取りパッド等の吸収体をさらに重ねて使用する例もある。この場合、必要以上に吸収体が用いられることとなるため、無駄にゴミが発生してしまう。
【0006】
また、病院や老人ホーム等のような施設では、吸収性物品を正しく使用できるように指導を行うことは比較的容易である。これに対して、今後は、自宅で吸収性物品の使用する機会が増大することが予想されるものの、個人向けに指導を行うことは事実上困難であるため、吸収性物品の誤った装着がなされる機会も多くなると予想される。
【0007】
以上のような問題を解決するためには、着用者側に対して、立体ギャザーを有効に機能させるように仕向ける必要があるが、そのような課題を有効に解決する技術はあまり知られていない。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、立体ギャザーを有効に機能させるように装着することを容易にする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、第1の態様は、液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとの間に介在して体液を吸収する吸収体を備える吸収性物品であって、着用者の股部にあてがわれる股間部と、前記股間部の前側に延在する腹側部と、前記股間部の後側に延在する背側部と、前記股間部において、前後方向に延在するように設けられ、前記股間部に対して起立する一対の立体ギャザーと、前記立体ギャザーを他の部位から識別させる識別部とを備える。
【0010】
また、第2の態様は、第1の態様に係る吸収性物品において、前記識別部が、前記立体ギャザーに設けられている。
【0011】
また、第3の態様は、第1または第2の態様に係る吸収性物品において、前記識別部が、周辺の部位とは異なる色を呈する。
【0012】
また、第4の態様は、第1から第3までの態様のいずれか1態様に係る吸収性物品において、前記股間部、前記腹側部および前記背側部の内側面のうち、少なくとも前記一対の立体ギャザーの外側部分が、液不透過性の防水性シートにより形成されており、前記防水性シートに、前記識別部が形成されている。
【0013】
また、第5の態様は、第1から第4までの態様のいずれか1態様に係る吸収性物品において、前記識別部が、発光体を含む。
【0014】
また、第6の態様は、第1から第5までの態様のいずれか1態様に係る吸収性物品において、前記識別部が、粘着性を有する粘着材で構成されている。
【0015】
また、第7の態様は、第1から第6までの態様のいずれか1態様に係る吸収性物品において、前記識別部が、前記立体ギャザーのうち、着用者の鼠蹊部にあてがわれる部分を、他の部位から識別するように形成されている。
【発明の効果】
【0016】
第1から第7までの態様に係る吸収性物品によれば、識別部を備えることにより、立体ギャザーを他の部位から容易に識別し得る。したがって、立体ギャザーを有効に機能させた状態で着用することが容易となるという優れた効果を奏し得る。
【0017】
特に、第2の態様に係る吸収性物品によれば、識別部を立体ギャザーに設けることによって、立体ギャザーを容易に識別できるという優れた効果を奏し得る。
【0018】
特に、第3の態様に係る吸収性物品によれば、立体ギャザーを他の部位から視覚的に識別できるという優れた効果を奏し得る。
【0019】
特に、第4の態様に係る吸収性物品によれば、防水性シートに識別部を設けることによって、識別部の視認性を向上できるという優れた効果を奏し得る。
【0020】
特に、第5の態様に係る吸収性物品によれば、識別部が発光することによって、周囲が暗い場合でも、立体ギャザーの視認性を向上できるという優れた効果を奏し得る。
【0021】
特に、第6の態様に係る吸収性物品によれば、識別部が粘着性を有していることにより、立体ギャザーを容易に触感で識別し得るため、立体ギャザーの識別性を向上できるという優れた効果を奏し得る。
【0022】
特に、第7の態様に係る吸収性物品によれば、立体ギャザーのうち、鼠蹊部にあてがう部分を識別しやすくなり、着用者等がその部分をしっかりと起立させた状態で鼠蹊部に当てて着用し得る。したがって、排出された体液が立体ギャザーを超えて外側に漏れることを抑制できるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】第1実施形態に係るおむつを示す外観図である。
【図2】おむつを展開して示す上面図である。
【図3】図2に示すIII−III線から見たおむつの断面図である。
【図4】内層シートに識別部が設けられたおむつを展開して示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して実施の形態を詳細に説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0025】
{1. 第1実施形態}
図1は、第1実施形態に係るおむつ100を示す外観図である。また、図2は、おむつ100を展開して示す上面図である。さらに図3は、図2に示すIII−III線から見たおむつ100の断面図である。なお、以下の説明では、おむつ100が着用者に着用された状態を基準に、着用者の腹側を前側、背中側を後側とし、水平面内においてこの前後方向に直交する方向を左右方向(または、幅方向)と定義して説明する。
【0026】
図1,2に示すように、おむつ100は、着用者の股部にあてがわれる股間部1と、股間部1の前側に延在し、着用者の腹部にあてがわれる腹側部2と、股間部1の後側に延在し、着用者の後背部にあてがわれる背側部3とで構成されている。また、背側部3の両側端部には、腹側部2に止着するためのファスニングテープ4が設けられている。
【0027】
おむつ100は、図1に示すように、展開された状態で着用対象者の下半身に装着され、腹側部2の外装部分(具体的には、後述する外層シート51)に設けられた止着部21にファスニングテープ4を止着することによって、腹側部2と背側部3とを環状に連結してパンツ型を形成する使い捨て紙おむつとして構成されている。
【0028】
図2に示すように、股間部1は、中央付近に向かうにつれて次第に細くなるように、両側部分が内側に湾曲状にえぐれるようにして形成されている。この湾曲部分は、背側部3と腹側部2とがファスニングテープ4によって連結されることによって、脚周り開口部を形成する。
【0029】
また、図3に示すように、おむつ100の外装部分は、外層シート51と内層シート52とで構成されている。外層シート51と内層シート52とは、ホットメルト接着剤などにより互いに重ね合わされた状態で接合されている。なお、図示を省略するが、外層シート51の端部は、内層シート52の端部上面側に折り返されて、重ね合わせられた状態で接合されている。この外層シート51及び内層シート52の積層構造により、股間部1、腹側部2、背側部3の外装部分が構成されている。
【0030】
腹側部2及び背側部3のうち、着用者の腰回りに対応する部分には、左右方向に沿って、ウエストギャザーを形成するための弾性部材53が自然長よりも伸長された状態で取り付けられている。この弾性部材53の伸縮作用により、この部分が着用者の腰回りに柔軟に密着することとなる。
【0031】
また、脚周りに対応する股間部1の両側湾曲部分のそれぞれには、レッグギャザーを形成するための弾性部材54が、自然長よりも伸長された状態で外層シート51と内層シート52との間に取り付けられている。この弾性部材54の伸縮作用により、おむつ100の脚周り開口部が脚周りに柔軟に密着することとなる。
【0032】
外層シート51及び内層シート52は、撥水性を有する防水性シートで構成されており、具体的には、ボンド不織布などの撥水性不織布により形成されている。したがって、股間部1、腹側部2、背側部3の外装体の内側を構成する部分が、防水性シートで構成されていることとなる。また、弾性部材53,54は、通常の紙おむつに用いられる弾性伸縮材料(ポリウレタン糸、ポリウレタンフィルム、天然ゴム等)が用いられ、伸縮状態でホットメルト接着剤、熱溶着、超音波溶着等の貼着手段により、それぞれの部位に貼着される。そして内層シート52の表面には、尿等の体液を吸収するための吸収部6が設置されている。
【0033】
吸収部6は、図3に示すように、吸収体本体部としての液保持性を有する吸収体61、吸収体61の肌面側(図3では、上側)を包むように覆うトップシート62、吸収体61の肌面側とは反対側の外面側(図3では、下側)を包むように覆うバックシート63を備えており、前後方向に延びる長方形状に成形された構造を有している。
【0034】
吸収体61は、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムを顆粒状にした高分子吸収体(SAP:Superabsorbent Polymer)を、透液性を有する補助シートで被覆した構造を有している。排泄された尿や下り物、経血等の体液は、トップシート62を浸透して吸収体61に到達した後、高分子吸収体によって吸着される。
【0035】
なお、吸収体61は、粉砕したパルプ繊維やセルロース繊維等の親水性繊維の集合層に、高分子吸収体を混合した塊を、ティッシュペーパー等の紙シートまたは透液性の不織布シートに貼り付けたものによって構成されていてもよい。ただし、吸収体61の嵩張りを抑制するためには、吸収体61をパルプ非存在の高分子吸収体により構成することが望ましい。
【0036】
トップシート62は、例えば、疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)の表面を界面活性剤により処理して液透過性とした不織布により構成される。ただし、トップシート62は、親水性繊維(セルロース、レーヨン、コットン等)を用いた不織布により構成されていてもよい。
【0037】
また、バックシート63は、例えば、プラスチックフィルムや、柔軟性の高い不織布を貼着したプラスチックフィルムで構成される。ただし、バックシート63は、疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)を用いた撥水性の不織布により構成されていてもよい。
【0038】
さらに、吸収部6における肌面側の幅方向両側部には、前後方向に沿ってサイドシート64,64がそれぞれホットメルト接着剤等により接合されている。またサイドシート64,64のそれぞれの内側端縁部には、立体ギャザーを形成するための弾性部材65が、前後方向に沿って自然長よりも伸長された状態で取り付けられている。この弾性部材65の伸縮作用により、着用者の肌側に押しつけられるべく内向きに起立する立体ギャザー7が構成される。
【0039】
サイドシート64は、バックシート63等と同様に、例えば、プラスチックフィルムや、柔軟性の高い不織布を貼着したプラスチックフィルム、あるいは疎水性繊維(ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ナイロン等)を用いた撥水性の不織布により構成される。また、弾性部材65は、弾性部材53,54と同様の素材で構成される。
【0040】
また、吸収部6の前後方向(長手方向)の両端部は、ホットメルト接着剤等により腹側部2または背側部3に接合されたエンド押さえシート66,66により被覆されている。これにより、吸収部6の端部が直接肌に接触することを抑制している。
【0041】
図2に示すように、一対の立体ギャザー7,7を形成するサイドシート64の外側側面の一部分には、近接する周辺の他の部位(以下、「近接部位」と称する。)から識別するための識別部8が設けられている。ここでは、内層シート52、吸収部6、サイドシート64上の他の部分等がこの近接部位に相当する。識別部8がサイドシート64の外側側面に設けられていることにより、図2に示す展開状態のおむつ100を肌面側から見た時に、着用者等が識別部8を認識し易くなる。
【0042】
具体的に、識別部8は、印刷または着色等によって、近接部位の色とは異なる色を呈するように形成することにより、視覚的に近接部位から識別可能に構成されている。ここで、識別部8の色は、近接部位の色に応じて定めればよいが、例えば、ピンク系やグリーン系等の鮮明色とした場合、視認性に優れると考えられる。ただし、その他の色で彩色されていてもよい。さらに、識別部8は、単一色で構成されるものに限られるものではなく、他種類の色を組み合わせた複数色で彩色されていてもよい。
【0043】
また、蓄光塗料(例えば、アルミナ系酸化物)等の発光体がこの識別部8に塗布されていてもよい。この場合、暗い環境下においても、識別部8によって立体ギャザー7の位置を識別することが可能となり得るため、識別部8の視認性を向上することができる。また、識別部8は、特定の色を呈するように構成するような態様に限られるものではなく、例えば、近接部位とは異なる模様を呈するようにして、視覚的に識別し得るように構成されていてもよい。また、認識部8が、何らかの意味を有する図形(例えば立体ギャザー7を指す矢印等や、「引く」等の文字、その他記号等を含む。)を呈するように構成してもよい。
【0044】
次に、識別部8が設けられる位置について説明する。起立した立体ギャザー7の頂部が鼠蹊部に当てられた状態でおむつ100が装着されることにより、一対の立体ギャザー7に挟まれた空間内に男性器または女性器が収納される。このとき、立体ギャザー7に設けられた弾性部材65によって、立体ギャザー7を股間に柔軟に密着するため、性器から排出された尿等の体液が立体ギャザー7を越えて外部に漏れることが抑制される。
【0045】
そこで、本実施形態では、着用者が立体ギャザー7を鼠蹊部に当てて、おむつ100を正しく装着できるよう、図2に示すように、股間部1から腹側部2にかけて設けられているサイドシート64のうち、鼠蹊部に対応する位置(具体的には、股間部1の中央位置から腹側部2に若干偏る位置)に識別部8が設けられている。着用者は、この識別部8を目で確認して、この部分を指で掴んで立体ギャザー7を起立させ、そのまま鼠蹊部に当てておむつ100を装着することにより、立体ギャザー7を正しく装着することができる。このように、識別部8は、着用者等にとっては装着の際の目印として機能し得る。
【0046】
もちろん、識別部8を鼠蹊部に対応する部分以外に設けることも妨げられない。ただし、識別部8を着用者等が立体ギャザー7を鼠蹊部に正しく当てるための目印とするために、サイドシート64のうちの前側(腹側部2側)に偏在するように設けられていることが好ましい。
【0047】
なお、サイドシート64が比較的厚い薄い素材で構成されている場合、サイドシート64の一部を印刷または着色によって彩色すると、色合いが薄いために識別部8が視認されにくくなる場合がある。このような場合、サイドシート64上以外の部分に識別部を設けてもよい。
【0048】
図4は、内層シート52に識別部8Aが設けられたおむつ100を展開して示す上面図である。図4に示すように、内層シート52のうち、サイドシート64よりも外側の部分であって、サイドシート64の識別部8に近接する位置に、識別部8Aが設けられている。なお、識別部8Aは、識別部8と同様の色を呈するように形成してもよいが、識別部8とは異なる色を呈するように形成してもよい。
【0049】
識別部8Aを設けることによって、サイドシート64の識別部8が視認しにくい場合においても、立体ギャザー7を他の部位から識別しやすくする。したがって、立体ギャザー7を正しく起立させた状態で、おむつ100を装着することが容易となる。また、内層シート52のうち、識別部8に近接する部分に識別部8Aを設けることによって、着用者等が鼠蹊部に当てるべき位置を識別しやすくなるため、おむつ100を容易に正しく着用することができる。
【0050】
なお、サイドシート64の識別部8を省略して、内層シート52に識別部8Aのみを設けるようにすることも妨げられない。また、内層シート52ではなく、吸収部6のトップシート62等に識別部を設けてもよい。
【0051】
識別部8は、サイドシート64の製造時に、対応部分を印刷や着色を直接施したり、特定の色を呈する素材を取り付けたりすることで、容易に設けることができる。したがって、正しく装着することを容易にするおむつ1を低コストで提供することが可能となる。また、おむつ1では、立体ギャザー7を適切に機能させることが容易となるため、体液がおむつ1から外部に漏れることを低減することができる。したがって、着用者等が独自に吸収性部材をおむつ1の内部に足して装着することも減らせるため、無駄なゴミが発生することも抑制できる。
【0052】
{2. 第2実施形態}
上記第1実施形態では、識別部8,8Aを印刷または着色によって彩色することにより、視覚的に立体ギャザー7を識別できるように構成しているが、識別部8,8Aの構成は、このようなものに限られるものではない。
【0053】
例えば、識別部8,8Aを、内層シート52、吸収部6のトップシート62及びサイドシート64の他の近接部分とは異なる素材で構成して、着用者等が識別部8,8Aを触感で認識できるように構成されていてもよい。具体的には、近接部位とは異なる粘着性を有するシート状に形成された粘着材をサイドシート64に貼着したり、あるいは粘着性を有する粘着材を塗布したりすることによって、識別部を構成してもよい。なお、識別部は、直接肌に触れることを考慮して、肌に刺激の少ない低刺激性の素材(例えば、一般的な湿布等に採用されている粘着性素材。例えばアクリル系、ゴム系の素材等)で構成されていることが望ましい。また、識別部8を樹脂素材等で構成することによって、グリップ性を高めて着用者等が指で把持しやすいように構成してもよい。
【0054】
このように触覚で立体ギャザー7を識別できるように構成した場合においても、第1実施形態と同様に、識別部8を目印にすることで、立体ギャザー7を正しく機能させることができる。また、着用者等の視力が悪い場合であっても、適切におむつ1を装着することが容易となる。
【0055】
{3. 変形例}
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0056】
例えば、上記実施形態では、一対のサイドシート64,64上のそれぞれに識別部を設けるようにしているが、どちらか一方のサイドシート64にのみ設けるようにしてもよい。このような場合においても、着用者等は一方に設けられた識別部8を目印にして、両側の立体ギャザー7,7を起立させて正しくおむつ1を装着し得る。
【0057】
また、上記実施形態の認識部8を、サイドシート64とは別の部材で設ける場合において、認識部8の一部分だけをサイドシート64に取り付けて、その他の部分をサイドシート64に対して自由に動かせるように構成した場合、この認識部8を引っ張ることによって、サイドシート64を起立させることが可能となり、正しい装着しやすくなる。
【0058】
また、上記実施形態では、展開された状態で提供されるテープ式の使い捨ておむつを例に挙げて説明しているが、本発明は、このようなものに限られるものではなく、立体ギャザーを有する吸収性物品(例えば、パンツ型おむつ、尿吸収パッド、女性用生理用品等)に広く適用することができることは言うまでもない。
【0059】
また、上記各実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0060】
1 股間部
2 腹側部
3 背側部
51 外層シート
52 内層シート
53,54,65 弾性部材
6 吸収部
61 吸収体
62 トップシート
63 バックシート
64 サイドシート
66,66 エンド押さえシート
7 立体ギャザー
8,8A 識別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液透過性のトップシートと液不透過性のバックシートとの間に介在して体液を吸収する吸収体を備える吸収性物品であって、
着用者の股部にあてがわれる股間部と、
前記股間部の前側に延在する腹側部と、
前記股間部の後側に延在する背側部と、
前記股間部において、前後方向に延在するように設けられ、前記股間部に対して起立する一対の立体ギャザーと、
前記立体ギャザーを他の部位から識別させる識別部と、
を備える吸収性物品。
【請求項2】
請求項1に記載の吸収性物品において、
前記識別部が、前記立体ギャザーに設けられている吸収性物品。
【請求項3】
請求項1または2に記載の吸収性物品において、
前記識別部が、周辺の部位とは異なる色を呈する吸収性物品。
【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項に記載の吸収性物品において、
前記股間部、前記腹側部および前記背側部の内側面のうち、少なくとも前記一対の立体ギャザーの外側部分が、液不透過性の防水性シートにより形成されており、
前記識別部が、前記防水性シートに形成されている吸収性物品。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の吸収性物品において、
前記識別部が、発光体を含む吸収性物品。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の吸収性物品において、
前記識別部が、粘着性を有する粘着材で構成されている吸収性物品。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の吸収性物品において、
前記識別部が、前記立体ギャザーのうち、着用者の鼠蹊部にあてがわれる部分を、他の部位から識別するように形成されている吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−182817(P2011−182817A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−48033(P2010−48033)
【出願日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【出願人】(000110044)株式会社リブドゥコーポレーション (390)
【Fターム(参考)】