説明

吸収性物品

【課題】吸収性能が優れている吸収性物品を提供する。
【解決手段】本発明の吸収性物品1は、使用するものの体液を吸収し、厚み方向に重ねられた少なくとも2つの吸収体4,5と、少なくとも2つの吸収体の一方の面を被覆し、使用者の体液を透過する液透過性シート2と、少なくとも2つの吸収体の他方の面を被覆し、使用者の体液を透過しない液不透過性シート3とを備え、少なくとも2つの吸収体4,5のうちの液不透過性シート3側の吸収体5は、非木材パルプおよびSAPを含み、非木材パルプの水における沈降速度は、2秒以上5秒以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
非木材由来のパルプを使用した吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からおしめや生理用品に使用される使い捨て可能な吸収材の原料として、木材以外を原料としたパルプ(非木材由来のパルプ)が使用されている。とくにサトウキビの茎の汁を搾った後の殻であるバカスが吸収材の原料として注目されている(たとえば、特許文献1)。嵩密度の異なるビスを含むバカスパルプと木材パルプとを所定の割合でブレンドし、嵩密度を調整することで、加圧時または圧縮時における吸収材の保水性能を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭55−133249号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、バガスを使用した吸収材を使用した特許文献1に記載の吸収体よりも、非木材由来のパルプを使用した、リウエット性などの吸収性能がさらに優れている吸収体が望まれている。本発明は、非木材由来のパルプを使用した吸収性能の優れている吸収体を備えた吸収性物品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の吸収性物品は、使用するものの体液を吸収し、厚み方向に重ねられた少なくとも2つの吸収体と、少なくとも2つの吸収体の一方の面を被覆し、使用者の体液を透過する液透過性シートと、少なくとも2つの吸収体の他方の面を被覆し、使用者の体液を透過しない液不透過性シートとを備え、少なくとも2つの吸収体のうちの液不透過性シート側の吸収体は、非木材パルプおよびSAPを含み、非木材パルプの水における沈降速度は、2秒以上5秒以下である。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、吸収性能が優れている吸収性物品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図1は、本発明の一実施形態における吸収性物品の平面図である。
【図2】図2は、図1の吸収性物品のA−A断面図である。
【図3】図3は、吸収量の測定に使用するナイロンメッシュ袋を説明するための図である。
【図4】図4は、吸収性物品試料の構成を説明するための図である。
【図5】図5は、吸収性物品試料の他の構成を説明するための図である。
【図6】図6は、粉砕パルプの繊維の断面の走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】図7は、マニラ麻の断面構造を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明に係る吸収性物品の一実施態様の吸収性物品として、生理用ナプキンを例に挙げて説明する。図1は、本発明の一実施形態における吸収性物品1の平面図であり、図2は、図1の吸収性物品1のA−A断面図である。図1および図2に示すように、吸収性物品1は、液透過性の表面シート2と、液不透過性の防漏シート3と、表面シート2と防漏シート3との間に配置された2つの吸収体4,5と、2つの吸収体4,5を被覆するティッシュ6とを有する。2つの吸収体4,5は、吸収性物品の厚み方向に積層されている。なお、吸収性物品1は、3つ以上の厚み方向に積層された吸収体を備えるようにしてもよい。また、表面シート2と吸収体4との間にセカンドシートを配置してもよい。この場合、表面シート2から体液を吸収しやすいように、表面シート2よりも密度を高めた不織布をセカンドシートに用いることが好ましい。
【0009】
表面シート2は、体液を透過する液透過性のシートであり、使用者が生理用ナプキン1を装着したときに感じる肌触りをよくするために使用者の肌と接触する表面に設けられる。したがって、表面シート2は肌触りを良好にする機能を有していることが好ましい。たとえば、表面シート2は、細い繊維で作製され、表面が平滑で、変形に対して自由度が大きいことが必要である。
【0010】
表面シート2には、一般に不織布が用いられる。周知のカードウェブを用いたエアースルー法にて形成することができる。表面シート2に用いる不織布の製造方法は、上記のエアースルー法に限定されず、たとえば、繊維ウェブを絡合することで安定なシートにするニードルパンチ、スパンレース方式、繊維を接着剤あるいは繊維自身の溶融によりウェブを固定するバインダー接着、熱接着方式、フィラメント繊維によりシール化するスパンボンド方式、抄紙によりシート化する湿式法などを不織布の製造に用いてもよい。
【0011】
表面シート2の不織布に用いられる繊維としてたとえば、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン、ポリブチレン及びこれらを主体とした共重合体エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、アイオノマー樹脂等のポリオレフィン系、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタラート(PTT)、ポリ乳酸等のポリエステル系、ナイロン等のポリアミド系から構成される。
【0012】
防漏シート3は、体液を透過しない液不透過性シートであり、排出された体液が外に漏れないようにするために設けられている。防漏シート3の材料は、排出された体液を透過しない材料であれば、とくに限定されない。たとえば、防水処理を施した不織布、ポリエチレンなどから構成されるプラスチックフィルム、不織布とプラスチックフィルムとの複合材料などを防漏シート3に用いることができる。
【0013】
2つの吸収体4,5は排出された体液を吸収し保持する機能を有する。2つの吸収体4,5は、吸収性物品1の厚み方向に重なっている。2つの吸収体4,5のうちの表面シート2側に配置される吸収体4に使用される吸収材料は、木材パルプまたは木材以外を原料としたパルプ(以下、非木材パルプと呼ぶ)が好ましい。防漏シート3側に配置された吸収体5に使用される吸収材料は、非木材パルプと高吸収性ポリマー(SAP)との混合物が好ましい。表面シート2側に配置される吸収体4に使用される吸収材料が木材パルプである場合、木材パルプの平均繊維径は、防漏シート3側に配置された吸収体5に使用される非木材パルプの平均繊維径よりも大きいことが好ましい。
【0014】
木材パルプは、針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP)および広葉樹晒しパルプ(LBKP)などの木材を原料としたパルプである。非木材パルプは、植物を原料とする、木材パルプ以外のパルプであり、非木材パルプには、たとえば、リンターパルプ、マニラ麻、ケナフ、エスパルト草、ワラ、竹およびバナナの茎などがある。吸収体5に使用する非木材パルプは、好ましくはマニラ麻、とくにマニラ麻の芯に近い部分または芯と外皮との中間部分を原料とするアバカパルプおよびバナナの茎を原料とするバナナパルプである。
【0015】
図7を参照して、マニラ麻の芯近くの部分、およびマニラ麻の芯と外皮との中間の部分について説明する。図7に示すように、マニラ麻50の断面構造は、マニラ麻50の芯51、芯に近い部分52、真ん中の部分53、外側の次の部分54および外側55に分類される。本明細書における「マニラ麻の芯近くの部分」は、マニラ麻50の芯に近い部分52および真ん中の部分53に該当し、「マニラ麻の芯と外皮との中間の部分」は、マニラ麻50の外側の次の部分54に該当する。
【0016】
また、マニラ麻から作製されるアバカ繊維は、マニラ麻の原料となる部分によって分類される。具体的には、アバカ繊維は、原料となる部分がマニラ麻50の芯51であるもの、芯に近い部分52であるもの、真ん中の部分53であるもの、外側の次の部分54であるものおよび外側55であるものに分類される。たとえば、アバカ繊維は、マニラ麻の原料となる部分によって、AD、EF、S2およびS3の特級に分類される。ADは、マニラ麻50の芯に近い部分52を原料としたアバカ繊維を表す。ADのアバカ繊維は、光沢のある純白の繊維である。EFは、マニラ麻50の真ん中の部分53を原料としたアバカ繊維を表す。EFのアバカ繊維は、柔軟純粋繊維真中部分の繊維であり、淡い象牙色である。S2は、マニラ麻50の外側の次の部分54を原料としたアバカ繊維を表す。S2のアバカ繊維は、淡黄土色または淡紫色である。S3は、マニラ麻50の外側55を原料としたアバカ繊維を表す。S3のアバカ繊維は、暗赤色または紫色であり、主にロープに使用される。
【0017】
また、マニラ麻の原料となる部分によって、I、GおよびHの特級にアバカ繊維を分類することができる。Iは、マニラ麻50の真ん中の部分53を原料としたアバカ繊維を表す。Iのアバカ繊維は淡黄色である。Gは、マニラ麻50の真ん中の部分53を原料としたアバカ繊維を表す。Gは、マニラ麻50の外側の次の部分54を原料としたアバカ繊維を表す。Gのアバカ繊維は、鈍暗白色であり、結束が発生しやすい。Hは、マニラ麻50の外側55を原料としたアバカ繊維を表す。Hのアバカ繊維は、黒色に近い茶褐色であり、主にロープに使用される。
【0018】
さらに、マニラ麻の原料となる部分によって、JKおよびM1の特級にアバカ繊維を分類することができる。JKは、マニラ麻50の外側の次の部分54を原料としたアバカ繊維を表す。JKのアバカ繊維は、淡褐色または淡緑色であり、主にパルプとして使用される。M1は、マニラ麻50の外側55を原料としたアバカ繊維を表す。M1のアバカ繊維は、暗褐色から黒色の繊維であり、主にロープに使用される。
【0019】
「マニラ麻の芯近くの部分」のアバカ繊維は、AD、EFまたはIのアバカ繊維に該当し、「マニラ麻の芯と外皮との中間の部分」のアバカ繊維は、S2、GまたはJKのアバカ繊維に該当する。また、外皮のアバカ繊維はS3、HまたはM1のアバカ繊維に該当する。
【0020】
なお、吸収性物品1が、厚み方向に積層された3つ以上の吸収体を備えている場合、少なくとも、もっとも表面シート側に配置される吸収体に使用される吸収材料は、木材パルプまたは木材以外を原料としたパルプ(以下、非木材パルプと呼ぶ)が好ましく、もっとも防漏シート側に配置された吸収体に使用される吸収材料は、非木材パルプとSAPとの混合物が好ましい。
【0021】
防漏シート3側の吸収体5に使用する非木材パルプの平均繊維径は、好ましくは8μm以上、25μm以下であり、より好ましくは、10μm以上、20μm以下である。これにより、吸収体4中の単位体積当たりの繊維の本数が増えるため、吸収体4を容易に厚くすることができ、見かけ上の嵩密度を低くすることができる。したがって、吸収した使用者の体液を蓄えるための容積を吸収体4中に確保しやすくなる。また、非木材パルプの比表面積と繊維間空隙容積が大きくなるので、吸収体5の吸収量を増やすことができる。さらに、非木材パルプの繊維間距離が小さくなるため、非木材パルプの毛細管現象による体液を吸い上げようとする力が大きくなる。また、非木材パルプの繊維同士が、および非木材パルプの繊維とSAPとが絡みやすくなり、吸収体を軽量化、薄型化しても、吸収体は崩れず、吸収体の形状を維持することができる。非木材パルプの平均繊維径が、8μmよりも小さいと中空構造が維持でき難くなり、嵩維持性が悪くなるという問題が生じるおそれがある。非木材パルプの平均繊維径が、25μmよりも大きいと、上述の効果が小さくなる場合がある。さらに、非木材パルプの繊維がSAP粒子間に入り込みやすくなるため、ゲルブロッキングが生じるのを抑制することができる。
【0022】
吸収体5に使用する非木材パルプに含まれるリグニンの含有量は、好ましくは0.5重量%以下であり、より好ましくは、0.3重量%以下である。吸収体5に使用する非木材パルプに含まれるリグニンの含有量が0.5重量%よりも大きいと、吸収体4に使用する非木材パルプの平均繊維径が大きくなり、吸収体5の見かけの嵩密度が高くなり、かつ非木材パルプの親水性が低下するので、吸収体5の吸水性能が低下する場合がある。
【0023】
吸収体5に使用する非木材パルプの沈降速度は、好ましくは2秒以上、5秒以下であり、より好ましくは、2.5秒以上、4秒以下である。この場合、非木材パルプの繊維の構造は中空構造であり、かつ非木材パルプの繊維は親水性であると予測されるので、吸収体4のおける使用者の体液の吸収量が大きくなる。ここで、沈降速度とは、以下のようにして測定した、非木材パルプが入っているカゴが水面に接してから水面下に沈降するまでの時間である。
【0024】
円筒型のカゴの中に、5.0gの非木材パルプを均一に詰める。このカゴは銅線で形成され、この銅線の直径は0.4mmである。またカゴの重さは3gであり、直径は50mmであり、高さは80mmである。カゴの網目の銅線同士の間隔は20mmである。2リットルビーカーに水深が200mmになるまでイオン交換水を入れる。そして、非木材パルプが入っているカゴを、水面から10mmの高さから落とし、カゴが水面に接してから水面下に進行するまでの時間を測定する。この測定した時間が、非木材パルプの沈降速度となる。
【0025】
非木材パルプの繊維の構造が中空構造であると、中空構造の中に空気が含まれるため、非木材パルプの沈降は遅くなる。非木材パルプの沈降速度が2秒よりも小さいと、非木材パルプの繊維は気孔率が小さく、中空ではないので、吸収体5の体液の吸収量が小さくなる場合がある。非木材パルプの沈降速度が5秒以上であると、非木材パルプの繊維の親水性が低い可能性があり、吸収体5の体液の吸収量が小さくなる場合がある。
【0026】
吸収体5に使用する非木材パルプの見かけ嵩密度は、好ましくは0.04g/cm3以上、0.07g/cm3以下である。これにより、吸収した使用者の体液を蓄えるための吸収体4中の容積が大きくなり、吸収体5の吸収量が大きくなる。非木材パルプの見かけ嵩密度が0.04g/cm3よりも小さいと、吸収体強度が低下し、保形性が悪くなるという問題が生じる場合がある。非木材パルプの見かけ嵩密度が0.07g/cm3よりも大きいと、吸収した使用者の体液を蓄えるための容積が小さくなり、吸収体5の吸収量が小さくなる場合がある。
【0027】
吸収体5に使用する非木材パルプの0.9%生理食塩水の吸収量は、好ましくは、非木材パルプの質量に対して20倍以上である。これにより、木材パルプに比べて少量の非木材パルプを使用することによって、同等の吸収量の吸収体を得ることができ、吸収体を軽量化、薄型化することができる。非木材パルプの0.9%生理食塩水の吸収量が20倍よりも小さいと、非木材パルプを使用した吸収体の吸収量は、木材パルプを使用した吸収体の吸収量とほとんど変わらないので、吸収体5の吸収量に関して、木材パルプの代わりに非木材パルプを使用する効果が小さくなる場合がある。
【0028】
表面シート2側の吸収体4に使用する非木材パルプには、防漏シート3側の吸収体5に適した非木材パルプを使用することが好ましい。表面シート2側の吸収体4に使用する非木材パルプは、防漏シート3側の吸収体5に使用する非木材パルプと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0029】
使用者が排出した体液は、表面シート2側の吸収体4に速やかに吸収され、防漏シート3側の吸収体5へ移動する。防漏シート3側の吸収体5は、吸収が速く、吸収した体液を速やかにSAPに移行させることができる非木材パルプと保水性能が優れているSAPとを含むので、使用者が排出した体液は、SAPの中に速やかに吸収される。SAPに圧力を印加することによってSAPに吸収された体液をSAPから排出することは難しいので、吸収性物品1に使用者の体圧がかかっても、吸収体5に吸収された体液は、表面シート2まで戻りづらくなる。また、吸収性物品1に使用者の体圧によって吸収体5から排出された体液が表面シート2まで戻るには表面シート2側の吸収体4を通過しなければならない。さらに、吸収性物品1に使用者の体圧によって吸収体5から排出された体液は、表面シート2側の吸収体4に吸収される。したがって、上述の2つの吸収体4,5を厚み方向に重ねて吸収性物品1に配置することによって、吸収性物品1のリウエット量は改善される。
【0030】
ティッシュ6は、2つの吸収体4,5を一緒に被覆することによって、吸収体4,5が崩れてばらばらになるのを防止する。なお、吸収体4,5が、ティッシュ6がなくても崩れない場合は、吸収性物品1は、ティッシュ5を有さなくてもよい。
【0031】
本発明の吸収性物品は、人間が使用する吸収性物品のほかにペットなどの人間以外の動物が使用する吸収性物品も含む。人間およびペットなどの人間以外の動物を含めて吸収性物品を使用する動物を「使用するもの」と呼ぶ。
【実施例】
【0032】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0033】
実施例、比較例および参考例において、吸収速度およびリウエット量は、以下のようにして測定した。
【0034】
(1)内径60φ、高さ50mmの円筒を、吸収性物品試料の表面シート上の吸収体中央部分に相当する部分に設置した。
(2)その円筒内に80mLの0.9%生理食塩水を10秒かけて注入した。0.9%生理食塩水は、上述の0.9%生理食塩水と同じである。
(3)0.9%生理食塩水の注入を開始してから、0.9%生理食塩水が吸収性物品試料に吸収されて円筒内から消えるまでの時間を計測した。この計測した時間が吸収速度(秒)となる。
(4)0.9%生理食塩水の注入を開始してから5分後に吸収性物品試料から円筒を取り除き、予め質量を測定した約50gのろ紙(100mm×100mm)を吸収性物品試料上に置き、そのろ紙の上に3.5kgのおもり(100mm×100mm)を置いた。
(5)おもりを置いてから3分後にろ紙を取り除き、そのろ紙の質量を測定した。そして、吸収性物品試料に置いた後のろ紙の質量から置く前のろ紙の質量を引き算して、吸収性物品試料のリウエット量を算出した。
(6)0.9%生理食塩水の注入から吸収性物品試料のリウエット量を算出するまでのプロセスを10分ごとに3回実施し、吸収速度およびリウエット量のデータを3回とった。
【0035】
また、実施例、比較例および参考例の作製のために使用した粉砕パルプの平均繊維径、リグニン含有量、沈降速度、繊維比重、見かけ嵩密度、吸収量、加圧保水量および保水量は、以下のように測定した。
【0036】
(平均繊維径)
Metso automation製 カヤーニ繊維長測定器 Fiber Lab3.8を使用して、約20000本測定し、平均繊維径とした。
【0037】
(リグニン含有量)
パルプ中のリグニン含有量は、P.J.Van Soest らの方法(Proc. Nutr.Soc.,32123(1973))に準じて測定した。
【0038】
(沈降速度)
(1)円筒型のカゴの中に、5.0gの非木材パルプを均一に詰めた。このカゴは銅線で形成され、この銅線の直径は0.4mmであった。またカゴの重さは3gであり、直径は50mmであり、高さは80mmである。カゴの網目の銅線同士の間隔は20mmであった。
(2)2リットルビーカーに水深が200mmになるまでイオン交換水を入れた。
(3)非木材パルプが入っているカゴを、2リットルビーカー中の水の水面から10mmの高さから落とし、カゴが水面に接してから水面下に進行するまでの時間を測定した。この測定した時間が、非木材パルプの沈降速度となった。
【0039】
(繊維比重)
パルプ中の繊維比重は、Heガス比較式比重計(東京サイエンス社製)を使用して、JIS M 8717に準拠して測定した。
【0040】
(見かけ嵩密度)
粉砕パルプ10gを100mm×100mmに積層した。100mm×100mmの板を、積層した粉砕パルプの上に重ね、100g荷重の重りをその上に載せた。重りを載せてから10秒後の積層粉砕パルプの厚みを見かけ嵩とし、見かけ嵩密度を算出した。
【0041】
(吸収量、加圧保水量、保水量)
(1)2Lビーカーに0.9%生理食塩水を1000mL入れ、液温を測定する。0.9%生理食塩水は、27.0gの塩化ナトリウム(試薬1級)を3Lビーカーに入れた後、イオン交換水と塩化ナトリウムとの合計量が3000.0gになるまで、3lビーカーにイオン交換水を加えることによって作製した。
(2)250メッシュのナイロンメッシュ(NBC工業製、N-NO.250HD)を200mm×200mmの大きさに切り出して質量(x(g))を測定した後、図3(a)に示すようにB−B一点鎖線の部分を折って、ナイロンメッシュ21を半分に折った。図3(b)に示すように、折られた部分が右側になるように配置した後、下端から5mm上の位置、右端から5mm左の位置および左端から5mm右の位置にヒートシール22形成して、上端23が開放しているナイロンメッシュ袋24を作製する。質量を予め測定した粉砕したパルプ(y(g))をナイロンメッシュ袋24に入れ、不図示のヒートシールを形成して、ナイロンメッシュ袋24の開放している上端23を閉じた。
(3)粉砕パルプ入りの袋を生理食塩水の入ったビーカーの底に触れるように浸漬させ、3分間放置した。
(4)放置後、粉砕パルプが入った袋を引き上げ、3分間、自然放置にて水切りを行った。
(5)粉砕パルプが入った袋の重量(z1(g))を測定した。
(6)次式から吸収倍率を計算した。
吸収量(g/g)=((z1−x)−y)/y
(7)(6)で測定した、粉砕パルプが入った袋の上にアクリル板を載せ、重さ3.5kg、大きさ100mm×100mmのおもりをアクリル板の上にさらに載せ、3分間放置した。
(8)おもり、アクリル板を除き、粉砕パルプが入った袋の重量(z2(g))を測定した。
(9)次式から加圧保水量を計算した。
加圧保水量(g/g)=((z2−x)−y)/y
(10)(8)で測定した、粉砕パルプが入った袋を遠心分離器で脱水する。使用する遠心分離器は国産遠心(株)社製分離機 型H130である。遠心分離機の回転数は、850rpm(150G)であった。
(11)脱水後の吸収材料の入った袋の重量(z3)を測定した。
(12)次式から保水量を計算した。
加圧保水量(g/g)=((z3−x)−y)/y
【0042】
(粉砕パルプ1)
マニラ麻の芯近くのパルプであるアバカBKP(小倉貿易(株)製、AK104)を繊維状に粉砕して粉砕パルプ1を作製した。
【0043】
(粉砕パルプ2)
マニラ麻の芯と外皮との中間の位置のパルプであるアバカBKP(小倉貿易(株)製、AK102)を繊維状に粉砕して粉砕パルプ2を作製した。
【0044】
(粉砕パルプ3)
バナナの茎のパルプであるバナナBKP(小倉貿易(株)製)を繊維状に粉砕して粉砕パルプ3を作製した。
【0045】
(粉砕パルプ4)
木材パルプ(針葉樹晒しクラフトパルプ(NBKP))を繊維状に粉砕して粉砕パルプ4を作製した。
【0046】
(粉砕パルプ5)
バカスBKP(小倉貿易(株)製)を繊維状に粉砕して粉砕パルプ5を作製した。
【0047】
(粉砕パルプ6)
ケナフBKP(小倉貿易(株)製)を繊維状に粉砕して粉砕パルプ6を作製した。
【0048】
(実施例1)
目付100g/m2の粉砕パルプ4を使用して表面シート側の吸収体を作製した。目付150g/m2の粉砕パルプ1と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合して防漏シート側の吸収体を作製した。表面シート32、セカンドシート37、ティッシュ36、表面シート32側の吸収体34、防漏シート33側の吸収体35および防漏シート33を備えた図4に示す構造の吸収性物品試料31である実施例1を作製した。表面シート32は目付25g/m2のエアースルー不織布であり、セカンドシート37は目付20g/m2のエアースルー不織布であり、ティッシュ36の目付は17g/m2であり、防漏シート33の目付は17g/m2であった。それぞれの部材を、スパイラルホットメルト接着剤を使用して貼り合わせた。スパイラルホットメルト接着剤の塗布坪量は5g/m2であった。
【0049】
(実施例2)
目付150g/m2の粉砕パルプ4を使用して表面シート側の吸収体を作製した。目付100g/m2の粉砕パルプ1と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合して防漏シート側の吸収体を作製した。これらの吸収体を使用して図4に示す構造の吸収性物品試料31である実施例2を作製した。
【0050】
(実施例3)
目付100g/m2の粉砕パルプ1を使用して表面シート側の吸収体を作製した。目付150g/m2の粉砕パルプ1と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合して防漏シート側の吸収体を作製した。これらの吸収体を使用して図4に示す構造の吸収性物品試料31である実施例3を作製した。
【0051】
(参考例1)
目付250g/m2の粉砕パルプ1と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合した吸収体を作製し、表面シート42、セカンドシート47、ティッシュ46、吸収体45および防漏シート43を備えた図5に示す構造の吸収性物品試料41である参考例1を作製した。表面シート42は目付25g/m2のエアースルー不織布であり、セカンドシート47は目付20g/m2のエアースルー不織布であり、ティッシュ46の目付は17g/m2であり、防漏シート43の目付は17g/m2であった。それぞれの部材を、スパイラルホットメルト接着剤を使用して貼り合わせた。スパイラルホットメルト接着剤の塗布坪量は5g/m2であった。
【0052】
(参考例2)
目付250g/m2の粉砕パルプ2と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合した吸収体を作製し、図5に示す構造の吸収性物品試料41である参考例2を作製した。
【0053】
(参考例3)
目付250g/m2の粉砕パルプ3と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合した吸収体を作製し、図5に示す構造の吸収性物品試料41である参考例3を作製した。
【0054】
(参考例4)
目付250g/m2の粉砕パルプ5と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合した吸収体を作製し、図5に示す構造の吸収性物品試料41である参考例4を作製した。
【0055】
(参考例5)
目付250g/m2の粉砕パルプ6と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合した吸収体を作製し、図5に示す構造の吸収性物品試料41である参考例5を作製した。
【0056】
(比較例1)
目付250g/m2の粉砕パルプ4と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合した吸収体を作製し、図5に示す構造の吸収性物品試料41である比較例1を作製した。
【0057】
(比較例2)
目付100g/m2の粉砕パルプ4を使用して表面シート側の吸収体を作製した。目付150g/m2の粉砕パルプ4と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合して防漏シート側の吸収体を作製した。これらの吸収体を使用して図4に示す構造の吸収性物品試料31である比較例2を作製した。
【0058】
(比較例3)
目付100g/m2の粉砕パルプ1を使用して表面シート側の吸収体を作製した。目付150g/m2の粉砕パルプ4と、目付250g/m2のSAP(住友精化製、アクアキープSA60S)とを均一に混合して防漏シート側の吸収体を作製した。これらの吸収体を使用して図4に示す構造の吸収性物品試料31である比較例2を作製した。
【0059】
実施例1〜3、比較例1〜3ならび参考例1〜5における吸収体の性能を比較できるようにするため、吸収体の全質量がおよそ29.5gになるようにして吸収性物品試料31,41を作製した。
【0060】
粉砕パルプ1〜6の平均繊維径、リグニン含有量、沈降速度、繊維比重、見かけ嵩密度、吸収量、加水保水量および保水量の結果を以下の表1に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
実施例1〜3、比較例1〜3ならび参考例1〜5の特性ならびに吸収体厚み、吸収速度およびリウエット量の結果を以下の表2に示す。
【0063】
【表2】

【0064】
粉砕パルプ1〜3は、すべて、0.9%生理食塩水の吸収量はパルプの質量に対して20倍以上であった。また、粉砕パルプ1〜3は、すべて、沈降速度は2秒以上、5秒以下であった。さらに、粉砕パルプ1〜3は、すべて、平均繊維径は8μm以上、25μm以下であり、かつリグニンの含有量は0.5重量%以下であり、かつ見かけ嵩密度は、0.04g/cm3以上、0.07g/cm3以下であった。
【0065】
粉砕パルプ4は、平均繊維径が34.5μmと大きく、沈降速度が1.04秒と速く、見かけ比重が0.083g/cm3と大きく、0.9%生理食塩水の吸収量がパルプの質量に対して16.2倍と小さかった。粉砕パルプ5は、沈降速度が1.26秒と速く、0.9%生理食塩水の吸収量がパルプの質量に対して18.8倍と小さかった。 粉砕パルプ6は、沈降速度が1.82秒と速く、0.9%生理食塩水の吸収量がパルプの質量に対して19.2倍と小さかった。
【0066】
アバカパルプの粉砕パルプ1および2は、木材パルプの粉砕パルプ4に比べて吸収量が50%以上高いため、木材パルプに比べて少量でも木材パルプと同等以上の量の体液を吸収することができる。また、粉砕パルプ1および2の保水量も粉砕パルプ4の木材パルプに比べて同等以下であるので、粉砕パルプ1および2のパルプ繊維からSAPへの水分の移行性が良好になり、繰り返し吸収性能も良好になる。この吸収量が大きいのにもかかわらず保水量が少ない実施例1および2の特性は、バナナパルプの粉砕パルプ3も有している。この吸収量が大きいのにもかかわらず保水量が少ない粉砕パルプ1〜3の特性は、粉砕パルプ1〜3の繊維の構造が中空構造になっているためであると考えられる。アバカパルプ、バナナパルプおよび木材パルプのそれぞれの繊維の断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を図6に示す。図6(a)がアバカパルプの繊維の断面のSEM写真であり、図6(b)がバナナパルプの繊維の断面のSEM写真であり、図6(c)が木材パルプの繊維の断面のSEM写真である。アバカパルプは、中空構造の繊維の空隙によって水分が繊維の内部に取り込まれ,加圧保水性が優れているものと推測される。バナナパルプは、繊維の細かさと繊維の空隙によって水分が繊維の内部および繊維間に取り込まれ、拡散性、加圧保水性および保水性が優れているものと推測される。粉砕パルプ1および2の加圧保水量は粉砕パルプ4の木材パルプに比べて50%以上高いので、パルプ繊維からSAPへ水分が移行する前に、体圧が吸収体にかかっても、吸収体のリウエット量が小さくなる。
【0067】
参考例1〜3は、0.9%生理食塩水の吸収が速く、リウエット量は少なかった。これより、粉砕パルプ1〜3を使用して作製した吸収性物品試料の吸収特性は優れていることがわかった。すなわち、0.9%生理食塩水の吸収量がパルプの質量に対して20倍以上である粉砕パルプを使用した吸収性物品試料の吸収特性が優れていることがわかった。また、沈降速度は2秒以上、5秒以下である粉砕パルプを使用した吸収性物品試料の吸収特性が優れていることがわかった。さらに、平均繊維径は8μm以上、25μm以下であり、かつ見かけ嵩密度は、0.04g/cm3以上、0.07g/cm3以下である粉砕パルプを使用した吸収性物品試料の吸収特性が優れていることがわかった。
【0068】
参考例4および5ならびに比較例1の0.9%生理食塩水の吸収は、1回目、2回目は速かったものの3回目になると遅くなった。すなわち、参考例4および5ならびに比較例1の繰り返し吸収性が悪かった。また、参考例4および5ならびに比較例1は、1回目のリウエット量は少なかったものの、2回目以降のリウエット量は大きくなった。
【0069】
実施例3と参考例1とを比較すると、非木材パルプを使用した1層の吸収体を、非木材パルプを使用した2層の吸収体にすることによって、吸収性物品のリウエット量が少なくなることがわかった。実施例1および2と実施例3とを比較すると、表面シート側の吸収体の吸収材料を非木材パルプから木材パルプに変更すると、吸収性物品のリウエット量は増えることがわかった。しかし、実施例1および2と比較例1および2とを比較することによって明らかなように、実施例1および2は、パルプとして木材パルプのみを使用した吸収体を備えた吸収性物品に比べれば、リウエット量は少ないことがわかった。
【0070】
比較例1と比較例2とを比較すると、パルプとして木材パルプのみを使用した吸収体を備えた吸収性物品の場合、1層の吸収体を2層に重ねられた吸収体にすることによっても、吸収性物品のリウエット量は少なくならず、逆に増えることがわかった。比較例1と比較例3とを比較すると、パルプとして非木材パルプのみを使用した1層の吸収体を、表面シート側の吸収体に非木材パルプを使用して防漏シート側の吸収体に木材パルプを使用した、2層に重ねられた吸収体にすることによっても、吸収性物品のリウエット量は少なくならず、逆に増えることがわかった。
【0071】
実施例1および2では、表面シート側の吸収体に使用される粉砕パルプ4の平均繊維径は34.5μmであるのに対し、防漏シート側の吸収体に使用される粉砕パルプ1の平均繊維径は17.9μmである。平均繊維径が大きくなると、粉砕パルプの毛細管現象による液体の吸収力が小さくなることから考えると、防漏シート側の吸収体の平均繊維径に比べて平均繊維径が大きな粉砕パルプを表面シート側の吸収体に使用することによって、使用者の体液は、表面シート側の吸収体から防漏シート側の吸収体に効率よく移動するものと予測される。このため、実施例1および2における0.9%生理食塩水の吸収は速かったものと考えられる。逆に、防漏シート側の吸収体の平均繊維径に比べて平均繊維径が小さな粉砕パルプを表面シート側の吸収体に使用すると、防漏シート側の吸収体から表面シート側の吸収体に液体が移動しようとする力が働き、比較例3のリウエット量のように、吸収性物品のリウエット量が増えるものと考えられる。
【0072】
実施例1と比較例2とを比較すると、防漏シート側の吸収体の非木材パルプのパルプ量を減らして、表面シート側の吸収体の木材パルプのパルプ量を増やすと、吸収性物品のリウエット量が大きくなることがわかった。
【符号の説明】
【0073】
1,31,41 吸収性物品
2,32、42 表面シート
3,33,43 防漏シート
4,34,35,45 吸収体
6,36,46 ティッシュ
21 ナイロンメッシュ
22 ヒートシール
24 ナイロンメッシュ袋
37,47 セカンドシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用するものの体液を吸収し、厚み方向に重ねられた少なくとも2つの吸収体と、
前記少なくとも2つの吸収体の一方の面を被覆し、使用者の体液を透過する液透過性シートと、
前記少なくとも2つの吸収体の他方の面を被覆し、使用者の体液を透過しない液不透過性シートとを備え、
前記少なくとも2つの吸収体のうちの前記液不透過性シート側の吸収体は、非木材パルプおよびSAPを含み、
前記非木材パルプの水における沈降速度は、2秒以上5秒以下である吸収性物品。
【請求項2】
前記少なくとも2つの吸収体のうちの前記液透過性シート側の吸収体は、非木材パルプを含み、
前記非木材パルプの水における沈降速度は、2秒以上5秒以下である請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記少なくとも2つの吸収体のうちの前記液透過性シート側の吸収体は、木材パルプを含み、
前記木材パルプの平均繊維径は、前記非木材パルプの平均繊維径よりも大きい請求項1に記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記非木材パルプの平均繊維径は8〜25μmであり、
前記非木材パルプの見かけ嵩密度は、0.04〜0.07g/cm3であり、
前記非木材パルプの0.9%生理食塩水の吸収量は、該パルプの質量に対して20倍以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記非木材パルプは、マニラ麻の芯近くの部分、もしくはマニラ麻の芯と外皮との中間の部分を原料とするアバカパルプまたはバナナの茎を原料とするバナナパルプである請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−205680(P2012−205680A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72331(P2011−72331)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000115108)ユニ・チャーム株式会社 (1,219)
【Fターム(参考)】