説明

吸収性物品

【課題】排泄された液が吸収体内に素早く移行して、表面シートの濡れ拡がりが小さく、表面シートの液残り量も少ないため、排泄直後もドライ感が得られ快適な吸収性物品に関する。
【解決手段】失禁パッド1の吸収体4は、吸収性コア40と該吸収性コア40を包むコアラップシート44とを有する。吸収性コア40を、その長手方向の全長を3等分して、前領域A、中央領域B、及び後領域Cの3領域に区分した場合に、少なくとも中央領域Bは、吸水性ポリマーを含んで平面方向に分散配置された小吸収部41と、該小吸収部41間を仕切る溝43とを有しており、中央領域Bにおける、小吸収部41の肌当接面側表面41sの占有率が50〜80%であり、コアラップシート44は、吸収性コア40より肌当接面側に位置する部分の液透過速度が5秒以下であり、前記吸水性ポリマーは、DW法(30秒)に従い測定された吸収速度が13ml/g以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、失禁パッドや尿取りパッド、生理用ナプキン等の吸収性物品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吸収性物品において、吸収体に高速吸水能を有する吸水性ポリマーを含有させたり、吸収体を複数に分割したりして、吸収体の吸収性能の向上を図るものが知られている。例えば、特許文献1における吸収体は、捕捉/分配層である上層と、貯蔵層である下層の2層を有しており、貯蔵層は、10秒以下で全体量の40%以上に吸収できる吸収体ゲル化剤を含んでいる。また、特許文献2の吸収体は、溝を挟んで並列する複数本の帯状吸収体からなる2つの並行帯状吸収体群から構成されており、特許文献2には、股間部の吸収性能が向上することが記載されている。また特許文献3の吸収体は、個々に独立した多数の吸収部が、物品平面方向にわたって配置されてなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許3466184号公報
【特許文献2】特開2004−159820号公報
【特許文献3】特開2009−172363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1〜2には、吸収体の吸収性能向上を図ることは記載されていても、排泄された液の液透過性については、記載されていない。高速吸水能を有する吸水性ポリマーを用いたり、吸収体を分割したりしても、排泄された液が吸収体内に素早く移行しなければ、液が吸収性物品の肌当接面に溜まって漏れにつながってしまう。その結果、吸収性物品のドライ感も低下する。また、特許文献3には、多数の吸収部を、表面シートと該吸収体との間に配された中間シートに固定すること、及び中間シートに液の引き込み機能を持たせることにより、表面シートの液残り量を減らすことが記載されている。しかしながら、中間シートは、液の拡散性能が高いものが好ましいとされており、特許文献3には該中間シートの液透過機能を高くすることは何ら示唆されていない。また特許文献3には、吸収体における吸収部の肌当接面側の表面占有率についても何ら示唆されていない。
【0005】
従って、本発明の課題は、排泄された液が吸収体内に素早く移行して、表面シートの濡れ拡がりが小さく、表面シートの液残り量も少ないため、排泄直後もドライ感が得られ快適な吸収性物品に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、肌当接面側に配置された表面シート、非肌当接面側に配置された裏面シート、及び両シート間に介在された吸収体を具備しており、該吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアを包むコアラップシートとを有する、吸収性物品であって、前記吸収性コアを、その長手方向の全長を3等分して、前領域、中央領域、及び後領域の3領域に区分した場合に、少なくとも該中央領域は、吸水性ポリマーを含んで平面方向に分散配置された多数の小吸収部と、該小吸収部間を仕切る溝とを有しており、前記中央領域における、前記小吸収部の肌当接面側表面の面積占有率が50〜80%であり、前記コアラップシートは、前記吸収性コアより肌当接面側に位置する部分の液透過速度が5秒以下であり、且つ、前記吸水性ポリマーは、DW法に従い測定された吸収速度が13ml/g(30sec)以上である、吸収性物品を提供するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、排泄された液が吸収体内に素早く移行して、表面シートの濡れ拡がりが小さく、表面シートの液残り量も少ないため、排泄直後もドライ感が得られ快適な吸収性物品が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明の吸収性物品の第1実施形態である失禁パッドの肌当接面側(表面シート側)を模式的に示す一部破断平面図である。伸長状態とは、失禁パッドを、設計寸法(弾性部材の影響を一切排除した状態で平面状に広げたときの寸法と同じ)となるまで拡げた状態を言う。
【図2】図2は、図1のI−I線断面を模式的に示す断面図である。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態である吸収性物品の幅方向に沿う断面を模式的に示す断面図であり、図2相当図である。
【図4】図4(a)は、本発明の第3実施形態における吸収性コアを模式的に示す平面図であり、図4(b)は、図4(a)のII−II断面図である。
【図5】図5は、本発明の第4実施形態における吸収体の幅方向に沿う断面を模式的に示す断面図であり、図2の一部に相当する図である。
【図6】図6は、本発明の第4実施形態における吸収性コアを模式的に示す平面図であり、図4(a)相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態である失禁パッド1(以下、パッド1ともいう)は、図1及び図2に示すように、肌当接面側に配置された表面シート2、非肌当接面側に配置された裏面シート3、及び両シート間に介在された吸収体4を具備している。該吸収体4は、吸収性コア40と該吸収性コア40を包むコアラップシート44とを有する。吸収性コア40を、その長手方向の全長を3等分して、前領域A、中央領域B、及び後領域Cの3領域に区分した場合に、少なくとも中央領域Bは、吸水性ポリマーを含んで平面方向に分散配置された小吸収部41と、該小吸収部41間を仕切る溝43とを有している。中央領域Bにおける、小吸収部41の肌当接面側表面41sの占有率は50〜80%である。コアラップシート44は、吸収性コア40より肌当接面側に位置する部分の液透過速度が5秒以下である。前記吸水性ポリマーは、DW法に従い測定された吸収速度が13ml/g(30sec)以上である。
【0010】
尚、吸収性物品の長手方向(縦方向)は、着用時に着用者の前後方向と一致する方向であり、吸収性物品の幅方向は、該長手方向と略直交する方向である。図中、符号Xで示す方向(X方向)は、吸収性物品(吸収体、吸収性コア)の長手方向であり、符号Yで示す方向(Y方向)は、吸収性物品(吸収体、吸収性コア)の幅方向である。本実施形態においては、吸収体、吸収性コア、立体ギャザーの長手方向もX方向に一致している。
また、吸収性物品(吸収体、吸収性コア)の平面方向とは、吸収性物品の長手方向(X方向)及び幅方向(Y方向)からなるXY平面が延在する方向である。また、吸収性物品の厚み方向は、XY平面と直交する方向であり、図中Zで示す方向である。また、肌当接面は、吸収性物品における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面であり、非肌当接面は、吸収性物品における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(通常、衣類側)に向けられる面である。
【0011】
図1に示すように、失禁パッド1はX方向に長い略矩形状であり、長手方向の両端縁は円弧状に形成されている。表面シート2は液透過性であり、表面シート2の片面は、失禁パッド1の肌当接面を構成している。裏面シート3は液不透過性又は液難透過性を有しており、裏面シート3の片面が、衣類側に向けられる失禁パッド1の非肌当接面側の面を構成している。
表面シート2、裏面シート3及び吸収体4は、それぞれ失禁パッド1の長手方向(X方向)と同方向に長い形状を有している。吸収体4は、図2に示すように、表面シート2及び裏面シート3間に狭持固定されている。表面シート2は、吸収体4の肌当接面4aの全域を被覆し、更に吸収体4のX方向に沿う左右両側縁からY方向の外方に延出している。また、裏面シート3は、吸収体4の非肌当接面4bの全域を被覆し、更に吸収体4の両側縁からY方向の外方に延出している。また、表面シート2及び裏面シート3は、吸収体4のX方向の前端及び後端それぞれからX方向の外方にも延出しており、それらの延出部において、接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって、互いに接合されている。
【0012】
パッド1は、着用者の衣類(例えば、ショーツやパンツ等の下着等)に固定されて使用され、裏面シート3の衣類側表面(非肌当接面)は、着用時に衣類側に向けられる。パッド1は、該衣類に固定可能な固定手段として、裏面シート3の衣類側表面(非肌当接面)に、粘着剤からなるズレ止め層10を備えている。ズレ止め層10は、ホットメルト粘着剤等の粘着剤を所定箇所に塗布することにより設けられており、パッド1の使用前においてはフィルム、不織布、紙などからなる図示しない剥離シートによって被覆されている。
【0013】
吸収体4は、吸収性材料(パルプ等の繊維材料、吸水性ポリマー等)を含む吸収性コア40を含んで構成されている。本実施形態における吸収体4は、吸収性コア40を、ティッシュペーパー又は透水性の不織布からなるコアラップシート44で被覆して構成されている。本実施形態において、コアラップシート44は、吸収性コア40の肌当接面側の面を被覆するコアラップシート44aと、吸収性コア40の非肌当接面側の面を被覆するコアラップシート44bとからなる。肌当接面側のコアラップシート44aは、吸収性コア40の肌当接面側のほぼ全域を被覆している。非肌当接面側のコアラップシート44bは、吸収性コア40の非肌当接面側のほぼ全域を被覆していると共に、吸収性コア40の両側部において幅方向(内方)に折り返されている。
【0014】
吸収性コア40は、パルプ繊維等の繊維材料間に吸水性ポリマーを保持させて構成されている。表面シート2と吸収体4との間、吸収体4と裏面シート3との間は、ドット、スパイラル、ストライプ等のパターン塗工された接着剤(ホットメルト接着剤等)により互いに接合されていてもよい。例えば、吸収体4はその両側部において表面シート2に接合固定されていてもよい。また吸収体4の非肌当接面側は、裏面シート3に接合固定されていてもよい。
【0015】
図1に示すように、吸収性コア40は、X方向において、前領域A、中央領域B、及び後領域Cの3領域に区分される。具体的には、中央領域Bは、平面視において、吸収性コア40のX方向の全長を3等分するY方向の線N1,N2に挟まれた領域である。前領域Aは、着用時において中央領域Bよりも着用者の前方に位置する領域であり、後領域Bは、着用時において中央領域Bよりも着用者の後方に位置する領域である。中央領域Bは、吸収性コア40における排泄対応箇所(排泄された液が最初に吸収される部分)である。
【0016】
第1実施形態の吸収性コア40は、吸水性ポリマーを含んで平面方向に分散配置された小吸収部41と、該小吸収部41間を仕切る溝43とを有している。本実施形態において、溝43及び小吸収部41は、吸収性コア40の平面方向の全体に形成されており、吸収性コア40の平面視形状は、図4(a)に示すものと同様である。このように小吸収部41と溝43とを有する吸収性コア40の形状をブロック形状ともいう。吸収性コア40は、多数の小吸収部41それぞれを島とし、溝43の形成箇所を海とする海島構造を有している。
【0017】
具体的に説明すると、第1実施形態においては、図1に示すように、吸収性コア40は、多数の小吸収部41がパッド1の長手方向(X方向)に所定間隔をおいて配置されて小吸収部列41Xを形成しており、該小吸収部列41Xがパッド1の幅方向(Y方向)に所定間隔を置いて複数本配置されている。各小吸収部列41Xにおいて、Y方向に所定間隔を置いて配置された小吸収部41間には上方(表面シート2側)に開口した溝43が配されている。溝43は、長手方向(X方向)においても幅方向(Y方向)においても小吸収部41間に配されており、小吸収部41間を仕切っている。
第1実施形態においては、小吸収部41は吸収性コア40に千鳥状に配されている。即ち、互いに隣接する小吸収部列41Xにおいて、小吸収部41のX方向位置がずれている。換言すれば、小吸収部41は、所定の小吸収部列における小吸収部41を、該小吸収部列と直交する方向(Y方向)に投影したときに、隣接する小吸収部列41Xの小吸収部41の投影像と一致しないように配置されている。図1に示す例においては、互いに隣接する小吸収部列41Xにおいて、小吸収部41のX方向位置が半ピッチ分ずれている。
小吸収部41は、平面視において略同形の矩形状に形成されている。ただし、多数の小吸収部41のうち、円弧状をなす失禁パッド1の長手方向両端縁に沿うものは該端縁形状に合わせた形状をしている。
【0018】
また、図2に示すように、第1実施形態において、吸収性コア40の溝43以外の部分の厚みT40は略一定であり、小吸収部41の肌当接面側の表面41sは略矩形状であると共に、平面方向と略平行な略平坦な面である。そして、吸収性コア40に形成される溝43は、吸収性コア40を厚み方向(Z方向)に貫通しておらず、溝43の深さTdは略一定である。これにより、吸収性コア40は、略一定の厚み(吸収性コア40の非肌当接面側の面から溝43の底面までのZ方向距離)を有して、吸収性材料を含む薄肉連続層42を備える。薄肉連続層42は、小吸収部41と一体に形成されており、小吸収部41を、その非肌当接面側において平面方向に繋いでいる。薄肉連続層42の存在により、吸収性コア40における非肌当接面側の面は、実質的に凹凸が無く略平坦であるのに対し、肌当接面側の面は、突出形成された小吸収部41(凸部)と溝43(非凸部あるいは凹部)とによる凹凸を有している。
なお、吸収性コア40の厚みT40は、小吸収部41の表面41sから吸収性コア40の底面(非肌当接面側の面)までのZ方向距離であり、第2実施形態のように吸収性コア40が薄肉連続層42を有しない場合は小吸収部41の厚みである。
また、小吸収部41は、薄肉連続層42における溝43の下側部分42d(以下、溝下部分42dともいう)よりも、吸収性材料の坪量が相対的に高い部分である。また、小吸収部41の密度は、薄肉連続層42における溝下部分42dの密度よりも高くなっている。
【0019】
本実施形態において、溝43の側壁はXY平面方向と略直交しており、小吸収部41の平面方向の面積はZ方向に沿って略一定である。しかしながら、例えば、小吸収部41は、側面視において台形状に形成されて、平面方向の面積は非肌当接面側に向かうにつれて小さくなるように形成されていてもよい。
【0020】
特に中央領域Bにおいて、吸収性コア40の厚みT40は、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは2.0〜9.0mmである。溝43の深さTd(小吸収部の厚みと同じ値)は、好ましくは0.5〜10mm、より好ましくは0.5〜7.0mmである。吸収性コアの厚みT40に対する溝43の深さTdの比(Td/T40)は、好ましくは0.2〜1、より好ましくは0.5〜1である。
【0021】
図1に示すように、平面視における、小吸収部41の肌当接面側表面41s同士間の間隔Lbは、好ましくは1.0〜10mm、より好ましくは2.5〜4.5mmである。なお、Y方向における表面41s同士間の間隔Lbは、X方向における表面41s同士間の間隔と異なっていてもよい。
また、1つの小吸収部41は、好ましくは、肌当接面側の表面41sの面積が0.5〜3.0cm2であり、より好ましくは0.6〜1.5cm2である。
小吸収部41は、面積100cm2当たり、15〜100個、特に50〜80個形成されていることが好ましい。また、本実施形態のように小吸収部41がX方向に所定間隔を開けて複数配置された小吸収部列41Xを有する場合、小吸収部列41Xは吸収性コア40に、好ましくは3〜11列、より好ましくは5〜9列形成されている(図示例では7列)。
【0022】
吸収性コア40の中央領域Bにおける、小吸収部41の肌当接面側表面41sの面積占有率Qは、50〜80%である。好ましくは、当該面積占有率Qは、50〜70%であり、より好ましくは50〜65%であり、更に好ましくは、50〜60%である。
【0023】
<面積占有率Qの算出方法>
前記面積占有率Qは、下記式に従って算出される。
Q=S1/S2 ×100
(S1:中央領域Bにおける小吸収部41の肌当接面側表面41sの面積の合計,S2:中央領域Bの面積)
尚、中央領域Bの面積S2は、吸収性コア40の幅方向(Y方向)の長さL40y(図1参照)に、中央領域BのX方向の全長LBx(吸収性コア40の長手方向(X方向)全長の3分の1)を掛け合わせて得られる。また、S1は、平面視において、多数の小吸収部41の表面41sのうち、中央領域Bに位置する部分の総ての面積を合計して得られる。線N1,N2が表面41sを横切る小吸収部41については、該小吸収部41の表面41sの面積のうち、N1,N2のX方向内側に位置する部分の面積が、中央領域Bに位置する部分の面積である。
【0024】
また、コアラップシート44は、吸収性コア40より肌当接面側に位置する部分の液透過速度Pが5秒以下である。本実施形態のように、吸収性コア40の肌当接面側及び非肌当接面側それぞれを別体のコアラップシートにより覆う場合、吸収性コア40の肌当接面側に位置する部分の液透過速度Pは、吸収性コア40の肌当接面側を覆うコアラップシート44aの液透過速度となる。コアラップシート44a(44)の液透過速度Pは、好ましくは4秒以下であり、より好ましくは3秒以下である。
液透過速度Pは、以下のようにして測定される。
【0025】
〈液透過速度Pの測定方法〉
60mm×60mmに切り出したコアラップシート44a(44)を、上下から、ゴムパッキンを介して、直径35mmの一対のガラス製シリンダーで挟持して固定する。その状態下で、上側のシリンダーの上端から青色に着色した生理食塩水40gを供給する。生理食塩水がコアラップシート44a(44)に達してから、コアラップシート44a(44)を通過して下側の前記シリンダーの下端から流れ落ち始めるまでの時間(液透過時間)を測定し、この液透過時間の値をコアラップシートの液透過速度Pとする。シリンダーは高さ75mm、内径35mm、肉厚3mmの円筒状であり、その両端に外径60mmのフランジ部分が設けられている。下部のシリンダー83の下方には、液受け84が配置されている(特開2007−135790号公報の図4記載の装置参照)。
失禁パッド1からコアラップシート44a(44)を切り出す場合には、コアラップシート44a(44)とその他の部分(表面シート2あるいは吸収性コア40)との間で丁寧に剥がし、コアラップシート44a(44)を上記大きさに切り出して測定する。コアラップシート44a(44)がその他の部分と接着剤によって接着されている場合には、以下の手順でコアラップシート44a(44)を剥がす。即ち、コールドスプレーを噴射し、接着剤を固化させる。そして、接着剤が固化している間に、丁寧にコアラップシート44a(44)をその他の部分から剥がす。
【0026】
また、小吸収部41に含まれる吸水性ポリマーは、DW法に従い測定された吸収速度が13ml/g(30sec)以上である。吸水性ポリマーの吸収速度Vは、以下のように測定される。以下では、DW法に従い測定された吸収速度が前記の値以上である吸水性ポリマーを高速吸水性ポリマーともいう。小吸収部41に含まれる高速吸水性ポリマーは、前記吸収速度が14ml/g(30sec)以上であることがより好ましい。また、前記吸収速度の上限値は特に制限はないが、50ml/g(30sec)以下であることが好ましい。
【0027】
〈吸収速度Vの測定方法〉
DW法による吸収速度ml/g(30sec)は、DW法を実施する装置として一般的に知られている装置(DemandWettabilityTester)を用いて測定する。生理食塩水の液面と、ポリマー散布台〔70mmφ、No.2濾紙をガラスフィルターNo.1上に置いた台〕の上面とが同じ高さになるように調整する。そのポリマー散布台の上に、測定対象の吸水性ポリマーを0.3g散布する。吸水性ポリマーを散布した時点の吸水量を0とし、30秒後の吸水量(この吸水量は、生理食塩水の水位の低下量を示すビュレットの目盛りで測定される)を測定する。ここで得られる吸水量の値を吸水性ポリマー1.0gあたりに換算する。尚、測定は23±2℃、湿度50±5%で行い、測定の前に試料を同環境で24時間以上、保存した上で測定する。
【0028】
本実施形態のパッド1において液が吸収される過程を、以下、説明する。パッド1へ排泄された尿等の液は、表面シート2の下面と接するコアラップシート44a(44)内を通る。コアラップシート44a(44)を透過した液は、小吸収部41の表面41s側に移行し、該表面41s側から小吸収部41に吸収されたり、溝43内に流れこみ、小吸収部41内に側方から引き込まれる。また、液は溝43に案内されて、吸収性コア40の平面方向に拡散し、排泄箇所の周囲の小吸収部41内に引き込まれる。
【0029】
本実施形態のパッド1においては、上述したように、吸収性コア40の肌当接面側において、コアラップシート44a(44)の液透過速度Pが5秒以下である。このため、尿等の液は、コアラップシート44a(44)内を素早く透過して、表面シート2における濡れ面積が拡大しにくい。
また、コアラップシート44a(44)から小吸収部41への液の移行は、コアラップシート44a(44)と小吸収部41の肌当接面側表面41sとが接する箇所で起きる。このためコアラップシート44a(44)の液透過が速くても、中央領域Bにおいて、小吸収部41の肌当接面側表面41sの面積占有率Qが低すぎると、表面シート2から小吸収部41の表面41s側への液の移行が素早く行われずに、表面シート2の濡れ面積の拡大が起きてしまう。一方、面積占有率Qは高すぎると、表面シート2から小吸収部41の表面41s側へ液が素早く移行できても、溝43を介した小吸収部41内への液の引き込み速度が遅くなってしまう。この場合も、小吸収部41内への液引き込みにより表面シート2から小吸収部41への移行が促進されないので、表面シート2への液残りや液濡れ面積の拡大を解消しきれない。
これに対し、本実施形態のパッド1は、面積占有率Qが50〜80%であるため、コアラップシート44aの高い透過速度を生かして、表面シート2から小吸収部41の表面41s側へ素早く液を移行させると共に、溝43を介した小吸収部41内への液の引き込み速度が速い。更に、小吸収部41内の吸水性ポリマーは、DW法(30sec)に従い測定された吸収速度が13ml/g以上であるため、小吸収部41による液吸収は高速に行われる。このように、本実施形態のパッド1は、表面シート2から小吸収部41内(吸収性コア40内)に至る液の移行速度が非常に速くなり、排出直後から、表面シート2における濡れ拡がりと表面シート2への液残りを抑制して快適なドライ感が得られると共に高い吸収性能を得られる。
【0030】
次に、本発明の他の実施形態の失禁パッドについて説明する。他の実施形態については、第1実施形態と異なる点について主として説明し、同様の点については、同一の符号を付して説明を省略する。特に言及しない点については、上述した第1実施形態に関する説明が適宜適用される。
【0031】
図3に、第2実施形態の失禁パッド1Aを示す。失禁パッド1Aにおいては、溝43は吸収性コア40を厚み方向に貫通しており、薄肉連続層42が存在しない。パッド1Aにおいては、吸収性コア40の肌当接面側における溝43の開口幅、及び非肌当接面側における溝43の開口幅は、略等しく形成されている。
なお、本発明の吸収性物品は、パッド1Aのように、表面シート2の長手方向両側部は、吸収体4の両側縁から延出し、吸収体4の非肌対向面側に巻き下げられていてもよい。パッド1Aにおいては、巻き下げられた表面シート2は、吸収体4と裏面シート3との間において、吸収体4及び/又は裏面シート3と接合されている。
また、本発明の吸収性物品は、パッド1Aのように、その両側部に、着用者側に起立する一対の立体ギャザー5,5を備えていてもよい。パッド1Aの立体ギャザー5,5は、表面シート2で覆われた吸収体4の両側に配されている。具体的に言うと、失禁パッド1の長手方向両側部それぞれには、そのX方向のほぼ全長に亘って、一定の幅を有する防水性シート6が配されている。立体ギャザー5は、該防水性シート6と、防水性シート6に固定された弾性部材51とからなる。防水性シート6の一方の側縁部は、吸収体4の非肌当接面側に巻き下げられた表面シート2と、裏面シート3との間に接合され、立体ギャザー5の固定端部53を形成している。立体ギャザー5の自由端部52は、防水性シート6の他方の側縁部からなり、弾性部材51がX方向に伸長した状態で固定されている。立体ギャザー5のX方向両端部は、吸収体4上の表面シート2上に、伏せた状態で固定されている。立体ギャザー5の自由端部52は、該X方向両端部以外の部分において、弾性部材51の収縮により着用者側に起立する。
【0032】
図4に基づいて本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の失禁パッドは、第1実施形態の失禁パッド1の吸収性コア40を、図4に示す吸収性コア40Bに変更したものである。吸収性コア40Bは、中央領域Bの坪量が、前領域A及び後領域Cの坪量よりも高い。このため第3実施形態の失禁パッドは、吸収性コア40の排泄対応箇所である中央領域Bに吸収性材料を集中させて、中央領域Bにおける吸収性コア40B内への液の引き込み速度を高めることができる。これにより、表面シート2からの吸収性コア40B内へ素早く液が移行して、表面シート2の液残り量が減少する。
ここでいう坪量は、それぞれの領域に存在する吸収性材料の坪量であり、例えば、中央領域Bが、パルプ繊維と吸水性ポリマーとからなる場合、該中央領域Bの坪量は、パルプ繊維の坪量と吸水性ポリマーの坪量の合計である。
【0033】
第3実施形態においては、中央領域Bの小吸収部41bの坪量を、前領域Aの小吸収部41aの坪量、及び後領域Cの小吸収部41cの坪量よりも高くすることにより、上記の領域間における坪量差を実現している。中央領域Bの小吸収部41bは、前領域Aの小吸収部41a及び後領域Cの小吸収部41cよりも面積当りの吸収性材料の堆積量が多く、中央領域Bの小吸収部41bは、前領域Aの小吸収部41a及び後領域Cの小吸収部41cよりも嵩高に形成されている。このため、中央領域Bの坪量を高めても、溝43の深さを低減することなく、小吸収部41への液の引き込みを助ける溝43の機能を損なわずに、中央領域Bの小吸収部41の吸収性能を高めることができる。また、中央領域Bの小吸収部41の肌当接面側の表面41sをよりコアラップシート44a(44)に近接させて、コアラップシート44aから小吸収部Bへ液移行しやすくさせる。
中央領域Bの小吸収部41bを、前領域Aの小吸収部41a及び後領域Cの小吸収部41cよりも嵩高に形成する観点から、吸収性コア40Bは、中央領域Bにおけるパルプ繊維等の繊維材料の坪量Sqbが、前領域A及び後領域Cにおけるパルプ繊維等の繊維材料の坪量Sq’よりも高いことが好ましい。
【0034】
吸収性コア40Bは、中央領域Bにおける吸水性ポリマーの坪量についても、前領域A及び後領域Cにおける吸水性ポリマーの坪量より高いことが好ましい。
より好ましくは、吸収性コア40Bは、中央領域Bにおける高速吸水性ポリマーの坪量Spbが、前領域A及び後領域Cにおける高速吸水性ポリマーの坪量Spよりも高い。このため、吸収性コア40Bは、当該領域Bに高速吸水性ポリマーを集中させて、吸収性コア40B内への液の引き込み速度を更に高めることができる。
【0035】
中央領域Bの繊維材料(特にパルプ繊維)の坪量Sqb(以下、パルプ坪量ともいう)は、好ましくは250〜600g/m2、より好ましくは300〜500g/m2である。前領域A及び後領域Cのパルプ坪量Sq’は、好ましくは100〜220g/m2、より好ましくは100〜200g/m2である。中央領域Bのパルプ坪量Sqbの、前領域A及び後領域Bのパルプ坪量Sq’に対する比(Sqb/Sq’)は、好ましくは1.2〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5である。
また、中央領域Bの吸収性コア40の厚みT40の、前領域A及び後領域Cの吸収性コア40の厚みT40’に対する比(T40/T40’)は好ましくは1.5〜3.0であり、更に好ましくは1.8〜2.5である。
また、中央領域Bの高速吸水性ポリマーの坪量Spbは、好ましくは200〜600g/m2、より好ましくは300〜500g/m2である。前領域A及び後領域Cの高速吸水性ポリマーの坪量Sp’は、好ましくは50〜300g/m2、より好ましくは80〜250g/m2である。中央領域Bの高速吸水性ポリマーの坪量Spbに対する前領域A及び後領域Cの高速吸水性ポリマーの坪量Sp’の比(Spb/Sp’)は、好ましくは1.2〜3.0、より好ましくは1.5〜2.5である。
【0036】
次に、図5に基づいて本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態の失禁パッドは、第1実施形態の失禁パッド1の吸収体4を、図5に示す吸収体4Cに変更したものである。第4実施形態の失禁パッドにおいては、吸収性コア40の中央領域Bにおける小吸収部41の肌当接面側に、その液透過速度P’が、コアラップシート44a(44)の液透過速度Pよりも速い連続吸収層8が積層されている。このため、中央領域Bにおいて、コアラップシート44a(44)を素早く透過した水は、該コアラップシートよりも更に速い透過速度により連続吸収層8を透過して、小吸収部41の表面41sに移行する。つまり、連続吸収層8における高い液透過性は、表面シート2からコアラップシート44a中(パッド1の内部)への液の引き込みを促し、表面シート2における液残り量を低減することができる。
小吸収部41の分布領域の広狭(例えば、吸収性コア40の略全体に分布しているか、中央領域Bにのみ分布しているか)に関わらず、連続吸収層8は、中央領域Bにおける小吸収部41上に積層されていればよく、また吸収性コア40における中央領域Bよりも広い領域上に積層されていてもよい。連続吸収層8は、平面状又は平板状(フラット形状)をしている。
また、連続吸収層8の液透過速度P’とは、コアラップシート44a(44)の液透過速度Pの測定方法と同様により測定された液透過時間の値である。また、「液透過速度P’がコアラップシート44a(44)の液透過速度Pよりも速い」とは、連続吸収層8について、液透過速度Pの測定方法と同じ方法で測定された液透過時間が、液透過速度Pとして測定されたコアラップシートの液透過時間よりも短いことを意味する。連続吸収層8の液透過速度P’は、好ましくは0.3〜4秒であり、より好ましくは0.3〜1.0秒である。
【0037】
連続吸収層8としては、パルプ繊維等からなる繊維集合体か、又はパルプ繊維等からなる繊維集合体と吸水性ポリマーとからなるもの(吸水性ポリマーと繊維材料との混合積繊物)等を用いることができる。連続吸収層8が吸水性ポリマーを含む場合、その含有量は、5g/m2〜200g/m2であることが好ましい。連続吸収層8のパルプ坪量は、好ましくは30g/m2〜200g/m2であり、より好ましくは50g/m2〜100g/m2である。連続吸収層8の厚みT8は、好ましくは0.2mm〜3.0mmであり、より好ましくは、0.5〜2.0mmである。また、特に中央領域Bにおいて、連続吸収層8の厚みT8は、吸収性コア40の厚みT40に対する比(T8/T40)が1.0〜80%であり、より好ましくは10〜50%である。
【0038】
連続吸収層の吸水性ポリマーとしては、例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン、失禁パッド等の吸収性物品の吸収体に、従来使用されている各種の組成や形状の吸水性ポリマーが挙げられる。吸水性ポリマーの構成樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸ソーダ、(アクリル酸−ビニルアルコール)共重合体、ポリアクリル酸ソーダ架橋体、(デンプン−アクリル酸)グラフト重合体、(イソブチレン−無水マレイン酸)共重合体及びそのケン化物、ポリアクリル酸カリウム、並びにポリアクリル酸セシウム等が挙げられ、これらの1を単独で又は2以上を混合して用いることができる。
また、吸水性ポリマーには、その形状の違いから、不定形タイプ、塊状タイプ、俵状タイプ、球粒凝集タイプ、球状タイプ等があるが、何れのタイプも用いることができる。繊維集合体としては、パルプ繊維以外に、例えば、レーヨン繊維やポリエチレン繊維、ポリアクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維などの化学繊維を含んでいても良い。また化学繊維は親水化処理を施して用いることもできる。吸水性ポリマー及び繊維集合体は、それぞれ1又は2以上を組み合わせて用いることができる。
【0039】
次に、第5実施形態の失禁パッドについて説明する。第5実施形態の失禁パッドは、第1実施形態のパッド1における吸収性コア40を、図6に示す吸収性コア40Dに変更したものである。吸収性コア40Dは、中央領域Bにおいて吸水性ポリマーを含んで平面方向に分散配置された多数の小吸収部41と、該小吸収部41間を仕切る溝43を有している。しかしながら、前領域A及び後領域Bには、小吸収部41が少数しか配されておらず、溝43も形成されていない。前領域A及び後領域Bにおいて、小吸収部41が突出形成されていない箇所は、薄肉連続層42のみが形成されている。
【0040】
なお、以上説明した第2〜第5実施形態の失禁パッドにおいても、第1実施形態のパッド1と同様の構成を有しているため、各実施形態で説明した効果に加えて、第1実施形態のパッド1と同様の効果が奏される。
【0041】
上述した失禁パッドの各部の形成材料について説明する。
表面シート2、裏面シート3等としては、失禁パッド等の吸収性物品に従来用いられている各種のもの等を特に制限なく用いることができる。例えば、表面シート2としては、不織布や開孔フィルム等の液透過性のシートを用いることができる。ただし、表面シート2は、肌への当りのソフトな材料からなる親水処理を施したエアースルー不織布やスパンボンド不織布などであることが好ましい。
裏面シート3としては、例えば、透湿性を有しない樹脂フィルムや、微細孔を有し、透湿性を有する樹脂フィルム、撥水不織布等の不織布、これらと他のシートとのラミネート体等を用いることができる。防水性シート6としては裏面シート3と同様のものを用いることができる。裏面シート3は、透湿性又は非透湿性の樹脂フィルムの非肌当接面側の面に、液透過性又は液難透過性の不織布等を積層した積層シートであっても良い。
【0042】
コアラップシート44(コアラップシート44a)としては、親水性の紙(例えばティッシュペーパー)又は透水性の不織布を用いることができ、特に親水性の紙であることが好ましい。更に具体的には、コアラップシートとして嵩高なパルプ繊維を含む繊維を抄紙した紙を用いることが好ましい。例えば、繊維粗度が0.17〜0.20mg/mの太い親水性セルロース繊維と、繊維粗度が0.13〜0.16mg/mの細い親水性セルロース繊維を7/3〜3/7の質量比で含有することで、強度の低下を抑えつつ、液透過性を高めたコアラップシートを作ることができる。コアラップシート44(特にコアラップシート44a)の坪量は、好ましくは10〜40g/m2であり、より好ましくは15〜30g/m2である。コアラップシート44の密度は、好ましくは0.01〜0.2g/cm3であり、さらに好ましくは0.015〜0.1g/cm3である。
【0043】
小吸収部41(吸収性コア40)に含まれる吸収性材料としては、吸水性ポリマーのほか、繊維材料が挙げられる。
繊維材料としては、木材パルプ、コットン、麻等の天然繊維;ポリエチレンやポリプロピレン等の合成樹脂からなる合繊繊維;アセテートやレーヨン等の半合成繊維等をとくに制限なく用いることができる。繊維材料として、親水性の観点から、特にパルプ繊維を用いることが好ましい。また、高速吸水性ポリマーとして、例えば、表面積の大きい多孔質ポリマーや、粒径の小さい吸水ポリマーを用いることができる。なお、吸収性コア40が薄肉連続層42を有する場合、薄肉連続層42は、小吸収部41を構成する吸収性材料と同じ吸収性材料からなるものでもよいし、異なっていてもよい。例えば、高速吸水性ポリマーは小吸収部41により多く、薄肉連続層42により少なく含ませるようにしてもよい。高速吸水性ポリマーは、好ましくは、小吸収部41に30〜100質量%含まれており、より好ましくは50〜100質量%含まれている。
【0044】
以上、本発明の吸収性物品について好ましい複数の実施形態を説明したが、本発明は上述した各実施形態に何ら制限されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、吸収性コア40において小吸収部41は必ずしも千鳥状に配置されていなくてもよい良い。具体的に言うと、溝43は、長手方向(X方向)に沿って延びるX方向の直線状部分と、幅方向(Y方向)に沿って延びるY方向の直線状部分とがそれぞれ複数形成され、溝43全体として格子状に形成されている。さらに、これら直線状の溝43で区画された部位が、小吸収部41となっていてもよい。その場合、X方向の直線状部分は、それぞれ、吸収体4の長手方向(X方向)の全長に亘って延びて形成されており、Y方向の直線状部分が、それぞれ、吸収体4の幅方向(Y方向)の全長に亘って延びて形成されているようにしてもよい。
【0045】
また、本発明の吸収性物品は、失禁パッドの他、尿取りパッド、生理用ナプキン、使い捨ておむつ等であっても良い。
【0046】
また、上述した一の実施形態における説明省略部分及び一の実施形態のみが有する要件は、それぞれ他の実施形態に適宜適用することができ、また、各実施形態における要件は、適宜、実施形態間で相互に置換可能である。例えば、図1,2,4〜6に示す吸収性コア(第1、第3〜第5実施形態の吸収性コア)は、いずれも図3に示す吸収性コア40のように、薄肉連続層40が形成されていないものであってもよい。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の吸収性物品を、実施例を用いて更に説明するが、本発明は、かかる実施例によって何ら制限されるものではない。
【0048】
〔実施例1〕
図3に示す構成の吸収体を作成した。溝は、吸収性コアを貫通する貫通溝であった。また、吸収性コアは、その平面方向の全体において、多数の小吸収部が平面方向に分散配置され、該小吸収部間が溝に仕切られていた。前領域、中央領域、後領域の各々の坪量は同等であり、パルプ坪量が269g/m2、吸水性ポリマーの坪量が281g/m2であった。また、一の小吸収部の肌当接面側の表面の面積は78mm2であった。吸収性コアの厚み(T40)は各領域において略一定であり、2.8mmであった。また平面視における、小吸収部の肌当接面側表面同士の間隔(Lb)は、X方向の線状部分においてもY方向の線状部分においても、3mmであった。小吸収部の肌当接面側表面の面積占有率Q、コアラップシートの液透過速度P(液透過時間)、及び吸水性ポリマーの吸収速度Vは、表1に示す通りであった。コアラップシートは、吸収性コア全体を包む一枚ものを用いた。コアラップシートとしては、親水性の紙を用い、具体的には嵩高なパルプ繊維を80%含むパルプ繊維を抄紙した紙を用いた。コアラップシートの坪量は、30g/m2であった。小吸収部(吸収性コア)に含まれる吸収性材料として、繊維材料と高速吸水性ポリマーを用いた。高速吸水性ポリマーとしては、平均粒子径が約300μmの逆相懸濁重合で得られた不定形の吸水性ポリマー粒子を用いた。また繊維材料としては、通常のフラッフパルプを用いた。
【0049】
上記の吸収体を、液透過性の表面シートと液難透過性の裏面シートの間に挟み、吸収体の幅方向両側縁部にはギャザーを形成するためのギャザー用弾性部材が取り付けられたシートを配置して、評価用の失禁パッドを得た。評価用の失禁パッドの表面シートとしては、親水処理を施したエアースルー不織布を用いた。裏面シートとしては、透湿性の多孔質フィルムを用いた。
【0050】
小吸収部41の肌当接面側表面41sの面積は、下記方法により測定する。
吸収性物品をドライな状態で、表面シートを剥がす。表面シートがその他の部分と接着剤によって接着されている場合には、以下の手順で表面シートを剥がす。コールドスプレーを噴射し、接着剤を固化させる。接着剤が固化している間に、丁寧に表面シートをその他の部分から剥がす。コアラップシートから小吸収部が透けて見える場合は、コアラップシートの上から小吸収部の寸法を測り、面積を計算する。コアラップシートの坪量が高い等で、小吸収部が透けて見えない場合は、コアラップシートを丁寧に剥がし、直接、小吸収部の寸法を測り、面積を求める。表面シートと同様に、コアラップシートも、コールドスプレーを用いて、剥がすことができる。
【0051】
〔実施例2〕
平面視における、小吸収部の肌当接面側表面同士の間隔(Lb)を1mmとして面積占有率Qを75.1%とした以外は、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。
ここで、パルプ重量とは、吸収性コアに含まれるパルプの総重量であり、吸水性ポリマー重量は、吸収性コアに含まれる吸水性ポリマーの総重量である。
【0052】
〔実施例3〕
吸収性コアの小吸収部の肌当接面側に、図5で示す構成のフラット形状の連続吸収層(上層)が積層されたものを用いた。そして、連続吸収層と吸収性コアの各パルプ重量の合計が実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等となり、連続吸収層と吸収性コアの各吸水性ポリマー重量の合計が実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等となるように調整した。それ以外は、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。
連続吸収層は、吸収性コアと同じ平面視形状を有しており、吸収性コア全体を覆うように積層された。連続吸収層の厚みは1.0mmであった。連続吸収層としては、パルプ繊維の坪量が90g/m2、吸水性ポリマーの坪量が90g/m2である、パルプ繊維と吸水性ポリマーの混合積繊物を用いた。連続吸収層のパルプ繊維としては、通常のフラッフパルプを用いた。連続吸収層の吸水性ポリマーとしては、平均粒子径が約300μmの逆相懸濁重合で得られた不定形の吸水性ポリマー粒子を用いた。なお、吸収性コアの厚み(T40)は1.2mmであった。
【0053】
〔実施例4〕
吸収性コアとして図4に示すように、中央領域の坪量を、前領域及び後領域の坪量よりも高くしたものを用いた以外は、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。ただし、吸収性コアの溝は、実施例1と同様に貫通溝とし、また吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。中央領域の坪量は、パルプ440g/m2、吸水性ポリマー460g/m2であった。前領域及び後領域の坪量は、パルプ194g/m2、吸水性ポリマー203g/m2であった。中央領域において吸収性コアの厚みは4.5mmであった。前領域及び後領域において吸収性コアの厚みは2.0mmであった。
【0054】
〔比較例1〕
吸収性コアを、溝を有しないフラットな形状に形成して面積占有率Qを100%とした。更に、コアラップシートを、液透過速度P(液透過時間)が表1に示すものとし、吸収性コアに含まれる吸水性ポリマーを、吸収速度Vが表1に示すものとしたほかは、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。吸収性コアの厚みは0.8mmであった。また吸収性コアの坪量はパルプ150g/m2、吸水性ポリマー157g/m2であった。
【0055】
〔比較例2〕
コアラップシートを、液透過速度P(液透過時間)が表1に示すものとし、吸収性コアに含まれる吸水性ポリマーを、吸収速度Vが表1に示すものとしたほかは、比較例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。
【0056】
〔比較例3〕
吸収性コアに含まれる吸水性ポリマーを、吸収速度Vが表1に示すものとしたほかは、比較例2と同様にして評価用の失禁パッドを得た。
【0057】
〔比較例4〕
コアラップシートを、液透過速度P(液透過時間)が表1に示すものとし、吸収性コアに含まれる吸水性ポリマーを、吸収速度Vが表1に示すものとしたほかは、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。
【0058】
〔比較例5〕
小吸収部(吸収性コア)に含まれる吸水性ポリマーを、吸収速度Vが表1に示すものとしたほかは、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。
【0059】
〔比較例6〕
平面視における、小吸収部の肌当接面側表面同士の間隔(Lb)を4.5mmとして面積占有率Qを43.8%とした。更にコアラップシートを、液透過速度P(液透過時間)が表1に示すものとした以外は、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。
【0060】
〔比較例7〕
平面視における、小吸収部の肌当接面側表面同士の間隔(Lb)を4.5mmとして面積占有率Qを43.8%とした以外は、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。
【0061】
〔比較例8〕
平面視における、小吸収部の肌当接面側表面同士の間隔(Lb)を1mmとして面積占有率Qを75.1%とし、小吸収部(吸収性コア)に含まれる吸水性ポリマーを、吸収速度が表1に示すものとした以外は、実施例1と同様にして評価用の失禁パッドを得た。吸収性コアのパルプ重量を、実施例1の吸収性コアのパルプ重量と同等とし、吸収性コアの吸水性ポリマー重量を、実施例1の吸収性コアの吸水性ポリマー重量と同等とした。
【0062】
〔評価〕
〔表面シートの液残り量〕
表面シートの液残り量は以下のようにして測定した。
失禁パッドを水平に置き、表面シート側の面における吸収体配置領域の中央部に、赤く着色した人工尿(50gを、5g/秒の速度で)注入した。注入後10秒後に、市販のティッシュペーパー(商品名:クリネックス(日本製紙クレシア))2枚を縦115mm×横45mmになるように縦、横に3回折ったものを載せた。更にその上に圧力が0.4kPaになるように重りを載せて5秒間加圧した。加圧後、吸収紙を取り出し、加圧前後の紙の重さを測定して、紙に吸収された液の重量を測定して表面液残り量(人工尿)とした。
【0063】
〔表面シートの液拡散面積〕
表面シートの液拡散面積は以下のようにして測定した。
表面シートの液残り量の測定が終了した直後に、OHP用フィルムを表面シートの上に置き、表面シートが赤く拡がった部分の輪郭を書き込み、面積を測定できる専用ソフト(Image−ProPlus:(株)日本ローパー社製)を用い、OHPフィルムに書き込まれた画像をスキャナーでパソコンに取り込んで液拡散面積を求めた。
【0064】
〔ドライ感〕
ドライ感は、以下のようにして評価した。
表面シートの液残り量を測定する方法と同様に、試作した失禁パッドに人工尿を注入し、注入後10秒後に、指で表面シートを触ってもらった。濡れ感を○(ぬれ感を感じない)、△(ぬれ感をやや感じる)、×(ぬれ感を強く感じる)の3段階で官能試験を行いドライ感の指標とし、○を合格とした。
【0065】
【表1】

【0066】
表1に示すように、実施例1〜4はいずれも比較例1〜8に比べ、表面シートの液拡散面積が小さかった。また、実施例1〜4はいずれも比較例(特に比較例1〜2、4〜8)に比べて表面シートの液残り量が少ないレベルに抑制されていた。更に、実施例1〜4はいずれも比較例1〜8に比べ、ドライ感が高かった。これらにより、実施例1〜4においては、比較例1〜8に比べて、液が素早く表面シートから吸収性コア側へ移行して、排泄直後からドライで快適であることが示唆された。また、実施例3のように溝を有する吸収性コア(ブロック状の吸収性コア)上に連続吸収層を配することや、実施例4のように中央領域の坪量をより高くすることにより、表面シートの液残り量が更に低減して、よりドライで快適な着用感を提供することが分かる。
【0067】
上述した実施形態に関し、本発明はさらに以下の形態を開示する。
<1>肌当接面側に配置された表面シート、非肌当接面側に配置された裏面シート、及び両シート間に介在された吸収体を具備しており、該吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアを包むコアラップシートとを有する、吸収性物品であって、
前記吸収性コアを、その長手方向の全長を3等分して、前領域、中央領域、及び後領域の3領域に区分した場合に、少なくとも該中央領域は、吸水性ポリマーを含んで平面方向に分散配置された多数の小吸収部と、該小吸収部間を仕切る溝とを有しており、
前記中央領域における、前記小吸収部の肌当接面側表面の面積占有率が50〜80%であり、
前記コアラップシートは、前記吸収性コアより肌当接面側に位置する部分の液透過速度が5秒以下であり、且つ、前記吸水性ポリマーは、DW法に従い測定された吸収速度が13ml/g(30sec)以上である、吸収性物品。
【0068】
<2>前記吸収性コアは、前記中央領域の坪量が、前記前領域及び前記後領域の坪量よりも高い、前記<1>に記載の吸収性物品。
<3>前記吸収性コアの少なくとも前記中央領域における前記小吸収部の肌当接面側に、その液透過速度が、前記コアラップシートの液透過速度よりも速い連続吸収層が積層されている、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
<4>前記吸収性コアの少なくとも前記中央領域における非肌当接面側に、その液透過速度が、前記コアラップシートの液透過速度よりも速い連続吸収層が積層されている、前記<1>又は<2>に記載の吸収性物品。
【0069】
<5>前記面積占有率は、50%以上であり、好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下である、前記<1>から<4>の何れか1に記載の吸収性物品。
<6>平面視における、前記小吸収部の肌当接面側表面同士間の間隔は、好ましくは1.0mm以上、より好ましくは2.5mm以上であり、好ましくは10mm以下、より好ましくは4.5mm以下である、前記<1>から<5>の何れか1に記載の吸収性物品。
<7>前記コアラップシートの液透過速度は、好ましくは4秒以下、より好ましくは3秒以下である、前記<1>から<6>の何れか1に記載の吸収性物品。
<8>前記コアラップシートは、ティッシュペーパー又は透水性の不織布である、前記<1>から<7>の何れか1に記載の吸収性物品。
<9>前記吸収性コアは、さらに繊維材料を含む、前記<1>から<8>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0070】
<10>前記繊維材料は、木材パルプ、コットン、麻、ポリエチレンの合成樹脂からなる合成繊維、ポリプロピレンの合成樹脂からなる合繊繊維、アセテートの反合成繊維、及び、レーヨンの半合成繊維の1又は2以上である、前記<9>に記載の吸収性物品。
<11>前記吸水性ポリマーは、DW法に従い測定された吸収速度が、14ml/g(30sec)以上である、前記<1>から<10>の何れか1に記載の吸収性物品。
<12>前記吸水性ポリマーは、DW法に従い測定された吸収速度が、50ml/g(30sec)以下である、前記<1>から<11>の何れか1に記載の吸収性物品。
<13>前記吸収性コアは、前記中央領域の前記繊維材料の坪量が、前記前領域及び前記後領域の前記繊維材料の坪量よりも高い、前記<9>から<12>の何れか1に記載の吸収性物品。
<14>前記吸収性コアは、前記中央領域の前記吸水性ポリマーの坪量が、前記前領域及び前記後領域の前記吸水性ポリマーの坪量よりも高い、前記<2>から<13>の何れか1に記載の吸収性物品。
<15>前記中央領域の前記繊維材料の坪量の、前記前領域及び前記後領域の前記繊維材料の坪量に対する比は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である、前記<9>から<14>の何れか1に記載の吸収性物品。
【0071】
<16>前記中央領域の前記吸水性ポリマーの坪量の、前記前領域及び前記後領域の前記吸水性ポリマーの坪量に対する比は、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.5以上であり、好ましくは3.0以下、より好ましくは2.5以下である、前記<2>から<15>の何れか1に記載の吸収性物品。
<17>前記吸収性コアは、前記中央領域の前記小吸収部が、前記前領域及び前記後領域の前記小吸収部よりも、嵩高に形成されている、前記<1>から<16>の何れか1に記載の吸収性物品。
<18>前記連続吸収層は繊維材料からなる、前記<3>又は<4>に記載の吸収性物品。
<19>前記連続吸収層はさらに吸水性ポリマーを有する、前記<18>に記載の吸収性物品。
【0072】
<20>前記連続吸収層の液透過速度は、0.3秒以下であり、好ましくは4秒以下、より好ましくは1.0秒以下である、前記<18>又は<19>に記載の吸収性物品。
<21>前記物品は、両側部に、着用者側に起立する一対の立体ギャザーを備える、前記<1>から<20>の何れか1に記載の吸収性物品。
<22>前記物品が、着用者の衣類に固定されて使用されるパッドである、前記<1>から<21>の何れか1に記載の吸収性物品。
<23>前記物品が、裏面シートの衣類側表面に、着用者の衣類に固定可能な固定手段を有する、前記<1>から<22>の何れか1に記載の吸収性物品。
【符号の説明】
【0073】
1 失禁パッド(吸収性物品)
2 表面シート
3 裏面シート
4 吸収体
8 連続吸収層
40 吸収性コア
A 前領域
B 中央領域
C 後領域
44,44a,44b コアラップシート
41,41a〜41c 吸収体の小吸収部
43 溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌当接面側に配置された表面シート、非肌当接面側に配置された裏面シート、及び両シート間に介在された吸収体を具備しており、該吸収体は、吸収性コアと該吸収性コアを包むコアラップシートとを有する、吸収性物品であって、
前記吸収性コアを、その長手方向の全長を3等分して、前領域、中央領域、及び後領域の3領域に区分した場合に、少なくとも該中央領域は、吸水性ポリマーを含んで平面方向に分散配置された多数の小吸収部と、該小吸収部間を仕切る溝とを有しており、
前記中央領域における、前記小吸収部の肌当接面側表面の面積占有率が50〜80%であり、
前記コアラップシートは、前記吸収性コアより肌当接面側に位置する部分の液透過速度が5秒以下であり、且つ、前記吸水性ポリマーは、DW法に従い測定された吸収速度が13ml/g(30sec)以上である、吸収性物品。
【請求項2】
前記吸収性コアは、前記中央領域の坪量が、前記前領域及び前記後領域の坪量よりも高い、請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
前記吸収性コアの少なくとも前記中央領域における前記小吸収部の肌当接面側に、その液透過速度が、前記コアラップシートの液透過速度よりも速い連続吸収層が積層されている、請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収性コアの少なくとも前記中央領域における非肌当接面側に、その液透過速度が、前記コアラップシートの液透過速度よりも速い連続吸収層が積層されている、請求項1又は2記載の吸収性物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−34860(P2013−34860A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−156571(P2012−156571)
【出願日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】