説明

吸収性移植可能血管閉塞部材

【課題】新規の閉塞構成物ならびにこれらの構成物を使用および作製する方法を提供すること。
【解決手段】吸収性の移植可能な血管閉塞部材を含む構成物が記載される。これらの吸収性血管閉塞構成物を製造および使用する方法もまた、記載される。1つの局面において、本発明は、以下を含む吸収性血管閉塞部材を含む:(i)吸収性材料;および(ii)吸収性材料の少なくとも2つの位置で固定して取り付けられた1つ以上の伸展耐性部材。本明細書中に記載される血管閉塞部材は、任意の三次元形状を有し得、例えば、J字形コイル、直線状コイル、円柱型コイル、球状コイル、管様型コイル、およびらせん状コイルが挙げられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
動脈瘤の修復のための構成物および方法が記載される。特に、完全またはほぼ完全に吸収性である血管閉塞部材が、これらの部材を作製する方法および使用する方法と同様に開示される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
動脈瘤は、可能性のある破裂、凝固、または解離による健康への危険を与える、(風船のような)血管の拡張である。脳での動脈瘤の経路は脳卒中を引き起こし、腹部の動脈瘤はショックを引き起こす。脳動脈瘤は一般的に、発作および出血の結果として患者に検出され、有意な罹患率または死亡率という結果となる。
【0003】
動脈瘤の処置のために使用されている様々な物質およびデバイスがあり、その例として白金およびステンレス鋼マイクロコイル、ポリビニルアルコールスポンジ(Ivalone)および他の力学的デバイスが挙げられる。例えば、血管閉塞デバイスは、代表的に、カテーテルを介して、閉塞の形成によって血管系のその部分を構成する血管を介して血流をブロックするか、あるいは血管から生じる動脈瘤内にそのような閉塞を形成するかのいずれかのための、外科用器具または人体の血管系内に配置される移植物である。1つの広く使用される血管閉塞デバイスは、血管壁に係合するように寸法決めされ得る巻線を有する、らせん状ワイヤーコイルである(例えば、Ritchartらの米国特許第4,994,069号を参照のこと)。他のあまり硬くならないらせん状に巻かれたデバイスおよび編まれた紐を含むデバイスが記載されている。
【0004】
米国特許第5,354,295号およびその親である米国特許第5,122,136号(共にGuglielmiら)は、電気分解的に取り外し可能な閉塞性デバイスを記載する。固有の第二形状をほとんど有しないか、あるいは全く有しない血管閉塞がまた記載されている。例えば、共有に係る米国特許第5,690,666号および同第5,826,587号(Berensteinら)は、血管空間に導入後、形状をほとんど有しないか、あるいは全く有しないコイルを記載する。
【0005】
金属コイルの血栓形成性を高める試みが、例えばコイルの表面を改変することによって試みられた。WO 99/44538は、生分解可能ポリマーまたはタンパク質でコーティングされたGDCコイルの使用を開示する。Kupieckiの米国特許第5,669,931号は、血栓性物質または薬用物質で綴じ込まれ得るか、コーティングされ得るコイルを開示する。Englesonの米国特許第5,749,894は、ポリマーでコーティングされた血管閉塞デバイスを開示する。McGurkの米国特許第5,690,671号は、フィラメント表面のコーティング(例えば、コラーゲン)を含み得る閉塞性要素を開示する。Neussの米国特許第5,536,274号はらせん状の移植物を開示し、それらのいくつかは金属粒子、シリコーン、PTFE,ゴムラテックス、またはポリマーでコーティングされている。米国特許第5,980,550号は、生体活性内部コーティングおよび水溶性外部コーティングを有する閉塞性デバイスを記載する。「閉塞性デバイスのための生体活性コーティング」と題される、共有に係るWO/ 027445は、コラーゲンベースの物質でコーティングされた閉塞性デバイスを記載し、さらに、デバイスとコラーゲンベースのコーティングの間の結合層の使用を記載する。
【0006】
シアノアクリレート接着剤およびフィブリン封止剤のような液体閉塞剤はまた、動物およびヒト被験体に使用されている。例えば、Interventional Radiology、Dandlingerら(編)、Thieme、N.Y.、1990:295−313:Sugaら(1992)No Shinkei Geka 20(8):865−873;Moringlaneら(1987)Surg Neurol 28(5):361−366;Moringlaneら(1988)Acta Neurochir Suppl.(Wein)43:193−197を参照のこと。これらの液体閉塞剤の中で、シアノアクリレート接着剤は、現在神経外科医に入手可能である唯一の液体閉塞剤である。しかし、代表的にシアノアクリレート処置において慢性の炎症が見うけられ(Herreraら(1999)Neurol Med Chir(Tokyo)39(2):134−139)、分解生成物であるホルムアルデアヒドは、近隣の組織に高い毒性を示す。Vintersら(1995)Neuroradiology 27:279−291を参照のこと。シアノアクリレート物質の別の不都合は、ポリマーが血管およびカテーテルの先端部の両方に付着することである。従って、医師は、シアノアクリレート閉塞物質の注入後直ちにカテーテルを回収しなければ、シアノアクレートとカテーテルとの付着の危険性を血管に与えることになる。
【0007】
WO 00/44306は、少なくとも部分的に吸収性のポリマーまたはタンパク質コイルおよび配置デバイスを備える血管内装置を開示する。
【0008】
これらの文献のどれもが本明細書中に記載される特性を有する血管閉塞部材またはそのような部材を作製する方法を記載しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
(本発明の要旨)
従って、本発明は、新規の閉塞構成物ならびにこれらの構成物を使用および作製する方法を含む。
【0010】
1つの局面において、本発明は、以下を含む吸収性血管閉塞部材を含む:(i)吸収性材料;および(ii)吸収性材料の少なくとも2つの位置で固定して取り付けられた1つ以上の伸展耐性部材。適切な吸収物物質の非限定的な例として、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール酸/ポリ−L−乳酸コポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシバレレートコポリマー、ポリ−L−ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、ポリ無水物、コラーゲン、エラスチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ゼラチンおよびその組み合わせが挙げられる。
【0011】
本明細書中に記載される血管閉塞部材は、任意の三次元形状を有し得、例えば、J字形コイル、直線状コイル、円柱型コイル、球状コイル、管様型コイル、およびらせん状コイルが挙げられる。特定の実施形態において、例えば、血管閉塞部材が、複数のらせん状の巻き、第一末端、第二末端、および第一末端と第二末端との間の管腔を備えるらせん状コイルとして構成される場合、伸展耐性部材はコイルの上記の管腔を通って伸び、上記の第一末端および第二末端に取り付けられる。あるいは、伸展性耐性部材は、三次元部材の穴、穿孔、または巻きを通り抜け得る(例えば、コイルの巻き、または管の穿孔を通り抜け得る)。さらに、記載される任意の血管閉塞部材において、伸展耐性部材は、部材(例えば、らせん状コイルまたは管)の内側か、あるいは外側に取り付けられ得る。
【0012】
特定の実施形態において、伸展耐性部材は非吸収性である。他の実施形態において、伸展性部材は吸収性である。例えば、吸収性伸展耐性部材は、別々に追加される要素であり得るか、あるいは伸展耐性部材は、吸収性材料を改変することによって形成され得る。吸収性材料を改変する方法としては、例えば、吸収性血管閉塞部材の選択された位置で加熱するか、あるいははんだ付けするか、例えば、管型部材の外部または内部のラインをはんだ付けするか、あるいは少なくとも2つの上記のらせん状巻きを連結するらせん状型部材の1つ以上の巻きを加熱するか、またははんだ付けすることによる方法が挙げられる。1つの特定の局面において、伸展耐性部材は、単一フィラメント(例えば、ポリプロピレン)を備える。他の実施形態において、伸展耐性部材は複数フィラメントである。
【0013】
本明細書中に記載の任意の血管閉塞部材はさらに、例えば部材(例えば、コイルまたは管状)の少なくとも1つの第一末端および第二末端に取り付けられる展開先端を備え得る。展開先端は、例えばプッシャーへの電流の印加によって上記プッシャーから分離するのに適応した電気分解的に取り外し可能な末端であり得る。さらに、本明細書中に記載の任意の血管閉塞部材はさらに、放射線不透過材料(例えば、粉末タンタル、粉末タングステン、酸化ビスマス、および硫酸バリウム)および/または生体活性物質を含有し得る。
【0014】
さらに別の局面において、以下の工程を含む血管閉塞部材を作製する方法が記載される:(i)吸収性材料を含有するほぼ直線の主要要素を調製する工程;(ii)マンドレルに上記の主要要素を巻き付ける工程;ならびに(iii)上記マンドレルおよび上記主要要素を加熱し、上記の三次元部材を製造する工程(例えば、約165℃で15分間加熱する工程)。血管閉塞部材は、例えばらせん状コイル構造、円錐形または、らせん状を含む様々な三次元構造を有し得る。さらに、任意の適切なマンドレル(例えば、ステンレス鋼マンドレル)も、使用され得る。
【0015】
さらに別の局面において、本発明は、吸収性材料を含有する管様構造を調製する工程(例えば、マイクロ機械加工によって)を包含する、血管閉塞部材を作製する方法を含む。
【0016】
本明細書中に記載される任意の方法において、吸収性材料は、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール酸/ポリ−L−乳酸コポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシバレレートコポリマー、ポリ−L−ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、ポリ無水物、コラーゲン、エラスチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ゼラチンおよびその組み合わせであり得る。
【0017】
本明細書に記載される任意の方法はさらに、血管閉塞部材の2つ以上の位置に1つ以上の伸展耐性部材を固定して取り付ける工程を含み得る。取り付ける工程として、例えば、伸展耐性部材とデバイスを結ぶか、加熱するか、またははんだ付けするかによるか、あるいはデバイスの一部分を互いに加熱するか、はんだ付けするか、または可塑化するかによる工程が挙げられる。これらの工程のいずれにおいても、伸展耐性部材は、吸収性か、あるいは非吸収性であり得る。さらに、伸展耐性部材は、単一フィラメント(例えば、ポリプロピレンまたは複数フィラメント)であり得る。
【0018】
本明細書中に記載の任意の方法において、血管閉塞部材はさらに1つ以上の放射線不透過材料(例えば、粉末タンタル、粉末タングステン、酸化ビスマス、および硫酸バリウム)および/または生体活性物質を含有し得る。
本発明は例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
吸収性の血管閉塞部材であって:
(a)吸収性材料;および
(b)該吸収性材料の少なくとも2つの位置に固定して取り付けられた1つ以上の伸展耐性部材、
を備える、部材。
(項目2)
前記血管閉塞部材が、J字形コイル、直線形コイル、円柱形コイル、球形コイル、管様コイル、およびらせん状コイルからなる群より選択される構成を有する、項目1に記載の血管閉塞部材。
(項目3)
前記吸収性材料が、複数のらせん状の巻き、第1端、第2端、および該第1端と該第2端との間に管腔を有するらせん状コイルとして構成される、項目2に記載の血管閉塞部材。
(項目4)
前記伸展耐性部材が、前記コイルの管腔を通して延びており、そして前記第1端および前記第2端に取り付けられている、項目3に記載の血管閉塞部材。
(項目5)
前記伸展耐性部材が、前記コイルの巻きを通り抜けている、項目3に記載の血管閉塞部材。
(項目6)
前記伸展耐性部材が、前記らせん状コイルの内側または外側に取り付けられている、項目3に記載の血管閉塞部材。
(項目7)
前記吸収性材料が、管として構成される、項目2に記載の血管閉塞部材。
(項目8)
前記管が、その中に複数の穿孔を有する、項目7に記載の血管閉塞部材。
(項目9)
前記伸展耐性部材が、少なくとも2つの前記穿孔を通り抜けている、項目8に記載の血管閉塞部材。
(項目10)
前記伸展耐性部材が、前記管の内側または外側に取り付けられている、項目7に記載の血管閉塞部材。
(項目11)
前記伸展耐性部材が吸収性である、項目1〜10のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目12)
前記伸展耐性部材が非吸収性である、項目1〜10のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目13)
前記伸展耐性部材が、前記吸収性部材を改変することにより形成される、項目1〜11のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目14)
前記吸収性部材が、選択された位置で加熱またははんだ付けすることにより改変される、項目13に記載の血管閉塞部材。
(項目15)
前記吸収性部材が、複数のらせん状巻きを備えるらせん状コイルとして成形され、前記加熱またははんだ付けが、前記らせん状巻きの少なくとも2つを連結するよう作用する、項目14に記載の血管閉塞部材。
(項目16)
前記吸収性部材が、管として成形され、前記加熱またははんだ付けが、該管の外側または内側の1つ以上の位置で行なわれる、項目14に記載の血管閉塞部材。
(項目17)
前記吸収性材料が、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグルコール酸/ポリ−L−乳酸コポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシバレレートコポリマー、ポリ−L−ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、ポリ無水物、コラーゲン、エラスチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ゼラチン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、項目1〜11および13〜16のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目18)
前記伸展耐性部材が単一フィラメントである、項目1〜17のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目19)
前記単一フィラメントがポリプロピレンを含む、項目18に記載の血管閉塞部材。
(項目20)
前記伸展耐性部材が複数フィラメントである、項目1〜17のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目21)
展開先端をさらに備える、項目1〜20のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目22)
前記展開先端が、プッシャー上に電流を印加することにより、該プッシャーから離れるよう適合された電気分解的に切断可能な末端を備える、項目21に記載の血管閉塞部材。
(項目23)
放射線不透過性材料をさらに含む、項目1〜22のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目24)
前記放射線不透過材料が、粉末タンタル、粉末タングステン、酸化ビスマス、および硫酸バリウムからなる群より選択される、項目23に記載の血管閉塞部材。
(項目25)
生体活性材料をさらに含む、項目1〜24のいずれかに記載の血管閉塞部材。
(項目26)
血管閉塞部材を製造する方法であって:
(i)吸収性材料を含む、ほぼ直線形の主要要素を調製する工程;
(ii)該主要要素をマンドレル上に巻き付ける工程;および
(iii)該マンドレルおよび該主要要素を加熱して、三次元部材を製造する工程、
を包含する、方法。
(項目27)
前記血管閉塞部材が、らせん状コイルを含む三次元構成物を有する、項目26に記載の方法。
(項目28)
前記血管閉塞部材が、円錐形状またはらせん形状を含む三次元構成物を有する、項目26に記載の方法。
(項目29)
吸収性材料を含む管様構造を調製する工程を包含する、血管閉塞部材を製造する方法。
(項目30)
前記調製工程が、マイクロ機械加工工程を含む、項目29に記載の方法。
(項目31)
前記吸収性材料が、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグルコール酸/ポリ−L−乳酸コポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシバレレートコポリマー、ポリ−L−ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネート、ポリ無水物、コラーゲン、エラスチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニン、ゼラチン、およびそれらの混合物からなる群より選択される、項目26〜30のいずれかに記載の方法。
(項目32)
工程(iii)が、約165℃にて約15分間の加熱工程を包含する、項目26に記載の方法。
(項目33)
1つ以上の伸展耐性部材を、前記血管閉塞部材上の2つ以上の位置に固定して取り付ける工程をさらに包含する、項目26〜32のいずれかに記載の方法。
(項目34)
前記血管閉塞部材の2つ以上の位置を連結して、1つ以上の伸展耐性部材を形成する工程をさらに包含する、項目26〜32のいずれかに記載の方法。
(項目35)
前記連結が、前記2つ以上の位置の互いに対する加熱またははんだ付けにより形成される、項目34に記載の方法。
(項目36)
前記伸展耐性部材が吸収性である、項目26〜35のいずれかに記載の方法。
(項目37)
前記伸展耐性部材が非吸収性である、項目26〜35のいずれかに記載の方法。
(項目38)
前記伸展耐性部材が単一フィラメントである、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記単一フィラメントがポリプロピレンを含む、項目38に記載の方法。
(項目40)
前記伸展耐性部材が複数フィラメントである、項目33に記載の方法。
(項目41)
前記伸展耐性部材が、前記血管閉塞部材に結び付けられている、項目33に記載の方法。
(項目42)
前記伸展耐性部材が、前記血管閉塞部材にはんだ付けされている、項目33に記載の方法。
(項目43)
前記マンドレルがステンレス鋼を含む、項目26〜42のいずれかに記載の方法。
(項目44)
前記血管閉塞部材がさらに、少なくとも1つの放射線不透過性材料を含む、項目26〜43のいずれかに記載の方法。
(項目45)
前記放射線不透過材料が、粉末タンタル、粉末タングステン、酸化ビスマス、および硫酸バリウムからなる群より選択される、項目44に記載の方法。
(項目46)
前記血管閉塞部材が、少なくとも1つの生体活性材料をさらに含む、項目26〜45のいずれかに記載の方法。
目的の発明のこれらおよび他の実施形態は、本明細書中の開示の観点から、当業者に容易に思いつく。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、らせん状構造を有する、本発明の例示的な吸収性血管閉塞部材を示す。
【図2】図2は、本発明に従う例示的な伸展耐性部材および吸収性血管閉塞部材を示す。
【図3】図3は、電解GDC型分離接合部を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(発明の説明)
閉塞性(例えば、閉塞性)構成物が記載される。閉塞性構成物として、例えば完全にまたは実質的に吸収性の血管閉塞部材が挙げられる。さらなる物質はまた、これらの閉塞性構成物において使用され得る。本明細書中に記載される構成物は血管および神経血管指標として使用され、特に動脈瘤(例えば、小さい直径で、曲線状)を処置するのに有用であり、そうでなければ、血管系(例えば、脳動脈瘤)にアクセスするのが困難である。これらの血管閉塞部材を作製および使用する方法もまた本発明の局面である。
【0021】
本発明の利点として、(i)部分的吸収性よりも全体的(またほぼ全体的)吸収性の閉塞性物質を用いて動脈瘤の治癒を促進し;(ii)いくつかの動脈瘤またはいくつかの血管閉塞デバイスの使用に関与する痛みの腫瘤効果を低減または除去し;(iii)部材の吸収性性質に起因して動脈瘤の大きな組織の内植を助長し、このことは次々と(iv)より安定な動脈瘤を導く。
【0022】
本明細書中で引用される全ての刊行物、特許および特許出願人は、上記か下記であるかに関わらず、その全体が参考として本明細書中に援用される。
【0023】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、内容が明らかに指示しない限り、単数形の「a」、「an」、および「the」は複数の対象物を含む。従って、例えば、「フィラメント(a filament)」の言及は、2つ以上のこのようなフィラメントなどの混合物を含むことが記述されるべきである。
【0024】
1つの局面において、本発明は、動脈瘤を閉塞するのに有用な吸収性材料を含む。用語「吸収性」とは、時間が経てば、例えば、分解、代謝、溶解または任意の受動的あるいは能動的除去工程によって除去され、注射の形態で適用された部位でもはや同定されることがない、任意の薬剤をもいう。特定の実施形態において、全ての物質が吸収性ではないことが理解される。従って、用語は、数時間から数ヶ月に及ぶ期間にわたる全体的および実質的に全体的吸収を含む。好ましくは、時間にわたり80〜100%(またはその間の任意の値)の物質が吸収され;さらにより好ましくは、90〜100%(またはその間の任意の値)の物質が吸収され、そして最も好ましくは、100%の物質が吸収される。従って、吸収性血管閉塞部材は、吸収性材料およびニチノールのような非吸収性材料の両方から構成されるハイブリッドデバイスと対比され、時間にわたり全てのデバイスが実質的よりも少なく吸収される。
【0025】
従って、吸収性血管閉塞部材を製造する新規の構造および新規の方法が、本明細書に記載される。本明細書の構成物および方法での使用に適した吸収性材料として、ポリマーおよびタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。適切なポリマーとして、例えば、ポリグリコール酸(PGA)、ポリグリコール酸/ポリ−L−乳酸コポリマー、ポリカプロラクトン、ポリヒドロキシブチレート/ヒドロキシバレレートコポリマー、ポリ−L−ラクチド、ポリジオキサノン、ポリカーボネートおよびポリ無水物が挙げられる。生体吸収性タンパク質の非限定の例として、コラーゲン、エラスチン、フィブリノーゲン、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ラミニンおよびゼラチンが挙げられる。これらの物質の多くが市販されている。フィブリン含有構成物は、例えばBaxterから市販されている。コラーゲン含有構成物は、例えばCohesion Technologies,Inc.(Palo Alto、California)から市販されている。フィブリノーゲン含有構成物は、例えば米国特許第6,168,788号および同第5,290,552号に記載される。容易に明らかであるように、吸収性材料は、単独でまたは相互の組み合わせで使用され得る。吸収性材料は、単一フィラメントか、あるいは複数フィラメント鎖の形態であり得る。
【0026】
さらに、吸収性材料はまた、さらなる構成物との組み合わせで使用され得る。例えば、潤滑性物質(例えば、親水性物質)は、送達を容易にする部材をコーティングするために使用され得る。1つ以上の生体活性物質がまた含まれ得る。用語「生体活性」は、インビボにおいて効果を示す任意の薬剤(例えば、血栓症剤または治療剤など)をいう。生体活性物質の非限定の例として、サイトカイン;細胞外マトリックス分子(例えば、コラーゲン);微量金属(例えば、銅);および血栓形成を安定化させるか、または血栓溶解を阻害する他の分子(例えば、タンパク質またはタンパク質の機能的フラグメント(第XIII因子、β−抗プラスミン、プラスミノゲン活性化インヒビター−1(PAI−1)などが挙げられるが、これらに限定されない))が挙げられる。本発明の実施において単独または併用にて使用され得る、サイトカインの非限定の例として、塩基性線維芽細胞増殖因子(βFGF)、血小板由来増殖因子(PDGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、形質転換増殖因子β(TGF−β)などが挙げられる。サイトカイン、細胞外マトリックス分子および血栓安定化分子(例えば、第XIII因子、PAI−1など)がいくつかのベンダー(例えば、Genzyme(Framingham、MA)、Genentech(South San Francisco、CA)、Amgen(Thousand Oaks、CA)、R&D Sysmens and Immunex(Seattle、WA))から市販されている。さらに、多くの生体活性ポリペプチドがまた、これらの分子の多くの配列が例えばGenBankデータベースから入手可能である場合、組換えて合成され得る。従って、任意の生体活性分子をコードするDNAまたはRNAの使用を含むことが意図される。さらに、常に明確に記載されないが、野生型または精製されたサイトカインと同様の生物学的活性を有する分子、細胞外マトリックス分子および血栓安定化たんぱく質(例えば、組み換え生成される、つまりその変異体)およびこれらの分子をコードする核酸が、本発明の精神および範囲内で使用されることが意図される。さらに、本発明の実施に有用な液体閉塞性物質および/または他の生体的活性物質の量および濃度が、当該分野の実施者によって容易に決定され得、物質の任意の組み合わせ、濃度または投薬量が、被験体に有害でない限り、使用され得ることが理解される。
【0027】
インサイチュで部材を可視化させるのに使用される1つ以上の放射線不透過材料を含むことがまた所望され得る。従って、吸収性部材が、放射線不透過材料(例えば、金属(例えば、タンタル、金または白金粒子);硫酸バリウム;次炭酸ビスマスなど)でコーティングされるか、あるいは混合され得る。
【0028】
吸収性血管閉塞部材は様々な形状(例えば、構造)を呈し得る。図1は、吸収性材料が配置された際にらせん形状を呈する、本発明の1つの実施形態を示す。編み組みの吸収性血管閉塞部材がまた、本発明の範囲内に含まれ得る。例えば、マルチ鉛紐(multi−lead braid)は、取り外し可能なコアワイアの周辺の吸収性材料を編むことによって作製され得る。さらに、血管閉塞部材は、1つ以上の穿孔または穴を有する、または有しない管様構造の形態を取り得る。吸収性血管閉塞デバイスがコイル、紐、および管以外の形状または構造(例えば、J字形、直鎖、円柱形、球、楕円、らせん状、8字型など)を含むことが、さらなる本発明の範囲内である。本明細書に記載される任意の血管閉塞部材(例えば、管様構造)は、部分的にまたは完全にマイクロ機械加工され得る。
【0029】
特定の実施形態において、血管閉塞部材は「伸展耐性」である(非吸収性伸展耐性デバイスの説明について、米国特許第6,193,728号;同第6,013,084号;同第6,004,338号;同第5,853,418号および同第5,833,705号を参照のこと。そしてこれらすべては、その全体が参考として本明細書中に援用される)。代表的に、伸展耐性デバイスは、デバイス上で2つ以上の点に固定して取り付けられる、伸展耐性部材を備える。伸展耐性部材は吸収性であり得るか、あるいは、ポリプロピレンのような実質的に非吸収性材料であり得る。吸収性および非吸収性材料(例えば、縫合物質)は通常利用可能であり、本明細書に記載の構成物および方法で使用され得る。
【0030】
伸展耐性部材は、1つ以上の場所(例えば、末端付近、内面または外面で、またはその組み合わせ)で吸収性デバイスに固定され得る。さらに、伸展耐性部材は任意の手段によって取り付けられ得、その手段として、加熱(例えば、はんだ付け)、スレッディング、結び、可塑化などが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、特定の実施形態において、伸展耐性部材は、血管閉塞部材の選択された領域を互いに結合できるように吸収性材料を改変することによって形成される。例えば、らせん形状の吸収性血管閉塞デバイスの2つ以上のそれぞれの巻きは、加熱されるか、はんだ付けされ、そうでなければ、それらは結合するか、さもなければ融合するように処理され、それによって1つ以上伸展耐性部材(および伸展耐性デバイス)を形成する。同様に、1つ以上の改変された領域が、加熱、はんだ付け、可塑化などによって形成され得、管型吸収性構造の選択された範囲を伸展耐性にする。改変された領域は、例えば線、曲線などのような任意の形状であり得、互いに平行か、直角、および/または管の長手方向軸に平行か、様々な角度であり得る。デバイスを伸展耐性にする吸収性材料へのいかなる改変も、血管閉塞部材の内面および/または外面であり得る。
【0031】
(製造方法)
記載される吸収性血管閉塞部材を作製する方法がまた提供される。本明細書中に記載の血管閉塞部材が、吸収性材料を第一らせん状(代表的に、コイル状)に巻くことによって代表的に形成され、次いで第一らせん状は、第二形態に巻かれる。代表的に、第二形態は、送達カテーテルから取り出された場合、体腔を実質的に充填する三次元形状を形成する形態である。望ましくは、血管閉塞部材は、血管腔(例えば、動脈瘤、または、おそらく瘻孔)内にぴったり適合するために適切なサイズおよび形状である。
【0032】
一次および二次形態は一般的に、吸収性材料を成形することによって、例えば、マンドレルまたは取り外し可能コアワイヤに物質を巻くことによって提供される。本発明に従う血管閉塞部材はまた、取り外し可能コアワイヤの周りに単一鉛吸収性材料またはマルチ鉛吸収性材料を巻くことによって形成され得る。一次および二次形態の両方を巻くための適切な巻き物質は、様々な形状(例えば、円柱状、四角、球、円、長方形など)であり得、中実または中空であり得る。マンドレルのいくつかの例示的な形状が、Mariantらの共有に係る米国特許第5,957,948号で示される。上記のように、巻きマンドレルは代表的に、緩やかな焼きなまし工程を可能にするのに十分な熱耐性がある。マンドレルは、ステンレス鋼または他の金属性物質、アルミナ、ジルコニアなどから製造され得る。共有に係る米国特許出願番号09/637,470に記載の複合マンドレル(例えば、導電性物質と非導電性物質との複合体)がまた使用され得る。
【0033】
さらに、一次コイルは、例えばたたいたり、つかんだりすることによって解体せず、そのことによって、一次コイル(例えば末端)がマンドレルにくっ付くことを保証することが一般的に所望される。一次コイル−マンドレル複合体は、、好ましくは約50℃と200℃との間、より好ましくは約75℃と150℃との間、そしてさらにより好ましくは約100℃の温度で焼なまされる。焼きなます時間は、数秒から数時間まで変化し得る。コイルが巻かれた後その形状を維持し、そしてマンドレルから容易に取り外され得る限り、焼きなましは省かれたり、異なる温度で実施されたりし得る。
【0034】
特定の実施形態において、次いで一次構造が、マンドレルで第二構造に巻かれる。さらに、適切なマンドレルが、得られる血管閉塞部材の所望されるサイズおよび形状に基づいて、実施者によって選択され得る。一次構造を巻く手順に関して、クリップまたは他の固定手段(例えば、テープ)が、血管閉塞部材を選択されたマンドレルに固定するために使用され得る。2次コイル−マンドレル複合体が、例えば、約100℃と500℃との間、より好ましくは約100℃と200℃との間、そしてさらにより好ましくは約160℃と170℃との間の温度で好ましく焼なまされる。焼きなます時間は、数秒から数時間まで変化し得る。吸収性材料がマンドレルまたは他の支持体構造で手動的に巻かれるか、あるいは編まれ得る。あるいは、巻線機が市販されており、所望の吸収性材料を巻くためにプログラムされ得る。例示的ならせん状2次構造を図1に示す。
【0035】
上記のように、本明細書中に記載されるデバイスにおいてもまた、構造の様々な形状が想定される。例示的ならせん状2次構造を図1に示す。他の形状として、球、卵形、8の字形、円錐形、らせん状、無作為な三次元形状などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0036】
特定の実施形態において、吸収性デバイスが、射出成形および/またはマイクロ機械加工によって作製される。(例えば、共有に係る米国特許出願番号09/866,892を参照のこと)。
【0037】
伸展耐性部材を含む実施形態において、伸展耐性部材は、多数の方法で血管閉塞部材に取り付けられ得る。この多数の方法として、巻きおよび/または管腔を介して伸展耐性部材を巻くか、または編む方法(血管閉塞部材が、そのような巻きや編みを可能とする構造である場合);加熱、はんだ付けする方法;接合部で物質を軟化させるため、接合部分を可塑化させるか、あるいは溶媒和させ、その後再び固化させる方法;1つ以上のこれらの手順の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、吸収性デバイスが、らせん状構造または穿孔を備える管状である場合、伸展耐性部材は、コイルの巻きまたは穿孔を通って貫通する。伸展耐性部材がこれらの任意の方法によって、デバイスの内面または外面に結合することが明らかである。上記のように、伸展耐性部材は、吸収性または非吸収性のいずれかであり得る。
【0038】
特定の実施形態において、伸展耐性部材は、例えば、デバイスの選択された領域を加熱または可塑化してそれ自体吸収性の物質と融合することによって、吸収性材料自体から形成され、そうでなければ、伸展耐性部材はその領域と結合し、デバイスの伸展耐性を与える。本明細書中の技術の点から見て、当業者は、吸収性材料のどの領域が改変されるべきか、そしてどのように結合されるべきかを容易に決定し得る。
【0039】
さらなる物質(例えば、生体活性物質および/または放射不透物質)が、任意の従来の技術を使用して(例えば、さらなる物質で吸収性血管閉塞部材をディッピング、コーティングまたはソーキングすることによって)作製され得る。当該分野で公知である他の技術(例えば、収縮包装法、噴霧法)がまた使用され得る。さらに、さらなる物質が、吸収性部材の内部管腔および/または外面に注入され得る。
【0040】
(使用方法)
本明細書中に記載される塞栓構成物は、しばしば、以下に概説される手順を用いて、選択された部位に導入される。この手順は、種々の疾患の処置において使用され得る。例えば、動脈瘤の処置において、動脈瘤自体は、本明細書中に記載される構成物で(部分的にかまたは完全に)充填される。
【0041】
ガイドワイヤまたは流れにより指向されるデバイスに関連する従来のカテーテル挿入技術および誘導技術は、カテーテルを用いてその部位に接近するために使用され得る。この機構は、吸収性血管閉塞部材を標的部位に配置するようカテーテルを通して全体的に前進され得るカテーテルの遠位端から突出した送達機構の遠位端の十分な部分によって、移植可能血管閉塞部材の取り外しを可能となる、機構である。末梢外科または神経外科において使用するために、送達機構は、通常、約100〜200cmの長さであり、より通常は、130〜180cmの長さである。送達機構の直径は、通常、0.25〜約0.90mmの範囲である。簡単にいうと、本明細書中に記載される液体塞栓物および/または閉塞部材は、代表的に、送達カテーテルへの導入のためのキャリアに充填され、そして以下に概説される手順を用いて選択された部位に導入される。この手順は、種々の患者を処置するのに使用され得る。例えば、動脈瘤の処置において、動脈瘤自体は、塞栓の形成を生じる塞栓物(例えば、機械的デバイス、吸収性血管閉塞部材、および/または液体塞栓物、ならびに生体活性材料)で充填され得、その後、この移植された血管閉塞部材の周囲に形成された新生血管形成したコラーゲン材料塞栓物により少なくとも部分的に置換される。
【0042】
選択された部位は、特別に選択されたカテーテルおよび/またはガイドワイヤの集合を用いた血管系を通して到達される。この部位は、離れた部位(例えば、脳)である場合、この部位に到達する方法は、いくらか制限されることは明らかである。1つの広く受け入れられている手順は、Ritchartらに対する米国特許第4,994,069号において見出される。これは、Engelsonに対する米国特許第4,739,768号において見出されるような微細な血管内カテーテルを用いる。第1に、大きなカテーテルは、血管内の侵入部位を通して導入される。代表的に、これは、鼠径における大腿動脈を通してである。しばしば選択される他の侵入部位は、首において見出され、そして一般的に、この型の医療を実施する医師に周知である。一旦導入器が配置されると、次いで、ガイドカテーテルが使用されて、侵入部位から処置される部位付近の領域への安全な通路が提供される。例えば、ヒト脳における部位を処置する上で、大腿動脈の侵入部位から、心臓へと延びる大動脈を通って上方へ、大動脈弓を通って心臓付近へ、そして大動脈の上面をから延びる動脈のうちの1つを通って下流へと伸びるガイドカテーテルが選択される。次いで、Engelson特許に記載されるようなガイドワイヤおよび神経血管カテーテルは、ガイドワイヤを通して配置される。一旦、カテーテルの遠位端が、その部位に配置されると(しばしば、その遠位端を、放射線不透過性マーカー材料および蛍光測定法の使用を通して配置することによって)、カテーテルは、取り除かれる。例えば、ガイドワイヤが、カテーテルを配置するために使用される場合、それはカテーテルから引き抜かれ、次いで、例えば、吸収性血管閉塞部材を遠位端に備えるアセンブリが、カテーテルを通して前進される。
【0043】
一旦、選択された部位に到達すると、吸収性血管閉塞部材は、例えば、プッシャーをロードすることによって押し出される。好ましくは、血管閉塞部材は、機械的または電気分解的に切断可能な連結部(例えば、熱、電気分解、電気力学的活性化、または他の手段の適用により作用し得るGDC型連結部)を介してプッシャーワイヤにロードされる。さらに、血管閉塞部材は、共願の国際特許出願PCT/US01/47662に記載されるように、複数の取り外し可能な点を備えるよう設計され得る。それらは、重力、形状、大きさ、容積、磁場、またはそれらの組み合わせにより適所で保持される。上記のように、血管閉塞構成物の要素が、カテーテルから放出される順番は、本発明の実施に重要ではなく、操作者により決定され得る。
【実施例】
【0044】
(実施例1:第1構成)
本発明者らは、0.007’’ODステンレス鋼マンドレル上に巻き付けられた(PTFEチュービングを有してかまたは有さずに)、0.0055’’PGA単一フィラメント(0.0055’’、Biogeneral Fiber Technology、バッチ番号2005−154)からの吸収性PGA材料で形成された一連の第1コイルを製造した。第1コイルを、上記の手順を用いて巻き付け、そして100℃の温度で10分間焼き鈍しした。十分に成形した、取り外しの容易な第1コイルを形成した。
【0045】
(実施例2:第2構成)
第2構成を有する一連の吸収性血管閉塞部材もまた製造した。第1コイルを、本質的に実施例1に記載されるように製造し、次いで、第1コイルを、0.004’’ODステンレス鋼マンドレルの周囲に、PTFEチュービングを有してかまたは有さずに、第2構成へと巻き付けた。第2の形状を、165℃の温度で、約15分と約30分との間焼き鈍しした。例えば、図面に示されるような、第2構成を有する吸収性血管閉塞部材を形成した。
【0046】
(実施例3:伸展耐性構成)
次いで、実施例2に記載されるように製造された第2構成を有する吸収性血管閉塞部材を、伸展耐性となるように改変した。詳細には、その縫合材料(非吸収性の、ポリプロピレン単一フィラメント縫合糸)が、ねじ巻きすることによって、および/または第2構成物の2つの位置ではんだ付けすることによって取り付けられるように、コイルを改変した。その後、縫合糸含有吸収性血管閉塞部材を、展開のためにプッシャーワイヤに取り付けた。
【0047】
本発明の範囲内での、上記の手順および血管閉塞部材の改変、ならびにそれらの使用方法は、この機械分野および外科手術分野の当業者に明らかである。これらの変形物は、添付の特許請求の範囲内であることが意図される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−12282(P2010−12282A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−204155(P2009−204155)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【分割の表示】特願2002−592792(P2002−592792)の分割
【原出願日】平成14年5月29日(2002.5.29)
【出願人】(500332814)ボストン サイエンティフィック リミテッド (627)
【Fターム(参考)】