説明

吸収構造体を含む吸収物品

本発明はおむつ、失禁ガード、衛生ナプキン又はそれらの類似物品の如き吸収物品(100)であって、物品(100)が液体透過性上部表面を有し、かつ平面範囲を有する吸収構造体(103)を含み、吸収構造体(103)が取得層(104)及び少なくとも一つの貯蔵層(106)を含む。取得層(104)は複数の液体吸収連続気泡ポリアクリレートベースのフォーム材料の断片(110)を含み、各断片(110)は横方向(III)及び縦方向(IV)を持つ平面範囲を有する。本発明はおむつ、失禁ガード、衛生ナプキン又はそれらの類似物品の如き吸収物品(100)であって、物品(100)が液体透過性上部表面を有し、かつ平面範囲を有する吸収構造体(103)を含み、吸収構造体(103)は取得層(104)及び少なくとも一つの貯蔵層(106)を含む。取得層(104)は複数の液体吸収連続気泡ポリアクリレートベースのフォーム材料の断片(110)を含み、各断片(110)は横方向(III)及び縦方向(IV)を有する平面範囲、及び平面範囲に垂直に延びる厚さ方向を有する。乾燥状態の各断片(110)の横方向(III)の幅は10ミリメートルを越えず、平面範囲における断片の全面積は平面範囲における吸収構造体の面積より小さい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おむつ、失禁ガード、衛生ナプキン又はそれらの類似物品の如き吸収物品であって、物品が液体透過性上部表面を有し、かつ平面範囲を有する吸収構造体を含み、吸収構造体が取得層及び少なくとも一つの貯蔵層を含むものに関する。
【背景技術】
【0002】
一回使用を意図された、おむつ、失禁ガード、衛生ナプキンの如き吸収物品は通常、短時間で多量の液体を取得する能力を有し、さらに液体を分配し液体を貯蔵する能力を有する吸収構造体を含む。これは吸収構造体が通常、互いに異なる特性を有する幾つかの異なる層を含むことを意味する。しばしば、吸収構造体は少なくとも液体取得層及び液体貯蔵層を含む。液体貯蔵層は超吸収材を混合されたセルロース毛羽パルプ層を含むことが多い。超吸収材は自重の多数倍の水又は体液を吸収する能力を有するポリマーである。液体取得層は合成繊維の多孔質繊維層を含むことが多い。
【0003】
かかる吸収物品の使用時には、それらが薄くて装着しても目立たないこと、それと同時にそれらが短時間に放出された多量の液体を取得できかつ物品中にこの液体を貯蔵できることが望ましい。
【0004】
しかしながら、薄くて装着しても目立たない製品に対して、同時に十分な液体取得能力、液体分配能力及び液体貯蔵能力を得ることは難しいことが示された。
【0005】
薄い製品を得るためには、吸収構造体中に相対的に高い割合の超吸収材を使用することが従来から知られている。例えばEP 0532002及びEP 0615736によって、少なくとも30重量%の超吸収材を含有するおむつに使用するための吸収構造体を使用することが知られている。さらにEP 0443627から60重量%の超吸収材を含有する吸収構造体を使用することが知られている。
【0006】
しかしながら、十分に高い液体取得能力、十分な局部的及び全体的吸収能力及び十分な液体輸送能力の最適な組み合わせを有する薄い吸収物品を得ることは難しいことが示された。さらに、主におむつ及び失禁ガードに対して、繰り返し湿潤時の物品が短時間に放出された相対的に多い量の液体を受容しかつ吸収することができることが重要である。
【発明の開示】
【0007】
本発明によれば、薄くて装着しても目立たず、それと同時に十分な液体取得能力、液体分配能力及び液体貯蔵能力を有する物品が提供される。
【0008】
本発明による吸収物品は主に、取得層が複数の液体吸収連続気泡ポリアクリレートベースのフォーム材料の断片を含み、各断片が縦方向及び横方向を持つ平面範囲、及び平面範囲に垂直に延びる厚さ方向を有し、乾燥状態の各断片の横方向の幅が10ミリメートルを越えないこと、及び平面範囲における乾燥状態の断片の全面積が平面範囲における吸収構造体の全面積より小さいことを特徴とする。取得層は複数の別個の断片を含み、少なくともほとんどの断片は互いに距離を持って配置されているので、断片間の自由空間が得られる。これは断片が膨張時に妨げられずに膨張できることを生じる。断片間の自由空間のため、フォーム断片は湿潤時に三次元に、即ち断片の全ての三平面に膨張する能力を有する。
【0009】
一実施態様によれば、断片の幅は7.0ミリメートル以下、より好ましくは6.0ミリメートル以下である。
【0010】
一実施態様によれば、各断片は乾燥状態において断片の縦方向の長さを有し、それは20ミリメートルを越えず、より好ましくは10ミリメートルを越えない。
【0011】
封止されたおむつ包装で吸収物品を貯蔵するとき、断片の厚さは2ミリメートル以下であることが好ましい。“おむつ包装”という用語はおむつを販売するときにおむつが封入される包装を意味する。ある場合において、おむつは一つずつ包装され、次に多数の単一包装おむつはより大きな包装にさらに封入される。従って、“おむつ包装”という用語は単一包装おむつを意味するのではなく、より大きなおむつ包装を意味する。同様に、吸収物品が失禁ガード又は衛生ナプキンであるとき、断片の厚さは失禁ガード又は衛生ナプキンのための封止された包装内の前記物品に含まれる吸収構造体の厚さとして言及される。断片の厚さの測定時には、測定は問題の包装を開封後の2分以内に行なわなければならない。
【0012】
好ましくは、断片は複数の部分、即ち断片が圧縮されたフォーム層から切断されるような方法で得られる。従って、乾燥状態の断片の厚さは乾燥状態の圧縮されたフォーム層の厚さに等しい。ポリアクリレートベースのフォーム材料は乾燥状態で高度に圧縮され、それは湿潤時に激しく膨張することに導く。断片は実質的に矩形を有するような方法で切断される。断片を製造するための別の方法によれば、フォームは滴下されて小滴になり、それによってフォーム構造体は次いで架橋され、圧縮され、乾燥される。かかる断片の製造によって、断片は円形又は楕円形を得る。
【0013】
一実施態様によれば、平面範囲における断片の全面積は平面範囲における吸収構造体の全面積の最大50%である。さらに別の実施態様によれば、平面範囲における断片の全面積は平面範囲における吸収構造体の全面積の最大30%である。
【0014】
吸収構造体のある部分が複数の断片を有するが、吸収構造体の他の部分が断片を本質的に有さないことも可能である。例えば、断片が股部分の吸収構造体の上部表面に対して配置されるが、二つの端部分が少なくとも実質的に断片を有さないことができる。しかしながら、その実施態様によれば、単一の断片は断片を含むことを意図される部分の外側に現れてもよい。一以上の断片を有する部分を持つ実施態様では、平面範囲における断片の全面積は平面範囲における全面積の最大50%であることが好ましい。断片を有する部分のサイズは次の方法で推定される。隣接断片への最も近い距離は断片の幅の5倍より大きくならないようにすべきである。もし隣接断片への最も近い距離がこの断片の幅の5倍より大きいなら、問題の断片は断片を有するべき部分の領域に属しない。
【0015】
さらなる実施態様によれば、一つの部分の断片の全面積はかかる部分の吸収構造体の全面積の最大30%である。
【0016】
別の実施態様によれば、幾つかの断片間の自由空間は断片の幅の少なくとも2倍の大きさである。断片間の自由空間、即ち断片間の距離は断片の外縁間で測定される。“幾つかの断片”は断片の総数の少なくとも70%、より好ましくは断片の総数の少なくとも80%を意味する。
【0017】
フォーム断片が使用者に最も近い部分に、即ち最初に湿潤される部分に位置されるような方法で吸収構造体を設計することが特に有利であることが示された。かかる取得層を使用する利点はそれが短時間に多量の液体を受容できることである。フォーム断片の気泡壁は湿潤すると激しく膨張する。フォーム材料の気泡壁が膨張すると、細孔体積は激しく増大する。細孔によって吸収された液体は極めて緩く結合され、高い毛管力を有する下にある層によって排液されることができる。結果として、取得層は二回目の液体、即ち短時間に放出された新しい分の液体を受容することができる。
【0018】
気泡壁によって吸収される液体の部分は細孔によって吸収された緩く結合された液体より強く結合される。一定の量の液体が気泡壁によって吸収され、それによって強く結合されることが利点であることが証明された。そのとき使用者に最も近い表面が湿潤される危険は他の取得層より小さい。
【0019】
封止されたおむつ包装における吸収物品の貯蔵時には、断片の厚さは0.50g/cmを越えることが好ましい。“おむつ包装”という用語はおむつを販売するときにおむつが封入される包装を意味する。ある場合において、おむつは一つずつ包装され、次に多数の単一包装おむつはより大きな包装にさらに封入される。“おむつ包装”という用語は単一包装おむつを意味するのではなく、より大きなおむつ包装を意味する。同様に、吸収物品が失禁ガード又は衛生ナプキンであるとき、断片の密度は失禁ガード又は衛生ナプキンのための封止された包装内の前記物品に含まれる吸収構造体の密度として言及される。断片の密度の測定は問題の包装を開封後の2分以内に行なわなければならない。
【0020】
一実施態様によれば、各断片の体積は湿潤すると少なくとも500%増大する。
【0021】
別の実施態様によれば、湿潤時の各断片の平面範囲における面積は少なくとも300%増大する。
【0022】
ポリアクリレートベースの超吸収フォーム材料は容器中において少なくともモノマー、架橋材料、開始剤及びテンサイド(tenside)を含有する溶液の二酸化炭素を使用して圧力下で飽和することによって生成される。溶液がノズルを通して容器から除去されるとき、溶液は膨張され、フォーム構造体が達成される。フォーム構造体はロックされ、そこで重合及び架橋が例えばUV線及び/又は電子線によって開始される。最後に、材料は圧縮され、乾燥される。
【0023】
いかなる種類の接着材料を適用する必要もなしで表面に対して複数の断片を適用して維持できることが示された。
【0024】
二つの貯蔵層間に超吸収フォーム材料の断片、即ち取得層を適用することもできる。断片は貯蔵層の全表面に等しく分布されて、股部分にだけ又はある部分に間欠的に、例えば縦方向又は横方向に延びるストランドで適用されることができる。
【0025】
吸収物品の一実施態様によれば、貯蔵層はセルロース繊維及び粒状超吸収材を含み、乾燥状態の貯蔵層の全重量で計算すると粒状超吸収材の量は少なくとも50重量%である。乾燥状態の貯蔵層の全重量で計算すると超吸収材の割合はより高くすることができ、例えば少なくとも60重量%又は少なくとも70重量%であることができる。装着しても目立たず快適でありかつ同時に十分に高い吸収能力を有する、薄い物品を作るために、貯蔵層に高い割合の超吸収材を使用することが有利であることが示された。
【0026】
図面の簡単な記述
図1は本発明による吸収物品の平面図を示す。
図2は図1に示された吸収物品の横断面を示す。
図3は本発明による吸収物品の代替例の横断面を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下の記載は本発明による吸収物品の二つの実施態様に言及するが、本発明は以下に記載された実施態様に限定されない。図1には本発明による吸収物品100の平面図が示されている。吸収物品100は横方向に延びる中央線Iによって示される横方向、及び縦方向に延びる中央線IIによって示される縦方向を有する。さらに、吸収物品100は平面に垂直な厚さ方向を有する。吸収物品100は物品の使用中に使用者の最も近くに横たわることを意図される液体透過性上部シート101を有する。さらに、吸収物品100は少なくとも実質的に液体不透過性である下部シート102、及び液体透過性上部シートと下部シートの間に封入される吸収構造体103を有する。下部シート材料102は所望によりいわゆる蒸気透過性の呼吸可能な材料であってもよい。吸収構造体103は多量の液体を迅速に受容することができることを意図される取得層104及び多量の液体を迅速に貯蔵することができることを意図される第一貯蔵層105、及び第二貯蔵層106を含む。第二貯蔵層106は第一貯蔵層105より物品の平面において長い範囲を有するが、より低い全吸収能力を有する。第二貯蔵層はまた、体に対して可撓性である吸収構造体を作って維持するのを助けるような方法で形態作成要素として機能する。
【0028】
貯蔵層105,106は繊維材料、フォーム材料、超吸収ポリマー及びこれらの組み合わせの如き任意の吸収材料を含んでもよい。一実施態様によれば、第一貯蔵層105は第一貯蔵層105の全重量で計算すると相対的に高い割合、好ましくは少なくとも50重量%の超吸収材料を含む繊維構造体である。超吸収材は自重の多数倍の水又は体液を吸収する能力を有するポリマーである。超吸収材は粉末、フレーク、繊維、顆粒などの形で存在する。貯蔵層105における超吸収材は繊維材料と混合されてもよく又は繊維層間の一以上の層として適用されてもよい。超吸収材は第一貯蔵層105に均一に分布されるか又は第一貯蔵層105の縦及び/又は厚さ方向に様々な濃度で分布される。
【0029】
第二貯蔵層106は第一貯蔵層105より薄いことが好ましい。また、第二貯蔵層106は一実施態様によれば超吸収材を含有する繊維構造体を含むことができる。第二貯蔵層106における超吸収材の割合は第一貯蔵層105における超吸収材の量より低いことが好ましい。例えば、第二貯蔵層106は第二貯蔵層106の全重量で計算すると約10重量%の超吸収材を含んでもよい。第二貯蔵層106は物品の平面において長い範囲を有するが、低い全吸収能力を有する。液体透過性上部シート101は不織材料又は有孔プラスチックフィルム、又はその積層体であることができる。液体透過性上部シートを作ることができるポリマーの例はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、又はそれらのコポリマーである。液体透過性上部シート101に放出された体液を迅速に通過させることができるためには、上部シートはテンサイドで被覆されるか及び/又は開口されることが多い。
【0030】
取得層104は連続気泡ポリアクリレートベースのフォーム材料から作られた複数の断片110を含み、各断片110は縦方向に延びる中央線IVによって示される縦方向、及び横方向に延びる中央線IIIによって示される横方向を有する平面範囲を持つ。さらに、各断片110は平面範囲に垂直な厚さ方向を有する。乾燥状態の各断片110の横方向の幅111は10ミリメートルを越えない。取得層104の断片110はさらに、20ミリメートルを越えない長さ112を有する。取得層104における断片110は吸収構造体の股部分108の一部に配置される。断片を含有する部分における最外断片はその部分の全面積を決定する。吸収構造体のその部分の面積を決定するために、最外断片の外縁の間に線が引かれる。この部分は図1の点線116で示される。
【0031】
図2は図1に示された吸収物品100の股部分108の横断面を示す。即ち、吸収物品100は物品の使用中に使用者の最も近くに横たわることを意図される液体透過性上部シート101、実質的に液体不透過性の下部シート102、及びそれらの間に封入される吸収構造体103を有する。吸収構造体103は液体透過性上部シート101の方に最も近くに配置される取得層104、第一貯蔵層105、及び第二貯蔵層106を含む。第一貯蔵層105は取得層104と第二貯蔵層106の間に配置される。第二貯蔵層106は第一貯蔵層105と下部シート102の間に配置される。様々な層の構成は図1の記載において詳細に述べられている。
【0032】
図3は本発明による吸収物品300の代替実施態様の横方向に延びる中央線Iに沿った横断面を示す。吸収物品300は物品300の使用中に使用者の最も近くに横たわることを意図される液体透過性上部シート301、実質的に液体不透過性の下部シート302、及びそれらの間に封入された吸収構造体303,304,305を有する。取得層304は三つの別個の断片310を含む。断片は物品の縦方向に延びるストリップから構成される。ストリップ間には、取得材料を含まない空間、即ち中空空間314が存在する。好ましくはストリップは超吸収フォーム材料を含む。湿潤すると、かかる超吸収材は材料の全ての方向において激しく膨張する。従って、中空空間314は吸収構造体の形状を実質的に変更せずに超吸収フォーム材料のための空間を膨張させる。
【0033】
貯蔵層は上部貯蔵層305及び下部貯蔵層303に分割され、これらの二つの層の間に取得層304が置かれる。上部及び下部貯蔵層は図1の貯蔵層105及び106に対して上述されたものと同じ材料組成を有してもよい。材料組成は二つの層303及び305において同じであることができ、又はそれは異なることができ、例えばセルロース毛羽パルプ及び超吸収材の含有量は異なる層で異なってもよい。
【実施例】
【0034】
実施例1−フォーム材料の膨張の測定
材料の厚さ方向の膨張の測定では、既知の直径を有する試料を切断した。乾燥直径(d)及び乾燥厚さ(t)を測定した。次いで試料をNaCl溶液(0.9グラムの重さのNaCl)中で膨張させた。その後、湿潤直径(d)及び湿潤厚さ(t)を測定した。次いで百分率で表示された厚さの膨張(TE)、百分率で表示された面積の膨張(AE)及び百分率で表示された体積の膨張(VE)を下記式を使用して推定した。

【0035】
試験された材料はフォームXIIで示されるポリアクリレートベースのフォーム材料である。フォームXIIは以下の記載に従って作られる:
ビーカに下記のものを加える:
348.5グラムのアクリル酸(4.84mol);
135.5グラムのアクリル酸ナトリウム37.3重量%(0.54mol)含有溶液;
28.0グラムの400の分子量を有するポリエチレングリコールからのポリエチレングリコールジアクリレート;
21.3グラムのエチレンオキサイド及び線状C16−C18脂肪アルコール(モル比80:1)15重量%含有水溶液;
65.7グラムの水。
【0036】
それらの成分を混合し、その後、溶液を16℃未満の温度に冷却した。次いで溶液を閉鎖した容器に注ぎ、溶液を12barの圧力で25分間二酸化炭素で飽和した。同じ圧力を使用して、26.7グラムの3重量%の2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライドを含有する水溶液を作った。これを混合して均質な溶液にした。次いで溶液を5分間静止させた。飽和溶液を12barの圧力で1mmの開口を有するノズルを使用して容器から圧縮した。
【0037】
生じたモノマーフォームをガラスプレート(DIN−A3)上に置いた。次いでモノマーフォームの上に追加のガラスプレートを置いた。次いで、UV/VISランプ、UV1000ランプ(Hoehnle)を使用してフォームを重合した。フォームは上下からランプを使用して照射された。照射及びそれによる重合を4分間行なった。
【0038】

【0039】
厚さ膨張は好ましくは40〜80%であるべきであり、面積膨張は好ましくは300〜400%であるべきであり、体積膨張は好ましくは500〜700%であるべきである。
【0040】
実施例2−吸収物品が予め決められた量の液体を吸収するために必要な時間の推定
五つの異なる吸収物品が100mlの合成尿を吸収するために必要な時間を決定するために測定が行なわれた。さらに、追加の第二及び第三の液体を吸収するために必要な時間も測定された。それらはそれぞれ第二及び第三の湿潤に相当する。
【0041】
全ての五つの吸収物品は上部シート、取得層、貯蔵層及び下部シートを含む。測定は吸収物品が予め決められた量の液体を吸収するために必要な時間に関するものであったので、試験された物品は弾性手段又は固定手段を全く有していなかった。即ち、試験されるのは上部シート及び吸収構造体の機能である。全ての五つの試験された物品の上部シートはJW Suominen OYからの“Novelin 650”の名称のポリプロピレンのカードされた不織材料から作られる。グラム割合は23g/mである。下部シートはポリプロピレンフィルムの全ての五つの試験された物品にある。
【0042】
試験された吸収物品No.1
吸収構造体は複数のフォームXIIの断片を含有する取得層を含む。断片は5mmの幅及び7mmの長さを有する。断片の全重量、即ち取得層の重量は2.08グラムであり、それは製造時に0.01グラム変動しうる。取得層は液体透過性上部シートと貯蔵層の間に配置される。貯蔵層は第一貯蔵層及び第二貯蔵層を含む。第一貯蔵層及び第二貯蔵層はともにセルロース毛羽パルプ及び粒状ポリアクリレートベースの超吸収材からなる。第一貯蔵層のセルロース毛羽パルプはWeyerhauserからの化学的に製造されたパルプであり、NB416と呼ばれる。セルロース毛羽パルプは三つの異なる層で形成され、それらの層はそれぞれ100g/m,50g/m及び100g/mのグラム割合を有する。粒状超吸収材はポリアクリレートベースの超吸収材である。粒状超吸収材はセルロース層間に適用され、超吸収材はそのとき二つの別個の層からなる。粒状超吸収材の各層は275g/mのグラム割合を有する。第二貯蔵層は化学的に製造されたパルプ及びポリアクリレートベースの超吸収材を含む。超吸収材はセルロース毛羽パルプに混合される。第二貯蔵層における超吸収材の割合は10重量%である。第二貯蔵層の全グラム割合は200g/mである。
【0043】
試験された吸収物品No.2
吸収構造体はフォームXIIの層を含有する取得層を含む。取得層は6cmの幅及び13cmの長さを有し、取得層の全重量は6.25グラムである。取得層は液体透過性上部シートと貯蔵層の間に配置される。貯蔵層は試験された吸収物品No.1の貯蔵層と同じ構造を含む。
【0044】
試験された物品No.3
吸収構造体は複数のフォームXIIの断片を含有する取得層を含む。取得層は貯蔵材料の二つの異なる層の間に配置される。貯蔵層は試験された吸収物品No.1の貯蔵層と同じ構造を含む。
【0045】
試験された物品No.4
吸収構造体はフォームXIIの層を含有する取得層を含み、取得層は貯蔵材料の二つの異なる層の間に配置される。貯蔵層は試験された吸収物品No.1の貯蔵層と同じ構造を含む。
【0046】
試験された物品No.5
最後に、取得層を全く含有しない物品も試験した。吸収物品は貯蔵層からなり、それは試験された吸収物品No.1の貯蔵層と同じ方法で構成された。
【0047】
100mlの合成尿を吸収するために必要な時間を測定した。さらに、追加の第二及び第三の液体を吸収するために必要な時間も測定され、それらはそれぞれ第二及び第三の湿潤に相当する。
【0048】

【0049】
結果は物品1が全ての三回の湿潤で最も短い吸収時間を示す。物品1は複数のフォームXIIの断片から作られた取得層を含んでいた。物品1の取得層は液体透過性上部シートと貯蔵層の間に配置された。
【0050】
実施例3−再湿潤の推定
再湿潤、即ち吸収物品の上部シートが湿潤後にどのように湿潤するかが三つの吸収物品について測定された。
【0051】
全ての三つの試験された物品の上部シートは23g/cmのグラム割合を有するポリプロピレンのカードされた不織材料から構成された。上部シートの製造者はJW Suominen OYである。全ての三つの試験された物品の貯蔵材料はHollingsworth Vose Company Ltd.からのERT FF3の名称の参照フィルタ紙の五つの層から構成された。全ての試験試料の試験液は9重量%のNaClを含有する溶液であった。
【0052】
第一の試験された吸収物品は複数のフォームXIIの断片から構成された取得層を含んでいた。断片の幅は5mmであり、断片の長さは5mmであった。断片の全重量は1.0グラムであった。
【0053】
第二の試験された吸収物品はPolyform GmbHからの再生セルロースからの圧縮フォーム材料の複数の断片から構成された取得層を含んでいた。断片の幅は7mmであり、断片の長さは7mmであった。断片の全重量は1.0グラムであった。
【0054】
第三の試験された吸収物品は取得層を全く含んでなかった。
【0055】

【0056】
結果は物品1が最も低い再湿潤を与えたことを示す。物品1はポリアクリレートベースのフォーム材料フォームXIIの複数の断片から構成された取得層を含んでいた。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による吸収物品の平面図を示す。
【図2】図1に示された吸収物品の横断面を示す。
【図3】本発明による吸収物品の代替例の横断面を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつ、失禁ガード、衛生ナプキン又はそれらの類似物品の如き吸収物品(100)であって、物品(100)が液体透過性上部表面を有し、かつ平面範囲を有する吸収構造体(103)を含み、吸収構造体(103)が取得層(104)及び少なくとも一つの貯蔵層(106)を含むものにおいて、取得層(104)が複数の液体吸収連続気泡ポリアクリレートベースのフォーム材料の断片(110)を含み、各断片(110)が横方向(III)及び縦方向(IV)を持つ平面範囲、及び平面範囲に垂直に延びる厚さ方向を有し、乾燥状態の各断片(110)の横方向(III)の幅が10ミリメートルを越えないこと、及び平面範囲における乾燥状態の断片(110)の全面積が平面範囲における吸収構造体の面積より小さいことを特徴とする吸収物品。
【請求項2】
乾燥状態の各断片(110)が7ミリメートルを越えない横方向(III)の長さを有することを特徴とする請求項1に記載の吸収物品。
【請求項3】
乾燥状態の各断片(110)が20ミリメートルを越えない縦方向(IV)の長さを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の吸収物品。
【請求項4】
平面範囲における断片(110)の全面積が平面範囲における吸収構造体(103)の全面積の最大50%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項5】
平面範囲における断片(110)の全面積が平面範囲における吸収構造体(103)の全面積の最大30%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項6】
乾燥状態の各断片(110)が少なくとも0.18g/cmの密度を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項7】
湿潤時に各断片(110)の体積が少なくとも500%増大することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項8】
湿潤時に各断片(110)の平面範囲の面積が少なくとも300%増大することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項9】
断片(110)が少なくとも湿潤領域において貯蔵層(106)の上部表面に対して適用されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項10】
貯蔵層(106)の少なくとも一つがセルロース繊維及び粒状超吸収材から構成され、乾燥状態の貯蔵層(106)の全重量について計算した超吸収材の量が少なくとも50重量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の吸収物品。
【請求項11】
貯蔵層(106)の少なくとも一つがセルロース繊維及び粒状超吸収材から構成され、乾燥状態の貯蔵層(106)の全重量について計算した超吸収材の量が少なくとも70重量%であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の吸収物品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−521167(P2006−521167A)
【公表日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507915(P2006−507915)
【出願日】平成16年1月16日(2004.1.16)
【国際出願番号】PCT/SE2004/000049
【国際公開番号】WO2004/084785
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(598166490)エスシーエー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー (21)
【Fターム(参考)】