説明

吸引デバイス

吸引デバイス10の形態の手持ち式流体マニピュレータが、移動可能に取り付けられたチューブ14、流路画定区域16、ノズル付チューブ、およびチャンバ32からなる、周囲が囲繞されかつ再開通可能に閉鎖可能な流体移送経路画定手段を、再開通可能に閉鎖可能な流体移送経路20との組み合わせで備える。このデバイスは、また、ハンドル22と、チューブ変位体26を介してチューブ14と係合するおよび可撓性ストリップ24と、を備える。ストリップ24は、フック30を介して流体移送経路開通状態でロックすることができる。チャンバ32は、孔セット34を介してチューブ14へ開口している。流体移送経路20の開閉は、チャンバ32と、孔セット34と、チューブ14が閉塞内端14.2を有することと、によって構成された流体流れ規制機構36によって規制される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも使用時に流体移送源に接続されると、適用先の利用位置に関して流体の流れを操作する手持ち式流体流れマニピュレータに関する。なお、本発明は、特にはヘルスケアの分野において吸引デバイスの形態で使用されるものであるが、この分野に限定されない。
【背景技術】
【0002】
ヘルスケアの分野特に使用環境が与えられている分野において、吸引機能を及ぼす器具を提供することに関する。このような器具が吸引効果を奏するように使用され続けると、医療従事者の気が散るほどの騒音が発生してしまう。さらには、吸引効果を奏するように使用され続けると、電力の無駄が生じてしまう。本発明の目的の一つは、上記の問題に対処することである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
継続的な吸引効果を奏する従来技術で周知の普通の吸引デバイスにおいては、上記背景技術に記載した問題が生じるが、本願発明は、これらの問題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明について、添付の図を参照しながら実施例を挙げることによって以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【図1】吸引デバイスの形態で示される本発明の手持ち式流体流れマニピュレータの立側面図。
【図2】吸引デバイスを示す平面図。
【図3】吸引デバイスの内部を示す立側面図。
【図4】吸引デバイスの内部を示す平面図
【図5】吸引デバイスのチュービングのチューブ取付け形成部の特定の実施例の詳細図であって、人の口腔内で吸引するのに使用されるときの形態を示す図。
【図6】吸引デバイスの操作を説明する模式図。
【図7】吸引デバイスのさらなる実施例の作動を説明する模式図。
【図8】デバイスの一部を形成する離脱可能ノズル付チューブをデバイスの残りの部分に接続する他の方法を詳細に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0006】
各図において、少なくとも使用時に流体移送源に接続されると、適用先の流体流れの利用位置に関して流体の流れを操作する手持ち式流体流れマニピュレータが、吸引デバイスの形態で参照符号10を付して概略的に示されている。
【0007】
吸引デバイス10は、一方で、直線状に延在しかつ軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ14を含み、他方で、ノズル付環境相互作用チューブ18と接続するハンドル先端側流路画定区域16の形態の中間流体流れコンジットを含む、少なくとも2つの部分からなる再開通可能に閉鎖可能な、周囲が囲繞された流体移送経路画定手段(以下に説明するように、デバイス10が適切に操作されたとき、この流体移送経路画定手段に沿って、再開通可能に閉鎖可能な流体移送経路20の一部が画定される(図3に示されるように))と、区域16によって一部が形成されているハンドル22であって、該ハンドル22に沿ってチューブ14が移動可能に収容されている、ハンドル22と、このハンドル22の壁を貫いているスロット28に沿って移動可能に取り付けられたチューブ変位体26の形態の変位手段を介してチューブ14と係合している可撓性ストリップ24の形態の流体流れ開閉機構と相互作用してなる手圧力応答型の流体移送経路画定手段と、を備える。周囲が囲繞された流体移送経路画定手段は、また、中間流体移送チャンバ32を含み、この中間流体移送チャンバ32は、チューブ14、チューブ区域16およびノズル付チューブ18と協働して、流体移送経路20を画定する。
【0008】
ストリップ24は、流体流れ開閉機構の一部を形成するフック30として備えている捕捉体の形態のロック機構を使って流体移送経路開通状態にロック可能となっている。
【0009】
チャンバ32は、チューブ14の内端領域14.1の側壁を貫く孔セット34の形態のチューブ内端領域側方流れ孔の構成を介して、チューブ14へ開口している。流体移送経路20の開閉は、参照符号36で概略的に示される流体流れ規制機構によって規制されるが、この流体流れ規制機構の一部は、チャンバ32と孔セット34によって構成されている。チューブ14は、密閉されたチャンバ入口38を通ると、チャンバ32に沿って移動できるように係合する。チューブ14がハンドル22に沿って移動するときの移動範囲は、以下に説明するように、スロット28に沿って移動する変位体26の移動範囲によって束縛されるが、この束縛があることによって、孔セット34とチャンバ32との流体連通が常に維持されている。
【0010】
ストリップ24は、変位体26に回動可能に接続された位置40と、ハンドル22に回動可能に接続された位置42との間に延在し、固有の曲げ特性によって弓形形成形状に復帰するように付勢されている。デバイス10を持って使用するときに、ストリップ24は、チューブ14の移動の軸と少なくともほぼ同軸であるハンドル22の中心軸44の方向に延びているが、このストリップ24が手の圧力を受けると、ハンドル22の方向へ動く。位置42がハンドル22に固定されているので、手の圧力を作用させ或いは緩めたときに、ストリップ22が弓形形状に変化すると、これに応じて変位体26との接続位置40が移動することによって、チューブ14が連動し、区域16の近接へ出入りするようになる。
【0011】
ストリップ24の操作に応答して矢印46の方向へ移動可能なチューブ14は、ストリップ22が手の圧力を受けたときに、流体移送経路20を開通させるように移動するが、これの逆のときには逆の状態になる。これらのことは、流体流れ規制機構36がチューブ14の直線的な移動に関連して作動することに応答することに関連して実現される。この機構36は、孔セット34およびチャンバ32を不可欠な要素として含むことに加えて、チューブ14の内端14.2が閉塞端であることを不可欠な要素として含んでいて、このチューブ14の内端14.2は、チューブ14に面している側から流路画定区域16へのアクセスを形成するアクセスポート48(図6にさらに明確に示されている)に密閉可能に着座できる。チューブ14の内端14.2とポート48との係合が解除されると、流体移送経路20が結果的に開通し、この経路20に流体が流れることが可能となるが、これの逆のときには逆の状態になる。
【0012】
図3および図4をさらに詳しく参照すると、一実施例においては、ポート48に沿って形成されたソケット52内へ受けられる差込部50となるようにテーパが付されたチューブの端領域14.3によって、着座可能なシールが実現される。図7に示される代替的な実施例においては、チューブ14の内端14.2は、ポート48の外端に沿った周囲リップ54に押し付けられたときに、平面的に閉鎖され得る。図8に示されるさらなる代替的な実施例においては、着座は、以下に詳細に説明するように、区域16に移動可能に嵌合する形式のチューブ18の内端部を形成する楔形の形状の内側フランジ70の外面69を介して実現される。こうして、ポート48は、チューブ18への開口73によって有効となるように画定される。このような場合、チューブ18が使用のために嵌合されると、フランジ70は、区域16において、補完的に形成されている内端領域71に着座する。
【0013】
ストリップ24が弓形形成状態へ復帰することに連動して、変位体26が少なくとも実質的にスロット28の端部28.1へ向かって動いたときに、チューブ14の閉塞内端14.2をポート48に着座させる効果を奏するように、チューブの移動範囲は、変位体26の移動範囲とともに、スロット28の長さを調整することによって、相互調整される。
【0014】
フック30は、変位体26に回動可能に接続された位置40で終端しているストリップ24の端部領域24.1に沿って該ストリップ24の下方に取り付けられている。フック30の幅については、ストリップ24が適切な大きさの手の圧力を受けたときに、該フック30がスロット28内へ自由に出入りできるように、選択されている。フック30の先端は、変位体26から離れる方向を向いている。これに対向するスロット28の端部は、ハンドル22の壁と協働して開口を形成している。スロット28の端部28.1に形成されている貫通孔56の内端位置の形態の貫通内端位置は、ストリップ24への手の圧力を解除した後であるが該ストリップ24の端部領域24.1についてはまだ圧力をかけている間に、フック30のリップ58と解除可能に係合され得る。このフック30の位置は、チューブ14の閉塞端14.2がポート48との係合から適切に解除されるように動いて流体が滞りなく流れる流路20が形成された後開口56と係合する位置に、選択される。
【0015】
穴が形成されている内装壁体60が存在し、この穴の寸法に丁度よいチューブ14が通っていて、このチューブ14は、ハンドル22内で、該ハンドル22に沿って延びている。チャンバ入口38におけるチャンバ32の密閉は、図3および図4に示される実施例においては、壁体60.1に沿ったチューブ14の移動孔の内周縁に沿ってシール・リング(図示せず)が嵌合していることによって、実現される。あるいは図7に示される実施例においては、そのような密閉は、チューブ14と壁体60.1の両方に密閉可能に係合しつつチューブ14の移動に伴って収縮・拡張するベローズ型隔膜シール62によって実現され、こうして、移動を収容可能に形成されている。デバイス10は、チューブ14の後端を形成しているカップラ差込部64を介して吸引源に接続可能となっている。
【0016】
特に図5,7および8を参照すると、ノズル付環境相互作用チューブ18は、区域16の外端領域16.1へ着脱可能に差し込めることが好ましい。これによって、チューブ嵌合部の形態であって、デバイス10の用途に応じて様々に変化するチューブ嵌合部66の着脱可能な取り付けが可能となる。チューブ18の自由端つまりチューブ嵌合部66は、吸引を介して適切な源から液体を抽出できるように形成されたノズル68の形態である。吸引デバイス10の使用時にチューブ嵌合部66が誤って解除されないように、チューブ嵌合部66の内端66.1は、楔形の形状のフランジ70を有するように形成されており(図5(d)および図8に示される)、上述したように、ハンドル先端側流路画定区域16内に留められていて、このチューブ嵌合部66を区域16から引き抜くのに幾らかの力を必要とするようになっている。特には、吸引デバイス10が口腔内唾エキストラクタとして使用される場合、図5(b)のB−B線に沿って切り取られた図5(c)に示されるように、ノズル68は、非円形好ましくは楕円形の形状の端部プロファイルを有する。ノズル68は、この特有の形状を有することによって、患者の歯の間に締め付けられているときにも、患者の口腔内から引っ張り出すことができる。これが可能であるのは、ノズル68の膨出部72が患者の上下の歯の間の開口に沿った方向に延びているとともに、最狭幅74に沿った方向に患者が歯を喰いしばることができるように、嵌合部66が捻られていることによる。この最狭幅は、チューブ18(チューブ嵌合部66)の直径に概ね等しく、膨出部72が歯の裏に引っ掛かることがないので、チューブを単に滑らせることで引き出すことができる。ノズル68は、口内分泌物や塵の取り込みを制限する寸法の吸引ポート76を有するように形成されている。吸引デバイスを断続的に作動させることによってもまた、そのような望ましくない異物の取り込みを制限することができる。この利点は、他のデバイス用途にも勿論有効であり、必ずしも医療分野だけに用いられるとは限らない。
【0017】
図6および図7を参照して使用について説明すると、吸引デバイス10は、手の圧力を受けていないときに、チュービング閉鎖状態になる(図6(a),7(a)に示される)。この状態は、弓形形状形成状態になるように付勢されているストリップ24の固有弾性によって生じる。チューブ14は、差込部50およびソケット52を介して或いは周縁リップ54を介して、ポート48に着座状態となるように促されている。チューブ14が閉塞内端14.2を有していることによって、流体移送経路20が結果的に閉鎖される。この状態つまり図6(a)に詳細に示される状態においては、変位体26は、スロット28の後端28.1に実質的に位置している。
【0018】
吸引デバイス10は、使用されている時に、ユーザ(図示せず)の手の圧力を受けて、このユーザの手に保持されている。図6(b)および詳細には図7(b)に示されるように、ストリップ24に矢印78の方向へ手の圧力が加わり始めると、チューブ14がポート48から着座解除されたことに応答して、流体移送経路20が開通し、これと同時に、変位体26が矢印80の方向へ移動する。吸引デバイス10が空気流許容状態にロックされることが望ましくない場合、この程度の手の圧力でも空気流のオン/オフ操作を手動制御するのには充分であるが、ユーザは、えてして、ストリップ24がハンドル22に近接した状態になる程の力を該ストリップ24に加えるものである。
【0019】
近接した状態になると、図6(c)に詳細に示されるように、変位体26は、スロット28の先端28.2の位置まで動くことができるが、この間ずっと、経路20に沿って空気流が維持されている。この状態で、フック30は、スロット28内に位置している。手の圧力が解除されると、デバイス10は、ストリップ24の弾性に応答して、図6(a),7(a)に示される空気流閉鎖状態へ自動的に復帰する。
【0020】
図6(d)に詳細に示されるように、デバイス10が空気流開通状態にロックされることが望ましい場合、手の圧力を受ける位置がストリップ24の端領域24.1へシフトされ、ストリップ24の残りの部分については手の圧力が弛緩されるとよい。これによって、フック30がスロット28と平行な状態に維持され、このフック30は、変位体26の矢印82の方向への移動に伴って移動し、リップ58を介して開口56と係合する。この結果、変位体26およびチューブ14は、ロックされるが、仮にロックされていなければ、ストリップ24が弾性を有することによってさらに移動したはずである。このようにフックの開通係合がなされることで、流体移送経路20が適切に開通して有効な空気流が維持されるように、ストリップ24に沿ったフック30の位置が選択される。
【0021】
流体移送経路20に沿って空気流が流れるように手動制御で復帰させることが望ましい場合、ストリップ24は、該ストリップ24の中央部に作用する標準的な大きさの圧力を、図6(b)および図6(c)に示される矢印78の方向へ受けるだけでよい。この圧力によって、図6(e)およびその拡大図に示されるように、フック22が開口56から引き出される。図6(f)に示されるように、手の圧力が弛緩して、圧力解除がなされると、フック30がスロット28から引き出され、デバイス10が、図6(a),7(a)に示される空気流閉鎖状態に復帰する。
【0022】
少なくとも上記の詳細な説明に示したように、本発明の利点は、片手で簡単に操作できる吸引デバイスであって、ユーザの手の圧力の緊張と緩和に敏感に応答して空気流を正確に開閉させる機能を有し、ヘルスケアの分野で期待される要求精度に応える吸引デバイスを提供することである。さらなる利点は、吸引デバイスを正常に作動させて吸引を行うときに、吸引に起因する騒音が発生する操作環境において、騒音を低減できることである。さらなる利点は、デバイスの起動後に、吸引の動力のみを必要とすることで、デバイス全体の要求動力を低減できることである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも使用時に流体移送源に接続されると、適用先の流体流れ利用位置に関して流体の流れを操作する手持ち式流体流れマニピュレータ(10)において、
流体流れ利用口(68)から後方へ延在する再開通可能に閉鎖可能な流体移送経路(20)を取り囲み、該マニピュレータを動作させる際に適切な流体移送を行なうために結合可能な、周囲が囲繞された流体移送経路画定手段(14、32、16、18)と、
マニピュレータのユーザの手にフィットするように形成されたハンドル(22)であって、マニピュレータを使用して動作させる際に、所望の流体移送の効果を実現するように流体利用口(68)を適切に位置決めできるように、流体移送経路画定手段の少なくとも一部が該ハンドル(22)に沿って延在している、ハンドル(22)と、
を備え、
手の圧力に応答して流体移送経路画定手段と相互作用する流体流れ開閉機構(24、26)を組み込んでいて、この流体流れ開閉機構は、ユーザの圧縮解除可能な手の動きに応答して流体移送経路画定手段の開通状態と流体移送経路画定手段の閉鎖状態との間で移動できるようにハンドル(22)に取り付けられているとともに、手の圧力解除に関連する状態に復帰するように付勢されていることを特徴とする手持ち式流体流れマニピュレータ(10)。
【請求項2】
流体流れ開閉機構(24、26)は、手の圧力を受けたときに流体移送経路画定手段の開口を生じさせ、逆に、手の圧力が緩められたときに、流体流れ閉鎖状態へと付勢されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項3】
流体流れ開閉機構(24、26)は、流体移送経路画定手段の開通状態で該開閉機構を解除可能にロックするロック機構(30)を組み込んでいることを特徴とする請求項2に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項4】
流体移送経路画定手段(14、32、16、18)は、相対的に変位可能な少なくとも2つの部分(14、16)からなり、少なくとも一方の部分がハンドル(22)に沿って移動可能に取り付けられていて、該少なくとも一方の移動可能部(14、16)に関連する変位手段(26)を組み込んでいる流体流れ開閉機構(24、26)の動作に応じて、部分(14、16)が、部分間流体流れ許容状態と部分間流体流れ閉鎖状態との間で移動でき、これらの状態のうちの一方の状態は、部分間が近接していることに関連し、マニピュレータの使用時に流体流路(20)に沿って流体が流れることを規制することが、流体流れ規制機構(36)の動作と結び付けられ、この流体流れ規制機構(36)は、適切な場合には流体移送経路画定手段の一部を画定することにも関与することを特徴とする請求項2または3に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項5】
部分(14、16)の少なくとも一方が直線状に延在しかつ軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)の形態であり、従って、チューブがハンドル(22)に移動可能に取り付けられていて、変位手段(26)が少なくともチューブ(14)に関連していることを特徴とする請求項4に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項6】
軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)は、流体移送経路画定手段の移動可能部を形成し、これにより、流体流れ開閉機構(24、26)の動作に応じて移動することができることを特徴とする請求項5に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項7】
軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)は、該チューブがチューブ対向アクセスポート(48)との近接状態から外れて、流体利用口(68)で終端している流体移送経路(18)の部分へ開通したときに、部分間流体流れ許容状態へと移行し、これの逆のときには逆の状態へ移行するようになっており、流体流れ規制機構(36)は、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)の内端(14.2)が閉塞されていて、この閉塞内端(14.2)は、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)と対向するアクセスポート(48)と近接状態になったときに、このアクセスポート(48)に密閉状態で着座する一方で、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)がチューブ対向アクセスポート(48)との近接状態から離れたときに流体流路(20)に沿って流体が流れることを可能にするように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項8】
流体流れ規制機構(36)は、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)がチューブ対向アクセスポート(48)との近接状態から離れると、中間流体移送チャンバ(32)を介して、流体流路(20)に沿って流体が流れることを可能にするように構成され、こうして、流体移送経路画定手段の一部を画定するのに流体流れ規制機構(36)が利用され、この流体流れ規制機構(36)は、ハンドル(22)内に形成されていて、チューブ内端領域側方流れ孔構成(34)を介して移動可能チューブの内端領域(14.1)へ開口しかつ、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)が着座して係合していないときのチューブ対向アクセスポート(48)へも開口し、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブは、(孔構成が位置する)内端領域(14.1)をチャンバ(32)内に存続させる範囲に移動範囲が束縛されていて、流体移送経路画定手段以外によって流体が環境へ放出されることのないように、内端孔構成が位置する領域(14.1)よりも上流においてはチャンバ(38)を密閉したまま直線的に移動できるように該チャンバ(38)と係合していることを特徴とする請求項7に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項9】
変位手段は、チューブ(14)から延在するチューブ変位体(26)の形態であって、弓形に形成された弾性を有する可撓性ストリップ(24)によって、ハンドル(22)の壁内に形成されたスロット(28)に沿って摺動可能に嵌合し、この弾性によって、ストリップ(24)が弓形形成状態へと付勢されるとともに、手の圧力の緩和に関連する状態へ復帰するように付勢された流体流れ開閉機構がチューブ変位体に関連して形成され、ストリップ(24)は、ハンドル固定位置(42)とチューブ変位体固定位置(40)との間で、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(44)の移動軸の方向に延びていて、このストリップ(24)をハンドルの方向へ動かすようにユーザの手の圧力が作用したとき、変位体(26)が摺動するとともに、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)がチューブ対向アクセスポート(48)から着座解除される状態となり、その結果、該マニピュレータの使用時に、流体移送経路画定手段に沿って流体が流れることが可能になる一方で、手の圧力が緩められると、ストリップ(24)が弓形形成状態へ復帰され、これに応じて変位体(26)が移動すると、チューブ(14)が連動して移動し、チューブの閉塞端(14.2)がアクセスポート(48)に着座し、さらには、流体流れ開閉機構が、可撓性ストリップ(24)の下側で延びている捕捉体(30)の形態のロック機構を組み込んでいる場合、ストリップが少なくとも実質的にハンドルに近接したとき、捕捉体(30)がハンドル(22)と解除可能に係合することを特徴とする請求項7または8に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項10】
流体流れ開閉機構が組み込んでいる捕捉体は、ストリップ(24)と変位体との接続位置(40)付近でストリップ(24)の下側で延びているフック(30)の形態であって、このフックの先端は、ストリップの弛緩に関連するスロットの内端(28.1)と対向し、スロット(28)の幅は、ストリップ(24)に手の圧力が適切に作用することによってフックがスロットと係合するように促されたときにこのフックを収容できる寸法を有し、ストリップが適切に操作された時に、軸方向に移動可能に取り付けられたチューブ(14)がチューブ対向アクセスポート(48)に着座していない状態でロックがかかるように、フック(30)のリップ(58)が、スロット(28)の貫通孔(56)の内端位置に収容され、マニピュレータに沿った流体の流れが維持されるが、このとき、ストリップのフック支持端領域に作用する手の握力を維持したままストリップの残りの部分に作用する力を緩めることによって、フックが、スロット内へ入って該スロットに沿って移動して貫通孔(56)の内端位置と係合するように束縛され、こうして、スロットの内端の下側とフックの捕捉リップ(58)との係合が実現され、さらには、このフック係合を解除することは、ストリップ(24)全体に手の圧力を作用させてフックを外した後、手の圧力を緩めてストリップを弓形形成状態へ復帰させることによって実現されることを特徴とする請求項9に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項11】
チューブ対向アクセスポートと流体利用口との間に延在している流体流路の部分が、中間流体流れコンジット(16)の形態であり、この中間流体流れコンジット(16)は、ハンドルの一部を形成するとともにハンドル(22)を過ぎた位置に延びているノズル付環境相互作用チューブ(18、66)と連結し、このノズル付環境相互作用チューブ(18、66)は、マニピュレータの使用時に、流体を吸引することや圧縮媒体を放出することによって環境と相互作用する用途に使用されることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項12】
吸引装置の形態で吸引源に接続することができるとともに、手動で指令および制御された吸引を行うことによって、適用先の流体流れ利用位置に関して空気の形態の流体の流れを操作するのに使用できることを特徴とする請求項11に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項13】
ノズル付環境相互作用チューブ(18、66)のノズル(68)は、患者の歯の間で締め付けられているときにも、この患者の口腔から容易に引き出されるように、非円形の形状の端面を有し、これによって、該マニピュレータを口内流体吸引エキストラクタとして使用し易いことを特徴とする請求項12に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項14】
ノズル(68)が長円形つまり楕円形の形状を有することを特徴とする請求項13に記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。
【請求項15】
ノズル付環境相互作用チューブ(66)は、様々なチューブの取り付けを容易にしかつチューブが誤って外れることを防ぐ中間流体流れコンジット(16)に取り外し可能に嵌合することを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の手持ち式流体流れマニピュレータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(a)】
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【図5(b)】
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【図5(c)】
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【図5(d)】
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【図6(a)】
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【図6(b)】
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【図6(c)】
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【図6(d)】
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【図6(e)】
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【図6(f)】
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【図7(a)】
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【図7(b)】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−505083(P2013−505083A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529990(P2012−529990)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際出願番号】PCT/ZA2010/000054
【国際公開番号】WO2011/035351
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(512066990)
【Fターム(参考)】