説明

吸引詰まり防止装置、ドーム型吸引詰まり防止装置。

【課題】 従来のスクリューコンベアでは吸引口に土砂が詰まったり、大きな礫がスクリューを止めて、搬送作業がストップするという問題点があった。これは、吸引開始時に水分だけが先に吸引されるからである。
【解決手段】 撹拌機で撹拌することにより水分と土砂が分離することを防止し、網目棒により大きな礫などを選別し、さらに、土砂の吸引時に吸引物が装置の周辺に付着する作用を利用し、吸引詰まり防止装置本体の形状をドーム型にすることによって、土砂が吸引しやすくなり、吸引作業をストップすることなく作業効率を上げ、利益の増収を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸引式スクリューコンベアの詰まり防止効果を図った吸引詰まり防止装置、ドーム型吸引詰まり防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の技術としては、土砂、礫、粉粒体などの被搬送物を下方から上方又は横方向に搬送するためのスクリューコンベアがある。(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】 特許第3870344号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
以上に述べた従来のスクリューコンベアでは、水分だけが先に吸引されて土砂が詰まったり、大きな礫がスクリューを止め、搬送作業がストップするというものであった。
【0005】
本発明は、このような従来の技術が有していた問題点を解決しようとするものであり、撹拌翼により吸引物を吸引しやすくするため撹拌し、網目棒により吸引物を選別して、吸引作業のストップを防止し、また、吸引物の周辺へばりつき現象を利用し、本体をドーム型にして土砂を吸引しやすくすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そして、本発明は上記課題を解決するために、吸引詰まり防止装置本体の裏面に既スクリューコンベア本体取付ボルト穴・既スクリューコンベア本体吸入孔を穿設し、既スクリューコンベア本体の側面に網目棒を溶着し、既スクリューコンベア取付部保護カバーを溶着し、本体部を形成する。既スクリューコンベアスクリュー部取付プレートに既スクリューコンベアスクリュー部取付穴を穿孔し、撹拌翼取付台座を溶着し、撹拌翼取付台座に撹拌翼を撹拌翼取付ボルトで締着し、撹拌部を形成する。本体部の既スクリューコンベア取付部保護カバーの内部で、既スクリューコンベアに撹拌部を既スクリューコンベアスクリュー部取付袋ナットで締着したものである。
【0007】
また、第2の課題解決手段は、ドーム型吸引詰まり防止装置本体背面に既スクリューコンベア本体取付フランジを溶着し、既スクリューコンベア本体取付フランジに既スクリューコンベア本体取付ボルト穴を穿設し、ドーム型吸引詰まり防止装置本体の前面にドーム型吸引詰まり防止装置本体補助部を溶着し、さらに網目棒を溶着し、既スクリューコンベア取付部保護カバーを溶着し、ドーム型本体部を形成する。撹拌翼取付台座に撹拌翼を撹拌翼取付ボルトで締着し、ドーム型撹拌部を形成する。そして、ドーム型撹拌部をドーム型本体部に内装したものである。
【0008】
上記第1の課題解決手段による作用は次のとおりである。すなわち、撹拌機で撹拌することにより水分と土砂が分離することを防止し、網目棒により大きな礫などを選別して、スクリューコンベアの詰まりをなくし、吸引搬送作業のストップを防止する効果を発揮する。
【0009】
また、第2の課題解決手段による作用は、吸引時に吸引物が装置の周辺に付着しようとする作用を逆利用し、吸引詰まり防止装置本体の形状をドーム型にすることにより、土砂の吸引効率が上がるといった経済効果をも発揮する。
【発明の効果】
【0010】
上述したように、本発明の吸引詰まり防止装置は、撹拌により水分と土砂の分離を防ぐとともに吸引物を選別し、スクリューコンベアの詰まりを防止する効果を発揮する。
【0011】
また、ドーム型吸引詰まり防止装置は、撹拌により水分と土砂の分離を防ぐとともに吸引物を選別し、スクリューコンベアの詰まりを防止するとともに、土砂の吸引効率を上げる効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】 本発明の吸引詰まり防止装置本体の外観図
【図2】 ドーム型吸引詰まり防止装置本体の外観図
【図3】 ドーム型吸引詰まり防止装置本体を下面から見た外観図
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0014】
図においては、1は吸引詰まり防止装置本体であり、裏面に2の既スクリューコンベア本体取付ボルト穴、3の既スクリューコンベア本体吸入孔が穿設され、1の吸引詰まり防止装置本体の側面には4aの網目棒が溶着され、5aの既スクリューコンベア取付部保護カバーが溶着されて本体部が形成されている。6の既スクリューコンベアスクリュー部取付プレートには7の既スクリューコンベアスクリュー部取付穴が穿孔され、8aの撹拌翼取付台座が溶着され、8aの撹拌翼取付台座には9aの撹拌翼が10aの撹拌翼取付ボルトで締着され、撹拌部が形成されている。本体部である5aの既スクリューコンベア取付部保護カバーの内部で、既スクリューコンベアに撹拌部が11の既スクリューコンベアスクリュー部取付袋ナットで締着された吸引詰まり防止装置である。また、12のドーム型吸引詰まり防止装置本体の背面には13の既スクリューコンベア本体取付フランジが溶着され、13の既スクリューコンベア本体取付フランジには、14の既スクリューコンベア本体取付ボルト穴が穿設され、12のドーム型吸引詰まり防止装置本体の前面には、15のドーム型吸引詰まり防止装置本体補助部が溶着され、さらに4bの網目棒が溶着され、5bの既スクリューコンベア取付部保護カバーが溶着されてドーム型本体部が形成されている。8bの撹拌翼取付台座には9bの撹拌翼が10bの撹拌翼取付ボルトで締着され、ドーム型撹拌部が形成されている。そして、ドーム型撹拌部がドーム型本体部に内装されたドーム型吸引詰まり防止装置である。
【0015】
以下、上記構成の詳細・作用を説明する。1の吸引詰まり防止装置本体は厚さ3mm〜6mm程度の鋼板が使用され、略直方体に形成されており、裏面には直径17mm程度である2の既スクリューコンベア本体取付ボルト穴、直径75mm〜150mm程度である3の既スクリューコンベア本体吸入孔が各々穿設されている。1の吸引詰まり防止装置本体の側面には、直径6mm〜9mmの棒綱が使用された4aの網目棒が溶着され、略四角形に形成されており、この4aの網目棒に、厚さ3mm〜6mm程度の鋼板を円筒状に加工された5aの既スクリューコンベア取付部保護カバーが溶着されて、本体部が形成されている。
【0016】
6の既スクリューコンベアスクリュー部取付プレートには、厚さ6mm〜10mm程度の鋼板が使用され、17mm〜23mm程度の7の既スクリューコンベアスクリュー部取付穴が穿孔され、棒綱を加工した8aの撹拌翼取付台座が溶着されており、2mm〜8mm程度の厚みを有するハガネを使用した9aの撹拌翼が、10mm程度のハイテンションボルト10aの撹拌翼取付ボルトで締着され、撹拌部が形成されている。
【0017】
そして、本体部である5aの既スクリューコンベア取付部保護カバーの内部では、既スクリューコンベアに撹拌部が直径16mm〜22mm程度である11の既スクリューコンベアスクリュー部取付袋ナットで締着されている。
【0018】
また、厚さ3mm〜6mm程度の鋼板がドーム状に板金加工された、12のドーム型吸引詰まり防止装置本体の背面には、厚さ3mm〜6mm程度の鋼板をドーナツ状に加工し、直径17mm程度である14の既スクリューコンベア本体取付ボルト穴が穿設された、13の既スクリューコンベア本体取付フランジが溶着されており、12のドーム型吸引詰まり防止装置本体の前面には、周囲を覆うように厚さ3mm〜6mm程度の鋼板を板金加工した、15のドーム型吸引詰まり防止装置本体補助部、4bの網目棒、5aの既スクリューコンベア取付部保護カバーがそれぞれ溶着され、ドーム型本体部が形成されている。
【0019】
8bの撹拌翼取付台座には、2mm〜8mm程度の厚みであるハガネを使用した9bの撹拌翼が、直径10mm程度のハイテンションボルト10bの撹拌翼取付ボルトで締着され、ドーム型撹拌部が形成されている。
【0020】
そして、ドーム型撹拌部がドーム型本体部に内装されている。
【0021】
また、撹拌機は回転面をナイフの刃のようにして、硬い土砂を切断できるようにしてもよく、撹拌する物によって加工すればよい。
【符号の説明】
【0022】
1.吸引詰まり防止装置本体
2.既スクリューコンベア本体取付ボルト穴
3.既スクリューコンベア本体吸入孔
4a.網目棒
4b.網目棒
5a.既スクリューコンベア取付部保護カバー
5b.既スクリューコンベア取付部保護カバー
6.既スクリューコンベアスクリュー部取付プレート
7.既スクリューコンベアスクリュー部取付穴
8a.撹拌翼取付台座
8b.撹拌翼取付台座
9a.撹拌翼
9b.撹拌翼
10a.撹拌翼取付ボルト
10b.撹拌翼取付ボルト
11.既スクリューコンベアスクリュー部取付袋ナット
12.ドーム型吸引詰まり防止装置本体
13.既スクリューコンベア本体取付フランジ
14.既スクリューコンベア本体取付ボルト穴
15.ドーム型吸引詰まり防止装置本体補助部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸引詰まり防止装置本体の裏面に既スクリューコンベア本体取付ボルト穴・既スクリューコンベア本体吸入孔を穿設し、既スクリューコンベア本体の側面に網目棒を溶着し、既スクリューコンベア取付部保護カバーを溶着し、本体部を形成する。既スクリューコンベアスクリュー部取付プレートに既スクリューコンベアスクリュー部取付穴を穿孔し、撹拌翼取付台座を溶着し、撹拌翼取付台座に撹拌翼を撹拌翼取付ボルトで締着し、撹拌部を形成する。本体部の既スクリューコンベア取付部保護カバーの内部で、既スクリューコンベアに撹拌部を既スクリューコンベアスクリュー部取付袋ナットで締着した吸引詰まり防止装置。
【請求項2】
ドーム型吸引詰まり防止装置本体背面に既スクリューコンベア本体取付フランジを溶着し、既スクリューコンベア本体取付フランジに既スクリューコンベア本体取付ボルト穴を穿設し、ドーム型吸引詰まり防止装置本体の前面にドーム型吸引詰まり防止装置本体補助部を溶着し、さらに網目棒を溶着し、既スクリューコンベア取付部保護カバーを溶着し、ドーム型本体部を形成する。撹拌翼取付台座に撹拌翼を撹拌翼取付ボルトで締着し、ドーム型撹拌部を形成する。そして、ドーム型撹拌部をドーム型本体部に内装したドーム型吸引詰まり防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−23387(P2013−23387A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170527(P2011−170527)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(597000076)
【Fターム(参考)】