説明

吸水性ポリマー粒子中の不溶性金属硫酸塩

本発明は、膨潤状態で高い液体移送性を有する、不溶性の金属硫酸塩を共力充填剤として含有する吸水性ポリマー粒子、並びにその製造方法及びその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の詳細な説明
本発明は、不溶性金属硫酸塩を含有する吸水性ポリマー粒子、並びにその製造方法及びその使用に関する。
【0002】
吸水性ポリマーは、特に(共)重合された親水性モノマーからのポリマー、好適なグラフト主鎖上の1種以上の親水性モノマーのグラフト(共)重合体、架橋されたセルロースエーテル又はデンプンエーテル、架橋されたカルボキシメチルセルロース、部分的に架橋されたポリアルキレンオキシド又は水性液体中で膨潤可能な天然製品、例えばグアール誘導体である。このようなヒドロゲルは、おむつ、タンポン、生理帯及びその他の衛生用品を製造するための、水溶液を吸収する製品として使用されているが、しかし、農業園芸における保水剤としても使用されている。
【0003】
適用特性、例えばおむつ中での液体移送性(SFC)及び加圧下吸収量(AUL)を改善するために、吸水性ポリマーを一般に表面後架橋又はゲル後架橋する。この後架橋は有利には水性のゲル相中で、又は粉砕及び篩別したポリマー粒子の後架橋として行われる。
【0004】
後架橋とは、吸水性ヒドロゲルのゲル架橋か若しくは後架橋であると解される。
【0005】
このために好適な架橋剤は、親水性ポリマーのカルボキシラト基と共有結合を形成することができる少なくとも2個の基を有する化合物である。好適な化合物は、例えばジグリシジル化合物又はポリグリシジル化合物、例えばホスホン酸ジグリシジルエステル、アルコキシシリル化合物、ポリアジリジン、ポリアミン又はポリアミドアミンであり、その際、前記の化合物は相互の混合物として使用することもできる(例えばEP−A083022、EP−A543303及びEP−A530438を参照)。架橋剤として好適なポリアミドアミンは特にEP−A−0349935に記載されている。
【0006】
更に、架橋剤としてDE−A−19807502には2−オキサゾリドン及びその誘導体が、WO−A−03/031482にはモルホリン−2,3−ジオン及びその誘導体が、DE−A−19854573には2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン及びその誘導体が、DE−A−19854574にはN−アシル−2−オキサゾリドンが、及びDE−A−19807992にはビス−及びポリ−2−オキサゾリジノンが適切な架橋剤として記載されている。
【0007】
先願のドイツ連邦共和国特許出願番号10334584.1は、二環式アミドアセタールを後架橋に用いる使用を記載している。
【0008】
この特許出願WO02/060983は、水不溶性の金属リン酸塩で後処理された超吸収性粒子を記載している。この場合、金属リン酸塩粒子はこの超吸収性粒子の表面と会合する。これにより、大きい吸収容量、改善された液体輸送性及び高い膨潤速度を有する超吸収体が得られる。この金属リン酸塩粒子は、好ましくは2〜7μmの平均粒度を有する、すなわち、この金属リン酸塩粒子の摩耗により少なからぬダスト含分が生ずる。
【0009】
先願のドイツ連邦共和国特許出願番号102004015686.7は、微細かつ高浸透性のヒドロゲルの製造を開示している。この場合、付加的にリン酸カルシウム粒子をヒドロゲル上に施与し、そしてデンドリティックポリマーの添加下で固定する。
【0010】
従って本発明の課題は、飛散せず、製造の際にリン酸層の使用のための特殊な装置が必要でなく、並びに高価な助剤を必要としない、膨潤状態において大きい液体移送性(浸透性)を有する吸水性ポリマー粒子を提供することであった。
【0011】
前記課題は、水不溶性の金属硫酸塩、特に硫酸カルシウムを、モノマー溶液中に重合前に添加するか又は反応の間に反応材料中に混合導入することにより解決された。この添加は、好適な混合エレメント(Mischorgan)中での粉末計量供給としても、好ましくは硫酸塩の水性分散液としても実施することができる。純粋な硫酸塩の代わりに、その水和物か又はこれらの成分からの任意の混合物を使用することもできる。本発明によれば、液体移送性の顕著な増大が達せられるが、超吸収体の吸収容量は実質的に減少しないだけの硫酸塩のみを使用する。過剰の硫酸塩を添加すると、吸水性ポリマーは不必要に希釈され、ひいては吸収容量が低下し、このことは通常望まれない。
【0012】
水不溶性は、25℃での100mlの水中の2g未満、好ましくは0.1g未満、特に好ましくは0.01g未満の溶解度を意味する。
【0013】
このように製造された吸水性ポリマーは、硫酸塩を有さない他の点では同じ比較ポリマーと比べてより大きい遠心分離機保持容量(CRC)、より大きい加圧下吸収量(AUL0.7psi)及び特により大きい液体移送性(SFC)を有する。更に、この硫酸塩含有ポリマーの後架橋での必要な滞留時間が、他の点では同じ比較ポリマーと比べて顕著に短縮されることを見出した。
【0014】
このことは、本発明にかかる方法を用いれば、より大きい流量が可能であり、かつこれにもかかわらず改善された質を有する吸水性ポリマー製造できることを意味する。
【0015】
本発明にかかる吸水性ポリマーは、
a)少なくとも部分的に、例えば5〜100モル%中和されていてよい酸基を有するエチレン性不飽和モノマー少なくとも1種、
b)架橋剤少なくとも1種、
c)場合により、a)と共重合可能なエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー1種以上、及び
d)場合により、モノマーa)、b)及び場合によりc)が少なくとも部分的にグラフトされていてよい水溶性ポリマー1種以上
からの混合物を重合し、
その際得られたベースポリマーAを、場合により、この酸基の合計25〜100モル%、好ましくは65〜90モル%が中和されるように後中和し、乾燥させ、分級し、そして、
e)少なくとも1種の後架橋剤
を用いて後処理することにより製造することができる。
【0016】
水不溶性の金属硫酸塩は、粉末として塊状で又は水性分散液として、モノマー溶液の重合前に、すなわち、目的の開始ラジカルが生ずる前にモノマー溶液中に添加するか、又は重合の間に、すなわち、多くとも90%、好ましくは多くとも70%、特に好ましくは多くとも50%のモノマー変換率の際に添加する。
【0017】
水性分散液を使用するのであれば、この分散液中の金属硫酸塩の濃度は、一般に1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは10〜50質量%、殊に好ましくは20〜40質量%である。
【0018】
好ましくは、不溶性金属硫酸塩を、ピーク最大温度付近で添加する。このことは、不連続方法において、この添加が一般的に多くとも15分、好ましくは多くとも10分、特に好ましくは多くとも5分にわたって、重合温度がその最大温度に達する時点の前か又は後に行われることを意味する。同じことは連続法にも当てはまる、すなわち、この添加は、一般に多くとも15分の滞留時間、好ましくは多くとも10分の滞留時間、特に好ましくは多くとも5分の滞留時間にわたって、重合温度がその最大温度に達する段階の前か又は後に行われる。
【0019】
この不溶性金属硫酸塩、好ましくは硫酸カルシウムは、一般に、その量が吸水性ポリマーに対して5質量%未満、好ましくは3質量%未満、特に好ましくは1.5質量%未満、殊に好ましくは0.001〜0.75質量になるように計量供給する。
【0020】
本発明にかかる方法においては、硫酸カルシウムの公知の水和物並びに更なる水不溶性硫酸塩、例えば硫酸バリウムも使用可能である。
【0021】
この水不溶性の硫酸塩と同様に、1種以上の水不溶性リン酸塩、例えばリン酸カルシウムをも使用することができる。水不溶性リン酸塩は、同様に液体移送性(SFC)を高める。更に、1種以上の硫酸塩を1種以上のリン酸塩と一緒に使用することが可能である。
【0022】
本発明による方法において製造することができる親水性の高膨潤性ヒドロゲル(ベースポリマーA)は、特に架橋した(共)重合親水性モノマーからなるポリマー、ポリアスパラギン酸、好適なグラフト主鎖上の1種以上の親水性モノマーのグラフト(コ)ポリマー、架橋したセルロースエーテル若しくはデンプンエーテル又は水性液体中で膨潤性の天然製品、例えばグアール誘導体である。好ましくは、架橋されるべきポリマーは、アクリル酸又はそのエステルから誘導されるか、又はアクリル酸若しくはアクリル酸エステルを水溶性ポリマーマトリックス上にグラフト共重合させることによって得られた構造単位を含有するポリマーである。前記のヒドロゲルは、当業者に公知であり、例えばUS4286082、DE−C2706135、US4340706、DE−C3713601、DE−C2840010、DE−A4344548、DE−A4020780、DE−A4015085、DE−A3917846、DE−A3807289、DE−A3533337、DE−A3503458、DE−A4244548、DE−A4219607、DE−A4021847、DE−A3831261、DE−A3511086、DE−A3118172、DE−A3028043、DE−A4418881、EP−A0801483、EP−A455985、EP−A467073,EP−A312952、EP−A205874、EP−A499774、DE−A2612846、DE−A4020780、EP−A205674、US5145906、EP−A530438、EP−A670073、US4057521、US4062817、US4525527、US4295987、US5011892、US4076663又はUS4931497に記載されている。
【0023】
前記の膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマーの製造に適した親水性モノマーは、例えば重合能を有する酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸、無水マレイン酸を含めてマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンホスホン酸並びにそのアミド、ヒドロキシアルキルエステル及びアミノ基含有エステル又はアンモニウム基含有エステル及びアミド並びに酸基を含有するモノマーのアルカリ金属塩及び/又はアンモニウム塩である。更に、水溶性N−ビニルアミド、例えばN−ビニルホルムアミドが好適であるか又はジアリルジメチルアンモニウムクロリドも好適である。好ましい親水性モノマーは、一般式I
【化1】

[式中、R1は、水素、C1〜C4−アルキル、例えばメチル又はエチル、又はカルボキシルであり、
2は、−COOR4、ヒドロキシスルホニル又はホスホニル、C1〜C4−アルカノールでエステル化されたホスホニル基又は式II
【化2】

の基であり、
3は、水素、C1〜C4−アルキル、例えばメチル又はエチルであり、
4は、水素、C1〜C4−アミノアルキル、C1〜C4−ヒドロキシアルキル、アルカリ金属イオン又はアンモニウムイオンであり、かつ
5は、スルホニル基、ホスホニル基又はカルボキシル基、又はそれぞれこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩である]の化合物である。
【0024】
1〜C4−アルカノールの例は、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール又はn−ブタノールである。
【0025】
特に好ましい親水性モノマーは、アクリル酸及びメタクリル酸、並びにこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、例えばナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート又はアンモニウムアクリレートである。
【0026】
グラフト重合によってオレフィン系不飽和酸、又はそのアルカリ金属塩若しくはアンモニウム塩を得ることができる親水性ヒドロゲルに適したグラフト主鎖は、天然に由来していてもよいし、合成に由来していてもよい。例は、デンプン、セルロース又はセルロース誘導体並びに別の多糖類及びオリゴ糖類、ポリアルキレンオキシド、特にポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド並びに親水性ポリエステルである。
【0027】
好適なポリアルキレンオキシドは、例えば式III
【化3】

[式中、R6、R7は、互いに無関係に、水素、C1〜C12−アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピル、C2〜C12−アルケニル、例えばエチニル、n−プロペニル又はイソプロペニル、C7〜C20−アラルキル、例えばフェニルメチル、1−フェニルエチル又は2−フェニルエチル、又はアリール、例えば2−メチルフェニル、4−メチルフェニル又は4−エチルフェニルであり、
8は、水素又はメチルであり、かつ
nは、3〜10000の整数である]を有する。
6及びR7は、好ましくは水素、C1〜C4−アルキル、C2〜C6−アルケニル又はフェニルである。
【0028】
好ましいヒドロゲルは、殊にポリアクリレート、ポリメタクリレート並びUS4931497、US5011892及びUS5041496中に記載されたグラフトポリマーである。
【0029】
膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマーは、好ましくは架橋されている、すなわち、この膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマーは、ポリマー網目中に重合導入されている、少なくとも2つの二重結合を有する化合物を含有する。好適な架橋剤は、殊にN,N−メチルビスアクリルアミド及びN,N′−メチレンビスメタクリレート、不飽和モノカルボン酸又はポリカルボン酸とポリオールとのエステル、例えばジアクリレート又はトリアクリレート、例えばブタンジオールジアクリレート又はエチレングリコールジアクリレート、又はブタンジオールジメタクリレート又はエチレングリコールジメタクリレート並びにトリメチロールプロパントリアクリレート及びアリル化合物、例えばアリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、トリアリルアミン、テトラアルキルエチレンジアミン、リン酸のアリルエステル並びに例えば、EP−A343427中に記載されているようなビニルホスホン酸誘導体である。特に好適な架橋剤は、複数箇所エトキシル化されたグリセリン、トリメチロールプロパン又はトリメチロールエタン並びにそれに相応のマイケル付加物のジ−及びトリアクリレートである。例えば、合成の間に、ジ−及びトリアクリレートからペンタアクリレートが生ずることがあり、これは単独で又はもとのジ−又はトリアクリレートとの任意の混合物として架橋剤として使用することができる。好ましくは、3〜20箇所エトキシル化されたグリセリン又はトリメチロールプロパンのトリアクリレートである。
【0030】
更に、ポリアリルエーテルを架橋剤として使用しながら、かつアクリル酸を酸単独重合させることにより製造されたヒドロゲルも本発明による方法において使用可能である。好適な架橋剤は、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル及びペンタエリトリトールテトラアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、モノエチレングリコールジアリルエーテル、グリセロールジアリルエーテル及びグリセロールトリアリルエーテル、ソルビトール系のポリアリルエーテル並びにそのエトキシル化されたバリエーションである。
【0031】
本発明による方法において使用可能なベースポリマーにとって好ましい製造方法は、"Modern Superabsorbent Polymer Technology", F.L. Buchholz及びA.T. Graham, Wiley-VCH, 1998、第77〜84頁中に記載されている。特に好ましくは、例えばWO01/38402及びWO02/32964中に記載されているような混練機中で製造されるか又は例えばEP−A955086、EP−A1097946及びEP−A228638中に記載されているようなベルト反応器上で製造されるベースポリマーである。
【0032】
吸水性ポリマーは、好ましくはポリマーのアクリル酸又はポリアクリレートである。この吸水性ポリマーの製造は、文献から公知の方法により行うことができる。好ましくは、架橋コモノマーを0.001〜10モル%、好ましくは0.01〜1モル%の量で含有するポリマーであるが、しかし、殊に好ましくは、ラジカル重合によって得られ、かつ付加的に更に少なくとも1個の遊離ヒドロキシル基を有していてよい多官能性のエチレン系不飽和ラジカル架橋剤が使用されたポリマーである(例えば、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアクリレート)。
【0033】
膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマーは、自体公知の重合法によって製造することができる。好ましいのは、いわゆるゲル重合法による水溶液中での重合である。この場合、例えば1種以上の親水性モノマー及び場合により好適なグラフト主鎖の15〜50質量%の水溶液は、ラジカル開始剤の存在下で、有利に機械的混合なしにトロムスドルフ−ノリッシュ効果(Trommsdorff-Norrish-Effekt)(Makromol. Chem. 1, 169 (1947))を利用しながら重合される。重合反応は、0〜150℃、特に10〜100℃の温度範囲内で常圧下でも高圧下又は減圧下でも実施することができる。通常のように重合は、保護ガス雰囲気中で、好ましくは窒素及び/又は水蒸気下で実施することができる。重合を開始するために、エネルギーに富んだ電磁線又は通常の化学的な重合開始剤、例えば有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、アゾ化合物、例えばアゾジイソブチロニトリル並びに無機ペルオキソ化合物、例えば(NH4228又はK228又はH22を採用することができる。前記の化学的重合開始剤は、場合により還元剤、例えば亜硫酸水素ナトリウム及び硫酸鉄(II)、又は還元性成分として脂肪族スルフィン酸及び芳香族スルフィン酸、例えばベンゼンスルフィン酸及びトルエンスルフィン酸又はこれらの酸の誘導体を含有する酸化還元系、例えばDE−A−1301566中に記載されているようなスルフィン酸とアルデヒドとアミノ化合物とからなるマンニッヒ付加物と組み合わせて使用してよい。このポリマーゲルを50〜130℃、好ましくは70〜100℃の温度範囲内で数時間さらに加熱することによって、ポリマーの品質特性は、なお改善させることができる。
【0034】
得られたゲルは、例えば使用されたモノマーに対して25〜100モル%、有利に50〜90モル%、特に60〜90モル%、特に有利に65〜80モル%及び65〜72モル%まで中和し、この場合、通常の中和剤、好ましくはアルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属酸化物、しかし特に好ましくは水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウムを使用することができる。中和されたベースポリマーのpH値は通常、4.5〜7.5、好ましくは5.6〜6.2である。
【0035】
通常、中和は、水溶液又は好ましくは固体としての中和剤を混合導入することによって達成される。この中和は、好ましくは重合前にモノマー溶液中で実施する。しかし、ポリマーゲルを中和するか又は後中和してもよい。このために、ゲルを、一般には機械的に、例えば肉挽機を用いて微粉砕し、かつ中和剤を噴霧するか、散布するか、又は注入し、かつ次いで慎重に混合する。そのために、得られたゲル材料をなお数回均質化のために粉砕することができる。
【0036】
更に、中和されたゲル材料は、ベルト型乾燥機又はロール型乾燥機を用いて残留含水率が好ましくは15質量%未満、より好ましくは8質量%未満、特に好ましくは5質量%未満になるまで乾燥させる。次いで、乾燥されたベースポリマーAを微粉砕し、篩別し、その際、微粉砕のために通常、ロールミル、ピンミル又はスイングミルを使用することができる。篩別されたベースポリマーAの粒度は、特に45〜1000μmの範囲内、特に好ましくは45〜850μm、殊に好ましくは100〜800μm、更に好ましくは100〜700μmである。更に好ましい粒度は、100〜500μm、150〜600μm、300〜600μm、600μm未満、400μm未満、特に好ましくは300μm未満であり、かつ大抵は好ましくは150μm未満である。全粒子の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%は、前記範囲内にある。
【0037】
好適なベースポリマーは、EP−A316792、EP−A400283、EP−A343427、EP−A205674及びDE−A4418818中に更に開示された製造方法を用いて得ることができる。更に、噴霧重合法を使用することもできる。
【0038】
最も好ましくは、連続混練機−及びベルト型重合装置から得られたベースポリマーAである。
【0039】
ベースポリマーAのCRC値[g/g]は詳細な説明中に記載されている方法により測定することができ、かつ好ましくは少なくとも27、特に少なくとも29、特に好ましくは少なくとも31であり、かつ多くとも45、好ましくは多くとも39である。
【0040】
ベースポリマーAのAUL−0.3psi−値[g/g]は詳細な説明中に記載されている方法により測定することができ、少なくとも9、好ましくは少なくとも14、特に少なくとも17、特に好ましくは少なくとも21であり、かつ多くとも27、好ましくは多くとも23である。
【0041】
膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマーの後架橋は、一般に表面後架橋剤の溶液を乾燥した基本ポリマー粉末上に噴霧するようにして実施する。この噴霧に引続き、ポリマー粉末を熱乾燥させ、この場合架橋反応は乾燥前でも乾燥中でも生じうる。
【0042】
好ましくは、反応混合機又は混合機及び乾燥機中、例えばLoedige(R)混合機、BEPEX(R)混合機、NAUTA(R)混合機、SCHUGI(R)混合機、NARA(R)乾燥機及びPROCESSALL(R))中での架橋剤の溶液の噴霧である。
【0043】
更に、流動床乾燥機も使用することができる。
【0044】
乾燥は、混合機それ自体中で、ジャケットの加熱又は熱風の吹き込みによって行なうことができる。後接続された乾燥機、例えば箱形乾燥機、回転管炉か又は加熱可能なスクリューは、同様に好適である。しかし、例えば共沸蒸留を乾燥方法として利用することもできる。
【0045】
好ましい乾燥温度は、50〜250℃の範囲内、好ましくは60〜200℃、特に好ましくは130〜195℃である。この温度での反応混合機又は乾燥器中での好ましい滞留時間は、60分未満、好ましくは30分未満、特に好ましくは10分未満である。
【0046】
表面後架橋剤は、単独で又は別の表面後架橋剤、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリグリセリンジグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、エチレンジアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA、グリセリン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリトリトール、ソルビトール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、2−オキサゾリドン、例えば2−オキサゾリジノン又はN−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリジノン、モルホリン−2,3−ジオン、例えばN−2−ヒドロキシエチルモルホリン−2,3−ジオン、N−メチルモルホリン−2,3−ジオン、N−エチルモルホリン−2,3−ジオン及び/又はN−t−ブチルモルホリン−2,3−ジオン、2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン、N−アシル−2−オキサゾリドン、例えばN−アセチル−2−オキサゾリドン、二環式アミドアセタール、例えば5−メチル−1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタン及び/又は5−イソプロピル−1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタン及び/又はビス−2−オキサゾリジノン及びポリ−2−オキサゾリジノンとの組合せで使用されてよい。
【0047】
表面後架橋剤は、好ましくは、挙げられた工程温度で、非自己反応性溶剤中、好ましくは低級アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、エチレングリコール、特にイソプロパノール、殊に好ましくはこのように好適なアルコールの水溶液中に溶解させ、この場合この溶液のアルコール含量は、10〜90質量%、特に好ましくは25〜70質量%、特に30〜50質量%である。アルコールの任意の混合物を使用することもできる。
【0048】
この場合、表面後架橋剤は、使用されたポリマーに対して0.01〜1質量%の量で使用し、架橋剤溶液それ自体は、使用されたポリマーに対して1〜20質量%、好ましくは3〜15質量%の量で使用する。
【0049】
好ましい後架橋剤は、2−オキサゾリドン、例えば2−オキサゾリジノン又はN−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリジノン、N−アシル−2−オキサゾリドン、例えばN−アセチル−2−オキサゾリドン、2−オキソテトラヒドロ−1,3−オキサジン、二環式アミドアセテート、例えば5−メチル−1−アザ−4,6−ジオキサビシクロ[3.3.0]オクタン、1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタン及び/又は5−イソプロピル−1−アザ−4,6−ジオキサ−ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビス−2−オキサゾリドン及び/又はポリ−2−オキサゾリドンである。
【0050】
特に好ましい後架橋剤は、2−オキサゾリジノン、N−ヒドロキシエチル−2−オキサゾリジノン又はN−ヒドロキシプロピル−2−オキサゾリジノンである。
【0051】
本発明の更なる対象は、
a)重合導入された、少なくとも部分的に、例えば50〜85モル%中和されていてよい酸基を有するエチレン性不飽和モノマー少なくとも1種、
b)重合導入された架橋剤少なくとも1種、
c)場合により、重合導入された、a)と共重合可能なエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー1種以上、
d)場合により、モノマーa)、b)及び場合によりc)が少なくとも部分的にグラフトされた水溶性ポリマー1種以上、
e)反応した後架橋剤少なくとも1種、及び
f)重合導入された、水不溶性の金属硫酸塩少なくとも1種
を含有する吸水性ポリマー粒子である。
【0052】
金属硫酸塩について、重合導入されたとは、金属硫酸塩がポリマー粒子中に分布していることを意味する。この場合、金属硫酸塩の分布は、好ましくは均一であるか又は十分に均一である。これは、例えばWO−A−02/60983に記載されているような、金属リン酸塩をポリマー粒子上に噴霧し、それをこのポリマー粒子の表面上に付着力のみに基づいて保持する方法とは対照的である。
【0053】
吸水性ポリマー中の金属硫酸塩の量は、5質量%未満、好ましくは3質量%未満、特に好ましくは1.5質量%未満、殊に好ましくは0.001〜0.75質量%である。好ましい金属硫酸塩は、硫酸カルシウムである。
【0054】
好ましいモノマーa)は、使用されるモノマーに対して好ましくは0〜100モル%、好ましくは5〜90モル%、特に25〜80モル%、殊に好ましくは30〜55モル%、65〜75モル%中和されたアクリル酸である。
【0055】
本発明により後架橋した吸水性ポリマーのCRC値[g/g]は詳細な説明中に記載されている方法により測定することができ、かつ好ましくは少なくとも20、特に少なくとも24、特に好ましくは少なくとも25であり、とりわけ少なくとも26、とりわけ好ましくは少なくとも30である。
【0056】
本発明により後架橋した吸水性ポリマーのAUL−0.7psi−値[g/g]は詳細な説明中に記載されている方法により測定することができ、かつ好ましくは少なくとも15、特に少なくとも21、特に好ましくは少なくとも22であり、とりわけ少なくとも23、とりわけ好ましくは少なくとも25である。
【0057】
本発明により後架橋した吸水性ポリマーのSFC値[10-7cm3s/g]は詳細な説明中に記載されている方法により測定することができ、かつ好ましくは少なくとも30、特に少なくとも45、特に好ましくは少なくとも60であり、とりわけ少なくとも70、とりわけ好ましくは少なくとも80であり、多くとも1000である。
【0058】
本発明による好ましい粒度範囲は、50〜700μm、好ましくは50〜500μm又は150〜700μmであり、特に好ましくは50〜400μm又は150〜600μm、殊に好ましくは50〜300μm又は及び150〜500μmである。全粒子の少なくとも80質量%、好ましくは少なくとも90質量%、大抵は好ましくは100質量%までがこの範囲内である。
【0059】
本発明の更なる対象は、金属硫酸塩、特に硫酸カルシウムを吸水性ポリマーの製造の際に、重合前に又は重合後に用いる使用である。
【0060】
本発明の更なる対象は、本発明にかかる吸水性ポリマーを含有する衛生用品、例えばおむつ、タンポン又は生理帯、特におむつである。
【0061】
後架橋の性能を測定するために、乾燥されたヒドロゲルを、以下に記載されている試験方法で試験する。
【0062】
方法:
この測定は、別に記載がない限り、23±2℃の環境温度及び50±10%の相対空気湿度で実施する。膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマーは、測定前に良好に混合する。
【0063】
遠心分離機保持容量(CRC Centrifuge Retention Capacity)
この方法では、ティーバッグ中でのヒドロゲルの自由な膨潤可能性が測定される。CRCの測定のために、乾燥したヒドロゲル0.2000±0.0050g(粒子画分106〜850μm)を、60×85mmの大きさのティーバッグ中に秤量し、引続きこのティーバッグを溶着する。このティーバッグを、30分間にわたって0.9質量%の過剰量の食塩溶液中に投入する(ポリマー粉末1g当たり少なくとも0.83 lの食塩溶液)。次いでこのティーバッグを3分にわたって250Gで遠心分離する。ヒドロゲルによって堅固に保持された液体量の測定は、遠心分離されたティーバッグの質量を正確に量ることによって行う。
【0064】
また、遠心分離機保持容量は、EDANA(欧州不織布協会(European Disposables and Nonwovens Association))によって推奨された試験方法No.441.2−02「遠心分離機保持容量(Centrifuge retention capacity)」によっても測定することができる。
【0065】
加圧下吸収量(AUL 荷重下吸収量(Absorbency Under Load))0.7psi(4830Pa)
AUL0.7psiを測定するための測定セルは、60mmの内径及び50mmの高さを有するプレキシガラス円筒体であり、この円筒体は、下面に36μmのメッシュ幅を有する接着された特殊鋼製篩板を有する。この測定セルにはさらに、59mmの直径を有するプラスチック板及びプラスチック板と一緒に測定セル中に設置させることができるおもりが属している。プラスチック板及びおもりの質量は合わせて1344gである。AUL0.7psiの測定の実施のために、このプレキシガラス中空円筒体及びプラスチック板の質量を測定し、W0と注記する。次いで、膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマー0.900±0.005g(粒度分布150〜800μm)をプレキシガラス円筒体中に秤量し、できるだけ均一に特殊鋼製篩板上に分布させる。次いでプラスチック板を注意深くプレキシガラス円筒体中に設置し、全ての単位を計量し;この質量をWaと注記する。次いで、おもりをプレキシガラス円筒体中のプラスチック板上に設置する。200mmの直径及び30mmの高さを有するペトリ皿の中央部に、120mmの直径及び10mmの高さ及び多孔度0を有するセラミック濾板を置き、液体表面が濾板表面で終わるような程度に0.9質量%の塩化ナトリウム溶液を注入し、この場合濾板の表面は、湿潤されることはない。次いで、90mmの直径及び20μm未満の孔径を有する円形の濾紙(S&S 589 Schleicher & Schuell社製の黒色テープ)をセラミック板上に設置する。更に、膨潤可能なヒドロゲル形成性ポリマーを含有するプレキシガラス円筒体を、プラスチック板及びおもりと一緒に濾紙上に設置し、そこで60分間放置する。この時間の後、ペトリ皿から完全な単位を濾紙から取り除き、次いでおもりをプレキシガラス円筒体から取り出す。膨潤したヒドロゲルを含有するプレキシガラス円筒体を、プラスチック板と一緒に質量を正確に秤量し、この質量をWbとして注記する。
【0066】
加圧下吸収量(AUL)は、次のように計算する:
AUL0.7psi[g/g]=[Wb−Wa]/[Wa−W0]
また、この加圧下吸収量は、EDANA(欧州不織布協会)によって推奨された試験方法番号442.2−02「加圧下吸収量(Abdorption under pressure)」によっても測定することができる。
【0067】
加圧下吸収量(AUL 荷重下吸収量(Absorbency Under Load))0.3psi(2070Pa)
この測定は、AUL0.7psiと同様に実施する。プラスチック板及びおもりの質量は合わせて576gである。
【0068】
液体移送性(SFC 食塩水流れ誘導性(Saline Flow Conductivity))
0.3psi(2070Pa)の圧力負荷下での膨潤されたゲル層の液体移送性を、EP−A−0640330中の記載と同様に、高吸収性ポリマーからなる膨潤したゲル層のゲル層透過性として測定し、この場合上記の特許出願明細書第19頁及び図8に記載の装置を、ガラスフリット(40)をもはや使用せず、プランジャー(39)が円筒体(37)と同じプラスチック材料からなり、今や全載置面にわたって均一に分布するように21個の同じ大きさの孔を含むように十分に変更した。測定の方法及び評価は、EP−A−640330に対して不変のままである。流量は、自動的に捕捉する。
【0069】
液体移送性(SFC)は、次のように計算する:
SFC[cm3s/g]=(Fg(t=0)×L0)/(d×A×WP)
この場合、Fg(t=0)は、g/秒でのNaCl溶液の通過流量であり、これは、通過流量測定のデータFg(t)の線形の回帰分析に基づきt=0に対する外挿法によって得られ、L0は、cmでのゲル層の厚さであり、dは、g/cm3でのNaCl溶液の密度であり、Aは、cm2でのゲル層の面積であり、WPは、dyn/cm2でのゲル層上の静水圧力である。
【0070】
実施例
例1
Loedigeプローシェア型混練機 タイプVT 5R−MK(5リットル容量)中に、脱イオン水416g、アクリル酸189.5g、37.3質量%のアクリル酸ナトリウム溶液(100モル%中和された)1990.2g並びに架橋剤のトリメチロールプロパン−15EO−トリアクリレート4.45g(=アクリル酸モノマーに対して0.60質量%)を装入し、窒素をバブリングさせながら20分にわたって不活性化した。次いで、過硫酸ナトリウム2.123g、アスコルビン酸0.045g、並びに過酸化水素0.126gの(希釈された水溶液の)添加により約23℃で開始させた。この開始後に、加熱ジャケットの温度を、調節器を用いて反応器中で反応温度にもたらした。混練機中で撹拌及び良好に混合しつつ重合させた。最終的に得られた砕けやすいゲルを180℃で約3時間空気循環乾燥室中で乾燥させた。次いでこれを微粉砕し、そして200〜850μmに篩別した。
【0071】
このバッチを、数回繰り返し、そして得られた個々のバッチの粉末を混合し、そして均質化した。
【0072】
得られたベースポリマーAを、最後に特性決定した。このベースポリマーA(200〜850μm)の特性は、以下のとおりであった;
CRC=35.6g/g
AUL0.3psi=14.3g/g
【0073】
このベースポリマーAの粒度分布
>850μm=12.75質量%
600〜850μm=51.85質量%
300〜600μm=30.46質量%
<300μm=4.95質量%
【0074】
Loedige実験室混合機中に、ベースポリマーA1000g、それぞれベースポリマーAに対して2.898質量%のイソプロパノール/水(質量比30.8:69.2)及び0.085質量%の2−オキサリジノン(水/プロピレングリコール2:1混合物中の25質量%溶液)を溶解状態で噴霧し、そしてこのポリマーを既に予熱された第2のLoedige実験室混合機中に供給し、そして120分にわたって175℃の生成物温度で後架橋した。次いで、得られたポリマーを850μmで篩別して、場合により存在する塊を分離する。
【0075】
この後架橋溶液は、以下の組成を有していた:2−オキサゾリドン0.85g、プロピレングリコール0.85g、イソプロパノール8.88g及び水21.8g。
【0076】
後架橋された吸水性ポリマーは、以下の特性を有していた:
【表1】

【0077】
120分後の粒度分布
>850μm=0.96質量%
600〜850μm=36.16質量%
300〜600μm=51.39質量%
<300μm=11.49質量%。
【0078】
例2〜4
例1と同様にベースポリマーを製造し、その際、以下の表に挙げた、アクリル酸として算出されたモノマーに対するリン酸カルシウム(Fa.Rhodia製、タイプTCP130)の量を、30質量%の水性懸濁液として、重合のピーク温度に達する直前に添加した。
【0079】
このベースポリマーを、200〜850μmに篩別し、そして後架橋させた。
【0080】
この後架橋のために、このベースポリマー20gを、使用されたベースポリマーに対して、それぞれ、0.10質量%の2−オキサゾリドン、1.05質量%のイソプロパノール、2.45質量%の水及び20ppmのEmulsogen V4345を含有する後架橋溶液を有するWaring実験室混合機中に撹拌しつつ噴霧し、次いで60分にわたって175℃で循環空気室中で乾燥させた。次いで、850μmで篩別して、塊を除去した。ベースポリマー及び後架橋されたポリマーの特性は、以下のとおりであった:
【表2】

【0081】
例5〜7
例2〜4と同様に行い、但しリン酸カルシウムの代わりに硫酸カルシウム二水和物(Fa.Merck、少なくとも99%の純度)を使用した。
【0082】
ベースポリマー及び後架橋されたポリマーの特性は、以下のとおりであった:
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸水性ポリマーを、
a)少なくとも部分的に中和されていてよい酸基を有するエチレン性不飽和モノマー少なくとも1種、
b)架橋剤少なくとも1種、
c)場合により、a)と共重合可能なエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー1種以上、及び
d)場合により、モノマーa)、b)及び場合によりc)が少なくとも部分的にグラフトされていてよい水溶性ポリマー1種以上
からの混合物の重合により製造し、
その際得られたベースポリマーAを、
e)後架橋剤少なくとも1種
を用いて後処理する方法において、この重合前に又は重合の間に少なくとも1種の水不溶性の金属硫酸塩を添加することを特徴とする方法。
【請求項2】
金属硫酸塩を粉末として計量供給することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
金属硫酸塩を水性分散液として計量供給することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
分散液中の金属硫酸塩の濃度が1〜70質量%であることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
金属硫酸塩を、吸水性ポリマーに対して多くとも5質量%の量で使用することを特徴とする、請求項1から4までの何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
金属硫酸塩が硫酸カルシウムであることを特徴とする、請求項1から5までの何れか1項に記載の方法。
【請求項7】
モノマーa)が部分的に中和されたアクリル酸であることを特徴とする、請求項1から6までの何れか1項記載の方法。
【請求項8】
水不溶性の金属硫酸塩を、吸水性ポリマーの製造のために、重合前に又は重合の間に用いる使用。
【請求項9】
a)重合導入された、少なくとも部分的に中和されていてよい酸基を有するエチレン性不飽和モノマー少なくとも1種、
b)重合導入された架橋剤少なくとも1種、
c)場合により、重合導入された、a)と共重合可能なエチレン性及び/又はアリル性不飽和モノマー1種以上、
d)場合により、モノマーa)、b)及び場合によりc)が少なくとも部分的にグラフトされた水溶性ポリマー1種以上、
e)反応した後架橋剤少なくとも1種、及び
f)重合導入された水不溶性の金属硫酸塩少なくとも1種
を含有し、この金属硫酸塩少なくとも1種がポリマー粒子中に分布した吸水性ポリマー粒子。
【請求項10】
水不溶性の金属硫酸塩を、吸水性ポリマーに対して5質量%までの量で含有する、請求項9に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項11】
金属硫酸塩が硫酸カルシウムである、請求項9又は10に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項12】
重合導入されたモノマーa)が部分的に中和されたアクリル酸である、請求項9から11までの何れか1項に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項13】
ポリマー粒子が、少なくとも30×10-7cm3s/gの液体移送性を有する、請求項9から12までの何れか1項に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項14】
ポリマー粒子が、少なくとも60×10-7cm3s/gの液体移送性を有する、請求項9から12までの何れか1項に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項15】
ポリマー粒子が、少なくとも24g/gの遠心分離機保持容量を有する、請求項9から14までの何れか1項に記載の吸水性ポリマー粒子。
【請求項16】
請求項10から15までの何れか1項に記載の吸水性ポリマー粒子を含有する衛生製品。

【公表番号】特表2008−521952(P2008−521952A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541861(P2007−541861)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【国際出願番号】PCT/EP2005/012679
【国際公開番号】WO2006/058683
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】