説明

吸盤装置及び吸盤装置を利用した転倒防止装置

【課題】
大きな外力や回転モーメントが作用した場合であっても、壁面9等から外れにくい吸盤装置1を提供する。
【解決手段】
筐体12と、筐体12の下方に配置した吸盤10と、吸盤10に立設し筐体12を貫通する軸13を有する吸盤装置1において、吸盤装置1が、筐体12の下面に設置したゲル状体11と、ゲル状体11より低い位置に配置した吸盤10を有し、吸盤装置1を壁面9に吸着させる際に、ゲル状体11の下面の一部が吸盤10の上面と接触し、他の部分が壁面9と接触するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面等に吸着させてフック等の取り付けを行う吸盤装置、及び吸盤装置を利用した地震対策等に使用する転倒防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
浴室や居室内で、壁面、鏡、冷蔵庫のドア等に押し付け、吸着させて固定する吸盤がある。この吸盤は、軟質弾性材料(例えばポリ塩化ビニル(PVC)、スチレンブロック共重合体(SBC)等)で構成されている。外形は、円盤状で中心部に凹部を有している。この吸盤は、内部を真空(又は低圧)状態として、壁面や鏡等に吸着させることができる。この吸盤は、例えば、フックを浴室の鏡に設置するなどの際に使用されている。この吸盤は、真空状態を長時間維持することが困難であり、時間の経過と供に落下してしまうものが多くある。この吸盤の吸着性能を向上するために、ゲル状シートを利用した吸盤装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
図7に、ゲル状シートを利用した吸盤装置の断面図を示す。吸盤装置1Xは、吸盤10Xと、ゲル状シート11Xと、筐体12Xを有している。また、吸盤10Xに固定した軸13と、軸13の他端に回転自在に設置したカム14と、カム14に固定したカムレバー15を有している。更に、吸盤10Xと筐体12Xの間にバネ状物(弾性体)16を配置している。なお、9は、吸盤装置1Xを固定する壁面9を示している。
【0004】
この吸盤装置1Xは、吸盤10Xの周縁部の下面に、円環状の薄いゲル状シート11Xを固定している点に特徴がある。この薄いゲル状シート11Xは、粘着性があるため、壁面9と吸盤10Xの周縁部の密着性を向上することができる。そのため、壁面9と吸盤10Xで形成した空間Vの真空状態(又は低圧状態)を長時間維持することが可能となる。
【0005】
しかしながら、上記の吸盤装置1Xはいくつかの問題点を有している。第1に、吸盤装置1Xに、接着面と平行な方向で変位量が大きな外力Fが作用した場合、吸盤10Xが壁面9から外れてしまうという問題を有している。これは、吸盤10Xの変形により吸収できる変位量は、限られているためである。つまり、外力Fにより、限界まで変形した吸盤10Xは、壁面9に対して移動を開始してしまう。ゲル状シート11Xは、この吸盤10Xの移動に追従してしまうため、ゲル状シート11Xと壁面9の接合が解除されてしまう。その結果、吸盤装置1Xは、吸盤10Xの真空状態を維持できなくなり、壁面9からはがれてしまう。特に、吸盤10Xに繰り返し外力Fが作用した場合、吸盤装置1Xは、壁面9等から容易にはがれ落ちてしまう。
【0006】
第2に、吸盤装置1Xに、鉛直方向を軸とする回転モーメントMが作用した場合、吸盤10Xが壁面9から外れてしまうという問題を有している。これは、吸盤10Xの変形により吸収できる回転モーメントMが、小さいためである。つまり、回転モーメントMが、壁面9とゲル状シート11Xの間の接合面に直接的に作用することになる。特に、吸盤10Xにおいて、壁面9に対する密着性を高めるために、吸盤の周縁部の肉厚を薄く形成した場合、吸盤10Xは、回転方向にほとんど変形することができない。
【0007】
第3に、吸盤装置1Xを設置する壁面9等の材質が、限定されてしまうという問題を有している。これは、この吸盤装置1Xの吸盤10Xが、表面の極めて滑らかな鏡や冷蔵庫のドア等に対してのみ、高い吸着性能を発揮するからである。つまり、壁面9の表面に凹凸がある場合、この凹凸により吸盤10Xの内部の真空状態を維持することが困難となる。
【0008】
第4に、吸盤装置1Xを、ディスプレイと壁面等をベルトで連結し、ディスプレイの転倒防止装置に使用することができないという問題を有している。この吸盤装置1Xは、外力Fが繰り返し作用すると、容易に壁面等から外れてしまうためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第7,628,362B2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、大きな外力や回転モーメントが作用した場合であっても、壁面等から外れにくい吸盤装置を提供することにある。また、多種の状態を有する壁面等に対して、高い吸着性能を発揮することのできる吸盤装置を提供することにある。更に、吸盤装置を利用した信頼性の高い転倒防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するための本発明に係る吸盤装置は、筐体と、筐体の下方に配置した吸盤と、前記吸盤に立設し前記筐体を貫通する軸を有する吸盤装置において、前記吸盤装置が、前記筐体の下面に設置したゲル状体と、前記ゲル状体より低い位置に配置した前記吸盤を有し、前記吸盤装置を壁面に吸着させる際に、前記ゲル状体の下面の一部が前記吸盤の上面と接触し、他の部分が前記壁面と接触するように構成したことを特徴とする。
【0012】
この構成により、大きな外力や回転モーメントが作用した場合であっても、壁面等から外れにくい吸盤装置を提供することができる。これは、ゲル状体が、吸盤の周縁部から壁面を覆い、吸盤の真空状態を良好に維持することができるためである。また、ゲル状体を吸盤の下面に設置しない構成により、ゲル状体の厚みを任意に決定することができる。そのため、厚いゲル状体を設置し、このゲル状体で外力を吸収するように構成することができる。
【0013】
上記の吸盤装置において、前記ゲル状体が、前記吸盤の周縁部を全周にわたって上面及び側面から覆うように構成したことを特徴とする。この構成により、上記と同様の作用効果を得ることができる。
【0014】
上記の吸盤装置において、前記ゲル状体が、中心部に円筒形状の開口部と、前記開口部の下端の開口半径を拡大して形成した切欠き部を有しており、前記切欠き部の開口半径が前記吸盤の下端の半径と等しく、前記切欠き部の高さが前記吸盤の周縁部の高さと等しいことを特徴とする。この構成により、吸盤とゲル状体の接合の状態が向上するため、吸盤の真空状態を更に良好に維持することができる。
【0015】
上記の目的を達成するための本発明に係る転倒防止装置は、転倒防止の対象物に固定した第1固定具と、壁面に設置した第2固定具と、前記第1固定具と前記第2固定具を連結するベルトを有する転倒防止装置において、前記第1及び第2固定具のうち、少なくとも一方が、吸盤装置であり、前記吸盤装置が、前記筐体の下面に設置したゲル状体と、前記ゲル状体より低い位置に配置した前記吸盤を有し、前記吸盤装置を壁面に吸着させる際に、前記ゲル状体の下面の一部が前記吸盤の上面と接触し、他の部分が前記壁面と接触するように構成したことを特徴とする。この構成により、吸盤装置を利用した信頼性の高い転倒防止装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る吸着装置によれば、大きな外力や回転モーメントが作用した場合であっても、壁面等から外れにくい吸盤装置を提供することができる。また、多種の状態を有する壁面等に対して、高い吸着性能を発揮することのできる吸盤装置を提供することができる。更に、吸盤装置を利用した信頼性の高い転倒防止装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る実施の形態の吸盤装置の分解した状態を示した図である。
【図2】本発明に係る異なる実施の形態の吸盤装置の吸着前の状態を示した断面図である。
【図3】本発明に係る異なる実施の形態の吸盤装置の吸着時の状態を示した断面図である。
【図4】本発明に係る異なる実施の形態の吸盤装置の吸着時の状態を示した断面図である。
【図5】本発明に係る実施の形態の転倒防止装置の使用状態を示した図である。
【図6】本発明に係る実施の形態の転倒防止装置を示した図である。
【図7】従来の吸盤装置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施の形態の吸盤装置について説明する。図1に、吸盤装置1の分解図を示す。吸盤装置1は、吸盤10と、ゲル状体11と、筐体12を有している。また、吸盤10に固定した軸13と、軸13の他端に回転自在に設置したカム14と、カム14に固定したカムレバー15を有している。更に、吸盤10と筐体12の間に、バネ状物(弾性体)16を配置している。
【0019】
この吸盤10は、従来の吸盤と同様のものを使用することができる。具体的には、円盤状で中心部に凹部を有する形状であり、軟質弾性材料を使用して成形する。ゲル状体11は、吸盤10よりも軟らかく容易に変形し(変形性能が高く)、粘着性が高い(粘着性能が高い)材料で構成している。具体的には、ゲル状体11を、ポリウレタン系ゲルで構成することが望ましい。更に望ましくは、このポリウレタン系ゲルに、難燃性材料(UL94V−0)の特性を付加することが望ましい。このゲル状体11の外形は、厚みのある矩形(例えば正方形等)であり、中心部に例えば円形の開口部17を形成している。この開口部17は、平面視において、吸盤10よりも若干小さい大きさとしている。具体的には、開口部17を、平面視において、吸盤10の周縁部とゲル状体11の少なくとも一部が重なるように形成している。
【0020】
筐体12は、中央に膨らみのある板状物で構成している。この筐体12は、平面視において、ゲル状体11と同一又は若干大きい面積を有している。材質は、硬質のプラスチック材料等で構成している。具体的には、筐体12を変性ポリフェニレンオキサイドで構成することが望ましい。
【0021】
図2に、本発明に係る異なる実施の形態の吸盤装置1Aの吸着前(初期状態)の断面図を示す。吸盤装置1Aは、吸盤10と、吸盤10の周縁部の厚さよりも厚いゲル状体11と、筐体12Aを有している。また、吸盤10に固定した軸13と、軸13の他端に回転自在に設置したカム14Aと、カム14Aに固定したカムレバー15Aを有している。更に、吸盤10の上面と筐体12Aの下面の間に、バネ状物(弾性体)16を配置している。9は、壁面9を示す。
【0022】
ここで、ゲル状体11の開口部17は、吸盤10が通過しない程度の大きさに構成している。また、開口部17の下端部には、切欠き部18を形成している。この切欠き部18
は、吸盤10を収容できる大きさを有している。
【0023】
なお、図2に示す初期状態では、吸盤10とゲル状体11が離れている状態としている。しかし、初期状態を、吸盤10の上面又は側面と、ゲル状体11の下面等が接触している状態、又は接着して固定した状態となるように構成してもよい。
【0024】
次に、吸盤装置1Aの動作について説明する。吸盤装置1Aを、図2の初期状態から壁面9に接近させ、更に押しつける。吸盤10及びゲル状体11の下面が、壁面9に接触する。その後、図3に示す様に、カムレバー15Aを操作して、カム14Aを回転させる。このカム14Aの回転により、軸13が上方に引上げられ、吸盤10が変形する。このとき、バネ状物16が縮む。吸盤10の下面と壁面9の間に真空状態(又は低圧状態)の空間Vが形成される。以上より、吸盤装置1Aは、壁面9に吸着により固定される(吸着状態)。
【0025】
上記の構成により、以下の作用効果を得ることができる。第1に、吸盤装置1、1A(以下、総称して吸盤装置1とする)の吸着性能を飛躍的に向上することができる。これは、吸盤装置1に外力Fが作用した場合、厚いゲル状体11が変形して、外力Fを吸収することができるためである。具体的には、図4に示す様に、吸盤装置1Bに、接着面と平行な方向に大きな力Fがかかった場合、ゲル状体11Bが変形し、この力Fを吸収することができる。
【0026】
また、吸盤10に、吸盤自体の変形による変位量を超える外力Fが作用した場合、吸盤10は壁面9からはがれてしまう。このような場合であっても、ゲル状体11、11B(以下、総称してゲル状体11とする)と壁面9の密着により(密封効果により)空間Vの真空状態は維持される。そのため、吸盤10は、外力Fが解除されると、再び壁面9に吸着する。
【0027】
第2に、吸盤装置1(1、1A、1B)は、鉛直方向を軸とする回転モーメントMが作用した場合であっても、高い吸着性能を発揮することができる。これは、吸盤装置1に回転モーメントMが作用した場合、ゲル状体11が変形して、回転モーメントMを吸収することができるためである。
【0028】
第3に、吸盤装置1は、多種の壁面9に吸着させることができる。これは、ゲル状体11の厚みを、従来よりも厚くしたためである。つまり、ゲル状体11が変形により追従できる範囲で、凹凸を有する壁面であっても、吸盤装置1は密着効果を得ることができる。ただし、吸盤装置1を吸着させる壁面は、従来と同様、木材、壁紙等、壁面を通して空気が移動できるものは除く。
【0029】
第4に、吸盤装置1は、例えば3mm以上の厚いゲル状体11を採用した場合であっても、良好な真空状態(又は低圧状態)を形成することができる。これは、ゲル状体11を、吸盤10の下面に設置しない構成としたためである。つまり、吸着前(初期状態)の吸盤装置1において、吸盤10下方と壁面9の間に形成する空間Vを、小さく形成することができるためである。なお、厚いゲル状体を吸盤の下面に設置し、吸盤下方と壁面の間の空間Vを大きく形成した場合、カムを操作して吸盤を変形したとしても、良好な真空状態を形成することは困難となる。
【0030】
このゲル状体11の厚みは、望ましくは3mm以上、更に望ましくは5mm以上とする。このゲル状体11は、厚みを3mmよりも薄く構成すると、外力F又は回転モーメントMを吸収することができなくなるためである。この外力F等の吸収の観点から、ゲル状体11は、厚いほどよい。ただし、ゲル状体11の厚みが増加すると、製造コストも増加してしまうため、ゲル状体11の厚みは、具体的には5mmから20mm程度とすることが望ましい。
【0031】
なお、ゲル状体11に切欠き部18(図2参照)を形成しない構成としてもよい。これは、切欠き部18を形成しない場合であっても、ゲル状体11の変形により、吸盤10の周縁部10aが、ゲル状体11内に埋もれた状態となるためである。このときであっても、切欠き部18を形成した場合ほどではないが、吸盤10とゲル状体11の接合は、良好となる。つまり、ゲル状体11は、少なくとも、吸盤10の周縁部10aの上方及び外周方向(側方)を覆うことができる面積及び厚さを有していればよい。
【0032】
また、吸盤装置1の平面視における形状は、円形としてもよいが、矩形(図1参照)の方が、ゲル状体11の接着面積を拡大することができ、吸盤装置1の吸着性能を向上することができる。
【0033】
図5に、吸盤装置を利用した転倒防止装置2を示す。転倒防止装置2は、壁面9に吸着させる吸盤装置1Cと、転倒防止の対象物(例えばディスプレイ8)に固定する固定具3と、吸盤装置1Cと固定具3を連結するベルト20を有している。なお、転倒防止の対象物は、ディスプレイ8に限らない。転倒防止装置2は、パソコン本体、ラック、棚等あらゆるものに対して、適用することができる。
【0034】
図6に、転倒防止装置2の概略を示す。転倒防止装置2は、吸盤装置1Cと、固定具(バックル型固定具)3と、ベルト20を有している。吸盤装置1Cは、筐体12Cの上面にベルト20を固定するベルト固定部19を有している。その他は、前述した吸盤装置1と同様の構成である。
【0035】
バックル型固定具3は、固定具本体26と、固定具本体26に対して回転自在に設置したレバー27と、固定具本体26とレバー27の間に形成した空間でありベルト20を貫通させる貫通部28を有している。また、レバー27は、下面側(貫通部28側)に咬み込み部29を有している。
【0036】
次に、転倒防止装置2の設置作業について説明する。まず、ディスプレイ8(図示しない)に、バックル型固定具3を固定する。この固定は、接着テープ、又はネジ止め等で行う。他方で、予めベルト20をベルト固定部19に固定した吸盤装置1Cを、壁面9等に吸着させる(図5参照)。ベルト20の他端を、バックル型固定具3の貫通孔28に通し、たるみをとる。ベルト20に多大な張力が発生しないような位置で、バックル型固定具3のレバー27をベルト20側に下げる。レバー27の咬み込み部29が、ベルト20を咬み込み固定する。以上より、転倒防止装置2の設置が完了する。
【0037】
上記の構成により、以下の作用効果を得ることができる。第1に、壁面9等に穴を開けたり、粘着テープで汚したりすることなく、転倒防止装置2を設置することができる。これは、壁面9を汚さず、繰り返し使用できる吸盤装置1aを利用するためである。
【0038】
第2に、地震発生時にディスプレイ8等の転倒を防止することができる。これは、吸盤装置1Cが、繰り返し作用する外力Fに対して、吸着を維持することができるためである。また、通常時には、ベルト20に大きな張力が発生しないように構成しているため、ベルト20に働く張力の影響で、吸盤装置1Cが外れてしまう事故を防止することができる。
【0039】
なお、固定具は、バックル型固定具3に限られない。つまり、ベルト20を、転倒防止対象物、又は壁面等に連結できる機能を有していればよい。また、バックル型固定具3の
代わりに、吸盤装置1Cを使用してもよい。この構成により、転倒防止の対象物も、粘着テープ等で汚したりすることがなくなる。更に、対象物によっては、直接ベルト20をかけまわしたりして、固定してもよい。加えて、ベルト20を、ワイヤ等で代用してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1、1A、1B、1C 吸盤装置
2 転倒防止装置
3 固定具(バックル型固定具)
8 転倒防止の対象物(ディスプレイ)
9 壁面
10 吸盤
10a 周縁部
11、11B ゲル状体
12、12A、12B、12C 筐体
13 軸
17 開口部
18 切欠き部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、筐体の下方に配置した吸盤と、前記吸盤に立設し前記筐体を貫通する軸を有する吸盤装置において、
前記吸盤装置が、前記筐体の下面に設置したゲル状体と、前記ゲル状体より低い位置に配置した前記吸盤を有し、
前記吸盤装置を壁面に吸着させる際に、前記ゲル状体の下面の一部が前記吸盤の上面と接触し、他の部分が前記壁面と接触するように構成したことを特徴とする吸盤装置。
【請求項2】
前記ゲル状体が、前記吸盤の周縁部を全周にわたって上面及び側面から覆うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の吸盤装置。
【請求項3】
前記ゲル状体が、中心部に円筒形状の開口部と、
前記開口部の下端の開口半径を拡大して形成した切欠き部を有しており、
前記切欠き部の開口半径が前記吸盤の下端の半径と等しく、前記切欠き部の高さが前記吸盤の周縁部の高さと等しいことを特徴とする請求項1及び2に記載の吸盤装置。
【請求項4】
転倒防止の対象物に固定した第1固定具と、壁面に設置した第2固定具と、前記第1固定具と前記第2固定具を連結するベルトを有する転倒防止装置において、
前記第1及び第2固定具のうち、少なくとも一方が、吸盤装置であり、
前記吸盤装置が、前記筐体の下面に設置したゲル状体と、前記ゲル状体より低い位置に配置した前記吸盤を有し、
前記吸盤装置を壁面に吸着させる際に、前記ゲル状体の下面の一部が前記吸盤の上面と接触し、他の部分が前記壁面と接触するように構成したことを特徴とする転倒防止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−237325(P2012−237325A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104937(P2011−104937)
【出願日】平成23年5月10日(2011.5.10)
【出願人】(000127938)株式会社エスケイ工機 (20)
【出願人】(592187095)
【Fターム(参考)】