説明

吸込口体および電気掃除機

【課題】床面の走行負荷を増加させることなく障害物の近傍では吸込口の真空度を向上できる床ブラシを提供する。
【解決手段】床ブラシ26は、床面Fに少なくとも一部が対向する吸込口を備え、少なくとも前後方向に移動可能なケース体31を有する。床ブラシ26は、ケース体31の前部と障害物A1との当接を検出する前部検出手段38を有する。床ブラシ26は、ケース体31にて吸込口の少なくとも後部に、前部検出手段38によりケース体31の前部と障害物A1との当接を検出すると床面Fに向けて移動することで吸込口の真空度を増加させる突出体40を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、被掃除面に少なくとも一部が対向する吸込口を備えたケース体を有する吸込口体およびこれを備えた電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気掃除機は、電動送風機を収容した掃除機本体を備えている。この掃除機本体には、電動送風機の吸込側に連通する集塵部が設けられている。そして、この集塵部には、風路が接続されており、この風路の一部は、吸込口体としての床ブラシにより構成されている。この床ブラシは、被掃除面に対向する下面に横長の吸込口が開口形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−35793号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
壁などの障害物の近傍(壁際)の被掃除面を掃除する際、使用者は床ブラシを障害物に密着させて、電動送風機の負圧によって吸込口から塵埃を吸い込もうとする。このとき、吸込口の真空度が高いほど塵埃を効率よく吸い込むことができる。
【0005】
一方で、床ブラシは、色々な種類の被掃除面上を走行する際に負荷とならないようにするために、被掃除面と下面との間に隙間を形成しているので、壁際など、真空度が要求される場合でも、吸込口の真空度を向上することが容易でない。
【0006】
したがって、被掃除面の走行負荷を増加させることなく、障害物の近傍などでは吸込口の真空度を向上できる構成が望まれている。
【0007】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、被掃除面の走行負荷を増加させることなく障害物の近傍では吸込口の真空度を向上できる吸込口体およびこれを備えた電気掃除機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
実施形態の吸込口体は、被掃除面に少なくとも一部が対向する吸込口を備え、少なくとも前後方向に移動可能なケース体を有する。また、この吸込口体は、ケース体の前部と障害物との当接を検出する前部検出手段を有する。さらに、この吸込口体は、ケース体にて吸込口の少なくとも後部に設けられ、前部検出手段によりケース体の前部と障害物との当接を検出すると被掃除面に向けて移動することで吸込口の真空度を増加させる突出体を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態の吸込口体を示す側面図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)は障害物にケース体の前部が当接した状態を示す。
【図2】同上吸込口体の一部を拡大して下方から示す斜視図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)は障害物にケース体の前部が当接した状態を示す。
【図3】同上吸込口体の一部を切り欠いて示す斜視断面図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)は障害物にケース体の前部が当接した状態を示す。
【図4】同上吸込口体を下方から示す斜視図である。
【図5】同上吸込口体を備えた電気掃除機を示す斜視図である。
【図6】第2の実施形態の吸込口体の一部を拡大して下方から示す斜視図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)は障害物にケース体の前部が当接した状態を示し、(c)は障害物にケース体の前部および側部が当接した状態を示す。
【図7】同上吸込口体の一部を切り欠いて示す斜視図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)は障害物にケース体の前部が当接した状態を示し、(c)は障害物にケース体の前部および側部が当接した状態を示す。
【図8】同上吸込口体の前部検出手段の一部の動作を示す斜視図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)および(c)は障害物にケース体の前部および側部が当接したときの動作を示す。
【図9】同上吸込口体を示す側面図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)は障害物にケース体の前部が当接した状態を示す。
【図10】同上吸込口体の掃除の際に障害物にケース体の前部および側部が当接した状態を模式的に示す平面図である。
【図11】同上吸込口体を下方から示す斜視図である。
【図12】同上吸込口体を上方から示す斜視図である。
【図13】第3の実施形態の吸込口体の一部を拡大して下方から示す斜視図であり、(a)は通常の状態を示し、(b)は障害物にケース体の前部が当接した状態を示す。
【図14】同上吸込口体を下方から示す斜視図である。
【図15】同上吸込口体の内部構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、第1の実施形態の構成を図1ないし図5を参照して説明する。
【0011】
図5において、11はいわゆるキャニスタ型の電気掃除機を示し、この電気掃除機11は、掃除機本体12と、この掃除機本体12に着脱可能に接続される管部である風路形成体13とを有している。
【0012】
掃除機本体12は、被掃除面としての床面F上を旋回および走行可能な中空状の本体ケース15を備えており、この本体ケース15には、集塵部が形成されている。この集塵部には、例えばフィルタ、集塵袋、あるいは集塵装置(集塵カップ)などが配置されている。また、この本体ケース15の内部には、電動送風機18が収容されており、この電動送風機18の吸込側が集塵部に連通している。そして、本体ケース15の前部には、集塵部に連通するとともに風路形成体13の基端側が接続される本体吸込口19が開口形成されている。
【0013】
また、風路形成体13は、本体吸込口19に接続される接続管部21と、この接続管部21の先端側に連通する可撓性を有するホース体22と、このホース体22の先端側に設けられた手元操作部23とを備え、この手元操作部23の先端側に延長管24が着脱可能に接続され、この延長管24の先端側に、吸込口体としての床ブラシ26が連通接続される。そして、この風路形成体13は、電動送風機18の吸込側に連通する風路Wを内部に区画するものである。
【0014】
手元操作部23には、把持部28がホース体22側へと突出し、この把持部28には、電動送風機18の動作モードを設定するための複数の設定ボタン29がそれぞれ設けられている。
【0015】
また、床ブラシ26は、延長管24の先端側に接続されることで風路Wの一部を構成する電気掃除機11用の吸込口体であり、図4および図5に示すように、左右幅方向に長手状、すなわち横長のケース体31と、このケース体31の左右幅方向の略中心位置の後部に回転可能に連通接続された接続管32とを備え、被掃除面上を少なくとも前後方向に沿って走行(移動)可能となっている。
【0016】
ケース体31には、床面Fに対向する平坦状の下面31aの前部に、横長四角形状の吸込口35が開口形成されているとともに、この吸込口35の周囲に、スリット状の開口部36が開口形成されている。また、このケース体31の左右幅方向に沿って平坦状の前面31bには、吸込口35の連通する複数の前側吸込口37が切り欠き形成されているとともに、ケース体31の前部と壁などの障害物A1との当接を検出する複数、例えば対をなす(一対の)前部検出手段38が配置されている。さらに、このケース体31の内部には、吸込口35に位置して、回転清掃体としての回転ブラシ39が回転可能に配置されているとともに、開口部36に位置して、突出体40が配置されている。そして、このケース体31の下面31aには、床ブラシ26の走行により床面Fに対して摺接する複数の接触部41が配置されている。
【0017】
吸込口35は、ケース体31の内部および接続管32を介して、電動送風機18の吸込側に連通可能となっている。
【0018】
開口部36は、吸込口35の後方に位置し左右幅方向に沿って直線スリット状に形成された後部開口部36aと、この後部開口部36aの両側部に連続し、吸込口35の側方に位置し前後方向に沿って直線スリット状に形成された側部開口部36b,36bとを一体に有している。すなわち、この開口部36は、平面視で吸込口35を後方および両側方に亘って囲むコ字状に形成されている。
【0019】
前側吸込口37は、吸込口35と、ケース体31の前方とを連通するものであり、例えば左右幅方向に互いに略等間隔に離間されて配置されている。
【0020】
また、各前部検出手段38は、突出体40を駆動させるもので、図1ないし図4に示すように、ケース体31の前面31bの両側近傍にそれぞれ開口形成された四角形状の開口43に進退可能に位置する当接部としてのボタン部であり、前後方向に長手状に形成されている。各前部検出手段38は、各開口43の開口縁部を構成するガイド面43aにより、前後方向に進退可能に支持されている。さらに、各前部検出手段38の前端部は、ケース体31の前面31bに対して平行な平坦状の当接面38aとなっており、各前部検出手段38の後端部は、後方下側に向けて面方向を有するように傾斜した傾斜面38bとなっている。すなわち、この傾斜面38bは、後側ほど上側に位置するように傾斜している。そして、各前部検出手段38は、前端部(当接面38a)が各開口43からケース体31の前面31bよりも前方に突出可能となっている。
【0021】
各開口43は、吸込口35よりも外方(側方)で、かつ、開口部36の側部開口部36bの前方に位置している。
【0022】
また、回転ブラシ39は、任意の構成のものを用いることができるため、便宜的に、図示を省略するが、例えば長尺状のブラシ台部である軸部の両端部がケース体31に軸支されており、この軸部の周囲に、床面Fと接触可能な複数の清掃部材が軸方向に沿って配置されている。なお、清掃部材としては、例えばフローリングなどの硬質で平坦な床面Fの塵埃を掻き取るブレード、あるいは絨毯などの床面Fに入り込んだ塵埃を掻き出す毛ブラシなどの任意のものを用いることができ、これらを単独種類で用いてもよいし、互いに異なる複数種類を任意に組み合わせてもよい。そして、この回転ブラシ39は、例えばケース体31に設けられたモータ、あるいはエアタービンなどの清掃体駆動手段(図示せず)により適宜回転駆動される。なお、これら回転ブラシ39および清掃体駆動手段は、床面Fの塵埃を確実に除去できれば、必須の構成ではない。
【0023】
そして、突出体40は、形状保持性を有する軟質の部材により、開口部36の後部開口部36aに嵌合する壁状の後部突出部40aと、開口部36の側部開口部36b,36bに嵌合する壁状の側部突出部40b,40bとを一体に有する平面視コ字状に形成されている。また、この突出体40は、ケース体31に対して、(一方の)付勢手段としてのコイルばね47により上方に向けて、換言すれば開口部36に対して収納される方向に向けて(床面Fから離間される方向に向けて)、付勢されており、無負荷状態で開口部36の内部に収納された状態となる。さらに、この突出体40は、図示しないガイド手段により上下方向に沿ってガイドされている。そして、この突出体40は、ケース体31に形成されたストッパ部48により上方向の位置が規制されている。
【0024】
後部突出部40aは、左右幅方向に沿って長手状に形成されている。また、この後部突出部40aの後部には、コイルばね47の上端が接続される接続部40cが突設されている。すなわち、この後部突出部40aがコイルばね47により上方に向けて付勢されていることにより、この後部突出部40aと連続する各側部突出部40bを含む突出体40全体が上方に向けて付勢されている。なお、コイルばね47の下端は、ケース体31に保持されている。また、コイルばね47は、単数でも複数でもよく、接続部40cは、コイルばね47の個数に対応して形成すればよい。
【0025】
また、各側部突出部40bは、前後方向に沿って長手状に形成されている。さらに、各側部突出部40bの前部には、前部検出手段38の傾斜面38bに対向しこの傾斜面38bと当接する対向傾斜面40dが形成されている。この対向傾斜面40dは、前方上側に向けて面方向を有するように傾斜している。すなわち、この対向傾斜面40dは、後側ほど上側に位置するように傾斜している。
【0026】
また、接触部41は、下面31aに対して下方へと僅かに突出しており、床面Fに接触することでケース体31の下面31aと床面Fとの間に隙間Gを形成するためのもので、例えば床面Fとの摺接抵抗が比較的小さい起毛布などにより構成されており、例えば吸込口35の両側と開口部36の側部開口部36b,36bとの間、および、開口部36よりも後方の両側の位置にそれぞれ配置されている。
【0027】
また、接続管32は、図5に示す風路形成体13(延長管24)の先端側に着脱可能に接続される。
【0028】
次に、上記第1の実施形態の動作を説明する。
【0029】
掃除の際、図5に示すように、使用者は掃除機本体12の本体吸込口19にホース体22の接続管部21を連通接続するとともに、ホース体22の手元操作部23に延長管24および床ブラシ26を順次連通接続して、風路形成体13を構成する。この結果、床ブラシ26が延長管24、ホース体22および集塵部を介して電動送風機18の吸込側に連通接続される。
【0030】
そして、使用者は、把持部28を把持し、所望の設定ボタン29を操作することで、電動送風機18を所望の動作モードで駆動させた後、床面F(図1)上に載置した床ブラシ26を前後方向などに走行させることで、電動送風機18の負圧の作用により床面F上の塵埃を吸込口35(図4)から空気とともに吸い込む。また、使用者が床面F(図1)の汚れ具合、あるいは種類などに応じて、適宜回転ブラシ39(図4)を回転させることにより、この回転ブラシ39が清掃部材によって床面F(図1)の塵埃を掻き取る。この掻き取られた塵埃は、吸込口35(図4)から空気とともに吸い込まれる。
【0031】
床ブラシ26は、図1(a)、図2(a)および図3(a)に示すように、床面F上を移動しながら掃除する通常の状態では、コイルばね47の付勢によって突出体40が開口部36内に収納された状態となり、接触部41のみが床面Fと摺接している。このため、床ブラシ26のケース体31の下面31aと床面Fとの間に、下面31aからの接触部41の突出量に対応する隙間Gが形成されており、床ブラシ26が円滑に走行する。
【0032】
また、図1(b)、図2(b)および図3(b)に示すように、床ブラシ26が前進して、壁などの平面状の障害物A1にケース体31の前面31bが接近すると、この前面31bから前方に突出している当接面38aが障害物A1に当接して各前部検出手段38がガイド面43aに沿って開口43内へと後方にそれぞれ押し込まれる。すなわち、各前部検出手段38により床ブラシ26のケース体31の前部と障害物A1との当接が検出される。そして、各前部検出手段38の後部の傾斜面38bが各側部突出部40bの前部の対向傾斜面40dと当接していることにより、これら傾斜面38b,40dの傾斜に従い、各前部検出手段38が後方へ押し込まれて移動するほど、換言すればケース体31の前面31bが障害物A1に接近するほど、各側部突出部40bがコイルばね47の付勢に抗して下方へと押し込まれ、ケース体31の前面31bが障害物A1に当接した状態では、各側部突出部40bに連続する後部突出部40aを含む突出体40全体がガイド部によりガイドされつつ開口部36全体から床面Fに向けて下方へと突出し、床面Fに接触する。すなわち、突出体40の後部突出部40aが後部開口部36aから下方へと突出し、各側部突出部40bが各側部開口部36bから下方へと突出する。
【0033】
この結果、突出体40と平面状の障害物A1とにより、床ブラシ26の吸込口35の周囲の略全体が壁状に囲まれることとなり、床ブラシ26のケース体31の周囲から吸込口35に連通する通気路が狭くなって、吸込口35の近傍の真空度が向上する。このため、障害物A1の近傍の床面F上の塵埃が、前側吸込口37などから吸込口35へと効果的に吸い込まれる。なお、本実施形態では、突出体40の下部は床面Fに接触するが、突出体40の下部は少なくともケース体31の下面31aから下方に突出すれば、床ブラシ26のケース体31の周囲から吸込口35へと連通する通気路を狭くできるため、床面Fに接触しなくても吸込口35の近傍の真空度を向上させることができる。
【0034】
また、床ブラシ26が障害物A1から離間されるに従い、コイルばね47の付勢により突出体40が開口部36内へと復帰するように上方へと移動して収納される。このため、各前部検出手段38の後部の傾斜面38bが各側部突出部40bの前部の対向傾斜面40dと当接していることにより、これら傾斜面38b,40dの傾斜に従い、各前部検出手段38が前方へと押し込まれて、各前部検出手段38の前部が開口43から突出し、ケース体31の前面31bに対して各前部検出手段38の当接面38aが前方に位置する。
【0035】
床ブラシ26の吸込口35から図5に示す風路W内に吸い込まれた塵埃は、延長管24、ホース体22を介して本体吸込口19から集塵部へと吸い込まれて捕集される。この塵埃が捕集された空気は、電動送風機18に吸い込まれ、この電動送風機18を冷却した後、排気となり、掃除機本体12の本体ケース15の外部に排気される。
【0036】
掃除が終了すると、設定ボタン29を操作することにより電動送風機18を停止させる。
【0037】
上述したように、上記第1の実施形態によれば、ケース体31にて吸込口35の少なくとも後部に、前部検出手段38によりケース体31の前部と障害物との当接を検出すると床面Fに向けて移動することで吸込口35の真空度を増加させる突出体40を備えることにより、ケース体31の前部が障害物に当接しない間は、突出体40が床面Fから離間されており、床面の走行負荷を増加させることがないとともに、ケース体31の前部が障害物に当接すると、ケース体31の周囲から吸込口35に連通する通気路を突出体40によって狭めることができ、吸込口35の近傍の真空度を向上できる。
【0038】
また、前部検出手段38によりケース体31の前部と障害物との当接を検出すると突出体40を床面Fに向けて移動させる機構を機械的に構成しているので、床ブラシ26をより安価に製造できる。
【0039】
次に、第2の実施形態を図6ないし図12を参照して説明する。なお、上記第1の実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この第2の実施形態は、図6ないし図12に示すように、上記第1の実施形態の突出体40の後部突出部40aと側部突出部40b,40bとが、互いに別体で形成されており、各前部検出手段38に代えて、それぞれ(一方および他方の)対をなす前部検出手段51,52により独立して駆動されるように構成されているものである。
【0041】
後部突出部40aは、左右両側部がそれぞれケース体31から突出して形成された(一方の)ガイド部54に保持されており、これらガイド部54によって上下方向に移動可能にガイドされている。さらに、この後部突出部40aの両側近傍には、前方に向けて突出する前側接続部40eがそれぞれ一体に形成されている(一方のみ図示)。各前側接続部40eは、後部突出部40aと各前部検出手段51とを接続する部分であり、側部突出部40bの内方に位置しており、前端部に、傾斜状の前部傾斜面40fが形成されている。この前部傾斜面40fは、前方上側に向けて面方向を有するように傾斜している。すなわち、この前部傾斜面40fは、後側ほど上側に位置するように傾斜している。
【0042】
また、各側部突出部40bは、後端部がそれぞれケース体31から突出してガイド部54と一体的に形成された(他方の)ガイド部56に保持されており、これらガイド部56によって上下方向に移動可能にガイドされている。また、各側部突出部40bの外側部(一側)には、(他方の)付勢手段としてのコイルばね57の上端部が接続された側部接続部40gが突設されている。さらに、各側部突出部40bの前側の上部には、対向傾斜面40dの他側に連続して、側部傾斜面部40hが形成されている。これら対向傾斜面40dおよび側部傾斜面部40hは、それぞれ後部突出部40aの前部傾斜面40fよりも上方に位置している。
【0043】
各コイルばね57は、各側部突出部40bを上方に向けて、すなわち側部開口部36bに対して収納される方向に向けて(床面Fから離間される方向に向けて)、付勢するものである。さらに、各コイルばね57の下端部は、ケース体31に保持されている。
【0044】
また、側部傾斜面部40hは、対向傾斜面40dに対して内側方(他側)に向けて傾斜して形成されている。
【0045】
さらに、(一方の)各前部検出手段51は、ケース体31の前面31bの両側近傍に開口形成された四角形状の(一方の)各開口61に進退可能に位置する(一方の)当接部としての(一方の)ボタン部であり、前後方向に長手状に形成されている。各前部検出手段51は、各開口61の開口縁部を構成する図示しない(一方の)ガイド面により、前後方向に進退可能に支持されている。さらに、各前部検出手段51の前端部は、ケース体31の前面31bに対して平行な平坦状の(一方の)当接面51aとなっており、各前部検出手段51の後端部は、後方下側に向けて面方向を有するように傾斜した(一方の)傾斜面51bとなっている。すなわち、この傾斜面51bは、後側ほど上側に位置するように傾斜している。そして、各前部検出手段51は、前端部(当接面51a)が各開口61からケース体31の前面31bよりも前方に突出可能となっている。
【0046】
各開口61は、吸込口35よりも外方(一側方)で、かつ、開口部36の側部開口部36bよりも内方に位置している。
【0047】
また、(他方の)各前部検出手段52は、ケース体31の前面31bの両側近傍に開口形成された四角形状の(他方の)各開口63に進退可能に位置する(他方の)当接部としての(他方の)ボタン部64と、このボタン部64に回動可能に軸支された軸支体65とをそれぞれ備えている。
【0048】
各ボタン部64は、前後方向に長手状に形成されており、前部検出手段52よりも長手寸法が短く設定されている。また、各ボタン部64は、各開口63の開口縁部を構成する図示しない(他方の)ガイド面により、前後方向に進退可能に支持されている。さらに、各ボタン部64の前端部は、ケース体31の前面31bに対して平行な平坦状の(他方の)当接面64aとなっており、各ボタン部64の後端部には、内側(他側)に軸支体65を軸支する軸支部64bが突設されている。そして、各ボタン部64は、前端部(当接面64a)が開口63からケース体31の前面31bよりも前方に突出可能となっている。
【0049】
また、各軸支体65は、前端側がボタン部64に対して水平方向に沿って左右幅方向に回動可能に軸支されている。さらに、各軸支体65の後部下側には、(他方の)傾斜面65aが後方下側および外側(一側)すなわち側部突出部40b側に向けて面方向を有するように傾斜して形成されている。すなわち、この傾斜面65aは、後側ほど上側に位置するように傾斜している。また、各軸支体65の後部上側には、円柱状の軸部65bが突設され、この軸部65bには、側部検出手段67がそれぞれ進退可能に嵌合して配置されている。
【0050】
各側部検出手段67は、ケース体31の各側面31cに開口形成された四角形状の各側部開口68に進退可能に位置する側部当接部としての側部ボタン部であり、左右幅方向に長手状に形成されている。また、各側部検出手段67は、各側部開口68の開口縁部を構成する図示しない側部ガイド面により、左右幅方向に進退可能に支持されている。さらに、各側部検出手段67の先端部(外端部)は、ケース体31の各側面31cに対して平行な平坦状の側部当接面67aとなっており、各側部検出手段67の基端部(内端部)には、軸支体65の軸部65bが下側から挿入係合される挿入開口67bが前後方向に長手状(長孔状)に形成されている。そして、各側部検出手段67の両端間には、鍔状のフランジ部67cが突設されている。このフランジ部67cは、ケース体31の内部に位置しており、このケース体31の各側面31cの内側に対向している。さらに、このフランジ部67cとケース体31の各側面31cの内側との間には、各側部検出手段67を外側方に向けて付勢する側部付勢手段としてのコイルばね69が配置されている。そして、各側部検出手段67は、側部(側部当接面67a)が側部開口68からケース体31の各側面31cよりも外側方に突出可能となっている。
【0051】
また、開口部36は、後部開口部36aと側部開口部36b,36bとが連続しておらず、それぞれ離間されて(独立して)開口形成されている。
【0052】
次に、上記第2の実施形態の動作を説明する。
【0053】
掃除の際、使用者が把持部28を把持し、所望の設定ボタン29を操作することで、電動送風機18を所望の動作モードで駆動させた後、床面F上に載置した床ブラシ26を前後方向などに走行させて、電動送風機18の負圧の作用により床面F上の塵埃を吸込口35から空気とともに吸い込む。
【0054】
このとき、床ブラシ26は、図6(a)、図7(a)および図9(a)に示すように、床面F上を移動しながら掃除する通常の状態では、コイルばね47,57の付勢によって突出体40の後部突出部40aおよび各側部突出部40bがそれぞれ開口部36の後部開口部36aおよび各側部開口部36b内に収納された状態となり、接触部41のみが床面Fと摺接している。このため、床ブラシ26のケース体31の下面31aと床面Fとの間に、下面31aからの接触部41の突出量に対応する隙間Gが形成されており、床ブラシ26が円滑に走行する。
【0055】
また、図6(b)、図7(b)および図9(b)に示すように、床ブラシ26が前進して、壁などの平面状の障害物としての前部障害物A2にケース体31の前面31bが接近すると、この前面31bから前方に突出している当接面51a,64aが前部障害物A2に当接して各前部検出手段51,52が各ガイド面に沿って開口61,63内へと後方にそれぞれ押し込まれる。すなわち、各前部検出手段51,52により床ブラシ26のケース体31の前部と前部障害物A2との当接が検出される。そして、各前部検出手段51,52の後部の傾斜面51b,65aが後部突出部40aの各前部傾斜面40fおよび各側部突出部40bの前部の対向傾斜面40dと当接していることにより、これら傾斜面51b,65aおよび傾斜面40f,40dの傾斜に従い、各前部検出手段51,52が後方へ押し込まれて移動するほど、換言すればケース体31の前面31bが前部障害物A2に接近するほど、後部突出部40aおよび各側部突出部40bがコイルばね47,57の付勢に抗して下方へと押し込まれ、ケース体31の前面31bが前部障害物A2に当接した状態では、後部突出部40aおよび各側部突出部40bがガイド部54,56によりガイドされつつ後部開口部36aおよび各側部開口部36bから床面Fに向けて下方へと突出し、床面Fに接触する。
【0056】
この結果、突出体40の後部突出部40aおよび各側部突出部40bと平面状の前部障害物A2とにより、床ブラシ26の吸込口35の周囲が壁状に囲まれることとなり、床ブラシ26のケース体31の周囲から吸込口35に連通する通気路が狭くなって、吸込口35の近傍の真空度が向上する。このため、前部障害物A2の近傍の床面F上の塵埃が、前側吸込口37などから吸込口35へと効果的に吸い込まれる。なお、本実施形態では、突出体40の下部は床面Fに接触するが、突出体40の下部は少なくともケース体31の下面31aから下方に突出すれば、床ブラシ26のケース体31の周囲から吸込口35へと連通する通気路を狭くできるため、床面Fに接触しなくても吸込口35の近傍の真空度を向上させることができる。
【0057】
なお、各前部検出手段52は、軸支体65の軸部65bが係合している各側部検出手段67の挿入開口67bが前後方向に沿って長手状に形成されていることにより、上記図6(b)、図7(b)および図9(b)に示すように、軸支体65の軸部65bが各側部検出手段67の挿入開口67bに対して係合した状態を維持したまま後方へと移動できる。
【0058】
また、この状態で、例えば使用者が床ブラシ26の前部を前部障害物A2に接触させたままの状態で床ブラシ26を側方に移動(スライド)させると、図6(c)、図7(c)および図10に示すように、壁などの平面状の障害物としての側部障害物A3にケース体31の側面31cが接近すると、この側面31cから側方に突出している側部当接面67aが側部障害物A3に当接して側部検出手段67がコイルばね69の付勢に抗して各ガイド面に沿って側部開口68内へと押し込まれる。すなわち、側部検出手段67により床ブラシ26のケース体31の側部と側部障害物A3との当接が検出される。そして、側部検出手段67の挿入開口67bが前部検出手段52の軸支体65の軸部65bと係合していることにより、側部検出手段67が側部開口68内に押し込まれて移動するほど、換言すればケース体31の側面31cが側部障害物A3に接近するほど、図8(a)ないし図8(c)に示すように、軸支体65がボタン部64の軸支部64bを中心として側部突出部40bに対して内方(側部突出部40bから離間される側)へと回動する。この結果、軸支体65の傾斜面65aが側部突出部40bの対向傾斜面40dおよび側部傾斜面部40hに対して離間されることにより、側部障害物A3に対して近い側の(一方の)側部突出部40bがコイルばね57の付勢により(一方の)側部開口部36b内へと復帰するように上方へと移動して収納される。
【0059】
この結果、突出体40の後部突出部40aおよび(他方の)側部突出部40bと、前部障害物A2および側部障害物A3とにより、床ブラシ26の吸込口35の周囲が壁状に囲まれることとなり、床ブラシ26のケース体31の周囲から吸込口35に連通する通気路が狭くなって、吸込口35の近傍の真空度が向上する。このため、前部障害物A2および側部障害物A3の近傍の床面F上の塵埃が、前側吸込口37などから吸込口35へと効果的に吸い込まれる。
【0060】
なお、側部障害物A3は、図10に示すように前部障害物A2と連続していてもよいし、この前部障害物A2とは別体でもよい。
【0061】
さらに、図6(b)、図7(b)および図9(b)に示す状態で、床ブラシ26が前部障害物A2から離間されるに従い、コイルばね47,57の付勢により後部突出部40aおよび各側部突出部40bが開口部36の後部開口部36aおよび各側部開口部36b内へと復帰するように上方へと移動して収納される。このため、各前部検出手段51,52の後部の傾斜面51b,65aが後部突出部40aの各前部傾斜面40fおよび各側部突出部40bの対向傾斜面40dと当接していることにより、これら傾斜面51b,65aおよび傾斜面40f,40dの傾斜に従い、各前部検出手段51,52が前方へと押し込まれて、各前部検出手段51,52の前部が開口43から突出し、ケース体31の前面31bに対して各前部検出手段51,52の当接面51a,64aが前方に位置する。
【0062】
同様に、図6(c)、図7(c)および図10に示す状態で、床ブラシ26が側部障害物A3から離間されるに従い、コイルばね69の付勢により側部検出手段67が外方へと突出するように移動し、ケース体31の各側面31cに対して側部検出手段67の側部当接面67aが側方に位置する。このとき、図8(c)ないし図8(a)に示すように、側部検出手段67の挿入開口67bが前部検出手段52の軸支体65の軸部65bと係合していることにより、軸支体65がボタン部64の軸支部64bを中心として外方(側部突出部40bに接近する側)へと回動し、軸支体65の傾斜面65aが側部突出部40bの側部傾斜面部40hおよび対向傾斜面40dに嵌合当接する位置に復帰する。
【0063】
このように、上記第2の実施形態によれば、前部検出手段51,52によりケース体31の前部と前部障害物A2との当接を検出している状態で、ケース体31の側部と側部障害物A3との当接を側部検出手段67により検出すると、吸込口35の側部側が床面Fに対して離間される方向へと移動することにより、例えば平面視でL字状の壁などの障害物に対して床ブラシ26のケース体31の前部および側部を当接させた際には、側部障害物A3に対して近い側の突出体40、本実施形態では(一方の)側部突出部40bを開口部36に対して収納できる。したがって、吸込口35の周囲の真空度は突出体40により確保しつつ、側部障害物A3の近傍の床面F上の塵埃を吸込口35から吸い込む際に、(一方の)側部突出部40bが妨げとなることがないため、より効果的に塵埃を掃除できる。
【0064】
また、突出体40が、吸込口35の後部に位置する後部突出部40aと、この後部突出部40aとは別体で、吸込口35の側部に位置する側部突出部40bとを備えていることにより、後部突出部40aと側部突出部40bとを独立して移動させることが可能になる。このため、前部検出手段51,52によりケース体31の前部と前部障害物A2との当接を検出している状態で、ケース体31の側部と側部障害物A3との当接を側部検出手段67により検出したときに、側部障害物A3に対して近い側の(一方の)側部突出部40bのみを開口部36に対して収納できる。したがって、後部突出部40aおよび(他方の)側部突出部40bにより吸込口35の近傍の真空度を向上した状態を、より確実に保つことができる。
【0065】
なお、上記第2の実施形態の各前部検出手段52の構成を、上記第1の実施形態のように後部突出部40aと各側部突出部40bとを一体に形成した突出体40に対して、各前部検出手段38に代えて用いてもよい。この場合には、例えば床ブラシ26のケース体31の前部および側部が側部障害物A3に当接した際、この側部障害物A3に対して近い側の側部突出部40b、および、後部突出部40aの側部障害物A3に対して近い側が、それぞれ開口部36内へと収納されているとともに、側部障害物A3に対して遠い側の側部突出部40bが開口部36から下方へと突出し、後部突出部40aが側部障害物A3から遠いほど開口部36から下方へと突出した状態となり、突出体40が傾斜するものの、吸込口35の周囲の真空度は通常の状態と比較して向上しているため、構成をより簡略化しつつ、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
次に、第3の実施形態を図13ないし図15を参照して説明する。なお、上記各実施形態と同様の構成および作用については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0067】
この第3の実施形態は、上記第1の実施形態の各前部検出手段38に代えて、前部検出手段としての測距センサ71をそれぞれ備えるものである。すなわち、この第3の実施形態は、上記第1の実施形態の各前部検出手段38を電気的構成としたものである。
【0068】
図14に示すように、各測距センサ71は、例えば床ブラシ26のケース体31の前面31bに前方に向けて取り付けられており、例えば赤外線などを用いて障害物A1との距離を検出するセンサである。これら測距センサ71は、図15に示すように、制御手段72に電気的に接続されており、検出した障害物A1との距離を、制御手段72により判別するように構成されている。
【0069】
制御手段72は、ケース体31(図13)内に収納された駆動手段74を制御するものであり、この駆動手段74に電気的に接続されている。
【0070】
駆動手段74は、例えばモータなどのアクチュエータであり、突出体40(図14)に接続され、この突出体40(図14)を開口部36に対して進退させるように駆動させることが可能となっている。
【0071】
掃除の際、使用者が把持部28を把持し、所望の設定ボタン29を操作することで、電動送風機18を所望の動作モードで駆動させた後、床面F上に載置した床ブラシ26を前後方向などに走行させて、電動送風機18の負圧の作用により床面F上の塵埃を吸込口35から空気とともに吸い込む。
【0072】
床ブラシ26は、図13(a)に示すように、床面F上を移動しながら掃除する通常の状態では、コイルばね47の付勢によって突出体40が開口部36内に収納された状態となり、接触部41のみが床面Fと摺接している。このため、床ブラシ26のケース体31の下面31aと床面Fとの間に、下面31aからの接触部41の突出量に対応する隙間Gが形成されており、床ブラシ26が円滑に走行する。
【0073】
また、図13(b)に示すように、床ブラシ26が前進して、壁などの平面状の障害物A1にケース体31の前面31bが接近し、測距センサ71により検出した前面31bと障害物A1との距離が予め設定された所定の距離以下となったとき、すなわち床ブラシ26のケース体31の前部が障害物A1に対して当接または実質的に当接した状態が検出されると、制御手段72が駆動手段74を駆動させて、突出体40を開口部36全体から床面Fに向けて下方へと突出させ、床面Fに接触させることで、上記第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。しかも、突出体40を動作させるための機械的構成が不要となり、構成をより簡略化できる。
【0074】
さらに、床ブラシ26が障害物A1から離間され、測距センサ71により検出した前面31bと障害物A1との距離が所定の距離よりも大きくなったときには、制御手段72が駆動手段74を駆動させて、突出体40を開口部36内へと復帰するように上方へと移動させて収納する。
【0075】
なお、上記第3の実施形態において、例えば突出体40を例えばコイルばねなどの付勢手段によって上方に向けて付勢し、床ブラシ26が障害物A1から離間され、測距センサ71により検出した前面31bと障害物A1との距離が所定の距離よりも大きくなったときに、制御手段72が駆動手段74の駆動を停止させることで、突出体40を付勢手段によって開口部36内に復帰させてもよい。
【0076】
また、上記第3の実施形態の構成を、上記第2の実施形態に適用することも可能である。すなわち、測距センサ71を前部検出手段51,52および側部検出手段67にそれぞれ代えて用い、後部突出部40aおよび各側部突出部40bに対応して駆動手段74を設けることにより、上記第2の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0077】
さらに、上記第3の実施形態の測距センサ71に代えて、例えば床ブラシ26のケース体31の前部と障害物A1との接触を直接検出するセンサなどを用いてもよい。
【0078】
そして、以上説明した各実施形態によれば、ケース体31にて吸込口35の少なくとも後部に、前部検出手段38,51,52によりケース体31の前部と障害物との当接を検出すると床面Fに向けて移動することで吸込口35の真空度を増加させる突出体40を備えることにより、ケース体31の前部が障害物に当接しない間は、突出体40が床面Fから離間されており、床面の走行負荷を増加させることがないとともに、ケース体31の前部が障害物に当接すると、ケース体31の周囲から吸込口35に連通する通気路を突出体40によって狭めることができ、吸込口35の近傍の真空度を向上できる。
【0079】
また、上記床ブラシ26を電気掃除機11が備えることにより、掃除の際の操作性が良好で、かつ、障害物近傍の塵埃をより効果的に掃除できる電気掃除機11を提供できる。
【0080】
なお、上記各実施形態において、電気掃除機11としては、キャニスタ型に限らず、例えば掃除機本体12の下部に床ブラシ26が接続されたアップライト型などでも対応して用いることができる。
【0081】
そして、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
11 電気掃除機
12 掃除機本体
18 電動送風機
26 吸込口体としての床ブラシ
31 ケース体
35 吸込口
38,51,52 前部検出手段
40 突出体
40a 後部突出部
40b 側部突出部
67 側部検出手段
71 前部検出手段としての測距センサ
A1 障害物
A2 障害物としての前部障害物
A3 障害物としての側部障害物
F 被掃除面としての床面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被掃除面に少なくとも一部が対向する吸込口を備え、少なくとも前後方向に移動可能なケース体と、
このケース体の前部と障害物との当接を検出する前部検出手段と、
前記ケース体にて前記吸込口の少なくとも後部に設けられ、前記前部検出手段により前記ケース体の前部と障害物との当接を検出すると被掃除面に向けて移動することで前記吸込口の真空度を増加させる突出体と
を具備したことを特徴とした吸込口体。
【請求項2】
ケース体の側部と障害物との当接を検出する側部検出手段を具備し、
突出体は、吸込口の後部と側部とに亘って位置し、前部検出手段により前記ケース体の前部と障害物との当接を検出している状態で、前記側部検出手段により前記ケース体の側部と障害物との当接を検出すると、前記吸込口の側部側が被掃除面に対して離間される方向へと移動する
ことを特徴とした請求項1記載の吸込口体。
【請求項3】
突出体は、
吸込口の後部に位置する後部突出部と、
この後部突出部とは別体で設けられ、前記吸込口の側部に位置する側部突出部とを備えている
ことを特徴とした請求項2記載の吸込口体。
【請求項4】
電動送風機を収容した掃除機本体と、
前記電動送風機の吸込側に連通する請求項1ないし3いずれか一記載の吸込口体と
を具備したことを特徴とした電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−125389(P2012−125389A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279205(P2010−279205)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】