周波数誤差検出装置
【課題】時間領域の信号を周波数領域に変換する周波数変換回路を小さくした周波数誤差検出装置を提供することである。
【解決手段】受信信号から既知信号を抽出する既知信号抽出回路102と、該既知信号を固定区間に分散する分散配置回路103と、該分散出力を周波数領域信号にする周波数変換回路104と、該周波数領域信号を遅延検波し隣接周波数成分間の位相変動量を求める遅延検波回路105と、上述の既知信号と同じ系列を発生させる系列発生回路111と、該既知信号を固定区間に分散する分散配置回路112と、該分散出力を周波数領域信号にする周波数変換回路113と、該周波数領域信号を遅延検波し隣接周波数成分間の位相変動量を求める遅延検波回路114と、2つの遅延検波出力間で相関値を得る相関演算回路106と、相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し、基準値からの周波数誤差を得るピーク検出回路107と、を備える。
【解決手段】受信信号から既知信号を抽出する既知信号抽出回路102と、該既知信号を固定区間に分散する分散配置回路103と、該分散出力を周波数領域信号にする周波数変換回路104と、該周波数領域信号を遅延検波し隣接周波数成分間の位相変動量を求める遅延検波回路105と、上述の既知信号と同じ系列を発生させる系列発生回路111と、該既知信号を固定区間に分散する分散配置回路112と、該分散出力を周波数領域信号にする周波数変換回路113と、該周波数領域信号を遅延検波し隣接周波数成分間の位相変動量を求める遅延検波回路114と、2つの遅延検波出力間で相関値を得る相関演算回路106と、相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し、基準値からの周波数誤差を得るピーク検出回路107と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信の受信機における周波数誤差検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送及び通信分野においては、フレーム等の一定長のブロック単位でデータ伝送が行われる。受信機は、伝送データ中にフレーム単位で格納されているフレーム同期信号等の識別子を検出し、このフレーム同期によりフレーム単位での復調処理を行っている。
【0003】
例えば、中国(中華人民共和国)地上デジタル放送規格のDTMB(Digital Terrestrial Multimedia Broadcast)においては、フレームは、フレームボディ(以下、FB)とフレームヘッダ(以下、FH)とによって構成されている。FBには、変調されたソースストリームデータとシステム情報とが組み合わさった3780個のシンボルが格納されている。また、FHには、フレームを識別するための既知信号として擬似ランダムノイズ系列(以下、PN系列)が格納されている。DTMBは、FHとして3通りのFH長さを有しており、この3つのFH長さに対応して第1〜第3の放送モードを有している。
【0004】
ところで、受信機の受信信号として、周波数領域に変換した受信信号を入力し、この周波数領域に変換した受信信号と周波数領域に挿入された既知信号との相関を取り基準値からの変化量を求めることによって、周波数誤差を検出する技術がある。
【0005】
一方、受信機の受信信号として、時間領域に変換した受信信号を入力し、時間領域に変換した受信信号を周波数変換すると共に時間領域に挿入された既知信号を周波数変換し、この周波数変換された既知信号が伝送路で受けた歪みの影響を推定し、その推定値に基づいて受信信号に対して周波数的な歪み(周波数誤差)の補正を行う技術がある。
【0006】
しかしながら、DTMBにおいて、前述したように時間領域の受信信号を周波数変換により周波数領域の信号として周波数的な歪み(誤差)を検出する場合、時間領域の既知信号の長さに対応した周波数変換回路が必要になる。DTMBでは時間領域の既知信号(フレームヘッダ:FH)として3通り(シンボル長さ420, 595, 945)用意されており、FHを周波数変換して利用する場合、この3通りの既知信号に対する3つの周波数変換回路と、シンボル長さ3780のフレームボディ(FB)を周波数変換するための1つの周波数変換回路とを併せて少なくとも4種類の周波数変換回路が必要になり、回路規模が大きくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−304217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、時間領域の受信信号を周波数変換により周波数領域の信号として周波数的な歪み(誤差)を検出する場合、周波数変換回路が小さくて済み、回路規模を少なくすることができる周波数誤差検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態の周波数誤差検出装置は、
周期的に変化する既知信号を挿入されている受信信号に対して既知信号を抽出する既知信号抽出回路と、
前記既知信号抽出回路で抽出した既知信号を固定区間の中に分散配置させる第1の分散配置回路と、
前記第1の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第1の周波数変換回路と、
前記第1の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第1の遅延検波回路と、
前記周期的に変化する既知信号と同じ系列を発生させる系列発生回路と、
前記系列発生回路で発生させた既知信号を固定区間の中に分散配置させる第2の分散配置回路と、
前記第2の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第2の周波数変換回路と、
前記第2の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第2の遅延検波回路と、
前記第1の遅延検波回路の出力と前記第2の遅延検波回路の出力との相関値を出力する相関演算回路と、
前記相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し,基準値からの差分を算出し周波数誤差として出力するピーク検出回路と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態の周波数誤差検出装置を示すブロック図。
【図2】DTMBのフレーム構成とフレームヘッダの構成を示す図。
【図3】フレームヘッダの変動を示す図。
【図4】分散配置回路の処理を示す図。
【図5】相関演算回路の処理を示す図。
【図6】DTMBの第1のモードにおけるフレーム構成とFHの変動及びそのFH変動時における既知信号(受信PN系列)の抽出処理を説明する図。
【図7】受信PN系列の分散配置による利点を説明する図。
【図8】受信PN系列を分散配置することなく周波数変換した場合の周波数特性Hと、分散配置した状態で周波数変換した場合の周波数特性Iとを示す図。
【図9】受信PN系列の遅延検波後(相関演算前)の周波数特性と、参照信号の遅延検波後(相関演算前)の周波数特性とを示す図。
【図10】時間的なずれから周波数誤差を算出する方法を説明する図。
【図11】本発明の第2の実施形態の周波数誤差検出装置を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態では,受信信号に含まれる時間領域の既知信号を抽出し、この時間領域の既知信号を周波数変換し、その周波数変換された既知信号に対して、既知の参照信号との相関演算を行い、相関値のずれに基づいて受信信号の周波数誤差を検出するための周波数誤差検出装置を説明する。以下、DTMBを例として説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の周波数誤差検出装置のブロック図を示している。本実施形態では、DTMBにおける受信機に用いられる周波数誤差検出装置について説明する。
【0013】
図1に示す第1の実施形態の周波数誤差検出装置100は、受信信号の入力端子101と、既知信号抽出回路102と、第1の分散配置回路103と、第1の周波数変換回路104と、第1の遅延検波回路105と、系列発生回路111と、第2の分散配置回路112と、第2の周波数変換回路113と、第2の遅延検波回路114と、相関演算回路106と、ピーク検出回路107と、周波数誤差信号の出力端子120と、モード判別回路115と、を備える。
【0014】
既知信号抽出回路102は、周期的に変化する既知信号が挿入されている受信信号から既知信号を抽出する。
第1の分散配置回路103は、既知信号抽出回路102で抽出した既知信号を固定区間の中に分散配置させる。
第1の周波数変換回路104は、第1の分散配置回路103の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する。
第1の遅延検波回路105は、第1の周波数変換回路104の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する。
【0015】
系列発生回路111は、前述の周期的に変化する既知信号と同じ系列を発生させるものである。
第2の分散配置回路112は、系列発生回路111で発生させた既知信号を固定区間の中に分散配置させる。
第2の周波数変換回路113は、第2の分散配置回路112の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する。
第2の遅延検波回路114は、第2の周波数変換回路113の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する。
【0016】
相関演算回路106は、第1の遅延検波回路105の出力と第2の遅延検波回路114の出力との相関値を出力する。
ピーク検出回路107は、相関演算回路106からの相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し,基準値からの差分を算出し周波数誤差として出力する。
【0017】
図2はDTMBにおける受信信号のフレーム構成とそのフレームのフレームヘッダ(FH)の構成を示している。(a)は受信信号のフレーム構成を示し、(b)は(a)のフレームのフレームヘッダを拡大した構成を示している。放送信号としては、図2(a)のように複数のフレームが連続的に送信されてくる。
【0018】
受信信号は周期的に既知の信号が挿入されたフレーム構成の信号である。DTMBのフレームはフレームヘッダ(FH)とフレームボディ(FB)で構成されており、FHにはフレームを識別するための既知の信号(PN系列)が挿入されている。さらに、FHは前半部分の系列の一部Qと後半部分の系列の一部RがPN系列の巡回拡張で構成されるという特徴を持っている。QとQ’は同じものであり、RとR’も同じものである。
【0019】
なお、DTMBでは時間領域の既知信号(フレームヘッダ:FH)として3通りのシンボル長さ420, 595, 945に対応した第1,第2,第3の放送モードがある。この第1,第2,第3のモードにおける3つの異なった長さのFHにそれぞれ挿入されている既知信号(PN系列)はシンボル長さ255,595,511を有している。そのうちの第2のモードは、FHとそれに含まれるPN系列は同じ長さとなっている。これらの第1,第2,第3のモードのうちの第2のモードを除いた第1,第3のモードでは、FHに挿入されるPN系列は、連続的に受信される所定数のフレームに関してフレーム毎に一定の規則でFH範囲内で位置的に変動する(これをFH変動という)。
【0020】
以下の説明では、3つのモードのうちの第1のモード(FH長が420)を具体例として上げて説明する。
図3はFH変動におけるPN系列のシフトの様子を示している。FH変動は図2(b)に示すPN系列が図3のようにフレーム毎に固有の変化量で左右にシフトする。変化量はあるフレーム番号(fr#と記す)を境に少なくなりフレーム周期で変化量は0に戻る。この変動パターンによりフレームを識別することができる。一般的には、フレーム番号fr#は0〜Mとすると、最大のフレーム番号Mは3つのモードごとに異なっている。第1のモード(FH長が420)では、M=224となっている。
【0021】
第1のモード(FH長が420の場合)に関しては、フレーム番号fr#0〜224の225枚のフレーム数によって形成される期間をスーパーフレームと呼んでいる。図3の例では、PN系列はfr#0から徐々にシフトしていき、fr#112のところで基準より最もずれた状態となり、fr#224で最初のフレーム番号fr#0の位置に戻ってくる。fr#224とfr#0は内容は同じであり、従ってfr#224とfr#0と2フレーム同じPN系列で送信される。
【0022】
ここで、モード判別回路115について説明する。
本実施形態の構成においては、第1〜第3の3つの放送モードを判別するモード判別回路115が設けられている。モード判別回路115は、判別された放送モードに対応して既知信号抽出回路102,第1の分散配置回路103,系列発生回路111,第2の分散配置回路112,及びピーク検出回路107を制御し、受信信号の周波数誤差検出を受信モードに適応して行うようにしている。例えば分散配置する際に、モードの情報が必要となるので、先にモードを判定してから周波数誤差を検出することが可能となる。周波数誤差の検出とモードの判定を同時に行うことはできない。
【0023】
モード判別回路115の判定方法としては、例えば、時間領域で受信信号のFHと参照信号(3通り)で相関を取り、最も相関値の高いモードを放送モードと判定する方法がある。
【0024】
従って、3つのモードの放送信号を受信可能とする受信機に用いられる周波数誤差検出装置では、モード判別回路によって、放送信号のモードを自動判別し、判別された放送モードに対応した周波数誤差検出を行うことが可能となる。
【0025】
次に、図1の動作を説明する。
図1において、受信信号は既知信号抽出回路102に入力され、受信PN系列が抽出される。抽出されたPN系列は、分散配置回路103へ入力される。
【0026】
分散配置回路103は、図4に示すように受信PN系列を周波数変換の区間(PN系列長以上)に分散配置して出力する。ここで、周波数変換区間とは、PN系列長以上の固定区間であり、本実施形態ではシンボル長さ3780のフレームボディ(FB)を周波数変換する際に使用する図示しない周波数変換回路の周波数変換区間と同じにしている。図4は受信PN系列をN個(Nは例えばPN系列長と同じシンボル数である)に分割して、図示しないFB用の周波数変換回路における周波数変換の区間内に分散配置した例を示している。図4においては、(a)に示すN個のシンボルからなるPN系列を、(b)に示すように1シンボルごとに、周波数変換区間に均等に分散させている。第1のモードのときは、Nは255シンボルである。周波数変換区間はどのモードについても例えばFB用の周波数変換器の変換区間であるシンボル数3780に固定されているので、分散配置される間隔はモードごとに異なることになる。
【0027】
受信PN系列が、受信PN系列を分散配置する間の補間方法については、固定値で埋める方法、ランダムな系列値で埋める方法、既知信号抽出回路で抽出した既知信号のデータをコピーする方法などが利用できる。
【0028】
第1の周波数変換回路104は、分散配置された受信PN系列をFFTやDFTなどのアルゴリズムにより、時間領域の信号を周波数領域の信号へ変換し出力する。このように、分散配置することによって、PN系列長よりも長い周波数変換器で周波数変換を行う場合(例えばFB用の周波数変換回路(図示略)における周波数変換区間)でも、不連続点(後述する図7B参照)に起因する不要な高周波成分を抑えることができる。第1の遅延検波回路105は分散配置後に周波数領域に変換された受信PN系列の隣接キャリア間の位相差を算出し出力する。第1の遅延検波回路105から出力される隣接キャリア間の位相差は、受信PN系列が基準信号(PN系列)に対する周波数誤差がある場合、その位相差自体が基準の位相差とは異なったものとなって出力される。
【0029】
一方、系列発生回路111は、受信FHのPN系列と同一の系列を参照信号として発生し出力する。第2の分散配置回路112は受信信号と同様の方法で参照信号を周波数変換の区間に分散配置して出力する。第2の周波数変換回路113は、分散配置された参照信号をFFTやDFTなどのアルゴリズムにより、時間領域の信号を周波数領域の信号へ変換し出力する。第2の遅延検波回路114は分散配置後に周波数領域に変換された参照信号の隣接キャリア間の位相差を算出し出力する。この参照信号の位相差はあらかじめ計算したものを保存しておいて利用することも可能である。
【0030】
相関演算回路106は、受信PN系列の位相差と、参照信号の位相差との相関値を算出し出力する。
図5は相関演算回路の構成及び処理を示している。
相関演算回路106は、参照信号Srの複数のサンプル値を保持する系列保持部116と、受信PN系列Scを1サンプルずつシフトさせながら保持する系列保持部117と、系列保持部116を構成するm個のレジスタ部a-1〜a-mの各サンプル値と系列保持部117を構成するm個のレジスタ部b-1〜b-mの各サンプル値とを対応する同士で互いに乗算するm個の乗算器M1〜Mmと、乗算器M1〜Mmのm個の乗算結果を加算し、相関値として出力する加算器118と、を備えている。なお、受信PN系列側の遅延検波出力、参照信号側の遅延検波出力、及び相関値はいずれも周波数領域での値として得られる。図5に示したデータSc,Srは周波数変換後の波形となる。受信PN系列,参照信号をそれぞれ周波数領域に変換後、周波数領域にて相関演算を行う。
【0031】
この構成では、相関演算回路106は受信PN系列Scを1サンプルずつシフトさせながら、参照信号Srとの積和演算を行うことによって相関値が得られる。矢印119はシフト方向を示している。
【0032】
ピーク検出回路107は、相関値より強い電力を持つピークを一つ以上検出し、基準となるピーク位置0との差τより周波数誤差を算出する。ピーク位置0のところには、受信PN系列と参照信号とに周波数誤差がなく両者が一致したときにピークが立つ。両者に周波数誤差があった場合は、図5に示すようにSrに対してScがずれた状態からScを1サンプルずつある固定の量(最大シフト量)までシフトさせる。最大シフト量によって検出可能な最大の周波数誤差が変わってくる。1サンプルずつシフトしながらピークが最大となるまでのシフト量τを測定する。この測定したシフト量τの逆数を演算することによって周波数誤差を算出することができる。
【0033】
ここで、受信PN系列Scを1サンプル分だけシフトしたときの周波数誤差量は、モードごとに相違している。
【0034】
次に、図6〜図10を参照して、図1〜図5の構成のうち分散配置によって得られる利点を中心に更に説明する。
図6はDTMBの第1のモード(FH長=420シンボル、PN系列長x=255シンボル)におけるフレーム構成とFHの変動及びそのFH変動時における既知信号(受信PN系列)の抽出処理を説明するものである。フレームヘッダFBの長さに関しては、第1〜第3のモードで共通の3780シンボルである。
【0035】
FHは図2に示すように巡回拡張された構成となっているので、FHの範囲内で受信PN系列が図3に示したように変動しても受信PN系列の抽出範囲を図6に示すようにFH長の中央に設定しておけば、PN系列を抽出することが可能である。
【0036】
図7Aは、抽出した受信PN系列xを分散配置することなく、この受信PN系列xを、FB用の周波数変換回路の周波数変換区間(シンボル長3780)の先頭から割り当てた場合の,周波数変換後から見た周波数変換前の系列を示している。この場合、受信PN系列xは255の長さであり、3780−255(=3525)の期間はデータのない期間となるので、固定値0で補間している。ここでは,不連続点を視覚的にわかりやすくするために正弦波を用いて説明している.実際には,図7Bの波形はPN系列になるので0または1の2値になる。周波数変換後から見た周波数変換前の波形Bには、不連続点e,g,hが存在している。
【0037】
図7Cは、受信PN系列を、FB用の周波数変換回路の周波数変換区間(シンボル長3780)に対して分散配置した状態を示している。図7Dは、図7Cの分散配置した状態のPN系列を、FB用の周波数変換回路(兼用)によって周波数変換した後の波形であってその周波数変換後から見た周波数変換前の波形を示している。図7Dの二点鎖線に示す包絡線の波形には図7Bの波形に現れた不連続点e,g,h(特に図7Bに示したフレームとフレームとの各周期の間の不連続点g)はなくなり、滑らかな波形となっている。
【0038】
図8は、分散配置することなく周波数変換した場合(図7A,B)における、周波数変換後における周波数特性Hと、分散配置した状態で周波数変換した場合(図7C,D)における、周波数変換後における周波数特性Iとを示している。横軸は周波数f、縦軸はパワーPである。受信PN系列xを分散配置しないときの周波数変換後から見た周波数変換前の波形に、不連続点が存在すると周波数変換後に本来の信号にはない不要な高周波成分が生じる。反対に、周波数変換後から見た周波数変換前の波形に、図7Dに示したように不連続点が存在することなく滑らかになっていることは、周波数変換後の波形Iでは不要な高周波成分が低減されていることを意味している。
【0039】
図9において、(a)は受信PN系列の遅延検波後(即ち相関演算前)の周波数特性を示し、(b)は参照信号の遅延検波後(即ち相関演算前)の周波数特性を示している。
遅延検波後における、受信PN系列での周波数特性(a)と参照信号での周波数特性(b)との両者に図9に示すように周波数誤差がなければ、この両者間で図5に示したような相関演算(積和演算)を行うと、図10に示す時間軸上では時間0のところにピークP1が立つことになる。図9(a)及び(b)のように周波数特性が全く同じ状態に対して、図5に示したように受信PN系列が参照信号に対して周波数誤差を生じた状態では、受信PN系列を1サンプルずつシフトさせ(最大ピークまでにシフト量t1を要して)ピークP2が得られたときには、図10に示すように位置0からのシフト量t1がサンプルずれとして測定され、これに基づいて周波数誤差を算出することができる。
【0040】
3通りの放送モードに対する異なるFH長(又はPN系列長)に対して予め決めた一種類の周波数変換回路の周波数変換区間に分散配置するので、1つの周波数変換回路で処理することができる。
第1の実施形態によれば、既知信号の長さに依存しないで一種類の周波数変換回路で周波数誤差検出できるので、回路規模削減効果が大きい。
【0041】
本実施形態では、例えばFB長3780のFB用の周波数変換回路を使ってそれよりも短い決まった固定区間(例えば255シンボル区間)のPN系列の周波数変換を行う。分散配置は、変動しているPN系列に対してある決まった固定区間xを抽出することによる不連続点の対策として行っている。補足すると,FHが変動している場合、抽出する区間xで抽出される系列はフレーム毎に異なる。一方,参照信号は固定(例えば図3に示すfr#0の255シンボルの区間)である。xは図2にあるように巡回拡張で生成されているから、連続性を保つように周波数変換ができれば,周波数変換後のxは周波数変換後の参照信号を位相シフトをしただけで同じ信号として扱うことができる。分散配置は、上記の連続性を保つように周波数変換するために行っている。したがって、フレーム番号が未知でかつFHの変動があっても周波数誤差を検出可能である。
【0042】
[第2の実施形態]
図11は本発明の第2の実施形態の周波数誤差検出装置のブロック図を示している。
図11に示す周波数誤差検出装置100Aは、図1の構成に対して、振幅抑圧回路108と、平均化回路109と、出力選択回路110とを加えた点で異なっている。
【0043】
振幅抑圧回路108は、第1の周波数変換回路104と第1の遅延検波回路105との間に設けられ、第1の周波数変換回路104の出力である周波数領域の信号に基づいて算出した閾値と比較して信号の振幅を抑圧し、第1の遅延検波回路105へ出力する。振幅抑圧回路108は、例えば、周波数領域に変換された受信PN系列の平均電力から閾値を算出し、閾値を越える瞬時電力のキャリアを抑圧する。抑圧方法は閾値でクリッピングする方法や、0にする方法が利用できる。
【0044】
平均化回路109は、第1の遅延検波回路105と相関演算回路106との間に設けられ、第1の遅延検波回路105の出力をフレーム単位で平均化し、相関演算回路106へ出力する。平均化回路109は、例えば、遅延検波回路105の出力をフレーム単位で2フレーム以上平均化し出力する。
【0045】
出力選択回路110は、ピーク検出回路107からの、異なる時間の受信信号より検出した2つ以上の周波数誤差から選択して出力する。出力選択回路110は、例えば、複数のフレームに対して周波数誤差を算出したものを記憶しておき、その中から最終出力として出力する周波数誤差を選択する。選択方法としては、複数の周波数誤差の中から最も頻度の高い周波数誤差を選択する方法や、連続して規定回数同じ周波数誤差が得られた時点でその周波数誤差を選択する方法が考えられる。
【0046】
第2の実施形態によれば、振幅抑圧回路を加えることによって、単一周波数の連続波による妨害(CW妨害)などの妨害波を除去できるので、周波数誤差の検出精度を向上させることができる。
平均化回路を加えることによって、ランダム成分であるノイズを除去し、相関値に含まれるSN比が改善できるので、周波数誤差の検出精度を向上させることができる。
出力選択回路を加えることによって、受信信号の受信品質が劣悪な場合でも複数回検出した結果から最も確からしい出力を選択できるため、周波数誤差を向上させることができる。
【0047】
なお、図11では、図1の装置に対して、振幅抑圧回路108と、平均化回路109と、出力選択回路110と、の3つ回路を設けた構成を示しているが、図1の装置に対してこれらの3つの回路のうちの少なくとも1つを設けた構成であっても、周波数誤差の検出精度を増す効果が得られる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
100,100A…周波数誤差検出装置、101…受信信号の入力端子、102…既知信号抽出回路、103…第1の分散配置回路、104…第1の周波数変換回路、105…第1の遅延検波回路、106…相関演算回路、107…ピーク検出回路、108…振幅抑圧回路、109…平均化回路、110…出力選択回路、111…系列発生回路、112…第2の分散配置回路、113…第2の周波数変換回路、114…第2の遅延検波回路、120…周波数誤差信号の出力端子。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、無線通信の受信機における周波数誤差検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
放送及び通信分野においては、フレーム等の一定長のブロック単位でデータ伝送が行われる。受信機は、伝送データ中にフレーム単位で格納されているフレーム同期信号等の識別子を検出し、このフレーム同期によりフレーム単位での復調処理を行っている。
【0003】
例えば、中国(中華人民共和国)地上デジタル放送規格のDTMB(Digital Terrestrial Multimedia Broadcast)においては、フレームは、フレームボディ(以下、FB)とフレームヘッダ(以下、FH)とによって構成されている。FBには、変調されたソースストリームデータとシステム情報とが組み合わさった3780個のシンボルが格納されている。また、FHには、フレームを識別するための既知信号として擬似ランダムノイズ系列(以下、PN系列)が格納されている。DTMBは、FHとして3通りのFH長さを有しており、この3つのFH長さに対応して第1〜第3の放送モードを有している。
【0004】
ところで、受信機の受信信号として、周波数領域に変換した受信信号を入力し、この周波数領域に変換した受信信号と周波数領域に挿入された既知信号との相関を取り基準値からの変化量を求めることによって、周波数誤差を検出する技術がある。
【0005】
一方、受信機の受信信号として、時間領域に変換した受信信号を入力し、時間領域に変換した受信信号を周波数変換すると共に時間領域に挿入された既知信号を周波数変換し、この周波数変換された既知信号が伝送路で受けた歪みの影響を推定し、その推定値に基づいて受信信号に対して周波数的な歪み(周波数誤差)の補正を行う技術がある。
【0006】
しかしながら、DTMBにおいて、前述したように時間領域の受信信号を周波数変換により周波数領域の信号として周波数的な歪み(誤差)を検出する場合、時間領域の既知信号の長さに対応した周波数変換回路が必要になる。DTMBでは時間領域の既知信号(フレームヘッダ:FH)として3通り(シンボル長さ420, 595, 945)用意されており、FHを周波数変換して利用する場合、この3通りの既知信号に対する3つの周波数変換回路と、シンボル長さ3780のフレームボディ(FB)を周波数変換するための1つの周波数変換回路とを併せて少なくとも4種類の周波数変換回路が必要になり、回路規模が大きくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−304217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、時間領域の受信信号を周波数変換により周波数領域の信号として周波数的な歪み(誤差)を検出する場合、周波数変換回路が小さくて済み、回路規模を少なくすることができる周波数誤差検出装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の実施形態の周波数誤差検出装置は、
周期的に変化する既知信号を挿入されている受信信号に対して既知信号を抽出する既知信号抽出回路と、
前記既知信号抽出回路で抽出した既知信号を固定区間の中に分散配置させる第1の分散配置回路と、
前記第1の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第1の周波数変換回路と、
前記第1の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第1の遅延検波回路と、
前記周期的に変化する既知信号と同じ系列を発生させる系列発生回路と、
前記系列発生回路で発生させた既知信号を固定区間の中に分散配置させる第2の分散配置回路と、
前記第2の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第2の周波数変換回路と、
前記第2の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第2の遅延検波回路と、
前記第1の遅延検波回路の出力と前記第2の遅延検波回路の出力との相関値を出力する相関演算回路と、
前記相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し,基準値からの差分を算出し周波数誤差として出力するピーク検出回路と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態の周波数誤差検出装置を示すブロック図。
【図2】DTMBのフレーム構成とフレームヘッダの構成を示す図。
【図3】フレームヘッダの変動を示す図。
【図4】分散配置回路の処理を示す図。
【図5】相関演算回路の処理を示す図。
【図6】DTMBの第1のモードにおけるフレーム構成とFHの変動及びそのFH変動時における既知信号(受信PN系列)の抽出処理を説明する図。
【図7】受信PN系列の分散配置による利点を説明する図。
【図8】受信PN系列を分散配置することなく周波数変換した場合の周波数特性Hと、分散配置した状態で周波数変換した場合の周波数特性Iとを示す図。
【図9】受信PN系列の遅延検波後(相関演算前)の周波数特性と、参照信号の遅延検波後(相関演算前)の周波数特性とを示す図。
【図10】時間的なずれから周波数誤差を算出する方法を説明する図。
【図11】本発明の第2の実施形態の周波数誤差検出装置を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明の実施の形態では,受信信号に含まれる時間領域の既知信号を抽出し、この時間領域の既知信号を周波数変換し、その周波数変換された既知信号に対して、既知の参照信号との相関演算を行い、相関値のずれに基づいて受信信号の周波数誤差を検出するための周波数誤差検出装置を説明する。以下、DTMBを例として説明する。
【0012】
[第1の実施形態]
図1は本発明の第1の実施形態の周波数誤差検出装置のブロック図を示している。本実施形態では、DTMBにおける受信機に用いられる周波数誤差検出装置について説明する。
【0013】
図1に示す第1の実施形態の周波数誤差検出装置100は、受信信号の入力端子101と、既知信号抽出回路102と、第1の分散配置回路103と、第1の周波数変換回路104と、第1の遅延検波回路105と、系列発生回路111と、第2の分散配置回路112と、第2の周波数変換回路113と、第2の遅延検波回路114と、相関演算回路106と、ピーク検出回路107と、周波数誤差信号の出力端子120と、モード判別回路115と、を備える。
【0014】
既知信号抽出回路102は、周期的に変化する既知信号が挿入されている受信信号から既知信号を抽出する。
第1の分散配置回路103は、既知信号抽出回路102で抽出した既知信号を固定区間の中に分散配置させる。
第1の周波数変換回路104は、第1の分散配置回路103の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する。
第1の遅延検波回路105は、第1の周波数変換回路104の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する。
【0015】
系列発生回路111は、前述の周期的に変化する既知信号と同じ系列を発生させるものである。
第2の分散配置回路112は、系列発生回路111で発生させた既知信号を固定区間の中に分散配置させる。
第2の周波数変換回路113は、第2の分散配置回路112の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する。
第2の遅延検波回路114は、第2の周波数変換回路113の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する。
【0016】
相関演算回路106は、第1の遅延検波回路105の出力と第2の遅延検波回路114の出力との相関値を出力する。
ピーク検出回路107は、相関演算回路106からの相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し,基準値からの差分を算出し周波数誤差として出力する。
【0017】
図2はDTMBにおける受信信号のフレーム構成とそのフレームのフレームヘッダ(FH)の構成を示している。(a)は受信信号のフレーム構成を示し、(b)は(a)のフレームのフレームヘッダを拡大した構成を示している。放送信号としては、図2(a)のように複数のフレームが連続的に送信されてくる。
【0018】
受信信号は周期的に既知の信号が挿入されたフレーム構成の信号である。DTMBのフレームはフレームヘッダ(FH)とフレームボディ(FB)で構成されており、FHにはフレームを識別するための既知の信号(PN系列)が挿入されている。さらに、FHは前半部分の系列の一部Qと後半部分の系列の一部RがPN系列の巡回拡張で構成されるという特徴を持っている。QとQ’は同じものであり、RとR’も同じものである。
【0019】
なお、DTMBでは時間領域の既知信号(フレームヘッダ:FH)として3通りのシンボル長さ420, 595, 945に対応した第1,第2,第3の放送モードがある。この第1,第2,第3のモードにおける3つの異なった長さのFHにそれぞれ挿入されている既知信号(PN系列)はシンボル長さ255,595,511を有している。そのうちの第2のモードは、FHとそれに含まれるPN系列は同じ長さとなっている。これらの第1,第2,第3のモードのうちの第2のモードを除いた第1,第3のモードでは、FHに挿入されるPN系列は、連続的に受信される所定数のフレームに関してフレーム毎に一定の規則でFH範囲内で位置的に変動する(これをFH変動という)。
【0020】
以下の説明では、3つのモードのうちの第1のモード(FH長が420)を具体例として上げて説明する。
図3はFH変動におけるPN系列のシフトの様子を示している。FH変動は図2(b)に示すPN系列が図3のようにフレーム毎に固有の変化量で左右にシフトする。変化量はあるフレーム番号(fr#と記す)を境に少なくなりフレーム周期で変化量は0に戻る。この変動パターンによりフレームを識別することができる。一般的には、フレーム番号fr#は0〜Mとすると、最大のフレーム番号Mは3つのモードごとに異なっている。第1のモード(FH長が420)では、M=224となっている。
【0021】
第1のモード(FH長が420の場合)に関しては、フレーム番号fr#0〜224の225枚のフレーム数によって形成される期間をスーパーフレームと呼んでいる。図3の例では、PN系列はfr#0から徐々にシフトしていき、fr#112のところで基準より最もずれた状態となり、fr#224で最初のフレーム番号fr#0の位置に戻ってくる。fr#224とfr#0は内容は同じであり、従ってfr#224とfr#0と2フレーム同じPN系列で送信される。
【0022】
ここで、モード判別回路115について説明する。
本実施形態の構成においては、第1〜第3の3つの放送モードを判別するモード判別回路115が設けられている。モード判別回路115は、判別された放送モードに対応して既知信号抽出回路102,第1の分散配置回路103,系列発生回路111,第2の分散配置回路112,及びピーク検出回路107を制御し、受信信号の周波数誤差検出を受信モードに適応して行うようにしている。例えば分散配置する際に、モードの情報が必要となるので、先にモードを判定してから周波数誤差を検出することが可能となる。周波数誤差の検出とモードの判定を同時に行うことはできない。
【0023】
モード判別回路115の判定方法としては、例えば、時間領域で受信信号のFHと参照信号(3通り)で相関を取り、最も相関値の高いモードを放送モードと判定する方法がある。
【0024】
従って、3つのモードの放送信号を受信可能とする受信機に用いられる周波数誤差検出装置では、モード判別回路によって、放送信号のモードを自動判別し、判別された放送モードに対応した周波数誤差検出を行うことが可能となる。
【0025】
次に、図1の動作を説明する。
図1において、受信信号は既知信号抽出回路102に入力され、受信PN系列が抽出される。抽出されたPN系列は、分散配置回路103へ入力される。
【0026】
分散配置回路103は、図4に示すように受信PN系列を周波数変換の区間(PN系列長以上)に分散配置して出力する。ここで、周波数変換区間とは、PN系列長以上の固定区間であり、本実施形態ではシンボル長さ3780のフレームボディ(FB)を周波数変換する際に使用する図示しない周波数変換回路の周波数変換区間と同じにしている。図4は受信PN系列をN個(Nは例えばPN系列長と同じシンボル数である)に分割して、図示しないFB用の周波数変換回路における周波数変換の区間内に分散配置した例を示している。図4においては、(a)に示すN個のシンボルからなるPN系列を、(b)に示すように1シンボルごとに、周波数変換区間に均等に分散させている。第1のモードのときは、Nは255シンボルである。周波数変換区間はどのモードについても例えばFB用の周波数変換器の変換区間であるシンボル数3780に固定されているので、分散配置される間隔はモードごとに異なることになる。
【0027】
受信PN系列が、受信PN系列を分散配置する間の補間方法については、固定値で埋める方法、ランダムな系列値で埋める方法、既知信号抽出回路で抽出した既知信号のデータをコピーする方法などが利用できる。
【0028】
第1の周波数変換回路104は、分散配置された受信PN系列をFFTやDFTなどのアルゴリズムにより、時間領域の信号を周波数領域の信号へ変換し出力する。このように、分散配置することによって、PN系列長よりも長い周波数変換器で周波数変換を行う場合(例えばFB用の周波数変換回路(図示略)における周波数変換区間)でも、不連続点(後述する図7B参照)に起因する不要な高周波成分を抑えることができる。第1の遅延検波回路105は分散配置後に周波数領域に変換された受信PN系列の隣接キャリア間の位相差を算出し出力する。第1の遅延検波回路105から出力される隣接キャリア間の位相差は、受信PN系列が基準信号(PN系列)に対する周波数誤差がある場合、その位相差自体が基準の位相差とは異なったものとなって出力される。
【0029】
一方、系列発生回路111は、受信FHのPN系列と同一の系列を参照信号として発生し出力する。第2の分散配置回路112は受信信号と同様の方法で参照信号を周波数変換の区間に分散配置して出力する。第2の周波数変換回路113は、分散配置された参照信号をFFTやDFTなどのアルゴリズムにより、時間領域の信号を周波数領域の信号へ変換し出力する。第2の遅延検波回路114は分散配置後に周波数領域に変換された参照信号の隣接キャリア間の位相差を算出し出力する。この参照信号の位相差はあらかじめ計算したものを保存しておいて利用することも可能である。
【0030】
相関演算回路106は、受信PN系列の位相差と、参照信号の位相差との相関値を算出し出力する。
図5は相関演算回路の構成及び処理を示している。
相関演算回路106は、参照信号Srの複数のサンプル値を保持する系列保持部116と、受信PN系列Scを1サンプルずつシフトさせながら保持する系列保持部117と、系列保持部116を構成するm個のレジスタ部a-1〜a-mの各サンプル値と系列保持部117を構成するm個のレジスタ部b-1〜b-mの各サンプル値とを対応する同士で互いに乗算するm個の乗算器M1〜Mmと、乗算器M1〜Mmのm個の乗算結果を加算し、相関値として出力する加算器118と、を備えている。なお、受信PN系列側の遅延検波出力、参照信号側の遅延検波出力、及び相関値はいずれも周波数領域での値として得られる。図5に示したデータSc,Srは周波数変換後の波形となる。受信PN系列,参照信号をそれぞれ周波数領域に変換後、周波数領域にて相関演算を行う。
【0031】
この構成では、相関演算回路106は受信PN系列Scを1サンプルずつシフトさせながら、参照信号Srとの積和演算を行うことによって相関値が得られる。矢印119はシフト方向を示している。
【0032】
ピーク検出回路107は、相関値より強い電力を持つピークを一つ以上検出し、基準となるピーク位置0との差τより周波数誤差を算出する。ピーク位置0のところには、受信PN系列と参照信号とに周波数誤差がなく両者が一致したときにピークが立つ。両者に周波数誤差があった場合は、図5に示すようにSrに対してScがずれた状態からScを1サンプルずつある固定の量(最大シフト量)までシフトさせる。最大シフト量によって検出可能な最大の周波数誤差が変わってくる。1サンプルずつシフトしながらピークが最大となるまでのシフト量τを測定する。この測定したシフト量τの逆数を演算することによって周波数誤差を算出することができる。
【0033】
ここで、受信PN系列Scを1サンプル分だけシフトしたときの周波数誤差量は、モードごとに相違している。
【0034】
次に、図6〜図10を参照して、図1〜図5の構成のうち分散配置によって得られる利点を中心に更に説明する。
図6はDTMBの第1のモード(FH長=420シンボル、PN系列長x=255シンボル)におけるフレーム構成とFHの変動及びそのFH変動時における既知信号(受信PN系列)の抽出処理を説明するものである。フレームヘッダFBの長さに関しては、第1〜第3のモードで共通の3780シンボルである。
【0035】
FHは図2に示すように巡回拡張された構成となっているので、FHの範囲内で受信PN系列が図3に示したように変動しても受信PN系列の抽出範囲を図6に示すようにFH長の中央に設定しておけば、PN系列を抽出することが可能である。
【0036】
図7Aは、抽出した受信PN系列xを分散配置することなく、この受信PN系列xを、FB用の周波数変換回路の周波数変換区間(シンボル長3780)の先頭から割り当てた場合の,周波数変換後から見た周波数変換前の系列を示している。この場合、受信PN系列xは255の長さであり、3780−255(=3525)の期間はデータのない期間となるので、固定値0で補間している。ここでは,不連続点を視覚的にわかりやすくするために正弦波を用いて説明している.実際には,図7Bの波形はPN系列になるので0または1の2値になる。周波数変換後から見た周波数変換前の波形Bには、不連続点e,g,hが存在している。
【0037】
図7Cは、受信PN系列を、FB用の周波数変換回路の周波数変換区間(シンボル長3780)に対して分散配置した状態を示している。図7Dは、図7Cの分散配置した状態のPN系列を、FB用の周波数変換回路(兼用)によって周波数変換した後の波形であってその周波数変換後から見た周波数変換前の波形を示している。図7Dの二点鎖線に示す包絡線の波形には図7Bの波形に現れた不連続点e,g,h(特に図7Bに示したフレームとフレームとの各周期の間の不連続点g)はなくなり、滑らかな波形となっている。
【0038】
図8は、分散配置することなく周波数変換した場合(図7A,B)における、周波数変換後における周波数特性Hと、分散配置した状態で周波数変換した場合(図7C,D)における、周波数変換後における周波数特性Iとを示している。横軸は周波数f、縦軸はパワーPである。受信PN系列xを分散配置しないときの周波数変換後から見た周波数変換前の波形に、不連続点が存在すると周波数変換後に本来の信号にはない不要な高周波成分が生じる。反対に、周波数変換後から見た周波数変換前の波形に、図7Dに示したように不連続点が存在することなく滑らかになっていることは、周波数変換後の波形Iでは不要な高周波成分が低減されていることを意味している。
【0039】
図9において、(a)は受信PN系列の遅延検波後(即ち相関演算前)の周波数特性を示し、(b)は参照信号の遅延検波後(即ち相関演算前)の周波数特性を示している。
遅延検波後における、受信PN系列での周波数特性(a)と参照信号での周波数特性(b)との両者に図9に示すように周波数誤差がなければ、この両者間で図5に示したような相関演算(積和演算)を行うと、図10に示す時間軸上では時間0のところにピークP1が立つことになる。図9(a)及び(b)のように周波数特性が全く同じ状態に対して、図5に示したように受信PN系列が参照信号に対して周波数誤差を生じた状態では、受信PN系列を1サンプルずつシフトさせ(最大ピークまでにシフト量t1を要して)ピークP2が得られたときには、図10に示すように位置0からのシフト量t1がサンプルずれとして測定され、これに基づいて周波数誤差を算出することができる。
【0040】
3通りの放送モードに対する異なるFH長(又はPN系列長)に対して予め決めた一種類の周波数変換回路の周波数変換区間に分散配置するので、1つの周波数変換回路で処理することができる。
第1の実施形態によれば、既知信号の長さに依存しないで一種類の周波数変換回路で周波数誤差検出できるので、回路規模削減効果が大きい。
【0041】
本実施形態では、例えばFB長3780のFB用の周波数変換回路を使ってそれよりも短い決まった固定区間(例えば255シンボル区間)のPN系列の周波数変換を行う。分散配置は、変動しているPN系列に対してある決まった固定区間xを抽出することによる不連続点の対策として行っている。補足すると,FHが変動している場合、抽出する区間xで抽出される系列はフレーム毎に異なる。一方,参照信号は固定(例えば図3に示すfr#0の255シンボルの区間)である。xは図2にあるように巡回拡張で生成されているから、連続性を保つように周波数変換ができれば,周波数変換後のxは周波数変換後の参照信号を位相シフトをしただけで同じ信号として扱うことができる。分散配置は、上記の連続性を保つように周波数変換するために行っている。したがって、フレーム番号が未知でかつFHの変動があっても周波数誤差を検出可能である。
【0042】
[第2の実施形態]
図11は本発明の第2の実施形態の周波数誤差検出装置のブロック図を示している。
図11に示す周波数誤差検出装置100Aは、図1の構成に対して、振幅抑圧回路108と、平均化回路109と、出力選択回路110とを加えた点で異なっている。
【0043】
振幅抑圧回路108は、第1の周波数変換回路104と第1の遅延検波回路105との間に設けられ、第1の周波数変換回路104の出力である周波数領域の信号に基づいて算出した閾値と比較して信号の振幅を抑圧し、第1の遅延検波回路105へ出力する。振幅抑圧回路108は、例えば、周波数領域に変換された受信PN系列の平均電力から閾値を算出し、閾値を越える瞬時電力のキャリアを抑圧する。抑圧方法は閾値でクリッピングする方法や、0にする方法が利用できる。
【0044】
平均化回路109は、第1の遅延検波回路105と相関演算回路106との間に設けられ、第1の遅延検波回路105の出力をフレーム単位で平均化し、相関演算回路106へ出力する。平均化回路109は、例えば、遅延検波回路105の出力をフレーム単位で2フレーム以上平均化し出力する。
【0045】
出力選択回路110は、ピーク検出回路107からの、異なる時間の受信信号より検出した2つ以上の周波数誤差から選択して出力する。出力選択回路110は、例えば、複数のフレームに対して周波数誤差を算出したものを記憶しておき、その中から最終出力として出力する周波数誤差を選択する。選択方法としては、複数の周波数誤差の中から最も頻度の高い周波数誤差を選択する方法や、連続して規定回数同じ周波数誤差が得られた時点でその周波数誤差を選択する方法が考えられる。
【0046】
第2の実施形態によれば、振幅抑圧回路を加えることによって、単一周波数の連続波による妨害(CW妨害)などの妨害波を除去できるので、周波数誤差の検出精度を向上させることができる。
平均化回路を加えることによって、ランダム成分であるノイズを除去し、相関値に含まれるSN比が改善できるので、周波数誤差の検出精度を向上させることができる。
出力選択回路を加えることによって、受信信号の受信品質が劣悪な場合でも複数回検出した結果から最も確からしい出力を選択できるため、周波数誤差を向上させることができる。
【0047】
なお、図11では、図1の装置に対して、振幅抑圧回路108と、平均化回路109と、出力選択回路110と、の3つ回路を設けた構成を示しているが、図1の装置に対してこれらの3つの回路のうちの少なくとも1つを設けた構成であっても、周波数誤差の検出精度を増す効果が得られる。
【0048】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
100,100A…周波数誤差検出装置、101…受信信号の入力端子、102…既知信号抽出回路、103…第1の分散配置回路、104…第1の周波数変換回路、105…第1の遅延検波回路、106…相関演算回路、107…ピーク検出回路、108…振幅抑圧回路、109…平均化回路、110…出力選択回路、111…系列発生回路、112…第2の分散配置回路、113…第2の周波数変換回路、114…第2の遅延検波回路、120…周波数誤差信号の出力端子。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周期的に変化する既知信号を挿入されている受信信号に対して既知信号を抽出する既知信号抽出回路と、
前記既知信号抽出回路で抽出した既知信号を固定区間の中に分散配置させる第1の分散配置回路と、
前記第1の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第1の周波数変換回路と、
前記第1の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第1の遅延検波回路と、
前記周期的に変化する前記既知信号と同じ系列を発生させる系列発生回路と、
前記系列発生回路で発生させた既知信号を固定区間の中に分散配置させる第2の分散配置回路と、
前記第2の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第2の周波数変換回路と、
前記第2の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第2の遅延検波回路と、
前記第1の遅延検波回路の出力と前記第2の遅延検波回路の出力との相関値を出力する相関演算回路と、
前記相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し,基準値からの差分を算出し周波数誤差として出力するピーク検出回路と、
を具備したことを特徴とする周波数誤差検出装置。
【請求項2】
前記第1の周波数変換回路と前記第1の遅延検波回路との間に設けられ、前記第1の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号に基づいて算出した閾値と比較して信号の振幅を抑圧し、前記第1の遅延検波回路へ出力する振幅抑圧回路と、
前記第1の遅延検波回路と前記相関演算回路との間に設けられ、前記第1の遅延検波回路の出力をフレーム単位で平均化し、前記相関演算回路へ出力する平均化回路と、
前記ピーク検出回路からの、異なる時間の前記受信信号より検出した2つ以上の前記周波数誤差から選択して出力する出力選択回路と、
のうちの少なくとも1つの回路をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項3】
前記第1の分散配置回路および第2の分散配置回路は、分散配置された既知信号間の区間を固定値で補間するか,ランダムな系列で補間するか,前記既知信号抽出回路で抽出した既知信号を複製して補間することを特徴とする請求項1又は2に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項4】
前記振幅抑圧回路は、前記閾値と比較した結果,信号の振幅をクリッピングするか,0にすることにより振幅を抑圧することを特徴とする請求項2に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項5】
前記出力選択回路は、2つ以上の前記周波数誤差から最も頻度の多い前記周波数誤差を出力するか,規定回数以上連続で同一の前記周波数誤差を検出した前記周波数誤差を出力することを特徴とする請求項2に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項6】
前記第1の周波数変換回路は、前記受信信号に含まれるデータ信号を周波数変換するためのデータ用の周波数変換回路と兼用されるものであり、
前記固定区間は、データ用の前記周波数変換回路の周波数変換区間であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の周波数誤差検出装置。
【請求項7】
複数の放送モードを判別するモード判別回路を、さらに具備し、
判別された放送モードに対応して受信信号の周波数誤差検出を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の周波数誤差検出装置。
【請求項1】
周期的に変化する既知信号を挿入されている受信信号に対して既知信号を抽出する既知信号抽出回路と、
前記既知信号抽出回路で抽出した既知信号を固定区間の中に分散配置させる第1の分散配置回路と、
前記第1の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第1の周波数変換回路と、
前記第1の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第1の遅延検波回路と、
前記周期的に変化する前記既知信号と同じ系列を発生させる系列発生回路と、
前記系列発生回路で発生させた既知信号を固定区間の中に分散配置させる第2の分散配置回路と、
前記第2の分散配置回路の出力を周波数変換し周波数領域の信号に変換する第2の周波数変換回路と、
前記第2の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号を遅延検波することにより隣接周波数成分間の位相変動量を算出する第2の遅延検波回路と、
前記第1の遅延検波回路の出力と前記第2の遅延検波回路の出力との相関値を出力する相関演算回路と、
前記相関値のうち電力の大きいピークを1つ以上検出し,基準値からの差分を算出し周波数誤差として出力するピーク検出回路と、
を具備したことを特徴とする周波数誤差検出装置。
【請求項2】
前記第1の周波数変換回路と前記第1の遅延検波回路との間に設けられ、前記第1の周波数変換回路の出力である周波数領域の信号に基づいて算出した閾値と比較して信号の振幅を抑圧し、前記第1の遅延検波回路へ出力する振幅抑圧回路と、
前記第1の遅延検波回路と前記相関演算回路との間に設けられ、前記第1の遅延検波回路の出力をフレーム単位で平均化し、前記相関演算回路へ出力する平均化回路と、
前記ピーク検出回路からの、異なる時間の前記受信信号より検出した2つ以上の前記周波数誤差から選択して出力する出力選択回路と、
のうちの少なくとも1つの回路をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項3】
前記第1の分散配置回路および第2の分散配置回路は、分散配置された既知信号間の区間を固定値で補間するか,ランダムな系列で補間するか,前記既知信号抽出回路で抽出した既知信号を複製して補間することを特徴とする請求項1又は2に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項4】
前記振幅抑圧回路は、前記閾値と比較した結果,信号の振幅をクリッピングするか,0にすることにより振幅を抑圧することを特徴とする請求項2に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項5】
前記出力選択回路は、2つ以上の前記周波数誤差から最も頻度の多い前記周波数誤差を出力するか,規定回数以上連続で同一の前記周波数誤差を検出した前記周波数誤差を出力することを特徴とする請求項2に記載の周波数誤差検出装置。
【請求項6】
前記第1の周波数変換回路は、前記受信信号に含まれるデータ信号を周波数変換するためのデータ用の周波数変換回路と兼用されるものであり、
前記固定区間は、データ用の前記周波数変換回路の周波数変換区間であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1つに記載の周波数誤差検出装置。
【請求項7】
複数の放送モードを判別するモード判別回路を、さらに具備し、
判別された放送モードに対応して受信信号の周波数誤差検出を行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載の周波数誤差検出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−205122(P2012−205122A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−68479(P2011−68479)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
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