周術期に用いられる多機能加温装置
【課題】患者に着せて周術期に患者を対流加温可能な多機能加温装置を提供する。
【解決手段】周術期用多機能加温装置20には臨床衣22と、臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流加温装置が含まれる。1つの対流装置60は、臨床衣の2つの袖53の間で臨床衣の上部に横方向に配置される。それぞれが特定のモードの加温を可能にするための、独立に膨張し得るセクションを有する第2対流装置70は、臨床衣の下部に縦に配置される。いずれの場合でも、患者に接着固定するために取り付け機構が対流装置に隣り合って備えられる。
【解決手段】周術期用多機能加温装置20には臨床衣22と、臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流加温装置が含まれる。1つの対流装置60は、臨床衣の2つの袖53の間で臨床衣の上部に横方向に配置される。それぞれが特定のモードの加温を可能にするための、独立に膨張し得るセクションを有する第2対流装置70は、臨床衣の下部に縦に配置される。いずれの場合でも、患者に接着固定するために取り付け機構が対流装置に隣り合って備えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明技術分野には、臨床衣が衣服の内面に少なくとも1個の対流加温装置を支持する、周術期用多機能加温装置が含まれる。ある態様では、臨床衣を横切ってその袖の間を通る、臨床衣の内部に支持される細長い対流装置を有する臨床衣を含む多機能加温装置を本発明分野はカバーする。この分野にはさらに、付属機構により患者に多機能加温を保障することも含まれる。
【0002】
本明細書では、装置から体への熱の移動を意味する用語「対流」は、装置の熱移動の主要な方式を指すが、対流の程度ほどではないが熱は同時に装置から体へ伝導および放射でも移動し得ることも理解される。
【背景技術】
【0003】
本出願は2005年10月20日出願米国仮特許出願番号60/729,000、および2006年8月4日出願米国仮特許出願番号60/835,602に対する優先権を主張する。
【0004】
本出願は以下の特許出願の主題に関連する主題を含み、その全ては本出願と共有され、援用される。
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US03/11128、2003年4月10日出願、題名「患者の快適装置およびシステム」、公開番号WO2003/086500として2003年10月23日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US05/025355、2005年7月18日出願、題名「周術期用加温装置」、公開番号WO2006/020170として2006年2月23日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US05/043968、2005年12月6日出願、題名「浸透性の異なる加温装置」、公開番号WO2006/062910として2006年6月15日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US05/044214、2005年12月6日出願、題名「加温装置」、公開番号WO2006/063027として2006年6月15日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US06/004644、2006年2月9日出願、題名「周術期用加温装置」、公開番号WO2006/086587として2006年8月17日公開;
米国特許出願番号10/411,865、2003年4月10日出願、題名「患者快適装置及びシステム」、公開番号US2003/0195596として2003年10月16日公開、特許番号7,001,416として2006年2月21日付け特許権交付;
米国特許出願番号10/508,319、2004年9月20日出願、題名「患者快適装置及びシステム」、公開番号US2005/0143796として2005年6月30日公開;
米国特許出願番号11/005,883、2004年12月7日出願、題名「透過性の異なる加温装置」、公開番号US2006/0122671として2006年6月8日公開;
米国特許出願番号11/006,491、2004年12月7日出願、題名「加温装置」、公開番号US2006/0122672として2006年6月8日公開;
米国特許出願番号11/057,396、2005年2月11日出願、題名「周術期用装置」、公開番号US2006/0184215として2006年8月17日公開;
米国特許出願番号11/057,403、2005年2月11日出願、題名「周術期用加温装置」、公開番号US2006/0184217として2006年8月17日公開;
米国特許出願番号11/057,404、2005年2月11日出願、題名「快適加温および予備加温用臨床衣」、公開番号US2006/0184218として2006年8月17日公開;および
米国特許出願番号11/363,136、2006年2月27日出願、題名「強制空気加温ユニット」、公開番号US2006/0147320として2006年7月6日公開。
【0005】
熱を人体に移動する対流装置は公知である。例えば、加圧加温空気の流れを受け取り、加圧空気に応じて膨張し、加温空気を空圧構造内に分布させ、加温空気を体に吹き付け、快適さを増し、震えを減らし、低体温症を治療または予防する等の目的を達成する装置がある。これらの装置は典型的には「対流熱ブランケット」または「カバー」と呼ばれるが、便宜上、本議論および以下の明細書では単に「熱ブランケット」と呼ぶことにする。本出願の譲渡人であるArizantHealthcare社は、この様な装置をBAIR HUGGER(登録商標)で製造販売している。この様な装置の1つはModel 522Upper Body Blanketである。
【0006】
熱ブランケットは治療のための加温が指示される特定の展開のために具体的に設計されている。先行技術で公知の3つの代表的な熱ブランケットが図1A〜1Dに示される。「全身」熱ブランケット10が図1Aに示される。踵の近くまたは足から首まで、実質的に患者の全身を覆うために、全身熱ブランケットを患者の上に置き、患者の体に沿って縦方向に広げて用いられる。「下半身」熱ブランケット12が図1Bに示される。踵の近くまたは足から腰または骨盤まで患者の下半身を覆うため、熱ブランケットを患者の上に置き、患者の体に沿って縦方向に広げて用いられる。「上半身」熱ブランケットは図1Cおよび1Dに図示される。患者の胸と広げた腕を覆うため、上半身熱ブランケット15は患者の体の上に置き、患者の上半身を横切って広げる様に用いられる弓状の形を有する。ヘッドドレープ16は患者の頭17を覆うために上半身熱ブランケット15の上に形成されるか、それに取り付けられ、手術中に治療のための加温を助けるためにブランケット15を通って頭の周りに噴き出す加温化空気を維持する。加温加圧気流を供給すると、熱ブランケット10、12、15のそれぞれが膨張し、その中に空気を分布させる。熱ブランケットは患者の上に置かれているが、加温加圧空気は開口部または患者に向き合う熱ブランケットの透過性表面を通って流れる。これらの熱ブランケットは、空気ホース19がヒーター/送風機ユニットにより加温加圧空気を提供する、1つまたは複数の差込ポート18を有する(これらの図面には示されていない)。
【0007】
従来技術の熱ブランケットの構造はよく分っている。具体的な構造の例は米国特許5,620,482、米国特許5,443,488、米国特許5,360,439および米国特許5,304,213に記載されている。米国特許5,974,605も参照。
【0008】
加温装置をカバーする発明は引用された公開番号WO2003/086500に開示されるが、ローブまたはガウン等の臨床衣が対流装置を支持するために用いられ、その臨床衣を着ている患者を暖めて快適かつ動き易くする。周術期に使用するための多機能加温装置をカバーする発明は引用された公開米国特許2006/0122671に記載され、加温装置は臨床衣と臨床衣の内面に支持される対流装置で構成され、快適加温と治療加温とに用いられる。
【0009】
用語「周術期」は、PDR MEDICAL Dictionary、第2版(Medical Economics Company、2000)に「手術の時間の周辺」と定義されている。周術期は患者が手術の準備を受けている、手術前の時間(術前期)、それに続く手術で費やす時間(術中期)、および手術後の麻酔の影響から回復しつつある間の合併症に対して患者を詳しくモニターしている時間(術後期)を含む流れが特徴である。
【0010】
Mahoneyらによれば(「手術中の液温の維持:コストを伴う成果のメタ分析」、AANA Journal、 4/99;67、2:155−164)、低体温症がもたらす効果を阻止または和らげるために、治療用加温が少なくとも術中期間に行われる。実際、周術期に適温を保つことは、手術からの迅速で有効な回復に対する見通しを増大させることがますます明らかになっている。例えば、周術期の適温の維持は、結腸直腸手術を受ける患者で手術創感染の発生率を下げる1つの因子であると思われる(KurzA、Sessler DI、LenhardtR.、「手術創感染率を減少させ入院期間を短縮するための周術期の適温化、創感染および温度グループの研究」、N.Engl. J. Med.、1996年5月9日;334(19):1209−1215)。他の研究も、周術期適性温度の維持が低コストで手術の成果を改善することを示唆している(Harper、CM.、McNicholasT.、Gowrie−Mohan S.「周術期の適性温度の維持」、BMJ.2003年4月5日:326(7392):721−722)。治療加温の有効性は患者の体に十分な熱を配送し、患者の中核体温を狭い範囲、典型的には約37℃に上げ、その範囲に温度を保つことに依存している。この範囲は「適正温度」と呼ばれ、中核体温がこの範囲にある体は「適温」状態である。低体温症は中核体温が36℃以下の場合に生じ、中程度の低体温症は中核体温が34〜36℃の範囲にあるときに生じる。従って、「周術期加温」とは、低体温症の防止または治療のために1つ以上の周術期中に行い得る加温治療である。
【0011】
治療加温は、患者の「熱的快適感」を維持または増大することを目的とする「快適加温」とは対照的である。当然、治療加温は震え、または悪寒を緩和することにより患者を快適にもし得るが、これは2次的または補助的効果であり、快適加温も何らかの治療効果を有し得る。しかしながら、熱的快適性は主観的概念であり、人間の一定数に熱的快適感を生じる環境条件はよく知られ、十分に纏められている。例えば、Fangerは熱的快適性を「熱的環境に満足を示す心の状態」と定義している(「熱的快適性:環境工学の分析と応用」、DanishTechnical Press、Copenhagen、1970)。患者が適温であっても、理想的な環境条件以下では急性の不快感を生じ得る。適性温度条件下では、熱的快適性は中核体温でなく、皮膚温度を参照して決められることが多い。快適加温は、患者の熱的不快感を緩和するために患者に加えられる加温である。
【0012】
治療用加温は周術期の任意の1つ以上の間に指示される。例えば、加温装置がない短い外科手術では、体温を正常より高いレベルに上昇させるために患者は手術室内で手術前に暖められ、加熱することなく術中期に適温を維持するに十分な熱エネルギーを蓄える。手術後、回復室で治療用加温を施し、中核体温を適温に上昇させ、麻酔が覚める期間中その温度を保つことが必要である。または、加熱装置を使用できる場所での長い手術では、手術前に患者は快適加温され、手術中および手術後に治療のために加温される。
【0013】
治療用加温は、典型的には図1A〜1Dに示される熱ブランケット等の対流装置で提供される。治療用加温のための全身熱ブランケットの使用例は、本発明出願と共有される米国特許6,524,332、「低体温症を予防または治療するための患者の加温システムおよび方法」に見出される。対流手段による快適加温は参照する公報WO2003/086500に記載されている。
【0014】
対流装置で送達される場合、その意図する効果とこれらの効果を生じる熱送達のパラメーターにより、治療用加温は快適加温と区別される。この点に関し、対流加温システムには典型的に加温加圧空気源(ヒーター/送風機ユニット、強制空気加温ユニット、ヒーターユニット等とも呼ばれる)、対流装置(典型的には膨張可能)およびヒーター/送風機ユニットと対流装置とを繋ぐ柔軟導管または空気ホースが含まれる。特定のタイプの加温に対するこの様なシステムの使用には、特定の目的を達成するパラメーター値における対流装置を通じた加温空気の配送が必要である。例えば、快適加温では、空気が対流装置に入る前のホース末端での温度は、常温から42℃の範囲である(WO2003/086500、11ページ、24〜26行)。熱ブランケット等の対流装置が安静状態にある適温患者に熱的快適性を与える条件は、低体温症の処置が必要である条件とはかなり異なる。典型的には、熱的快適性に対する条件は、圧力と温度の1つの組み合わせでの気流を配送する、比較的低容量のヒーター/送風機ユニットを有するシステムで行われるが、治療用加温システムにおける条件は、圧力と温度の別な組み合わせで気流を配送する比較的高容量のヒーター/送風機ユニットで行われる。または、1個のヒーター/送風機ユニットを制御付きで提供し、快適性の維持と治療のための加温との間で運転状況を変化させるために空気圧と温度の組み合わせを調節することもできる。
【0015】
健康管理コストは国際的に重要な問題である。周術期の加温コストは、患者が温められる周術期の数と直接関連する。異なった目的を達成するために異なった期間で異なった加温装置を使用する場合、コストは上昇する。上記に示した関連出願に記載の加温構成で、移動し易さ、快適性および治療が最近組み合わされている。しかしながら、現在はそれ単独または他の快適および治療用加温構成との組み合わせで、図1Cおよび1Dに示された熱ブランケットで利用できる上半身治療加温に対するオプション付の1台の加温装置構成はない。
【0016】
このため、図1Cおよび1Dに示される上半身熱ブランケット15が胸部、腹部および骨盤手術中に頻繁に使用される。よく知られている様に、患者の中核体温はこの様な手術中に急速に低体温症レベルに低下し得る。低体温症の効果を阻止または緩和するため、特に手術が長引く場合、上半身ブランケットを手術中の治療加温のために展開する必要がある。WO2003/086500に記載の快適加温装置、または米国特許2006/0122671に記載の周術期加温装置で手術前に加温した場合、患者は手術が始まる時間まで加温装置を装着していることになる。しかしながら、双方の場合で、手術部位および治療加温のために患者の上半身に接近可能である様に、手術前に患者から臨床衣は取り除かれる。その結果、上半身熱ブランケットを開梱し、使用可能にし、手術中に加温を実施可能にする必要がある。手術後、治療(例えば低体温症の緩和)または快適性のために加温が指示されるが、この場合、手術前に使用された加温装置または他の加温装置か、または熱ブランケットを患者の上に広げる必要がある。明らかに、実質的な便利さとコストのかなりの減少が、患者に着せることが可能で、手術前の快適加温と手術中に様々な治療加温(胸部、腹部および骨盤手術)を提供し、必要あれば手術後に治療または快適加温を提供し得る1台の多機能加温装置の周術期使用で得られる。
【0017】
2006年8月17日付け公報US2006/0184217は、上半身熱ブランケットが臨床衣の内面に取り付けられた、周術期に使用する加温装置を開示している。しかしながら、上半身熱ブランケットの使用には、患者に対して熱ブランケットを正しい方位に向けるために、熱ブランケットが内面から取り外され、使用のために再度取り付けられるか、または臨床衣が患者から取り除かれ、再度取り付けられることが必要である。何れの場合も、手術のために上半身熱ブランケットにアクセスする余分な工程が加温装置の使用を煩雑にし、患者に対応するために費やされる時間を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
患者に着せて周術期に患者を対流加温可能な多機能加温装置の使用に伴い、患者を暖めるために操作する場合のその位置を管理する対策を行わなければならない。例えば加温装置の活性化された対流要素または加温装置自体を、患者に対して固定し、または特定の位置にしっかりと取り付け、手術領域を明瞭に保つか、または特定の体の位置を目的とする対流加温の送達を維持する必要がある。現在、人体に対して加温装置または加温装置の対流要素を確実に固定するための加温装置自体の構造の対策はない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
多機能加温装置には、2つの対流装置を支持する内面を有する臨床衣が含まれる。1つの対流装置は、加温装置を着用している患者から加温装置を取り外さずに胸部、腹部および骨盤手術の間に治療加温を提供するために膨張する様に配置される。もう一方の対流装置は複数の別々に膨張し得るセクションを有する。少なくとも1つのセクションは臨床衣を着用する患者に快適加温を提供する様に操作され、少なくとももう1つのセクションは手術中に上半身に治療加温を提供するために操作し得る。
【0020】
さらに、多機能加温装置には、手術中に患者の上半身の治療加温を提供するために配置された対流装置を支持する内面を有する臨床衣が含まれる。加温装置には臨床衣に対して横方向で、かつその袖の間に伸びる、臨床衣の内面に支持された細長い対流装置を有する臨床衣が含まれる。臨床衣中の対流装置は臨床衣を着用する患者の胸に対向する様に位置決めされ、患者から臨床衣を取り外さないか、またはガウンから対流装置を取り外さずに手術中および手術後に患者の上半身上に展開使用可能である。
【0021】
さらに、多機能加温装置には好くなくとも1つの対流装置を支持する内面を有する臨床衣と、患者に密着して取り付けるために対流装置の隣に提供される取り付け機構が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図1B】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図1C】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図1D】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図2】周術期で用いる多機能加温装置を着用する患者を示す。
【図3A】2つの対流装置を支持する内面を示すために部分的に開いた臨床衣の、臨床衣の背面からの透視図である。
【図3B】多機能加温装置に治療加温を提供するための第1対流装置の平面図である。
【図3C】図3Cは第1対流装置の折畳み要素の詳細を示す。
【図3D】別々に膨張可能なセクションを有する第2対流装置が重なった、図3Bおよび3Cの第1対流装置の平面図である。
【図3E】第2対流装置と重なった関係にあり、第1対流装置の末端が折畳まれていない第1対流装置を示す平面図である。
【図3F】周術期用多機能加温装置の背面立体図である。
【図3G】取り付け機構の操作を示す拡大部分図である。
【図3H】取り付け機構の操作を示す拡大部分図である。
【図3I】取り付け機構の操作を示す拡大部分図である。
【図4A】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図4B】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図4C】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図4D】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図5A】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5B】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5C】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5D】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5E】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図6A】1個の上半身対流装置を備えた周術期用多機能加温装置を示す。
【図6B】1個の上半身対流装置を備えた周術期用多機能加温装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
周術期用多機能加温装置は臨床衣と、臨床衣の内面に支持される1つ以上の対流加温装置(以後「対流装置」と呼ぶ)とで構成される。この点に関し、「臨床衣」は臨床設備内で患者が一時的に着用するために典型的に用いられる衣服である。この様な臨床衣には病院用ガウン、ローブ、胸当ておよび他の同等なものが含まれる。臨床設備は内科または歯科診療所またはクリニック、病院または内科または歯科治療を患者に提供する任意の施設または機関である。対流装置は、体の中核および/または手足上に、または隣接して、または近接して配置される構造物内で、少なくとも1つの加温加圧空気流を受け取り、送達する。加温空気で加圧すると、対流装置はその1つ以上の表面を通って加温空気を放出する。
【0024】
ある態様では、患者が周術期用多機能加温装置を着用し、加温加圧空気流を受け取ると、加圧空気を対流装置の1つの中に送達し、対流装置の1つ以上の表面を通って空気を放出し、患者の体を温める。
【0025】
他の態様では、多機能加温装置は手術中の治療加温に用いられる。この点に関し、手術中に用いる対流装置を展開することによる治療加温に多機能加温装置が採用される一方、臨床衣およびその内面に取り付けられた任意の使用されない対流装置も畳み込まれ、手術部位に侵入しない様に位置決めされる。
【0026】
また別な態様では、患者が多機能加温装置を着用し、加温装置が加温加圧空気流を受け取り、その加圧空気を対流装置内に送達し、対流装置の1つ以上の表面を通ってその空気を放出し、患者の体を温める。取り付け機構が加温装置を患者の体に接着固定または取り付け、加温装置または対流装置が動かない様にする。
【0027】
以下に図示し議論する加温装置では、対流装置は膨張可能である。すなわち、その構造は使用しない場合は弛緩しているが、加圧空気を受け取るとぴんと張っている。
【0028】
ここで図面を参照すると周術期用の多機能加温装置20を着用した患者11が図2に示される。加温装置20は臨床衣22と、臨床衣22の内面上に支持される複数の対流装置(この図では示されない)で構成される。何れの対流装置も、対流装置の差込ポートに取り付けられるノズル付き空気ホースを通ってヒーター/送風機ユニット(本図には示されない)から加温加圧空気を受け取ることにより操作される。ノズル26付きの空気ホース24の1例が図2に示される。この様な差込ポートが図2の参照番号27で示される。差込ポート27は臨床衣22のフラップ28を通って接続される。他の対流装置差込ポートは、フラップ29および30等の臨床衣22の他のフラップを通ってアクセスされる。
【0029】
図3A〜3Fは周術期用多機能加温装置の要素を示す;組み立てた多機能加温装置20自体は図3Fに示される。図3Aおよび3Fは臨床衣22の背後から、その衣服の内面の方向を見たものであり、その臨床衣は患者の胸つまり胸部と向き合い、その上に2つの対流装置が取り付けられている。図3B〜3Dは膨張前の対流装置の平面図であり、ブランケットが膨張した場合、空気が患者の向かって放出される透過性表面の方向を見ている。図3Aおよび3Fで分かる様に、加温装置20には臨床衣22が含まれる。臨床衣22には内部表面43、2つのスリット44(図2にも見られる)、2つの向き合った横方向の縁取り45、下部縁取り47、および縦軸49が含まれる。臨床衣22は2つの向き合った袖53(図2にも示される)および窪んだ上端54を有する上部と、下部55を有する。臨床衣22の前部を通って差込ポートへアクセスするフラップ28、29および30は図3Aでも見られる。袖53は長くても短くてもよい。装置取り付けおよび/または静脈内注射のために患者の腕にアクセスしなければならない場合、短い袖が好ましい。各袖53には長い縫い目56(図2にも見られる)が含まれる。各縫い目56は例えばボタン、スナップ、ホックおよびループ材料、テープ、および/またはストラップ、または任意のそれらの等価物を含む手段57で閉じられる。この様な手段は縫い目56を閉じる、および一度開いたら縫い目を再度閉じる様に操作することができる。袖口58を臨床衣22の袖53の内面、袖53の末端の近くに形成し得る。臨床衣22は片開きでもよい。臨床衣22が背後で開くことが好ましい。図3Aに示す様に開放は全体でもよいが、下部縁取り47から立ち上がるスリットでもよい。図3Aに示す例によれば、開放部は、縁取りを一緒に保つために取り外し可能に結合する横方向縁取り45に沿って手段59により閉じることができる。この様な手段には例えばボタン、スナップ、ホックおよびループ材料、テープおよび/またはストラップ、またはそれらの任意の等価物が含まれる。図3Aの例に従えば、開放部を閉じるためにストラップを使用した場合、ストラップは臨床衣22に取り付けられるか、または臨床衣22の製造工程として臨床衣と一体製造される。単なる例ではあるが、上部51で対向する向き合った横方向の縁取り45を結びつけるための一体に形成された2つのストラップ59cが図3Aに示される。2つの別なストラップを十分な長さで臨床衣22の外面に取り付け、臨床衣の外面の周囲を、その中間部近くで結びつけてもよい。横方向縁取り45の重なりが十分であると、臨床衣22の開放部を完全に閉じて固定することができ、横方向縁取りが重なって患者の秘部を隠蔽することができる。臨床衣22は不織布または織布で製造することができる。臨床衣22がスパンレースポリエステルと木材パルプの不織混紡で製造されることが好ましい。
【0030】
図3Bでは、第1対流装置60が治療加温を行う展開のために完全に開いた状態で示される。図3Cでは、第1対流装置60の要素が折畳んで示される。双方の図で、図はブランケットが膨張した場合に加温空気が放出される対流装置60の透過性表面の方向を向いている。これらの図で分かる様に、第1対流装置60には差込ポート61、それぞれが対応する末端63へ移行する2つの横方向に伸びる腕62、透過性表面64および下部エッジ65が含まれる。各末端63は一般に周辺部63pを有する四辺形を有する。典型的には、周辺部63pにはある程度の幅のシールが含まれる。第1対流装置60のある態様では、紐63tが部分または穿孔63wのラインにより周辺部64pに一体的に形成されるか、または定められる。図3Bには1つの紐63tが点線の輪郭で示されるが、それが形成される周辺部63pから部分的に離れている。この様な紐は、第1対流装置60を展開して使用する場合に第1対流装置60を固定するために用いられる。離れた紐63tから理解される様に、紐の末端近くの弓形により他の紐、患者または手術領域の装置と結び合わせ易くなる。この点に関し譲渡人の米国特許5,773,275参照。任意でスリット63sが末端63の外面エッジの近くのシール中に形成されてもよい。スリット63sは穿孔のラインによりシール内で画定される。スリット63sを設ける場合、末端63を広げるための手がかりとして使用する、および/または患者の伸ばした腕の手を受け取るためにスリットが開かれ、第1対流装置60が膨張し操作される場合、末端63を留めつけるまたは固定する。
【0031】
使用前に第1対流装置60を詰め込むために、末端63の対向する側面は図3Bの矢印68aで示す様に相互に折畳まれ、次いで図3Cの矢印68bで示す様に折畳まれる。折り畳みにより、臨床衣22のそれぞれの袖53に合う長さに各末端63が短くなる。臨床衣22と第1対流装置60との間に容易に詰め込める様に折畳むことが好ましい。折畳んだ形状の末端は臨床衣22の袖の中の内面の袖口58に収納できる。これにより、対応する手で折畳みを掴むことなく、延長側面を不注意に展開することなく、患者が臨床衣22の袖を通って腕を挿入することができる。ゲート折、アコーディオン折または任意の同等な折畳みも使用できるが、末端63はZ−折りで折畳むことが好ましい。より一般的には、末端63は折畳まれるか、巻き取られるか、または詰め込まれ、袖口58に末端63を詰め込んでしまいこみ、第1対流装置が治療加温に用いられる場合に広げるために有用である所定の長さの減少およびきちんとした圧縮を行う任意の方法で収納される。第1対流装置60は、各末端63とそれぞれの横方向へ伸びる側面62との間69で横に伸びる一連の弱いラインまたは穿孔ラインを有する。
【0032】
図3Bおよび3Cをさらに参照すると、ある態様では第1対流装置60には、好ましくは両面テープ66の形の取り付け機構が含まれる。両面テープ66は対流装置60の片面の、第1対流装置60の透過性表面64のシールされた下部に、両末端63の間に中心がある下部エッジ65に沿って取り付けられることが好ましい。図3Bを参照すると、目で見える両面テープ66の表面66bは、剥がしてテープの両面が覆われる接着剤を暴露できる非接着性のバッキングで覆われている。便宜上、取り付け機構が搭載された透過性表面64のシールされた下部は、取り付け機構のいずれの面もシールされた下部から剥がし、取り付け機構がその縦方向エッジ上で旋回できる穿孔66pで囲まれている。穿孔66pはまた、取り付け機構を使用後に取り除くことを可能にする。
【0033】
図3Bおよび3Cを参照すると、1つの差込ポート61が第1対流装置60に図示されているが、場合によっては1つ以上の追加差込ポートが備えられてもよい。空気が逃げるのを避けるため、未使用差込ポートを既知の手段でシールする、または閉じておく。好ましくは、差込ポート61が図には見えない第1対流装置60の表面を通って備えられるか、第1対流装置60のエッジを通って備えられる。差込ポート61は空気ホースのノズルを受けるための開口部61b付の硬い材料のカラー61aを有するか、またはその材料の袖を有するか、または任意の他の等価の構造を有する。第1対流装置60が治療加温に用いられる場合、袖の末端は袖口58から取り外され、広げられる。次いで差込ポート61等の差込ポートを通って流れる加圧空気が第1対流装置60をその中心部から末端63へ膨張させる。
【0034】
独立に膨張可能なセクションを有する第2対流装置70が図3Dに示される。第2対流装置70の「セクション」とは、第2対流装置70の任意の他のセクションから独立に膨張し操作し得る第2対流装置70の部分または区分である。例えば、第2対流装置70はセクション71およびセクション72を有する。セクション71をセクション72から独立に膨張させて操作し、セクション72をセクション71から独立に膨張させて操作できる。
【0035】
図3Dに示す第2対流装置70では、セクション71は差込ポート74、上部エッジ75、細長い中心部76、および中心部76を垂直に結合する上部および下部横断部77および78を有する。上部および下部横断部77および78の末端は丸められ、図3Cの平面図ではセクション71は「ドッグボーン」の形を有する。または、セクション71は上部および下部にクロスバーを有する大文字のIの形を有する。1つの差込ポート74がセクション71に図示されるが、必要な場合は1つ以上の追加差込ポートを備えてもよい。未使用の差込ポートはそこを通って空気が逃げるのを阻止するため、既知の手段でシールする、または閉じておく。差込ポート74は、図には示されない第2対流装置70の表面を通って取り付けられるのが好ましい。差込ポート74は空気ホースのノズルを受け取るための開口部74b付の硬い材料のカラー74aを有するか、またはその材料の袖を有するか、または任意の他の等価な構造を有する。中心部76の空間は横断部77および78の空間と流体連通し、差込ポート74を通って流れる加圧空気が部分76〜78全体に流れ、その結果第1セクション71を膨張させる。部分76〜78の表面を含む、図3Dに示すセクション71の表面79は透過性であり、セクション71中に流れ込み膨張させる加圧空気を臨床衣22の内部へ(すなわち装置20を着用する患者に向かって)排出する。第1セクション71のある態様では、セクション71の透過性表面79を通って排出される空気の温度の変化を減少する、またはなくするために、部分76〜78の表面の透過性は変わり得る。
【0036】
図3Dに示す様に、第2セクション72は下部エッジ82およびサイドエッジ83および84を有するU字型輪郭を有する。セクション72は一般に、第1セクション71を3方で囲む輪郭を形成する。1つの差込ポート85がセクション72に示されるが、便宜上1つ以上の差込ポートを備えてもよい。未使用の差込ポートはそれを通って空気が逃げるのを防ぐため、既知の方法でシールされるか閉じられている。差込ポート85は図3Fには示されない第2対流装置70の表面を通って設けられることが好ましいが、第2対流装置70のエッジを通って設けられてもよい。差込ポート85は空気ホースのノズルを受け取るための開口部85bを有する硬い材料のカラー85aを有するか、同じ材料の袖を有するか、または任意の他の等価な構造を有する。差込ポート85を通って流れる加圧空気はセクション72を膨張させる。図3Fに示すセクション72の表面86は透過性であり、セクション72に流入して膨張させる加温加圧空気を臨床衣22の内部に向かって(すなわち装置20を着用する患者に向かって)放出させる。
【0037】
図3Dに示す第2対流装置70のある態様では、上部横断部77が臨床衣22を着用している患者の肩の間の上部胸に対しほぼ対向しそれを横断する様に位置決めするために、第1セクション71の上部エッジ75は第2対流装置の上部エッジ80に隣接している。この位置は上部横断部77が患者の快適加温のために空気を送達するのに有利である。
【0038】
第2対流装置70のドッグボーンおよびU型構造には制約がない。それは快適および治療加温のために独立に膨張できるセクションを装置にどの様に提供するかの1例に過ぎず、他の可能な2つのセクション構造が上記に列挙した関連出願に図示し説明されている。
【0039】
図3Dを参照すると、第2対流装置70のある態様では、第1セクション71の差込ポート74は、第2セクション72の差込ポート85を通る開口部85bより小さい開口部74bを有する。この場合、第1対流装置60の開口部61bおよび第2セクション72の開口部85bは同じサイズであることが好ましい。その結果、差込ポート74は差込ポート61および85で受け取られる空気ノズルの直径より小さい直径を有する空気ホースノズルを受け取る。より小さいノズル直径は、治療加温空気供給の空気ホースの直径より小さい直径を有する空気ホース付きの快適加温空気供給に重要である。さらに、より小さい空気ホースを、治療加温空気供給のヒーター/送風機ユニットの容量より小さい容量を有するヒーター/送風機ユニットと結合し、それらを第1対流装置60または第2対流装置70の第2セクション72の何れかと結合できる。より小さい直径のホース用の寸法の差込ポート74を備えることは、第1セクション71を快適加温のために設計された低容量ヒーター/送風機ユニットに対応して運転することを可能にする。より大きい直径のホース用の寸法の差込ポート61および85を備えることは、第1対流装置および第2対流装置70の第2セクション72を治療加温のために設計された高容量ヒーター/送風機ユニットに対応して運転することを可能にする。従って、第1対流装置60は治療加温のために製作され、第2対流装置70は快適加温のために製作された第1セクション71と治療加温のために製作された第2セクション72とを有する。
【0040】
図3Dは第1対流装置60および第2対流装置70が設置され、臨床衣22の内面43上に支持された、または製作された場合の両者の間の好ましい関係を示す。ブランケット60および70は、第2対流装置70の上部エッジ80が第1対流装置の下部エッジ65と重なり合う様に配置される。上部エッジ80を、タッキング、テーピングまたは上部エッジ80と第1対流装置60および/または臨床衣の内面43との間で作用する光接着剤で支持してもよい。
【0041】
図3Dに示す重なり合う上部エッジ80は両面テープ66を覆っているが、両面テープ66を第1対流装置60上に曝すために上部エッジを下部エッジ65から折り返してもよい。使用するために両面テープを展開する操作は図3G、3Hおよび3Iに示される。図3Gでは、両面テープ66の片面を下部エッジ65に沿って中心にある第1対流装置60に接着する。バッキングは第2対流装置70に向かい合う表面66に取り付けたままである。第2対流装置の上部エッジ80は下部エッジ65および両面テープ66と重なり合う。図3Hに示す様に使用するために展開すると、穿孔66pの2つの短いセクション(図3Bおよび3Cに最もよく示される)は引き裂かれている。これにより、両面テープ66が取り付けられる第1対流装置60の部分が縦方向のエッジ上で旋回可能になり、エッジに沿って搭載された両面テープ66を有する下部エッジ65が臨床衣(図示せず)の内面から離れ、第2対流装置70の上部エッジ80を越えて外向きに振れることができる。図3Iに示す様に、両面テープ66が取り付けられる第1対流装置60の部分は揺り戻され、上部エッジ80の外側に置かれる。この位置で、表面66b上のバッキングが剥がされ、テープ66が患者の皮膚に付着し、その結果加温装置が固定される。図3Bおよび3Cを参照して先に説明した様に、両面テープ66は穿孔66pの長いセクションに沿って引き裂くことにより、使用後に除去できる。または、一度テープが患者から取り除かれるとテープ66は上部エッジ80の後に詰め込まれ、上部エッジ80がテープに接着する。
【0042】
図3A〜3Dに捲かれた、または折畳まれた状態で示される、好ましくは透明なプラスチックシートで構成されるヘッドドレープ87は、ひとまとめにされた上部エッジ54(図3Aに示す)の近くの臨床衣22の内面43に取り付けられるか、または内面43(図3B〜3Dに示す)と向き合う表面上の第1対流装置60の上部エッジの近くに取り付けられる。
【0043】
図3Eでは、平面図は図3Dの好ましい関係にある対流装置60および70を示すが、第1対流装置60の末端63は広げられ、両面テープ66が回転し、ヘッドドレープ87は広げられている。
【0044】
図3は、図3A〜3Dに示す要素から組み立てた、周術期用多機能加温装置20を示す。多機能加温装置20では、第1および第2対流装置60および70が図3Dに示す関係で臨床衣22の内面43上に支持されている。図3Fは、対流装置60および70の透過性表面の方向に見たものである。第1および第2対流装置60および70は共に、縦軸49上に実質的に中心を置き、厚い底板(第2対流装置70)と、ベースに垂直である伸びた先端(第1対流装置60)とを有するT−型形状を形成する。
【0045】
図3に示す様に、第1対流装置60は、臨床衣22の内面43上に配置され、支持され、または構築された長い対流装置であり、上部51では縦軸49を横切り、袖53から袖53へ伸びている。第1対流装置60は上体熱ブランケットと同様、上記の様に臨床衣の内面上に支持され、その末端63が折畳まれた図3Bおよび3Cに示す構造を有し内面袖口58内に保持される、上半身対流装置である。臨床衣22の上部51の開口部(図2および3Aのフラップ29等)は、空気ホースが第1対流装置60の差込ポート61に接続可能であることにより接近できるようにし、対流装置60を胸部、腹部または骨盤手術中に治療加温のために運転できる。加温加圧空気が第1対流装置60内に流入してそれを膨張させ、透過性表面64を通って患者の方向に吹き出す。治療および快適加温のための独立に膨張可能なセクションを有する第2対流装置70が配置され、支持され、または下部55の内面43上に構築され、臨床衣22に対して縦方向に配置されており、縦軸49は第1対流装置60の下部エッジ65のすぐ上から下部縁取り47へ向かって伸びている。第2対流装置70は図3Dに示す構造を有することが好ましくドッグボーンの形のセクション71は快適加温を提供し、ドッグボーン形のセクション71を縁取る独立に膨張可能なセクション72は治療加温を提供する。臨床衣22の下部55の開口部(図2および3Aのフラップ28等)により、空気ホースが第2対流装置70の第1セクション71の差込ポート74に接続可能であることにより接近できるようにし、第1セクションを快適加温のために操作することができる。加温加圧空気は第1セクション71中に流れ込み、それを膨張させ、第1セクション71の透過性表面79を通って患者に向かって出てゆく。臨床衣22の下部55の開口部(図2のフラップ30等)により、空気ホースが第2対流装置70の第2セクション72の差込ポート85に接続可能であることにより接近できるようにし、第2セクションが治療加温のために操作される。加温加圧空気は第2セクション72中に流入してそれを膨張させ、第2セクション72の透過性表面86を通って患者に向かって出てゆく。
【0046】
第2セクション72の表面86の平均または中間透過率より低い表面79の平均または中間透過率のために、第2対流装置70の第1セクション71は快適加温に「適応して」いるとも言える。表面79のより低い平均透過率は、より小さい直径の空気ホースにより、より小さい差込ポートへ結合した比較的低い容量のヒーター/送風機ユニットから第1セクション71に入るより低い空気圧に適応している。同様に、第1セクション71の表面79の平均または中間透過率より高い表面86の平均または中間透過率のために、第2対流装置70の第2セクション72は治療加温に「適応して」いるとも言える。表面86のより高い平均透過率は、より大きい直径の空気ホースにより、より大きい差込ポートへ結合した比較的高い容量のヒーター/送風機ユニットから第2セクション72に入るより高い空気圧に適応している。
【0047】
第1および第2対流装置60および70のそれぞれは、閉じた不透過性の縫い目を有する2枚の材料をその周縁の周りで結合して形成でき、第2対流装置では1つ以上の追加の閉じた不透過縫い目が独立のセクションを画定する。1枚のシートは相対的に不透過性であり、もう一枚のシートは相対的により透過性であり、それを通って空気が流れることができる。シートは閉じた不透過性縫い目の中の不連続のシールまたは支点でさらに結合される。対流装置が形成される2枚のシートは、臨床衣22から分離できるが、この場合、対流装置は永久的に、または剥離可能に臨床衣22の内面43に取り付けられるか、固定されるか、または接着され、その透過性表面は内側に、装置20を着用する患者の方向に向いている。この点に関する構造の例は、PCT公開番号WO2003/086500の図1Aおよび1D、および図3A〜3Cに示される。または、相対的に透過性のシートを臨床衣22の内面に部分的に取り付けることにより、対流装置を相対的に不透過性材料で作成された臨床衣22と一体的に形成または構築できる。この点に関する構造の例は、PCT公開番号WO2003/086500の図1Dおよび1D、および図3D〜3Fに示される。
【0048】
周術期用の多機能加温装置の製作の現在の最良の方法によれば、第1および第2対流装置は臨床衣から独立に形成または組み立てられ、次いで内面に縫い付け、接着、ヒートシールまたは溶接、またはそれらの任意の組み合わせで取り付けられる。第1および第2対流装置のぞれぞれは、2枚の材料のヒートシールにより形成される。第1対流装置はその上にポリプロピレン層が押し出された不織材料層と、ポリプロピレンフィルムとで構成されるラミネートシートで形成される。ラミネートシートを通って穴が形成され、ポリプロピレン層がその周縁部の周りにシールされる。ポリプロピレンフィルムは臨床衣の内面に取り付けられ、不織材料が患者と向き合っている。臨床衣の内面にポリプロピレンフィルムを置く理由は、第1対流装置の嵩高さと硬さを減少し、加温装置を患者にとってより快適にするためである。第2対流装置に用いられた各シートはその1面上にポリプロピレン押し出し被覆を有するスパンボンド不織材料層を有する。この構造は第2対流装置の両面に用いられる。スパンボンド材料の押し出し被覆側面の1枚のシートは、第2対流装置の内部の膨張可能空間に面して、患者から離れた位置にある。ポリプロピレン押し出しは、不織材料を空気不透過性にする。空気が第2対流装置中に吹き込まれるその方法により、第2対流装置の患者側を選択的に穿孔することにより空気を患者に分散させることができ、このようにして第2対流装置の透過性表面を形成する。臨床衣の内面に向き合う第2対流装置の側面は不織であり、患者がその手をハンドスリット44内に滑り込ませる場合、柔らかい材料と快適に接触することになる。
【0049】
快適加温のため、第1対流装置60の末端63を図3B〜3Dに示す様に折畳んで多機能加温装置20を図2に示す様に着用した場合、対流装置を空気ホースに繋いで加温加圧空気流を受け取る。対流装置は気流に応じて膨張し、その透過性表面を通って気流を放出する。多機能加温装置20は手術前の快適加温のため臨床衣22内に加温空気を保持する。必ずしも必要ではないが、第2対流装置70の第1セクション71が手術前に快適加温のために操作されることが好ましい。第1セクション71を操作して快適加熱が行われる場合、加温される患者は臨床衣22の前面のスリット44を通してその手を挿入する。臨床衣22は臨床衣22と第2対流装置70との間の空間に開いており、対流装置70は臨床衣22の内面43に面している。これらのスリット44により、快適性のため手を事前に温める、および/または静脈内注射を行う場合、空間へ接近する余地を与える。または、図3Bおよび3Cを参照すると、第1対流装置60の末端63は捲かれるか折畳まれず、加温装置20を着用する患者の腕と手を覆う様に配置された袖53を通って伸ばされる。次いで、第1対流装置60が、静脈注射を受けるために腕と手を予備加温するための加温空気流により、フラップ29の下の膨張ポートを利用して膨張される。
【0050】
図4A〜4Cは、手術中の上半身熱ブランケットと同じ方法で患者を暖めるために、第1対流装置60を用いて多機能加温装置20を治療加温にどの様に適合されるかを示す。これらの図は、手術台(図示せず)上、好ましくは患者の腕のための十字型の支持台を有する手術台上に横たわる患者の上方位置から臨床衣22の前面方向に見たものである。図4Aでは、臨床衣22は袖53の中の縫い目56を開いて準備され、それにより袖53の後ろ部分を下部55の方向またはそれを越えて巻き込むまたは折畳むことができる。図4Bでは、第1対流装置60の末端63と同様、ヘッドドレープ87が巻き取られない。つまみ標的88(図3B〜3Dにも見られる)、またはタブ(図示せず)がヘッドドレープの自由な上端上に備えられ、ヘッドドレープを展開するために掴むことができる。末端63を巻きこまないことは、図5A〜5Eを参照して理解され得る。末端63は袖口58から自由であり、袖53の末端を通って広がり、患者の手および手首の上に位置する様に広げられる。
【0051】
図4Cでは、フラップ29を折り返して第1対流装置60の差込ポート61を外に曝し、ヒーター/送風機ユニット(図示せず)を空気ホースおよびノズル(図示せず)を経て差込ポート61と接続する。図3G、3Hおよび3Iとの関係で上記に説明した様に、両面テープ66を展開して使用する。すなわち、第2対流装置70の上部エッジは両面テープ66から引き抜き、バッキング66bがテープの外表面から抜き取られる。図4Cに示す様に、第1対流装置60の末端63およびヘッドドレープ87は完全に広げられ、テープ66が患者の体に接着固定され、臨床衣22の下部は第1対流装置60の上で、第2対流装置70と一緒に22fで巻き取りまたは折畳まれ、それにより多機能加温装置20の下部を手術部位から取り除く。図4Cは上半身対流装置の形の、患者の上に展開するために自由にされ、患者に固定され、その場で操作して胸部、腹部または骨盤手術中に治療加温を行う第1対流装置60を示す。操作すると、第1対流装置60はヒーター/送風機ユニットからの気流に応じて膨張し、その透過性表面を通って患者の方向に空気を放出する。ヘッドドレープ87と広げられた末端63は患者の頭および手の周りの暖かい空気を捕捉し、それにより中核体温が適温またはその近くに保たれる。
【0052】
図4Cを参照すると、手術後にヒーター送風機ユニットが第1対流装置60から外された場合、末端63が図3B、4Cおよび5Eに見られる穿孔69に沿って除去されるか、または第1対流装置60がそのままで、術後期間中の加温に使用され続ける。ヘッドドレープ87の上部は図4Cの穿孔89の線に沿って取外されるか、またはヘッドドレープはそのままで、術後期間中の加温に使用され続ける。図4Cを参照すると、臨床衣22の巻き取った部分22fは、第2対流装置70と一緒に第1対流装置60の中心から患者の足の方向に広げられる、または伸ばされ、その結果臨床衣22を患者が再度着用し得る様に組み替えられる。または、麻酔から回復している間に患者を手術後加温する必要がある場合、伸ばした臨床衣22は患者の周りの暖かい空気を捕捉するための、患者を覆うブラケットまたはドレープとして作用する。
【0053】
図4Dは、どの様にして多機能加温装置20を第2対流装置70を用いて治療加温に適応させ、手術中に下半身熱ブランケットと同じ方法で患者を暖めるかを示す。図は患者の上方位置から臨床衣22の前面に向かって見たものであり、患者は手術台(図示せず)上に、好ましくは患者の腕を十字に支持する手術台上に横たわっている。袖の縫い目56を分離し、患者の腕から袖を抜き取って、第2対流装置70の第2セクション72を用いて治療加温のために多機能加温装置20を図4Dに示す様に構成し得る。次に臨床衣22の上部55が患者の上半身から引き下げられ、22ffで下部55の上に第1対流装置60と共に巻き取られるか折畳まれる。臨床衣22を緩めるために紐100が解かれ、必要あれば手術部位を開けるために臨床衣22を患者の足の方向に滑らせる。取り付け機構66のテープが、図3G、3Hおよび3Iを参照して上記に説明した様に使用のために展開され、バッキング66bが取り除かれ、テープを患者の体に接着固定する。フラップ30が折り返されて第2セクション72の差込ポート85を露出し、ヒーター/送風機ユニット(図示せず)を空気ホースおよびノズル(図示せず)を経由して差込ポート85に接続する。第2対流装置70がこの様にして展開され、第2セクション72を用いて患者の上半身の手術中、下半身熱ブランケットと同じ方法で使用される。臨床ガウン22の側面は吊り下げられ、ドレープとして作用し、患者の周りの暖かい空気を捕捉する。手術後、臨床衣22を患者の上部胸の方向に滑らせ、そこで下部55から患者の肩の方向へ第1対流装置60と一緒に上部51を伸ばす、または広げる。袖53を患者の肩の上で上向きに引っ張り、縫い目56を肩および上腕の周りで合わせ、患者が着用するように臨床衣22を再構成する。または、患者が麻酔から回復する間に術後加温を必要とする場合、広げた臨床ガウン22は患者の周囲の加温空気を捕捉するために患者を覆うブランケットまたはドレープとして働く。
【0054】
第1対流装置の折畳んだ末端63を袖53の末端を通して広げる現在の最良の方法は図5A〜5Bを参照して最もよく理解されると思われるが、図は臨床衣22の左袖の前表面の方向に見たものである。従って、図示するために左袖を用いているが、右袖の対応する構成にも以下の説明が当てはまる。図5Aは袖口58内に折畳まれ巻き込まれた末端63に接近し得る様に、袖53に形成された弱いライン(好ましくは穿孔)を示す。穿孔90の2つの向かい合ったラインが袖53の末端近くに形成されるが、そのラインの1つは袖の前であり、向かい合ったラインは袖の前半分に向き合う袖口58の中間にある。または、穿孔91の1本のラインが袖の末端またはその近くに形成され、袖が袖口58に移行する。図5Bで最もよく見られる様に、穿孔90の第1パターンによりユーザーは袖53の前半分の末端93を引き裂くことができる。穿孔91の第2パターンにより、ユーザーは袖の末端の2つの側面を、図5Cに図示されるような方法で袖53の末端またはその近くで分離することができる。図5Dに示す様に、袖53の末端がひとたび開かれると、第1対流装置60の末端63の折畳まれた部分を袖口58の開かれたばかりの末端を通り、袖53の末端53を通って引き出すことができる。
【0055】
穿孔ライン90または91に関して袖53の内面に袖口58を形成するための、現在の最良の方法は、図3A、3D、3Fおよび5A〜5Cを参照して理解できる。この点に関し、穿孔の好ましいパターンが臨床衣22の袖53の前半分に形成される。第1および第2対流装置60および70は、上記の様に臨床衣22から独立に形成される。第1対流装置60は図3Bに示す完全に折畳んだ形状で内部表面43に向き合って置かれ、袖53の間を通り、その不透過性表面は内部表面43に向き合い、末端63の折畳んだ構成がその間に位置する。第1対流装置60は、その上部および下部エッジと袖53の前半分にある内面の部分との間で接着固定のラインにより内面43に取り付けられている。袖の末端に向かって、接着固定ラインは末端63の折畳み部分および穿孔90の不足のために停止し、縦軸49方向では、袖53が臨床衣22の本体と合体する場所で接合ラインが停止する。第1対流装置60の不透過性表面と内面との間の接着剤支点のラインは、取り付け機構66のすぐ上に備えられている。次いで各袖53の末端が袖52の内面に、内面43の方向に沿って折畳まれるが、その方向は相互に向かい合う穿孔90の2つのラインを、1つのラインは袖の内面、もう1つのラインは袖の外面に位置させるに十分な程度、または穿孔91の1本のラインを内面袖口58への移行部またはその近くに位置させるに十分な程度離れている。ひとたび折畳まれると、各袖の末端は袖を横切って横方向に伸びる接着固定の1本の長いストリップにより袖の内面に取り付けられる。図3Aおよび3Dを参照すると、各袖口58に対する接合のストリップは袖口と同じぐらいの幅である。これらの図面を参照してさらに理解される様に、袖口58に沿った接着固定のストリップは袖口と、第1対流装置60の上部エッジ62の上の袖53中の内部表面43の部分から伸びる痕跡との間を、袖の前半分中の第1対流装置60の透過性表面64の狭いストリップを横切り、袖の後ろ半分の内面の狭いストリップを横切って伸びている。袖53の末端近くの、または末端の穿孔パターンを開いた場合、ユーザーは袖の前面と第1対流装置60の不透過性表面とで決められた空間に到達し、その中に詰め込まれた第1対流装置の不透過性の折畳み末端部分を掴み、開口部を通って折畳まれた末端部分を広げる。接着固定のストリップは装置の透過性表面の小さなストリップしか閉じ込めないので、この構造は第1対流装置60の操作を若干しか妨害しない。同時に、この構造は臨床衣22の袖53に関して第1対流装置60の末端63の移動を確実に止める役割を果たす。
【0056】
加温装置は対流装置60のみで提供され、その他は必要ないことが明らかである。これは、加温装置110が臨床衣22と第1対流装置60等の細長い対流装置で構成される図6に示される。図6のこの図は臨床衣22の背後から、臨床衣の内部表面43の方向に見たものであり、臨床衣はそれを着用する患者と向き合っており、その上に対流装置60が臨床衣を着用する患者の上半身に向き合う様に搭載されている。図6に示す様に、対流装置60は臨床衣22の内面43上に配置され、支持されまたは構成される細長い対流装置であり、上部51では縦軸49を横切り、袖53から袖53へ伸びている。対流装置60は図3Bおよび3Cに示す構造を有する上半身対流装置でありその末端63は折畳まれ、袖口58の内部に保持されている。臨床衣22の上部51の1つ以上の開口部(図2および3Aのフラップ29等)により、治療加温用のブランケットを操作するために空気ホースを対流装置60の差込ポート61等の1つ以上の差込ポートに接続可能であることにより接近できるようにする。使用中、加温加圧空気が対流装置60内に流入してそれを膨張させ、透過性表面64を通って患者の方向に排出される。臨床衣22と対流装置とは上記の様に形成され結合される。対流装置60は最初は臨床衣22中に、図3Dに示すように折畳んだ末端が袖口中に保持されて臨床衣22中に納められることが好ましい。臨床衣の折畳んだ末端は図5A〜5Dに示す様に袖口から展開されることが好ましい。加温装置110はヘッドドレープ87と取り付け機構66付きで提供されることが好ましい。このように構成すると、加温装置110を図4A〜4Cに関連して上記の様に展開し操作することができる。
【0057】
ある態様からは、多機能加温装置は臨床衣と、臨床衣の内面に支持された2つの対流装置で構成される。第1対流装置は臨床衣の上部に横方向に配置され、臨床衣の2つの袖の間に伸びている。第2対流装置は臨床衣の下部に縦方向に配置され、独立に膨張可能なセクションを有しそれぞれが特定の方法の加温を可能にする。臨床衣の内面上に支持される対流装置により、患者は装置を臨床ガウンとして着用可能で、対流装置の1つを操作することにより快適加温が提供される。手術の準備では、対流装置の1つが治療加温のために展開され、使用しない対流装置を有する臨床衣は手術中に治療加温のために展開された対流装置の上、またはその周囲に巻き込まれるか折畳まれる。臨床衣は患者に再度着用されるために伸ばされる、または広げられる。
【0058】
他の態様から、多機能加温装置は臨床衣および臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流装置で構成される。対流装置は臨床衣の上部に横方法に配置され、臨床衣の2つの袖の間に伸びている。臨床衣の内面上に支持された対流装置により、手術中および手術後に患者は装置を着用することができる。手術の準備中は、対流装置は治療加温のために展開されるが、臨床衣は展開された対流装置の上、またはその周りに巻き取る、または折畳まれる。
【0059】
上記の2つの態様のいずれかで、臨床衣の上部で横方向に、臨床衣の2つのそでの間に延びる臨床衣中の対流装置の位置決めにより、臨床衣を着用する患者の胸に向かって対流装置が置かれ、臨床衣を患者から取り去ることなく、または対流装置をガウンから取り除かずに、手術中および手術後に対流装置を患者の上半身上に展開し使用することができる。
【0060】
また別な態様では、多機能加温装置は臨床衣と臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流装置で構成される。患者はその装置を臨床ガウンとして着用し、少なくとも1つの対流装置を操作することにより治療加温が行われる。手術の準備中は、対流装置は治療加温のために展開され、一方、使用しない対流装置を有する臨床衣は手術中の治療加温のために展開された対流装置の上、またはその回りに巻き込む、または折畳まれる。対流装置に隣接する取り付け機構を操作して装置を患者に接着固定し、それにより対流装置を手術中に確実に固定する。
【0061】
本発明を現在好ましい実施態様を参照して説明してきたが、本発明の主旨から逸脱することなく様々な変更が可能ことを理解する必要がある。従って、本発明は以下のクレームでのみ制約されるものである。
【技術分野】
【0001】
本発明技術分野には、臨床衣が衣服の内面に少なくとも1個の対流加温装置を支持する、周術期用多機能加温装置が含まれる。ある態様では、臨床衣を横切ってその袖の間を通る、臨床衣の内部に支持される細長い対流装置を有する臨床衣を含む多機能加温装置を本発明分野はカバーする。この分野にはさらに、付属機構により患者に多機能加温を保障することも含まれる。
【0002】
本明細書では、装置から体への熱の移動を意味する用語「対流」は、装置の熱移動の主要な方式を指すが、対流の程度ほどではないが熱は同時に装置から体へ伝導および放射でも移動し得ることも理解される。
【背景技術】
【0003】
本出願は2005年10月20日出願米国仮特許出願番号60/729,000、および2006年8月4日出願米国仮特許出願番号60/835,602に対する優先権を主張する。
【0004】
本出願は以下の特許出願の主題に関連する主題を含み、その全ては本出願と共有され、援用される。
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US03/11128、2003年4月10日出願、題名「患者の快適装置およびシステム」、公開番号WO2003/086500として2003年10月23日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US05/025355、2005年7月18日出願、題名「周術期用加温装置」、公開番号WO2006/020170として2006年2月23日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US05/043968、2005年12月6日出願、題名「浸透性の異なる加温装置」、公開番号WO2006/062910として2006年6月15日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US05/044214、2005年12月6日出願、題名「加温装置」、公開番号WO2006/063027として2006年6月15日公開;
特許協力条約(PCT)出願番号PCT/US06/004644、2006年2月9日出願、題名「周術期用加温装置」、公開番号WO2006/086587として2006年8月17日公開;
米国特許出願番号10/411,865、2003年4月10日出願、題名「患者快適装置及びシステム」、公開番号US2003/0195596として2003年10月16日公開、特許番号7,001,416として2006年2月21日付け特許権交付;
米国特許出願番号10/508,319、2004年9月20日出願、題名「患者快適装置及びシステム」、公開番号US2005/0143796として2005年6月30日公開;
米国特許出願番号11/005,883、2004年12月7日出願、題名「透過性の異なる加温装置」、公開番号US2006/0122671として2006年6月8日公開;
米国特許出願番号11/006,491、2004年12月7日出願、題名「加温装置」、公開番号US2006/0122672として2006年6月8日公開;
米国特許出願番号11/057,396、2005年2月11日出願、題名「周術期用装置」、公開番号US2006/0184215として2006年8月17日公開;
米国特許出願番号11/057,403、2005年2月11日出願、題名「周術期用加温装置」、公開番号US2006/0184217として2006年8月17日公開;
米国特許出願番号11/057,404、2005年2月11日出願、題名「快適加温および予備加温用臨床衣」、公開番号US2006/0184218として2006年8月17日公開;および
米国特許出願番号11/363,136、2006年2月27日出願、題名「強制空気加温ユニット」、公開番号US2006/0147320として2006年7月6日公開。
【0005】
熱を人体に移動する対流装置は公知である。例えば、加圧加温空気の流れを受け取り、加圧空気に応じて膨張し、加温空気を空圧構造内に分布させ、加温空気を体に吹き付け、快適さを増し、震えを減らし、低体温症を治療または予防する等の目的を達成する装置がある。これらの装置は典型的には「対流熱ブランケット」または「カバー」と呼ばれるが、便宜上、本議論および以下の明細書では単に「熱ブランケット」と呼ぶことにする。本出願の譲渡人であるArizantHealthcare社は、この様な装置をBAIR HUGGER(登録商標)で製造販売している。この様な装置の1つはModel 522Upper Body Blanketである。
【0006】
熱ブランケットは治療のための加温が指示される特定の展開のために具体的に設計されている。先行技術で公知の3つの代表的な熱ブランケットが図1A〜1Dに示される。「全身」熱ブランケット10が図1Aに示される。踵の近くまたは足から首まで、実質的に患者の全身を覆うために、全身熱ブランケットを患者の上に置き、患者の体に沿って縦方向に広げて用いられる。「下半身」熱ブランケット12が図1Bに示される。踵の近くまたは足から腰または骨盤まで患者の下半身を覆うため、熱ブランケットを患者の上に置き、患者の体に沿って縦方向に広げて用いられる。「上半身」熱ブランケットは図1Cおよび1Dに図示される。患者の胸と広げた腕を覆うため、上半身熱ブランケット15は患者の体の上に置き、患者の上半身を横切って広げる様に用いられる弓状の形を有する。ヘッドドレープ16は患者の頭17を覆うために上半身熱ブランケット15の上に形成されるか、それに取り付けられ、手術中に治療のための加温を助けるためにブランケット15を通って頭の周りに噴き出す加温化空気を維持する。加温加圧気流を供給すると、熱ブランケット10、12、15のそれぞれが膨張し、その中に空気を分布させる。熱ブランケットは患者の上に置かれているが、加温加圧空気は開口部または患者に向き合う熱ブランケットの透過性表面を通って流れる。これらの熱ブランケットは、空気ホース19がヒーター/送風機ユニットにより加温加圧空気を提供する、1つまたは複数の差込ポート18を有する(これらの図面には示されていない)。
【0007】
従来技術の熱ブランケットの構造はよく分っている。具体的な構造の例は米国特許5,620,482、米国特許5,443,488、米国特許5,360,439および米国特許5,304,213に記載されている。米国特許5,974,605も参照。
【0008】
加温装置をカバーする発明は引用された公開番号WO2003/086500に開示されるが、ローブまたはガウン等の臨床衣が対流装置を支持するために用いられ、その臨床衣を着ている患者を暖めて快適かつ動き易くする。周術期に使用するための多機能加温装置をカバーする発明は引用された公開米国特許2006/0122671に記載され、加温装置は臨床衣と臨床衣の内面に支持される対流装置で構成され、快適加温と治療加温とに用いられる。
【0009】
用語「周術期」は、PDR MEDICAL Dictionary、第2版(Medical Economics Company、2000)に「手術の時間の周辺」と定義されている。周術期は患者が手術の準備を受けている、手術前の時間(術前期)、それに続く手術で費やす時間(術中期)、および手術後の麻酔の影響から回復しつつある間の合併症に対して患者を詳しくモニターしている時間(術後期)を含む流れが特徴である。
【0010】
Mahoneyらによれば(「手術中の液温の維持:コストを伴う成果のメタ分析」、AANA Journal、 4/99;67、2:155−164)、低体温症がもたらす効果を阻止または和らげるために、治療用加温が少なくとも術中期間に行われる。実際、周術期に適温を保つことは、手術からの迅速で有効な回復に対する見通しを増大させることがますます明らかになっている。例えば、周術期の適温の維持は、結腸直腸手術を受ける患者で手術創感染の発生率を下げる1つの因子であると思われる(KurzA、Sessler DI、LenhardtR.、「手術創感染率を減少させ入院期間を短縮するための周術期の適温化、創感染および温度グループの研究」、N.Engl. J. Med.、1996年5月9日;334(19):1209−1215)。他の研究も、周術期適性温度の維持が低コストで手術の成果を改善することを示唆している(Harper、CM.、McNicholasT.、Gowrie−Mohan S.「周術期の適性温度の維持」、BMJ.2003年4月5日:326(7392):721−722)。治療加温の有効性は患者の体に十分な熱を配送し、患者の中核体温を狭い範囲、典型的には約37℃に上げ、その範囲に温度を保つことに依存している。この範囲は「適正温度」と呼ばれ、中核体温がこの範囲にある体は「適温」状態である。低体温症は中核体温が36℃以下の場合に生じ、中程度の低体温症は中核体温が34〜36℃の範囲にあるときに生じる。従って、「周術期加温」とは、低体温症の防止または治療のために1つ以上の周術期中に行い得る加温治療である。
【0011】
治療加温は、患者の「熱的快適感」を維持または増大することを目的とする「快適加温」とは対照的である。当然、治療加温は震え、または悪寒を緩和することにより患者を快適にもし得るが、これは2次的または補助的効果であり、快適加温も何らかの治療効果を有し得る。しかしながら、熱的快適性は主観的概念であり、人間の一定数に熱的快適感を生じる環境条件はよく知られ、十分に纏められている。例えば、Fangerは熱的快適性を「熱的環境に満足を示す心の状態」と定義している(「熱的快適性:環境工学の分析と応用」、DanishTechnical Press、Copenhagen、1970)。患者が適温であっても、理想的な環境条件以下では急性の不快感を生じ得る。適性温度条件下では、熱的快適性は中核体温でなく、皮膚温度を参照して決められることが多い。快適加温は、患者の熱的不快感を緩和するために患者に加えられる加温である。
【0012】
治療用加温は周術期の任意の1つ以上の間に指示される。例えば、加温装置がない短い外科手術では、体温を正常より高いレベルに上昇させるために患者は手術室内で手術前に暖められ、加熱することなく術中期に適温を維持するに十分な熱エネルギーを蓄える。手術後、回復室で治療用加温を施し、中核体温を適温に上昇させ、麻酔が覚める期間中その温度を保つことが必要である。または、加熱装置を使用できる場所での長い手術では、手術前に患者は快適加温され、手術中および手術後に治療のために加温される。
【0013】
治療用加温は、典型的には図1A〜1Dに示される熱ブランケット等の対流装置で提供される。治療用加温のための全身熱ブランケットの使用例は、本発明出願と共有される米国特許6,524,332、「低体温症を予防または治療するための患者の加温システムおよび方法」に見出される。対流手段による快適加温は参照する公報WO2003/086500に記載されている。
【0014】
対流装置で送達される場合、その意図する効果とこれらの効果を生じる熱送達のパラメーターにより、治療用加温は快適加温と区別される。この点に関し、対流加温システムには典型的に加温加圧空気源(ヒーター/送風機ユニット、強制空気加温ユニット、ヒーターユニット等とも呼ばれる)、対流装置(典型的には膨張可能)およびヒーター/送風機ユニットと対流装置とを繋ぐ柔軟導管または空気ホースが含まれる。特定のタイプの加温に対するこの様なシステムの使用には、特定の目的を達成するパラメーター値における対流装置を通じた加温空気の配送が必要である。例えば、快適加温では、空気が対流装置に入る前のホース末端での温度は、常温から42℃の範囲である(WO2003/086500、11ページ、24〜26行)。熱ブランケット等の対流装置が安静状態にある適温患者に熱的快適性を与える条件は、低体温症の処置が必要である条件とはかなり異なる。典型的には、熱的快適性に対する条件は、圧力と温度の1つの組み合わせでの気流を配送する、比較的低容量のヒーター/送風機ユニットを有するシステムで行われるが、治療用加温システムにおける条件は、圧力と温度の別な組み合わせで気流を配送する比較的高容量のヒーター/送風機ユニットで行われる。または、1個のヒーター/送風機ユニットを制御付きで提供し、快適性の維持と治療のための加温との間で運転状況を変化させるために空気圧と温度の組み合わせを調節することもできる。
【0015】
健康管理コストは国際的に重要な問題である。周術期の加温コストは、患者が温められる周術期の数と直接関連する。異なった目的を達成するために異なった期間で異なった加温装置を使用する場合、コストは上昇する。上記に示した関連出願に記載の加温構成で、移動し易さ、快適性および治療が最近組み合わされている。しかしながら、現在はそれ単独または他の快適および治療用加温構成との組み合わせで、図1Cおよび1Dに示された熱ブランケットで利用できる上半身治療加温に対するオプション付の1台の加温装置構成はない。
【0016】
このため、図1Cおよび1Dに示される上半身熱ブランケット15が胸部、腹部および骨盤手術中に頻繁に使用される。よく知られている様に、患者の中核体温はこの様な手術中に急速に低体温症レベルに低下し得る。低体温症の効果を阻止または緩和するため、特に手術が長引く場合、上半身ブランケットを手術中の治療加温のために展開する必要がある。WO2003/086500に記載の快適加温装置、または米国特許2006/0122671に記載の周術期加温装置で手術前に加温した場合、患者は手術が始まる時間まで加温装置を装着していることになる。しかしながら、双方の場合で、手術部位および治療加温のために患者の上半身に接近可能である様に、手術前に患者から臨床衣は取り除かれる。その結果、上半身熱ブランケットを開梱し、使用可能にし、手術中に加温を実施可能にする必要がある。手術後、治療(例えば低体温症の緩和)または快適性のために加温が指示されるが、この場合、手術前に使用された加温装置または他の加温装置か、または熱ブランケットを患者の上に広げる必要がある。明らかに、実質的な便利さとコストのかなりの減少が、患者に着せることが可能で、手術前の快適加温と手術中に様々な治療加温(胸部、腹部および骨盤手術)を提供し、必要あれば手術後に治療または快適加温を提供し得る1台の多機能加温装置の周術期使用で得られる。
【0017】
2006年8月17日付け公報US2006/0184217は、上半身熱ブランケットが臨床衣の内面に取り付けられた、周術期に使用する加温装置を開示している。しかしながら、上半身熱ブランケットの使用には、患者に対して熱ブランケットを正しい方位に向けるために、熱ブランケットが内面から取り外され、使用のために再度取り付けられるか、または臨床衣が患者から取り除かれ、再度取り付けられることが必要である。何れの場合も、手術のために上半身熱ブランケットにアクセスする余分な工程が加温装置の使用を煩雑にし、患者に対応するために費やされる時間を減少させる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
患者に着せて周術期に患者を対流加温可能な多機能加温装置の使用に伴い、患者を暖めるために操作する場合のその位置を管理する対策を行わなければならない。例えば加温装置の活性化された対流要素または加温装置自体を、患者に対して固定し、または特定の位置にしっかりと取り付け、手術領域を明瞭に保つか、または特定の体の位置を目的とする対流加温の送達を維持する必要がある。現在、人体に対して加温装置または加温装置の対流要素を確実に固定するための加温装置自体の構造の対策はない。
【課題を解決するための手段】
【0019】
多機能加温装置には、2つの対流装置を支持する内面を有する臨床衣が含まれる。1つの対流装置は、加温装置を着用している患者から加温装置を取り外さずに胸部、腹部および骨盤手術の間に治療加温を提供するために膨張する様に配置される。もう一方の対流装置は複数の別々に膨張し得るセクションを有する。少なくとも1つのセクションは臨床衣を着用する患者に快適加温を提供する様に操作され、少なくとももう1つのセクションは手術中に上半身に治療加温を提供するために操作し得る。
【0020】
さらに、多機能加温装置には、手術中に患者の上半身の治療加温を提供するために配置された対流装置を支持する内面を有する臨床衣が含まれる。加温装置には臨床衣に対して横方向で、かつその袖の間に伸びる、臨床衣の内面に支持された細長い対流装置を有する臨床衣が含まれる。臨床衣中の対流装置は臨床衣を着用する患者の胸に対向する様に位置決めされ、患者から臨床衣を取り外さないか、またはガウンから対流装置を取り外さずに手術中および手術後に患者の上半身上に展開使用可能である。
【0021】
さらに、多機能加温装置には好くなくとも1つの対流装置を支持する内面を有する臨床衣と、患者に密着して取り付けるために対流装置の隣に提供される取り付け機構が含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1A】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図1B】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図1C】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図1D】従来技術の全身、下半身および上半身対流熱ブランケットを示す。
【図2】周術期で用いる多機能加温装置を着用する患者を示す。
【図3A】2つの対流装置を支持する内面を示すために部分的に開いた臨床衣の、臨床衣の背面からの透視図である。
【図3B】多機能加温装置に治療加温を提供するための第1対流装置の平面図である。
【図3C】図3Cは第1対流装置の折畳み要素の詳細を示す。
【図3D】別々に膨張可能なセクションを有する第2対流装置が重なった、図3Bおよび3Cの第1対流装置の平面図である。
【図3E】第2対流装置と重なった関係にあり、第1対流装置の末端が折畳まれていない第1対流装置を示す平面図である。
【図3F】周術期用多機能加温装置の背面立体図である。
【図3G】取り付け機構の操作を示す拡大部分図である。
【図3H】取り付け機構の操作を示す拡大部分図である。
【図3I】取り付け機構の操作を示す拡大部分図である。
【図4A】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図4B】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図4C】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図4D】患者を治療加温するために使用される周術期用多機能加温装置の準備と展開を示す。
【図5A】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5B】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5C】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5D】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図5E】臨床衣の左袖の前面図であり、臨床衣の前方表面の方向に見て、第1対流装置の末端に近接するために操作し得る弱いラインを示す。
【図6A】1個の上半身対流装置を備えた周術期用多機能加温装置を示す。
【図6B】1個の上半身対流装置を備えた周術期用多機能加温装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
周術期用多機能加温装置は臨床衣と、臨床衣の内面に支持される1つ以上の対流加温装置(以後「対流装置」と呼ぶ)とで構成される。この点に関し、「臨床衣」は臨床設備内で患者が一時的に着用するために典型的に用いられる衣服である。この様な臨床衣には病院用ガウン、ローブ、胸当ておよび他の同等なものが含まれる。臨床設備は内科または歯科診療所またはクリニック、病院または内科または歯科治療を患者に提供する任意の施設または機関である。対流装置は、体の中核および/または手足上に、または隣接して、または近接して配置される構造物内で、少なくとも1つの加温加圧空気流を受け取り、送達する。加温空気で加圧すると、対流装置はその1つ以上の表面を通って加温空気を放出する。
【0024】
ある態様では、患者が周術期用多機能加温装置を着用し、加温加圧空気流を受け取ると、加圧空気を対流装置の1つの中に送達し、対流装置の1つ以上の表面を通って空気を放出し、患者の体を温める。
【0025】
他の態様では、多機能加温装置は手術中の治療加温に用いられる。この点に関し、手術中に用いる対流装置を展開することによる治療加温に多機能加温装置が採用される一方、臨床衣およびその内面に取り付けられた任意の使用されない対流装置も畳み込まれ、手術部位に侵入しない様に位置決めされる。
【0026】
また別な態様では、患者が多機能加温装置を着用し、加温装置が加温加圧空気流を受け取り、その加圧空気を対流装置内に送達し、対流装置の1つ以上の表面を通ってその空気を放出し、患者の体を温める。取り付け機構が加温装置を患者の体に接着固定または取り付け、加温装置または対流装置が動かない様にする。
【0027】
以下に図示し議論する加温装置では、対流装置は膨張可能である。すなわち、その構造は使用しない場合は弛緩しているが、加圧空気を受け取るとぴんと張っている。
【0028】
ここで図面を参照すると周術期用の多機能加温装置20を着用した患者11が図2に示される。加温装置20は臨床衣22と、臨床衣22の内面上に支持される複数の対流装置(この図では示されない)で構成される。何れの対流装置も、対流装置の差込ポートに取り付けられるノズル付き空気ホースを通ってヒーター/送風機ユニット(本図には示されない)から加温加圧空気を受け取ることにより操作される。ノズル26付きの空気ホース24の1例が図2に示される。この様な差込ポートが図2の参照番号27で示される。差込ポート27は臨床衣22のフラップ28を通って接続される。他の対流装置差込ポートは、フラップ29および30等の臨床衣22の他のフラップを通ってアクセスされる。
【0029】
図3A〜3Fは周術期用多機能加温装置の要素を示す;組み立てた多機能加温装置20自体は図3Fに示される。図3Aおよび3Fは臨床衣22の背後から、その衣服の内面の方向を見たものであり、その臨床衣は患者の胸つまり胸部と向き合い、その上に2つの対流装置が取り付けられている。図3B〜3Dは膨張前の対流装置の平面図であり、ブランケットが膨張した場合、空気が患者の向かって放出される透過性表面の方向を見ている。図3Aおよび3Fで分かる様に、加温装置20には臨床衣22が含まれる。臨床衣22には内部表面43、2つのスリット44(図2にも見られる)、2つの向き合った横方向の縁取り45、下部縁取り47、および縦軸49が含まれる。臨床衣22は2つの向き合った袖53(図2にも示される)および窪んだ上端54を有する上部と、下部55を有する。臨床衣22の前部を通って差込ポートへアクセスするフラップ28、29および30は図3Aでも見られる。袖53は長くても短くてもよい。装置取り付けおよび/または静脈内注射のために患者の腕にアクセスしなければならない場合、短い袖が好ましい。各袖53には長い縫い目56(図2にも見られる)が含まれる。各縫い目56は例えばボタン、スナップ、ホックおよびループ材料、テープ、および/またはストラップ、または任意のそれらの等価物を含む手段57で閉じられる。この様な手段は縫い目56を閉じる、および一度開いたら縫い目を再度閉じる様に操作することができる。袖口58を臨床衣22の袖53の内面、袖53の末端の近くに形成し得る。臨床衣22は片開きでもよい。臨床衣22が背後で開くことが好ましい。図3Aに示す様に開放は全体でもよいが、下部縁取り47から立ち上がるスリットでもよい。図3Aに示す例によれば、開放部は、縁取りを一緒に保つために取り外し可能に結合する横方向縁取り45に沿って手段59により閉じることができる。この様な手段には例えばボタン、スナップ、ホックおよびループ材料、テープおよび/またはストラップ、またはそれらの任意の等価物が含まれる。図3Aの例に従えば、開放部を閉じるためにストラップを使用した場合、ストラップは臨床衣22に取り付けられるか、または臨床衣22の製造工程として臨床衣と一体製造される。単なる例ではあるが、上部51で対向する向き合った横方向の縁取り45を結びつけるための一体に形成された2つのストラップ59cが図3Aに示される。2つの別なストラップを十分な長さで臨床衣22の外面に取り付け、臨床衣の外面の周囲を、その中間部近くで結びつけてもよい。横方向縁取り45の重なりが十分であると、臨床衣22の開放部を完全に閉じて固定することができ、横方向縁取りが重なって患者の秘部を隠蔽することができる。臨床衣22は不織布または織布で製造することができる。臨床衣22がスパンレースポリエステルと木材パルプの不織混紡で製造されることが好ましい。
【0030】
図3Bでは、第1対流装置60が治療加温を行う展開のために完全に開いた状態で示される。図3Cでは、第1対流装置60の要素が折畳んで示される。双方の図で、図はブランケットが膨張した場合に加温空気が放出される対流装置60の透過性表面の方向を向いている。これらの図で分かる様に、第1対流装置60には差込ポート61、それぞれが対応する末端63へ移行する2つの横方向に伸びる腕62、透過性表面64および下部エッジ65が含まれる。各末端63は一般に周辺部63pを有する四辺形を有する。典型的には、周辺部63pにはある程度の幅のシールが含まれる。第1対流装置60のある態様では、紐63tが部分または穿孔63wのラインにより周辺部64pに一体的に形成されるか、または定められる。図3Bには1つの紐63tが点線の輪郭で示されるが、それが形成される周辺部63pから部分的に離れている。この様な紐は、第1対流装置60を展開して使用する場合に第1対流装置60を固定するために用いられる。離れた紐63tから理解される様に、紐の末端近くの弓形により他の紐、患者または手術領域の装置と結び合わせ易くなる。この点に関し譲渡人の米国特許5,773,275参照。任意でスリット63sが末端63の外面エッジの近くのシール中に形成されてもよい。スリット63sは穿孔のラインによりシール内で画定される。スリット63sを設ける場合、末端63を広げるための手がかりとして使用する、および/または患者の伸ばした腕の手を受け取るためにスリットが開かれ、第1対流装置60が膨張し操作される場合、末端63を留めつけるまたは固定する。
【0031】
使用前に第1対流装置60を詰め込むために、末端63の対向する側面は図3Bの矢印68aで示す様に相互に折畳まれ、次いで図3Cの矢印68bで示す様に折畳まれる。折り畳みにより、臨床衣22のそれぞれの袖53に合う長さに各末端63が短くなる。臨床衣22と第1対流装置60との間に容易に詰め込める様に折畳むことが好ましい。折畳んだ形状の末端は臨床衣22の袖の中の内面の袖口58に収納できる。これにより、対応する手で折畳みを掴むことなく、延長側面を不注意に展開することなく、患者が臨床衣22の袖を通って腕を挿入することができる。ゲート折、アコーディオン折または任意の同等な折畳みも使用できるが、末端63はZ−折りで折畳むことが好ましい。より一般的には、末端63は折畳まれるか、巻き取られるか、または詰め込まれ、袖口58に末端63を詰め込んでしまいこみ、第1対流装置が治療加温に用いられる場合に広げるために有用である所定の長さの減少およびきちんとした圧縮を行う任意の方法で収納される。第1対流装置60は、各末端63とそれぞれの横方向へ伸びる側面62との間69で横に伸びる一連の弱いラインまたは穿孔ラインを有する。
【0032】
図3Bおよび3Cをさらに参照すると、ある態様では第1対流装置60には、好ましくは両面テープ66の形の取り付け機構が含まれる。両面テープ66は対流装置60の片面の、第1対流装置60の透過性表面64のシールされた下部に、両末端63の間に中心がある下部エッジ65に沿って取り付けられることが好ましい。図3Bを参照すると、目で見える両面テープ66の表面66bは、剥がしてテープの両面が覆われる接着剤を暴露できる非接着性のバッキングで覆われている。便宜上、取り付け機構が搭載された透過性表面64のシールされた下部は、取り付け機構のいずれの面もシールされた下部から剥がし、取り付け機構がその縦方向エッジ上で旋回できる穿孔66pで囲まれている。穿孔66pはまた、取り付け機構を使用後に取り除くことを可能にする。
【0033】
図3Bおよび3Cを参照すると、1つの差込ポート61が第1対流装置60に図示されているが、場合によっては1つ以上の追加差込ポートが備えられてもよい。空気が逃げるのを避けるため、未使用差込ポートを既知の手段でシールする、または閉じておく。好ましくは、差込ポート61が図には見えない第1対流装置60の表面を通って備えられるか、第1対流装置60のエッジを通って備えられる。差込ポート61は空気ホースのノズルを受けるための開口部61b付の硬い材料のカラー61aを有するか、またはその材料の袖を有するか、または任意の他の等価の構造を有する。第1対流装置60が治療加温に用いられる場合、袖の末端は袖口58から取り外され、広げられる。次いで差込ポート61等の差込ポートを通って流れる加圧空気が第1対流装置60をその中心部から末端63へ膨張させる。
【0034】
独立に膨張可能なセクションを有する第2対流装置70が図3Dに示される。第2対流装置70の「セクション」とは、第2対流装置70の任意の他のセクションから独立に膨張し操作し得る第2対流装置70の部分または区分である。例えば、第2対流装置70はセクション71およびセクション72を有する。セクション71をセクション72から独立に膨張させて操作し、セクション72をセクション71から独立に膨張させて操作できる。
【0035】
図3Dに示す第2対流装置70では、セクション71は差込ポート74、上部エッジ75、細長い中心部76、および中心部76を垂直に結合する上部および下部横断部77および78を有する。上部および下部横断部77および78の末端は丸められ、図3Cの平面図ではセクション71は「ドッグボーン」の形を有する。または、セクション71は上部および下部にクロスバーを有する大文字のIの形を有する。1つの差込ポート74がセクション71に図示されるが、必要な場合は1つ以上の追加差込ポートを備えてもよい。未使用の差込ポートはそこを通って空気が逃げるのを阻止するため、既知の手段でシールする、または閉じておく。差込ポート74は、図には示されない第2対流装置70の表面を通って取り付けられるのが好ましい。差込ポート74は空気ホースのノズルを受け取るための開口部74b付の硬い材料のカラー74aを有するか、またはその材料の袖を有するか、または任意の他の等価な構造を有する。中心部76の空間は横断部77および78の空間と流体連通し、差込ポート74を通って流れる加圧空気が部分76〜78全体に流れ、その結果第1セクション71を膨張させる。部分76〜78の表面を含む、図3Dに示すセクション71の表面79は透過性であり、セクション71中に流れ込み膨張させる加圧空気を臨床衣22の内部へ(すなわち装置20を着用する患者に向かって)排出する。第1セクション71のある態様では、セクション71の透過性表面79を通って排出される空気の温度の変化を減少する、またはなくするために、部分76〜78の表面の透過性は変わり得る。
【0036】
図3Dに示す様に、第2セクション72は下部エッジ82およびサイドエッジ83および84を有するU字型輪郭を有する。セクション72は一般に、第1セクション71を3方で囲む輪郭を形成する。1つの差込ポート85がセクション72に示されるが、便宜上1つ以上の差込ポートを備えてもよい。未使用の差込ポートはそれを通って空気が逃げるのを防ぐため、既知の方法でシールされるか閉じられている。差込ポート85は図3Fには示されない第2対流装置70の表面を通って設けられることが好ましいが、第2対流装置70のエッジを通って設けられてもよい。差込ポート85は空気ホースのノズルを受け取るための開口部85bを有する硬い材料のカラー85aを有するか、同じ材料の袖を有するか、または任意の他の等価な構造を有する。差込ポート85を通って流れる加圧空気はセクション72を膨張させる。図3Fに示すセクション72の表面86は透過性であり、セクション72に流入して膨張させる加温加圧空気を臨床衣22の内部に向かって(すなわち装置20を着用する患者に向かって)放出させる。
【0037】
図3Dに示す第2対流装置70のある態様では、上部横断部77が臨床衣22を着用している患者の肩の間の上部胸に対しほぼ対向しそれを横断する様に位置決めするために、第1セクション71の上部エッジ75は第2対流装置の上部エッジ80に隣接している。この位置は上部横断部77が患者の快適加温のために空気を送達するのに有利である。
【0038】
第2対流装置70のドッグボーンおよびU型構造には制約がない。それは快適および治療加温のために独立に膨張できるセクションを装置にどの様に提供するかの1例に過ぎず、他の可能な2つのセクション構造が上記に列挙した関連出願に図示し説明されている。
【0039】
図3Dを参照すると、第2対流装置70のある態様では、第1セクション71の差込ポート74は、第2セクション72の差込ポート85を通る開口部85bより小さい開口部74bを有する。この場合、第1対流装置60の開口部61bおよび第2セクション72の開口部85bは同じサイズであることが好ましい。その結果、差込ポート74は差込ポート61および85で受け取られる空気ノズルの直径より小さい直径を有する空気ホースノズルを受け取る。より小さいノズル直径は、治療加温空気供給の空気ホースの直径より小さい直径を有する空気ホース付きの快適加温空気供給に重要である。さらに、より小さい空気ホースを、治療加温空気供給のヒーター/送風機ユニットの容量より小さい容量を有するヒーター/送風機ユニットと結合し、それらを第1対流装置60または第2対流装置70の第2セクション72の何れかと結合できる。より小さい直径のホース用の寸法の差込ポート74を備えることは、第1セクション71を快適加温のために設計された低容量ヒーター/送風機ユニットに対応して運転することを可能にする。より大きい直径のホース用の寸法の差込ポート61および85を備えることは、第1対流装置および第2対流装置70の第2セクション72を治療加温のために設計された高容量ヒーター/送風機ユニットに対応して運転することを可能にする。従って、第1対流装置60は治療加温のために製作され、第2対流装置70は快適加温のために製作された第1セクション71と治療加温のために製作された第2セクション72とを有する。
【0040】
図3Dは第1対流装置60および第2対流装置70が設置され、臨床衣22の内面43上に支持された、または製作された場合の両者の間の好ましい関係を示す。ブランケット60および70は、第2対流装置70の上部エッジ80が第1対流装置の下部エッジ65と重なり合う様に配置される。上部エッジ80を、タッキング、テーピングまたは上部エッジ80と第1対流装置60および/または臨床衣の内面43との間で作用する光接着剤で支持してもよい。
【0041】
図3Dに示す重なり合う上部エッジ80は両面テープ66を覆っているが、両面テープ66を第1対流装置60上に曝すために上部エッジを下部エッジ65から折り返してもよい。使用するために両面テープを展開する操作は図3G、3Hおよび3Iに示される。図3Gでは、両面テープ66の片面を下部エッジ65に沿って中心にある第1対流装置60に接着する。バッキングは第2対流装置70に向かい合う表面66に取り付けたままである。第2対流装置の上部エッジ80は下部エッジ65および両面テープ66と重なり合う。図3Hに示す様に使用するために展開すると、穿孔66pの2つの短いセクション(図3Bおよび3Cに最もよく示される)は引き裂かれている。これにより、両面テープ66が取り付けられる第1対流装置60の部分が縦方向のエッジ上で旋回可能になり、エッジに沿って搭載された両面テープ66を有する下部エッジ65が臨床衣(図示せず)の内面から離れ、第2対流装置70の上部エッジ80を越えて外向きに振れることができる。図3Iに示す様に、両面テープ66が取り付けられる第1対流装置60の部分は揺り戻され、上部エッジ80の外側に置かれる。この位置で、表面66b上のバッキングが剥がされ、テープ66が患者の皮膚に付着し、その結果加温装置が固定される。図3Bおよび3Cを参照して先に説明した様に、両面テープ66は穿孔66pの長いセクションに沿って引き裂くことにより、使用後に除去できる。または、一度テープが患者から取り除かれるとテープ66は上部エッジ80の後に詰め込まれ、上部エッジ80がテープに接着する。
【0042】
図3A〜3Dに捲かれた、または折畳まれた状態で示される、好ましくは透明なプラスチックシートで構成されるヘッドドレープ87は、ひとまとめにされた上部エッジ54(図3Aに示す)の近くの臨床衣22の内面43に取り付けられるか、または内面43(図3B〜3Dに示す)と向き合う表面上の第1対流装置60の上部エッジの近くに取り付けられる。
【0043】
図3Eでは、平面図は図3Dの好ましい関係にある対流装置60および70を示すが、第1対流装置60の末端63は広げられ、両面テープ66が回転し、ヘッドドレープ87は広げられている。
【0044】
図3は、図3A〜3Dに示す要素から組み立てた、周術期用多機能加温装置20を示す。多機能加温装置20では、第1および第2対流装置60および70が図3Dに示す関係で臨床衣22の内面43上に支持されている。図3Fは、対流装置60および70の透過性表面の方向に見たものである。第1および第2対流装置60および70は共に、縦軸49上に実質的に中心を置き、厚い底板(第2対流装置70)と、ベースに垂直である伸びた先端(第1対流装置60)とを有するT−型形状を形成する。
【0045】
図3に示す様に、第1対流装置60は、臨床衣22の内面43上に配置され、支持され、または構築された長い対流装置であり、上部51では縦軸49を横切り、袖53から袖53へ伸びている。第1対流装置60は上体熱ブランケットと同様、上記の様に臨床衣の内面上に支持され、その末端63が折畳まれた図3Bおよび3Cに示す構造を有し内面袖口58内に保持される、上半身対流装置である。臨床衣22の上部51の開口部(図2および3Aのフラップ29等)は、空気ホースが第1対流装置60の差込ポート61に接続可能であることにより接近できるようにし、対流装置60を胸部、腹部または骨盤手術中に治療加温のために運転できる。加温加圧空気が第1対流装置60内に流入してそれを膨張させ、透過性表面64を通って患者の方向に吹き出す。治療および快適加温のための独立に膨張可能なセクションを有する第2対流装置70が配置され、支持され、または下部55の内面43上に構築され、臨床衣22に対して縦方向に配置されており、縦軸49は第1対流装置60の下部エッジ65のすぐ上から下部縁取り47へ向かって伸びている。第2対流装置70は図3Dに示す構造を有することが好ましくドッグボーンの形のセクション71は快適加温を提供し、ドッグボーン形のセクション71を縁取る独立に膨張可能なセクション72は治療加温を提供する。臨床衣22の下部55の開口部(図2および3Aのフラップ28等)により、空気ホースが第2対流装置70の第1セクション71の差込ポート74に接続可能であることにより接近できるようにし、第1セクションを快適加温のために操作することができる。加温加圧空気は第1セクション71中に流れ込み、それを膨張させ、第1セクション71の透過性表面79を通って患者に向かって出てゆく。臨床衣22の下部55の開口部(図2のフラップ30等)により、空気ホースが第2対流装置70の第2セクション72の差込ポート85に接続可能であることにより接近できるようにし、第2セクションが治療加温のために操作される。加温加圧空気は第2セクション72中に流入してそれを膨張させ、第2セクション72の透過性表面86を通って患者に向かって出てゆく。
【0046】
第2セクション72の表面86の平均または中間透過率より低い表面79の平均または中間透過率のために、第2対流装置70の第1セクション71は快適加温に「適応して」いるとも言える。表面79のより低い平均透過率は、より小さい直径の空気ホースにより、より小さい差込ポートへ結合した比較的低い容量のヒーター/送風機ユニットから第1セクション71に入るより低い空気圧に適応している。同様に、第1セクション71の表面79の平均または中間透過率より高い表面86の平均または中間透過率のために、第2対流装置70の第2セクション72は治療加温に「適応して」いるとも言える。表面86のより高い平均透過率は、より大きい直径の空気ホースにより、より大きい差込ポートへ結合した比較的高い容量のヒーター/送風機ユニットから第2セクション72に入るより高い空気圧に適応している。
【0047】
第1および第2対流装置60および70のそれぞれは、閉じた不透過性の縫い目を有する2枚の材料をその周縁の周りで結合して形成でき、第2対流装置では1つ以上の追加の閉じた不透過縫い目が独立のセクションを画定する。1枚のシートは相対的に不透過性であり、もう一枚のシートは相対的により透過性であり、それを通って空気が流れることができる。シートは閉じた不透過性縫い目の中の不連続のシールまたは支点でさらに結合される。対流装置が形成される2枚のシートは、臨床衣22から分離できるが、この場合、対流装置は永久的に、または剥離可能に臨床衣22の内面43に取り付けられるか、固定されるか、または接着され、その透過性表面は内側に、装置20を着用する患者の方向に向いている。この点に関する構造の例は、PCT公開番号WO2003/086500の図1Aおよび1D、および図3A〜3Cに示される。または、相対的に透過性のシートを臨床衣22の内面に部分的に取り付けることにより、対流装置を相対的に不透過性材料で作成された臨床衣22と一体的に形成または構築できる。この点に関する構造の例は、PCT公開番号WO2003/086500の図1Dおよび1D、および図3D〜3Fに示される。
【0048】
周術期用の多機能加温装置の製作の現在の最良の方法によれば、第1および第2対流装置は臨床衣から独立に形成または組み立てられ、次いで内面に縫い付け、接着、ヒートシールまたは溶接、またはそれらの任意の組み合わせで取り付けられる。第1および第2対流装置のぞれぞれは、2枚の材料のヒートシールにより形成される。第1対流装置はその上にポリプロピレン層が押し出された不織材料層と、ポリプロピレンフィルムとで構成されるラミネートシートで形成される。ラミネートシートを通って穴が形成され、ポリプロピレン層がその周縁部の周りにシールされる。ポリプロピレンフィルムは臨床衣の内面に取り付けられ、不織材料が患者と向き合っている。臨床衣の内面にポリプロピレンフィルムを置く理由は、第1対流装置の嵩高さと硬さを減少し、加温装置を患者にとってより快適にするためである。第2対流装置に用いられた各シートはその1面上にポリプロピレン押し出し被覆を有するスパンボンド不織材料層を有する。この構造は第2対流装置の両面に用いられる。スパンボンド材料の押し出し被覆側面の1枚のシートは、第2対流装置の内部の膨張可能空間に面して、患者から離れた位置にある。ポリプロピレン押し出しは、不織材料を空気不透過性にする。空気が第2対流装置中に吹き込まれるその方法により、第2対流装置の患者側を選択的に穿孔することにより空気を患者に分散させることができ、このようにして第2対流装置の透過性表面を形成する。臨床衣の内面に向き合う第2対流装置の側面は不織であり、患者がその手をハンドスリット44内に滑り込ませる場合、柔らかい材料と快適に接触することになる。
【0049】
快適加温のため、第1対流装置60の末端63を図3B〜3Dに示す様に折畳んで多機能加温装置20を図2に示す様に着用した場合、対流装置を空気ホースに繋いで加温加圧空気流を受け取る。対流装置は気流に応じて膨張し、その透過性表面を通って気流を放出する。多機能加温装置20は手術前の快適加温のため臨床衣22内に加温空気を保持する。必ずしも必要ではないが、第2対流装置70の第1セクション71が手術前に快適加温のために操作されることが好ましい。第1セクション71を操作して快適加熱が行われる場合、加温される患者は臨床衣22の前面のスリット44を通してその手を挿入する。臨床衣22は臨床衣22と第2対流装置70との間の空間に開いており、対流装置70は臨床衣22の内面43に面している。これらのスリット44により、快適性のため手を事前に温める、および/または静脈内注射を行う場合、空間へ接近する余地を与える。または、図3Bおよび3Cを参照すると、第1対流装置60の末端63は捲かれるか折畳まれず、加温装置20を着用する患者の腕と手を覆う様に配置された袖53を通って伸ばされる。次いで、第1対流装置60が、静脈注射を受けるために腕と手を予備加温するための加温空気流により、フラップ29の下の膨張ポートを利用して膨張される。
【0050】
図4A〜4Cは、手術中の上半身熱ブランケットと同じ方法で患者を暖めるために、第1対流装置60を用いて多機能加温装置20を治療加温にどの様に適合されるかを示す。これらの図は、手術台(図示せず)上、好ましくは患者の腕のための十字型の支持台を有する手術台上に横たわる患者の上方位置から臨床衣22の前面方向に見たものである。図4Aでは、臨床衣22は袖53の中の縫い目56を開いて準備され、それにより袖53の後ろ部分を下部55の方向またはそれを越えて巻き込むまたは折畳むことができる。図4Bでは、第1対流装置60の末端63と同様、ヘッドドレープ87が巻き取られない。つまみ標的88(図3B〜3Dにも見られる)、またはタブ(図示せず)がヘッドドレープの自由な上端上に備えられ、ヘッドドレープを展開するために掴むことができる。末端63を巻きこまないことは、図5A〜5Eを参照して理解され得る。末端63は袖口58から自由であり、袖53の末端を通って広がり、患者の手および手首の上に位置する様に広げられる。
【0051】
図4Cでは、フラップ29を折り返して第1対流装置60の差込ポート61を外に曝し、ヒーター/送風機ユニット(図示せず)を空気ホースおよびノズル(図示せず)を経て差込ポート61と接続する。図3G、3Hおよび3Iとの関係で上記に説明した様に、両面テープ66を展開して使用する。すなわち、第2対流装置70の上部エッジは両面テープ66から引き抜き、バッキング66bがテープの外表面から抜き取られる。図4Cに示す様に、第1対流装置60の末端63およびヘッドドレープ87は完全に広げられ、テープ66が患者の体に接着固定され、臨床衣22の下部は第1対流装置60の上で、第2対流装置70と一緒に22fで巻き取りまたは折畳まれ、それにより多機能加温装置20の下部を手術部位から取り除く。図4Cは上半身対流装置の形の、患者の上に展開するために自由にされ、患者に固定され、その場で操作して胸部、腹部または骨盤手術中に治療加温を行う第1対流装置60を示す。操作すると、第1対流装置60はヒーター/送風機ユニットからの気流に応じて膨張し、その透過性表面を通って患者の方向に空気を放出する。ヘッドドレープ87と広げられた末端63は患者の頭および手の周りの暖かい空気を捕捉し、それにより中核体温が適温またはその近くに保たれる。
【0052】
図4Cを参照すると、手術後にヒーター送風機ユニットが第1対流装置60から外された場合、末端63が図3B、4Cおよび5Eに見られる穿孔69に沿って除去されるか、または第1対流装置60がそのままで、術後期間中の加温に使用され続ける。ヘッドドレープ87の上部は図4Cの穿孔89の線に沿って取外されるか、またはヘッドドレープはそのままで、術後期間中の加温に使用され続ける。図4Cを参照すると、臨床衣22の巻き取った部分22fは、第2対流装置70と一緒に第1対流装置60の中心から患者の足の方向に広げられる、または伸ばされ、その結果臨床衣22を患者が再度着用し得る様に組み替えられる。または、麻酔から回復している間に患者を手術後加温する必要がある場合、伸ばした臨床衣22は患者の周りの暖かい空気を捕捉するための、患者を覆うブラケットまたはドレープとして作用する。
【0053】
図4Dは、どの様にして多機能加温装置20を第2対流装置70を用いて治療加温に適応させ、手術中に下半身熱ブランケットと同じ方法で患者を暖めるかを示す。図は患者の上方位置から臨床衣22の前面に向かって見たものであり、患者は手術台(図示せず)上に、好ましくは患者の腕を十字に支持する手術台上に横たわっている。袖の縫い目56を分離し、患者の腕から袖を抜き取って、第2対流装置70の第2セクション72を用いて治療加温のために多機能加温装置20を図4Dに示す様に構成し得る。次に臨床衣22の上部55が患者の上半身から引き下げられ、22ffで下部55の上に第1対流装置60と共に巻き取られるか折畳まれる。臨床衣22を緩めるために紐100が解かれ、必要あれば手術部位を開けるために臨床衣22を患者の足の方向に滑らせる。取り付け機構66のテープが、図3G、3Hおよび3Iを参照して上記に説明した様に使用のために展開され、バッキング66bが取り除かれ、テープを患者の体に接着固定する。フラップ30が折り返されて第2セクション72の差込ポート85を露出し、ヒーター/送風機ユニット(図示せず)を空気ホースおよびノズル(図示せず)を経由して差込ポート85に接続する。第2対流装置70がこの様にして展開され、第2セクション72を用いて患者の上半身の手術中、下半身熱ブランケットと同じ方法で使用される。臨床ガウン22の側面は吊り下げられ、ドレープとして作用し、患者の周りの暖かい空気を捕捉する。手術後、臨床衣22を患者の上部胸の方向に滑らせ、そこで下部55から患者の肩の方向へ第1対流装置60と一緒に上部51を伸ばす、または広げる。袖53を患者の肩の上で上向きに引っ張り、縫い目56を肩および上腕の周りで合わせ、患者が着用するように臨床衣22を再構成する。または、患者が麻酔から回復する間に術後加温を必要とする場合、広げた臨床ガウン22は患者の周囲の加温空気を捕捉するために患者を覆うブランケットまたはドレープとして働く。
【0054】
第1対流装置の折畳んだ末端63を袖53の末端を通して広げる現在の最良の方法は図5A〜5Bを参照して最もよく理解されると思われるが、図は臨床衣22の左袖の前表面の方向に見たものである。従って、図示するために左袖を用いているが、右袖の対応する構成にも以下の説明が当てはまる。図5Aは袖口58内に折畳まれ巻き込まれた末端63に接近し得る様に、袖53に形成された弱いライン(好ましくは穿孔)を示す。穿孔90の2つの向かい合ったラインが袖53の末端近くに形成されるが、そのラインの1つは袖の前であり、向かい合ったラインは袖の前半分に向き合う袖口58の中間にある。または、穿孔91の1本のラインが袖の末端またはその近くに形成され、袖が袖口58に移行する。図5Bで最もよく見られる様に、穿孔90の第1パターンによりユーザーは袖53の前半分の末端93を引き裂くことができる。穿孔91の第2パターンにより、ユーザーは袖の末端の2つの側面を、図5Cに図示されるような方法で袖53の末端またはその近くで分離することができる。図5Dに示す様に、袖53の末端がひとたび開かれると、第1対流装置60の末端63の折畳まれた部分を袖口58の開かれたばかりの末端を通り、袖53の末端53を通って引き出すことができる。
【0055】
穿孔ライン90または91に関して袖53の内面に袖口58を形成するための、現在の最良の方法は、図3A、3D、3Fおよび5A〜5Cを参照して理解できる。この点に関し、穿孔の好ましいパターンが臨床衣22の袖53の前半分に形成される。第1および第2対流装置60および70は、上記の様に臨床衣22から独立に形成される。第1対流装置60は図3Bに示す完全に折畳んだ形状で内部表面43に向き合って置かれ、袖53の間を通り、その不透過性表面は内部表面43に向き合い、末端63の折畳んだ構成がその間に位置する。第1対流装置60は、その上部および下部エッジと袖53の前半分にある内面の部分との間で接着固定のラインにより内面43に取り付けられている。袖の末端に向かって、接着固定ラインは末端63の折畳み部分および穿孔90の不足のために停止し、縦軸49方向では、袖53が臨床衣22の本体と合体する場所で接合ラインが停止する。第1対流装置60の不透過性表面と内面との間の接着剤支点のラインは、取り付け機構66のすぐ上に備えられている。次いで各袖53の末端が袖52の内面に、内面43の方向に沿って折畳まれるが、その方向は相互に向かい合う穿孔90の2つのラインを、1つのラインは袖の内面、もう1つのラインは袖の外面に位置させるに十分な程度、または穿孔91の1本のラインを内面袖口58への移行部またはその近くに位置させるに十分な程度離れている。ひとたび折畳まれると、各袖の末端は袖を横切って横方向に伸びる接着固定の1本の長いストリップにより袖の内面に取り付けられる。図3Aおよび3Dを参照すると、各袖口58に対する接合のストリップは袖口と同じぐらいの幅である。これらの図面を参照してさらに理解される様に、袖口58に沿った接着固定のストリップは袖口と、第1対流装置60の上部エッジ62の上の袖53中の内部表面43の部分から伸びる痕跡との間を、袖の前半分中の第1対流装置60の透過性表面64の狭いストリップを横切り、袖の後ろ半分の内面の狭いストリップを横切って伸びている。袖53の末端近くの、または末端の穿孔パターンを開いた場合、ユーザーは袖の前面と第1対流装置60の不透過性表面とで決められた空間に到達し、その中に詰め込まれた第1対流装置の不透過性の折畳み末端部分を掴み、開口部を通って折畳まれた末端部分を広げる。接着固定のストリップは装置の透過性表面の小さなストリップしか閉じ込めないので、この構造は第1対流装置60の操作を若干しか妨害しない。同時に、この構造は臨床衣22の袖53に関して第1対流装置60の末端63の移動を確実に止める役割を果たす。
【0056】
加温装置は対流装置60のみで提供され、その他は必要ないことが明らかである。これは、加温装置110が臨床衣22と第1対流装置60等の細長い対流装置で構成される図6に示される。図6のこの図は臨床衣22の背後から、臨床衣の内部表面43の方向に見たものであり、臨床衣はそれを着用する患者と向き合っており、その上に対流装置60が臨床衣を着用する患者の上半身に向き合う様に搭載されている。図6に示す様に、対流装置60は臨床衣22の内面43上に配置され、支持されまたは構成される細長い対流装置であり、上部51では縦軸49を横切り、袖53から袖53へ伸びている。対流装置60は図3Bおよび3Cに示す構造を有する上半身対流装置でありその末端63は折畳まれ、袖口58の内部に保持されている。臨床衣22の上部51の1つ以上の開口部(図2および3Aのフラップ29等)により、治療加温用のブランケットを操作するために空気ホースを対流装置60の差込ポート61等の1つ以上の差込ポートに接続可能であることにより接近できるようにする。使用中、加温加圧空気が対流装置60内に流入してそれを膨張させ、透過性表面64を通って患者の方向に排出される。臨床衣22と対流装置とは上記の様に形成され結合される。対流装置60は最初は臨床衣22中に、図3Dに示すように折畳んだ末端が袖口中に保持されて臨床衣22中に納められることが好ましい。臨床衣の折畳んだ末端は図5A〜5Dに示す様に袖口から展開されることが好ましい。加温装置110はヘッドドレープ87と取り付け機構66付きで提供されることが好ましい。このように構成すると、加温装置110を図4A〜4Cに関連して上記の様に展開し操作することができる。
【0057】
ある態様からは、多機能加温装置は臨床衣と、臨床衣の内面に支持された2つの対流装置で構成される。第1対流装置は臨床衣の上部に横方向に配置され、臨床衣の2つの袖の間に伸びている。第2対流装置は臨床衣の下部に縦方向に配置され、独立に膨張可能なセクションを有しそれぞれが特定の方法の加温を可能にする。臨床衣の内面上に支持される対流装置により、患者は装置を臨床ガウンとして着用可能で、対流装置の1つを操作することにより快適加温が提供される。手術の準備では、対流装置の1つが治療加温のために展開され、使用しない対流装置を有する臨床衣は手術中に治療加温のために展開された対流装置の上、またはその周囲に巻き込まれるか折畳まれる。臨床衣は患者に再度着用されるために伸ばされる、または広げられる。
【0058】
他の態様から、多機能加温装置は臨床衣および臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流装置で構成される。対流装置は臨床衣の上部に横方法に配置され、臨床衣の2つの袖の間に伸びている。臨床衣の内面上に支持された対流装置により、手術中および手術後に患者は装置を着用することができる。手術の準備中は、対流装置は治療加温のために展開されるが、臨床衣は展開された対流装置の上、またはその周りに巻き取る、または折畳まれる。
【0059】
上記の2つの態様のいずれかで、臨床衣の上部で横方向に、臨床衣の2つのそでの間に延びる臨床衣中の対流装置の位置決めにより、臨床衣を着用する患者の胸に向かって対流装置が置かれ、臨床衣を患者から取り去ることなく、または対流装置をガウンから取り除かずに、手術中および手術後に対流装置を患者の上半身上に展開し使用することができる。
【0060】
また別な態様では、多機能加温装置は臨床衣と臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流装置で構成される。患者はその装置を臨床ガウンとして着用し、少なくとも1つの対流装置を操作することにより治療加温が行われる。手術の準備中は、対流装置は治療加温のために展開され、一方、使用しない対流装置を有する臨床衣は手術中の治療加温のために展開された対流装置の上、またはその回りに巻き込む、または折畳まれる。対流装置に隣接する取り付け機構を操作して装置を患者に接着固定し、それにより対流装置を手術中に確実に固定する。
【0061】
本発明を現在好ましい実施態様を参照して説明してきたが、本発明の主旨から逸脱することなく様々な変更が可能ことを理解する必要がある。従って、本発明は以下のクレームでのみ制約されるものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内面、向かい合う袖を有する上部、および下部を有する臨床衣と;
該上部の内面上に支持される、対流による加温を行う第1対流装置と;
該下部の内面上に支持される第2対流装置と、を有し、
該第2対流装置には少なくとも独立に膨張可能な少なくとも第1および第2セクションが含まれ、該第1セクションは対流による快適加温を行い、該第2セクションは対流による治療加温を行う、周術期用加温装置。
【請求項2】
第1対流装置は細長い対流装置であり、加温装置には該第1対流装置に差込ポートをさらに含む請求項1の加温装置。
【請求項3】
第1対流装置は上部を横切って横に配置され、袖から袖へ伸びている請求項2の加温装置。
【請求項4】
第1対流装置は少なくとも1つの袖の末端からもう一方の袖の末端へ延びる、請求項2の加温装置。
【請求項5】
第1対流装置は上半身対流装置である、請求項4の加温装置。
【請求項6】
第2対流装置が下部に沿って縦方向に配置される、請求項1の加温装置。
【請求項7】
第1セクションには骨型の部分および該骨型の部分に差込ポートが含まれる請求項6の加温装置。
【請求項8】
第2セクションには骨型部分を3方から囲むU字型部分と、該骨型部分の差込ポートより大きい該U字型部分の差込ポートが含まれる、請求項7の加温装置。
【請求項9】
加温装置を患者に接着固定するための手段をさらに含む請求項1の加温装置。
【請求項10】
第1対流装置上の下部エッジ、該下部エッジに沿った取り付け機構、および第2対流装置上の上部エッジをさらに有し、該上部エッジは該下部エッジおよび該取り付け機構と重なり合う請求項1の加温装置。
【請求項11】
取り付け機構は下部エッジに沿って取り付けられたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項10の加温装置。
【請求項12】
取り付け機構を、該取り付け機構が第2対流装置の上部エッジに重なる位置に振るための手段を含む請求項10の加温装置。
【請求項13】
第1対流装置が上半身対流装置である請求項10の加温装置。
【請求項14】
上部で内部表面に隣接するヘッドドレープをさらに含む、請求項1の加温装置。
【請求項15】
第1対流装置上の上部エッジと、該上部エッジの近くのヘッドドレープをさらに含む請求項1の加温装置。
【請求項16】
ヘッドドレープが臨床衣と上半身対流装置との間で内面に取り付けられる、請求項15の加温装置。
【請求項17】
ヘッドドレープが第1対流装置と臨床衣との間で第1対流装置に取り付けられる、請求項15の加温装置。
【請求項18】
第1対流装置には2つの横に広がる側面が含まれ、各側面はそれぞれの袖の中で折畳まれた形状で配置される請求項2の加温装置。
【請求項19】
各袖には折畳まれた形状の側面を保持する内側袖口と、袖の末端を通り該折畳まれた形状の側面へ接近するために開放された袖口近くの1つ以上の穿孔ラインが含まれる、請求項18の加温装置。
【請求項20】
袖の中の折畳まれた形状の側面を放出可能に保持するための手段を各袖内にさらに有する、請求項18の加温装置。
【請求項21】
第1対流装置には各側面を横切って横に伸びる穿孔ラインが含まれる請求項18の加温装置。
【請求項22】
各側面は第1対流装置の末端を含み、各側面は折畳んだ形状から、末端が臨床衣から外向きに伸びる伸ばした形状に広げることができる請求項21の加温装置。
【請求項23】
側面上の穿孔ラインにより末端を第1対流装置から分離し得る請求項22の加温装置。
【請求項24】
第1対流装置が上半身対流装置である請求項18の加温装置。
【請求項25】
第1対流装置には対向する末端と、該末端に形成された紐とが含まれる請求項2の加温装置。
【請求項26】
紐にはアーチ型形状が含まれる請求項25の加温装置。
【請求項27】
第1対流装置には対向する末端と該末端近くに患者の手を受け取るための末端スリットが含まれる請求項2の加温装置。
【請求項28】
臨床衣を通って第2熱ブランケットと臨床衣との間の空間中へ開いている少なくとも1つのハンドスリットをさらに有する、請求項1の加温装置。
【請求項29】
フロントを有し、ハンドスリットがフロントを通して開いている請求項28の加温装置。
【請求項30】
第1対流装置は少なくとも1つの差込ポートを含み、第1セクションは少なくとも1つの差込ポートを含み、第2セクションは少なくとも1つの差込ポートを含み、該第1対流装置と該第2セクションとの差込ポートは第1直径の加温ホースノズルを受け取る寸法を有し、第1セクションの差込ポートは第1直径とは異なる第2直径の加温ホースノズルを受け取る寸法を有する、請求項1の加温装置。
【請求項31】
第2直径が第1直径より小さい請求項30の加温装置。
【請求項32】
第1対流装置は上半身対流装置である請求項1の加温装置。
【請求項33】
臨床衣には開口部を決める向かい合う横方向縁取りと、各縁取りの末端近くで臨床衣内に形成された紐とを有する請求項1の加温装置。
【請求項34】
内面および向かい合う袖を有する上部を有する臨床衣;
該上部の内面に取り付けられた細長い対流装置;
該袖に沿って、該上部を横切って横に配置された対流装置;および
該対流装置中の少なくとも1つの差込ポート
を有する加温装置。
【請求項35】
対流装置が袖から袖へ伸びる請求項34の加温装置。
【請求項36】
対流装置が少なくとも1つの袖の末端から他の袖の末端へ伸びる請求項35の加温装置。
【請求項37】
対流装置が上半身対流装置である請求項36の加温装置。
【請求項38】
対流装置が2つの横へ延びる側面を含み、各側面はそれぞれの袖の中に折畳んだ形状で配置される請求項34の加温装置。
【請求項39】
各袖は折畳んだ形状の側面を保持する内側袖口と、袖の末端を通って折畳んだ形状の側面に接近するために開いた袖口近くの1つ以上の穿孔ラインとを含む、請求項38の加温装置。
【請求項40】
各側面は対流装置の1末端を含み、各側面は折畳んだ形状からそれぞれの末端が臨床衣から外向きに広がる広げた形状へ伸長可能である請求項39の加温装置。
【請求項41】
各袖中に折畳んだ形状の側面を放出可能に保持するための手段をされに含む請求項38の加温装置。
【請求項42】
各側面は対流装置の末端を含み、各側面は折畳んだ形状から末端が臨床衣から外側に延びる広げた形状に広げることができる請求項41の加温装置。
【請求項43】
対流装置は各側面を横切って横に延びる穿孔ラインを含み、末端を対流装置から分離できる様にする請求項40の加温装置。
【請求項44】
対流装置は上半身対流装置である請求項34の加温装置。
【請求項45】
対流装置上に下部エッジと、該下部エッジの近くに取り付け機構をさらに含む請求項34の加温装置。
【請求項46】
取り付け機構は下部エッジに沿って搭載されたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項45の加温装置。
【請求項47】
対流装置が上半身対流装置である請求項45の加温装置。
【請求項48】
内面に隣接して上部にヘッドドレープをさらに含む請求項34の加温装置。
【請求項49】
対流装置上の上部エッジと該上部エッジ近くのヘッドドレープをさらに含む請求項44の加温装置。
【請求項50】
臨床衣と対流装置との間でヘッドドレープが内面に取り付けられる請求項49の加温装置。
【請求項51】
対流装置と臨床衣との間でヘッドドレープが該対流装置に取り付けられる請求項48の加温装置。
【請求項52】
内面を有する臨床衣と;
該臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流装置と;
該対流装置に隣接する患者に接着固定するための手段と、を有する加温装置。
【請求項53】
対流装置上にエッジをさらに含み、手段には該エッジ近くの取り付け機構が含まれる請求項52の加温装置。
【請求項54】
取り付け機構がエッジに沿って搭載されたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項53の加温装置。
【請求項55】
取り付け機構がエッジに沿って搭載されたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項54の加温装置。
【請求項56】
少なくとも1つの第1対流装置には袖の間に伸びる、上部の内側に取り付けられた第1対流装置と、下部の内側に取り付けられた第2対流装置とを含む請求項52〜55の任意の1項の加温装置。
【請求項57】
第1対流装置上の下部エッジと第2対流装置上の上部エッジをさらに含み、該上部エッジは該下部エッジと重なり合い、テープストリップは該上部エッジの下の該下部エッジに沿って取り付けられる請求項55の加温装置。
【請求項1】
内面、向かい合う袖を有する上部、および下部を有する臨床衣と;
該上部の内面上に支持される、対流による加温を行う第1対流装置と;
該下部の内面上に支持される第2対流装置と、を有し、
該第2対流装置には少なくとも独立に膨張可能な少なくとも第1および第2セクションが含まれ、該第1セクションは対流による快適加温を行い、該第2セクションは対流による治療加温を行う、周術期用加温装置。
【請求項2】
第1対流装置は細長い対流装置であり、加温装置には該第1対流装置に差込ポートをさらに含む請求項1の加温装置。
【請求項3】
第1対流装置は上部を横切って横に配置され、袖から袖へ伸びている請求項2の加温装置。
【請求項4】
第1対流装置は少なくとも1つの袖の末端からもう一方の袖の末端へ延びる、請求項2の加温装置。
【請求項5】
第1対流装置は上半身対流装置である、請求項4の加温装置。
【請求項6】
第2対流装置が下部に沿って縦方向に配置される、請求項1の加温装置。
【請求項7】
第1セクションには骨型の部分および該骨型の部分に差込ポートが含まれる請求項6の加温装置。
【請求項8】
第2セクションには骨型部分を3方から囲むU字型部分と、該骨型部分の差込ポートより大きい該U字型部分の差込ポートが含まれる、請求項7の加温装置。
【請求項9】
加温装置を患者に接着固定するための手段をさらに含む請求項1の加温装置。
【請求項10】
第1対流装置上の下部エッジ、該下部エッジに沿った取り付け機構、および第2対流装置上の上部エッジをさらに有し、該上部エッジは該下部エッジおよび該取り付け機構と重なり合う請求項1の加温装置。
【請求項11】
取り付け機構は下部エッジに沿って取り付けられたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項10の加温装置。
【請求項12】
取り付け機構を、該取り付け機構が第2対流装置の上部エッジに重なる位置に振るための手段を含む請求項10の加温装置。
【請求項13】
第1対流装置が上半身対流装置である請求項10の加温装置。
【請求項14】
上部で内部表面に隣接するヘッドドレープをさらに含む、請求項1の加温装置。
【請求項15】
第1対流装置上の上部エッジと、該上部エッジの近くのヘッドドレープをさらに含む請求項1の加温装置。
【請求項16】
ヘッドドレープが臨床衣と上半身対流装置との間で内面に取り付けられる、請求項15の加温装置。
【請求項17】
ヘッドドレープが第1対流装置と臨床衣との間で第1対流装置に取り付けられる、請求項15の加温装置。
【請求項18】
第1対流装置には2つの横に広がる側面が含まれ、各側面はそれぞれの袖の中で折畳まれた形状で配置される請求項2の加温装置。
【請求項19】
各袖には折畳まれた形状の側面を保持する内側袖口と、袖の末端を通り該折畳まれた形状の側面へ接近するために開放された袖口近くの1つ以上の穿孔ラインが含まれる、請求項18の加温装置。
【請求項20】
袖の中の折畳まれた形状の側面を放出可能に保持するための手段を各袖内にさらに有する、請求項18の加温装置。
【請求項21】
第1対流装置には各側面を横切って横に伸びる穿孔ラインが含まれる請求項18の加温装置。
【請求項22】
各側面は第1対流装置の末端を含み、各側面は折畳んだ形状から、末端が臨床衣から外向きに伸びる伸ばした形状に広げることができる請求項21の加温装置。
【請求項23】
側面上の穿孔ラインにより末端を第1対流装置から分離し得る請求項22の加温装置。
【請求項24】
第1対流装置が上半身対流装置である請求項18の加温装置。
【請求項25】
第1対流装置には対向する末端と、該末端に形成された紐とが含まれる請求項2の加温装置。
【請求項26】
紐にはアーチ型形状が含まれる請求項25の加温装置。
【請求項27】
第1対流装置には対向する末端と該末端近くに患者の手を受け取るための末端スリットが含まれる請求項2の加温装置。
【請求項28】
臨床衣を通って第2熱ブランケットと臨床衣との間の空間中へ開いている少なくとも1つのハンドスリットをさらに有する、請求項1の加温装置。
【請求項29】
フロントを有し、ハンドスリットがフロントを通して開いている請求項28の加温装置。
【請求項30】
第1対流装置は少なくとも1つの差込ポートを含み、第1セクションは少なくとも1つの差込ポートを含み、第2セクションは少なくとも1つの差込ポートを含み、該第1対流装置と該第2セクションとの差込ポートは第1直径の加温ホースノズルを受け取る寸法を有し、第1セクションの差込ポートは第1直径とは異なる第2直径の加温ホースノズルを受け取る寸法を有する、請求項1の加温装置。
【請求項31】
第2直径が第1直径より小さい請求項30の加温装置。
【請求項32】
第1対流装置は上半身対流装置である請求項1の加温装置。
【請求項33】
臨床衣には開口部を決める向かい合う横方向縁取りと、各縁取りの末端近くで臨床衣内に形成された紐とを有する請求項1の加温装置。
【請求項34】
内面および向かい合う袖を有する上部を有する臨床衣;
該上部の内面に取り付けられた細長い対流装置;
該袖に沿って、該上部を横切って横に配置された対流装置;および
該対流装置中の少なくとも1つの差込ポート
を有する加温装置。
【請求項35】
対流装置が袖から袖へ伸びる請求項34の加温装置。
【請求項36】
対流装置が少なくとも1つの袖の末端から他の袖の末端へ伸びる請求項35の加温装置。
【請求項37】
対流装置が上半身対流装置である請求項36の加温装置。
【請求項38】
対流装置が2つの横へ延びる側面を含み、各側面はそれぞれの袖の中に折畳んだ形状で配置される請求項34の加温装置。
【請求項39】
各袖は折畳んだ形状の側面を保持する内側袖口と、袖の末端を通って折畳んだ形状の側面に接近するために開いた袖口近くの1つ以上の穿孔ラインとを含む、請求項38の加温装置。
【請求項40】
各側面は対流装置の1末端を含み、各側面は折畳んだ形状からそれぞれの末端が臨床衣から外向きに広がる広げた形状へ伸長可能である請求項39の加温装置。
【請求項41】
各袖中に折畳んだ形状の側面を放出可能に保持するための手段をされに含む請求項38の加温装置。
【請求項42】
各側面は対流装置の末端を含み、各側面は折畳んだ形状から末端が臨床衣から外側に延びる広げた形状に広げることができる請求項41の加温装置。
【請求項43】
対流装置は各側面を横切って横に延びる穿孔ラインを含み、末端を対流装置から分離できる様にする請求項40の加温装置。
【請求項44】
対流装置は上半身対流装置である請求項34の加温装置。
【請求項45】
対流装置上に下部エッジと、該下部エッジの近くに取り付け機構をさらに含む請求項34の加温装置。
【請求項46】
取り付け機構は下部エッジに沿って搭載されたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項45の加温装置。
【請求項47】
対流装置が上半身対流装置である請求項45の加温装置。
【請求項48】
内面に隣接して上部にヘッドドレープをさらに含む請求項34の加温装置。
【請求項49】
対流装置上の上部エッジと該上部エッジ近くのヘッドドレープをさらに含む請求項44の加温装置。
【請求項50】
臨床衣と対流装置との間でヘッドドレープが内面に取り付けられる請求項49の加温装置。
【請求項51】
対流装置と臨床衣との間でヘッドドレープが該対流装置に取り付けられる請求項48の加温装置。
【請求項52】
内面を有する臨床衣と;
該臨床衣の内面上に支持された少なくとも1つの対流装置と;
該対流装置に隣接する患者に接着固定するための手段と、を有する加温装置。
【請求項53】
対流装置上にエッジをさらに含み、手段には該エッジ近くの取り付け機構が含まれる請求項52の加温装置。
【請求項54】
取り付け機構がエッジに沿って搭載されたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項53の加温装置。
【請求項55】
取り付け機構がエッジに沿って搭載されたテープストリップであり、該テープストリップの周りに穿孔パターンをさらに含む請求項54の加温装置。
【請求項56】
少なくとも1つの第1対流装置には袖の間に伸びる、上部の内側に取り付けられた第1対流装置と、下部の内側に取り付けられた第2対流装置とを含む請求項52〜55の任意の1項の加温装置。
【請求項57】
第1対流装置上の下部エッジと第2対流装置上の上部エッジをさらに含み、該上部エッジは該下部エッジと重なり合い、テープストリップは該上部エッジの下の該下部エッジに沿って取り付けられる請求項55の加温装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図3G】
【図3H】
【図3I】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図6A】
【図6B】
【公開番号】特開2012−149379(P2012−149379A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−86052(P2012−86052)
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【分割の表示】特願2008−536824(P2008−536824)の分割
【原出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(504371125)アリザント ヘルスケア インク. (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【分割の表示】特願2008−536824(P2008−536824)の分割
【原出願日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【出願人】(504371125)アリザント ヘルスケア インク. (7)
【Fターム(参考)】
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