説明

呼制御装置、ライセンス管理プログラム及びライセンス管理方法

【課題】 呼制御装置において、リアルタイムにライセンスの利用状況を検出し、ライセンス管理する。
【解決手段】 本発明は、所定動作について同時に実行する数を、上記所定動作に係るライセンス数以下とする呼制御装置に関する。そして、呼制御装置は、所定動作を実行する手段と、新たに所定動作を実行しようとする場合に、所定動作について同時に実行する数が、ライセンス数を超えるか否かを判定する手段と、所定動作について同時に実行する数が、ライセンス数を超えると判定された場合に、新たな所定動作の実行を禁止する手段とを有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼制御装置、ライセンス管理プログラム及びライセンス管理方法に関し、例えば、設定されているライセンスに応じて動作を制限する呼制御装置に適用し得る。
【背景技術】
【0002】
現在、ソフトウェアの不正使用を防ぐために、ソフトウェアの使用に関するライセンスを管理する種々のネットワークシステムが開発されている。また、企業等ではLANやWAN等のネットワークの構築が進み、これに伴って、ネットワーク上でライセンス管理対象となるソフトウェアを同時に使用する最大数を許諾する形態でのライセンス契約を結び、そのライセンスを管理するシステムが増えている。
【0003】
例えば、特許文献1にライセンス管理システムでは、ライセンス管理サーバが、所定時間毎にクライアントに対してライセンス管理対象となるソフトウェアの使用状況を問い合わせ、システム全体で同時に実行されているソフトウェアの数を把握している。
【特許文献1】特開2001−142689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のライセンス管理システムでは、所定時間の間隔で、クライアントにソフトウェアの使用状況を問い合わせするため、次に問い合わせを行うまでの間の利用状況が検出できず、リアルタイムにライセンスの利用状況を検出することができなかった。
【0005】
そのため、リアルタイムにライセンスの利用状況を検出し、ライセンス管理することができる呼制御装置、ライセンス管理プログラム及びライセンス管理方法が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明の呼制御装置は、(1)所定動作について同時に実行する数を、上記所定動作に係るライセンス数以下とする呼制御装置において、(2)上記所定動作を実行する動作実行手段と、(3)上記動作実行手段が、新たに上記所定動作を実行しようとする場合に、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えるか否かを判定する判定手段と、(4)上記判定手段により、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による新たな上記所定動作の実行を禁止する動作実行禁止手段とを有することを特徴とする。
【0007】
第2の本発明のライセンス管理プログラムは、(1)所定動作について同時に実行する数を、上記所定動作に係るライセンス数以下とする呼制御装置に搭載されたコンピュータを、(2)上記所定動作を実行する動作実行手段と、(3)上記動作実行手段が、新たに上記所定動作を実行しようとする場合に、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えるか否かを判定する判定手段と、(4)上記判定手段により、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による新たな上記所定動作の実行を禁止する動作実行禁止手段として機能させることを特徴とする。
【0008】
第3の本発明のライセンス管理方法は(1)定動作について同時に実行する数を、上記所定動作に係るライセンス数以下とする呼制御装置におけるライセンス管理方法において、(2)動作実行手段、判定手段、動作実行禁止手段を有し、(3)上記動作実行手段は、上記所定動作を実行し、(4)上記判定手段は、上記動作実行手段が、新たに上記所定動作を実行しようとする場合に、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えるか否かを判定し、(5)上記動作実行禁止手段は、上記判定手段により、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による新たな上記所定動作の実行を禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、呼制御装置において、リアルタイムにライセンスの利用状況を検出し、ライセンス管理することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(A)第1の実施形態
以下、本発明による呼制御装置、ライセンス管理プログラム及びライセンス管理方法の第1の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0011】
(A−1)第1の実施形態の構成
図1は、この実施形態に関係する各種装置の接続関係などを示したブロック図である。
【0012】
コールエージェント(以下、「CA」という)11は、この実施形態の呼制御装置であり、例えば、通信システムにおいて、電話端末や、他の呼制御装置などの外部の装置間の呼を制御するものである。CA11は、同時に接続(制御)する呼数の上限を、同時接続ライセンス数(以下、「N」と表す)以下に制限するライセンス管理を行い、ライセンスの使用状況を監視装置12に通知する。CA11は、例えば、IP電話システムにおける呼制御装置や、SIP(Session Initiation Protocol)通信における呼制御装置であっても良い。また、CA11は、例えば、PBXやIP−PBXなどの交換装置に搭載された呼制御装置であっても良いし、通信キャリアのネットワークシステムにおける呼制御装置であっても良い。
【0013】
CA11は、CPU、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクなどのプログラムの実行構成、及び、他の装置と通信をするためのインターフェースを有する装置(1台に限定されず、複数台を分散処理し得るようにしたものであっても良い。)に、実施形態のライセンス管理プログラム等をインストールすることにより構築されるものであり、機能的には上述の図1のように示すことができる。
【0014】
CA11は、呼制御部111、入接続リソース制御部112、出接続リソース制御部113、ライセンス管理部114、トラヒック管理部115を有している。
【0015】
呼制御部111は、CA11において、呼制御を行うものである。
【0016】
入接続リソース制御部112は、外部装置から、CA11(呼制御部111)に呼接続の要求があった場合に、その外部装置と、呼制御部111との接続を管理するものである。入接続リソース制御部112は、例えば、外部装置から、呼接続要求に係る信号(以下、「起呼信号」という)が与えられると、ライセンス管理部114に、ライセンス数をオーバするか否か、すなわち、その呼を接続させた場合CA11において、同時に接続(制御)する呼の数が、同時接続ライセンス数Nをオーバするか否かを問い合わせる。そして、入接続リソース制御部112は、ライセンス管理部114から、ライセンス数をオーバしない旨の返答があった場合には、呼制御部111に、その呼の接続(制御)を要求し、ライセンス数をオーバする旨の返答があった場合には、呼制御部111にその呼の接続(制御)は行わせない。
【0017】
出接続リソース制御部113は、CA11(呼制御部111)から外部装置への呼接続要求を管理制御するものである。出接続リソース制御部113は、呼制御部111から外部装置への呼接続の要求が通知されると、ライセンス管理部114に、ライセンス数をオーバするか否か、すなわち、その呼を接続させた場合にCA11において、同時に接続(制御)する呼の数が、同時接続ライセンス数Nをオーバするか否かを問い合わせる。そして、出接続リソース制御部113は、ライセンス管理部114から、ライセンス数をオーバしない旨の返答があった場合には、呼制御部111にその呼の接続(制御)を行わせ、ライセンス数をオーバする旨の返答があった場合には、呼制御部111にその呼の接続(制御)は行わせない。
【0018】
ライセンス管理部114は、ライセンス情報登録部114aを有しており、ライセンス情報登録部114aには、同時接続ライセンス数Nの情報が登録されている。
【0019】
ライセンス管理部114は、入接続リソース制御部112又は出接続リソース制御部113から、ライセンス数をオーバするか否かについて問い合わせがあると、その問い合わせのあった呼をさらに接続(制御)した場合に、CA11全体で同時に接続(制御)する呼の数が、Nをオーバしない場合には、ライセンス数をオーバしない旨を返答し、Nをオーバする場合にはライセンス数をオーバする旨を返答する。ライセンス管理部114は、例えば、現在の呼の同時接続数に1を加算しても、ライセンス情報登録部114aに登録されたNを超えない場合に、ライセンス数をオーバすると判定し、Nを超えない場合にはライセンス数をオーバしないと判定するようにしても良い。
【0020】
ライセンス管理部114は、現在のCA11における呼の同時接続数の情報を、呼制御部111に問い合わせて読込んでも良い。また、ライセンス管理部114は、同時接続ライセンス数Nについては、ライセンス情報登録部114aに登録されている情報を参照するようにしても良い。
【0021】
また、ライセンス管理部114は、入接続リソース制御部112又は出接続リソース制御部113から、ライセンス数をオーバするか否かについて問い合わせがあった場合に、現在の呼の同時接続数を、トラヒック管理部115通知するようにしても良い。
【0022】
さらに、ライセンス管理部114は、CA11における、呼の同時接続数の最大数(以下、「接続最大数」という)を記憶し、更新するようにしても良い。ライセンス管理部114は、現在の呼の同時接続数の情報を、呼制御部111に問い合わせて読込んだ場合に、記憶している接続最大数よりも、現在の呼の同時接続数の方が多い場合に、接続最大数を現在の呼の同時接続数に更新して記憶する。ライセンス管理部114は、現在の呼の同時接続数の情報をトラヒック管理部115に通知する際に、その時点の接続最大数の情報も通知するようにしても良い。なお、接続最大数の初期値は、例えば「0」に設定しても良い。
【0023】
さらにまた、ライセンス管理部114は、入接続リソース制御部112、出接続リソース制御部113から、ライセンス数がオーバするか否かについて問い合わせがあり、ライセンス数がオーバすると判定した際には、その旨を監視装置12にも通知するようにしても良い。
【0024】
トラヒック管理部115は、ライセンス管理部114から通知された呼の同時接続数に係る情報を記憶管理し、監視装置12にその情報を提供するものである。トラヒック管理部115は、ライセンス管理部114から、現在の呼の同時接続数の情報及び上述の接続最大数の情報が与えられると、その情報を記憶する。そして、トラヒック管理部115は、監視装置12からの要求に応じて、記憶している情報を提供する。なお、トラヒック管理部115は、ライセンス管理部114から与えられた情報のうち、最新に与えられた情報のみを記憶するようにしても良いし、履歴を記憶するようにしても良いが、この実施形態では、最新に与えられた情報のみを記憶するものとする。
【0025】
また、トラヒック管理部115は、ライセンス管理部114から与えられた情報を、図1において図示は省略しているが、CA11が備えるMIB(Management Information Base)に登録するようにしてもよい。その場合、CA11と監視装置12とが、SNMP(Simple Network Management Protocol)により通信し、トラヒック管理部115がMIBに登録した情報を監視装置12に提供するようにしても良い。例えば、監視装置12から、CA11にSNMPにおけるGetRequestにより、トラヒック管理部115がMIBに登録した情報の要求があった場合には、GetResponseにより、要求のあった情報を返答するようにしても良い。
【0026】
トラヒック管理部115は、ライセンス管理部114から与えられた情報を記憶しておき、一定周期(例えば、1分)ごとに、MIBの値を更新するようにしても良いし、ライセンス管理部114から情報が与えられた時点でMIBの値を更新するようにしても良い。この実施形態では、トラヒック管理部115は、現在の呼の同時接続数については、ライセンス管理部114から情報が与えられた時点で関連するMIBの値を更新し、接続最大数の情報については、ライセンス管理部114から与えられた情報を記憶しておき、一定周期ごとにMIBの値を更新するものとする。
【0027】
(A−2)第1の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第1の実施形態のCA11における、ライセンス管理の動作(実施形態のライセンス管理方法)を説明する。
【0028】
まず、CA11において、現在の呼の同時接続数が、ライセンス数をオーバしない場合の動作について説明する。
【0029】
図2は、CA11が、外部装置から呼接続の要求を受け、ライセンス数がオーバしない場合の、ライセンス管理の動作について示した説明図である。
【0030】
まず、入接続リソース制御部112では、呼接続を要求する外部装置から、起呼信号が与えられると(S101)、ライセンス数がオーバするか否かが、ライセンス管理部114に問い合わせされる(S102)。
【0031】
そして、入接続リソース制御部112から、ライセンス数がオーバするか否かの問い合わせがされると、ライセンス管理部114では、呼制御部111から、現在の呼の同時接続数の情報が読込まれ(S103)、現在の呼の同時接続数に1を加算した値が、ライセンス情報登録部114aに登録された同時接続ライセンス数Nを超えるか否か判定される。ここでは上述の通り、呼の同時接続数が同時接続ライセンス数Nを超えず「ライセンス数をオーバしない」と判定されたものとし、その旨が入接続リソース制御部112に返答される(S104)。
【0032】
また、上述のステップS103において、呼制御部111からライセンス管理部114に現在の呼の同時接続数が読込まれると、ライセンス管理部114では、ライセンス管理部114において記憶している接続最大数よりも現在の呼の同時接続数の方が多い場合、記憶している接続最大数を、現在の呼の同時接続数に更新する。そして、ライセンス管理部114から、トラヒック管理部115に、現在の呼の同時接続数と、接続最大数とが通知される。現在の呼の同時接続数と、接続最大数とが通知されると、トラヒック管理部115では、記憶している現在の呼の同時接続数と、接続最大数に係る情報が更新される。そして、現在の呼の同時接続数に係るMIBの値が通知された値に更新される(S105)。なお、この実施形態では、接続最大数に係るMIBについては、一定周期ごとにトラヒック管理部115が記憶している値に更新されるものとする。
【0033】
そして、ライセンス管理部114から、入接続リソース制御部112に、ライセンス数をオーバしない旨の通知があると、上述のステップS101における呼接続要求は、入接続リソース制御部112を介して呼制御部111への呼接続要求となる(S106、S107)。
【0034】
次に、CA11において、現在の呼の同時接続数が、ライセンス数をオーバした場合の動作について説明する。
【0035】
図3は、CA11が、外部装置から呼接続の要求を受け、ライセンス数がオーバした場合のライセンス管理の動作について示したシーケンス図である。
【0036】
ステップS201、S202の動作は、上述のステップS101、S102と同様であるので、説明を省略する。
【0037】
そして、入接続リソース制御部112から、ライセンス数がオーバするか否かの問い合わせがあると、ライセンス管理部114では、呼制御部111から、現在の呼の同時接続数の情報が読込まれ(S203)、現在の呼の同時接続数に1を加算した値が、ライセンス情報登録部114aに登録された同時接続ライセンス数Nを超えるか否か判定されるが、ここでは上述の通り、呼の同時接続数が同時接続ライセンス数Nを超えてしまい、「ライセンス数をオーバする」と判定されたものとし、その旨が入接続リソース制御部112、及び、監視装置12に通知される(S204、S205)。
【0038】
そして、ライセンス管理部114から、入接続リソース制御部112に、ライセンス数をオーバする旨の通知があると、入接続リソース制御部112は、呼制御部111に、上述のステップS201において接続要求された呼を接続させずNGとなる(S206)。
【0039】
また、上述のステップS203において、呼制御部111からライセンス管理部114に現在の呼の同時接続数が読込まれると、ライセンス管理部114では、ライセンス管理部114において記憶している接続最大数よりも現在の呼の同時接続数の方が多い場合、記憶している接続最大数を、現在の呼の同時接続数に更新する。そして、ライセンス管理部114から、トラヒック管理部115に、現在の呼の同時接続数と、接続最大数とが通知される。現在の呼の同時接続数と、接続最大数とが通知されると、トラヒック管理部115では、記憶している現在の呼の同時接続数と、接続最大数に係る情報が更新される。そして、現在の呼の同時接続数に係るMIBの値が通知された値に更新される(S207)。なお、この実施形態では、接続最大数に係るMIBについては、一定周期ごとにトラヒック管理部115が記憶している値に更新されるものとする。
【0040】
上述の図2、図3においては、外部装置からCA11に呼接続の要求があった場合のCA11におけるライセンス管理に関する動作について説明したが、CA11から外部装置に呼接続をする場合には、入接続リソース制御部112が出接続リソース制御部113に置き換わり、上述のステップS101、S201において呼接続の要求元が外部装置から呼制御部111に置き換わるだけで、他の内容は上述の図2、図3と同様であるため、詳しい説明を省略する。
【0041】
(A−3)第1の実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0042】
CA11では、新たな呼を接続しようとするたびに、入接続リソース制御部112又は出接続リソース制御部113から、ライセンス管理部114に、呼の同時接続数がライセンス数をオーバするか否かについて問い合わせをし、トラヒック管理部115では、その問い合わせを契機に、呼の同時接続数がライセンス数をオーバするか否かを判定している。これにより、CA11では、リアルタイムにライセンスの利用状況を検出し、ライセンス管理することができる。
【0043】
また、CA11では、呼の同時接続数がライセンス数をオーバしたことを検出と同時に監視装置12などに通知することにより、ユーザ(例えば、保守・監視者など)は、リアルタイムに、呼の同時接続数がライセンス数をオーバしたことを知り、ライセンス管理を容易にすることができる。
【0044】
さらに、CA11のトラヒック管理部115では、監視装置12からの要求に基づいて、現在のCA11における、呼の同時接続数や、呼の同時接続数のピーク(接続最大数)の情報を提供している。これにより、ユーザ(例えば、保守・監視者など)は、呼の同時接続の状況を知り、ライセンス管理を容易にすることができる。
【0045】
(B)第2の実施形態
以下、本発明による呼制御装置、ライセンス管理プログラム及びライセンス管理方法の第2の実施形態を、図面を参照しながら詳述する。
【0046】
(B−1)第2の実施形態の構成
図4は、この実施形態に関係する各種装置の接続関係などを示したブロック図である。
【0047】
CA21は、この実施形態の呼制御装置であり、例えば、通信システムにおいて、電話端末や、他の呼制御装置などの外部の装置間の呼を制御するものである。CA21は、呼制御に係る加入者データの登録数の上限を、加入者データ最大収容ライセンス数(以下、「M」と表す)以下に制限するライセンス管理を行い、ライセンスの使用状況を監視装置22に通知する。CA21は、例えば、IP電話システムにおける呼制御装置や、SIP通信における呼制御装置であっても良い。また、CA21は、例えば、PBXやIP−PBXなどの交換装置に搭載された呼制御装置であっても良いし、通信キャリアのネットワークシステムにおける呼制御装置であっても良い。
【0048】
CA21は、CPU、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクなどのプログラムの実行構成、及び、他の通信装置と通信をするためのインターフェースを有する装置(1台に限定されず、複数台を分散処理し得るようにしたものであっても良い。)に、実施形態のライセンス管理プログラム等をインストールすることにより構築されるものであり、機能的には上述の図4のように示すことができる。
【0049】
CA21は、ライセンス管理部211、及び、加入者データ管理部212を有している。
【0050】
加入者データ管理部212は、加入者データを登録管理するものである。加入者データには、例えば、CA21と接続する外部装置に係る識別情報などが含まれる。加入者データ管理部212は、例えば、保守者が使用する端末などの外部装置から、加入者データの登録を受け付けると、ライセンス管理部211に、ライセンス数をオーバするか否か、すなわち、CA21において、登録されている加入者データの数が、その加入者データを登録した場合に加入者データ最大収容ライセンス数Mをオーバするか否かを問い合わせる。そして、加入者データ管理部212は、ライセンス数をオーバしない(登録する加入者データの数がMをオーバしない)旨の返答があった場合には、その加入者データを登録し、ライセンス数をオーバする(登録する加入者データの数がMをオーバする)旨の返答があった場合には、その加入者データの登録を行わない。
【0051】
なお、加入者データ管理部212は、図4において図示は省略しているが、例えば、キーボードなどの入力部から入力されたデータを取り込んだり、記録媒体や装置内蔵の記憶装置からデータを取り込んだり、外部装置からダウンロードによってデータを取り込むことにより加入者データの登録を受け付けるようにしてもよく、加入者データ管理部212が加入者データの登録を受け付ける構成は限定されないものである。
【0052】
ライセンス管理部211は、ライセンス情報登録部211aを有しており、ライセンス情報登録部211aには、加入者データ最大収容ライセンス数Mの情報が登録されている。
【0053】
ライセンス管理部211は、加入者データ管理部212から、ライセンス数をオーバするか否かについて問い合わせがあると、その問い合わせ対象の加入者データをさらに登録しても、CA21全体で登録する加入者データの数が、Mをオーバしない場合には、ライセンス数をオーバしない旨を返答し、Mをオーバする場合にはライセンス数をオーバする旨を返答する。ライセンス管理部211は、例えば、加入者データ管理部212に登録されている加入者データの数に1を加算すると、ライセンス情報登録部211aに登録されたMを超える場合に、ライセンス数をオーバすると判定し、Mを超えない場合にはライセンス数をオーバしないと判定するようにしても良い。
【0054】
ライセンス管理部211は、現在CA21において、登録されている加入者データの数を、呼制御部111に問い合わせして読込んでも良い。また、ライセンス管理部211は、加入者データ最大収容ライセンス数Mについては、ライセンス情報登録部211aに登録されている情報を参照する。
【0055】
また、ライセンス管理部211は、加入者データ管理部212から、ライセンス数がオーバするか否かについて問い合わせがあり、ライセンス数がオーバすると判定した際には、その旨を監視装置22にも通知するようにしても良い。
【0056】
また、ライセンス管理部211は、現在加入者データ管理部212において登録されている加入者データの数に係る情報を、変動がある度に監視装置22に通知しても良いし、監視装置22からの要求に基づいて返答しても良いし、所定の期間ごとに定期的(例えば、1日に1回など)に通知するようにしても良い。ライセンス管理部211から、現在加入者データ管理部212に通知する情報は、現在登録されている加入者データの数の情報や、現在登録されている加入者データの数とMとの比率としても良い。この実施形態では、ライセンス管理部211は、現在登録されている加入者データの数の情報、及び、現在登録されている加入者データの数とMとの比率に係る情報とを、所定の期間ごとに定期的に、監視装置22に通知するものとする。
【0057】
(B−2)第2の実施形態の動作
次に、以上のような構成を有する第2の実施形態のCA21における、ライセンス管理の動作(実施形態のライセンス管理方法)を説明する。
【0058】
まず、CA21において、加入者データの登録数が、ライセンス数をオーバしない場合の動作について説明する。
【0059】
図5は、CA21が、加入者データの登録を受け付け、ライセンス数をオーバしない場合の、ライセンス管理の動作について示したシーケンス図である。
【0060】
まず、加入者データ管理部212では、外部装置から加入者データの登録要求を受け付けると(S301)、ライセンス数をオーバするか否かを、ライセンス管理部211に問い合わせる(S302)。
【0061】
そして、加入者データ管理部212から、ライセンス数をオーバするか否かの問い合わせがあると、ライセンス管理部211では、加入者データ管理部212から、現在の加入者データの登録数の情報が読込まれ(S303)、現在の加入者データの登録数に1を加算した値が、ライセンス情報登録部211aに登録された加入者データ最大収容ライセンス数Mを超えるか否か判定される。ここでは上述の通り、呼の同時接続数が加入者データ最大収容ライセンス数Mを超えず「ライセンス数をオーバしない」と判定されたものとし、その旨が加入者データ管理部212に返答される(S304)。
【0062】
そして、ライセンス管理部211から、加入者データ管理部212に、ライセンス数をオーバしない旨の通知があると、加入者データ管理部212では、上述のステップS301において受け付けた加入者データが登録され、登録完了が完了した旨が、上述のステップS301において加入者データ登録を要求した外部装置に返答される(S305)。
【0063】
次に、CA21において、加入者データの登録数が、ライセンス数をオーバする場合の動作について説明する。
【0064】
図6は、CA21が、加入者データの登録を受け付け、ライセンス数をオーバした場合のライセンス管理の動作について示したシーケンス図である。
【0065】
ステップS401、S402の動作は、上述のステップS301、S302と同様であるので、説明を省略する。
【0066】
そして、加入者データ管理部212から、ライセンス数をオーバするか否かの問い合わせがあると、ライセンス管理部211では、加入者データ管理部212から、現在の加入者データの登録数の情報が読込まれ(S403)、現在登録されている加入者データの数に1を加算した値が、ライセンス情報登録部211aに登録された加入者データ最大収容ライセンス数Mを超えるか否か判定されるが、ここでは上述の通り、呼の同時接続数が加入者データ最大収容ライセンス数Mを超えてしまい、ライセンス数がオーバすると判定されたものとし、その旨が加入者データ管理部212、及び、監視装置22に通知される(S404、S405)。
【0067】
ライセンス管理部211から、加入者データ管理部212に、ライセンス数をオーバする旨の返答が与えられると、加入者データ管理部212では、上述のステップS401において受け付けた加入者データの登録はされず、登録はNGである旨が、上述のステップS401において加入者データ登録を要求した外部装置に返答される(S406)。
【0068】
(B−3)第2の実施形態の効果
この実施形態によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0069】
CA21では、新たに加入者データの登録を受け付けする度に、加入者データ管理部212から、ライセンス管理部211に、加入者データの登録数がライセンス数をオーバするか否かについて問い合わせをし、ライセンス管理部211では、その問い合わせを契機に、加入者データの登録数が、ライセンス数をオーバするか否かを判定している。これにより、CA21では、リアルタイムにライセンスの利用状況を検出し、ライセンス管理することができる。
【0070】
また、CA21では、加入者データの登録数がライセンス数をオーバしたことを検出と同時に監視装置22に通知することにより、ユーザ(例えば、保守・監視者など)は、リアルタイムに、加入者データの登録数がライセンス数をオーバしたことを知り、ライセンス管理を容易にすることができる。
【0071】
さらに、ライセンス管理部211では、加入者データの登録数に係る情報を監視装置22に通知している。これにより、ユーザ(例えば、保守・監視者など)は、加入者データの登録数の状況を知り、ライセンス管理を容易にすることができる。
【0072】
(C)他の実施形態
本発明は、上記の各実施形態に限定されるものではなく、以下に例示するような変形実施形態も挙げることができる。
【0073】
(C−1)第1の実施形態と、第2の実施形態とを組み合わせて、呼の同時接続数と、加入者データの登録数の2つの種類のライセンスについて管理するようにしても良い。例えば、第1の実施形態のCA11に、さらに第2の実施形態のCA21のライセンス管理部211及び加入者データ管理部212を搭載するようにしても良い。
【0074】
(C−2)第1の実施形態においては、トラヒック管理部115を設け、呼制御部111における接続中の呼の数や、呼の数のピーク値などをMIBにより管理し、監視装置12にそのデータを収集させている。第2の実施形態においても同様に、加入者データ管理部212における加入者データの登録数や、登録数のピーク値などをMIBに設定し、SNMPにより監視装置22に収集させるようにしても良い。
【0075】
(C−3)上記の各実施形態においては、CAから、ライセンス管理に係る情報を監視装置に与えているが、ライセンス管理に係る情報を通知する手段は、これに限定されないものである。例えば、CAから、ライセンス管理に係る情報を、ユーザのメールアドレス宛にメール送信したり、ユーザが使用する電話端末に発信して通知するようにしても良い。
【0076】
(C−4)第1の実施形態では、CA11は、MIBを備え、SNMPを用いてトラヒック管理部115から監視装置12に情報を提供しているが、特にMIB及びSNMPを用いずに、単に監視装置12の要求に応じた情報を提供するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】第1の実施形態に係る実施形態に関係する各種装置の接続関係などを示したブロック図である。
【図2】第1の実施形態に係る呼制御装置(CA)において、呼の同時接続数がライセンス数をオーバしない場合のライセンス管理の動作を示した説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る呼制御装置(CA)において、呼の同時接続数がライセンス数をオーバした場合のライセンス管理の動作を示した説明図である。
【図4】第2の実施形態に係る実施形態に関係する各種装置の接続関係などを示したブロック図である。
【図5】第2の実施形態に係る呼制御装置(CA)において、加入者データの登録数がライセンス数をオーバしない場合のライセンス管理の動作を示した説明図である。
【図6】第2の実施形態に係る呼制御装置(CA)において、加入者データの登録数がライセンス数をオーバした場合のライセンス管理の動作を示した説明図である。
【符号の説明】
【0078】
11、21…CA、111…呼制御部、112…入接続リソース制御部、113…出接続リソース制御部、114、211…ライセンス管理部、114a、211a…ライセンス情報登録部、115…トラヒック管理部、212…加入者データ管理部、12、22…監視装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定動作について同時に実行する数を、上記所定動作に係るライセンス数以下とする呼制御装置において、
上記所定動作を実行する動作実行手段と、
上記動作実行手段が、新たに上記所定動作を実行しようとする場合に、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による新たな上記所定動作の実行を禁止する動作実行禁止手段と
を有することを特徴とする呼制御装置。
【請求項2】
上記判定手段により、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記判定手段による判定結果を外部装置に通知する通知手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の呼制御装置。
【請求項3】
上記動作実行手段は、上記所定動作として呼制御を行い、
上記判定手段は、上記動作実行手段が新たな呼について制御を開始しようとする場合に、上記動作実行手段が同時に制御する呼の数が上記ライセンス数を超えるか否かを判定し、
上記動作実行禁止手段は、上記判定手段により、上記動作実行手段が同時に制御する呼の数が上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による新たな呼の制御開始を禁止する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の呼制御装置。
【請求項4】
上記動作実行手段は、上記所定動作として、当該呼制御装置における呼制御に係る加入者データを登録しているものであり、
上記判定手段は、上記動作実行手段が加入者データを追加登録しようとした場合に、登録している加入者データの件数が、上記ライセンス数を超えるか否かを判定し、
上記動作実行禁止手段は、上記判定手段により、上記動作実行手段に登録されている加入者データの件数が上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による加入者データの追加登録を禁止する
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の呼制御装置。
【請求項5】
所定動作について同時に実行する数を、上記所定動作に係るライセンス数以下とする呼制御装置に搭載されたコンピュータを、
上記所定動作を実行する動作実行手段と、
上記動作実行手段が、新たに上記所定動作を実行しようとする場合に、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えるか否かを判定する判定手段と、
上記判定手段により、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による新たな上記所定動作の実行を禁止する動作実行禁止手段と
して機能させることを特徴とするライセンス管理プログラム。
【請求項6】
所定動作について同時に実行する数を、上記所定動作に係るライセンス数以下とする呼制御装置におけるライセンス管理方法において、
動作実行手段、判定手段、動作実行禁止手段を有し、
上記動作実行手段は、上記所定動作を実行し、
上記判定手段は、上記動作実行手段が、新たに上記所定動作を実行しようとする場合に、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えるか否かを判定し、
上記動作実行禁止手段は、上記判定手段により、上記所定動作について同時に実行する数が、上記ライセンス数を超えると判定された場合に、上記動作実行手段による新たな上記所定動作の実行を禁止する
ことを特徴とするライセンス管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−205371(P2009−205371A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−46219(P2008−46219)
【出願日】平成20年2月27日(2008.2.27)
【出願人】(000000295)沖電気工業株式会社 (6,645)
【Fターム(参考)】