説明

呼吸補助装置

呼吸補助装置および呼吸補助装置を制御する方法を開示する。詳しくは、呼吸補助装置は、ガスをユーザに供給するチューブの乾燥を可能にし、且つチューブ内の病原体の潜伏を防止するための乾燥サイクルを有するように制御される。乾燥サイクルは、好ましくは装置の内部コントローラによって自動的に作動する。しかしながら、装置のボタンを押すことによって手動で作動させることもできる。乾燥サイクルは、好ましくはユーザの治療期間の最後に作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、呼吸ガス供給およびガス加湿装置、およびそのような装置を制御する方法に関する。本発明の呼吸補助装置の用途は、頭部あるいは頸部の放射線療法あるいは長期酸素療法のような上気道および/または唾液腺を乾燥させてしまうあらゆる病状あるいは治療のためのガスの供給である。更なる用途は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)あるいは気管支拡張症のような粘液線毛クリアランスシステム障害となる病状、あるいは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)あるいは他の呼吸状態を治療するために持続的気道陽圧(CPAP)の供給が必要な症状のためである。
【背景技術】
【0002】
患者の呼吸を補助するための多数の方法が本技術分野で知られている。持続的気道陽圧(CPAP)は、通常鼻マスクによって加圧空気を患者に供給することを含んでいる。これは、いびき、および閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)、すなわち呼吸時に上気道が反復的につぶれることに特徴付けられる状態の治療に用いられる。陽圧は、上気道を添え木するように開き、つぶれるのを防止する。鼻CPAPを用いるOSAの治療は、効果的且つ安全であることが分かったが、CPAPは使用するのが難しく、患者の大多数は、特に治療の初期段階で、著しい副作用を経験する。
CPAPは、また、COPDを含む様々な呼吸器疾患の患者に一般に用いられる。
【0003】
上気道の病的徴候は、CPAPでの治療に悪影響を及ぼす。粘膜乾燥は不快であり、夜間、患者を目覚めさせることがある。翌日、ウイルス感染に似た反動的な鼻詰まりが一般的に起こる。もし何の処置もしなければ、上気道の病的徴候が、CPAP使用割合に悪影響を及ぼす。
【0004】
鼻での抵抗の増加は、咽頭へ送られるCPAP治療のレベルに影響を及ぼし、治療効果を低下させる。個々の圧力は、CPAPを用いる患者毎に決定され、この圧力は、患者インターフェースに設定される。鼻での抵抗の変化は、咽頭へ送られる圧力に影響を及ぼし、もし変化が十分大きいならば、いびき、あるいは気道のつぶれを再発し、あるいは肺に加えられる圧力のレベルを低下させてしまうことがある。そのような症状は、また、患者が呼吸器を付けている病院環境でも起こることがある。典型的には、そのような状況では、患者は挿管されている。従って、咽喉組織がチクチクし、炎症が起き、患者の苦痛と、更なる呼吸器の問題が生じる可能性を引き起こす。
【0005】
そのような上気道の病的徴候を治療するために、鼻疾患を緩和する薬剤あるいは寝室の加熱を含む多数の方法を用いることができる。最も一般的に用いられる1つの方法は、インライン加湿器を用いて呼気を加湿することである。現在、2つのタイプの加湿を用いる。冷却通過加湿器は、空気を広い水面領域に曝すことによる空気の加湿に依存する。これらは安価だが、大流量での湿度出力は低く、典型的には、25L/minより多い流量で、2〜4mg/L絶対湿度である。この出力は、粘膜乾燥を防止するのに不十分である。加熱水槽加湿器はより効率的であり、高流速でも高レベルの湿度を作り出す。これらは、上気道粘膜乾燥を防止するのに効果的であり、鼻での抵抗の増加を防止し、上気道の病的徴候を治療する最も信頼性の高い手段である。
【0006】
酸素は、入院患者に処方される最も一般的な薬である。鼻カニューレあるいはフェースマスクによる酸素の送出は、息切れを訴える患者に有益である。吸入酸素の割合を増やすことによって、酸素治療は、呼吸する労力を低下させ、低酸素症(組織の低酸素レベル)を治すことができる。
【0007】
治療時間は、かかっている疾患に依存する。例えば、手術後の患者は、外科手術から回復する間だけ酸素を受ければよいが、COPDの患者は、毎日16〜18時間、酸素を必要とする。
【0008】
現在、1600万人より多い成人がCOPDで苦しんでおり、COPDは、最も一般的には数十年にわたる喫煙によって引き起こされる主に肺気腫および慢性気管支炎に付随する非可逆的気道閉塞によって特徴付けられる肺疾患の一群を記載する包括的用語である。気道閉塞は、おだやかに進行すると、運動しなくても絶え間ない息切れとして現れる。気管支感染、心不全、また環境暴露のような状況は、COPDの悪化を促進することがあり、激しい息切れが鎮まるまで入院を必要とする。COPDの急性悪化の間、患者は呼吸する困難さが増すこと(呼吸困難)、低酸素症、および痰量と膿の増加、および咳の増加を経験する。
【0009】
酸素療法は、重要臓器不全の危険を減少させ、呼吸困難を緩和することによって、低酸素のCOPDの急性増悪の患者に多大な利益をもたらす。酸素療法に付随する主な合併症は、高炭酸症(血中二酸化炭素レベルの上昇)およびその後の呼吸不全である。従って、投与する酸素の投与量は重要であり、且つ正確に知られていなければならない。
【0010】
患者に与える酸素投与量を正確に制御するために、室内空気の混入および酸素の希釈を防止するために酸素富化ガスは患者のピーク吸気流量より多くなければならない。これを達成するために、20L/minより大きい流量が一般的である。乾燥ガスのそのような流量は、鼻カニューレによって送出されるならば、鼻腔および気道の乾燥および炎症を引き起こす。この発生を避けるために、加熱加湿器を用いる。
【0011】
酸素療法あるいは患者へのガス送出のみに用いるシステムの大部分は、ガス供給源、加湿器および導管からなる。インターフェースは、フェースマスク、マウスピース、気管切開入口および鼻カニューレを含み、鼻カニューレは、より快適かつフェースマスクよりも受け入れやすいという利点を有する。
【0012】
ガス供給源は、通常、一定の、所定のレベルのガス流を加湿器に供給する。次いで、加湿器および導管が、ガスを患者へ送出する前に設定温度および湿度まで加熱および加湿する。始動からガスが最適温度および湿度に達するのに必要なウォームアップ時間は、大流量ほど長くなる。そのようなシステムの取扱説明書は一般的に、加湿器のウォームアップ時間が完了するまでシステムを患者に接続しないようにユーザに指示している。その後、患者は、40L/minまでの体温に近い飽和ガスを受け入れる。患者は、しばしば、このときの突然の大流量の送出に圧倒される感じがする。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
加湿療法から利益を得る患者の一群は、粘液線毛クリアランス不全を有する患者である。これらの患者は、しばしば化膿性粘液を有し、病原体の感染を受けやすい。豊富な水粒子を有する加熱加湿空気は、病気を媒介する病原体が潜伏するための理想的な媒体である。従って、水分子をガス相のみで送出し、病原体が空気中で患者に運ばれることのないアクティブ通過加湿器を市場に供給するために、かなりの設計専門知識が要求された。治療期間の最後に呼吸回路あるいは導管の内面に凝縮する水に病原体が潜伏し、患者が装置を使う次のときに患者に病原体が送出される。これは、体温の、完全に飽和された空気を受けるCOPD患者の治療について特に当てはまる。
【0014】
呼吸回路(加湿ガスを患者へ供給するチューブ)の衛生状態は、加湿療法を呼吸器疾患の治療に用いるときに特に重要である。治療の最後に呼吸回路に残るあらゆる水分は、患者によって吐き出されるあるいは(粘液が回路あるいは患者インターフェースの中に喀出されることがあるとき)喀出されることがある病原体を潜伏させる。この水分は、病原体をチューブに輸送する手段を提供し、チューブを次に使用するときに患者への更なる感染源を提供する。しばしばこのような治療で、チューブは毎日クリーニングされず、従って治療の最後に完全に乾燥されなければならない。このクリーニングは、時間がかかり、いつも正確な指示通りに行われるとは限らない。
【0015】
本発明の目的は、上述した不利益をいくらか克服するあるいは少なくとも公衆あるいは産業に有益な選択を提供する呼吸補助装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
従って、第1の態様では、本発明は、患者の治療のために所望のレベルの湿度、流量および温度で加湿ガスを送出するように構成されている呼吸補助装置であって、
a)ガス流を供給するガス供給手段と、
b)水を受け入れるように構成されているチャンバと、該チャンバ内の水を加熱するチャンバヒータとを有する加湿器であって、前記チャンバが、入口と出口を含む加湿器と、
c)前記加湿ガスを前記加湿器から前記患者へ運ぶ輸送経路手段と、
d)前記患者の治療の終了時に、以下のステップを実行する命令を格納したコントローラとを備え、前記ステップが、
i)前記チャンバヒータの電源スイッチを切るステップと、
ii)所定時間の間、前記ガス供給手段からのガス流を、所定流量に設定するステップと、
iii)前記所定時間の後、前記ガス供給手段のスイッチを切るステップである、
ことを特徴とする呼吸補助装置を提供することである。
【0017】
好ましくは、前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は更に、
a)前記チャンバの出口で前記ガスの温度を測定する出口温度センサと、
b)前記輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
c)周囲空気温度を測定する周囲温度センサと、を備え、
前記コントローラが、
i)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
ii)前記出口ガス温度センサと前記周囲空気温度センサをモニタし、前記出口ガス温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、
を行う格納された命令を含んでいる。
【0018】
好ましくは、前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は更に、
a)前記輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
b)周囲空気温度を測定する周囲温度センサと、
c)前記チャンバヒータ温度を測定するチャンバヒータ温度センサとを含み、
前記コントローラが、
iii)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
iv)前記チャンバヒータ温度センサと前記周囲空気温度センサをモニタし、前記チャンバヒータ温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、
を行う格納された命令を含んでいる。
【0019】
好ましくは、前記輸送経路手段は、押出しプラスチックチューブであり、
前記経路ヒータは、前記チューブの壁の内側、全体、あるいは周囲に埋設された少なくとも2本の伝導線である。
【0020】
好ましくは、前記コントローラは、前記患者が前記コントローラに接続された「オフ」ボタンを作動させたときに前記治療の終了を決定する、格納された命令を含んでいる。
【0021】
変形例では、前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、
前記コントローラは、前記患者インターフェースセンサが、所定時間の間、前記患者が前記患者インターフェースを取り外していることを検出したとき前記治療の終了を決定する、格納された命令を含んでいる。
【0022】
変形例では、前記コントローラが、所定時間の間、前記ガス供給手段を出るガス流の実質的な増加を検出したとき、前記治療の終了を決定するための格納された命令を含んでいる。
【0023】
変形例では、
前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、
前記コントローラは、前記患者インターフェースセンサが、所定時間の間、前記患者インターフェースを通る前記患者の呼吸が停止したことを検知したとき前記治療の終了を決定する、格納された命令を含んでいる。
【0024】
第2の態様では、本発明は、
呼吸補助装置を制御する方法であって、
前記装置は、患者の治療のための所望のレベルの湿度、流量、および温度で加湿ガスを送出するように構成され、前記装置は、ガス流を供給するガス供給手段と、水を受け入れるように構成されているチャンバと前記チャンバ内の前記水を加熱するチャンバヒータとを有する加湿器と、前記加湿ガスを前記加湿器から前記患者へ運ぶ輸送経路手段と、
前記患者の前記治療の終了に、コントローラに以下のステップを実行させるプログラムを格納するコントローラとを備え、前記ステップが、
a)前記チャンバヒータの電源スイッチを切るステップと、
b)所定時間の間、前記ガス供給手段からのガス流を所定の流量に設定するステップと、
c)前記所定時間の後、前記ガス供給手段のスイッチを切るステップである、
ことを特徴とする呼吸補助装置を制御する方法を提供する。
【0025】
好ましくは、前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は、前記チャンバの出口で前記ガスの温度を測定する出口温度センサと、
前記輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
周囲空気温度を測定する周囲温度センサとを更に含み、
前記プログラムは、前記コントローラに更に、
a)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
b)前記出口ガス温度センサと前記周囲空気温度センサをモニタし、前記出口ガス温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、を実行させる。
【0026】
好ましくは、前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は、輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
周囲温度を測定する周囲温度センサと、
前記チャンバヒータ温度を測定するチャンバヒータ温度センサとを更に含み、
前記プログラムは、前記コントローラに更に、
a)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
b)前記チャンバヒータ温度センサと周囲空気温度センサをモニタし、前記チャンバヒータ温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、を実行させる。
【0027】
好ましくは、前記プログラムは更に、前記患者が前記コントローラに接続された「オフ」ボタンを作動させたとき、前記治療の終了を前記コントローラに決定させる。
【0028】
変形例では、前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、
前記プログラムは更に、前記患者インターフェースセンサが、所定時間の間、前記患者が前記患者インターフェースを取り外していることを検出したとき、前記治療の終了を前記コントローラに決定させる。
【0029】
変形例では、前記プログラムは更に、所定時間の間、前記ガス供給手段を出るガス流の実質的な増加を検出したとき、前記治療の終了を前記コントローラに決定させる。
【0030】
変形例では、前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、前記プログラムは更に、前記患者インターフェースセンサが、所定時間の間、前記患者インターフェースを通る前記患者の呼吸が終わったのを検知したとき、前記治療の終了を前記コントローラに決定させる。
【0031】
本発明に関連する当業者にとって、添付特許請求の範囲に定められた本発明の範囲から逸脱することなしに、構造における多くの変化および本発明の広く異なる実施形態および適用が頭に浮かぶであろう。本明細書中の開示および記載は単に例示であり、いかなる限定をも意味するものではない。
【0032】
本明細書では、特許明細書、他の外部文献、あるいは他の情報源を参照したが、これは、一般的に、本発明の特徴を議論するための背景を与えるためである。特に別に述べられていなければ、そのような外部文献の参照は、そのような文献あるいはそのような情報源が、いかなる権限においても、先行技術あるいは当技術分野の一般常識の一部をなすと認めたと解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
本発明の好ましい形態を、添付図面を参照して説明する。
呼吸補助装置および呼吸補助装置を制御する方法を以下に詳述する。詳しくは、呼吸補助装置は、ガスをユーザに供給するチューブの乾燥を可能にし、且つチューブ内の病原体の潜伏を防止するための乾燥サイクルを有するように制御される。乾燥サイクルは、好ましくは装置の内部コントローラによって自動的に作動する。しかしながら、装置のボタンを押すことによって手動で作動させることもできる。乾燥サイクルは、好ましくは患者の治療期間の最後に実行される。
【0034】
本発明の呼吸補助装置は、典型的には、すべてのバイアス流必要量を加えた患者の吸気流必要量(すなわち、ピーク吸気流)まで提供できる流れの範囲にわたって、体温の飽和ガス(37℃且つ44mg/L)を送出するように意図されている。
【0035】
呼吸補助装置は、制御されたフロー装置として作動するので、ガス流を患者あるいは介護者のようなユーザによって設定されたレベルに調整する。従って、本装置を用いて、気管切開、鼻カニューレあるいはマスクのようなバイパス気道で、加湿したガスを患者に送出することができる。
【0036】
病院環境および家庭介護環境のいずれで使用される場合でも、本発明の呼吸補助装置は、呼吸補助装置と関連して、周囲空気、ボンベあるいは他の圧縮空気供給源からの酸素のようなガスのガス供給手段、加湿手段、および加湿手段から患者までの輸送導管を一般的に有し、好ましくは、凝縮を減少させるために輸送導管が加熱される。
【0037】
好ましくは輸送導管の中に加熱要素が設けられ、加湿ガスが導管内で凝縮を起こすことを防止するのを助ける。そのような凝縮は、導管壁の温度が導管内のガスの露点よりも低いことが原因であり、ガスの露点は通常導管内部の加湿ガスの温度よりも低い。加熱要素は、導管および患者インターフェースを通る移送の間の伝導および対流によるガスからのエネルギー損失を効果的に元に戻す。この結果、導管加熱要素は、移送されるガスを確実に、患者の治療に最適な温度および湿度にし、且つ輸送導管および患者インターフェースの中での凝縮を最小限にする。
【0038】
本発明は、図1に示されるもののような、ガス流が順にガス供給手段あるいはフロードライバ(例えば、ブロワ、ファン、あるいはコンプレッサ)、加湿チャンバ、加熱配送回路そして患者インターフェースを通る、呼吸補助装置を提供する。
【0039】
図1を参照すると、本発明の加湿装置が示され、患者1は、加湿ガス輸送経路あるいは吸気導管3に接続された鼻カニューレ20を通る加湿圧縮ガスを受け、前記吸気導管3は、ブロワ15あるいは他の適当なガス供給手段からガスが供給される加湿器8(加湿チャンバ5を含む)に連結されている。吸気導管3は、水6を収容する加湿器チャンバ5の出口4に連結されている。吸気導管3は、導管壁を加熱して導管と患者インターフェース(例えば、鼻カニューレ20)の中の加湿ガスからの凝縮を減少させる加熱手段すなわちヒータ線11を収容する。加湿チャンバ5は、好ましくはプラスチック材料から形成され、加湿器8のヒータプレート7と直接接触している高熱伝導ベース(例えば、アルミニウムベース)を有するのがよい。加湿器8は、制御手段あるいは電子コントローラ9を備え、前記電子コントローラは、関連したメモリに格納されたコンピュータソフトウェアコマンドを実行するマイクロプロセッサ主体のコントローラを含むのがよい。
【0040】
吸気導管3の中を流れるガスは、患者インターフェース20を経由して患者に送られる。本発明の装置に使用されている患者インターフェースは、フルフェイスマスク、鼻マスク、鼻カニューレ、マウスピースあるいは気管切開部連結具であってもよい。
【0041】
コントローラ9は、ユーザ入力手段あるいはダイヤル10のようなソースからの入力を受け入れ、該ソースによって、装置のユーザが、例えば、患者1に供給されるガスの湿度あるいは温度の所定の要求値(プリセット値)を設定する。ダイヤル(あるいはボタン)10によって入力されたユーザの設定湿度値あるいは温度値、およびガス流あるいは温度を検知する内部センサのような他の使用可能な入力装置に応答して、あるいはコントローラで計算されたパラメータによって、コントローラ9は、いつ(あるいはどのレベルまで)ヒータプレート7に通電して加湿チャンバ5内の水6を加熱するかを決定する。加湿チャンバ5内の水6が加熱されると、水蒸気が水面上でチャンバの空間を満たし始め、加湿チャンバ5の出口4から出て行き、ガス(例えば、空気)の流れが、ガス供給手段あるいはブロワ15から供給され、入口16を通してチャンバ5に入る。加湿チャンバ5内のガスの湿度とヒータプレート7の温度との関係を得ることができる。従って、ヒータプレート温度をアルゴリズムあるいは参照テーブルに当てはめ、ガスの湿度を決定することができる。
【0042】
温度センサ12を用いて加湿チャンバ5からのチャンバ出口ガス温度を測定することができ、これを用いてチャンバ5および導管3のガスの湿度を決定することができる。
【0043】
ブロワ15は、空気あるいは他のガスをブロワ入口17を通して吸い込む可変速ポンプあるいはファン2を備えてもよい。可変速ポンプあるいはファン2の速度は、コントローラ9からの入力およびダイヤル19によるファン速度の圧力のユーザ設定所定要求値(プリセット値)に応じて、更なる制御手段あるいは電子コントローラ18(あるいは変形例ではこのコントローラ18の機能は、他のコントローラ9によって実行することができる)によって制御することができる。
【0044】
図2に示す本発明の呼吸補助装置の好ましい実施形態では、ガス供給装置あるいはブロワが、1つのハウジング内で、加湿器および加湿チャンバと一体化されている。加湿チャンバ35は、ハウジング30から延び、患者あるいは他のユーザによって取り外され、且つ取り替えられて使用することができる。また、加湿チャンバ35への入口(図示せず)は、ハウジング30の内部にある。ハウジング30の外側の周囲空気からガスを吸い込むハウジング30の入口31は、ハウジング30の端部に配置されているが、実際は、ハウジング30のいかなる適当なポイントに配置してもよい。上述したのと同様に、ガスが出口33で加湿チャンバ35から出て、チャンバ35内の水がヒータプレート36によって加熱される。ハウジングおよび図2に関して上述した実施形態は、本発明の組み合わせたガス供給装置および加湿器のハウジングの1つの形態を示すのみである。
【0045】
本発明の装置の1つの好ましい形態では、鼻カニューレ20を、患者インターフェースとして用いる。カニューレを通してガスを高圧供給するので、ブロワおよび加湿器への患者1の最初の接続は、患者の適合に対する障害となり、患者の快適さおよび忍耐を打ち消すものである。従って、患者の体が流れの温度、感覚、および患者の鼻咽腔内の圧力に順応する時間を与えながら、ガス流が徐々に増加して患者に流れるのが有利である。このゆっくりした流れの増加は、かなりの時間、例えば30分にわたり、最大40L/minの飽和ガスの鼻腔への突然の送出で圧倒されると感じることなく、患者を治療にゆっくり順応させることができる。
【0046】
上述したように、加湿されない大流量のガスが患者の気管に送出されると、気管および鼻腔の脱水および炎症が引き起こされる。低流量(例えば5リットル毎分)では、低レベルの湿度で十分である。アクティブ通過加湿器8は、加湿器チャンバ5を保持し、加湿器チャンバ5は多量の水6を収容するので、この水は、大きな熱質量を有し、且つ大流量で十分な湿度を提供するのに十分であるまで加熱されるのには時間がかかる。
【0047】
ウォームアップモード
患者1による治療の始動あるいは開始時には、ブロワ15を出るガスの流速を、最初は低流速となるように、ブロワ15をコントローラ(18あるいは9)によって制御するのがよい。
【0048】
ウォームアップモードでは、患者に最適なガスを送出することが目的である。このために、チャンバ内のガスをできるだけ迅速に設定値、最も好ましくは37℃まで暖めることが必要である。チャンバ出口でのガスの温度が、センサによって測定されるので、これが、設定温度値に制御されるべき温度となる。このようにして最適な温度のガスができるだけ早く患者に供給される。これは、ヒータプレート7を作動させ、最大加熱出力にして、加湿チャンバ5を通して低流量のガスを流し、且つ加熱導管3の壁温度を制御して凝縮を回避することによって達成される。加湿器チャンバ5のガス温度が設定温度に達すると、チャンバのガス温度を設定温度に維持しながら、ガス流量はできるだけ速く所定の治療流量まで増加させられる。ガス流量の増加は、ブロワ15のファン21の速度を(増加させて)制御することによって行う。変形例では、水チャンバガスが設定温度に達すると、流量を治療の目標のあるいは所定の流量にまで増加させる。水チャンバ内のガス温度が、ほぼ設定温度、例えば35℃に達するとすぐに、患者がインターフェースを装着してもよいという信号がコントローラから出力される。
【0049】
例えば、ガス流量を、始動時の低流量(flowintial)から、行う治療に最適な流量(flowopt)まで増加させる。最大あるいは最適流量レベル(flowopt)は、ダイヤル19によってユーザあるいは介護者によって選択されるのが好ましい。この場合、コントローラ18あるいは9は、ガス流量が最初は例えば5L/minの低流速であるようにファン21を制御することによってガス流量を制御する。変形例では、ガス流を、スタート時に、例えば1〜15秒間、例えば、5L/minの低流速とし、温度および湿度読み取りを行ってもよい。次いで、ガス流を、一定時間、例えば5〜60秒の間、停止させ、チャンバ内の湿度を素早く上げてもよい。
【0050】
加湿器チャンバ内のガスが37℃(設定温度)に達すると、ガス流量を、所定時間、例えば30分にわたって、患者が選択した15〜40L/minの最適流量レベル(flowopt)まで増加させていく。
【0051】
上記一連の動作により、呼吸回路の湿度ができるだけ素早く所望のレベルに達することができ、凝縮および/または熱オーバーシュートを最小限にすることができる。
【0052】
乾燥モード
治療期間の最後に導管3あるいは患者インターフェース20の中に残存するすべての凝縮水の問題を克服するために、本発明の呼吸補助装置は、導管3および潜在的にインターフェース20を乾燥させるモードあるいはサイクルを提供する。これは、導管3および患者インターフェース20の乾燥を容易にする停止工程を提供することによって行われる。
【0053】
乾燥モードは、導管3およびインターフェース20を経由して患者1へ病原体が運ばれる危険を最小限にする上で重要である。乾燥モードは、また、治療期間の後および次の治療期間のときに、導管あるいは患者インターフェースに確実に凝縮水が残らないようにする。凝縮水は、次の加湿期間の始めでゴボゴボという音と、空気流の変動をもたらし、患者にとって治療を不快にする。
【0054】
一般的に、乾燥モードの目的は、チャンバおよび導管内のガスの湿度を、装置を作動させている周囲のレベルと確実に同じあるいはそれよりも低くすることにある。これは、加湿チャンバ5内の水を冷却し、導管3およびインターフェース20をチャンバ排気ガス温度より高い温度まで加熱し続けることによって達成できる。これは、加湿器の水温およびチャンバ出口のガス温度が室温あるいはほぼ室温に達するまで続けられる。チャンバ5内の水の熱質量は、導管3のプラスチック壁の熱質量を超えるので、もし加湿器8およびブロワファン21が同時に停止すると凝縮が起こる。これが確実に起こらないようにするために、治療の最後に、ヒータプレート7は停止させるが、導管3内のヒータ線11への通電が維持されていることが好ましい。
【0055】
加湿手段、すなわち加湿器8は、患者の治療の終了時に制御手段(コントローラ9または18)によって制御される。従って、患者が「オフ」すなわち装置のボタンを選択したとき、あるいはコントローラが治療期間の終了を検出したとき、効果的に、ヒータプレート7のみがコントローラ(9または18)によって電源を落とされ、加湿装置が乾燥モードにされる。乾燥モードの間、ヒータ線11およびガス供給手段あるいはブロワ15は通電されているのが好ましい。例えば、加湿器8および導管3を通るガス流量は、一定時間、例えば15分間、20リットル毎分のような流量であり、これにより確実に導管の内側が乾燥する。ガス流量は、固定したガス流量であってもよいし、あるいはガス流のパルスであってもよい。
【0056】
温度センサ13は、好ましくは、導管の端部、患者の最も近くに設けるのがよい。この導管端部の温度センサ13は、コントローラ9、18に接続されている。導管端部のセンサ13を用いて、呼吸回路の端部のガスを確実に最大安全作動温度にすることによって、導管3の乾燥を最適にすることができるので、ガスの温度が、患者あるいはユーザが火傷するレベルに達することはない。
低ガス流量で開始し、次いで、後の段階でガス流量を増加させるのが最適である。
【0057】
本発明のいくつかの形態では、導管はヒータ線を含まなくてもよい。この場合、コントローラは、ブロワ15のみを制御し、ガスだけで導管を乾燥させ、導管内のヒータ線からの熱は導管を乾燥させない。
【0058】
乾燥モードの解除
乾燥モードを解除するタイミングは、多数の方法によって決定することができる。その第1は、チャンバ出口4のガス温度を測定することである。チャンバ出口4のガス温度が周囲温度より低くあるいは等しくなるとき(周囲温度は、好ましくは例えばブロワ15に配置されるがコントローラ9、18の一方に連結される付加的な温度センサによって測定される)、ブロワ15およびヒータ線11は、コントローラ9、18によって電源を切られる。このようにして、ガスが加湿器チャンバ6を通って流れ、ヒータプレート7が冷えると、導管3を通って流れるガスの湿度が減少し、導管3が乾燥させられる。
【0059】
コントローラ9、18が乾燥モードを解除するタイミングを決定する第2の方法は、加湿器チャンバ5の電源を切って、導管3を通るガス流れを固定速度あるいはパルスに維持し、ヒータ線11の通電を維持し導管3の壁からすべての凝縮水を蒸発させる。好ましくは1分より長い所定の時間の後、ヒータ線11および流れの供給源(ブロワ)のスイッチを切る。
【0060】
導管の乾燥を制御する更に別の方法は、ガス供給源(ブロワ)のスイッチを切り、ヒータプレートの電源のスイッチを切ることである。コントローラ9、18は、次いで、ヒータプレート7の温度を周囲温度と比較し、周囲温度は、(前述したように)加湿器あるいはブロワの内側あるいは外側で測定される。この温度差あるいは比較が、所定の範囲内、典型的にはほぼ0であるとき、ガス流が、上述したのと同様の方法で流される。
【0061】
チャンバを冷却するよりも、導管内の凝縮を乾燥させる方が時間がかかる可能性がある。この場合、しばらくの間、例えばチャンバ内に残っている水の周囲温度に依存して30分まで、乾燥モードを延ばす必要がある。
【0062】
乾燥モードの起動の変形方法
患者が「オフ」ボタンを選択する、あるいは押すことによって乾燥モードを起動することを説明してきた。乾燥モードを実行する変形例の方法は、患者1がインターフェース20を取り外すことを検出するものである。これは、例えば加湿期間の最後に、患者インターフェースの抵抗が減少したためにブロワからの流量が増加したことを検出することによるものである。患者がインターフェースを再び装着しないことを確かめるのに十分長い所定時間が経過した後、乾燥モードが開始する。
【0063】
更なる変形方法として、患者が患者インターフェース20を使って呼吸をするのを止めたことを検出してもよい。これは、呼吸パターンを、例えば患者インターフェース、あるいはブロワの流量センサを用いてモニタすることによって検出できる。一旦、呼吸が検出されなければ、所定時間待機した後、乾燥モードを開始させる。
【0064】
装置の電源を完全に落とすためには、ユーザあるいは患者は、装置を電源との接続から切らねばならず、例えば、加湿器あるいはブロワのスイッチあるいは電源ボタンをしばらくの間、例えば5秒間、切ったままにしなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の制御方法を使用することができる呼吸補助装置の図である。
【図2】本発明の呼吸補助装置の結合されたガス供給源と加湿器の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の治療のために所望のレベルの湿度、流量および温度で加湿ガスを送出するように構成されている呼吸補助装置であって、
a)ガス流を供給するガス供給手段と、
b)水を受け入れるように構成されているチャンバと、該チャンバ内の水を加熱するチャンバヒータとを有する加湿器であって、前記チャンバが、入口と出口を含む加湿器と、
c)前記加湿ガスを前記加湿器から前記患者へ運ぶ輸送経路手段と、
d)前記患者の治療の終了時に、以下のステップを実行する命令を格納したコントローラとを備え、前記ステップが、
i)前記チャンバヒータの電源スイッチを切るステップと、
ii)所定時間の間、前記ガス供給手段からのガス流を、所定流量に設定するステップと、
iii)前記所定時間の後、前記ガス供給手段のスイッチを切るステップである、
ことを特徴とする呼吸補助装置。
【請求項2】
前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は更に、
a)前記チャンバの出口で前記ガスの温度を測定する出口温度センサと、
b)前記輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
c)周囲空気温度を測定する周囲温度センサと、を備え、
前記コントローラが、
i)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
ii)前記出口ガス温度センサと前記周囲空気温度センサをモニタし、前記出口ガス温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、
を行う格納された命令を含んでいる、
請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項3】
前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は更に、
a)前記輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
b)周囲空気温度を測定する周囲温度センサと、
c)前記チャンバヒータ温度を測定するチャンバヒータ温度センサとを含み、
前記コントローラが、
iii)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
iv)前記チャンバヒータ温度センサと前記周囲空気温度センサをモニタし、前記チャンバヒータ温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、
を行う格納された命令を含んでいる、
請求項1に記載の呼吸補助装置。
【請求項4】
前記輸送経路手段は、押出しプラスチックチューブであり、
前記経路ヒータは、前記チューブの壁の内側、全体、あるいは周囲に埋設された少なくとも2本の伝導線である、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項5】
前記コントローラは、前記患者が前記コントローラに接続された「オフ」ボタンを作動させたときに前記治療の終了を決定する、格納された命令を含んでいる、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項6】
前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、
前記コントローラは、前記患者インターフェースセンサが、所定時間の間、前記患者が前記患者インターフェースを取り外していることを検出したとき前記治療の終了を決定する、格納された命令を含んでいる、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項7】
前記コントローラが、所定時間の間、前記ガス供給手段を出るガス流の実質的な増加を検出したとき前記治療の終了を決定する、格納された命令を含んでいる、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項8】
前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、
前記コントローラは、前記患者インターフェースセンサが、所定時間の間、前記患者インターフェースを通る前記患者の呼吸が停止したことを検知したとき前記治療の終了を決定する、格納された命令を含んでいる、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の呼吸補助装置。
【請求項9】
呼吸補助装置を制御する方法であって、
前記装置は、患者の治療のための所望のレベルの湿度、流量、および温度で加湿ガスを送出するように構成され、前記装置は、ガス流を供給するガス供給手段と、水を受け入れるように構成されているチャンバと前記チャンバ内の水を加熱するチャンバヒータとを有する加湿器と、前記加湿ガスを前記加湿器から前記患者へ運ぶ輸送経路手段と、
前記患者の治療の終了に、コントローラに以下のステップを実行させるプログラムを格納するコントローラとを備え、前記ステップが、
a)前記チャンバヒータの電源スイッチを切るステップと、
b)所定時間の間、前記ガス供給手段からのガス流を所定の流量に設定するステップと、
c)前記所定時間の後、前記ガス供給手段のスイッチを切るステップである、
ことを特徴とする呼吸補助装置を制御する方法。
【請求項10】
前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は、前記チャンバの出口で前記ガスの温度を測定する出口温度センサと、
前記輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
周囲空気温度を測定する周囲温度センサとを更に含み、
前記プログラムは、前記コントローラに更に、
a)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
b)前記出口ガス温度センサと前記周囲空気温度センサをモニタし、前記出口ガス温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、を実行させる、
請求項9に記載の呼吸補助装置を制御する方法。
【請求項11】
前記輸送経路手段は、経路ヒータを有し、
前記装置は、輸送経路手段の遠位端で前記ガスの温度を測定する遠位温度センサと、
周囲温度を測定する周囲温度センサと、
前記チャンバヒータ温度を測定するチャンバヒータ温度センサとを更に含み、
前記プログラムは、前記コントローラに更に、
a)前記所定時間にわたって、前記輸送経路手段の遠位端で前記第2のセンサによって検知された前記ガスの温度が安全温度レベルを超えないように前記経路ヒータを制御するステップと、
b)前記チャンバヒータ温度センサと周囲空気温度センサをモニタし、前記チャンバヒータ温度と前記周囲空気温度を比較して、これらがほぼ等しいとき、前記所定時間を終了し、前記ガス供給手段および前記経路ヒータのスイッチを切るステップと、を実行させる、
請求項9に記載の呼吸補助装置を制御する方法。
【請求項12】
前記プログラムは更に、前記患者が前記コントローラに接続された「オフ」ボタンを作動させたとき、前記治療の終了を前記コントローラに決定させる、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の呼吸補助装置を制御する方法。
【請求項13】
前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、
前記プログラムは更に、前記患者インターフェースセンサが、所定時間の間、前記患者が前記患者インターフェースを取り外していることを検出したとき、前記治療の終了を前記コントローラに決定させる、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の呼吸補助装置を制御する方法。
【請求項14】
前記プログラムは更に、所定時間の間、前記ガス供給手段を出るガス流の実質的な増加を検出したとき前記治療の終了を前記コントローラに決定させる、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の呼吸補助装置を制御する方法。
【請求項15】
前記装置は、患者インターフェースセンサを更に含み、
前記プログラムは更に、前記患者インターフェースセンサが所定時間の間、前記患者インターフェースを通る前記患者の呼吸が終わったのを検知したとき、前記治療の終了を前記コントローラに決定させる、
請求項9乃至11のいずれか1項に記載の呼吸補助装置を制御する方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−541830(P2008−541830A)
【公表日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−513396(P2008−513396)
【出願日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【国際出願番号】PCT/NZ2006/000132
【国際公開番号】WO2006/126900
【国際公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(504298349)フィッシャー アンド ペイケル ヘルスケア リミテッド (41)