説明

商取引処理装置

【課題】POS端末でリサイクル品の受付業務を円滑に遂行できるようにする。
【解決手段】排出者から排出されるリサイクル品の引取り業務が宣言されると、リサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードの入力を促すリサイクル品情報入力画面Aを表示部に表示させる。このリサイクル品情報入力画面Aの表示内容に従い入力部を介してリサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードが入力されると、この入力情報に基づいてリサイクル品の再生化に要する経費を算出する。この算出された経費を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排出者から排出されるリサイクル品を引取り再生化施設に引き渡す小売業者向けのPOS(Point Of Sales)端末等の商取引処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、我が国では、廃棄物の減量、資源の有効利用等の観点から、有用な資源を多く含む家電製品の再生化いわゆるリサイクルを推進する法律、家電リサイクル法が制定され、実施されている。この法律では、エアコン,テレビ,冷蔵庫・冷凍庫及び洗濯機の4品目が特定家庭用機器として指定されている。そして、これらの品目を販売する小売業者には、消費者等の排出者からの引取りと製造業者等の再生化施設への引渡しが義務付けられ、これらの品目を製造する製造業者等には、機器の引取りと再生化が義務付けられている。その一方で、小売業者や製造業者等は、機器の引取りを求めた排出者に対して再生化にかかる経費を請求することができる。経費には、機器の収集,運搬に要する収集運搬料金と、機器の再生に要するリサイクル料金とがある。
【0003】
このような家電リサイクルシステムを円滑に遂行するために、管理票が導入されている。管理票は、小売業者が所定の業者に注文して入手する。管理票は、複数枚綴りの複写式となっており、1組毎に固有の管理番号が印刷されている。排出者から特定家庭用機器の廃棄に伴う引取りを求められた小売業者は、管理票に必要事項を記載する。必要事項としては、交付年月日、排出者の氏名,電話番号、小売業者の名称,所在地、引取る廃棄物(特定家庭用機器)の種別等である。小売業者は、該当する廃棄物のリサイクル料金と収集運搬料金とを排出者から受領したならば、廃棄物を引取り、管理票の排出者控片を排出者に交付する。その後、排出者から引取った廃棄物を、機器の再生を行う製造業者等に引渡し、それと引替えに管理票の小売業者回付片を受け取ってこれを保存する。これにより、小売業者は、管理票の管理番号を用いることで排出者からの問合せにも迅速に対応することができる。
【0004】
このように、家電製品を販売する小売業者においては、特定家庭用機器として指定された廃棄物の受付業務が新たに発生しており、この受付業務を効率的に行うためには、専用の端末とサーバを備えたシステム化が要求されていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−366642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、一般に、この種の小売業者においては、商取引を円滑に処理するための端末とサーバとからなるシステム、いわゆるPOSシステムが構築されており、このPOSシステムとは別にリサイクル品受付システムを構築するのは経費の無駄であると考えられていた。また、専用の端末やサーバを設置するためのスペースも必要となる上、電力消費やメンテナンスなどに費やされるコストの増加も懸念されていた。
【0006】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、商取引業務のみならずリサイクル品の受付業務をも円滑に遂行することができ、専用の端末やサーバを不要にできる商取引処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、商取引に関する商品データ及び支払データの入力部、入力された商品データに基づいて商取引の合計金額を算出し、この合計金額に対する支払データが入力されると商取引の決済を処理する処理手段、商取引の合計金額等を表示する表示部を備えた商取引処理装置に、業務宣言手段,表示制御手段,経費算出手段及び経費報知手段を設けた。業務宣言手段は、排出者から排出されるリサイクル品の引取り業務を宣言する手段である。表示制御手段は、引取り業務が宣言されると、リサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードの入力を促すリサイクル品情報入力画面を表示部に表示させる手段である。経費算出手段は、リサイクル品情報入力画面の表示内容に従い入力部を介してリサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードが入力されると、この入力情報に基づいてリサイクル品の再生化に要する経費を算出する手段である。経費報知手段は、経費算出手段により算出された経費を報知する手段である。
【発明の効果】
【0008】
かかる手段を講じたことにより、本発明によれば、商取引業務のみならずリサイクル品の受付業務をも円滑に遂行することができ、従って、専用の端末やサーバを不要にできるのでコストの大幅な低減と省スペース化、省電力化等を図ることができる商取引処理装置を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、現在の家電リサイクル法により特定家庭用機器として指定されたリサイクル品(エアコン,テレビ,冷蔵庫・冷凍庫,洗濯機)の排出者からの引取り及び再生化施設への引渡しが義務付けられた小売業者の店舗で利用されるPOS端末に本発明を適用した場合である。
【0010】
図1は本実施の形態であるPOS端末の要部構成を示すブロック図である。このPOS端末は、商取引処理装置の一態様であって、制御部本体としてCPU(Central Processing Unit)1を搭載している。そしてこのCPU1に、アドレスバス,データバス等のバスライン2を介して、ROM(Read Only Memory)3,RAM(Random Access Memory)4,時計部5,スキャナインターフェイス6,プリンタインターフェイス7,通信コントローラ8,キーボードコントローラ9,第1の表示コントローラ10,第2の表示コントローラ11,プリンタコントローラ12及びI/Oポート13を接続している。
【0011】
I/Oポート13には、釣銭準備金としての現金等が収容されるドロワ14が接続されており、このドロワ14との間で信号授受が行われる。なお、ドロワ14の代わりに自動釣銭機が接続されていてもよい。
【0012】
キーボードコントローラ9は、キーボード15を制御して操作キーに対応したキー信号を取込むものであり、キーボード15には、数字キー,文字キー,スペースキー,エンターキー,戻りキーの他、商取引の締め種別に対応した各種メディアキー、業務モードやその状態に応じてキー機能が可変的に設定される複数のファンクションキー等が配設されている。
【0013】
第1の表示コントローラ10は、ディスプレイ16のデータ表示を制御するものであり、第2の表示コントローラ11は、ディスプレイ17のデータ表示を制御するものである。一方のディスプレイ16は、オペレータ用として機能し、他方のディスプレイ17は客用として機能する。なお、オペレータ用のディスプレイ16は、タッチパネル機能を有していてもよい。
【0014】
プリンタコントローラ12は、プリンタ18を制御して商取引毎のレシートや精算レポート等を印字,発行させるものである。
通信コントローラ8は、LAN(Local Area Network)等の通信回線を介して接続されたPOSサーバ19との間のデータ通信を制御するものである。
【0015】
スキャナインターフェイス6には、バーコードを読取るためのスキャナ20が接続されており、このスキャナ20で読取られたバーコードデータが入力される。なお、スキャナ20の代わりに、若しくはスキャナ20に加えて、OCR,二次元コードリーダ,RFIDリーダライタ等が接続されていてもよい。
【0016】
プリンタインターフェイス7には、配送売上伝票等の所定の伝票用紙にデータを印字する伝票プリンタ21が接続されている。なお、POSサーバ19との通信回線にプリンタサーバを介して伝票プリンタ21を接続し、プリンタインターフェイス7を省略してもよい。
【0017】
かかる構成のPOS端末は、商取引に関する従来周知の業務,いわゆる登録,点検,清算,設定等の業務を実行可能である。すなわち登録モードが選択されている場合には、キーボード15及びスキャナ20は、商取引に関する商品データ、つまりは客買上商品のコード(PLUコード,分類コード等)及び買上点数等や、支払データ、つまりは支払いメディア(現金,クレジット,金券等)及び支払い金額等の入力部として機能する。CPU1は、入力された商品データに基づいて商取引の合計金額を算出し、この合計金額に対する支払データが入力されると商取引の決済を処理する処理手段として機能する。ディスプレイ16,17は、商取引の合計金額等を表示する表示部として機能する。
【0018】
また、このPOS端末は、上述したような商取引業務の処理機能に加えて、排出者から排出されるリサイクル品(エアコン,テレビ,冷蔵庫・冷凍庫,洗濯機)の引取り業務を処理する機能を有している。
【0019】
すなわち、このPOS端末は、オペレータ用のディスプレイ16に表示されるメニュー画面のメニュー項目の中に、「リサイクル品引取り業務」なる項目を追加している。そしてCPU1は、キーボード15のキー操作により各種メニュー項目の中からリサイクル品引取り業務が指定されると、リサイクル品引取り業務が宣言されたものと判断する。ここに、当該POS端末は、排出者から排出されるリサイクル品の引取り業務を宣言する業務宣言手段を有している。
【0020】
さてCPU1は、リサイクル品引取り業務が宣言されたと判断すると、ROM3またはRAM4に記憶されたプログラムに基づいて、図2の流れ図に示す手順の処理を実行するべく各部を制御する。先ず、ST(ステップ)1としてオペレータ用ディスプレイ16にリサイクル品情報入力画面Aを表示させる。
【0021】
このリサイクル品情報入力画面Aの一例を図7に示す。図示するようにリサイクル品情報入力画面Aには、入力者のコード及び氏名の欄a1,a2と、入金処理なのか盗難返金処理なのかキャンセル返金処理なのか伝票再発行処理なのかを区分する処理区分の欄a3と、管理票に付された管理番号の欄a4と、リサイクル品が持込なのか買換えなのかを区分する持込区分の欄a5と、入金伝票番号の欄a6と、リサイクル品を持ち込んだ客の氏名及び電話番号の欄a7,a8と、配送伝票番号の欄a9と、配送伝票に記載されている客の氏名及び電話番号の欄a10,a11と、リサイクル品を分類する種別コードの欄a12と、リサイクル品分類名称の欄a13と、リサイクル料金に相当する入金額の欄a14と、収集運搬料の欄a15と、小計額の欄a16とが形成されている。また、キーボード15に設けられているファンクションキーF4,F9,F10,F12のキー機能が表示されている。なお、この発明においてリサイクル品情報入力画面Aのレイアウトが図7のものに限定されないのは言うまでもないことである。
【0022】
このようなリサイクル品情報入力画面Aを表示させた後、CPU1は、ST2として入力者コードが入力されるのを待機する。そして、例えばキーボードの置数キー操作により入力者コードが入力されたならば、CPU1は、ST3としてこの入力者コードに対応して予め設定されている入力者名のデータをRAM4またはPOSサーバ19から読み出す。そして、この入力者コードと入力者名とをリサイクル品情報入力画面Aの欄a1,欄a2に表示させる。
【0023】
次に、CPU1は、ST4として処理区分が入力されるのを待機する。そして、例えばキーボードの置数キー操作により各種処理区分1〜4のうちのいずれかが入力されると、CPU1は、ST5としてこの処理区分を欄a3に表示させる。しかる後、CPU1は、ST6として入力された処理区分が伝票再発行処理の区分なのか否かを判断する。そして、伝票再発行処理以外の処理の区分の場合には、後述するST7〜ST14の処理を実行する。伝票再発行処理の区分の場合には、ST7〜ST12の処理を省略し、後述するST13及びST14の処理を実行する。
【0024】
すなわち、入力された処理区分が伝票再発行処理以外の処理の区分であった場合には、CPU1は、ST7として入力項目データ処理を実行する。この入力項目データ処理の詳細を図3の流れ図にて示す。
【0025】
先ずCPU1は、ST21として管理票番号が入力されるのを待機する。そして、例えばスキャナ20のスキャニング操作により管理票に印字されている管理票番号のバーコードが読取入力されると、CPU1は、ST22としてこのバーコードを解析して得た管理票番号を欄a4に表示させる。
【0026】
次に、CPU1は、ST23として持込区分が入力されるのを待機する。そして、例えばキーボードの置数キー操作により各種持込区分1〜2のうちのいずれかが入力されると、CPU1は、ST24としてこの持込区分に対応して予め設定されている収集運搬料のデータをRAM4またはPOSサーバ19から読み出す。すなわち本実施の形態では、図4に示すように、持込区分の区分“1”に対応してリサイクル品を持ち込んだ場合の収集運搬料(1,050円)が設定され、区分“2”に対応して自店舗での買換えによりリサイクル品を回収する場合の収集運搬料(525円)とが予め設定された収集運搬料設定テーブル30がRAM4またはPOSサーバ19に設けられている。なお、収集運搬料の金額は、ユーザによって任意に設定変更することができる。かくして、入力された持込区分に対して設定された収集運搬料のデータを収集運搬料設定テーブル30から読み出したならば、CPU1は、ST25としてこの持込区分と収集運搬料とを、欄a5,欄a15に表示させる。
【0027】
次に、CPU1は、ST26として当該リサイクル品を持ち込んだ客の氏名及び電話番号が入力されるのを待機する。そして、例えばキーボードの文字キーと置数キーの操作により客の氏名及び電話番号が入力されると、CPU1は、ST27としてこの氏名及び電話番号を欄a7,a8に表示させる。この際、客がポイント会員などの会員であった場合には、図示しないカードリーダによって会員カードの会員コードを読取り、この会員コードに対応して予め登録されている当該会員の氏名と電話番号をPOSサーバから読み出して、欄a7,a8に表示させてもよい。
【0028】
次に、CPU1は、ST28としてリサイクル品の種別コードが入力されるのを待機する。ここで、本実施の形態では、図5に示すように、リサイクル品の種別コード1〜6に対応してそれぞれ品目名とリサイクル料金とが予め設定されたリサイクル品テーブル40がRAM4またはPOSサーバ19に設けられている。そして、リサイクル品情報入力画面Aにおけるリサイクル品目名欄a13のプルダウンボタンを選択すると、上記リサイクル品テーブル40に設定されている種別と品目名との対応表がプルダウン表示されるようになっている。なお、リサイクル品テーブル40に設定される種別コードの数及びそれに対応したリサイクル品目名とリサイクル料金のデータは、ユーザによって任意に設定変更することができる。
【0029】
そこで、この対応表からいずれか1つの種別が選択されるか、あるいはキーボード15の置数キー操作によりいずれかの種別コードが入力されると、CPU1は、ST29としてその種別コードに対応して設定されているリサイクル品目名とリサイクル料金のデータをリサイクル品テーブル40から読み出す。そして、ST30としてこの種別コード,リサイクル品目名及びリサイクル料金の各データを欄a12,a13,a14に表示させる。また、ST31として欄a14に表示されているリサイクル料金と欄a15に表示されている収集運搬料とを合算して小計額を算出し、欄a16に表示させる。このとき、客用ディスプレイ17にも、リサイクル料金,収集運搬料及び小計額を表示させる。
【0030】
しかる後、CPU1は、ST32として入金キーが操作入力されるのを待機する。そして、入金キー(図7の場合はファンクションキーF12)が操作入力されたことを検知したならば、CPU1は、ST8としてオペレータ用ディスプレイ16の画面をリサイクル料請求画面Bに切り換える。
【0031】
このリサイクル料請求画面Bの一例を図8に示す。図示するようにリサイクル料請求画面Bには、値割引合計額の欄b1、M&M金額の欄b2、小計額の欄b3、外税対象額の欄b4、外税額の欄b5、端数値引額の欄b6、取引合計額の欄b7、メディア別預かり金額の欄b8、請求金額の欄b9及び釣銭額の欄b10が形成されている。また、ファンクションキーF12のキー機能が表示されている。なお、リサイクル料請求画面Bのレイアウトが図8のものに限定されないのは言うまでもないことである。
【0032】
上記リサイクル料請求画面Bを表示させた後、CPU1は、ST9として支払データが入力されるのを待機する。そして、例えばキーボード15の置数キーとメディアキーの操作によりメディア別の支払データが入力されたならば、CPU1は、ST10として支払入力処理を実行する。この処理において、CPU1は、支払データのメディア名,枚数(金券の場合),支払い金額を欄b8に表示させる。
【0033】
しかる後、CPU1は、ST11として支払が完了したか否か、つまりは請求金額以上の支払い金額が入力されたか否かを判断する。ここで、支払い金額が請求金額に満たない場合には、支払未完了なので、CPU1は、ST9に戻り、次の支払データが入力されるのを待機する。
【0034】
請求金額以上の支払い金額が入力され、支払完了を判断した場合には、CPU1は、ST12として伝票再発行キーが操作入力されるのを待機する。そして、伝票再発行キー(図8の場合はファンクションキーF12)が操作入力されたことを検知したならば、CPU1は、ST13として伝票発行処理を実行する。すなわち、処理区分が入金処理の場合には、伝票プリンタ21を用いて収集運搬料の入金伝票とリサイクル料金の入金伝票とを印字発行させる。また、処理区分が盗難返金またはキャンセル返金の場合には、伝票プリンタ21を用いてマイナスの配送伝票とマイナスの入金伝票とを印字発行させる。
【0035】
その後、CPU1は、ST14としてリサイクル品引渡し業務の明細登録処理を実行する。この処理では、図6に示すように、今回のリサイクル品引渡し業務で発生した管理票コード,入力者コード,入力者名,持込区分,収集運搬料,お客様氏名,お客様電話番号,リサイクル品種別コード,リサイクル品目名,数量,単価,金額及び合計金額等からリサイクル品管理レコードを作成し、POSサーバ19に送信する。これにより、POSサーバ19では、当該リサイクル品管理レコードが入金データベース50に登録されるものとなっている。
以上で、CPU1は、1つのリサイクル品の引取り業務を終了する。
【0036】
ここに、本実施の形態において、POS端末は、図2の流れ図で示す処理ステップのST1の処理により、引取り業務が宣言されると、排出者から排出されるリサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードの入力を促すリサイクル品情報入力画面Aを表示部(ディスプレイ16)に表示させる表示制御手段を構成している。また、図3の流れ図で示す処理ステップのST24,ST29及びST31の処理により、リサイクル品情報入力画面Aの表示内容に従い入力部(キーボード15,スキャナ20)を介してリサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードが入力されると、この入力情報に基づいて当該リサイクル品の再生化に要する経費を算出する経費算出手段を構成している。また、図3の流れ図で示す処理ステップのST25,ST30及びST31の処理により、経費算出手段により算出された経費を報知する経費報知手段を構成している。さらに、図2の流れ図で示す処理ステップのST14の処理により、経費に対する支払データが入力部(キーボード15)を介して入力されると、この経費が生じたリサイクル品の管理票管理番号,持込区分及び種別コードを保存する実績保存手段を構成している。
【0037】
このように構成されたPOS端末を使用する小売業者では、予め所定の業者に管理票を注文して入手しておく。そして、当該小売業者では、客である排出者から特定家庭用機器の廃棄に伴う引取りを求められたならば、POS端末のオペレータである店員がPOS端末の動作モードを「リサイクル品引取り業務」に切り換える。
【0038】
そうすると、オペレータ用ディスプレイ16にリサイクル品情報入力画面Aが表示されるので、店員は、先ず、自己のIDを入力者コードとして入力する。次に、処理区分として“1”(入金)を入力する。次に、当該排出者に対して交付する管理票を取出し、必要事項を記入する。
【0039】
次に、管理票に印刷されている管理票番号のバーコードをスキャナ20でスキャニング入力する。次に、当該リサイクル品の持込区分を入力する。次に、当該排出者の氏名,電話番号を入力する。最後に、引取りを求められた特定家庭用機器の種別コードを入力する。
【0040】
以上の項目を入力することにより、リサイクル品情報入力画面Aの欄a14〜a16には、リサイクル料金,収集運搬料及びその小計金額が表示される。例えば図4,図5のテーブル設定例において、ブラウン管式のテレビが持ち込まれた場合には、持込区分として“1”を入力し、種別コードとして“3”を入力することにより、リサイクル料金:2835円、収集運搬料:1050円、小計金額:3885円がオペレータに報知される。また、この金額データは、客用ディスプレイにも表示されて、排出者に報知される。
【0041】
そこで店員は、入金キーを操作する。そうすると、オペレータ用ディスプレイ16の画面がリサイクル料請求画面Bに切り替わるので、店員は排出者に請求金額を請求する。この請求に対して排出者から支払いが行われたならば、店員はその支払データをPOS端末に入力し、最後に伝票発行キーを操作する。そうすると、伝票プリンタ21が動作して収集運搬料の入金伝票とリサイクル料金の入金伝票が印字発行されるので、各伝票の客控片と、管理票の排出者控片とを排出者に渡す。
【0042】
その後、排出者から引取った廃棄物を、機器の再生を行う製造業者等に引渡し、それと引替えに管理票の小売業者回付片を受け取ってこれを保存する。また、図6に示すデータ構造のリサイクル品管理レコードがPOSサーバ19の入金データベース50に蓄積保存される。したがって小売業者は、管理票の管理番号を用いて入金データベース50を検索することで、排出者からの問合せ等にも迅速に対応することができる。
【0043】
このように本実施の形態のPOS端末であれば、商取引業務のみならずリサイクル品の受付業務をも円滑に遂行することができる。したがって、専用の端末やサーバを不要にできるのでコストの大幅な低減と省スペース化、省電力化等を図ることができる。
【0044】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。また、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態であるPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図2】同実施の形態においてPOS端末のCPUがリサイクル品引取り業務選択時に実行する処理手順の要部を示す流れ図。
【図3】図2における入力項目データ処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図4】同実施の形態において使用する持込区分テーブルのデータ例を示す模式図。
【図5】同実施の形態において使用するリサイクル品テーブルのデータ例を示す模式図。
【図6】同実施の形態において入金データベースに保存されるリサイクル品管理レコードのデータ構造を示す模式図。
【図7】同実施の形態において表示されるリサイクル品情報入力画面の一例を示す平面図。
【図8】同実施の形態において表示されるリサイクル料請求画面の一例を示す平面図。
【符号の説明】
【0046】
1…CPU、3…ROM、4…RAM、15…キーボード、16…オペレータ用ディスプレイ、17…客用ディスプレイ、18…プリンタ、20…スキャナ、21…伝票プリンタ、30…持込区分テーブル、40…リサイクル品テーブル、50…入金データベース。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商取引に関する商品データ及び支払データの入力部、入力された商品データに基づいて前記商取引の合計金額を算出し、この合計金額に対する支払データが入力されると前記商取引の決済を処理する処理手段、前記商取引の合計金額等を表示する表示部を備えた商取引処理装置において、
排出者から排出されるリサイクル品の引取り業務を宣言する業務宣言手段と、
前記引取り業務が宣言されると、前記排出者から排出されるリサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードの入力を促すリサイクル品情報入力画面を前記表示部に表示させる表示制御手段と、
前記リサイクル品情報入力画面の表示内容に従い前記入力部を介して前記リサイクル品に対する管理票の管理番号,持込区分及び種別コードが入力されると、この入力情報に基づいて当該リサイクル品の再生化に要する経費を算出する経費算出手段と、
この経費算出手段により算出された経費を報知する経費報知手段と、
を具備したことを特徴とする商取引処理装置。
【請求項2】
前記経費に対する支払データが前記入力部を介して入力されると、この経費が生じたリサイクル品の管理票管理番号,持込区分及び種別コードを保存する実績保存手段、
をさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の商取引処理装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2006−330902(P2006−330902A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−150913(P2005−150913)
【出願日】平成17年5月24日(2005.5.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】