説明

商品カスタマイジング方法

【課題】商品の磁気的特性をその商品を人体に使用する顧客に応じてカスタマイズする技術において、各顧客の個別的な生体磁界をより正確に特定の商品の磁気的特性に反映する。
【解決手段】各顧客が発する生体磁気によって磁化される磁化カードを非磁化状態で各顧客に個別に配布する。磁化カードは、磁化済みの状態においては、当該磁化カードが発する人工磁気により、生体磁気によって形成される生体磁場と等価な磁場を人工磁場として当該磁化カードの周辺に形成する。各顧客が特定の商品を自分の人体に使用するのに先立ちに、各顧客のための磁化済みの磁化カードによって形成される人工磁場またはそれと等価な磁場内に前記特定の商品を置き、それにより、その特定の商品を磁化する。各顧客は、その磁化された商品を自分の人体に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品の磁気的特性をその商品を人体に使用する顧客に応じてカスタマイズする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
人間が生活する際には、人間の生理的状態を維持・改善することが重要であり、そのためには、人体への塗布または摂取という方式で各種の商品が人体に使用される。例えば、商品としての化粧品の一例は、人間の皮膚の湿潤・平滑化、皮膚を構成する細胞の新陳代謝の促進等を目的として皮膚に塗布される。また、商品としての飲食物(サプリメントを含む。)は、人間に必要なエネルギー・栄養素の補給、生体機能の維持・改善、人間の体質の改善等を目的として人間の体内に摂取される。また、商品としての薬物は、人間の病気の治療、予防等を目的として人間の体内に摂取される。
【0003】
人間は、複数種類の原子によって構成されている。原子の集合によって分子が構成され、分子の集合によって細胞が構成され、細胞の集合によって組織が構成され、組織によって人間の各種器官が構成され、そして、各種器官の集合によって人体が構成される。
【0004】
原子は原子核とそのまわりを回転する電子とによって構成されている。原子はその種類に応じた固有の振動を行うため、原子は固有の振動数を有する微弱な電磁波を放出する。その結果、人間の場合には、人間の生体から磁界が発生する。いわゆる生体磁界が発生するのである。
【0005】
因みに、ある医学文献においては、生体から発生する磁界が生体磁界と称呼され、この生体磁界は、体内を流れる電流が作る磁界(脳、神経、心臓等の磁界)と、体内に蓄積された磁性物質が作る磁界(肺、胃、腸、肝臓等の磁界)とを含むと記載されている。
【0006】
人間に限らず商品も複数種類の原子によって構成されているため、商品から固有の磁界が発生する。したがって、人間が商品を人体への塗布または摂取という方式で自分の人体に使用しようとする際には、固有の振動数を有して人間が発生する磁界と、固有の振動数を有して商品が発生する磁界とが相互に作用する。
【0007】
このような状況においては、音さの共鳴現象や、赤外線のうち特定の振動数を有するものが選択的に物質に吸収されて振動エネルギーが効率的に熱エネルギーに変換される現象から明らかなように、人間が発生する磁界の振動数に、商品が発生する磁界の振動数が一致すると、商品から人間への振動エネルギー(波動エネルギーともいう。)の伝達が効率よく、速やかに行われる。このように伝達速度が高速化することは、例えば、商品の効能、効果等、商品の影響が人間に早期に現れることに寄与する可能性がある。
【0008】
一方、特許文献1には、第1の液体の磁気的特性により、第2の液体の磁気的特性に影響を与えるために、それら第1および第2の液体をそれぞれ第1および第2のコイルに近接して配置したうえで、第1のコイルに通電することにより、その第1のコイルに生ずる磁気を第1および第2の液体に作用させる工程と、第2のコイルに通電することにより、その第2のコイルに生ずる磁気を第1および第2の液体に作用させる工程とを1回ずつまたは複数回ずつ行う技術が記載されている。
【特許文献1】特許第2896030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、顧客が特定の商品を効果的に人体に使用するためには、それに先立ち、その特定の商品の磁気的特性(例えば、前述の固有振動数を含む。)を、例えば、顧客の特性(例えば、前述の生体磁界の固有振動数を含む。)に応じてカスタマイズすることが有効である。
【0010】
そのためには、顧客の特性を特定の商品の磁気的特性に反映することが必要であるが、前記特許文献1に記載の従来技術では、各液体の磁気的特性が、その液体に近接して配置されたコイルに流れる電流によって生じる磁界として間接的にしか測定されない。そのため、この従来技術を、顧客が自ら発する生体磁界を特定の商品の磁気的特性に反映する技術に応用したとしても、顧客が自ら発する生体磁界を直接的に測定することができず、よって、その生体磁界を正確に特定の商品の磁気的特性に反映することもできない。
【0011】
以上説明した事情を背景とし、本発明は、商品の磁気的特性をその商品を人体に使用する顧客に応じてカスタマイズする技術において、各顧客の個別的な生体磁界をより正確に特定の商品の磁気的特性に反映することを課題としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明によって下記の各態様が得られる。各態様は、項に区分し、各項には番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、本発明が採用し得る技術的特徴の一部およびそれの組合せの理解を容易にするためであり、本発明が採用し得る技術的特徴およびそれの組合せが以下の態様に限定されると解釈すべきではない。すなわち、下記の態様には記載されていないが本明細書には記載されている技術的特徴を本発明の技術的特徴として適宜抽出して採用することは妨げられないと解釈すべきなのである。
【0013】
さらに、各項を他の項の番号を引用する形式で記載することが必ずしも、各項に記載の技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴から分離させて独立させることを妨げることを意味するわけではなく、各項に記載の技術的特徴をその性質に応じて適宜独立させることが可能であると解釈すべきである。
【0014】
(1) 人体への塗布または体内への摂取という方式で人体に使用される商品の磁気的特性をその商品を使用する顧客に応じてカスタマイズする商品カスタマイジング方法であって、
各顧客が発する生体磁気によって磁化される磁化媒体であって、磁化済みの状態においては、当該磁化媒体が発する人工磁気により、前記生体磁気によって形成される生体磁場と等価な磁場を人工磁場として当該磁化媒体の周辺に形成するものを非磁化状態で各顧客に配布し、それにより、各顧客が自分の磁化媒体を用いて自分の生体磁場の分布を記録して保存することを可能にする磁化媒体配布工程と、
各顧客が特定の商品を自分の人体に使用するのに先立ちに、各顧客のための磁化済みの磁化媒体によって形成される前記人工磁場またはそれと等価な磁場内に前記特定の商品を置くことにより、その特定の商品を磁化する磁化工程と
を含む商品カスタマイジング方法。
【0015】
この方法によれば、各顧客が発する生体磁気によって磁化される磁化媒体が非磁化状態で各顧客に配布される。その磁化媒体は、各顧客ごとに使用され、磁化済みの状態においては、当該磁化媒体の磁気により、各顧客の生体磁気によって形成される生体磁場と等価な磁場(完全に同じであるかまたは概して同じ磁場)が人工磁場として当該磁化媒体の周辺に形成される。その結果、各顧客は、自分の磁化媒体を用いて自分の生体磁場の分布を記録して保存することが可能となる。
【0016】
したがって、この方法によれば、人体にコイルを近接して配置したうえで、そのコイルに通電することによって人体から磁場を発生させる場合に比較し、人体が自ら発する磁場を正確に測定することが可能となる。
【0017】
さらに、この方法によれば、各顧客が特定の商品を自分の人体に使用するのに先立ちに、各顧客のための磁化済みの磁化媒体によって形成される人工磁場またはそれと等価な磁場内に特定の商品が置かれ、それにより、その特定の商品が磁化される。
【0018】
したがって、この方法によれば、人体が自ら発する磁界をより正確に特定の商品の磁気的特性に反映することが可能となる。よって、この方法によれば、商品の磁気的特性をその商品を使用する顧客に応じてカスタマイズすることが可能となる。
【0019】
本項における「磁化媒体」は、例えば、それ自体単独で物理的に存在するという独立性を有するものとしたり、所在位置が容易に変更可能であるという可搬性を有するものとすることが可能である。
【0020】
(2) 前記磁化工程は、前記磁化済みの磁化媒体に前記特定の商品を接触させることにより、前記人工磁場内にその特定の商品を置き、それにより、その特定の商品を磁化する(1)項に記載の商品カスタマイジング方法。
【0021】
この方法によれば、同じ磁化媒体を、生体磁場を記録する機能と、商品を直接的に磁化する機能との双方を果たすために使用することが可能となる。
【0022】
(3) 前記磁化工程は、前記人工磁気を増幅器によって増幅することによって前記人工磁場を形成し、その形成された人工磁場内に前記特定の商品を置くことにより、その特定の商品を磁化する(1)または(2)項に記載の商品カスタマイジング方法。
【0023】
この方法によれば、磁化媒体が単独で発生し得る人工磁気を増幅する増幅器を用いない場合より強い人工磁場を発生させることが可能となり、その結果、特定の商品を磁化するのに必要な時間の短縮が容易となる。
【0024】
(4) 前記磁化工程は、前記人工磁気がリーダによって磁気的に読み取られて変換された電気信号に基づき、前記人工磁場と等価な磁場を形成し、その形成された等価な磁場内に前記特定の商品を置くことにより、その特定の商品を磁化する(1)項に記載の商品カスタマイジング方法。
【0025】
この方法によれば、同じ磁化媒体を、生体磁場を記録する機能と、商品を間接的に磁化する機能との双方を果たすために使用することが可能となる。さらに、この方法によれば、例えば、磁化媒体から離れた位置において商品を磁化することが可能となるため、顧客は、商品の磁化のためにいちいちその作業場所に磁化媒体を持ち込む煩から解放される。
【0026】
(5) 外部からの磁気である外部磁気によって磁化される磁化媒体であって、
磁化済みの状態においては、当該磁化媒体が発する人工磁気により、前記外部磁気によって形成される外部磁場と等価な磁場を人工磁場として当該磁化媒体の周辺に形成する磁化媒体。
【0027】
この磁化媒体によれば、外部磁場を記録して再現することが可能になる。したがって、この磁気媒体は、前記(1)ないし(4)項のいずれかに係る方法において、生体磁場を記録するとともに、その生体磁場を特定の商品の磁気的特性に反映するために好適に使用し得る。
【0028】
(6) 当該磁化媒体は、基材と、互いに接触しない状態で少なくとも2次元的に前記基材上に配列される複数個の磁性素子とを含む(5)項に記載の磁化媒体。
【0029】
(7) 前記複数個の磁性素子は、飽和磁化量が互いに異なる複数個の磁性素子を1群とする磁性素子群が複数、前記基材上における互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されるように配列される(6)項に記載の磁化媒体。
【0030】
この磁化媒体によれば、基材上における各位置に1つの磁性素子群が配置され、この1つの磁性素子群は、飽和磁化量が互いに異なる複数個の磁性素子を含んでいる。したがって、この磁化媒体によれば、基材上における各位置ごとに、その位置に配置された磁性素子の数に応じた数の磁気レベルにより、外部磁場を記録して再現することが可能となる。
【0031】
すなわち、この磁化媒体によれば、基材上における各位置ごとに1つの磁性素子が配置される場合に比較し、多値の磁気レベルにより、外部磁場を正確に記録して再現することが可能となるのである。
【0032】
(8) 前記複数の磁性素子群は、それら複数の磁性素子群のうちの複数の磁性素子群が直列に並んだ磁性素子列を、互いに立体交差する複数本の基準線のそれぞれに沿って複数列含む(7)項に記載の磁化媒体。
【0033】
この磁化媒体によれば、基材上に磁性素子列が1列しか配列されない場合より、外部磁場を3次元的に記録して再現する精度を向上させることが容易となる。特に、この磁化媒体によれば、それら複数列の磁性素子列が互いに立体交差するように配列されるため、実際に交差するように配列される場合より、その交差点から遠ざかるにつれて磁気レベルが低下するという外部磁場の分布をより正確に再現することが容易となる。
【0034】
(9) 当該磁化媒体は、前記外部磁気を発する対象物との物理的接触により、その対象物が発する外部磁気によって磁化されるリジッドまたはフレキシブルなカードとして形成される(5)ないし(8)項のいずれかに記載の磁化媒体。
【0035】
この磁化媒体は、カードという形態を有するように概して板状に形成されるため、立体的に形成される場合より、外部磁場の記録・再現、磁化媒体の保管・携帯等において使い易さが向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明のさらに具体的な実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明する。
【0037】
図1には、本発明の第1実施形態に従う商品カスタマイジング方法を実施するために使用される磁化カード10および信号処理装置12が、磁化される対象物である商品14と共に斜視図で示されている。
【0038】
商品14は、ある顧客によって自分の人体に使用されるものである。この商品14の一例は、体内に摂取される飲食物の一例である飲料水であり、別の例は、皮膚に塗布される化粧液である。商品14は、それが液体である場合には、固体の容器内に収容される。
【0039】
磁化カード10は、前記(1)項における「磁化媒体」の一例である。この磁化カード10は、それ自体単独で物理的に存在する独立性を有し、さらに、可搬性を有する。この磁化カード10は、商品14の各顧客が自ら発する生体磁気によって磁化される。この磁化カード10は、磁化済みの状態においては、この磁化カード10が発する人工磁気により、各顧客の生体磁気によって形成される生体磁場と等価な磁場を人工磁場としてこの磁化カード10の周辺に形成する。
【0040】
この磁化カード10は、商品14の販売者またはその関連業者の指示により、複数人の顧客に個別に、かつ、非磁化状態で配布される。この磁化カード10は、例えば、図2に示すように、パッケージ20内に封印されることにより、磁気的に外部からシールドされた状態で各顧客に配布される。
【0041】
パッケージ20には、各顧客によるパッケージ20の開封を容易にするためのノッチ22が形成されている。このパッケージ20には、さらに、開封されたパッケージ20から取り出された磁化カード10を反復的に開封可能な状態でパッケージ20内に封印するためのファスナ24も設けられている。
【0042】
磁化カード10が各顧客に配布されれば、各顧客は、自分の磁化カード10に自分の生体磁場の分布を記録して保存することを可能になる。図3には、磁化カード10が、その保有者の両手のうちの一方の掌に載せられている状態で示されているが、この磁化カード10は、本実施形態においては、その保有者の両手の掌によって挟まれ、その結果、この磁化カード10の両面が両手の掌にそれぞれ接触させられる。この接触が一定時間行われると、保有者が両手から発する生体磁界によって磁化カード10が磁化される。
【0043】
図4には、この磁化カード10の構造が示されている。図4(a)には平面図で、(b)には(a)におけるAA断面図で、(c)には(a)におけるBB断面図でそれぞれ、磁化カード10が示されている。
【0044】
この磁化カード10は、基本的は、板状の基材30上に第1層32と第2層34とが積層されて構成されている。この磁化カード10には、互いに立体交差するX軸とY軸とが設定されている。X軸は第1層32に、Y軸は第2層34にそれぞれ固定されている。
【0045】
第1層32においては、X軸に直角な方向に複数個の磁性素子40が一列に並んで成る磁性素子群42が複数、X軸に沿って並んでいる。同様にして、第2層34においても、Y軸に直角な方向に複数個の磁性素子40が一列に並んで成る磁性素子群42が複数、Y軸に沿って並んでいる。図4(a)においては、X軸に沿って延びる四角形の枠が二点鎖線で示されており、この枠内の領域に複数個の磁性素子40がドットマトリクス状に配列されている。同様にして、Y軸に沿って延びる四角形の枠が二点鎖線で示されており、この枠内の領域に複数個の磁性素子40がドットマトリクス状に配列されている。
【0046】
いずれの層においても、一つの磁性素子群42には複数個の磁性素子40が属するが、それら磁性素子40は飽和磁化量に関して互いに異ならせられている。具体的には、それら磁性素子40は例えば、体積に関して互いに異ならせられている。したがって、各層32,34は、各磁性素子群42が配置される位置ごとに、各磁性素子群42に属する磁性素子40の数に応じた数の磁気レベル(例えば、磁気が0であるレベルも1つのレベルであると考える場合には、磁性素子40の数に1を加えた数と同数の磁気レベル)で磁化される。その結果、各層32,34は、各層32,34に作用する外部磁場としての生体磁場を、2値より多い多値の磁気レベルで記録して保存することが可能である。
【0047】
さらに、本実施形態においては、X軸に沿って延びる磁性素子40の列である磁性素子列50と、Y軸に沿って延びる磁性素子40の列である磁性素子列52とが互いに立体交差している。その結果、図4(c)に示すように、磁化カード10を真横から見た場合には、X軸とY軸との立体交差点において、磁性素子40が2段に積層されている。したがって、本実施形態によれば、磁化カード10において、X軸とY軸との立体交差点から遠ざかるにつれて磁気レベルが減少し、それにより、磁化カード10は、ピラミッド状に分布する人工磁界を発生させることが可能となる。このような人工磁界の分布は、商品14の固有振動数を各顧客の生体磁界の固有振動数に十分に一致させるかもしくは完全に一致させること、すなわち、いわゆる部分的または完全な同化のために好都合である。
【0048】
本実施形態においては、各磁性素子40の材質が例えばフェライトであり、また、各磁性素子40の直径が例えば約0.03mmである。すなわち、各磁性素子40はミニ磁石なのである。各磁性素子40は、例えば、各層32,34内の所定表面に、横方向において隣接する磁性素子40と接触しない状態で、接着剤によって接着される。
【0049】
図1に示すように、磁化カード10は、概して箱状を成す信号処理装置12と共に使用される。その信号処理装置12は、それの上面において、磁化カード10が載置される作用面60と、作業者によって操作される操作面62とを有している。
【0050】
図5には、その操作面62が拡大して示されている。この操作面62には、メインスイッチ70と、記録スイッチ72と、停止スイッチ74と、磁化スイッチ76,77と、ボリュームスイッチ78と、レコーダ切換スイッチ80と、フォルダスイッチ82と、クリアリセットスイッチ84とが設けられている。
【0051】
メインスイッチ70は、信号処理装置12への電源投入と切断とを選択的に行うために操作される。
【0052】
記録スイッチ72は、複数人の顧客にそれぞれ関連付けて、磁化カード10が発する人工磁場を記録するために操作される。すなわち、磁化カード10が発する人工磁界の強さを2次元的に読み取って記録するために操作されるのである。磁化カード10が発する人工磁場は、各顧客が発する生体磁化を反映しているため、人工磁場を記録することは結局、生体磁界を記録することに等しい。
【0053】
人工磁場の記録は、各顧客ごとに、その顧客が保有する磁化カード10が作用面60上に載置される状態で行われる。人工磁場の強さを表す信号は、フォルダAないしHと称する複数個の記憶部のうちのいずれかに記憶される。各記憶部には、各顧客が保有する磁化カード10が発する人工磁場の強さが、その磁化カード10上の複数の位置のそれぞれに関連付けて記憶される。
【0054】
作用面60上に磁化カード10が単独で載置される状態で記録スイッチ72が操作されると、磁化カード10が発する人工磁界のみが読み取られる。これに対し、作用面60上に磁化カード10と一緒に磁化前の商品14が載置される状態で記録スイッチ72が操作されると、磁化カード10が発する人工磁界のみならず、磁化前の商品14の磁気的特性(例えば、商品14が発する磁界)も読み取られる。
【0055】
停止スイッチ74は、信号処理装置12の各種動作を停止させるために操作される。
【0056】
磁化スイッチ76,77は、生体磁場が再現されるように人工磁場を発生させ、その人工磁場によって商品14を磁化するために操作される。一方の磁化スイッチ76が操作されると、磁化が開始され、一定時間経過後に自動的に終了する。これに対し、他方の磁化スイッチ77が操作されると、磁化が開始され、停止スイッチ74が操作されるのを待って終了する。いずれの磁化スイッチ76,77が操作された場合にも、前述のフォルダAないしHのうちフォルダスイッチ82の操作によって選択されたものに予め記憶された信号に基づき、商品14の磁化が行われる。
【0057】
ボリュームスイッチ78は、信号処理装置12による増幅の程度を調整するために操作される。信号処理装置12は、作用面60上に載置されている磁化カード10が発する人工磁界を増幅して発生させるとともに、その発生させられた磁界を商品14に作用させることにより、磁化カード10の磁化を効率よく、速やかに行う。このような人工磁界が増幅される程度がボリュームスイッチ78によって調整されるのである。
【0058】
レコーダ切換スイッチ80は、作用面60上に載置されている磁化カード10が発する人工磁界の強さであって読み取られたものを表す信号が記録されるべき場所を切り換えるために操作される。具体的には、その読み取られた信号が記録されるべき場所を、信号処理装置12内の記憶部、すなわち、前述のフォルダAないしHにするのか、信号処理装置12に接続された外部記録装置(例えば、コンピュータ内のメモリ)にするのかを選択するために操作される。
【0059】
その読み取られた信号の記録場所として信号処理装置12内の記憶部が選択された場合には、図5において「INTERMINAL OUTPUT」という名前が付されたインジケータ84が点灯し、一方、その読み取られた信号の記録場所として信号処理装置12の外部にある外部記録装置が選択された場合には、同図において「EXTERMINAL OUTPUT」という名前が付されたインジケータ86が点灯する。
【0060】
フォルダスイッチ82は、フォルダAないしHのうちのいずれかを選択するための操作される。フォルダAないしHのうち選択されたものを表示するために複数個のインジケータ88がそれらフォルダAないしHにそれぞれ関連付けて設けられている。
【0061】
クリアリセットスイッチ84は、それらフォルダAないしHを一斉に、または、それらフォルダAないしHのうちフォルダスイッチ82の操作によって選択されたもののみをクリア状態にリセットするために操作される。
【0062】
図1には、信号処理装置12の作用面60上に磁化済みの磁化カード10が載置され、その磁化カード10上に商品14が載置されている状態が示されている。この状態においては、磁化カード10が商品14と信号処理装置12との間に介在させられており、この状態において信号処理装置12を起動させれば、少なくとも磁化カード10の人工磁界に基づいて商品14が磁化されて、その商品14の磁気的特性としての固有振動数が各顧客に適合するようにカスタマイズされる。
【0063】
ただし、磁化カード10が発する人工磁場が一旦信号処理装置12に記憶されたならば、磁化カード10なしでも、その人工磁場と等価な磁場が信号処理装置12により、もとの人工磁場の振動波形より振幅が増幅された状態で、発生させられる。そのようにして増幅された磁場により、商品14を磁化してそれの磁気的特性をカスタマイズすることも可能である。すなわち、信号処理装置12は、磁化カード10が発する人工磁場を読み取るリーダ、その読み取られた人工磁場を記録するレコーダ、およびその読み取られた人工磁場を増幅する増幅器として機能するのである。
【0064】
図6には、本実施形態に従う商品カスタマイジング方法の一応用例が工程図で示されている。
【0065】
この応用例においては、まず、販売者の指示により、磁化前の磁化カード10が図2に示す如く、磁気的にシールドされた状態で、複数人の顧客にそれぞれ配布される。その磁化カード10を受領した各顧客は、その磁化カード10を両手の掌で挟むことにより、自分の人体が自ら発する生体磁界によってその磁化カード10を磁化する。これにより、その生体磁界がその磁化カード10に記録される。
【0066】
その磁化済みの磁化カード10が販売者に提供されると、販売者は、その磁化カード10と信号処理装置12とを用いることにより、その磁化カード10の保有者である今回の顧客によって指定された商品14を、その磁化カード10が発する人工磁界によって磁化する。これにより、その指定商品14の磁気的特性としての固有振動数が、今回の顧客の生体磁界の固有振動数に適合するように、カスタマイズされる。
【0067】
そのようにしてカスタマイズされた商品14は、その後、販売者の指示により、今回の顧客宛てに配送される。その顧客は、その配送された商品14を自分の人体に使用すれば、その商品14の効果・効能を効率よく享受することができる。
【0068】
顧客が発生する磁界の振動数に、商品14が発生する磁界の振動数が一致すると、商品14から顧客の人体への振動エネルギー(波動エネルギーともいう。)の伝達が効率よく、速やかに行われる。
【0069】
このように伝達速度が高速化することは、例えば、商品14の効能、効果等、商品14の影響が人間に早期に現れることに寄与する可能性がある。また、振動エネルギーが、電荷を有する粒子の振動に依拠する場合には、商品14から人間への振動エネルギーの伝達が効率よく行われることは、商品14から人間への電荷の移動が効率よく行われることを意味する。すなわち、商品14の持つ電荷を機械的に人間に注入することなく、商品14から人間への必要な電荷の移動が、磁化現象を利用して自然に効率よく行われることを意味するのである。
【0070】
また、商品14が発生する磁界が、振動数が互いに異なる複数の成分を有する場合には、それら複数の成分のうち、人間が発生する磁界の振動数に一致する振動数を有する成分のみが選択されて商品14から人間に伝達される。このことは、人間にとって必要ではない成分が商品14からその人間に伝達されずに済むことを意味する。
【0071】
なお付言するに、本実施形態においては、商品14を磁化するために信号処理装置12が使用されるが、信号処理装置12の使用は本発明を実施するために不可欠なことではなく、磁化済みの磁化カード10に商品14を単に接触させることにより、その商品14を磁化してカスタマイズする態様で本発明を実施することが可能である。
【0072】
さらに付言すれば、図6においては、顧客が行う工程として波形診断も存在するが、この工程については次の実施形態において説明する。
【0073】
図7には、本発明の第2実施形態に従う商品カスタマイジング方法を実施するために使用されるシステムが示されている。
【0074】
本実施形態においては、顧客により、装填された磁化カード10に記録された生体磁場をその磁化カード10から読み取るリーダ100と、そのリーダ100に電気的に接続されたコンピュータ102とが使用される。この顧客側のシステムにおいては、リーダ100によって読み取られた生体磁場の波形を表す波形データが、顧客のコンピュータ102に記憶されるとともに画面上に表示される。顧客は、その表示された波形を、同じ顧客について過去に取得されて記憶された別の波形と比較することにより、今回の波形を診断することが可能である。顧客のこの行為が図6における波形診断に該当する。
【0075】
顧客のコンピュータ102は、インターネット等の通信ネットワーク104を介して販売者のコンピュータ106に接続されている。顧客は、自分の人体に使用することを希望する商品14を販売者に注文するための注文データと共に、自分のコンピュータ102に記憶された波形データを販売者のコンピュータ106に送信することができる。この送信後、販売者のコンピュータ106は、その送信された波形データに基づき、信号処理装置12を用いて人工磁場を発生させる。その発生させられた人工磁場により、前記送信された注文データにより特定される商品14が磁化される。これにより、本実施形態によれば、商品14が、オンラインで注文されるとともに、その磁気的特性がオンラインでカスタマイズされる。
【0076】
以上、本発明の実施の形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の第1実施形態に従う商品カスタマイジング方法を実施するために使用される磁化カード10、信号処理装置12および商品14を示す斜視図である。
【図2】図1に示す磁化カード10を磁気的シールド状態で包装するパッケージ20を示す斜視図である。
【図3】図1に示す磁化カード10が顧客の生体磁場により、その顧客の両手で挟まれた状態で磁化される様子を説明するための斜視図である。
【図4】図3に示す磁化カード10を示す平面図、AA断面図およびBB断面図である。
【図5】図1に示す信号処理装置12における操作面62を拡大して示す平面図である。
【図6】第1実施形態に従う商品カスタマイジング方法の一応用例を示す工程図である。
【図7】本発明の第2実施形態に従う商品カスタマイジング方法を実施するために使用されるシステムを示す系統図である。
【符号の説明】
【0078】
10 磁化カード
12 信号処理装置
14 商品
30 基材
32 第1層
34 第2層
40 磁性素子
42 磁性素子群
50,52 磁性素子列
100 リーダ
102,106 コンピュータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体への塗布または体内への摂取という方式で人体に使用される商品の磁気的特性をその商品を使用する顧客に応じてカスタマイズする商品カスタマイジング方法であって、
各顧客が発する生体磁気によって磁化される磁化媒体であって、磁化済みの状態においては、当該磁化媒体が発する人工磁気により、前記生体磁気によって形成される生体磁場と等価な磁場を人工磁場として当該磁化媒体の周辺に形成するものを非磁化状態で各顧客に配布し、それにより、各顧客が自分の磁化媒体を用いて自分の生体磁場の分布を記録して保存することを可能にする磁化媒体配布工程と、
各顧客が特定の商品を自分の人体に使用するのに先立ちに、各顧客のための磁化済みの磁化媒体によって形成される前記人工磁場またはそれと等価な磁場内に前記特定の商品を置くことにより、その特定の商品を磁化する磁化工程と
を含む商品カスタマイジング方法。
【請求項2】
前記磁化工程は、前記磁化済みの磁化媒体に前記特定の商品を接触させることにより、前記人工磁場内にその特定の商品を置き、それにより、その特定の商品を磁化する請求項1に記載の商品カスタマイジング方法。
【請求項3】
前記磁化工程は、前記人工磁気を増幅器によって増幅することによって前記人工磁場を形成し、その形成された人工磁場内に前記特定の商品を置くことにより、その特定の商品を磁化する請求項1または2に記載の商品カスタマイジング方法。
【請求項4】
前記磁化工程は、前記人工磁気がリーダによって磁気的に読み取られて変換された電気信号に基づき、前記人工磁場と等価な磁場を形成し、その形成された等価な磁場内に前記特定の商品を置くことにより、その特定の商品を磁化する請求項1に記載の商品カスタマイジング方法。
【請求項5】
外部からの磁気である外部磁気によって磁化される磁化媒体であって、
磁化済みの状態においては、当該磁化媒体が発する人工磁気により、前記外部磁気によって形成される外部磁場と等価な磁場を人工磁場として当該磁化媒体の周辺に形成する磁化媒体。
【請求項6】
当該磁化媒体は、基材と、互いに接触しない状態で少なくとも2次元的に前記基材上に配列される複数個の磁性素子とを含む請求項5に記載の磁化媒体。
【請求項7】
前記複数個の磁性素子は、飽和磁化量が互いに異なる複数個の磁性素子を1群とする磁性素子群が複数、前記基材上における互いに異なる複数の位置にそれぞれ配置されるように配列される請求項6に記載の磁化媒体。
【請求項8】
前記複数の磁性素子群は、それら複数の磁性素子群のうちの複数の磁性素子群が直列に並んだ磁性素子列を、互いに立体交差する複数本の基準線のそれぞれに沿って複数列含む請求項7に記載の磁化媒体。
【請求項9】
当該磁化媒体は、前記外部磁気を発する対象物との物理的接触により、その対象物が発する外部磁気によって磁化されるリジッドまたはフレキシブルなカードとして形成される請求項5ないし8のいずれかに記載の磁化媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−6672(P2006−6672A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−189083(P2004−189083)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【出願人】(500115251)コルペエコー株式会社 (1)
【出願人】(596046462)株式会社インステム (1)
【Fターム(参考)】