説明

商品コード読取装置及び商品コード読取方法

【課題】サービス表示に対応したコードシンボルを可視光領域外の光で検出するようにした場合であっても、そのコードシンボル及び商品コードのコードシンボルの両方を読み取ることを可能とする。
【解決手段】カメラ20は、可視光領域の波長の光を照射する第1の光源、又は可視光領域外の波長の光を照射する第2の光源による照射光をもとに撮像する。カメラ制御部55は、第1の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第1のコードシンボルに対応したコード情報と、第2の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第2のコードシンボルに対応したコード情報とを読み取らせるように、第1の光源及び第2の光源における照射と、撮像手段による撮像とを制御する。情報出力部54は、第1のコードシンボルに対応したコード情報及び第2のコードシンボルに対応したコード情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品コード読取装置及び商品コード読取方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スーパーマーケット等では、商品に添付されたバーコードや二次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のコードシンボルをCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等のデジタルカメラによって撮像し、その撮像した画像から検出したコードシンボルを検出して復号することで商品コードを読み取る商品コード読取装置が用いられている。この商品コード読取装置によって読み取り対象となる商品には、値引や割引等のサービスを行うことを示す値引シールが添付されている場合がある。このため、商品コード読取装置では、デジタルカメラによって撮像した画像から値引シールを検出し、その値引シールのコードシンボルを復号した結果と商品コードとを販売登録や精算処理を行うための電子レジスターやPOS(Point Of Sale)端末等の情報機器に出力している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、値引シールなどのコードシンボルは、顧客の目には見えないように、可視光領域外の光で検出するようにした方が値引シールのデザイン性を向上させて値引シールの存在を目立つようにできる。そして、値引シールの存在を目立つようにすることで、値引シールによる顧客の誘引効果を期待できる。また、値引シールなどのコードシンボルを顧客の目には見えないようにすることで、値引シールの偽造防止にも役立つ。しかしながら、値引シールなどのコードシンボルを可視光領域外の光で検出するようにした場合、上述した従来の商品コード読取装置では、商品コードを読み取ることは出来ても値引シールのコードシンボルを読み取ることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上述した課題を解決するために、本発明の実施形態は、撮像手段と、画像取込手段と、コード読取手段と、制御手段と、出力手段と、を備えることを特徴とする商品コード読取装置である。撮像手段は、可視光領域の波長の光を照射する第1の光源、又は可視光領域外の波長の光を照射する第2の光源による照射光をもとに撮像する。画像取込手段は、撮像手段が撮像した画像を取り込む。コード読取手段は、取り込まれた画像に含まれるコードシンボルを検出し、コードシンボルに対応したコード情報を読み取る。制御手段は、第1の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第1のコードシンボルに対応したコード情報と、第2の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第2のコードシンボルに対応したコード情報とをコード読取手段に読み取らせるように、第1の光源及び第2の光源における照射と、撮像手段による撮像とを制御する。出力手段は、コード読取手段により読み取られた、第1のコードシンボルに対応したコード情報及び第2のコードシンボルに対応したコード情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する。
【0005】
また、本発明の実施形態は、可視光領域の波長の光を照射する第1の光源、又は可視光領域外の波長の光を照射する第2の光源による照射光をもとに撮像する撮像手段を有する商品コード読取装置の商品コード読取方法であって、画像取込ステップと、コード読取ステップと、制御ステップと、出力ステップと、を含む。画像取込ステップは、撮像手段が撮像した画像を取り込む。コード読取ステップは、取り込まれた画像に含まれるコードシンボルを検出し、コードシンボルに対応したコード情報を読み取る。制御ステップは、第1の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第1のコードシンボルに対応したコード情報と、第2の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第2のコードシンボルに対応したコード情報とを読み取らせるように、第1の光源及び第2の光源における照射と、撮像手段による撮像とを制御する。出力ステップは、コード読取ステップにより読み取られた、第1のコードシンボルに対応したコード情報及び第2のコードシンボルに対応したコード情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】図1は、本実施形態にかかる商品コード読取装置を用いたチェックアウトレーンシステムの構成を概略的に示す外観斜視図である。
【図2】図2は、本実施形態にかかる商品コード読取装置の構成を示すブロック図である。
【図3】図3は、カメラの構成を例示する断面外観図である。
【図4】図4は、バーコードラベルと値引ラベルの一例を示す図である。
【図5】図5は、本実施形態にかかる商品コード読取装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、他の実施形態にかかる値引ラベルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に添付図面を参照して、本実施形態にかかる商品コード読取装置及び商品コード読取方法を詳細に説明する。
【0008】
図1は、本実施形態にかかる商品コード読取装置2を用いたチェックアウトレーンシステム4の構成を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、チェックアウトレーンシステム4は、商品を入れた買い物かごを戴置するためのサッカー台1と、サッカー台1の略中央に立設された商品コード読取装置2と、商品コード読取装置2と図示しない伝送路によって相互通信可能に接続されたPOS端末3とを備えている。
【0009】
POS端末3は、客が購入する商品の販売登録を行うものである。図1に示すように、POS端末3には、キーボード31、オペレータ用の表示器32、客用の表示器33、レシート印字等を行うプリンタ34、現金等を収容するためのドロワ35等が設けられている。キーボード31には、商品代金の決済に必要な締めキー等が配設されている。POS端末3は、この種のチェックアウトレーンシステムで標準的に使用されているPOS端末と同様の構成と機能とを備えている。
【0010】
商品コード読取装置2は、商品に貼付されたバーコードまたは二次元コード等のコードシンボル(以下、バーコード)を、オペレータ(ユーザ)が商品を読取窓21にかざした際に読み取って、バーコードが含む商品情報をPOS端末3に出力するための装置である。図1に示すように、商品コード読取装置2は、読取窓21と、キーボード22と、ディスプレイ23と、表示LED24と、ブザー25とを主に備えている。キーボード22は、各種キーによるオペレータの操作を受け付ける。例えば、キーボード22は、バーコードで登録不能な商品の登録を行う場合に、各種キーによる入力を受付ける。ディスプレイ23は、登録された商品の品名や価格等を買い物客に対して表示する。表示LED24は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合に点灯して、バーコードが読み取られていることをオペレータに報知する。ブザー25は、商品に貼付されたバーコードが読み取られた場合にブザー音を鳴らして、オペレータに報知する。読取窓21が設けられた商品コード読取装置2の内部には、CCDイメージセンサ等のカメラ20(図2、3参照)が内蔵されている。
【0011】
図2は、本実施形態にかかる商品コード読取装置2の構成を示すブロック図である。商品コード読取装置2は、CPU50(Central Processing Unit)と、ROM42(Read Only Memory)と、RAM43(Random Access Memory)と、通信I/F44と、出力ポート46と、キーボードコントローラ47と、表示コントローラ48と、カメラコントローラ49と、メモリ45とを主に備えており、これらをアドレスバス、データバスなどのバスライン41で接続して構成されている。
【0012】
CPU50は、商品コード読取装置2の動作全体を制御する制御部として機能する。ROM42は、本実施形態にかかるプログラムや、CPU50の動作を制御するその他のプログラム等を記憶している。RAM43は、CPU50がROM42が記憶する各種プログラムを展開する際にワークエリアとして機能するものである。また、RAM43は、カメラ20によって撮像した画像データなどの各種データを格納する。
【0013】
通信I/F44は、バス(図示しない)を介して接続されたPOS端末3(図1参照)とのデータ通信を制御する。出力ポート46は、ブザー25と表示LED24に駆動信号を出力する。キーボードコントローラ47は、キーボード22からキー信号を取り込む。表示コントローラ48は、ディスプレイ23に対するデータ表示を制御する。カメラコントローラ49は、カメラ20の撮像動作を制御する。
【0014】
カメラ20は、商品に付されたバーコードや、値引やポイント付加等のサービスを表示したラベル(サービス表示)などを撮像する。
【0015】
ここで、カメラ20について詳細に説明する。図3は、カメラ20の構成を例示する断面外観図である。より具体的には、図3は、図1に例示した読取窓21の略中心で水平方向に商品コード読取装置2を切った場合の断面外観を示す図である。図3に示すように、商品コード読取装置2の筐体201内において、カメラ20は、第1の光源203a、第2の光源203bが設けられた基板202と、撮像素子204が設けられた基板205とを備える。
【0016】
第1の光源203a、第2の光源203bは、撮像素子204の撮像エリア70aに光を照射する光源である。具体的には、第1の光源203aは、白色LED(Light Emitting Diode)などであり、可視光領域の波長の光を照射する光源である。また、第2の光源203bは、紫外線発光ダイオードや、赤外線発光ダイオードなどであり、可視光領域外の波長の光を照射する光源である。なお、本実施形態では、第2の光源203bとして紫外線発光ダイオードを用いるものとする。撮像エリア70aは、カメラ20が1フレームで撮像できる領域である。撮像素子204は、第1の光源203a、又は第2の光源203bによる照射光をもとに、撮像エリア70aを撮像する。
【0017】
ここで、カメラ20によるバーコードやサービス表示の撮像について説明する。具体的には、商品コード読取装置2により処理される商品とカメラ20の撮像エリア70aとの関係を例示して説明する。図4は、バーコードラベル61と値引ラベルL1の一例を示す図である。図中2点鎖線で囲った領域は撮像エリア70aを示す。図4に示す商品60には、バーコードラベル61に加えて、サービス表示の一例である値引ラベルL1が貼付されている。
【0018】
バーコードラベル61には、商品名「豚バラうす切り」や、商品価格「200円」や、バーコード62等が表示されている。バーコード62には、商品60の販売データをPOS端末3で登録処理するのに必要な商品情報として、商品コード等の情報が組み込まれている。また、バーコード62の下部には、バーコード62が組み込んでいる商品コード「2101234567890」が数字で表示されている。値引ラベルL1には、商品60に関するサービス情報であり、値引額を示す文字情報「表示価格より50円引き」が可視光下で表示されている。また、値引ラベルL1には、上述したサービス表示に対応したサービス情報を含むバーコード63が表示されている。バーコード63は、値引やポイント付加等のサービス情報を所定の規則により符号化したコード(図示例では「XXXXXXXX」)等の情報が組み込まれている。
【0019】
なお、バーコード63は、可視光領域外の波長の光である紫外線で蛍光する塗料で印字されている。したがって、バーコード63は、第1の光源203aによる可視光下では見ることができず、カメラ20で撮像した画像にも含まれることはないが、第2の光源203bによる紫外光下で蛍光することで見ることが可能であり、カメラ20で撮像した画像にも含まれることとなる。このように、値引ラベルL1では、バーコード63を可視光領域外の光で検出するようにしたことで、「表示価格より50円引き」等の表示を目立たせるなど、デザイン性を向上させて値引ラベルL1の存在を目立つようにできる。このため、値引ラベルL1による顧客の誘引効果を期待できる。また、バーコード63は、顧客の目には見えず、可視光領域外の光を照射することで検出されるため、値引ラベルL1の偽造防止にも役立つ。
【0020】
上述したサービス表示としては、商品60に付され、商品60の購入時に付与されるサービスに関するサービスを表示しているものであればよい。サービス表示のその他の例としては、商品60の割引率を表示した割引ラベルや、商品60を購入した客に対して、通常のポイント付与数より割増されて付与されるポイント数を表示したポイント割増ラベル等であってもよい。
【0021】
図2に戻り、メモリ45は、不揮発性メモリであり、商品コード読取装置2における各種設定情報を記憶する。メモリ45が記憶する各種設定情報としては、例えばカメラ20により読み取られたバーコード63をサービス情報に復号するための規則などがある。
【0022】
ここで、CPU50がプログラムを実行することで実現される、商品コード読取装置2の機能構成について説明する。CPU50は、RAM43に展開されたROM42が記憶するプログラムに従って動作することで、図2に示すように、画像データ取込部51と、バーコード読取部52と、ラベル読取部53と、情報出力部54と、カメラ制御部55として機能する。
【0023】
画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20に撮像動作を開始させる。画像データ取込部51は、撮像動作開始後にカメラ20が撮像した撮像エリア70a内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する。
【0024】
バーコード読取部52は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるバーコードを検出する。具体的には、取り込まれた画像からパターンマッチング技術によるバーコードの検出や、所定のファインダパターンから二次元コードの検出などを行う。バーコード読取部52は、検出したバーコードを所定の規則に従ったコード情報(例えばJANコード)に変換することで、検出したバーコードに対応したコード情報を読み取る。
【0025】
例えば、図4の例では、バーコード読取部52によりバーコード62が検出され、そのバーコード62に対応した商品コード「2101234567890」が読み取られることとなる。また、第2の光源203bによる紫外光下でバーコード読取部52によりバーコード63が検出された場合は、そのバーコード63に対応したコード「XXXXXXXX」が読み取られることとなる。
【0026】
ラベル読取部53は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるサービス表示を検出し、そのサービス表示を読み取る。具体的には、ラベル読取部53は、ROM42などに予め設定されている、サービス表示を行うラベルの特徴(枠線や形状など)を示す情報をもとに、画像認識技術によりそのラベルを検出する。そして、ラベル読取部53は、検出したラベル位置を中心にOCR(Optical Character Reader)等の文字認識処理を行うことで、ラベルに表示されている値引額、割引率、付与ポイントなどのサービス表示を読み取る。例えば、図4の例では、ラベル読取部53により値引ラベルL1が検出される。次いで、その値引ラベルL1に記載された「50円」「引き」などの文字が認識されて、50円の値引を行うとするサービス表示が読み取られることとなる。
【0027】
情報出力部54は、バーコード62から読み取った商品コードや、バーコード63から読み取ったコード等のコード情報を、読取情報として通信I/F44を介してPOS端末3へ出力する。なお、情報出力部54は、バーコード62から読み取った商品コード、バーコード63から読み取ったコードの少なくとも一方を読取情報としてPOS端末3へ出力すればよい。これは、商品によっては値引ラベルL1が添付されていないものもあり、バーコード62から商品コードの読み取りのみが行われる場合もあるためである。
【0028】
カメラ制御部55は、カメラコントローラ49によるカメラ20の撮像を制御する。具体的には、第1の光源203aによる照射光をもとに撮像素子204で撮像した画像に含まれるバーコード62に対応した商品コードと、第2の光源203bによる照射光をもとに撮像した画像に含まれるバーコード63に対応したコードとをバーコード読取部52に読み取らせるように、カメラ20における第1の光源203a及び第2の光源203bにおける照射と、撮像素子204による撮像とを制御する(詳細は後述する)。
【0029】
次に、本実施形態にかかる商品コード読取装置2の動作について詳細に説明する。図5は、本実施形態にかかる商品コード読取装置2の動作の一例を示すフローチャートである。
【0030】
図5に示すように、処理が開始されると、画像データ取込部51は、カメラコントローラ49に撮像オン信号を出力してカメラ20による撮像を開始する(S1)。次いで、カメラ制御部55は、第1の光源203aにより可視光を照射させる(S2)。次いで、画像データ取込部51は、カメラ20が可視光下で撮像した撮像エリア70a内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する(S3)。次いで、バーコード読取部52は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるバーコードを検出し、その検出したバーコードに対応したコード情報を読み取るバーコード読取処理を行う(S4)。このS4では、第1の光源203aによる可視光下で図4に例示したバーコード62が読み取られる。
【0031】
次いで、CPU50は、画像データ取込部51により取り込まれた画像からラベル読取部53によりサービス表示が読み取られたか否かを判定することで、画像データ取込部51により取り込まれた画像に値引ラベルL1が含まれているか否かを判定する(S5)。画像データ取込部51により取り込まれた画像に値引ラベルL1が含まれていない場合(S5:NO)、CPU50はS9へ処理を進める。
【0032】
画像データ取込部51により取り込まれた画像に値引ラベルL1が含まれている場合(S5:YES)、カメラ制御部55は、第2の光源203bにより紫外光を照射させる(S6)。次いで、画像データ取込部51は、カメラ20が紫外光下で撮像した撮像エリア70a内の画像データを取り込んで、RAM43の画像ワークエリアに格納する(S7)。次いで、バーコード読取部52は、画像データ取込部51により取り込まれた画像に含まれるバーコードを検出し、その検出したバーコードに対応したコード情報を読み取るバーコード読取処理を行い(S8)、S9へ処理を進める。このS8では、第2の光源203bによる紫外光下で図4に例示したバーコード63が読み取られる。
【0033】
このように、カメラ制御部55は、第1の光源203aによる照射光をもとに撮像した画像から商品コードを読み取る際に、ラベル読取部53によりサービス表示が読み取られた場合に、そのサービス表示に対応したサービス情報を読み取らせるように、第1の光源203aによる照射光をもとにした撮像を行わせる。したがって、商品60に値引ラベルL1が添付されていない場合には、第2の光源203bを照射してバーコード63を読み取るための処理を省くことができる。
【0034】
S9において、情報出力部54は、バーコード読取部52がバーコード62から読み取った商品コードや、バーコード63から読み取ったコード等のコード情報を、読取情報として通信I/F44を介してPOS端末3へ出力する(S9)。
【0035】
次いで、CPU50は、POS端末3から商品登録の終了通知などによる業務終了の有無を判定する(S10)。業務を継続する場合(S10:NO)、CPU50は、S2へ処理を戻して処理を継続させる。業務を終了する場合(S10:YES)、CPU50は、カメラコントローラ49に撮像オフ信号を出力してカメラ20による撮像を終了し(S11)、処理を終了する。
【0036】
以上のようにして、カメラ制御部55は、第1の光源203aによる照射光をもとに撮像した画像に含まれるバーコード62に対応した商品コードと、第2の光源203bによる照射光をもとに撮像した画像に含まれるバーコード63に対応したコードとをバーコード読取部52に読み取らせるように、第1の光源203a及び第2の光源203bにおける照射と、カメラ20における撮像とを制御している。したがって、商品コード読取装置2は、商品に添付された値引ラベルL1などのバーコード63を、顧客の目には見えないように可視光領域外の光で検出するようにした場合であっても、バーコード62とともに読み取ることが可能となる。
【0037】
次に、他の実施形態について説明する。前述した実施形態では、第2の光源203bとして紫外線発光ダイオードを用い、紫外線で蛍光する塗料で印字されているバーコード63を読み取る構成を例示した。他の実施形態では、第2の光源203bとして赤外線発光ダイオードを用い、赤外光下でバーコード63を読み取る場合を例示する。なお、商品コード読取装置2の構成や動作については、第2の光源203bとして赤外線発光ダイオードを用いること以外は同じである。他の実施形態では、バーコード63を可視光下では見ることができず、赤外光下で見ることを可能とする構成のみが前述した実施形態とは異なっている。
【0038】
図6は、他の実施形態にかかる値引ラベルL1aの一例を示す図である。図6に示すように、バーコード63は、値引ラベルL1aに印字されている。値引ラベルL1aは、バーコード63の上面を光吸収・赤外透過フィルタ(IRフィルタ)で覆う構成となっている。よって、バーコード63は、第2の光源203bにより赤外領域の波長の光が照射された際に、光吸収・赤外透過フィルタを介して撮像され、第1の光源203aによる可視光下では見ることができない。このため、値引ラベルL1aも値引ラベルL1と同様、「表示価格より50円引き」等の表示を目立たせるなど、デザイン性を向上させて値引ラベルL1aの存在を目立つようにできる。
【0039】
なお、本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0040】
さらに、本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0041】
本実施形態の商品コード読取装置2で実行されるプログラムは、上述した各部(画像データ取込部51、バーコード読取部52、ラベル読取部53、情報出力部54、カメラ制御部55)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMからプログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、画像データ取込部51、バーコード読取部52、ラベル読取部53、情報出力部54、カメラ制御部55が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0042】
2 商品コード読取装置
3 POS端末
4 チェックアウトレーンシステム
20 カメラ
21 読取窓
42 ROM
50 CPU
51 画像データ取込部
52 バーコード読取部
53 ラベル読取部
54 情報出力部
55 カメラ制御部
60 商品
61 バーコードラベル
62、63 バーコード
70a 撮像エリア
203a 第1の光源
203b 第2の光源
204 撮像素子
L1、L1a 値引ラベル
【先行技術文献】
【特許文献】
【0043】
【特許文献1】特開2008−33640公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視光領域の波長の光を照射する第1の光源、又は可視光領域外の波長の光を照射する第2の光源による照射光をもとに撮像する撮像手段と、
前記撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込手段と、
取り込まれた前記画像に含まれるコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取手段と、
前記第1の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第1のコードシンボルに対応したコード情報と、前記第2の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第2のコードシンボルに対応したコード情報とを前記コード読取手段に読み取らせるように、前記第1の光源及び前記第2の光源における照射と、前記撮像手段による撮像とを制御する制御手段と、
前記コード読取手段により読み取られた、前記第1のコードシンボルに対応したコード情報及び前記第2のコードシンボルに対応したコード情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する出力手段と、
を備えることを特徴とする商品コード読取装置。
【請求項2】
前記第2の光源は紫外領域の波長の光を照射し、
前記第2のコードシンボルは前記紫外領域の波長の光で蛍光すること、
を特徴とする請求項1に記載の商品コード読取装置。
【請求項3】
前記第2の光源は赤外領域の波長の光を照射し、
前記第2のコードシンボルは光吸収・赤外透過フィルタを介して撮像されること、
を特徴とする請求項1に記載の商品コード読取装置。
【請求項4】
前記第1のコードシンボルに対応したコード情報は商品を識別する商品コードを含み、
前記第2のコードシンボルに対応したコード情報はサービス表示に対応したサービス情報を含むこと、
を特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の商品コード読取装置。
【請求項5】
前記第1の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる前記サービス表示を読み取るサービス表示読取手段を更に備え、
前記制御手段は、前記第1の光源による照射光をもとに撮像した画像から前記商品コードを読み取る際に、前記サービス表示読取手段によりサービス表示が読み取られた場合に、当該サービス表示に対応したサービス情報を読み取らせるように、前記第2の光源による照射光をもとにした撮像を行わせること、
を特徴とする請求項4に記載の商品コード読取装置。
【請求項6】
可視光領域の波長の光を照射する第1の光源、又は可視光領域外の波長の光を照射する第2の光源による照射光をもとに撮像する撮像手段を有する商品コード読取装置の商品コード読取方法であって、
前記撮像手段が撮像した画像を取り込む画像取込ステップと、
取り込まれた前記画像に含まれるコードシンボルを検出し、当該コードシンボルに対応したコード情報を読み取るコード読取ステップと、
前記第1の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第1のコードシンボルに対応したコード情報と、前記第2の光源による照射光をもとに撮像した画像に含まれる第2のコードシンボルに対応したコード情報とを読み取らせるように、前記第1の光源及び前記第2の光源における照射と、前記撮像手段による撮像とを制御する制御ステップと、
前記コード読取ステップにより読み取られた、前記第1のコードシンボルに対応したコード情報及び前記第2のコードシンボルに対応したコード情報の少なくとも一方を、読取情報として出力する出力ステップと、
を含むことを特徴とする商品コード読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−43175(P2012−43175A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−183817(P2010−183817)
【出願日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】