説明

商品ラベルによるセールスプロモーションシステム

【課題】食品の賞味期限や消費期限管理を消費者個人で無償にて容易に実現すると共に、その手法具体化の過程において第三者企業の新たなセールスプロモーションステージの開拓をも可能とする商品ラベルによるセールスプロモーションシステムを提供する。
【解決手段】第三者であるクライアントのコマーシャルメッセージと商品の賞味期限もしくは消費期限を印字した専用ラベルを該商品に貼付け、それを購入した消費者自らが、そのラベルを使用して賞味期限や消費期限管理を行い、その過程においてラベル記載のコマーシャルメッセージによりクライアント企業のコマーシャル効果を確実にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コマーシャルメッセージと共に賞味期限もしくは消費期限を併記したラベルを商品パッケージに貼付けてセールスプロモーションを行うと同時に、賞味期限もしくは消費期限管理を行う商品ラベルによるセールスプロモーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発展途上国の経済発展、食生活の向上に伴い、近未来における世界規模の食料不足が懸念される状況下、国内での食品ロス問題が取沙汰されて久しい。平成18年ベースで、国内総廃棄量は、年間約2200万トン(3000万人分食料相当)に達しており、この内の約50%は一般家庭からの廃棄量に相当する。以前から、“消費期限”,“賞味期限”の定義や表記基準においては、識者間で論じられているものの明確な方向性は見出せていない。一般家庭内で、手付かずで廃棄されるものの殆どはこの問題に関わっており、その廃棄規模は年間約100万トンと観られる。この社会的問題は成り行き任せではなく、民間レベルでも可能な範囲で策を講じなければならぬ局面を既に迎えている。
従来の賞味期限もしくは消費期限管理は、食品パッケージに記された期限情報を消費者個々の手法で管理しているのが一般的であり、その管理効果は十分ではなく、既述の如き食品ロスが生じているのが実情である。
【0003】
従来例として、数年前から具体化され普及しつつある賞味期限もしくは消費期限管理方法は、特定の企業が運営するWebサイトを活用し、消費者である利用者がパソコンにより、そのサイトに日々、自家庭内での購入食品名とその賞味期限、消費期限を利用者毎の専用管理テーブルに登録し、同時に利用者の携帯電話番号も登録しておくと、各々の登録食品の賞味期限や消費期限期日の到来日に、利用者の携帯電話に通知が自動的に送られる仕組みである。この方法は登録の手間がかかること、パソコンに馴染めない年配者には不向きであり、それらが大きく普及せぬ要因となっている。
【0004】
また、他の手法としては、月間毎の管理テーブルを冷蔵庫扉等に貼付け、それに、期限管理対象の庫内保存食品相当のイラスト表現シールを該当期日部位に貼着け、管理するものである。この方法は、ビジブル化が可能であり、管理手法として、また簡便に実施できる点も評価できるが、それら一連の機材を購入しなければならず、その普及も限定的となっている。
【0005】
これまでの賞味期限や消費管理の手法としては、月間管理テーブルを物理的に冷蔵庫扉等に設置し、そこに食品イラスト表現シールを該期日部位に貼着ける手法を適用したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−121824
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記文献例では、月間管理テーブル、食品イラスト表現貼着シール一式を購入する必要があり、手法としては評価できるものの、広く普及させるには、費用負担が難点であると考えられ、無償で簡便に実施できる仕組みが望まれている。つまり、従来の手法における評価可能要素は採用し、より簡便で、その実現に費用負担が生じないビジネスモデルの構築が必要であり、他分野からのニーズとの合体により、それら課題を解決することが極めて有効な手段と考えられる。
【0008】
国内広告業界は、近年の不況の煽りを受け、その売上額は減少傾向にある、特に4大メディア対応の売上低下に伴い、大手広告代理店の不振が目立っており、業界内で何らかの打開策を模索しつつあるのが現状であり、新たなセールスプロモーションの開発等が期待されている。
上記事情に鑑み、本発明は、セールスプロモーションの手段と、賞味期限、消費期限管理を融合させ、そのビジネスモデルに関わる関係者が、何らかの恩恵を享受できるシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決すべく、本発明は、セールスプロモーションのステージを広告媒体相当の第三者企業の商品パッケージという場に移行させ、クライアントのコマーシャルと第三者企業の商品の賞味期限や消費期限管理を兼用する専用CMラベルを第三者企業商品パッケージに貼付けるようにする。その場合、専用CMラベル製作費は広告代理店にクライアントから支払われる広告宣伝料にて賄われる。つまり、消費者サイドから見れば、無償で賞味期限や消費期限管理手段を取得することが可能になる。また、広告代理店にとっては、クライアントからの広告受注に関わる新たな商品の提供が可能となり、双方にとり有益なステージを創造することにより、社会的問題である食品ロス削減に寄与できることになるのである。
具体的には、上記の目的を達成するために、本発明の商品ラベルによるセールスプロモ-ションシステムは、セールスプロモーションを行うクライアント企業自身もしくはクライアント企業の特定商品に関するコマーシャルメッセージを印刷したラベルを、賞味期限もしくは消費期限を有する食品などの商品パッケージに貼付けてセールスプロモーションを行うシステムであって、
1)セールスプロモーションを行うクライアントに関するコマーシャルメッセージと、該コマーシャルメッセージを記載する広告媒体相当の第三者企業商品自体の品名と第三者企業商品の賞味期限もしくは消費期限と、以上の情報を固有の識別番号を付加してコード化されたバーコードと、第三者企業商品を抽象化表現したイラストと、を少なくとも備えた着脱可能な粘着性シール状の専用CMラベルと、
2)セールスプロモーションに関わる広告媒体商品を提供する少なくとも1つの第三者企業名または業種指定、セールスプロモーション期間、前記専用CMラベルの第三者企業または業種指定対応の発行枚数、総発行枚数、コマーシャルメッセージの表記デザイン情報を入力データとし、ラベル製作企業への発注データ、前記専用CMラベルを商品パッケージに貼付け店頭に陳列させる小売店への指示データを出力データとする広告受発注管理手段と、
3)前記広告受発注手段から発信された小売店への指示データに基づいて、小売店側にて前記専用CMラベルを前記第三者企業商品に貼付け、貼付けた前記専用CMラベルの枚数を期間限定にて管理する専用CMラベル貼付管理手段と、
4)小売店にて前記専用CMラベルを貼付けた第三者企業商品の内、店頭で陳列された商品の個数を期間限定にて管理する専用CMラベル貼付店頭陳列実績管理手段と、
5)小売店にて前記専用CMラベルを貼付け陳列された第三者企業商品の内、売れ残り廃棄処分された商品の個数と、その個数もしくは実際の商品販売実績個数から顧客が買い取った商品の個数を算出もしくは認識し期間限定にて管理する専用CMラベル貼付商品廃棄数管理手段と、
6)前記専用CMラベルを貼付けた第三者企業商品を消費者が買い取り、該専用CMラベルにより消費期限もしくは賞味期限管理に使用した後、該専用CMラベルをクライアント企業の商品供与もしくは購入に関する特典を得るために、該商品を購入した小売店もしくはクライアント企業に持ち込んだ該専用CMラベルの枚数を期間限定にて管理するクライアント商品購入特典応募管理手段と、
7)小売店が管理する第三者企業商品への前記専用CMラベルの貼付け枚数と、貼付け商品の内、店頭で陳列された商品の個数と、陳列されたが売れ残り廃棄処分された商品の個数と、その個数もしくは実際の商品販売実績個数から算出もしくは認識された顧客が買い取った商品の個数と、クライアント企業の商品供与もしくは購入に関する特典を得るために、該商品を購入した小売店もしくはクライアント企業に消費者が持ち込んだ該専用CMラベルの枚数から、クライアント毎の広告実績効果について評価するクライアント対応広告実績統計化分析手段と、
を備え、賞味期限もしくは消費期限を表記し食品パッケージに貼付けられた本来のラベルとは別個もしくは一体化し、該商品とは無関係な企業であるクライアントのコマーシャルメッセージと、該商品の品名、該商品の賞味期限もしくは消費期限、以上の情報をコード化し偽造防止処理を施したバーコードと、該商品を抽象化表現したイラストと、それら一連情報の運用に就いての注記解説文を印刷した粘着性で着脱可能なシール状専用CMラベルを該商品パッケージに貼付け、小売店店頭に陳列しておき、消費者がその商品を購入し、その後、該商品のパッケージに貼り付けられている専用CMラベル内の専用CMラベル剥離可能部を剥ぎ取り、自宅の冷蔵庫扉等もしくはカレンダーに貼付け、賞味期限もしくは消費期限管理を行う、消費者は日々専用CMラベルに記載されたクライアント企業のコマーシャルメッセージを視認しつつ、賞味期限もしくは消費期限を管理することになる、該商品の消費が済めば専用CMラベルは不要となるが、それらは廃棄せず、小売店もしくはクライアント企業に持ち込めば、クライアント企業の商品供与もしくは購入に関する特典を得ることが可能であり、消費者による賞味期限もしくは消費期限管理とその商品とは無関係なクライアント企業もしくはその企業の特定商品のセールスプロモーションを並行して成し得ることを特徴とする。
【0010】
ここで、上記の本発明の商品ラベルによるセールスプロモーションシステムにおける
専用CMラベルは、ラベルの運用についての注記解説文を印刷した専用CMラベル非剥離部と、前記コマーシャルメッセージと品名と賞味期限もしくは消費期限とバーコードとイラストが印刷された専用CMラベル剥離可能部により構成され、前記専用CMラベルは商品パッケージ表面に一体にて貼付け可能であり、貼付け後、前記専用CMラベル剥離可能部のみは容易に剥ぎ取りが可能で、複数回の貼付け・剥離に耐え得る粘着力を有することを特徴とする。
【0011】
また、上記の本発明の商品ラベルによるセールスプロモーションシステムにおける専用CMラベルの前記バーコードは、消費者がデコーダ機能付携帯電話カメラで、もしくはバーコードリーダ付き情報端末にて読み取りを可能とし、読取った結果、コード内に含まれる商品名、賞味期限もしくは消費期限情報が解読され、それらを別途パソコン上データベースにて管理することにより、登録食品の賞味期限もしくは消費期限到来時、その通知を自動発報するシステムの構築を可能にすることを特徴とする。
【0012】
また、上記の本発明の商品ラベルによるセールスプロモーションシステムにおける専用CMラベルの前記バーコードには、該商品に関する商品名、製造期日、出荷日、産地名、賞味期限もしくは消費期限、生産者名、生産者来歴解説、生産環境、商品特徴、商品優位性、含有成分、添加物等の諸情報の盛込みが可能であり、流通過程において、それら情報を種々目的に活用可能であることを特徴とする。
【0013】
また、上記の本発明の商品ラベルによるセールスプロモーションシステムにおける専用CMラベルの前記バーコードは、大容量メモリ、CPUを内蔵したRFIDに置き換えることが可能であることを特徴とする。
【0014】
また、上記の本発明の商品ラベルによるセールスプロモーションシステムにおいて、セールスプロモーションを行うクライアント企業自身もしくはクライアント企業の特定商品に関するコマーシャルメッセージを印刷したラベルを、賞味期限もしくは消費期限を有する食品などの商品パッケージに貼付けてセールスプロモーションを行うシステムであって、セールスプロモーションを行うクライアントに関するコマーシャルメッセージと、該コマーシャルメッセージを記載する広告媒体相当の第三者企業商品自体の品名と、以上の情報を固有の識別番号を付加してコード化されたバーコードと、第三者企業商品を抽象化表現したイラストと、を少なくとも備えた着脱可能な粘着性シール状の専用CMラベルを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、上記の本発明の商品ラベルによるセールスプロモーションシステムにおける専用CMラベルは、ラベルの運用についての注記解説文を印刷した専用CMラベル非剥離部と、前記コマーシャルメッセージと品名とバーコードとイラストが印刷された専用CMラベル剥離可能部により構成され、前記専用CMラベルは商品パッケージ表面に一体にて貼付け可能であり、貼付け後、前記専用CMラベル剥離可能部のみは容易に剥ぎ取りが可能で、複数回の貼付け・剥離に耐え得る粘着力を有することを特徴とする。
【0016】
上述の如く、本発明は、賞味期限もしくは消費期限を表記し食品パッケージに貼付けられた本来のラベルとは別個にもしくは一体化し、該商品とは無関係な企業であるクライアントのコマーシャルメッセージと、該商品の品名、該商品の賞味期限もしくは消費期限を印刷した専用CMラベルを商品パッケージに貼付けておき、それを購入した消費者がその専用CMラベルを用い賞味期限もしくは消費期限管理を行うものであり、消費者の年齢層に関わらず極めて簡便に運用が可能である。
【0017】
また、この専用CMラベルによるコマーシャル手法は、専用CMラベル貼付け商品が小売店店頭に並んだ段階、消費者がその商品を購入した段階、消費者が自宅に商品を持帰り専用CMラベルにより賞味期限、消費期限管理を行っている期間の3ステージにおいてその効果を長期的に継続発揮するものであり、コマーシャルメッセージの簡潔さ、物理的コンパクトさから、そのアピール度は、それを視認する消費者の関心を強烈に引き付ける効果があり、大きなコマーシャル効果が期待できる。
【0018】
すなわち、本発明によれば、自社もしくは自社特定商品のセールスプロモーションを行うクライアント企業のコマーシャルメッセージと広告媒体相当の第三者企業製食品の賞味期限もしくは消費期限、その他情報を印字記載した専用CMラベルを、既述の第三者企業製食品を包装したパッケージに貼付けることにより、それら商品を購入した消費者が、簡便に賞味期限や消費期限管理が可能となり、社会問題である食品ロスの削減、広告業界での新たなセールスプロモーション手法の開発要求という課題を一挙に解決できることになる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の商品ラベルによるセールスプロモーションシステムによる効果を以下に説明する。
(1)先ず、消費者のメリットとして、商品パッケージに貼付けたラベルのみによる運用であり、無償で簡便に実現が可能であり、消費者の年齢層に関係なく運用が浸透することが期待できる。また、賞味期限や消費期限管理に留まらず、冷蔵庫扉等もしくはカレンダーに貼付けられた専用CMラベル記載の該商品を抽象化したイラストを視認すれば、冷蔵庫扉を開くことなく庫内保管生鮮食品の存在がビジブル確認可能であり、食品ロス削減のみならず省エネ効果も期待できる。さらに、賞味期限や消費期限管理が終了し、該専用CMラベルが不要となった場合、そのラベルを小売店もしくはクライアント企業に持ち込めば、クライアント企業商品供与もしくは購入に関する特典が得られることである。
【0020】
(2)次に、クライアント企業のメリットとして、クライアントのコマーシャルメッセージライフサイクルが長期的となり、コマーシャル効果の持続が期待できる。具体的には、店舗内商品陳列時、消費者が該商品購入時、ラベルによる家庭内賞味期限、消費期限管理期間の3ステージにおいてクライアントコマーシャルメッセージ視認がなされる可能性がある。更に、消費者に対するクライアント商品供与もしく購入に関わる特典提供の段階においては、自社コマーシャルメッセージ効果の定量的把握が可能となる。クライアントの立場として広告媒体である第三者企業もしくは業種を指定可能であり、その選択肢はほぼ無限に存在するためPR投資の規模に柔軟性を確保でき、第三者企業とのマッチング効果についての評価も可能である。
【0021】
(3)次に、小売店のメリットとして、ラベルの運用に伴う手間は増えるものの、それらを賄う手数料獲得が可能である。専用CMラベル記載のバーコードを活用し、独自の店舗内サービスに種々結び付けることが発展的に可能である。
【0022】
(4)次に、第三者企業のメリットとして、専用CMラベル貼付けによりクライアント企業からの広告媒体提供に対する対価獲得が可能である。クライアント企業のコマーシャルメッセージとのマッチングにより、シナジー効果による売上向上も期待できることである。
(5)最後に、広告代理店のメリットとして、新たな広告媒体の提供が可能となることによりビジネスチャンスの拡大が期待できることであり、食品ロスの社会的問題の改善、広告業界の新たなセールスプロモーション市場の開拓に確実に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】商品ラベルによるセールスプロモーションシステム関係者相関関係図
【図2】部分引き剥がし可能専用CMラベル表記構成例
【図3】広告媒体提供企業の商品貼付ラベル表記例
【図4】広告媒体提供企業の商品への専用CMラベル貼付けイメージ
【図5】冷蔵庫扉への専用CMラベル貼付けイメージ
【図6】セールスプロモーション活動情報管理機能構成図
【図7】クライアント対応広告実績統計化分析結果例
【図8】賞味期限記載なし専用CMラベル表記構成例
【図9】冷蔵庫扉上のカレンダー及び専用CMラベル貼付けイメージ
【図10】カレンダー上専用CMラベル貼付けイメージ
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、この発明に関わる商品ラベルによるセールスプロモーションシステムの実施の形態を詳細に説明する。但し、本発明の範囲は、図示に限定されるものではない。
【実施例1】
【0025】
先ず、図1を基に商品ラベルによるセールスプロモーションシステム関係者相関関係図に就き説明する。
広告代理店101は、クライアント企業102から広告宣伝の発注を受ける。その結果、広告代理店は、クライアント企業102から提示された条件に基づき、複数もしくは単一の小売店103を探索し最適なパートナーとして連携契約を結ぶ。広告代理店101は、同時に専用CMラベル製作業者105とも連携し、専用CMラベルの製作を行う。一方小売店103は、広告代理店101から連携打診があった段階において、広告代理店101経由にてクライアントから提示があった条件をベースに複数もしくは単一の広告媒体商品提供業者106に打診し、双方折り合えば連携契約を行う。消費者104は専用CMラベル貼付け商品を購入後、該商品の賞味期限、消費期限管理を行うが、それが終了後、該専用CMラベルはクライアント商品の供与もしくは購入に関する特典獲得に使用可能であり、その際の用済み後専用CMラベルのフィードバックの流れとしては、消費者104から小売店103経由クライアント企業102につながる破線のルートと、消費者104からクライアント企業102にダイレクトにつながる一点鎖線のルートが想定できる。
また、そのフィードバック実績情報の管理ルートとしては、小売店103から広告代理店101につながる破線のルートと、クライアント企業102から広告代理店101につながる一点鎖線のルートが想定できる。
【0026】
次に、図2を基に部分引き剥がし可能専用CMラベル表記構成例に就き説明する。
専用CMラベル200は、非剥離部201と剥離可能部202で構成されている、商品パッケージに貼り付ける際には一体であるが、消費者が購入後、引き剥がす際には、下部である剥離可能部202のみが剥がれる構造となっている。この例では、食品トレーに収めたクロダイの切身をパックしたものに本ラベルを貼付けることを想定しており、専用CMラベル200の最下部には、既述「クロダイ切身」をパック販売した業者とは、全く無関係であるカレールー製造企業である「ハエス食品」のコマーシャルメッセージが記載されている。この「海鮮のカレー」は「ハエス食品」の新発売商品である。一般的な留意事項として品名及び賞味期限、消費期限はクリアに認識できることが不可欠な条件であるが、商品イラストに関しては、実体イメージに即座に結びつく表現が望まれ、このイラスト表現を見れば冷蔵庫扉を開かずとも庫内保存物が把握可能なレベルまで洗練されたものでなければならない。またクライアント企業のコマーシャルメッセージに就いては、簡潔で一瞬にして商品イメージが把握でき、そのイメージが日を追って消費者の脳裏に刻み込まれるよう工夫が必要である。
【0027】
次に、図3を基に広告媒体提供企業の商品貼付ラベル表記例に就き説明する。
これは、一般的にパック商品として販売されている食品に貼付けられているラベル例である。
【0028】
次に、図4を基に広告媒体提供企業の商品へのラベル貼付けイメージに就き説明する。
この例では、食品トレー402に収められた食品401をラップ用透明フィルム403でパックし、そのフィルム表面に専用CMラベル200及び広告媒体提供企業商品貼付ラベル301が貼付けられている。
消費者がこの商品を購入し、自宅に持帰ると専用CMラベル剥離可能部202を剥がし、自宅冷蔵庫に貼り付ける。
【0029】
次に、図5を基に冷蔵庫扉へのラベル貼付けイメージに就き説明する。
専用CMラベル剥離可能部202は、賞味期限、消費期限の日付毎にグループ分けして貼付け、容易に期限管理が可能となるよう配慮が必要である。また冷蔵庫扉部表面に市販の月次カレンダーを貼付け、期日毎にラベルを貼付け管理することも更なるビジブル化の策としては有効である。
【0030】
次に、図6を基にセールスプロモーション活動情報管理機能構成図に就き説明する。
本発明具体化の結果として最も重要なポイントは、セールスプロモーションの成否である。何故ならば消費者は、無償にて運用の仕組みを享受できるが、クライアントはセールスプロモーションに対し多大な投資が必要であり、広告代理店にとっても新規セールスプロモーションシステムの成否は今後の企業業績に大きく影響を与えるからである。
【0031】
ここでは、そのセールスプロモーションの成否を定量的に把握する仕組みを提供している。クライアント102は、セールスプロモーションの媒体としての第三者企業もしくは、その業種、セールスプロモーションの期間、専用CMラベル200の発行数、デザインを含む具体的コマーシャルメッセージの内容を指定する。その要求を受けた広告代理店は、小売店103を選定、打診し、了解を得られれば、広告代理店を主軸として契約が成立する。広告の実績は、小売店103が把握可能であり、店頭販売に関わる準備作業を含め販売活動の全ステージにおいて、データ採取が為される。
広告代理店101はクライアント102から既述情報を取得し、それらを小売店103に送信する、小売店103では、広告媒体企業の商品を選定し、その具体的品目対応に専用CMラベルの発行枚数を割り付け、それらを直ちに広告代理店101に通知する。広告代理店101は、専用CMラベル製作業者105に発注し、各広告媒体商品に見合うイラスト入りの専用CMラベルが製作される。広告代理店101におけるこれら一連の業務は広告受発注管理機能603にてなされる。
【0032】
また、イラスト入り専用CMラベルを入手した小売店103は、セールスプロモーション期間とCM専用ラベルの発行数から商品への貼付けスケジュールを決定する。そのスケジュールに従い、専用CMラベルに賞味期限もしくは消費期限、及び既述期限と品名、その他小売店独自のサービス情報を含むバーコードを各専用CMラベルに印字し、商品に貼付ける。この数量を把握し管理するのが、クライアント対応専用CMラベル貼付管理機能605である。
これら商品の内、何らかの理由により店頭に陳列されないものも生じる、この数量を差引き実際に店頭に陳列された数量を把握し管理するのが、専用CMラベル貼付店頭陳列実績管理機能606である。店頭に陳列された商品は、特に生鮮食品の場合、売れ残り廃棄されることも予測され、その数量を把握し管理するのが、専用CMラベル貼付商品廃棄数管理機能607である。これら複数の管理情報は、定期的に小売店103から広告代理店101に送信される。
【0033】
一方、消費者は賞味期限、消費期限管理が終了すると、専用CMラベルをクライアント企業商品に関する特典取得を目的として、小売店103に持ち込む、これらは、クライアント企業に転送されるが、そのフィードバック実績は、セールスプロモーション効果を実証する情報として、クライアント商品購入特典応募管理機能608にて、その数量が把握され管理され、定期的に小売店103から広告代理店101に送信される。小売店から実績として送信された情報は、広告代理店101におけるクライアント対応広告実績統計化分析機能604にて管理され分析に供される。具体的には、クライアント特典獲得目的の専用CMラベル復帰数を基に、その復帰率の算出、クライアント商品と広告媒体商品とのマッチング評価等が分析結果として出力される。
【0034】
次に、図7を基にクライアント対応広告実績統計化分析結果例に就き説明する。
図6における一連の情報収集、管理、分析された結果が図7の内容に合致しており、この結果を基に、セールスプロモーション期間中の広告媒体商品の見直し、今後のセールスプロモーション方針の見直し等、様々な戦術検討がなされる。
【実施例2】
【0035】
先ず、図8を基に賞味期限記載なし専用CMラベル表記構成例に就き説明する。
図2と大きく異なる点は、賞味期限表記例が省かれている点である。つまり賞味期限、消費期限を管理する日付は、このラベル上に示さず、消費者が家庭内で期限管理をする際、本来的に商品パッケージ上に記載されている期限表記を基に、任意形態のカレンダー上の該日付部分にこの賞味期限記載なし専用CMラベル801内の専用CMラベル剥離可能部202を貼付け管理するものである。
【0036】
次に、図9を基に冷蔵庫扉上のカレンダー及び専用CMラベル貼付イメージに就き説明する。
冷蔵庫扉部分に任意形態のカレンダー901を貼付け、その上に専用CMラベル剥離可能部202を貼付け管理する。
【0037】
次に、図10を基にカレンダー上専用CMラベル貼付けイメージに就き説明する。
専用CMラベル剥離可能部202が貼付けられている日付に相当する期日が、該商品の賞味期限もしくは消費期限に相当する。つまりこの実施例2の場合、専用CMラベル上には、賞味期限もしくは消費期限は記載されていないが、その日付の認識及び管理は、カレンダー上の該期日欄に該専用CMラベル剥離可能部202を貼り付けることにより代用している。
【0038】
さて、これまで本発明の実施の形態に就いて説明したが、本発明は既述した実施の形態以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々異なる実施の形態に実施されてもよいものである。
【0039】
実施例において説明した各処理の内、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を人為作業にて行うことも可能である。またあるいは人為的に行うものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、既述文章中で示した処理手順、具体的名称に就いては、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また図示した各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、ジャンルを問わず種々フィールド商品のセールスプロモーションに利用できる。
【符号の説明】
【0041】
101 広告代理店
102 クライアント企業
103 小売店
104 消費者
105 専用CMラベル製作業者
106 広告媒体商品提供業者
200 専用CMラベル
201 専用CMラベル非剥離部
202 専用CMラベル剥離可能部
203 商品名表記例
204 バーコード
205 賞味期限表記例
206 商品イラスト表記例
207 クライアント企業CM表記例
301 広告媒体提供企業商品貼付ラベル
401 食品
402 食品トレー
403 ラップ用透明フィルム
501 家庭内設置冷蔵庫
502 冷蔵庫扉部
603 広告受発注管理機能
604 クライアント対応広告実績統計化分析機能
605 クライアント対応専用CMラベル貼付管理機能
606 専用CMラベル貼付店頭陳列実績管理機能
607 専用CMラベル貼付商品廃棄数管理機能
608 クライアント商品購入特典応募管理機能
801 賞味期限記載なし専用CMラベル
901 カレンダー




【特許請求の範囲】
【請求項1】
セールスプロモーションを行うクライアント企業自身もしくはクライアント企業の特定商品に関するコマーシャルメッセージを印刷したラベルを、賞味期限もしくは消費期限を有する食品などの商品パッケージに貼付けてセールスプロモーションを行うシステムであって、
1)セールスプロモーションを行うクライアントに関するコマーシャルメッセージと、該コマーシャルメッセージを記載する広告媒体相当の第三者企業商品自体の品名と第三者企業商品の賞味期限もしくは消費期限と、以上の情報を固有の識別番号を付加してコード化されたバーコードと、第三者企業商品を抽象化表現したイラストと、を少なくとも備えた着脱可能な粘着性シール状の専用CMラベル、
2)セールスプロモーションに関わる広告媒体商品を提供する少なくとも1つの第三者企業名または業種指定、セールスプロモーション期間、前記専用CMラベルの第三者企業または業種指定対応の発行枚数、総発行枚数、コマーシャルメッセージの表記デザイン情報を入力データとし、ラベル製作企業への発注データ、前記専用CMラベルを商品パッケージに貼付け店頭に陳列させる小売店への指示データを出力データとする広告受発注管理手段、
3)前記広告受発注手段から発信された小売店への指示データに基づいて、小売店側にて前記専用CMラベルを前記第三者企業商品に貼付け、貼付けた前記専用CMラベルの枚数を期間限定にて管理する専用CMラベル貼付管理手段、
4)小売店にて前記専用CMラベルを貼付けた第三者企業商品の内、店頭で陳列された商品の個数を期間限定にて管理する専用CMラベル貼付店頭陳列実績管理手段、
5)小売店にて前記専用CMラベルを貼付け陳列された第三者企業商品の内、売れ残り廃棄処分された商品の個数と、その個数もしくは実際の商品販売実績個数から顧客が買い取った商品の個数を算出もしくは認識し期間限定にて管理する専用CMラベル貼付商品廃棄数管理手段、
6)前記専用CMラベルを貼付けた第三者企業商品を消費者が買い取り、該専用CMラベルにより消費期限もしくは賞味期限管理に使用した後、該専用CMラベルをクライアント企業の商品供与もしくは購入に関する特典を得るために、該商品を購入した小売店もしくはクライアント企業に持ち込んだ該専用CMラベルの枚数を期間限定にて管理するクライアント商品購入特典応募管理手段、
7)小売店が管理する第三者企業商品への前記専用CMラベルの貼付け枚数と、貼付け商品の内、店頭で陳列された商品の個数と、陳列されたが売れ残り廃棄処分された商品の個数と、その個数もしくは実際の商品販売実績個数から算出もしくは認識された顧客が買い取った商品の個数と、クライアント企業の商品供与もしくは購入に関する特典を得るために、該商品を購入した小売店もしくはクライアント企業に消費者が持ち込んだ該専用CMラベルの枚数から、クライアント毎の広告実績効果について評価するクライアント対応広告実績統計化分析手段、
を備え、賞味期限もしくは消費期限を表記し商品パッケージに貼付けられた本来のラベルとは別個もしくは一体化された前記専用CMラベルを用いて、消費者による期限管理と該商品とは無関係なクライアントのセールスプロモーションを並行して成し得ることを特徴とする商品ラベルによるセールスプロモーションシステム。
【請求項2】
前記専用CMラベルは、ラベルの運用についての注記解説文を印刷した専用CMラベル非剥離部と、前記コマーシャルメッセージと品名と賞味期限もしくは消費期限とバーコードとイラストが印刷された専用CMラベル剥離可能部により構成され、前記専用CMラベルは商品パッケージ表面に一体にて貼付け可能であり、貼付け後、前記専用CMラベル剥離可能部のみは容易に剥ぎ取りが可能で、複数回の貼付け・剥離に耐え得る粘着力を有することを特徴とする請求項1記載の商品ラベルによるセールスプロモーションシステム。
【請求項3】
前記専用CMラベルの前記バーコードは、消費者がデコーダ機能付携帯電話カメラで、もしくはバーコードリーダ付き情報端末にて読み取りを可能とし、読取った結果、コード内に含まれる商品名、賞味期限もしくは消費期限情報が解読され、それらを別途パソコン上データベースにて管理することにより、登録食品の賞味期限もしくは消費期限到来時、その通知を自動発報するシステムの構築を可能にすることを特徴とする請求項1記載の商品ラベルによるセールスプロモーションシステム。
【請求項4】
前記専用CMラベルの前記バーコードには、該商品に関する商品名、製造期日、出荷日、産地名、賞味期限もしくは消費期限、生産者名、生産者来歴解説、生産環境、商品特徴、商品優位性、含有成分、添加物等の諸情報の盛込みが可能であり、流通過程において、それら情報を種々目的に活用可能であることを特徴とする請求項1記載の商品ラベルによるセールスプロモーションシステム。
【請求項5】
前記専用CMラベルの前記バーコードは、大容量メモリ、CPUを内蔵したRFIDに置き換えることが可能であることを特徴とする請求項1記載の商品ラベルによるセールスプロモーションシステム。
【請求項6】
セールスプロモーションを行うクライアント企業自身もしくはクライアント企業の特定商品に関するコマーシャルメッセージを印刷したラベルを、賞味期限もしくは消費期限を有する食品などの商品パッケージに貼付けてセールスプロモーションを行うシステムであって、
1)セールスプロモーションを行うクライアントに関するコマーシャルメッセージと、該コマーシャルメッセージを記載する広告媒体相当の第三者企業商品自体の品名と、以上の情報を固有の識別番号を付加してコード化されたバーコードと、第三者企業商品を抽象化表現したイラストと、を少なくとも備えた着脱可能な粘着性シール状の専用CMラベル、
2)セールスプロモーションに関わる広告媒体商品を提供する少なくとも1つの第三者企業名または業種指定、セールスプロモーション期間、前記専用CMラベルの第三者企業または業種指定対応の発行枚数、総発行枚数、コマーシャルメッセージの表記デザイン情報を入力データとし、ラベル製作企業への発注データ、前記専用CMラベルを商品パッケージに貼付け店頭に陳列させる小売店への指示データを出力データとする広告受発注管理手段、
3)前記広告受発注手段から発信された小売店への指示データに基づいて、小売店側にて前記専用CMラベルを前記第三者企業商品に貼付け、貼付けた前記専用CMラベルの枚数を期間限定にて管理する専用CMラベル貼付管理手段、
4)小売店にて前記専用CMラベルを貼付けた第三者企業商品の内、店頭で陳列された商品の個数を期間限定にて管理する専用CMラベル貼付店頭陳列実績管理手段、
5)小売店にて前記専用CMラベルを貼付け陳列された第三者企業商品の内、売れ残り廃棄処分された商品の個数と、その個数もしくは実際の商品販売実績個数から顧客が買い取った商品の個数を算出もしくは認識し期間限定にて管理する専用CMラベル貼付商品廃棄数管理手段、
6)前記専用CMラベルを貼付けた第三者企業商品を消費者が買い取り、該専用CMラベルにより消費期限もしくは賞味期限管理に使用した後、該専用CMラベルをクライアント企業の商品供与もしくは購入に関する特典を得るために、該商品を購入した小売店もしくはクライアント企業に持ち込んだ該専用CMラベルの枚数を期間限定にて管理するクライアント商品購入特典応募管理手段、
7)小売店が管理する第三者企業商品への前記専用CMラベルの貼付け枚数と、貼付け商品の内、店頭で陳列された商品の個数と、陳列されたが売れ残り廃棄処分された商品の個数と、その個数もしくは実際の商品販売実績個数から算出もしくは認識された顧客が買い取った商品の個数と、クライアント企業の商品供与もしくは購入に関する特典を得るために、該商品を購入した小売店もしくはクライアント企業に消費者が持ち込んだ該専用CMラベルの枚数から、クライアント毎の広告実績効果について評価するクライアント対応広告実績統計化分析手段、
を備え、賞味期限もしくは消費期限を表記し商品パッケージに貼付けられた本来のラベルとは別個もしくは一体化された前記専用CMラベルを用いて、消費者による期限管理と該商品とは無関係なクライアントのセールスプロモーションを並行して成し得ることを特徴とする商品ラベルによるセールスプロモーションシステム。
【請求項7】
前記専用CMラベルは、ラベルの運用についての注記解説文を印刷した専用CMラベル非剥離部と、前記コマーシャルメッセージと品名とバーコードとイラストが印刷された専用CMラベル剥離可能部により構成され、前記専用CMラベルは商品パッケージ表面に一体にて貼付け可能であり、貼付け後、前記専用CMラベル剥離可能部のみは容易に剥ぎ取りが可能で、複数回の貼付け・剥離に耐え得る粘着力を有することを特徴とする請求項6記載の商品ラベルによるセールスプロモーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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