説明

商品展示器および商品展示用板材

【課題】紙製の板材と非紙製のフックとを容易に分別できる商品展示器および商品展示用板材を提供する。
【解決手段】本発明に係る商品展示器10は、紙製の板材11と、前記板材11に形成された挿入孔と、被展示物を掛けるための棒状部191、この棒状部191の基部192に設けられ前記展示板の表側から前記挿入孔に差し込むことにより前記板材11に係合する係合部193とを有する非紙製のフック19と、前記板材11のうち前記挿入孔の真下部に位置する回動片部18とを備える。前記回動片部18を押圧すると、接点部を中心に回動片部が回動するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板材の前面に取り付けられたフックに商品を吊り下げて展示する商品展示器および商品展示用板材に関する。
【背景技術】
【0002】
商品を販売するために展示する商品展示器として、厚紙製や段ボール紙製の板材に複数のフックを取り付けて成る商品展示器がある(特許文献1参照)。フックは商品の掛止棒とその基端部の係止部とから成り、板材に設けられた貫通孔に前記係止部を挿入し係止させることにより該板材に取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-65424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記係止部は上下一対の係止片を有しており、挿入孔に挿入された係止部はその係止片が板材に係止するようになっており。これにより、商品が掛止されてもフックが板材から外れ落ちることがない。
【0005】
ところで、近年、物品を廃棄する際には、その素材(材質)別に分別することを求める自治体が増えている。上記商品展示器は、紙製の板材に金属製或いはプラスチック製のフックを取り付けて成るため、廃棄する際に板材からフックを取り外す必要がある。
ところが、上述したように、フックは、商品を掛けてもその重さで板材から外れ落ちることがないように、該板材に対して強固に取り付けられている。このため、板材とフックとを分別し難いという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、紙製の板材と非紙製のフックとを容易に分別できる商品展示器および商品展示用板材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために成された本発明に係る商品展示器は、
a)紙製の板材と、
b)前記板材に形成された挿入孔と、
c)被展示物を掛けるための棒状部と、この棒状部の基部に設けられ前記板材の表側から前記挿入孔に差し込むことにより前記板材に係合する係合部とを有する非紙製のフックと、
d)前記板材のうち前記挿入孔の真下部に位置する回動片部と
を備え、
前記回動片部の周囲部のうち左右一対の接点部以外にはミシン目が形成され、前記回動片部を押圧することにより前記ミシン目に沿って該回動片部の周囲部が切れて、前記接点部を中心に前記回動片部が回動するように構成されていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る商品展示用板材は、非紙製のフックが挿入される挿入孔を有する板材と、前記板材のうち前記挿入孔の真下部に位置する回動片部とを備え、前記回動片部の周囲部のうち左右一対の接点部以外は、前記展示板から切り離されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る商品展示器は、廃棄する際に、回動片部を回動させることにより、挿入孔の下辺が挿入孔から離れる方向に移動し、それにより係合部を挿入孔から外しやすくなる。そのため、フックを板材から容易に取り外すことができ、板材とフックを別々に廃棄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施例に係る商品展示器の外観を示す図。
【図2】商品展示用板材の展開図。
【図3】商品展示器を裏側から見て示す挿入孔付近の拡大図。
【図4】挿入孔周辺部分の概略的な側面図であって、(a)は回動片部を回動させる前の状態、(b)は回動片部を回動させた後の状態を示す。
【図5】商品展示用板材からフックを取り外す様子を説明するための図。
【図6】本発明の第2実施例を示す商品展示器の板材の展開図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る商品展示器及び商品展示用板材の実施例を説明する。
【実施例1】
【0012】
図1〜図6は本発明の第1実施例を示している。本実施例の商品展示器10は、図1及び図2に示すように、厚紙製の縦長の板であって、表面にフック19が複数取り付けられ、上部に吊り下げ紐12が取り付けられた商品展示用板材(以下「板材」という)11と、この板材11の両側に延設された厚紙製の第1及び第2背板13A及び13Bから成る。第1背板13Aと板材11、第2背板13Bと板材11との間には、厚紙の表側に切り込み線15が入れられており、第1及び第2背板13A及び13Bを板材11の裏側に容易に折り曲げることができるようになっている。板材11並びに第1及び第2背板13A及び13Bの上部にはそれぞれL字状の係止孔14が形成されており、第1及び第2背板13A及び13Bを折り曲げた状態でこれら係止孔14に吊り下げ紐12が取り付けられるようになっている。
【0013】
フック19は商品等を掛けるための棒状部191、円板状の基部192、基部192の裏面に設けられた係合部193から構成されている。一方、図2及び図3に示すように、板材11にはフック19を取り付けるための四角形状の挿入孔16が設けられている。フック19の基部192の係合部193を板材11の裏側で挿入孔16の左端及び右端に掛けると共に、板材11の表側で基部192が挿入孔16の周縁部に係止することにより、基部192と係合部193で板材11が挟まれ、以てフック19が板材11に固定される。
【0014】
板材11の各挿入孔16の下部にはU字形状のミシン目181が入れられており、そのミシン目181の2本の縦棒の上端を結ぶ線は挿入孔16の下辺161よりもわずかに下まで達している(図3参照)。このミシン目181で囲まれた部分が回動片部18として機能し、下辺161とミシン目181の間の部分が回動片部18の回動軸として機能する(図4参照)。
【0015】
本実施例の商品展示器10では、図4及び図5に示すように、板材11の表面から裏面に向けて回動片部18を押し込むことにより、板材11がミシン目181で切断され、回動片部18がミシン目181の両側の上端部を結ぶ線を軸として回動片部18が回動する。その結果、フック19の基部192の係合部193が下辺161から外れ、板材11からフック19を容易に取り外すことができる。この作業を全ての挿入孔16及びフック19について行うことにより、板材11とフック19を分離することができ、厚紙製の板材11と、プラスチックあるいは金属製のフック19を容易に分別廃棄することができる。
【実施例2】
【0016】
図6は本発明の第2実施例に係る商品展示器の構成を示している。この第2実施例では、商品展示器10は縦に細長い商品展示用板材11とその上部両側の背板13A及び13Bから成る。商品展示用板材11には、縦に一列に並ぶように複数のフック19(図6ではフック19の一部のみ示す)が取り付けられるようになっている。そして、フック19の挿入孔(図示せず)の真下から該挿入孔を挟んで左右上部に延びるU字状のミシン目181が形成されている。ミシン目181で囲まれた部分が回動片部18となる。その他の構成は第1実施例と同様である。
【0017】
なお、上記実施例では板材11及び背板13A、13Bを厚紙製にしたが段ボール製でもよい。また、背板は無くても良い
【符号の説明】
【0018】
10…商品展示器
12…吊り下げ紐
11…板材(商品展示用板材)
13A、13B…背板
14…係止孔
16…挿入孔
18…回動片部
181…ミシン目
19…フック
191…棒状部
192…基部
193…係合部
16…挿入孔
20,21…接点部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)紙製の板材と、
b)前記板材に形成された挿入孔と、
c)被展示物を掛けるための棒状部と、この棒状部の基部に設けられ前記板材の表側から前記挿入孔に差し込むことにより前記板材に係合する係合部とを有する非紙製のフックと、
d)前記板材のうち前記挿入孔の真下部に位置する回動片部と
を備え、
前記回動片部の周囲部のうち左右一対の接点部以外にはミシン目が形成され、前記回動片部を押圧することにより前記ミシン目に沿って該回動片部の周囲部が切れて、前記接点部を中心に前記回動片部が回動するように構成されていることを特徴とする商品展示器。
【請求項2】
非紙製のフックが挿入される挿入孔を有する板材と、前記板材のうち前記挿入孔の真下部に位置する回動片部とを備え、前記回動片部の周囲部のうち左右一対の接点部以外は、前記展示板から切り離されていることを特徴とする商品展示用板材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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