説明

商品履歴情報取得システム及び方法

【課題】 ディレクトリサーバの負荷を減少させるとともに、商品の履歴情報をリアルタイムに取得することができる商品履歴情報取得システム及び方法を提供する。
【解決手段】 情報サーバ12bは、商品ID、情報サーバ12bにおける商品履歴情報、情報サーバ12cのURLを記録する。情報サーバ12cは、商品ID、情報サーバ12cにおける商品履歴情報、情報サーバ12bのURLを記録する。情報サーバ連携装置16cは、情報サーバ12bのURLに基づいて、情報サーバ12bを検索して、商品IDに対応する商品履歴情報を取得する。情報サーバ12cは、情報サーバ12b、12cにおける商品履歴情報を時系列順に並べて商品履歴情報を生成し記録する。情報サーバ連携装置16cは、商品ID、情報サーバ12cのURLをディレクトリサーバ11に送信する。ディレクトリサーバ11は、商品ID、情報サーバ12cのURLを対応付けて記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品が流通する際の履歴情報を、消費者等が取得するための商品履歴情報取得システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8は、従来から使用されていた商品履歴情報取得システムの構成を示す概略図である。この商品履歴情報取得システムは、ディレクトリサーバ1、情報サーバ2(2a〜2c)、クライアント端末3から構成され、相互にインターネットなどのネットワーク4で接続されている。
ディレクトリサーバ1は、それぞれの情報サーバ2a〜2cで管理している商品の「商品ID」と、その商品の履歴情報を記録している「情報サーバ2のURL(Uniform Resource Locator)」とを、図9に示すようなデータベースD1に記録している。図に示すように、データベースD1には、「商品ID(商品A)」と対応付けられて、「情報サーバ2のURL(情報サーバ2aのURLなど)」が記録されている。
【0003】
図8に戻り、情報サーバ2(2a〜2c)は、商品が流通する際に通過する各店舗(メーカ、卸業者、小売店など)に設置されるサーバである。情報サーバ2aは、商品を製造するメーカに設置され、商品IDと対応付けて、その商品が製造された時刻等の情報を記憶している。また、情報サーバ2bは、商品の卸販売を行う卸業者に設置され、商品IDと対応付けて、メーカから商品を入荷した時刻や小売店に対して商品を出荷した時刻等の情報を記録している。また、情報サーバ2cは、商品を消費者に対して販売する小売店に設置され、商品IDと対応付けて、消費者に対して商品を販売した時刻等の情報を記録している。
クライアント端末3は、商品がどのような店舗を通過してきたかについての履歴情報の取得を希望する消費者等が使用する端末である。
【0004】
次に、従来の商品履歴情報取得システムにおける処理の流れについて説明する。
始めに、商品の履歴情報の取得を希望する消費者等は、クライアント端末3に、その商品の商品IDを入力する。クライアント端末3は、入力された商品IDを、ネットワーク4を介して、ディレクトリサーバ1に送信する(ステップS01)。
ディレクトリサーバ1は、クライアント端末3から受信した商品IDに基づいて、データベースD1(図9参照)を検索することにより、その商品IDに対応付けて記録されている情報サーバ2のURLを読み出し、ネットワーク4を介して、クライアント端末3に対して送信する(ステップS02)。ここでは、データベースD1から、「商品ID」が「商品A」である「情報サーバ2aのURL」、「情報サーバ2bのURL」、「情報サーバ2cのURL」がそれぞれ読み出されて、クライアント端末3に対して送信される。
クライアント端末3は、ディレクトリサーバ1から受信した、「商品A」に対応する「情報サーバ2aのURL」、「情報サーバ2bのURL」、「情報サーバ2cのURL」に基づいて、情報サーバ2a、情報サーバ2b、情報サーバ2cにそれぞれアクセスすることにより、商品Aの履歴情報を取得する(ステップS03a、S03b、S03c)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来から使用されていた商品履歴情報取得システムでは、履歴情報を管理する商品ごとに、メーカに設置される情報サーバ2aのURL、卸業者に設置される情報サーバ2bのURL、小売店に設置される情報サーバ2cのURLを、ディレクトリサーバ1のデータベースD1に記憶する必要があり、ディレクトリサーバ1に記録する情報量が大きくなるという問題があった。
また、クライアント端末3は、ディレクトリサーバ1に対して商品IDに対応付けられて記録されている複数の情報サーバ2a〜2cのURLを問い合わせ、それらのURLに基づいて、各情報サーバ2a〜2cにアクセスして商品の履歴情報を取得していたため、ディレクトリサーバ1や各情報サーバ2a〜2cの負荷が増大するという問題があった。
なお、クライアント端末3で、商品の履歴情報の取得を、夜間にバッチ処理で行うことにより、ディレクトリサーバ1の負荷を減少させる方法も考えられるが、そのような方法では、小売店で商品を購入する消費者がリアルタイムで商品の履歴情報を取得できないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディレクトリサーバの負荷を減少させるとともに、商品の履歴情報をリアルタイムに取得することができる商品履歴情報取得システム及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、ディレクトリサーバと、入荷元サーバと、出荷先サーバとを備え、ICタグが取り付けられた商品の履歴情報を取得するための商品履歴情報取得システムであって、前記入荷元サーバは、前記ICタグの識別情報と、自入荷元サーバにおける第1の商品履歴情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを記録する第1の情報記録手段を有し、前記出荷先サーバは、前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバにおける第2の商品履歴情報と、前記入荷元サーバの位置情報とを記録する第2の情報記録手段と、前記第2の情報記録手段に記録されている前記入荷元サーバの位置情報に基づいて、前記入荷元サーバの第1の情報記録手段を検索することにより、前記ICタグの識別情報に対応する第1の商品履歴情報を取得する第1の情報サーバ連携手段と、前記第1の情報サーバ連携手段が取得する第1の商品履歴情報、及び、前記第2の情報記録手段に記録されている第2の商品履歴情報とを時系列順に並べることにより、第3の商品履歴情報を生成して記録する第3の情報記録手段と、前記第2の情報記録手段に記録されている前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバの位置情報とを、前記ディレクトリサーバに送信する第2の情報サーバ連携手段とを有し、前記ディレクトリサーバは、前記第2の情報サーバ連携手段から送信される前記ICタグの識別情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを対応付けて記録する第4の情報記録手段を有することを特徴とする商品履歴情報取得システムである。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、前記出荷先サーバの位置情報及び前記ICタグの識別情報に基づいて、前記出荷先サーバの第3の情報記録手段から第3の商品履歴情報を読み出す第1の振分け手段と、前記ICタグの識別情報に基づいて、前記ディレクトリサーバの第4の情報記録手段から前記出荷先サーバの位置情報を特定し、その出荷先サーバの第3の情報記録手段から第3の商品履歴情報を読み出す第2の振分け手段とを更に有することを特徴とする請求項1に記載の商品履歴情報取得システムである。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、ディレクトリサーバと、入荷元サーバと、出荷先サーバとを用いて、ICタグが取り付けられた商品の履歴情報を取得するための商品履歴情報取得方法であって、前記ICタグの識別情報と、自入荷元サーバにおける第1の商品履歴情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを前記入荷元サーバにより記録する第1のステップと、前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバにおける第2の商品履歴情報と、前記入荷元サーバの位置情報とを前記出荷先サーバにより記録する第2のステップと、前記第2のステップで記録した前記入荷元サーバの位置情報に基づいて、前記第1のステップで記録した情報を検索することにより、前記ICタグの識別情報に対応する第1の商品履歴情報を前記出荷先サーバにより取得する第3のステップと、前記第3のステップで取得する第1の商品履歴情報、及び、前記第2のステップで記録した第2の商品履歴情報とを時系列順に並べることにより、第3の商品履歴情報を生成して前記出荷先サーバにより記録する第4のステップと、前記第2のステップで記録した前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバの位置情報とを、前記出荷先サーバにより前記ディレクトリサーバに送信する第5のステップと、前記第5のステップで送信した前記ICタグの識別情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを対応付けて前記ディレクトリサーバにより記録する第6のステップとを有することを特徴とする商品履歴情報取得方法である。
【0010】
また、請求項4に記載の発明は、前記出荷先サーバの位置情報及び前記ICタグの識別情報に基づいて、前記第4のステップで記録した情報から第3の商品履歴情報を読み出す第7のステップと、前記ICタグの識別情報に基づいて、前記第6のステップで記録した情報から前記出荷先サーバの位置情報を特定し、前記第5のステップで記録した情報から第3の商品履歴情報を読み出す第8のステップとを更に有することを特徴とする請求項3に記載の商品履歴情報取得方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、出荷先サーバの第2の情報記録手段に、入荷元サーバの位置情報を記録しておくことにより、その入荷元サーバから情報サーバ連携手段によって読み出した第1の商品履歴情報と、第2の商品履歴情報とを時系列順に並べることにより、第3の商品履歴情報を作成するようにした。
これにより、ディレクトリサーバの第4の情報記録手段に、第1の商品履歴情報を記録している入荷元サーバの位置情報を記録する必要がなくなるため、履歴情報を管理する商品の数が増加してもディレクトリサーバの負荷の増大を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態による商品履歴情報取得システムの構成図である。商品履歴情報取得システムは、RF(Radio Frequency)タグ10、ディレクトリサーバ11、情報サーバ12(12a、12b、12c)、クライアント端末13、出荷用リーダ14(14b)、入荷用リーダ15(15c)、情報サーバ連携装置16(16c)、情報サーバ検索装置17(17a〜17b)、振分け装置18、ディレクトリサーバ検索装置19を有する。
【0013】
ディレクトリサーバ11、クライアント端末13、ディレクトリサーバ検索装置19、振分け装置18、メーカ20、卸業者21、小売店22は、それぞれインターネットなどのネットワークを介して接続されており、情報の送受信を行うことができるようになっている。
RFタグ10は、市場を流通する商品等に取り付けられるタグであり、RFタグ10が取り付けられる各商品を識別するための商品IDを記録している。本実施形態では、RFタグ10が取り付けられた商品が、商品等を製造するメーカ20、商品等を卸販売する卸業者21、商品等を消費者に対して販売する小売店22の順序で流通する場合について説明する。
【0014】
ディレクトリサーバ11は、図2に示すように、商品の「商品ID」と、「現在地」の情報を対応付けて、データベースD2として記録している。「現在地」とは、商品が現在存在する店舗に設置されている情報サーバ検索装置17の所在情報(ここでは、URL)を示している。このデータベースD2は、入荷用リーダ15がRFタグ10を読み取った場合に、情報サーバ連携装置16から通知される情報に基づいて更新される。
情報サーバ12(12a、12b、12c)は、商品が流通する際に通過する店舗であるメーカ20、卸業者21、小売店22などにそれぞれ設置される。本実施形態では、情報サーバ12aがメーカ20に、情報サーバ12bが卸業者21に、情報サーバ12cが小売店22にそれぞれ設置されている場合について説明する。
【0015】
情報サーバ12は、商品の履歴情報として、「商品ID」、「処理」、「処理内容」、「時刻」、「関連情報サーバ」などの情報を記録している。ここで、「処理」とは、商品に対して行われる処理を示している。「処理内容」とは、商品の「処理」として具体的にどのような作業が行われるかについて示している。「時刻」とは、商品に対して「処理」が行われた時刻を示している。「関連情報サーバ」とは、商品が入荷された場合には、その入荷元の情報サーバ12のURLを、商品が出荷された場合には、その出荷先の情報サーバ12のURLを示す。また、商品IDが新規登録された場合には、「関連情報サーバ」として、「START」という情報が記録される。
【0016】
図3は、メーカ20に設置される情報サーバ12aに記録されるデータベースD3の一例を示す図である。図に示すように、データベースD3には、「商品ID(商品A)」、「処理(新規登録など)」、「処理内容(情報サーバ12aに登録など)」、「時刻(2005/02/10 10:00など)」、「関連情報サーバ(STARTなど)」の情報が、それぞれ対応付けられて記録されている。
【0017】
図4は、卸業者21に設置される情報サーバ12bに記録されるデータベースD4の一例を示す図である。図に示すように、データベースD4には、「商品ID(商品A)」、「処理(入荷など)」、「処理内容(メーカ20から入荷など)」、「時刻(2005/02/10 12:00など)」、「関連情報サーバ(情報サーバ検索装置17aなど)」の情報が、それぞれ対応付けられて記録されている。
【0018】
図5は、小売店22に設置される情報サーバ12cに記録されるデータベースD5の一例を示す図である。図に示すように、データベースD5には、「商品ID(商品A)」、「処理(入荷など)」、「処理内容(卸業者21から入荷など)」、「時刻(2005/02/10 14:00など)」、「関連情報サーバ(情報サーバ検索装置17bなど)」の情報が、それぞれ対応付けられて記録されている。
【0019】
図1に戻り、クライアント端末13は、商品の履歴情報の取得を希望する消費者等が使用する端末である。消費者等が、商品の履歴情報が最終的に記録される小売店22に設置され情報サーバ検索装置17cのURLを知っている場合には、そのURLを入力する。一方、消費者等がそのURLを知らない場合には、商品IDを入力する。クライアント端末13から入力されたURL又は商品IDは、振分け装置18に出力される。
【0020】
出荷用リーダ14bは、商品を出荷する際に、RFタグ10を読み取ることにより、「商品ID」、「処理」、「処理内容」、「時刻」、「関連情報サーバ」の情報を、出荷元の情報サーバ12に通知する。また、出荷用リーダ14bは、「商品ID」と「関連情報サーバ」の情報を、出荷先の情報サーバ12に通知する。なお、図1では、出荷用リーダ14bが卸業者21にのみ設置されている場合について示しているが、出荷用リーダ14は、メーカ20や小売店22にも設置される。
【0021】
入荷用リーダ15cは、商品を入荷する際に、RFタグ10を読み取ることにより、「商品ID」、「処理」、「処理内容」、「時刻」、「関連情報サーバ」の情報を、入荷先の情報サーバ連携装置16に通知する。なお、図1では、入荷用リーダ15cが小売店22にのみ設置されている場合について示しているが、入荷用リーダ15は、メーカ20や卸業者21にも設置される。
【0022】
情報サーバ連携装置16は、入荷用リーダ15から情報を取得すると、情報サーバ検索装置17により、情報サーバ12を検索して、商品の履歴情報を取得する。この処理は、情報サーバ12のデータベースに記録されている「関連情報サーバ」から「START」という情報が検出されるまで、繰り返し行われる。なお、図1では、情報サーバ連携装置16cが小売店22にのみ設置されている場合について示しているが、情報サーバ連携装置16は、メーカ20や卸業者21にも設置される。
情報サーバ検索装置17(17a〜17c)は、情報サーバ連携装置16から指示を受けることにより、情報サーバ12(12a〜12c)をそれぞれ検索し、商品の履歴情報を読み出す。
【0023】
振分け装置18は、クライアント端末13から取得した情報が、情報サーバ検索装置17のURLであった場合には、その情報サーバ検索装置17を利用して、情報サーバ12から商品の履歴情報を検索する。一方、クライアント端末13から取得した情報が、商品IDであった場合には、ディレクトリサーバ検索装置19に対して、その商品IDを出力する。
ディレクトリサーバ検索装置19は、振分け装置18から取得した商品IDに基づいて、ディレクトリサーバ11を検索することにより、その商品IDと対応付けて記録されている情報サーバ検索装置17cのURLを取得し、クライアント端末13に通知する。
【0024】
次に、本実施形態の商品履歴情報取得システムによる処理の流れについて図1及び図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態による商品履歴情報取得システムの処理の流れを示すシーケンス図である。ここでは、RFタグ10が卸業者21から小売店22へ出荷される場合について説明する。
始めに、卸業者21から小売店22に商品を出荷する際に、出荷用リーダ14bで商品に取り付けられているRFタグ10を読み取り、情報サーバ12bに「商品ID(商品A)」、「処理(出荷)」、「処理内容(小売店22に出荷)」、「時刻(2005/02/10 13:00)」、「関連情報サーバ(出荷先の小売店22に設置されている情報サーバ検索装置17cのURL)」を記録する(図1のステップS11a)。また、出荷用リーダ14bは、出荷先の情報サーバ12cに対して、出荷する商品についての「商品ID(商品A)」と、「関連情報サーバ(出荷元の卸業者21に設置されている情報サーバ検索装置17bのURL)」の情報を通知する(図1のステップS11b)。
【0025】
次に、商品を卸業者21から小売店22に入荷した際に、入荷用リーダ15で、商品に取り付けられているRFタグ10を読み取ることにより、小売店22に設置されている情報サーバ連携装置16cに対して、「商品ID(商品A)」、「処理(入荷)」、「処理内容(卸業者21から入荷)」、「時刻(2005/02/10 14:00)」、「関連情報サーバ(入荷元の卸業者21に設置されている情報サーバ検索装置17bのURL)」を通知する(図1のステップS12、図6のステップS21)。情報サーバ連携装置16cは、入荷用リーダ15から取得した情報を、情報サーバ12cに記録する(図6のステップS22)。
【0026】
次に、情報サーバ連携装置16cは、情報サーバ検索装置17cを利用することにより、卸業者21から小売店22に入荷した商品に取り付けられているRFタグ10の商品IDに基づいて、ステップS11bで出荷用リーダ14bから通知された情報から、出荷元の情報サーバ検索装置17bのURLを取得する(図1のステップS13)。出荷元である卸業者21の情報サーバ12bのデータベースD4(図4参照)の「関連情報サーバ」に、「START」の情報が含まれている場合は、データベースD4に記録されている情報を取得する。ここでは、卸業者21の情報サーバ12bのデータベースD3の「関連情報サーバ」に、「START」の情報が含まれていないため、データベースD4から商品の入荷元の情報サーバ検索装置17aのURLを取得する(図1のステップS14a、図6のステップS23、S24)。そして、その情報サーバ検索装置17aを利用して、情報サーバ12aを利用することにより、データベースD3(図3参照)に記録されている商品の履歴情報を取得する(図1のステップS14b、図6のステップS25、S26)。情報サーバ連携装置16cは、情報サーバ12のデータベースの「関連情報サーバ」から「START」の情報が検出されるまで、入荷元の情報サーバ検索装置17による情報サーバ12の検索を継続する(図6のステップS27)。
【0027】
次に、情報サーバ検索装置17cは、情報サーバ12aに記録されているデータベースD3(図3)から読み出した商品の履歴情報と、情報サーバ12bに記録されているデータベースD4(図4)から読み出した商品の履歴情報と、情報サーバ12cのデータベースD5(図5)に記録されている商品の履歴情報とを、「時刻」の情報に基づいて、時系列順に並べ替え、図7に示すようなデータベースD6を生成して情報サーバ12cに記録する(図1のステップS15、図6のステップS28)。
【0028】
次に、情報サーバ連携装置16cは、商品の「商品ID」と、商品が現在存在する小売店22の情報サーバ検索装置17cのURLである「現在地」の情報とを、ディレクトリサーバ11に対して通知する(図1のステップS16、図6のステップS29)。ディレクトリサーバ11は、情報サーバ連携装置16cから通知された「商品ID」と「現在地」の情報を情報サーバ12cに記録する。
【0029】
消費者等が、商品の履歴情報の取得を希望する場合には、商品を購入した小売店22に設置されている情報サーバ検索装置17cのURLを、クライアント端末13に入力する(図1のステップS17)。振分け装置18は、クライアント端末13から入力されたURLから、情報サーバ検索装置17cを特定し、その情報サーバ検索装置17cにより情報サーバ12cに記録されている商品の履歴情報(図7)を取得する(図1のステップS18a)。
一方、消費者等が、商品の履歴情報の取得を希望する場合であって、商品を購入した小売店22に設置されている情報サーバ検索装置17cのURLを知らないときには、商品IDをクライアント端末13に入力する(図1のステップS17)。振分け装置18は、クライアント端末13に入力された商品IDに基づいて、ディレクトリサーバ検索装置19によりディレクトリサーバ11を検索することにより、その商品が最終的に管理されていた小売店22に設置されている情報サーバ検索装置17cのURLを取得する。クライアント端末13は、このURLに基づいて、情報サーバ12cに記録されている商品の履歴情報(図7)を取得する(図1のステップS18b)。
【0030】
なお、上述した実施形態において、商品の履歴情報の要求が多い小売店22などに設置される情報サーバ連携装置16cは、商品の履歴情報をリアルタイムに取得するために、商品の入荷と同時に入荷元の情報サーバ12bに問い合わせて商品の履歴情報を取得することが望ましい。情報サーバ12bから取得した商品の履歴情報の「関連情報サーバ」に入荷元の情報サーバ検索装置17aが記録されている場合には、「関連情報サーバ」から「START」の情報が検出されるまで、入荷元の情報サーバ12を繰り返し検索することにより、商品についての全ての履歴情報を取得する。なお、入荷元の情報サーバ12が、それ以前の商品の履歴情報を既に取得している場合には、商品の履歴情報の検索は、そこで終了する。
【0031】
また、上述した実施形態では、情報サーバ12に記録されている商品の入荷元の「関連情報サーバ」を検索することにより、全ての商品の履歴情報を取得する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。情報サーバ12に記録されている商品の出荷先の「関連情報サーバ」を検索することにより、全ての商品の履歴情報を取得するようにしてもよい。
【0032】
また、上述した実施形態では、ディレクトリサーバ11に「商品ID」と「現在地」の情報を対応付けて記録する場合について説明したが、商品IDを再利用するような場合には、その商品IDを再利用する開始時刻と終了時刻の情報を併せてディレクトリサーバ11に記録するようにする。この場合、ディレクトリサーバ11が振分け装置18から情報サーバ検索装置12のURLの検索要求を受けた場合には、商品IDとともに、開始時刻及び終了時刻の情報を使用して検索を行うようにする。
【0033】
また、上述した実施形態では、「商品ID」が「商品A」の商品が流通する場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、「商品A」と「商品B」を加工して、「商品C」を製造したような場合には、「商品C」の履歴情報として「商品A」と「商品B」の履歴情報も含めて取得するようにすることもできる。
【0034】
また、上述した実施形態では、メーカ20、卸業者21、小売店22に、情報サーバ12、情報サーバ連携装置16、情報サーバ検索装置17がそれぞれ独立に設置される場合について説明したが、このような構成に限定されるものではない。情報サーバ12、情報サーバ連携装置16、情報サーバ検索装置17を1台の装置で構成して、メーカ20、卸業者21、小売店22にそれぞれ設置することもできる。
【0035】
上述した実施形態による商品履歴情報取得システムによれば、各情報サーバに「関連情報サーバ」の情報を記録するようにしたので、商品の入荷元及び出荷先の情報を容易に取得できるようになり、ディレクトリサーバに大きな負荷を与えることなく、商品の履歴情報を取得することができる。
また、ディレクトリサーバには、「商品ID」と「現在地」の情報のみを記録するようにしたため、ディレクトリサーバで商品IDと、その商品IDについての履歴情報を保有する全ての情報サーバのURLを記録する場合に比べて、ディレクトリサーバが記録する情報量を減少させることができ、ディレクトリサーバを検索する際の処理速度を向上することができる。
また、商品を最終的に管理していた情報サーバ検索装置のURLを知っていれば、商品の履歴情報を取得する際にディレクトリサーバを介さなくても直接、情報サーバ検索装置から商品の履歴情報を取得することができるので、ディレクトリサーバに商品の履歴情報の要求が集中することを防ぐことが可能となる。
【0036】
なお、以上説明した実施形態において、図1のディレクトリサーバ11、情報サーバ12、情報サーバ連携装置16、情報サーバ検索装置17の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより商品履歴情報取得システムの制御を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0037】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時刻の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時刻プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0038】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態による商品履歴情報取得システムの構成図である。
【図2】ディレクトリサーバ11に記録されるデータベースD2の一例を示す図である。
【図3】メーカ20に設置される情報サーバ12aに記録されるデータベースD3の一例を示す図である。
【図4】卸業者21に設置される情報サーバ12bに記録されるデータベースD4の一例を示す図である。
【図5】小売店22に設置される情報サーバ12cに記録されるデータベースD5の一例を示す図である。
【図6】本実施形態による商品履歴情報取得システムの処理の流れを示すシーケンス図である。
【図7】情報サーバ連携装置16が生成する商品の履歴情報であるデータベースD6の一例を示す図である。
【図8】従来から使用されていた商品履歴情報取得システムの構成を示す概略図である。
【図9】従来のディレクトリサーバ1に記録されていたデータベースの構成の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・ディレクトリサーバ、2(2a〜2c)・・・情報サーバ、3・・・クライアント端末、4・・・ネットワーク、10・・・RFタグ、11・・・ディレクトリサーバ、12(12a、12b、12c)・・・情報サーバ、13・・・クライアント端末、14(14b)・・・出荷用リーダ、15(15c)・・・入荷用リーダ、16(16c)・・・情報サーバ連携装置、17(17a、17b、17c)・・・情報サーバ検索装置、18・・・振分け装置、19・・・ディレクトリサーバ検索装置、20・・・メーカ、21・・・卸業者、22・・・小売店

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディレクトリサーバと、入荷元サーバと、出荷先サーバとを備え、ICタグが取り付けられた商品の履歴情報を取得するための商品履歴情報取得システムであって、
前記入荷元サーバは、
前記ICタグの識別情報と、自入荷元サーバにおける第1の商品履歴情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを記録する第1の情報記録手段を有し、
前記出荷先サーバは、
前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバにおける第2の商品履歴情報と、前記入荷元サーバの位置情報とを記録する第2の情報記録手段と、
前記第2の情報記録手段に記録されている前記入荷元サーバの位置情報に基づいて、前記入荷元サーバの第1の情報記録手段を検索することにより、前記ICタグの識別情報に対応する第1の商品履歴情報を取得する第1の情報サーバ連携手段と、
前記第1の情報サーバ連携手段が取得する第1の商品履歴情報、及び、前記第2の情報記録手段に記録されている第2の商品履歴情報とを時系列順に並べることにより、第3の商品履歴情報を生成して記録する第3の情報記録手段と、
前記第2の情報記録手段に記録されている前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバの位置情報とを、前記ディレクトリサーバに送信する第2の情報サーバ連携手段とを有し、
前記ディレクトリサーバは、
前記第2の情報サーバ連携手段から送信される前記ICタグの識別情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを対応付けて記録する第4の情報記録手段を有する、
ことを特徴とする商品履歴情報取得システム。
【請求項2】
前記出荷先サーバの位置情報及び前記ICタグの識別情報に基づいて、前記出荷先サーバの第3の情報記録手段から第3の商品履歴情報を読み出す第1の振分け手段と、
前記ICタグの識別情報に基づいて、前記ディレクトリサーバの第4の情報記録手段から前記出荷先サーバの位置情報を特定し、その出荷先サーバの第3の情報記録手段から第3の商品履歴情報を読み出す第2の振分け手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の商品履歴情報取得システム。
【請求項3】
ディレクトリサーバと、入荷元サーバと、出荷先サーバとを用いて、ICタグが取り付けられた商品の履歴情報を取得するための商品履歴情報取得方法であって、
前記ICタグの識別情報と、自入荷元サーバにおける第1の商品履歴情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを前記入荷元サーバにより記録する第1のステップと、
前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバにおける第2の商品履歴情報と、前記入荷元サーバの位置情報とを前記出荷先サーバにより記録する第2のステップと、
前記第2のステップで記録した前記入荷元サーバの位置情報に基づいて、前記第1のステップで記録した情報を検索することにより、前記ICタグの識別情報に対応する第1の商品履歴情報を前記出荷先サーバにより取得する第3のステップと、
前記第3のステップで取得する第1の商品履歴情報、及び、前記第2のステップで記録した第2の商品履歴情報とを時系列順に並べることにより、第3の商品履歴情報を生成して前記出荷先サーバにより記録する第4のステップと、
前記第2のステップで記録した前記ICタグの識別情報と、自出荷先サーバの位置情報とを、前記出荷先サーバにより前記ディレクトリサーバに送信する第5のステップと、
前記第5のステップで送信した前記ICタグの識別情報と、前記出荷先サーバの位置情報とを対応付けて前記ディレクトリサーバにより記録する第6のステップと、
を有することを特徴とする商品履歴情報取得方法。
【請求項4】
前記出荷先サーバの位置情報及び前記ICタグの識別情報に基づいて、前記第4のステップで記録した情報から第3の商品履歴情報を読み出す第7のステップと、
前記ICタグの識別情報に基づいて、前記第6のステップで記録した情報から前記出荷先サーバの位置情報を特定し、前記第5のステップで記録した情報から第3の商品履歴情報を読み出す第8のステップと、
を更に有することを特徴とする請求項3に記載の商品履歴情報取得方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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