商品情報管理システムおよび商品情報管理方法
【課題】タグ装置に記録されている情報を有効に利用する。
【解決手段】端末装置30は、タグ装置50に記録されている情報の入力を受ける入力受付部(I/F40h)と、入力された情報をサーバ装置に送信して当該商品の正当性の認証を要求する要求部(CPU40f)と、商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示部(表示部40g)と、を有し、サーバ装置は、商品に関する情報を記録する記録部(HDD10b)と、端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、正当性の認証を行う認証部(CPU10e)と、正当性が認証された場合には、記録部に記録されている該当する情報を取得して端末装置に送信する送信部(10g)と、を有する。
【解決手段】端末装置30は、タグ装置50に記録されている情報の入力を受ける入力受付部(I/F40h)と、入力された情報をサーバ装置に送信して当該商品の正当性の認証を要求する要求部(CPU40f)と、商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示部(表示部40g)と、を有し、サーバ装置は、商品に関する情報を記録する記録部(HDD10b)と、端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、正当性の認証を行う認証部(CPU10e)と、正当性が認証された場合には、記録部に記録されている該当する情報を取得して端末装置に送信する送信部(10g)と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報管理システムおよび商品情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、輸送される商品にタグ装置を付して商品の温度と時刻を記録し、ゲート端末装置がタグ装置から受信したデータ中の劣化フラグが立っていた場合には、ゲート端末装置が警告を出力する流通管理システムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−217426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に開示される技術では、タグ装置に記録されている情報は流通過程のみで使用されていたので、例えば、消費者等は当該情報を利用することができず、情報を有効利用することができないという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、商品に付されたタグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能な商品情報管理システムおよび商品情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムにおいて、前記端末装置は、前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力受付部と、前記入力受付部を介して入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求部と、前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示部と、を有し、前記サーバ装置は、前記商品に関する情報を記録する記録部と、前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証部と、前記認証部によって正当性が認証された場合には、前記記録部に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、商品に付されたタグ装置に記録されている情報に基づいて、当該商品に関する情報を取得することができるので、タグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能となる。
【0006】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記タグ装置には、前記商品の製造時において製造業者によって各商品に固有の情報が書き込まれ、前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な製造業者によって製造されたことが認証された場合に、商品に関する情報が表示されるので、それ以外の商品に対して情報の開示を制限できる。
【0007】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、当該商品の製造状況に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な製造業者によって製造されたことが認証された場合には、製造状況に関する情報が呈示されるので、どのような製造状況で製造されたかを知ることができる。
【0008】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記商品は複数の流通過程を経由して流通されるとともに、前記タグ装置にはそれぞれの流通過程に配置されているリーダライタによって各流通過程を経由したことを示す情報が書き込まれ、前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な流通過程を経由したことが認証された場合に、商品に関する情報が表示されるので、それ以外の商品に対して情報の開示を制限できる。
【0009】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、流通過程に存在する同一種類の商品の個数を示す情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な流通過程を経由したことが認証された場合には、流通過程に存在する同一種類の商品の個数を示す情報が呈示されるので、商品の希少性等を知ることができる。
【0010】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記タグ装置は商品が置かれている環境に関する情報を記録し、前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、ことを特徴とする。
この構成によれば、正当な管理がなされたことが認証された場合に、商品に関する情報が表示されるので、それ以外の商品に対して情報の開示を制限できる。
【0011】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記環境に関する情報に基づいて、当該商品の消費時期に関する情報を生成し、前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な管理がなされたことが認証された場合には、商品の消費期限に関する情報が表示されるので、商品が配置されていた環境に応じた最適な時期に消費することができる。
【0012】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記商品はワインであり、前記サーバ装置は、前記ワインの製造業者、流通過程、および、管理状態が正当である場合に、前記商品に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、商品であるワインの製造業者、流通過程、管理状況が正当である場合に、商品に関する情報が表示されるので、正当で品質が保証できるワインに対してのみ、商品に関する情報を呈示することができる。
【0013】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記入力受付部はリーダライタであり、前記タグ装置に格納されている情報を読み取ることを特徴とする。
この構成によれば、リーダライタによってタグ装置に格納されている情報を読み取ることにより、商品に関する情報を得ることができる。
【0014】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記タグ装置は格納されている情報を表示装置に表示可能であり、前記入力受付部には前記表示装置に表示された情報または当該情報に基づいて生成された情報が入力されることを特徴とする。
この構成によれば、リーダライタが存在しない場合であっても、表示装置に表示された情報を入力受付部に入力することにより、商品に関する情報を得ることができるので、特に、消費者等にとっては使い勝手がよい。
【0015】
また、本発明は、タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムの商品情報管理方法において、前記端末装置は、前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力ステップと、前記入力ステップにおいて入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求ステップと、前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示ステップと、を有し、前記サーバ装置は、前記商品に関する情報を記録装置に記録する記録ステップと、前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証ステップと、前記認証ステップにおいて正当性が認証された場合には、前記録装置に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信ステップと、を有する、ことを特徴とする。
この構成によれば、商品に付されたタグ装置に記録されている情報に基づいて、当該商品に関する情報を取得することができるので、タグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、商品に付されたタグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能な商品情報管理システムおよび商品情報管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下では、本発明の商品情報管理方法は、商品情報管理システムの動作として説明する。
【0018】
(A)実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る商品情報管理システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、商品情報管理システムは、ホストコンピュータ10、ネットワーク20、端末装置30−0〜30−7、リーダライタ40−0〜40−7、および、タグ装置50を主要な構成要素としている。
【0019】
ここで、ホストコンピュータ10は、図2に示すように、ROM(Read Only Memory)10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、入力部10c、RAM(Random Access Memory)10d、CPU(Central Processing Unit)10e、表示部10f、ネット接続部10gを主要な構成要素とし、HDD10bに格納されているアプリケーションプログラムを実行することにより、リーダライタ40−0〜40−7によってタグ装置50から読み取られた情報を端末装置30−0〜30−7およびネットワーク20を介して取得し、管理する。ここで、ROM10aは、CPU10eが実行する基本的なプログラムおよびデータを格納する。HDD10bは、CPU10eが実行するプログラムおよびデータを格納する。入力部10cは、例えば、キーボードによって構成される。RAM10dは、CPU10eがROM10aまたはHDD10bに格納されているプログラムを実行する際のワーキングエリアとして機能する。CPU10eは、ROM10aまたはHDD10bに格納されているプログラムを実行ことにより装置の各部を制御する。表示部10fは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)によって構成されている。ネット接続部10gは、ネットワーク20を介して端末装置30−0〜30−7との間で情報の授受を行う際にデータの表現形式を変換する。なお、ホストコンピュータ10は、個々の製造業者との契約により割り当てられた商品毎の情報を保存する。また記録された情報への問い合わせに対してはあらかじめ定められた顧客認証手続きにより、登録のない場合は登録を要求し、正常に登録されている問い合わせ元に対しては記録されている情報などをあらかじめ定められた手順に基づいて開示する。開示する情報やデータの形式などは任意に設定、変更することができる。
【0020】
ネットワーク20は、例えば、インターネットによって構成され、ホストコンピュータ10および端末装置30−0〜30−7の間において情報をパケット化して送受信する。端末装置30−0〜30−7は同様の構成とされているので、以下では、これらを端末装置30として説明する。図3に示すように、端末装置30は、ROM30a、HDD30b、入力部30c、RAM30d、CPU30e、表示部30f、ネット接続部30g、および、I/F(Interface)30hを主要な構成要素としている。端末装置30の構成は、ホストコンピュータ10の構成と略同じである。なお、I/F30hには、リーダライタ40が接続され、リーダライタ40によって読み取られた情報を入力する。端末装置30は、HDD30bに格納されているアプリケーションプログラムを実行することにより、リーダライタ40−0〜40−7によって読み出された情報を格納するとともに、格納した情報をホストコンピュータ10に転送する。また、ホストコンピュータ10に格納されている情報に対する照会要求がなされた場合には、ホストコンピュータ10にアクセスしてそこに格納されている情報を取得して呈示する。
【0021】
リーダライタ40−0〜40−7は、品質管理の対象となる製品が通過する各流通過程に配備され、製品に付されたタグ装置50に記録された情報を読み出して確認を行うとともに、各流通過程に固有な情報その他をタグ装置50に書き込む処理を行う。なお、リーダライタ40−0〜40−7は筐体に組み込んだハンディターミナルのような形態であったり、あるいは商品の入庫、出庫の検査をするラインに取り付けるモジュール機器のような形態であったりしてもよい。また消費者が使えるようにパーソナルコンピュータの汎用インタフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)等)に接続して使うものでもよい。なお、この実施の形態では、品質管理の対象となる商品はワイン(特に厳格な温度管理を要求されるAOC(原産地統制呼称ワイン)やVDQS(優良品質限定ワイン)等の高級ワイン)であり、タグ装置50は、後述するようにワインのボトルに取り付けられている。また、端末装置30−0およびリーダライタ40−0は製造業者に配備され、端末装置30−1およびリーダライタ40−1は運送業者に配備され、端末装置30−2,30−3およびリーダライタ40−2,40−3は卸業者に配備され、端末装置30−4およびリーダライタ40−4は運送業者に配備され、端末装置30−5,30−6およびリーダライタ40−5,40−6は小売業者に配備され、端末装置30−7およびリーダライタ40−7は消費者のもとに配備されているものとする。
【0022】
図4は、図1に示すリーダライタ40−0〜40−7の構成例を示す図である。なお、リーダライタ40−0〜40−7は同様の構成とされているので、以下では、これらをリーダライタ40として説明する。リーダライタ40は、図4に示すように、通信部40a、ROM40b、変復調回路40c、入力部40d、RAM40e、CPU40f、表示部40g、I/F40hを主要な構成要素としている。ここで、通信部40aは、アンテナを有し、当該アンテナを介してタグ装置50との間で無線によって情報を授受するとともに、電磁誘導によりタグ装置50に電力を給電する。ROM40bは、プログラムおよびデータを格納しており、ROM40bに格納されているこれらのプログラムおよびデータに基づいてCPU40fが処理を実行することにより、装置の各部が制御される。変復調回路40cは、CPU40fから供給された情報に基づいて搬送波を変調し、通信部40aを介してタグ装置50に送信するとともに、タグ装置50から送信され、通信部40aによって受信された搬送波に重畳されている情報を復調してもとの情報を抽出する。入力部40dは、例えば、キーボード等に入力デバイスによって構成され、操作者の操作に応じた情報を生成して出力する。RAM40eは、CPU40fがROM40bに格納されているプログラムを実行する際にワーキングエリアとして使用される。CPU40fは、ROM40bに格納されているプログラムを実行することにより、装置の各部を制御する中央演算ユニットである。表示部40gは、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、CPU40fから供給された情報を表示する。I/F40hには、端末装置30との間で情報を授受する際にデータの表現形式を変換する処理を実行する。なお、I/F40hは、例えば、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、または、携帯電話キャリアと接続するための通信回路であってもよい。また、入力部40dおよび表示部40gは、リーダライタ40がパーソナルコンピュータと接続される場合には、パーソナルコンピュータの表示部および入力部を使用するようにしてもよい。
【0023】
図5は、図1に示すタグ装置50の構成例を示す図である。タグ装置50は、図5に示すように、通信部50a、ROM50b、変復調回路50c、充電監視回路50d、RAM50e、CPU50f、バッテリ50g、電源回路50h、不揮発性メモリ50i、時計50j、および、温度センサ50kを主要な構成要素としている。ここで、通信部50aは、アンテナを有し、当該アンテナを介してリーダライタ40との間で無線によって情報を授受するとともに、電磁誘導によりリーダライタ40から電力を受電する。ROM50bは、プログラムおよびデータを格納しており、ROM50bに格納されているこれらのプログラムおよびデータに基づいてCPU50fが処理を実行することにより、装置の各部が制御される。変復調回路50cは、CPU50fから供給された情報に基づいて搬送波を変調し、通信部50aを介してリーダライタ40に送信するとともに、リーダライタ40から送信され通信部50aによって受信された搬送波に重畳されている情報を復調してもとの情報を抽出する。充電監視回路50dは、リーダライタ40から送信された電力に基づいてバッテリ50gを充電するとともに、バッテリ50gの充電状態を監視し、監視結果をCPU50fに伝える。RAM50eは、CPU50fがROM50bに格納されているプログラムを実行する際にワーキングエリアとして使用される。CPU50fは、ROM50bに格納されているプログラムを実行することにより、装置の各部を制御する中央演算ユニットである。バッテリ50gは、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池によって構成され、直流電力を発生して電源回路50hに供給する。なお、二次電池の代わりに、例えば、スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)等を使用することも可能である。電源回路50hは、バッテリ50gから供給された直流電力の電圧が一定になるように制御するとともに、得られた一定電圧の直流電力を装置の各部に供給する。不揮発性メモリRAM50iは、後述するように、温度センサ50kによって測定された温度データおよび日時データを格納するとともに、管理する対象となる商品であるワインに関する情報を記憶する。時計50jは、例えば、RTC(Real Time Clock)によって構成され、日時情報を生成して出力する。また、時計50jは、設定された日時になるとタイマ割り込みを発生する。温度センサ50kは、例えば、サーミスタまたは熱電対等によって構成され、品質管理の対象となるワインの温度を測定して対応する温度データを出力する。
【0024】
図6は、タグ装置50をボトルワイン70のボトル71に取り付けた例を示す図である。図6の例では、ボトルワイン70のボトル71の内部には液体のワイン73が貯留されるとともに、口にはコルク栓72が挿入されている。また、ボトル71の底部にはタグ装置50が封入されている。なお、温度センサ50kは、ボトル71を構成するガラスに接触するように配置されているので、ボトル71の温度が遅滞なく、温度センサ50kによって検出される。
【0025】
図7は、タグ装置50をボトルワイン80のボトル81に取り付けた他の例を示す図である。図7の例では、ボトルワイン80のボトル81の内部には液体のワイン83が貯留されるとともに、口にはコルク栓82が挿入されている。また、ボトル81の底のくぼみ内には、タグ装置50が取り付けられるとともに、樹脂84によってタグ装置50が封止されている。なお、温度センサ50kは、前述の場合と同様に、ボトル81を構成するガラスに接触するように配置されているので、ボトル81の温度が遅滞なく、温度センサ50kによって検出される。なお、以下では、ボトルワイン70を例に挙げて説明するが、図6または図7のどちらの構成を採用してもよい。
【0026】
図8は、ボトルワイン70に取り付けられたタグ装置50とリーダライタ40との間の通信の形態を示す図である。図8(A)の例では、通信対象となるボトルワイン70が1本の場合であり、このような場合にはボトルワイン70に取り付けられたタグ装置50とリーダライタ40とは1対1の通信を行う。一方、図8(B)に示すように、通信対象となるボトルワイン70が複数存在する場合には、通信モジュール90を介して通信を行うようにしてもよい。すなわち、図8(B)の例では、輸送コンテナのように複数のボトルワイン70が配置されている場合には、コンテナの内部に個々のボトルワイン70と通信可能な通信モジュール90を設置し、外部のリーダライタ40とコンテナ内部のボトルワイン70のタグ装置50との通信を仲介するようにしてもよい。
【0027】
(B)実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作について説明する。なお、以下では、まず、本発明の実施形態の動作の概要について説明し、つぎに、ボトルワイン70の流通過程と、それぞれの流通過程におけるタグ装置50の動作を説明した後、小売業者または消費者が有する端末装置30−6または端末装置30−7からホストコンピュータ10に記録されている情報に対して照会の要求がなされた場合の動作について説明する。
【0028】
(B−1)実施形態の動作の概要
図9は、本発明の実施形態の動作の概要を説明するための図である。この図に示すように、本実施形態では、ボトルワイン70は、エリア0〜5の複数の流通過程を経由して消費者のもとに届けられる。製造業者の管理するエリア0では、ボトルワイン70に付されたタグ装置50には、初期情報として製造番号その他の情報がリーダライタ40−0によって書き込まれるとともに、エリア0を経由したことを示す情報が書き込まれる。そして、タグ装置50に書き込まれた情報(初期情報およびエリア0を経由したことを示す情報)はネットワーク20を介してホストコンピュータ10に送信され、そこに記録される。初期情報等が書き込まれたボトルワイン70は、製造業者のもとに一時的に保管されるが、その際、タグ装置50は、バッテリ50gに蓄電されている電力に基づいて、ボトルワイン70の温度を所定の頻度で測定し、不揮発性メモリ50iに測定日時データとともに格納する。製造業者から運送業者にボトルワイン70が出荷されると、運送業者ではリーダライタ40−1によって、タグ装置50に記録されているエリア0の温度データを取得し、温度異常が発生していないかを確認し、異常が発生していない場合には、記録情報をホストコンピュータ10に転送して記録するとともに、エリア1を経由したことを示す情報をタグ装置50とホストコンピュータ10に書き込む。また、温度異常が発生している場合には、ワインの品質に問題が生じているとして流通過程から外される。このような処理は、各エリアにおいて実行され、各エリアにおいてそれぞれのリーダライタ40により、記録情報が読み取られて温度異常が発生していないか判定され、発生していない場合には、ホストコンピュータ10に記録情報が転送されて記録されるとともに、エリアを経由したことを示す通過情報がタグ装置50とホストコンピュータ10に記録される。
【0029】
ところで、消費者が小売業者の店舗においてボトルワイン70を購入しようとする際、または、自宅においてボトルワイン70を消費しようとする際、その品質を確認したい場合がある。例えば、後者の場合には、消費者は自宅に配置されているリーダライタ40−7によって対象となるボトルワイン70のタグ装置50を読み取る。その結果、リーダライタ40−7は、タグ装置50に格納されている製品番号等を読み取り、端末装置30−7を介してホストコンピュータ10に送信し、証明書等を送信するように要求する。ホストコンピュータ10では、送られてきた製品番号等に基づいて当該ボトルワイン70の正当性を認証する。ここで、正当性とは、当該ボトルワイン70が、正規の製造業者によって製造され、正規の流通過程を経由し、かつ、適切な管理がなされたことである。まず、正規に製造されたか否かについては、タグ装置50に記録されている固有の番号である製造番号等がホストコンピュータ10に記録されているか否かによって確認される。つぎに、正規の流通過程を経由したか否かについては、ホストコンピュータ10に記録されている通過情報に基づいて判断される。正規の流通過程を経由している場合には、ホストコンピュータ10には全ての流通過程に関する通過情報が格納されているので、これに基づいて判断する。さらに、適切な管理がなされたか否かについては、ホストコンピュータ10に記録されている温度の記録情報に基づいて判断される。そして、これらを全て満足している場合には、正当なボトルワイン70であると判断され、ホストコンピュータ10から、ワインの証明書が端末装置30−7に対して送信され、消費者は、当該ボトルワイン70に対する証明書を参照することができる。また、証明書とともに、例えば、各流通過程を通過したことを示す情報や、温度に関する記録情報についても併せて表示することにより、消費者は、品質に対するより一層の安心を得ることができる。なお、認証の際に、タグ装置50に記録されている情報と、ホストコンピュータ10に記録されている情報が一致することを条件として、正当性を判断するようにしてもよい。つまり、製造番号等、通過情報、および、温度の記録情報がタグ装置50とホストコンピュータ10とで一致するか否かに基づいて正当性を判断することにより、なりすましを確実に判断できるようにしてもよい。
【0030】
(B−2)ボトルワインの流通過程における動作
つぎに、図10を参照して、ボトルワイン70の流通過程と、各流通過程において記録される情報について説明する。まず、エリア0の製造業者では、ワインを製造し、ボトル71に詰めてボトルワイン70とし、出荷可能な状態にする(P1)。ボトル詰めが終了すると、ボトル71に組み込んであるタグ装置50に対して、リーダライタ40−0を用いて、初期情報を書き込む(P2)。初期情報としては、図11に示す情報と、図12に示す情報とが存在する。図11は、初期情報として書き込まれる情報の一例を示している。この例では、初期情報としては、図11(A)に示す商品固有の情報と、図11(B)に示す流通過程における各エリアに関する情報とが存在する。より具体的には、図11(A)に示す例では、「メーカ名」、「商品名」、「製造工場番号」、「製造番号」、および、「製造順位」が存在し、この例では、これらはそれぞれ「ABC」、「DEF」、「ABC12345」、「DEF54321」、「2343」とされている。なお、製造順位とは同じ商品名を有するボトルワインのうち、当該ボトルワインが製造された順番を示している。また、図11(B)に示すように、流通過程における各エリアに関する情報としては、各エリアに配置されたリーダライタ40−0〜40−7が有する「ID」、「エリア番号」、「記録頻度」、および、「通過チェック」が存在する。ここで、「ID」はリーダライタ40−0〜40−7がそれぞれ有する固有の情報であり、タグ装置50の情報を読み書きする際に、リーダライタ40−0〜40−7から送信される。IDを受信したタグ装置50では、格納されているいずれかのIDと一致するか否かを判定し、一致する場合には正規のリーダライタであるとして、情報の読み書きを開始し、それ以外の場合には読み書きを拒否する。「エリア番号」は、各IDを有するリーダライタが属するエリアの番号である。また、「記録頻度」は、温度データを測定して記録する頻度を示し、例えば、「24h」は24時間で1回記録することを示す。「通過チェック」は、初期状態では「0」とされ、各リーダライタによって情報の読み書きがなされた場合に「1」に変更され、当該エリアを通過したことを示す。なお、図11(B)の第1行目の情報は、「エリア0」では、リーダライタのIDは「00000」であり、記録頻度は「24h」で1回であることを示している。また、この例では、通過チェックは未チェック「0」とされている。
【0031】
図12は、各エリアにおいて測定された温度データの格納状態を示している。この例では、エリア0〜6までの領域が確保されている。エリア0については、測定日時および温度を示すデータが格納され、他のエリアについては初期値である「FF」が格納されている。本実施形態では、各エリアに保管される最長の時間と記録頻度が予め分かっていることから、初期情報の書き込み時においては、不揮発性メモリ50iに、エリア毎に必要な領域が確保されるとともに、各領域に対して初期値である「FF」の書き込みが実行される。
【0032】
つまり、図10に示す初期情報の書き込み(P2)時には、リーダライタ40−0によって、図11(A)および(B)に示す情報が、タグ装置50の不揮発性メモリ50iに対して書き込まれるとともに、図12に示すように、各エリアに対応する領域が不揮発性メモリ50iに確保されて初期値「FF」が書き込まれる。また、エリア0を正規に経由したことから、エリア0の通過チェックが「1」に変更される。さらに、このとき、充電監視回路50dは、リーダライタ40−0から送信された電力に基づいて、バッテリ50gを充電し、満充電の状態とする。初期情報が書き込まれると、タグ装置50は、図11(B)の最初に格納されている情報(エリア0の情報)の記録頻度(24h)を取得し、これを時計50jに設定するとともに、消費電力の少ないスリープモードに移行する。その結果、時計50jは24時間毎に割り込みを発生するので、CPU50fは、割り込みが発生すると、スリープモードから通常動作モードに移行し、その時点の日時および温度を時計50jおよび温度センサ50kから取得して不揮発性メモリ50iに格納し、格納が終了するとまたスリープモードに戻る。
【0033】
一方、リーダライタ40−0は、タグ装置50に書き込んだ初期情報と通過チェックとを、端末装置30−0に送信する。端末装置30−0では受信した初期情報をデータベースに保存するとともに、ホストコンピュータ10に送信する。なお、その際、端末装置30−0から所定の情報(例えば、パスワード等)をホストコンピュータ10に送信して認証することにより、なりすましによって情報が偽造されることを防止できる。ホストコンピュータ10では、送信された情報をネット接続部10gを介して受信し、HDD10bに存在するデータベースに格納する。図13は、ホストコンピュータ10のHDD10bに記録されている情報の一例を示している。この図13に示すように、HDD10bに記録される情報としては、「製造情報」、「流通情報」、「管理情報」、「品質情報」、および、「助言情報」がある。ここで「製造情報」は初期情報としてタグ装置50に登録される情報と同じ情報である。「流通情報」は、流通過程の各エリアを当該ボトルワイン70が経由したか否かを示す図11(B)の通過チェックに対応する情報が記録される。「管理情報」は、流通過程の各エリアにおける当該ボトルワイン70の保管温度を示す図12に対応する情報が記録される。「品質情報」は、当該ワインの糖度、アルコール度数、渋み、気候条件等を示す情報であり、当該情報は、同じ商品名のボトルワイン70では共通であるので、品質情報としては当該商品に関する情報が記載されたデータ(HTML(Hyper Text Markup Language)文書)のファイル名(quality.html)が格納されている。「助言情報」は、当該ワインの最適な保管温度、最適な食べ合わせ料理等を示す情報であり、当該情報は、同じ商品名のボトルワイン70では共通であるので、助言情報としては当該商品に関する情報が記載されたデータ(HTML文書)のファイル名(advice.html)が格納されている。なお、「品質情報」と「助言情報」の一部をボトルワイン70毎に変えて表示する場合には、例えば、CGI(Common Gateway Interface)等を用いて、個々のボトルワイン70の状況に応じて個別に情報を生成することもできる。例えば、個々のボトルワイン70の製造から消費者に届くまでに要した期間に応じて、飲み頃となる時期を個別に表示するような場合である。
【0034】
初期情報等の書き込みが完了すると、ボトルワイン70は、製造業者の倉庫に、例えば、1ヶ月間保管される(P3)。倉庫に保管されている際、タグ装置50は、前述したように、24時間毎にスリープモードから通常動作モードに移行し、温度データと日時データを取得して不揮発性メモリ50iのエリア0に対応する領域に格納し、再度、スリープモードに移行する。このような動作を繰り返すことにより、倉庫に保管されている際の温度データを取得して格納することができる。格納されるデータの具体例としては、図12に示すように「測定日時」と「温度」とがある。図12の場合、第1行目には、「測定日時」として「FST:2008/11/20 5:21」が格納され、「温度」として「13.5」が格納されている。ここで「FST」はFrench Summer Timeの略であり、フランス夏時間であることを示している。なお、ボトルワイン70の運送によってタイムゾーンが変わる場合には、リーダライタ40によって情報を読み書きする際に、時計50jの発生する日時が更新される。
【0035】
温度センサ50kは、検出された温度が正常な範囲でない場合には、割り込みを発生し、温度が異常であることをCPU50fに通知する。より詳細には、温度センサ50kは、図14に示すように、検出した温度がワインの保管に最適な12〜14℃の範囲(最適温度範囲Z0)である場合には、割り込みを発生しない。しかしながら、0〜12℃または14〜20℃の範囲(要注意温度範囲Z1,Z3)では、例えば、2時間に1回の割合で割り込みを発生する。また、0℃未満または20℃を超える範囲(危険温度範囲Z2,Z4)の範囲では、例えば、1時間に1回の割合で割り込みを発生する。温度センサ50kから割り込みが発生した場合には、CPU50fは、設定されている記録頻度に拘わらず、温度センサ50kから取得した温度データと日時データとを不揮発性メモリ50iに記録する。これにより、温度の異常が発生した場合には、異常な状況を逃さずに正確に記録することができる。
【0036】
倉庫に保管されたボトルワイン70は、つぎに、運送業者に引き渡される。このとき、運送業者は、リーダライタ40−1によって、出荷情報の書き込みを行う(P4)。より詳細には、リーダライタ40−1からはIDとして「11111」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、つぎのエリアがエリア1であることを認識する。また、記録頻度は「1h」であることを認識するとともに、エリア1を経由したことから、エリア1の通過チェックを「0」から「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア0に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報(例えば、「EF」)を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−1から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−1は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が正常であるか否かを判定する。すなわち、リーダライタ40−1は、タグ装置50から取得した温度データが最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、運送業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常でないことを知ることができるので、当該ボトルワイン70については、その後の流通過程から除外する。また、当該ボトルワイン70については、製造業者の不備によって品質が劣化したことを知ることができる。保管温度が正常と判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは端末装置30−1のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−0およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−0およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。すなわち、ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア1の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア0に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。なお、なりすましによるデータの偽造を防ぐために、パスワード等による認証を行うようにしてもよいのは端末装置30−0の場合と同様である。製造業者は端末装置30−0に記録されたデータを参照することにより、自エリアにおける保管状態を知ることができる。また、ホストコンピュータ10にデータを保存することにより、当該ボトルワインを購入しようとする消費者または購入した消費者が流通過程における状況を知ることができる。リーダライタ40−1による情報の読み書きが終了すると、運送業者は、製造業者から卸業者までボトルワインを運送する(P5)。この運送期間は、例えば、5日間程度である。運送の間、タグ装置50は、記録頻度である「1h」に基づいて、1時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア1に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を詳細に記録する。
【0037】
運送業者によってボトルワイン70が、卸業者に届けられると、卸業者はリーダライタ40−2によって入荷情報の書き込みを行う(P6)。より詳細には、リーダライタ40−2からはIDとして「22222」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア2であることを認識する。また、記録頻度は「24h」であることを認識するとともに、エリア2を経由したことから、エリア2の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア1に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−2から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−2は、タグ装置50に格納されているエリア1に対する温度データを取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、卸業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとが、端末装置30−2のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−1およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−1およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア2の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア1に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。運送業者は端末装置30−1に記録されたデータを参照することにより、自エリアにおける保管状態を知ることができる。また、ホストコンピュータ10にはそれまでの流通過程における保管状況が累積的に保存されるため、当該ボトルワインを購入した消費者が流通過程における状況を知ることができる。リーダライタ40−2による情報の読み書きが終了すると、卸業者は、運送業者から引き渡されたボトルワイン70を一時的に保管する(P7)。この一時保管期間は、例えば、1週間程度である。一時保管の間、タグ装置50は、24時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行し、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア2に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を詳細に記録する。
【0038】
一時保管期間が終了すると、卸業者は、市場の流通状況や小売店舗の在庫状況により卸業者所有の倉庫にボトルワイン70を保管する。このとき、卸売業者は、倉庫に保管する前に、リーダライタ40−3によって入庫情報の書き込みを行う(P8)。より詳細には、リーダライタ40−3からはIDとして「33333」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア3であることを認識する。また、記録頻度は「168h」であることを認識するとともに、エリア3を経由したことから、エリア3の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア2に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−3から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−3は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、卸業者は、ボトルワイン70の一時保管中の保管状況が正常か否かを知ることができる。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−3のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−2およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−2およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア3の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア2に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−3による情報の読み書きが終了すると、卸業者は、ボトルワイン70を倉庫に保管する(P9)。この保管期間は、例えば、最長で4ヶ月程度である。保管の間、タグ装置50は、168時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア3に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。なお、当該保管期間中の記録頻度は1週間に1回と非常に長いため、記録と記録の間に異常が発生することも考えられるが、そのような場合であっても温度センサ50kからの割り込みによって、当該異常は1時間に1回または2時間に1回の頻度で記録される。
【0039】
卸業者の倉庫に保管されたボトルワイン70は、つぎに、運送業者に引き渡される。このとき、運送業者は、リーダライタ40−4によって、出荷情報の書き込みを行う(P10)。より詳細には、リーダライタ40−4からはIDとして「44444」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア4であることを認識する。また、記録頻度は「1h」であることを認識するとともに、エリア4を経由したことから、エリア4の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア3に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらにまた、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−4から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−4は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、運送業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。正常でない場合には、その後の流通過程から除外する。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−4のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−3およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−3およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア4の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア3に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−4による情報の読み書きが終了すると、運送業者は、卸業者のもとから、小売業者のもとまでボトルワイン70を運送する(P11)。この運送期間は、例えば、5日間程度である。運送の間、タグ装置50は、1時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア4に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。
【0040】
運送業者によってボトルワイン70が、小売業者に届けられると、小売業者はリーダライタ40−5によって入荷情報の書き込みを行う(P12)。より詳細には、リーダライタ40−5からはIDとして「55555」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア5であることを認識する。また、記録頻度は「24h」であることを認識するとともに、エリア5を経由したことから、エリア5の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア4に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−5から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−5は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、小売業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。正常でない場合には、陳列および販売の対象から除外する。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−5のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−4およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−4およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア5の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア4に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−5による情報の読み書きが終了すると、小売業者は、運送業者から引き渡されたボトルワイン70を陳列して販売する(P13)。この陳列販売期間は、例えば、2週間程度である。陳列販売の間、タグ装置50は、24時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア5に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。
【0041】
陳列販売されているボトルワイン70が消費者によって購入される際には、小売店では、リーダライタ40−6によって販売情報の書き込みを行う(P14)。より詳細には、リーダライタ40−6からはIDとして「66666」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア6であることを認識する。また、記録頻度は「168h」であることを認識するとともに、エリア6に入ったことから、エリア6の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア5に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−6から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−6は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、消費者は、ボトルワイン70を購入する際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。なお、正常でない場合には、消費者への販売を中止する。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−6のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−5およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−4およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア6の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア5に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−6による情報の読み書きが終了すると、消費者は、小売業者から購入したボトルワイン70を自宅のワインセラー等に保管し、消費する(P15)。この保管消費期間は、例えば、1ヶ月程度である。保管されている間、タグ装置50は、168時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア6に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。このように、消費者のもとにおいても、温度データを記録することにより、例えば、ワインの品質に対するクレームが消費者からなされた場合であっても、タグ装置50に記録されている温度データを参照することにより、消費者の保管状況が適切であったか否かを知り、クレームに対して適切に対応することができる。
【0042】
なお、ホストコンピュータ10では、CPU10eは、所定の頻度(例えば、1日1回)で、HDD10bに格納されているデータを集計する処理を実行する。すなわち、CPU10eは、それぞれの商品毎に、総生産本数、流通過程存在本数、および、消費者所有本数を集計し、図15に示す情報として、HDD10bに格納する。図15の例では、CPU10eは、図13に示す情報において、商品名が「DEF」である商品に関する情報がいくつ格納されているかにより、総生産本数を求める。また、図13に示す流通情報を参照し、エリア6の通過チェックが「0」である情報の数をカウントすることにより、流通過程存在本数を求める。また、エリア6の通過チェックが「1」である情報の数をカウントすることにより、消費者所有本数を求める。
【0043】
つぎに、ボトルワイン70が小売店に陳列されている場合、または、消費者によって購入された場合において、当該ボトルワイン70に関する情報を表示する場合について説明する。すなわち、消費者が陳列されているボトルワイン70を購入するに際し、そのボトルワイン70の真贋または品質等について知りたいと思う場合がある。あるいは、消費者がボトルワイン70の購入後に、当該ボトルワイン70の品質について知りたいと思う場合がある。そのような場合には、小売業者または消費者が、端末装置30−6または端末装置30−7を操作して、ホストコンピュータ10に格納されている情報を取得するためのアプリケーションプログラムを起動するとともに、リーダライタ40−6またはリーダライタ40−7によってタグ装置50の情報を読み取る。例えば、消費者が自己の所有するリーダライタ40−7によってタグ装置50を読み取る操作を行うと、タグ装置50から図11(A)に格納されている情報が読み取られ、端末装置30−7を介してホストコンピュータ10に送信される。ホストコンピュータ10では、送られてきた情報に対応するデータをHDD10bから検索する。なお、ボトルワイン70の所有者以外のアクセスを禁止するために、例えば、短時間(例えば、1分間)の間だけ有効性を有するワンタイムパスワードを使用し、ホストコンピュータ10によって当該ワンタイムパスワードが認証された場合にのみアクセスを許可するようにしてもよい。ホストコンピュータ10のHDD10bに該当する情報が格納されている場合には、CPU10eは、正当な製造業者によって製造されたと判定する。
【0044】
つぎに、CPU10eは、HDD10bに格納されている該当する情報の流通情報を参照し、通過チェックが全て「1」になっているか否かを判定する。その結果、通過チェックが全て「1」になっている場合には、CPU10eは、正当な流通過程を経由していると判定する。なお、小売業者に陳列されている場合には、エリア6は「0」の状態であるので、これについては無視する。つぎに、CPU10eは、HDD10bに格納されている該当する情報の管理情報を参照し、それまでの流通過程における温度管理が適正であったか否かを判定する。その結果、温度異常が発生していない場合には、CPU10eは、正当な管理がされていると判定する。なお、その際に、ホストコンピュータ10に格納さている情報と、タグ装置50に格納されている情報を比較し、これらが一致することも含めて判定するようにしてもよい。そのような方法によれば、なりすましによる情報の不正な取得を防止できる。
【0045】
そして、これら3つの判定を全てクリアした場合には、CPU10eは、正当な製造業者によって製造され、正当な流通過程を経由し、正当な管理がされていると判定し、例えば、図16(A)に示すような「ワイン品質証明書」を端末装置30−7に送信して、表示部30fに表示させる。この表示例では、タイトルとしての「ワイン品質証明書」が表示され、その下にはメッセージとしての「以下の通り、品質を証明します。」が表示されている。また、その下には、「メーカ名:ABC」、「商品名:DEF」、「製造工場番号:ABC12345」、および、「製造番号:DEF54321」が表示されている。なお、図16(A)以外にも、例えば、図16(B),(C)および図17(A)〜(C)に示す情報を表示させるようにしてもよい。すなわち、図16(B)の表示例では、タイトルとしての「ワイン流通証明書」が表示され、その下にはメッセージとしての「以下の通り、流通経路を証明します。」が表示されている。また、その下には、エリア0〜5までの各エリアの名称(例えば、エリア0では「ABC」)と、各エリアを通過した日時が示されている。図16(C)の表示例では、タイトルとしての「ワイン管理証明書」が表示され、その下にはメッセージとしての「以下の通り、管理状況を証明します。」が表示されている。また、その下には、エリア0〜5までの各エリアにおける温度の推移を示すグラフと、メッセージとしての「平均管理温度:13.2℃」が表示されている。
【0046】
図17(A)に示す表示例では、タイトルとしての「ワイン品質情報」が表示され、その下にはメッセージとしての「ワインの品質に関する情報は以下の通りです。」が表示されている。また、その下には、「冬の降雨量:250mm」、「育成期平均気温:24℃」、「収穫期降雨量:82mm」、「アルコール度数:14度」、「渋み:7/10」、および、「糖度:5%」が表示されている。図17(B)に示す表示例では、タイトルとしての「ワイン流通量情報」が表示され、その下にはメッセージとしての「ワインの流通量に関する情報は以下の通りです。」が表示されている。また、その下には、「総生産本数:5632本」、「流通過程存在本数:1233本」、「消費者保有本数:1567本」、「生産順位:2343/5632」、および、「但し、2009/4/20現在」が表示されている。図17(C)に示す表示例では、タイトルとしての「お客様へのアドバイス」が表示され、その下にはメッセージとしての「・ビン詰めされてから4ヶ月経過していますので、飲み頃は来月の初旬頃となります。」、「・最適な食べ合わせ料理は仔牛フィレ肉のソテーです。」、および、「・最適な保管温度は12〜14℃です。」が表示されている。
【0047】
以上の情報を参照することにより、消費者は当該ボトルワイン70が正当な製造業者によって製造され、正当な流通過程を経由しており、また、正当な温度管理がなされていることを知ることができる。また、消費者は、ワインの品質に関する情報、ワインの流通量に関する情報、および、当該ワインに関するアドバイスを得ることができるので、ボトルワイン70についてより詳しく知ることができる。特に、高級ワインの場合には、製造本数および流通本数がワイン自体の価値を決める重要な要素となるので、このような情報を知ることにより、どのような形態によって消費するか(例えば、家族だけで消費するか、あるいは、パーティー等で重要な知人と一緒に消費するか)を決めるための参照とすることができる。
【0048】
(B−3)端末装置およびホストコンピュータにおいて実行される処理
図18は端末装置30−6または端末装置30−7において実行される処理の一例を示す図であり、図19はホストコンピュータ10において実行される処理の一例を示す図である。図18に示す処理が開始されると、ステップS10において、CPU30eは、リーダライタ40を介してタグ装置50から製造情報を読み取る。そしてステップS11において、CPU30eは、取得した製造情報をネットワーク20を介してホストコンピュータ10に送信し、認証の要求を行う。この結果、ホストコンピュータ10では、認証処理が実行され、製造業者、流通過程、および、管理状態の正当性の判定がなされ、これら全てが正当であると判定された場合には、端末装置30に対して認証の成功を通知する。ステップS12では、CPU30eは、認証に成功したか否かを判定し、認証に成功したと判定した場合(ステップS12;Yes)にはステップS13に進み、それ以外の場合(ステップS12;No)には処理を終了する。
【0049】
ステップS13では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン品質証明書を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図16(A)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す製造情報に基づいて生成される。ステップS14では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン流通証明書を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図16(B)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す流通情報に基づいて生成される。ステップS15では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン管理証明書を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図16(C)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す管理情報に基づいて生成される。
【0050】
ステップS16では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン品質情報を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図17(A)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す品質情報に格納されているファイル名に対応するデータに基づいて生成される。ステップS17では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン流通量情報を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図17(B)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図15に示す情報に基づいて生成される。ステップS18では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からお客様へのアドバイスを受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図17(C)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す助言情報に格納されているファイル名に対応するデータに基づいて生成される。
【0051】
つぎに、図19を参照して、ホストコンピュータ10において実行される処理について説明する。図19の処理が開始されると、ステップS30において、CPU10eは、認証の要求が端末装置30からなされたか否かを判定し、要求がなされたと判定した場合(ステップS30;Yes)にはステップS31に進み、それ以外の場合(ステップS30;No)は同様の処理を繰り返す。ステップS31では、CPU10eは、製造情報を端末装置30から受信する。ステップS32では、CPU10eは、HDD10bに該当する製造情報(図13に示す情報)が格納されているか否かを判定し、該当する製造情報が存在する場合(ステップS32;Yes)にはステップS34に進み、それ以外の場合(ステップS32;No)にはステップS33に進む。ステップS33では、CPU10eは、認証に失敗したことを端末装置30に対して通知する。その結果、端末装置30では、ステップS12においてNoと判定される。ステップS34では、CPU10eは、HDD10bに格納されている流通情報を参照し、当該ボトルワイン70が全ての流通過程を通過していると判定した場合(ステップS34;Yes)にはステップS35に進み、それ以外の場合(ステップS34;No)にはステップS33に進む。ステップS35では、CPU10eは、HDD10bに格納されている管理情報を参照し、当該ボトルワイン70が全ての流通過程において正常な温度範囲に保たれていたと判定した場合(ステップS35;Yes)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS36;No)にはステップS33に進む。
【0052】
ステップS36では、CPU10eは、製造情報に基づいて生成したワイン品質証明書を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図16(A)に示すワイン品質証明書が表示部30fに対して表示される。ステップS37では、CPU10eは、流通情報に基づいて生成したワイン流通証明書を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図16(B)に示すワイン流通証明書が表示部30fに対して表示される。ステップS38では、CPU10eは、管理情報に基づいて生成したワイン管理証明書を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図16(C)に示すワイン管理証明書が表示部30fに対して表示される。ステップS39では、CPU10eは、品質情報に示されるファイル名に対応するデータに基づいて生成したワイン品質情報を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図17(A)に示すワイン品質情報が表示部30fに対して表示される。ステップS40では、CPU10eは、図15に示す情報に基づいて生成したワイン流通量情報を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図17(B)に示すワイン流通量情報が表示部30fに対して表示される。ステップS41では、CPU10eは、助言情報に示されるファイル名に対応するデータに基づいて生成したお客様へのアドバイス情報を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図17(C)に示すお客様へのアドバイス情報が表示部30fに対して表示される。
【0053】
以上の実施形態によれば、小売業者または消費者が端末装置30を操作して、ボトルワイン70に付与されているタグ装置50に記録されている情報をリーダライタ40によって読み取ると、ホストコンピュータ10において、当該ボトルワイン70の正当性が判定され、正当であると判定された場合にのみ、当該ボトルワイン70に関する情報が表示されるようにしたので、タグ装置50に記録されている情報を有効に利用することができるとともに、ボトルワイン70の正当性を知ることが可能になる。
【0054】
また、以上の実施形態では、製造業者、流通過程、および、管理状態が正当になされている場合にのみ、正当性を保証するようにしたので、本来、流通過程から除外されるべき商品に対して正当性が保証されることを防止できる。これにより、例えば、流通過程から除外されたボトルワインが、不正に販売された場合には、正当性が保証されないことから、不正な販売であることを知ることができる。また、ワインのように高級商品であり、しかも、品質管理が重要である商品については、製造業者、流通過程、および、管理状態の全てが適正である場合にのみ販売に供せられることを担保できるので、商品に化体する業務上の信用を確実に保護することができる。
【0055】
また、以上の実施形態では、商品の正当性が認証された場合に、製造状況に関する情報を呈示するようにしたので、当該商品を購入した消費者に対して、製造状況に関する有益な情報を与えることができる。また、商品の正当性が認証された場合に、同一種類の商品の流通過程に存在する個数に関する情報を呈示するようにしたので、当該商品を購入した消費者に対して、当該商品の希少性等を示すことにより、一層の価値を醸成することができる。また、商品の正当性が認証された場合に、消費時期に関する情報を呈示するようにしたので、当該商品を購入した消費者に対して、例えば、ワインの飲み頃に関する情報を呈示することにより、ワインをより好ましい時期に消費させることができる。
【0056】
(C)変形実施の態様
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論である。
例えば、以上の実施の形態では、ホストコンピュータ10は1台とし、端末装置30−0〜30−7およびリーダライタ40−0〜40−7はそれぞれ8台としたが、これ以外の台数であってもよい。
また、流通過程としては、図10に示す5カ所を例に挙げて説明したが、これ以外の流通過程が含まれるようにしてもよい。また、流通過程がこれよりも少なくてもよい。
【0057】
また、以上の実施の形態では、不揮発性メモリ50iに記録される情報としては、日時データと温度データの2種類としたが、これ以外の情報を含むようにしてもよい。具体的な例としては、例えば、気圧センサ、湿度センサ、傾斜センサ、衝撃センサ、または、光センサ等を設け、これらによって検出された情報を取得して不揮発性メモリ50iに記録するようにしてもよい。これらのセンサを設けることにより、例えば、ボトルワインが、常圧とは異なる気圧にさらされて液漏れを生じたり、保存に最適とされる70%以下の湿度となってコルク栓が劣化したり、ボトルが傾けられてコルクが濡れていない状態となったり、ボトルに強い衝撃が加わったり、あるいは、ワインが必要以上に光にさらされていないかを知ることができる。また、タグ装置50を備える対象の商品として、ボトルワインを例に挙げて説明したが、これ以外の商品に備えるようにしてもよい。
【0058】
また、以上の実施の形態では、タグ装置50は、正規のリーダライタ以外からアクセスされた場合はアクセスを受け付けないようにしたが、不正なアクセスがなされた場合は、CPU50fが不揮発性メモリ50iに格納されている情報を自動的に削除するようにしてもよい。そのような方法によれば、不正アクセス等から情報を確実に保護することができる。
【0059】
また、以上の実施形態では、リーダライタ40によってタグ装置50に格納されている情報を読み取って、ホストコンピュータ10に対して認証要求を行うようにしたが、例えば、タグ装置50に表示装置を設け、あるいは、タグ装置50に表示装置を接続可能とし、当該表示装置にタグ装置50に格納されている情報を表示し、当該表示された情報を端末装置の入力部30cから入力するようにしてもよい。あるいは、タグ装置50に格納されている情報に基づいて生成された一次元または二次元バーコードを表示し、表示されたバーコードを端末装置で読み取るようにしてもよい。なお、リーダライタ40から読み取られた情報をホストコンピュータ10に送信する際に、例えば、パスワード等を併せて入力し、ホストコンピュータ10においてパスワードも含めて認証を行うことにより、情報の秘匿性を高めるようにしてもよい。なお、当該パスワードは、例えば、タグ装置50の50bに予め記憶しておき、当該パスワードを使用するようにしたり、消費者が小売業者から購入する際に、製造業者側から渡されたパスワードを消費者に対して通知したりしてもよい。あるいは、ワンタイムパスワード発生器を消費者に供与し、当該ワンタイムパスワード発生器によって発生されたパスワードを利用して認証を行うようにしてもよい。
【0060】
また、以上の実施形態では、最終消費者が個人の場合を例に挙げて説明したが、例えば、レストランを営む飲食業者がワインを客に提供する際に、例えば、ソムリエが当該ワインに付されたタグ装置50をリーダライタ40によって読み取ることにより、図16および図17に示す情報を表示部30fに表示させることもできる。これにより、高級ワインの対価に見合う満足を提供することができる。
【0061】
また、以上の実施形態では、消費者が消費した後については説明していないが、消費者が消費した後には、例えば、輸送業者等によって、空のボトルがリサイクルされ、製造業者に戻されるようにしてもよい。そのような方法によれば、タグ装置50およびボトルを有効利用することができる。また、リサイクルされる際に、リーダライタによってタグ装置50に記録された情報を取得してホストコンピュータ10に送信し、図15に示し情報に反映させることにより、消費者所有本数を正確に計数することができる。
【0062】
また、タグ装置50を耐タンパ構造とすることにより、不揮発性メモリ50iに格納されている情報に対する保護を強化するようにしてもよい。より詳細には、タグ装置50の図3に示す回路が封入された保護層が破壊された場合には、回路または回路パターンが動じに破壊されるようにする。これにより、保護層を破壊して、内部の回路を解析することを不可能にすることができるので、不揮発性メモリ50iに格納されている情報の保護を一層強めることができる。また、図9(A)に示す情報については、出荷後に書き換えられることはないので、不揮発性メモリ50iではなく、書き換え不能なROM40bに記録することにより、不正な改変を防止できる。
【0063】
また、以上の実施形態では、タグ装置50は、ボトル71,81の底部に設けるようにしたが、例えば、コルク栓72,82の内部に設けたり、ラベルの裏側に設けたり、ボトル71,81の表面に設けたりするようにしてもよい。
【0064】
また、以上の実施の形態では、非接触型のタグを例に説明したが、接触型のタグであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態の商品情報管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示すホストコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示すリーダライタの構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示すタグ装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】ワインのボトルの底にタグ装置を取り付けた例である。
【図7】ワインのボトルの底にタグ装置を取り付けた他の例である。
【図8】リーダライタとタグ装置の通信の態様を示す図である。
【図9】本実施形態のタグ装置の動作の概略を説明するための図である。
【図10】ボトルワインの流通の過程を示す図である。
【図11】不揮発性メモリに書き込まれる初期情報の一例である。
【図12】不揮発性メモリに書き込まれるデータの一例である。
【図13】ホストコンピュータに格納されているデータの一例である。
【図14】ワインの保管温度を示す図である。
【図15】ホストコンピュータに格納されているデータの一例である。
【図16】端末装置に表示される情報の一例である。
【図17】端末装置に表示される情報の一例である。
【図18】端末装置において実行される処理の一例である。
【図19】ホストコンピュータにおいて実行される処理の一例である。
【符号の説明】
【0066】
10…ホストコンピュータ、20…ネットワーク、30−0〜30−7…端末装置、40−0〜40−7…リーダライタ、50…タグ装置、50a…通信部、50b…ROM、50c…変復調回路、50d…充電監視回路、50e…RAM、50f…CPU、50g…バッテリ、50h…電源回路、50i…不揮発性メモリ、50j…時計、50k…温度センサ、70,80…ボトルワイン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品情報管理システムおよび商品情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、輸送される商品にタグ装置を付して商品の温度と時刻を記録し、ゲート端末装置がタグ装置から受信したデータ中の劣化フラグが立っていた場合には、ゲート端末装置が警告を出力する流通管理システムが開示されている。
【特許文献1】特開2004−217426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1に開示される技術では、タグ装置に記録されている情報は流通過程のみで使用されていたので、例えば、消費者等は当該情報を利用することができず、情報を有効利用することができないという問題点がある。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、商品に付されたタグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能な商品情報管理システムおよび商品情報管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムにおいて、前記端末装置は、前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力受付部と、前記入力受付部を介して入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求部と、前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示部と、を有し、前記サーバ装置は、前記商品に関する情報を記録する記録部と、前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証部と、前記認証部によって正当性が認証された場合には、前記記録部に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信部と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、商品に付されたタグ装置に記録されている情報に基づいて、当該商品に関する情報を取得することができるので、タグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能となる。
【0006】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記タグ装置には、前記商品の製造時において製造業者によって各商品に固有の情報が書き込まれ、前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な製造業者によって製造されたことが認証された場合に、商品に関する情報が表示されるので、それ以外の商品に対して情報の開示を制限できる。
【0007】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、当該商品の製造状況に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な製造業者によって製造されたことが認証された場合には、製造状況に関する情報が呈示されるので、どのような製造状況で製造されたかを知ることができる。
【0008】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記商品は複数の流通過程を経由して流通されるとともに、前記タグ装置にはそれぞれの流通過程に配置されているリーダライタによって各流通過程を経由したことを示す情報が書き込まれ、前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な流通過程を経由したことが認証された場合に、商品に関する情報が表示されるので、それ以外の商品に対して情報の開示を制限できる。
【0009】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、流通過程に存在する同一種類の商品の個数を示す情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な流通過程を経由したことが認証された場合には、流通過程に存在する同一種類の商品の個数を示す情報が呈示されるので、商品の希少性等を知ることができる。
【0010】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記タグ装置は商品が置かれている環境に関する情報を記録し、前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、ことを特徴とする。
この構成によれば、正当な管理がなされたことが認証された場合に、商品に関する情報が表示されるので、それ以外の商品に対して情報の開示を制限できる。
【0011】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記環境に関する情報に基づいて、当該商品の消費時期に関する情報を生成し、前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、正当な管理がなされたことが認証された場合には、商品の消費期限に関する情報が表示されるので、商品が配置されていた環境に応じた最適な時期に消費することができる。
【0012】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記商品はワインであり、前記サーバ装置は、前記ワインの製造業者、流通過程、および、管理状態が正当である場合に、前記商品に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させることを特徴とする。
この構成によれば、商品であるワインの製造業者、流通過程、管理状況が正当である場合に、商品に関する情報が表示されるので、正当で品質が保証できるワインに対してのみ、商品に関する情報を呈示することができる。
【0013】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記入力受付部はリーダライタであり、前記タグ装置に格納されている情報を読み取ることを特徴とする。
この構成によれば、リーダライタによってタグ装置に格納されている情報を読み取ることにより、商品に関する情報を得ることができる。
【0014】
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記タグ装置は格納されている情報を表示装置に表示可能であり、前記入力受付部には前記表示装置に表示された情報または当該情報に基づいて生成された情報が入力されることを特徴とする。
この構成によれば、リーダライタが存在しない場合であっても、表示装置に表示された情報を入力受付部に入力することにより、商品に関する情報を得ることができるので、特に、消費者等にとっては使い勝手がよい。
【0015】
また、本発明は、タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムの商品情報管理方法において、前記端末装置は、前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力ステップと、前記入力ステップにおいて入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求ステップと、前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示ステップと、を有し、前記サーバ装置は、前記商品に関する情報を記録装置に記録する記録ステップと、前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証ステップと、前記認証ステップにおいて正当性が認証された場合には、前記録装置に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信ステップと、を有する、ことを特徴とする。
この構成によれば、商品に付されたタグ装置に記録されている情報に基づいて、当該商品に関する情報を取得することができるので、タグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、商品に付されたタグ装置に記録されている情報を有効に利用することが可能な商品情報管理システムおよび商品情報管理方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下では、本発明の商品情報管理方法は、商品情報管理システムの動作として説明する。
【0018】
(A)実施形態の構成の説明
図1は、本発明の実施形態に係る商品情報管理システムの概略構成を示す図である。図1に示すように、商品情報管理システムは、ホストコンピュータ10、ネットワーク20、端末装置30−0〜30−7、リーダライタ40−0〜40−7、および、タグ装置50を主要な構成要素としている。
【0019】
ここで、ホストコンピュータ10は、図2に示すように、ROM(Read Only Memory)10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、入力部10c、RAM(Random Access Memory)10d、CPU(Central Processing Unit)10e、表示部10f、ネット接続部10gを主要な構成要素とし、HDD10bに格納されているアプリケーションプログラムを実行することにより、リーダライタ40−0〜40−7によってタグ装置50から読み取られた情報を端末装置30−0〜30−7およびネットワーク20を介して取得し、管理する。ここで、ROM10aは、CPU10eが実行する基本的なプログラムおよびデータを格納する。HDD10bは、CPU10eが実行するプログラムおよびデータを格納する。入力部10cは、例えば、キーボードによって構成される。RAM10dは、CPU10eがROM10aまたはHDD10bに格納されているプログラムを実行する際のワーキングエリアとして機能する。CPU10eは、ROM10aまたはHDD10bに格納されているプログラムを実行ことにより装置の各部を制御する。表示部10fは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)によって構成されている。ネット接続部10gは、ネットワーク20を介して端末装置30−0〜30−7との間で情報の授受を行う際にデータの表現形式を変換する。なお、ホストコンピュータ10は、個々の製造業者との契約により割り当てられた商品毎の情報を保存する。また記録された情報への問い合わせに対してはあらかじめ定められた顧客認証手続きにより、登録のない場合は登録を要求し、正常に登録されている問い合わせ元に対しては記録されている情報などをあらかじめ定められた手順に基づいて開示する。開示する情報やデータの形式などは任意に設定、変更することができる。
【0020】
ネットワーク20は、例えば、インターネットによって構成され、ホストコンピュータ10および端末装置30−0〜30−7の間において情報をパケット化して送受信する。端末装置30−0〜30−7は同様の構成とされているので、以下では、これらを端末装置30として説明する。図3に示すように、端末装置30は、ROM30a、HDD30b、入力部30c、RAM30d、CPU30e、表示部30f、ネット接続部30g、および、I/F(Interface)30hを主要な構成要素としている。端末装置30の構成は、ホストコンピュータ10の構成と略同じである。なお、I/F30hには、リーダライタ40が接続され、リーダライタ40によって読み取られた情報を入力する。端末装置30は、HDD30bに格納されているアプリケーションプログラムを実行することにより、リーダライタ40−0〜40−7によって読み出された情報を格納するとともに、格納した情報をホストコンピュータ10に転送する。また、ホストコンピュータ10に格納されている情報に対する照会要求がなされた場合には、ホストコンピュータ10にアクセスしてそこに格納されている情報を取得して呈示する。
【0021】
リーダライタ40−0〜40−7は、品質管理の対象となる製品が通過する各流通過程に配備され、製品に付されたタグ装置50に記録された情報を読み出して確認を行うとともに、各流通過程に固有な情報その他をタグ装置50に書き込む処理を行う。なお、リーダライタ40−0〜40−7は筐体に組み込んだハンディターミナルのような形態であったり、あるいは商品の入庫、出庫の検査をするラインに取り付けるモジュール機器のような形態であったりしてもよい。また消費者が使えるようにパーソナルコンピュータの汎用インタフェース(例えば、USB(Universal Serial Bus)等)に接続して使うものでもよい。なお、この実施の形態では、品質管理の対象となる商品はワイン(特に厳格な温度管理を要求されるAOC(原産地統制呼称ワイン)やVDQS(優良品質限定ワイン)等の高級ワイン)であり、タグ装置50は、後述するようにワインのボトルに取り付けられている。また、端末装置30−0およびリーダライタ40−0は製造業者に配備され、端末装置30−1およびリーダライタ40−1は運送業者に配備され、端末装置30−2,30−3およびリーダライタ40−2,40−3は卸業者に配備され、端末装置30−4およびリーダライタ40−4は運送業者に配備され、端末装置30−5,30−6およびリーダライタ40−5,40−6は小売業者に配備され、端末装置30−7およびリーダライタ40−7は消費者のもとに配備されているものとする。
【0022】
図4は、図1に示すリーダライタ40−0〜40−7の構成例を示す図である。なお、リーダライタ40−0〜40−7は同様の構成とされているので、以下では、これらをリーダライタ40として説明する。リーダライタ40は、図4に示すように、通信部40a、ROM40b、変復調回路40c、入力部40d、RAM40e、CPU40f、表示部40g、I/F40hを主要な構成要素としている。ここで、通信部40aは、アンテナを有し、当該アンテナを介してタグ装置50との間で無線によって情報を授受するとともに、電磁誘導によりタグ装置50に電力を給電する。ROM40bは、プログラムおよびデータを格納しており、ROM40bに格納されているこれらのプログラムおよびデータに基づいてCPU40fが処理を実行することにより、装置の各部が制御される。変復調回路40cは、CPU40fから供給された情報に基づいて搬送波を変調し、通信部40aを介してタグ装置50に送信するとともに、タグ装置50から送信され、通信部40aによって受信された搬送波に重畳されている情報を復調してもとの情報を抽出する。入力部40dは、例えば、キーボード等に入力デバイスによって構成され、操作者の操作に応じた情報を生成して出力する。RAM40eは、CPU40fがROM40bに格納されているプログラムを実行する際にワーキングエリアとして使用される。CPU40fは、ROM40bに格納されているプログラムを実行することにより、装置の各部を制御する中央演算ユニットである。表示部40gは、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、CPU40fから供給された情報を表示する。I/F40hには、端末装置30との間で情報を授受する際にデータの表現形式を変換する処理を実行する。なお、I/F40hは、例えば、イーサネット(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、または、携帯電話キャリアと接続するための通信回路であってもよい。また、入力部40dおよび表示部40gは、リーダライタ40がパーソナルコンピュータと接続される場合には、パーソナルコンピュータの表示部および入力部を使用するようにしてもよい。
【0023】
図5は、図1に示すタグ装置50の構成例を示す図である。タグ装置50は、図5に示すように、通信部50a、ROM50b、変復調回路50c、充電監視回路50d、RAM50e、CPU50f、バッテリ50g、電源回路50h、不揮発性メモリ50i、時計50j、および、温度センサ50kを主要な構成要素としている。ここで、通信部50aは、アンテナを有し、当該アンテナを介してリーダライタ40との間で無線によって情報を授受するとともに、電磁誘導によりリーダライタ40から電力を受電する。ROM50bは、プログラムおよびデータを格納しており、ROM50bに格納されているこれらのプログラムおよびデータに基づいてCPU50fが処理を実行することにより、装置の各部が制御される。変復調回路50cは、CPU50fから供給された情報に基づいて搬送波を変調し、通信部50aを介してリーダライタ40に送信するとともに、リーダライタ40から送信され通信部50aによって受信された搬送波に重畳されている情報を復調してもとの情報を抽出する。充電監視回路50dは、リーダライタ40から送信された電力に基づいてバッテリ50gを充電するとともに、バッテリ50gの充電状態を監視し、監視結果をCPU50fに伝える。RAM50eは、CPU50fがROM50bに格納されているプログラムを実行する際にワーキングエリアとして使用される。CPU50fは、ROM50bに格納されているプログラムを実行することにより、装置の各部を制御する中央演算ユニットである。バッテリ50gは、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池によって構成され、直流電力を発生して電源回路50hに供給する。なお、二次電池の代わりに、例えば、スーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)等を使用することも可能である。電源回路50hは、バッテリ50gから供給された直流電力の電圧が一定になるように制御するとともに、得られた一定電圧の直流電力を装置の各部に供給する。不揮発性メモリRAM50iは、後述するように、温度センサ50kによって測定された温度データおよび日時データを格納するとともに、管理する対象となる商品であるワインに関する情報を記憶する。時計50jは、例えば、RTC(Real Time Clock)によって構成され、日時情報を生成して出力する。また、時計50jは、設定された日時になるとタイマ割り込みを発生する。温度センサ50kは、例えば、サーミスタまたは熱電対等によって構成され、品質管理の対象となるワインの温度を測定して対応する温度データを出力する。
【0024】
図6は、タグ装置50をボトルワイン70のボトル71に取り付けた例を示す図である。図6の例では、ボトルワイン70のボトル71の内部には液体のワイン73が貯留されるとともに、口にはコルク栓72が挿入されている。また、ボトル71の底部にはタグ装置50が封入されている。なお、温度センサ50kは、ボトル71を構成するガラスに接触するように配置されているので、ボトル71の温度が遅滞なく、温度センサ50kによって検出される。
【0025】
図7は、タグ装置50をボトルワイン80のボトル81に取り付けた他の例を示す図である。図7の例では、ボトルワイン80のボトル81の内部には液体のワイン83が貯留されるとともに、口にはコルク栓82が挿入されている。また、ボトル81の底のくぼみ内には、タグ装置50が取り付けられるとともに、樹脂84によってタグ装置50が封止されている。なお、温度センサ50kは、前述の場合と同様に、ボトル81を構成するガラスに接触するように配置されているので、ボトル81の温度が遅滞なく、温度センサ50kによって検出される。なお、以下では、ボトルワイン70を例に挙げて説明するが、図6または図7のどちらの構成を採用してもよい。
【0026】
図8は、ボトルワイン70に取り付けられたタグ装置50とリーダライタ40との間の通信の形態を示す図である。図8(A)の例では、通信対象となるボトルワイン70が1本の場合であり、このような場合にはボトルワイン70に取り付けられたタグ装置50とリーダライタ40とは1対1の通信を行う。一方、図8(B)に示すように、通信対象となるボトルワイン70が複数存在する場合には、通信モジュール90を介して通信を行うようにしてもよい。すなわち、図8(B)の例では、輸送コンテナのように複数のボトルワイン70が配置されている場合には、コンテナの内部に個々のボトルワイン70と通信可能な通信モジュール90を設置し、外部のリーダライタ40とコンテナ内部のボトルワイン70のタグ装置50との通信を仲介するようにしてもよい。
【0027】
(B)実施形態の動作の説明
つぎに、本発明の実施形態の動作について説明する。なお、以下では、まず、本発明の実施形態の動作の概要について説明し、つぎに、ボトルワイン70の流通過程と、それぞれの流通過程におけるタグ装置50の動作を説明した後、小売業者または消費者が有する端末装置30−6または端末装置30−7からホストコンピュータ10に記録されている情報に対して照会の要求がなされた場合の動作について説明する。
【0028】
(B−1)実施形態の動作の概要
図9は、本発明の実施形態の動作の概要を説明するための図である。この図に示すように、本実施形態では、ボトルワイン70は、エリア0〜5の複数の流通過程を経由して消費者のもとに届けられる。製造業者の管理するエリア0では、ボトルワイン70に付されたタグ装置50には、初期情報として製造番号その他の情報がリーダライタ40−0によって書き込まれるとともに、エリア0を経由したことを示す情報が書き込まれる。そして、タグ装置50に書き込まれた情報(初期情報およびエリア0を経由したことを示す情報)はネットワーク20を介してホストコンピュータ10に送信され、そこに記録される。初期情報等が書き込まれたボトルワイン70は、製造業者のもとに一時的に保管されるが、その際、タグ装置50は、バッテリ50gに蓄電されている電力に基づいて、ボトルワイン70の温度を所定の頻度で測定し、不揮発性メモリ50iに測定日時データとともに格納する。製造業者から運送業者にボトルワイン70が出荷されると、運送業者ではリーダライタ40−1によって、タグ装置50に記録されているエリア0の温度データを取得し、温度異常が発生していないかを確認し、異常が発生していない場合には、記録情報をホストコンピュータ10に転送して記録するとともに、エリア1を経由したことを示す情報をタグ装置50とホストコンピュータ10に書き込む。また、温度異常が発生している場合には、ワインの品質に問題が生じているとして流通過程から外される。このような処理は、各エリアにおいて実行され、各エリアにおいてそれぞれのリーダライタ40により、記録情報が読み取られて温度異常が発生していないか判定され、発生していない場合には、ホストコンピュータ10に記録情報が転送されて記録されるとともに、エリアを経由したことを示す通過情報がタグ装置50とホストコンピュータ10に記録される。
【0029】
ところで、消費者が小売業者の店舗においてボトルワイン70を購入しようとする際、または、自宅においてボトルワイン70を消費しようとする際、その品質を確認したい場合がある。例えば、後者の場合には、消費者は自宅に配置されているリーダライタ40−7によって対象となるボトルワイン70のタグ装置50を読み取る。その結果、リーダライタ40−7は、タグ装置50に格納されている製品番号等を読み取り、端末装置30−7を介してホストコンピュータ10に送信し、証明書等を送信するように要求する。ホストコンピュータ10では、送られてきた製品番号等に基づいて当該ボトルワイン70の正当性を認証する。ここで、正当性とは、当該ボトルワイン70が、正規の製造業者によって製造され、正規の流通過程を経由し、かつ、適切な管理がなされたことである。まず、正規に製造されたか否かについては、タグ装置50に記録されている固有の番号である製造番号等がホストコンピュータ10に記録されているか否かによって確認される。つぎに、正規の流通過程を経由したか否かについては、ホストコンピュータ10に記録されている通過情報に基づいて判断される。正規の流通過程を経由している場合には、ホストコンピュータ10には全ての流通過程に関する通過情報が格納されているので、これに基づいて判断する。さらに、適切な管理がなされたか否かについては、ホストコンピュータ10に記録されている温度の記録情報に基づいて判断される。そして、これらを全て満足している場合には、正当なボトルワイン70であると判断され、ホストコンピュータ10から、ワインの証明書が端末装置30−7に対して送信され、消費者は、当該ボトルワイン70に対する証明書を参照することができる。また、証明書とともに、例えば、各流通過程を通過したことを示す情報や、温度に関する記録情報についても併せて表示することにより、消費者は、品質に対するより一層の安心を得ることができる。なお、認証の際に、タグ装置50に記録されている情報と、ホストコンピュータ10に記録されている情報が一致することを条件として、正当性を判断するようにしてもよい。つまり、製造番号等、通過情報、および、温度の記録情報がタグ装置50とホストコンピュータ10とで一致するか否かに基づいて正当性を判断することにより、なりすましを確実に判断できるようにしてもよい。
【0030】
(B−2)ボトルワインの流通過程における動作
つぎに、図10を参照して、ボトルワイン70の流通過程と、各流通過程において記録される情報について説明する。まず、エリア0の製造業者では、ワインを製造し、ボトル71に詰めてボトルワイン70とし、出荷可能な状態にする(P1)。ボトル詰めが終了すると、ボトル71に組み込んであるタグ装置50に対して、リーダライタ40−0を用いて、初期情報を書き込む(P2)。初期情報としては、図11に示す情報と、図12に示す情報とが存在する。図11は、初期情報として書き込まれる情報の一例を示している。この例では、初期情報としては、図11(A)に示す商品固有の情報と、図11(B)に示す流通過程における各エリアに関する情報とが存在する。より具体的には、図11(A)に示す例では、「メーカ名」、「商品名」、「製造工場番号」、「製造番号」、および、「製造順位」が存在し、この例では、これらはそれぞれ「ABC」、「DEF」、「ABC12345」、「DEF54321」、「2343」とされている。なお、製造順位とは同じ商品名を有するボトルワインのうち、当該ボトルワインが製造された順番を示している。また、図11(B)に示すように、流通過程における各エリアに関する情報としては、各エリアに配置されたリーダライタ40−0〜40−7が有する「ID」、「エリア番号」、「記録頻度」、および、「通過チェック」が存在する。ここで、「ID」はリーダライタ40−0〜40−7がそれぞれ有する固有の情報であり、タグ装置50の情報を読み書きする際に、リーダライタ40−0〜40−7から送信される。IDを受信したタグ装置50では、格納されているいずれかのIDと一致するか否かを判定し、一致する場合には正規のリーダライタであるとして、情報の読み書きを開始し、それ以外の場合には読み書きを拒否する。「エリア番号」は、各IDを有するリーダライタが属するエリアの番号である。また、「記録頻度」は、温度データを測定して記録する頻度を示し、例えば、「24h」は24時間で1回記録することを示す。「通過チェック」は、初期状態では「0」とされ、各リーダライタによって情報の読み書きがなされた場合に「1」に変更され、当該エリアを通過したことを示す。なお、図11(B)の第1行目の情報は、「エリア0」では、リーダライタのIDは「00000」であり、記録頻度は「24h」で1回であることを示している。また、この例では、通過チェックは未チェック「0」とされている。
【0031】
図12は、各エリアにおいて測定された温度データの格納状態を示している。この例では、エリア0〜6までの領域が確保されている。エリア0については、測定日時および温度を示すデータが格納され、他のエリアについては初期値である「FF」が格納されている。本実施形態では、各エリアに保管される最長の時間と記録頻度が予め分かっていることから、初期情報の書き込み時においては、不揮発性メモリ50iに、エリア毎に必要な領域が確保されるとともに、各領域に対して初期値である「FF」の書き込みが実行される。
【0032】
つまり、図10に示す初期情報の書き込み(P2)時には、リーダライタ40−0によって、図11(A)および(B)に示す情報が、タグ装置50の不揮発性メモリ50iに対して書き込まれるとともに、図12に示すように、各エリアに対応する領域が不揮発性メモリ50iに確保されて初期値「FF」が書き込まれる。また、エリア0を正規に経由したことから、エリア0の通過チェックが「1」に変更される。さらに、このとき、充電監視回路50dは、リーダライタ40−0から送信された電力に基づいて、バッテリ50gを充電し、満充電の状態とする。初期情報が書き込まれると、タグ装置50は、図11(B)の最初に格納されている情報(エリア0の情報)の記録頻度(24h)を取得し、これを時計50jに設定するとともに、消費電力の少ないスリープモードに移行する。その結果、時計50jは24時間毎に割り込みを発生するので、CPU50fは、割り込みが発生すると、スリープモードから通常動作モードに移行し、その時点の日時および温度を時計50jおよび温度センサ50kから取得して不揮発性メモリ50iに格納し、格納が終了するとまたスリープモードに戻る。
【0033】
一方、リーダライタ40−0は、タグ装置50に書き込んだ初期情報と通過チェックとを、端末装置30−0に送信する。端末装置30−0では受信した初期情報をデータベースに保存するとともに、ホストコンピュータ10に送信する。なお、その際、端末装置30−0から所定の情報(例えば、パスワード等)をホストコンピュータ10に送信して認証することにより、なりすましによって情報が偽造されることを防止できる。ホストコンピュータ10では、送信された情報をネット接続部10gを介して受信し、HDD10bに存在するデータベースに格納する。図13は、ホストコンピュータ10のHDD10bに記録されている情報の一例を示している。この図13に示すように、HDD10bに記録される情報としては、「製造情報」、「流通情報」、「管理情報」、「品質情報」、および、「助言情報」がある。ここで「製造情報」は初期情報としてタグ装置50に登録される情報と同じ情報である。「流通情報」は、流通過程の各エリアを当該ボトルワイン70が経由したか否かを示す図11(B)の通過チェックに対応する情報が記録される。「管理情報」は、流通過程の各エリアにおける当該ボトルワイン70の保管温度を示す図12に対応する情報が記録される。「品質情報」は、当該ワインの糖度、アルコール度数、渋み、気候条件等を示す情報であり、当該情報は、同じ商品名のボトルワイン70では共通であるので、品質情報としては当該商品に関する情報が記載されたデータ(HTML(Hyper Text Markup Language)文書)のファイル名(quality.html)が格納されている。「助言情報」は、当該ワインの最適な保管温度、最適な食べ合わせ料理等を示す情報であり、当該情報は、同じ商品名のボトルワイン70では共通であるので、助言情報としては当該商品に関する情報が記載されたデータ(HTML文書)のファイル名(advice.html)が格納されている。なお、「品質情報」と「助言情報」の一部をボトルワイン70毎に変えて表示する場合には、例えば、CGI(Common Gateway Interface)等を用いて、個々のボトルワイン70の状況に応じて個別に情報を生成することもできる。例えば、個々のボトルワイン70の製造から消費者に届くまでに要した期間に応じて、飲み頃となる時期を個別に表示するような場合である。
【0034】
初期情報等の書き込みが完了すると、ボトルワイン70は、製造業者の倉庫に、例えば、1ヶ月間保管される(P3)。倉庫に保管されている際、タグ装置50は、前述したように、24時間毎にスリープモードから通常動作モードに移行し、温度データと日時データを取得して不揮発性メモリ50iのエリア0に対応する領域に格納し、再度、スリープモードに移行する。このような動作を繰り返すことにより、倉庫に保管されている際の温度データを取得して格納することができる。格納されるデータの具体例としては、図12に示すように「測定日時」と「温度」とがある。図12の場合、第1行目には、「測定日時」として「FST:2008/11/20 5:21」が格納され、「温度」として「13.5」が格納されている。ここで「FST」はFrench Summer Timeの略であり、フランス夏時間であることを示している。なお、ボトルワイン70の運送によってタイムゾーンが変わる場合には、リーダライタ40によって情報を読み書きする際に、時計50jの発生する日時が更新される。
【0035】
温度センサ50kは、検出された温度が正常な範囲でない場合には、割り込みを発生し、温度が異常であることをCPU50fに通知する。より詳細には、温度センサ50kは、図14に示すように、検出した温度がワインの保管に最適な12〜14℃の範囲(最適温度範囲Z0)である場合には、割り込みを発生しない。しかしながら、0〜12℃または14〜20℃の範囲(要注意温度範囲Z1,Z3)では、例えば、2時間に1回の割合で割り込みを発生する。また、0℃未満または20℃を超える範囲(危険温度範囲Z2,Z4)の範囲では、例えば、1時間に1回の割合で割り込みを発生する。温度センサ50kから割り込みが発生した場合には、CPU50fは、設定されている記録頻度に拘わらず、温度センサ50kから取得した温度データと日時データとを不揮発性メモリ50iに記録する。これにより、温度の異常が発生した場合には、異常な状況を逃さずに正確に記録することができる。
【0036】
倉庫に保管されたボトルワイン70は、つぎに、運送業者に引き渡される。このとき、運送業者は、リーダライタ40−1によって、出荷情報の書き込みを行う(P4)。より詳細には、リーダライタ40−1からはIDとして「11111」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、つぎのエリアがエリア1であることを認識する。また、記録頻度は「1h」であることを認識するとともに、エリア1を経由したことから、エリア1の通過チェックを「0」から「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア0に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報(例えば、「EF」)を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−1から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−1は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が正常であるか否かを判定する。すなわち、リーダライタ40−1は、タグ装置50から取得した温度データが最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、運送業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常でないことを知ることができるので、当該ボトルワイン70については、その後の流通過程から除外する。また、当該ボトルワイン70については、製造業者の不備によって品質が劣化したことを知ることができる。保管温度が正常と判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは端末装置30−1のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−0およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−0およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。すなわち、ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア1の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア0に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。なお、なりすましによるデータの偽造を防ぐために、パスワード等による認証を行うようにしてもよいのは端末装置30−0の場合と同様である。製造業者は端末装置30−0に記録されたデータを参照することにより、自エリアにおける保管状態を知ることができる。また、ホストコンピュータ10にデータを保存することにより、当該ボトルワインを購入しようとする消費者または購入した消費者が流通過程における状況を知ることができる。リーダライタ40−1による情報の読み書きが終了すると、運送業者は、製造業者から卸業者までボトルワインを運送する(P5)。この運送期間は、例えば、5日間程度である。運送の間、タグ装置50は、記録頻度である「1h」に基づいて、1時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア1に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を詳細に記録する。
【0037】
運送業者によってボトルワイン70が、卸業者に届けられると、卸業者はリーダライタ40−2によって入荷情報の書き込みを行う(P6)。より詳細には、リーダライタ40−2からはIDとして「22222」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア2であることを認識する。また、記録頻度は「24h」であることを認識するとともに、エリア2を経由したことから、エリア2の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア1に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−2から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−2は、タグ装置50に格納されているエリア1に対する温度データを取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、卸業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとが、端末装置30−2のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−1およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−1およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア2の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア1に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。運送業者は端末装置30−1に記録されたデータを参照することにより、自エリアにおける保管状態を知ることができる。また、ホストコンピュータ10にはそれまでの流通過程における保管状況が累積的に保存されるため、当該ボトルワインを購入した消費者が流通過程における状況を知ることができる。リーダライタ40−2による情報の読み書きが終了すると、卸業者は、運送業者から引き渡されたボトルワイン70を一時的に保管する(P7)。この一時保管期間は、例えば、1週間程度である。一時保管の間、タグ装置50は、24時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行し、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア2に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を詳細に記録する。
【0038】
一時保管期間が終了すると、卸業者は、市場の流通状況や小売店舗の在庫状況により卸業者所有の倉庫にボトルワイン70を保管する。このとき、卸売業者は、倉庫に保管する前に、リーダライタ40−3によって入庫情報の書き込みを行う(P8)。より詳細には、リーダライタ40−3からはIDとして「33333」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア3であることを認識する。また、記録頻度は「168h」であることを認識するとともに、エリア3を経由したことから、エリア3の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア2に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−3から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−3は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、卸業者は、ボトルワイン70の一時保管中の保管状況が正常か否かを知ることができる。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−3のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−2およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−2およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア3の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア2に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−3による情報の読み書きが終了すると、卸業者は、ボトルワイン70を倉庫に保管する(P9)。この保管期間は、例えば、最長で4ヶ月程度である。保管の間、タグ装置50は、168時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア3に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。なお、当該保管期間中の記録頻度は1週間に1回と非常に長いため、記録と記録の間に異常が発生することも考えられるが、そのような場合であっても温度センサ50kからの割り込みによって、当該異常は1時間に1回または2時間に1回の頻度で記録される。
【0039】
卸業者の倉庫に保管されたボトルワイン70は、つぎに、運送業者に引き渡される。このとき、運送業者は、リーダライタ40−4によって、出荷情報の書き込みを行う(P10)。より詳細には、リーダライタ40−4からはIDとして「44444」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア4であることを認識する。また、記録頻度は「1h」であることを認識するとともに、エリア4を経由したことから、エリア4の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア3に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらにまた、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−4から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−4は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、運送業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。正常でない場合には、その後の流通過程から除外する。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−4のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−3およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−3およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア4の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア3に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−4による情報の読み書きが終了すると、運送業者は、卸業者のもとから、小売業者のもとまでボトルワイン70を運送する(P11)。この運送期間は、例えば、5日間程度である。運送の間、タグ装置50は、1時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア4に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。
【0040】
運送業者によってボトルワイン70が、小売業者に届けられると、小売業者はリーダライタ40−5によって入荷情報の書き込みを行う(P12)。より詳細には、リーダライタ40−5からはIDとして「55555」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア5であることを認識する。また、記録頻度は「24h」であることを認識するとともに、エリア5を経由したことから、エリア5の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア4に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−5から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−5は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、小売業者は、ボトルワイン70を引き渡される際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。正常でない場合には、陳列および販売の対象から除外する。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−5のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−4およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−4およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア5の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア4に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−5による情報の読み書きが終了すると、小売業者は、運送業者から引き渡されたボトルワイン70を陳列して販売する(P13)。この陳列販売期間は、例えば、2週間程度である。陳列販売の間、タグ装置50は、24時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア5に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。
【0041】
陳列販売されているボトルワイン70が消費者によって購入される際には、小売店では、リーダライタ40−6によって販売情報の書き込みを行う(P14)。より詳細には、リーダライタ40−6からはIDとして「66666」が送信されるので、これを受信したタグ装置50では、図11(B)に示す情報を参照し、IDが一致することから、正規のリーダライタであるとして認証するとともに、エリア6であることを認識する。また、記録頻度は「168h」であることを認識するとともに、エリア6に入ったことから、エリア6の通過チェックを「1」に変更する。さらに、図12に示すエリア5に対応する領域の最後に「End of File」を示す情報を格納する。さらに、タグ装置50の充電監視回路50dは、リーダライタ40−6から送信された電力によりバッテリ50gを満充電の状態にする。一方、リーダライタ40−6は、タグ装置50に格納されている情報を取得し、保管温度が最適温度範囲である12〜14℃の範囲内に収まっているか否かを判定し、収まっていない場合には、保管温度が正常でないとして、例えば、警告等を発する。これにより、消費者は、ボトルワイン70を購入する際に、それまでの保管状況が正常か否かを知ることができる。なお、正常でない場合には、消費者への販売を中止する。保管温度が正常であると判断された場合には、タグ装置50から取得された温度データと通過チェックとは、端末装置30−6のデータベースに対して登録されるとともに、端末装置30−5およびホストコンピュータ10に対して送信される。そして、端末装置30−4およびホストコンピュータ10に対しても同様のデータが登録される。ホストコンピュータ10では、図13に示す流通情報のエリア6の通過チェックが「1」に変更されるとともに、管理情報のエリア5に対応する領域に測定日時データと温度データとが格納される。リーダライタ40−6による情報の読み書きが終了すると、消費者は、小売業者から購入したボトルワイン70を自宅のワインセラー等に保管し、消費する(P15)。この保管消費期間は、例えば、1ヶ月程度である。保管されている間、タグ装置50は、168時間に1回の頻度で、スリープモードから通常動作モードに移行して、温度データおよび日時データを取得し、図12のエリア6に対応する領域に格納する。また、温度の異常が発生した場合には、温度センサ50kからの割り込みに基づいて、異常な温度の状況を正確に記録する。このように、消費者のもとにおいても、温度データを記録することにより、例えば、ワインの品質に対するクレームが消費者からなされた場合であっても、タグ装置50に記録されている温度データを参照することにより、消費者の保管状況が適切であったか否かを知り、クレームに対して適切に対応することができる。
【0042】
なお、ホストコンピュータ10では、CPU10eは、所定の頻度(例えば、1日1回)で、HDD10bに格納されているデータを集計する処理を実行する。すなわち、CPU10eは、それぞれの商品毎に、総生産本数、流通過程存在本数、および、消費者所有本数を集計し、図15に示す情報として、HDD10bに格納する。図15の例では、CPU10eは、図13に示す情報において、商品名が「DEF」である商品に関する情報がいくつ格納されているかにより、総生産本数を求める。また、図13に示す流通情報を参照し、エリア6の通過チェックが「0」である情報の数をカウントすることにより、流通過程存在本数を求める。また、エリア6の通過チェックが「1」である情報の数をカウントすることにより、消費者所有本数を求める。
【0043】
つぎに、ボトルワイン70が小売店に陳列されている場合、または、消費者によって購入された場合において、当該ボトルワイン70に関する情報を表示する場合について説明する。すなわち、消費者が陳列されているボトルワイン70を購入するに際し、そのボトルワイン70の真贋または品質等について知りたいと思う場合がある。あるいは、消費者がボトルワイン70の購入後に、当該ボトルワイン70の品質について知りたいと思う場合がある。そのような場合には、小売業者または消費者が、端末装置30−6または端末装置30−7を操作して、ホストコンピュータ10に格納されている情報を取得するためのアプリケーションプログラムを起動するとともに、リーダライタ40−6またはリーダライタ40−7によってタグ装置50の情報を読み取る。例えば、消費者が自己の所有するリーダライタ40−7によってタグ装置50を読み取る操作を行うと、タグ装置50から図11(A)に格納されている情報が読み取られ、端末装置30−7を介してホストコンピュータ10に送信される。ホストコンピュータ10では、送られてきた情報に対応するデータをHDD10bから検索する。なお、ボトルワイン70の所有者以外のアクセスを禁止するために、例えば、短時間(例えば、1分間)の間だけ有効性を有するワンタイムパスワードを使用し、ホストコンピュータ10によって当該ワンタイムパスワードが認証された場合にのみアクセスを許可するようにしてもよい。ホストコンピュータ10のHDD10bに該当する情報が格納されている場合には、CPU10eは、正当な製造業者によって製造されたと判定する。
【0044】
つぎに、CPU10eは、HDD10bに格納されている該当する情報の流通情報を参照し、通過チェックが全て「1」になっているか否かを判定する。その結果、通過チェックが全て「1」になっている場合には、CPU10eは、正当な流通過程を経由していると判定する。なお、小売業者に陳列されている場合には、エリア6は「0」の状態であるので、これについては無視する。つぎに、CPU10eは、HDD10bに格納されている該当する情報の管理情報を参照し、それまでの流通過程における温度管理が適正であったか否かを判定する。その結果、温度異常が発生していない場合には、CPU10eは、正当な管理がされていると判定する。なお、その際に、ホストコンピュータ10に格納さている情報と、タグ装置50に格納されている情報を比較し、これらが一致することも含めて判定するようにしてもよい。そのような方法によれば、なりすましによる情報の不正な取得を防止できる。
【0045】
そして、これら3つの判定を全てクリアした場合には、CPU10eは、正当な製造業者によって製造され、正当な流通過程を経由し、正当な管理がされていると判定し、例えば、図16(A)に示すような「ワイン品質証明書」を端末装置30−7に送信して、表示部30fに表示させる。この表示例では、タイトルとしての「ワイン品質証明書」が表示され、その下にはメッセージとしての「以下の通り、品質を証明します。」が表示されている。また、その下には、「メーカ名:ABC」、「商品名:DEF」、「製造工場番号:ABC12345」、および、「製造番号:DEF54321」が表示されている。なお、図16(A)以外にも、例えば、図16(B),(C)および図17(A)〜(C)に示す情報を表示させるようにしてもよい。すなわち、図16(B)の表示例では、タイトルとしての「ワイン流通証明書」が表示され、その下にはメッセージとしての「以下の通り、流通経路を証明します。」が表示されている。また、その下には、エリア0〜5までの各エリアの名称(例えば、エリア0では「ABC」)と、各エリアを通過した日時が示されている。図16(C)の表示例では、タイトルとしての「ワイン管理証明書」が表示され、その下にはメッセージとしての「以下の通り、管理状況を証明します。」が表示されている。また、その下には、エリア0〜5までの各エリアにおける温度の推移を示すグラフと、メッセージとしての「平均管理温度:13.2℃」が表示されている。
【0046】
図17(A)に示す表示例では、タイトルとしての「ワイン品質情報」が表示され、その下にはメッセージとしての「ワインの品質に関する情報は以下の通りです。」が表示されている。また、その下には、「冬の降雨量:250mm」、「育成期平均気温:24℃」、「収穫期降雨量:82mm」、「アルコール度数:14度」、「渋み:7/10」、および、「糖度:5%」が表示されている。図17(B)に示す表示例では、タイトルとしての「ワイン流通量情報」が表示され、その下にはメッセージとしての「ワインの流通量に関する情報は以下の通りです。」が表示されている。また、その下には、「総生産本数:5632本」、「流通過程存在本数:1233本」、「消費者保有本数:1567本」、「生産順位:2343/5632」、および、「但し、2009/4/20現在」が表示されている。図17(C)に示す表示例では、タイトルとしての「お客様へのアドバイス」が表示され、その下にはメッセージとしての「・ビン詰めされてから4ヶ月経過していますので、飲み頃は来月の初旬頃となります。」、「・最適な食べ合わせ料理は仔牛フィレ肉のソテーです。」、および、「・最適な保管温度は12〜14℃です。」が表示されている。
【0047】
以上の情報を参照することにより、消費者は当該ボトルワイン70が正当な製造業者によって製造され、正当な流通過程を経由しており、また、正当な温度管理がなされていることを知ることができる。また、消費者は、ワインの品質に関する情報、ワインの流通量に関する情報、および、当該ワインに関するアドバイスを得ることができるので、ボトルワイン70についてより詳しく知ることができる。特に、高級ワインの場合には、製造本数および流通本数がワイン自体の価値を決める重要な要素となるので、このような情報を知ることにより、どのような形態によって消費するか(例えば、家族だけで消費するか、あるいは、パーティー等で重要な知人と一緒に消費するか)を決めるための参照とすることができる。
【0048】
(B−3)端末装置およびホストコンピュータにおいて実行される処理
図18は端末装置30−6または端末装置30−7において実行される処理の一例を示す図であり、図19はホストコンピュータ10において実行される処理の一例を示す図である。図18に示す処理が開始されると、ステップS10において、CPU30eは、リーダライタ40を介してタグ装置50から製造情報を読み取る。そしてステップS11において、CPU30eは、取得した製造情報をネットワーク20を介してホストコンピュータ10に送信し、認証の要求を行う。この結果、ホストコンピュータ10では、認証処理が実行され、製造業者、流通過程、および、管理状態の正当性の判定がなされ、これら全てが正当であると判定された場合には、端末装置30に対して認証の成功を通知する。ステップS12では、CPU30eは、認証に成功したか否かを判定し、認証に成功したと判定した場合(ステップS12;Yes)にはステップS13に進み、それ以外の場合(ステップS12;No)には処理を終了する。
【0049】
ステップS13では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン品質証明書を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図16(A)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す製造情報に基づいて生成される。ステップS14では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン流通証明書を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図16(B)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す流通情報に基づいて生成される。ステップS15では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン管理証明書を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図16(C)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す管理情報に基づいて生成される。
【0050】
ステップS16では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン品質情報を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図17(A)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す品質情報に格納されているファイル名に対応するデータに基づいて生成される。ステップS17では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からワイン流通量情報を受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図17(B)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図15に示す情報に基づいて生成される。ステップS18では、CPU30eは、ホストコンピュータ10からお客様へのアドバイスを受信し、表示部30fに表示する。その結果、表示部30fには、図17(C)に示すような情報が表示される。なお、このような情報は、図13に示す助言情報に格納されているファイル名に対応するデータに基づいて生成される。
【0051】
つぎに、図19を参照して、ホストコンピュータ10において実行される処理について説明する。図19の処理が開始されると、ステップS30において、CPU10eは、認証の要求が端末装置30からなされたか否かを判定し、要求がなされたと判定した場合(ステップS30;Yes)にはステップS31に進み、それ以外の場合(ステップS30;No)は同様の処理を繰り返す。ステップS31では、CPU10eは、製造情報を端末装置30から受信する。ステップS32では、CPU10eは、HDD10bに該当する製造情報(図13に示す情報)が格納されているか否かを判定し、該当する製造情報が存在する場合(ステップS32;Yes)にはステップS34に進み、それ以外の場合(ステップS32;No)にはステップS33に進む。ステップS33では、CPU10eは、認証に失敗したことを端末装置30に対して通知する。その結果、端末装置30では、ステップS12においてNoと判定される。ステップS34では、CPU10eは、HDD10bに格納されている流通情報を参照し、当該ボトルワイン70が全ての流通過程を通過していると判定した場合(ステップS34;Yes)にはステップS35に進み、それ以外の場合(ステップS34;No)にはステップS33に進む。ステップS35では、CPU10eは、HDD10bに格納されている管理情報を参照し、当該ボトルワイン70が全ての流通過程において正常な温度範囲に保たれていたと判定した場合(ステップS35;Yes)にはステップS36に進み、それ以外の場合(ステップS36;No)にはステップS33に進む。
【0052】
ステップS36では、CPU10eは、製造情報に基づいて生成したワイン品質証明書を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図16(A)に示すワイン品質証明書が表示部30fに対して表示される。ステップS37では、CPU10eは、流通情報に基づいて生成したワイン流通証明書を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図16(B)に示すワイン流通証明書が表示部30fに対して表示される。ステップS38では、CPU10eは、管理情報に基づいて生成したワイン管理証明書を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図16(C)に示すワイン管理証明書が表示部30fに対して表示される。ステップS39では、CPU10eは、品質情報に示されるファイル名に対応するデータに基づいて生成したワイン品質情報を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図17(A)に示すワイン品質情報が表示部30fに対して表示される。ステップS40では、CPU10eは、図15に示す情報に基づいて生成したワイン流通量情報を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図17(B)に示すワイン流通量情報が表示部30fに対して表示される。ステップS41では、CPU10eは、助言情報に示されるファイル名に対応するデータに基づいて生成したお客様へのアドバイス情報を端末装置30に対して送信する。この結果、端末装置30では、図17(C)に示すお客様へのアドバイス情報が表示部30fに対して表示される。
【0053】
以上の実施形態によれば、小売業者または消費者が端末装置30を操作して、ボトルワイン70に付与されているタグ装置50に記録されている情報をリーダライタ40によって読み取ると、ホストコンピュータ10において、当該ボトルワイン70の正当性が判定され、正当であると判定された場合にのみ、当該ボトルワイン70に関する情報が表示されるようにしたので、タグ装置50に記録されている情報を有効に利用することができるとともに、ボトルワイン70の正当性を知ることが可能になる。
【0054】
また、以上の実施形態では、製造業者、流通過程、および、管理状態が正当になされている場合にのみ、正当性を保証するようにしたので、本来、流通過程から除外されるべき商品に対して正当性が保証されることを防止できる。これにより、例えば、流通過程から除外されたボトルワインが、不正に販売された場合には、正当性が保証されないことから、不正な販売であることを知ることができる。また、ワインのように高級商品であり、しかも、品質管理が重要である商品については、製造業者、流通過程、および、管理状態の全てが適正である場合にのみ販売に供せられることを担保できるので、商品に化体する業務上の信用を確実に保護することができる。
【0055】
また、以上の実施形態では、商品の正当性が認証された場合に、製造状況に関する情報を呈示するようにしたので、当該商品を購入した消費者に対して、製造状況に関する有益な情報を与えることができる。また、商品の正当性が認証された場合に、同一種類の商品の流通過程に存在する個数に関する情報を呈示するようにしたので、当該商品を購入した消費者に対して、当該商品の希少性等を示すことにより、一層の価値を醸成することができる。また、商品の正当性が認証された場合に、消費時期に関する情報を呈示するようにしたので、当該商品を購入した消費者に対して、例えば、ワインの飲み頃に関する情報を呈示することにより、ワインをより好ましい時期に消費させることができる。
【0056】
(C)変形実施の態様
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能であることは勿論である。
例えば、以上の実施の形態では、ホストコンピュータ10は1台とし、端末装置30−0〜30−7およびリーダライタ40−0〜40−7はそれぞれ8台としたが、これ以外の台数であってもよい。
また、流通過程としては、図10に示す5カ所を例に挙げて説明したが、これ以外の流通過程が含まれるようにしてもよい。また、流通過程がこれよりも少なくてもよい。
【0057】
また、以上の実施の形態では、不揮発性メモリ50iに記録される情報としては、日時データと温度データの2種類としたが、これ以外の情報を含むようにしてもよい。具体的な例としては、例えば、気圧センサ、湿度センサ、傾斜センサ、衝撃センサ、または、光センサ等を設け、これらによって検出された情報を取得して不揮発性メモリ50iに記録するようにしてもよい。これらのセンサを設けることにより、例えば、ボトルワインが、常圧とは異なる気圧にさらされて液漏れを生じたり、保存に最適とされる70%以下の湿度となってコルク栓が劣化したり、ボトルが傾けられてコルクが濡れていない状態となったり、ボトルに強い衝撃が加わったり、あるいは、ワインが必要以上に光にさらされていないかを知ることができる。また、タグ装置50を備える対象の商品として、ボトルワインを例に挙げて説明したが、これ以外の商品に備えるようにしてもよい。
【0058】
また、以上の実施の形態では、タグ装置50は、正規のリーダライタ以外からアクセスされた場合はアクセスを受け付けないようにしたが、不正なアクセスがなされた場合は、CPU50fが不揮発性メモリ50iに格納されている情報を自動的に削除するようにしてもよい。そのような方法によれば、不正アクセス等から情報を確実に保護することができる。
【0059】
また、以上の実施形態では、リーダライタ40によってタグ装置50に格納されている情報を読み取って、ホストコンピュータ10に対して認証要求を行うようにしたが、例えば、タグ装置50に表示装置を設け、あるいは、タグ装置50に表示装置を接続可能とし、当該表示装置にタグ装置50に格納されている情報を表示し、当該表示された情報を端末装置の入力部30cから入力するようにしてもよい。あるいは、タグ装置50に格納されている情報に基づいて生成された一次元または二次元バーコードを表示し、表示されたバーコードを端末装置で読み取るようにしてもよい。なお、リーダライタ40から読み取られた情報をホストコンピュータ10に送信する際に、例えば、パスワード等を併せて入力し、ホストコンピュータ10においてパスワードも含めて認証を行うことにより、情報の秘匿性を高めるようにしてもよい。なお、当該パスワードは、例えば、タグ装置50の50bに予め記憶しておき、当該パスワードを使用するようにしたり、消費者が小売業者から購入する際に、製造業者側から渡されたパスワードを消費者に対して通知したりしてもよい。あるいは、ワンタイムパスワード発生器を消費者に供与し、当該ワンタイムパスワード発生器によって発生されたパスワードを利用して認証を行うようにしてもよい。
【0060】
また、以上の実施形態では、最終消費者が個人の場合を例に挙げて説明したが、例えば、レストランを営む飲食業者がワインを客に提供する際に、例えば、ソムリエが当該ワインに付されたタグ装置50をリーダライタ40によって読み取ることにより、図16および図17に示す情報を表示部30fに表示させることもできる。これにより、高級ワインの対価に見合う満足を提供することができる。
【0061】
また、以上の実施形態では、消費者が消費した後については説明していないが、消費者が消費した後には、例えば、輸送業者等によって、空のボトルがリサイクルされ、製造業者に戻されるようにしてもよい。そのような方法によれば、タグ装置50およびボトルを有効利用することができる。また、リサイクルされる際に、リーダライタによってタグ装置50に記録された情報を取得してホストコンピュータ10に送信し、図15に示し情報に反映させることにより、消費者所有本数を正確に計数することができる。
【0062】
また、タグ装置50を耐タンパ構造とすることにより、不揮発性メモリ50iに格納されている情報に対する保護を強化するようにしてもよい。より詳細には、タグ装置50の図3に示す回路が封入された保護層が破壊された場合には、回路または回路パターンが動じに破壊されるようにする。これにより、保護層を破壊して、内部の回路を解析することを不可能にすることができるので、不揮発性メモリ50iに格納されている情報の保護を一層強めることができる。また、図9(A)に示す情報については、出荷後に書き換えられることはないので、不揮発性メモリ50iではなく、書き換え不能なROM40bに記録することにより、不正な改変を防止できる。
【0063】
また、以上の実施形態では、タグ装置50は、ボトル71,81の底部に設けるようにしたが、例えば、コルク栓72,82の内部に設けたり、ラベルの裏側に設けたり、ボトル71,81の表面に設けたりするようにしてもよい。
【0064】
また、以上の実施の形態では、非接触型のタグを例に説明したが、接触型のタグであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施形態の商品情報管理システムの全体構成を示す図である。
【図2】図1に示すホストコンピュータの構成例を示すブロック図である。
【図3】図1に示す端末装置の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1に示すリーダライタの構成例を示すブロック図である。
【図5】図1に示すタグ装置の構成例を示すブロック図である。
【図6】ワインのボトルの底にタグ装置を取り付けた例である。
【図7】ワインのボトルの底にタグ装置を取り付けた他の例である。
【図8】リーダライタとタグ装置の通信の態様を示す図である。
【図9】本実施形態のタグ装置の動作の概略を説明するための図である。
【図10】ボトルワインの流通の過程を示す図である。
【図11】不揮発性メモリに書き込まれる初期情報の一例である。
【図12】不揮発性メモリに書き込まれるデータの一例である。
【図13】ホストコンピュータに格納されているデータの一例である。
【図14】ワインの保管温度を示す図である。
【図15】ホストコンピュータに格納されているデータの一例である。
【図16】端末装置に表示される情報の一例である。
【図17】端末装置に表示される情報の一例である。
【図18】端末装置において実行される処理の一例である。
【図19】ホストコンピュータにおいて実行される処理の一例である。
【符号の説明】
【0066】
10…ホストコンピュータ、20…ネットワーク、30−0〜30−7…端末装置、40−0〜40−7…リーダライタ、50…タグ装置、50a…通信部、50b…ROM、50c…変復調回路、50d…充電監視回路、50e…RAM、50f…CPU、50g…バッテリ、50h…電源回路、50i…不揮発性メモリ、50j…時計、50k…温度センサ、70,80…ボトルワイン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムにおいて、
前記端末装置は、
前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力受付部と、
前記入力受付部を介して入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求部と、
前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記商品に関する情報を記録する記録部と、
前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証部と、
前記認証部によって正当性が認証された場合には、前記記録部に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信部と、を有する、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記タグ装置には、前記商品の製造時において製造業者によって各商品に固有の情報が書き込まれ、
前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、当該商品の製造状況に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記商品は複数の流通過程を経由して流通されるとともに、前記タグ装置にはそれぞれの流通過程に配置されているリーダライタによって各流通過程を経由したことを示す情報が書き込まれ、
前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、流通過程に存在する同一種類の商品の個数を示す情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記タグ装置は商品が置かれている環境に関する情報を記録し、
前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記環境に関する情報に基づいて、当該商品の消費時期に関する情報を生成し、前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記商品はワインであり、前記サーバ装置は、前記ワインの製造業者、流通過程、および、管理状態が正当である場合に、前記商品に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記入力受付部はリーダライタであり、前記タグ装置に格納されている情報を読み取ることを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記タグ装置は格納されている情報を表示装置に表示可能であり、前記入力受付部には前記表示装置に表示された情報または当該情報に基づいて生成された情報が入力されることを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項11】
タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムの商品情報管理方法において、
前記端末装置は、
前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力ステップと、
前記入力ステップにおいて入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求ステップと、
前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示ステップと、を有し、
前記サーバ装置は、
前記商品に関する情報を記録装置に記録する記録ステップと、
前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップにおいて正当性が認証された場合には、前記録装置に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信ステップと、を有する、
ことを特徴とする商品情報管理方法。
【請求項1】
タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムにおいて、
前記端末装置は、
前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力受付部と、
前記入力受付部を介して入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求部と、
前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示部と、を有し、
前記サーバ装置は、
前記商品に関する情報を記録する記録部と、
前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証部と、
前記認証部によって正当性が認証された場合には、前記記録部に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信部と、を有する、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記タグ装置には、前記商品の製造時において製造業者によって各商品に固有の情報が書き込まれ、
前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記各商品に固有の情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、当該商品の製造状況に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記商品は複数の流通過程を経由して流通されるとともに、前記タグ装置にはそれぞれの流通過程に配置されているリーダライタによって各流通過程を経由したことを示す情報が書き込まれ、
前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記各流通過程を経由したことを示す情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、流通過程に存在する同一種類の商品の個数を示す情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記タグ装置は商品が置かれている環境に関する情報を記録し、
前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記端末装置の前記呈示部に対して、前記商品に関する情報を呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記サーバ装置は、前記環境に関する情報に基づいて正当性の認証に成功した場合には、前記環境に関する情報に基づいて、当該商品の消費時期に関する情報を生成し、前記端末装置の前記呈示部に対して呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記商品はワインであり、前記サーバ装置は、前記ワインの製造業者、流通過程、および、管理状態が正当である場合に、前記商品に関する情報を前記端末装置の前記呈示部に呈示させる、
ことを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記入力受付部はリーダライタであり、前記タグ装置に格納されている情報を読み取ることを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の商品情報管理システムにおいて、
前記タグ装置は格納されている情報を表示装置に表示可能であり、前記入力受付部には前記表示装置に表示された情報または当該情報に基づいて生成された情報が入力されることを特徴とする商品情報管理システム。
【請求項11】
タグ装置が付された商品に関する情報を記録するサーバ装置と、当該サーバ装置に記録されている情報を取得して呈示する端末装置とを有する商品情報管理システムの商品情報管理方法において、
前記端末装置は、
前記タグ装置に記録されている情報の入力を受ける入力ステップと、
前記入力ステップにおいて入力された情報を前記サーバ装置に送信して、当該商品の正当性の認証を要求する要求ステップと、
前記サーバ装置によって前記商品の正当性が認証された場合に送信されてくる情報を呈示する呈示ステップと、を有し、
前記サーバ装置は、
前記商品に関する情報を記録装置に記録する記録ステップと、
前記端末装置から正当性の認証の要求がなされた場合には、前記端末装置から送信された情報に基づいて正当性の認証を行う認証ステップと、
前記認証ステップにおいて正当性が認証された場合には、前記録装置に記録されている該当する情報を取得して前記端末装置に送信する送信ステップと、を有する、
ことを特徴とする商品情報管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図10】
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【図13】
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【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2010−79560(P2010−79560A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−246483(P2008−246483)
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】
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