説明

商品販売システム、生産者装置、制御方法、及びプログラム

【課題】商品を販売すること。
【解決手段】商品190を生産する生産者によって利用される生産者装置110を備え、生産者装置110は、消費者が購入した商品190に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品190を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出部と、関連商品価格算出部が算出した価格を示すデータ、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売システム、生産者装置、制御方法、及びプログラムに関する。特に、本発明は、商品を販売する商品販売システム、商品を生産する生産者によって利用される生産者装置、当該生産者装置を制御する制御方法、並びに当該生産者装置用のプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
新品の商品の中には、中古品の同じ商品が流通しているものもある。一般的に、新品の商品は、中古品の同じ商品と比較した場合、コンディションが良いこと以外に優位な点はない。また、商品の生産者は、中古品の商品が購入されても、その利益を享受することはできない。
【0003】
インターネットのような通信ネットワークとコンピュータシステムを利用して商品の販売や買取等を行う商品流通システムとしては、中古品買取のための情報処理を行う商品流通システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−312658号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の商品流通システムによれば、顧客は、わざわざ買取店に行ったり電話をしたりする必要なしに、楽に、自分の所有中古品の現在の買取金額を知ることができる。すなわち、特許文献1に記載の商品流通システムは、中古品の商品の販売促進に寄与している。しかしながら、特許文献1に記載の商品流通システムは、新品の商品の販売促進に寄与しない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の第1の形態によると、商品を販売する商品販売システムであって、商品を生産する生産者によって利用される生産者装置を備え、生産者装置は、消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出部と、関連商品価格算出部が算出した価格を示すデータ、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信部とを有する。
【0007】
また、本発明の第2の形態によると、商品を生産する生産者によって利用される生産者装置であって、消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出部と、関連商品価格算出部が算出した価格を示すデータを、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信部とを備える。
【0008】
また、本発明の第3の形態によると、商品を生産する生産者によって利用される生産者装置を制御する制御方法であって、消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出段階と、関連商品価格算出段階において算出された価格を示すデータを、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信段階とを備える。
【0009】
また、本発明の第4の形態によると、商品を生産する生産者によって利用される生産者装置用のプログラムであって、生産者装置を、消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出部、関連商品価格算出部が算出した価格を示すデータを、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信部として機能させる。
【0010】
なおまた、上記のように発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【発明の効果】
【0011】
以上の説明から明らかなように、この発明においては、消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出するようにした。したがって、この発明においては、例えば、新品の商品を購入した方が中古品の商品を購入するよりも安く関連商品を入手することができるようにすれば、新品と中古品の同じ商品が販売されているような場合であっても、消費者への新品の商品の購買意欲を促進することができる。その結果、この発明においては、商品の生産者の利益率の向上が期待できる。また、この発明においては、中古品の商品を購入した消費者が関連商品を購入することもあるため、今までのビジネスモデルでは生産者が利益を得ることができなかった中古品の商品の流通をきっかけにして生産者が利益を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一実施形態に係る商品販売システム100の利用環境の一例を示す図である。
【図2】出版社装置110のブロック構成の一例を示す図である。
【図3】書店装置130のブロック構成の一例を示す図である。
【図4】デジタルデータ格納部116が格納しているデータの一例を示す図である。
【図5】読者装置150が記憶するデータの一例を示す図である。
【図6】出版社装置110、書店装置130、及び読者装置150の動作シーケンスの一例を示す図である。
【図7】読者装置150が記憶するデータの別の例を示す図である。
【図8】ICタグ191が記憶するデータの一例を示す図である。
【図9】出版社装置110、及び書店装置130をコンピュータ等の電子情報処理装置でそれぞれ構成した場合のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0014】
図1は、一実施形態に係る書籍販売システム100の利用環境の一例を示す。書籍販売システム100は、書籍190a、b、c、・・・(以下、書籍190と総称する。)を販売するためのシステムである。なおまた、書籍販売システム100は、この発明における「商品販売システム」の一例であってよい。また、書籍190は、この発明における「商品」の一例であってよい。
【0015】
書籍販売システム100は、新品の書籍190と、その書籍190の中古品がそれぞれ流通している市場を想定している。また、書籍販売システム100は、書籍190を購入した読者が、その書籍190の電子書籍を入手する権利を得られるビジネスモデルを想定している。その際、書籍販売システム100は、中古品の書籍190を購入するよりも、新品の書籍190を購入した方が、その書籍190の電子書籍をより安く入手することができるビジネスモデルを想定している。
【0016】
書籍販売システム100は、出版社装置110、及び複数の書店装置130a、b、c、・・・(以下、書店装置130と総称する。)を備える。出版社装置110、及び書店装置130は、通信回線170に通信接続されている。出版社装置110は、出版社によって利用される装置である。書店装置130は、書店によって利用される装置である。なおまた、出版社装置110は、この発明における「生産者装置」の一例であってよい。また、書店装置130は、この発明における「小売業者装置」の一例であってよい。また、出版社は、この発明における「生産者」の一例であってよい。また、書店は、この発明における「小売業者」の一例であってよい。
【0017】
書店装置130aは、入力装置138a、及びIC(Integrated Circuit)タグ読取器139aを有する。なおまた、書店装置130a以外の書店装置138b、c、・・・も、書店装置130aが有する構成要素と同じ構成要素を有する。以後の説明においては、書店装置130が有する構成要素がいずれの書店装置130の構成要素であるかを区別する場合には、各構成要素を有する書店装置130と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各構成要素の末尾に付して区別する。例えば、入力装置138a、入力装置138b、及び入力装置138cは、それぞれ書店装置130a、書店装置130b、及び書店装置130cの構成要素であることを示す。
【0018】
また、以後の説明において、添え字が付されていない構成要素の機能及び動作は、同じ符号が付されたいずれの構成要素の機能及び動作を示す。例えば、入力装置138で説明された機能及び動作は、入力装置138a、入力装置138b、入力装置138c、・・・の機能及び動作を示す。
【0019】
入力装置138は、書店装置130にデータや情報、指示等を与えるための装置である。一般的には、読者が操作して入力を行う装置のことを指す。典型的には、読者の手指の動きや打鍵を特定の信号に変換して書店装置130に伝える、キーボードやマウス、タッチパネル等が該当する。また、広義には、ビデオカメラ、マイク、イメージスキャナ等、外界の情報を画像や音声、動画等の形で取り込んで、デジタルデータに変換して書店装置130に伝える装置も含まれる。更に広義には、直接は読者の指示に拠らず、自動的に外界の情報を取り込んで書店装置130に伝えるセンサーシステム等を含める場合もある。
【0020】
ところで、書店において販売されている書籍190aには、ICタグ191aが取り付けられている。なおまた、書籍190a以外の書籍b、c、・・・も、書籍190aと同様にICタグb、c、・・・が取り付けられている。以後の説明においては、書籍190に取り付けられているICタグ191がいずれの書籍190のICタグ191であるかを区別する場合には、各ICタグ191が取り付けられている書籍190と同じ添え字(a、b、c、・・・)を各ICタグ191の末尾に付して区別する。例えば、ICタグ191a、ICタグ191b、及びICタグ191cは、それぞれ書籍190a、書籍190b、及び書籍190cに取り付けられているICタグ191であることを示す。
【0021】
また、以後の説明において、添え字が付されていないICタグ191の機能及び動作は、いずれのICタグ191の機能及び動作を示す。例えば、ICタグ191で説明された機能及び動作は、ICタグ191a、ICタグ191b、ICタグ191c、・・・の機能及び動作を示す。
【0022】
ICタグ191は、書籍190の識別に利用される微小な無線ICチップである。ICタグ191には、書籍190のISBN(International Standard Book Number)等の情報が記録されており、電波を使ってICタグ読取器139と情報を送受信する能力を持つ。ICタグ191は、産業界においてバーコードに代わる商品識別、管理技術として研究が進められてきたが、それに留まらず社会のIT(Information Technology)化、自動化を推進する上での基盤技術として注目が高まっている。ICタグ191は、対環境性に優れた数cm程度の大きさで、電波や電磁波でICタグ読取器139と交信する。近年では、アンテナ側からの非接触電力伝送技術により、電池を持たない半永久的に利用可能なタグも登場している。ICタグ191の形状は、ラベル型、カード型、コイン型、スティック型等、様々であり、用途に応じて選択する。通信距離は、数mm程度のものから数mのものがあり、これも用途に応じて使い分けられる。将来的には、全ての商品に微小なICタグが添付され、世界的な流通インフラとなる可能性がある。食品を買ってきて冷蔵庫に入れると自動的に識別し、保持している食品のリストを作ったり消費期限を知らせたりするインテリジェント冷蔵庫等のIT家電が構想されている。商品にID情報を割り当てる規格では、米マサチューセッツ工科大学が中心となって進めているAuto−ID Centerの取り組みが先行している。日本でも、東京大学の坂村健教授等が中心となってユビキタスIDセンターが設立され、大手電機メーカー等が参加している。なおまた、ICタグ191は、この発明における「電子回路」の一例であってよい。また、ISBNは、この発明における「商品を示すデータ」の一例であってよい。
【0023】
通信回線170には、複数の読者装置150a、b、c、・・・(以下、読者装置150と総称する。)も通信接続される。読者装置150は、読者によって利用される装置である。なおまた、読者装置150は、この発明における「消費者装置」の一例であってよい。また、読者は、この発明における「消費者」の一例であってよい。
【0024】
なおまた、通信回線170は、インターネット等のコンピュータネットワーク、通信事業者のコアネットワーク、及び種々のローカルエリアネットワークを含む。また、読者装置150は、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、及びパーソナルコンピュータを含む。
【0025】
なお、本実施形態においては、説明が煩雑になることを防ぐことを目的として、書籍販売システム100が一の出版社装置110を備える構成について説明した。しかしながら、書籍販売システム100は、複数の出版社装置110を備えてよい。
【0026】
図2は、出版社装置110のブロック構成の一例を示す。出版社装置110は、商品データ受信部111、関連商品価格算出部112、関連商品価格データ送信部113、デジタルデータ選択部114、デジタルデータ送信部115、及びデジタルデータ格納部116を有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0027】
商品データ受信部111は、読者が購入した書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを含む書籍190を示すデータと、その書籍190を購入した読者を示すデータとを読者装置150から受信する。具体的に説明すると、商品データ受信部111は、読者装置150が書店装置130から受信した商品を示すデータを読者装置150から受信する。
【0028】
関連商品価格算出部112は、読者が購入した書籍190の電子書籍を読者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの書籍を読者が購入したのかに応じて、電子書籍の価格を算出する。具体的に説明すると、関連商品価格算出部112は、商品データ受信部111が受信したデータに基づいて、電子書籍の価格を算出する。
【0029】
関連商品価格データ送信部113は、関連商品価格算出部112が算出した価格を示すデータを読者装置150へ送信する。
【0030】
デジタルデータ選択部114は、デジタルデータ格納部116が格納している電子書籍のデジタルデータの中から、読者が購入した書籍190の電子書籍のデジタルデータを選択する。
【0031】
デジタルデータ送信部115は、読者が購入した書籍190の電子書籍のデジタルデータを、その読者が利用している読者装置150へ送信する。具体的に説明すると、デジタルデータ送信部115は、デジタルデータ選択部114が選択したデジタルデータを読者装置150へ送信する。
【0032】
図3は、書店装置130のブロック構成の一例を示す。書店装置130は、商品データ入力受付部131、新古品データ入力受付部132、及び商品データ送信部133を有する。以下に、各構成要素の機能及び動作を説明する。
【0033】
商品データ入力受付部131は、読者が購入した書籍190に取り付けられているICタグ191から読み出された、その書籍190を示すデータの入力を受け付ける。
【0034】
新古品データ入力受付部132は、読者が購入した書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータの入力を受け付ける。
【0035】
商品データ送信部133は、読者が購入した書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを含む書籍190を示すデータを読者装置150へ送信する。具体的に説明すると、商品データ送信部133は、商品データ入力受付部131が入力を受け付けた読者が購入した書籍190を示すデータに、その書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを対応付けて、読者装置150へ送信する。より具体的に説明すると、商品データ送信部133は、読者が購入した書籍190を示すデータに、新古品データ入力受付部132が入力を受け付けたデータを対応付けて、読者装置150へ送信する。
【0036】
図4は、デジタルデータ格納部116が格納しているデータの一例を示す。デジタルデータ格納部116は、ISBN、及び電子書籍のデジタルデータを対応付けて格納している。
【0037】
ISBNは、世界共通で書籍190を特定するための番号である。電子書籍のデジタルデータは、ISBNによって特定される書籍190の電子書籍のデジタルデータである。
【0038】
図5は、読者装置150が記憶するデータの一例を示す。読者装置150は、ISBN、書籍の状態、書店ID、日付、及び電子書籍を対応付けて格納している。
【0039】
ISBNは、世界共通で書籍190を特定するための番号である。書籍の状態は、ISBNによって特定される書籍190を読者が購入したときの書籍190の状態を示す情報である。書店IDは、ISBNによって特定される書籍190を読者が購入した書店を識別する情報である。日時は、ISBNによって特定される書籍190を読者が購入した日付である。電子書籍は、ISBNによって特定される書籍190の電子書籍を読者が購入したか否かを示す情報である。
【0040】
図6は、出版社装置110、書店装置130、及び読者装置150の動作シーケンスの一例を示す。書店の店員は、読者が購入する書籍190の代金を清算する際、その書籍190に取り付けられているICタグ191に記憶されているデータを、ICタグ読取器139を用いて読み取る。このようにして、書店装置130の商品データ入力受付部131は、読者が購入した書籍190に取り付けられているICタグ191から読み出された、その書籍190を示すデータの入力を受け付ける(S101)。
【0041】
また、書店の店員は、読者が購入する書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを、入力装置138を利用して書店装置130に入力する。このようにして、書店装置130の新古品データ入力受付部132は、読者が購入した書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータの入力を受け付ける(S102)。
【0042】
そして、書店装置130の商品データ送信部133は、読者が購入した書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを含む書籍190を示すデータを読者装置150へ送信する(S103)。このようにして、読者装置150には、図5に示すようなデータが記憶されることになる。
【0043】
読者は、購入した書籍190の電子書籍を入手するにあたり、例えば、その書籍190の出版社が公開しているWebサイトにアクセスする。そして、読者は、そのWebサイトにて、購入した書籍190の電子書籍を入手するための手続きを行う。その際、読者装置150は、書店装置130から受信した書籍190を示すデータと、その書籍190を購入した読者を示すデータとを出版社装置110へ送信する(S104)。このようにして、出版社装置110の商品データ受信部111は、読者が購入した書籍190が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを含む書籍190を示すデータと、その書籍190を購入した読者を示すデータとを読者装置150から受信する。
【0044】
そして、出版社装置110の関連商品価格算出部112は、読者が購入した書籍に関連する電子書籍を読者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの書籍を読者が購入したのかに応じて、電子書籍の価格を算出する(S105)。
【0045】
そして、出版社装置110の関連商品価格データ送信部113は、関連商品価格算出部112が算出した価格を示すデータを、読者装置150へ送信する(S106)。このようにして、読者は、購入した書籍190の電子書籍の価格を知ることができる。
【0046】
読者は、通知された電子書籍の価格に納得すれば、出版社のWebサイトにて、電子書籍の購入手続きを行う。読者によって電子書籍の購入手続きが行われると、出版社装置110のデジタルデータ選択部114は、デジタルデータ格納部116が格納している電子書籍のデジタルデータの中から、読者が購入した書籍190の電子書籍のデジタルデータを選択する(S107)。
【0047】
そして、出版社装置110のデジタルデータ送信部115は、読者が購入した書籍に関連する電子書籍のデジタルデータを、その読者が利用している読者装置150へ送信する(S108)。このようにして、読者は、購入した書籍190の電子書籍を入手することができる。
【0048】
以上説明したように、書籍販売システム100においては、読者が購入した書籍190の電子書籍を読者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの書籍190を読者が購入したのかに応じて、電子書籍の価格を算出するようにした。したがって、書籍販売システム100においては、例えば、新品の書籍190を購入した方が中古品の書籍190を購入するよりも安く電子書籍を入手することができるようにすれば、新品と中古品の同じ書籍190が販売されているような場合であっても、読者への新品の書籍190の購買意欲を促進することができる。その結果、書籍販売システム100においては、出版社の利益率の向上が期待できる。また、書籍販売システム100においては、中古品の書籍190を購入した読者が電子書籍を購入することもあるため、今までのビジネスモデルでは出版社が利益を得ることができなかった中古品の書籍190の流通をきっかけにして出版社が利益を得ることができる。
【0049】
図7は、読者装置150が記憶するデータの別の例を示す。読者装置150は、複数の読者によって利用される場合、図7に示すように、読者IDによって識別される読者毎の情報を記憶するようにしてもよい。このようにして、読者は、一の読者装置150を共有して利用することができるようになる。
【0050】
図8は、ICタグ191が記憶するデータの一例を示す。書店装置130は、書籍190が購入される際に、その書籍190に取り付けられたICタグ191に、図8に示すような情報を記憶させるようにしてもよい。このようにして、書籍190に取り付けられたICタグ191には、その書籍190が流通した履歴を記録として残すことができるようになる。
【0051】
なおまた、以上の説明においては、書籍190の関連商品として、電子書籍を譲渡するようにしたが、書籍190の関連商品として、図書券の代わりになるようなデータを譲渡するようにしてもよい。
【0052】
また、以上の説明においては、電子書籍を譲渡するにあたり必要な情報を、読者装置150に記憶させるようにしたが、書店装置130から出版社装置110へ予め送信するようにしてもよい。
【0053】
また、以上の説明においては、商品と関連商品との関係について、書籍190の販売と電子書籍の配信を例にとって説明したが、音楽CD(CompactDisc)の販売とその音楽の音声ファイルの配信や、映画のDVD(Digital Versatile Disk)の販売とその映画の映像ファイルの配信等のビジネスモデルにも適用することができる。
【0054】
図9は、出版社装置110、及び書店装置130をコンピュータ等の電子情報処理装置でそれぞれ構成した場合のハードウェア構成の一例を示す。出版社装置110及び書店装置130は、CPU(Central Processing Unit)周辺部と、入出力部と、レガシー入出力部とを備える。CPU周辺部は、ホスト・コントローラ801により相互に接続されるCPU802、RAM(Random Access Memory)803、グラフィック・コントローラ804、及び表示装置805を有する。入出力部は、入出力コントローラ806によりホスト・コントローラ801に接続される通信インターフェイス807、ハードディスクドライブ808、及びCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ809を有する。レガシー入出力部は、入出力コントローラ806に接続されるROM(Read Only Memory)810、フレキシブルディスク・ドライブ811、及び入出力チップ812を有する。
【0055】
ホスト・コントローラ801は、RAM803と、高い転送レートでRAM803をアクセスするCPU802、及びグラフィック・コントローラ804とを接続する。CPU802は、ROM810、及びRAM803に格納されたプログラムに基づいて動作して、各部の制御をする。グラフィック・コントローラ804は、CPU802等がRAM803内に設けたフレーム・バッファ上に生成する画像データを取得して、表示装置805上に表示させる。これに代えて、グラフィック・コントローラ804は、CPU802等が生成する画像データを格納するフレーム・バッファを、内部に含んでもよい。
【0056】
入出力コントローラ806は、ホスト・コントローラ801と、比較的高速な入出力装置であるハードディスクドライブ808、通信インターフェイス807、CD−ROMドライブ809を接続する。ハードディスクドライブ808は、CPU802が使用するプログラム、及びデータを格納する。通信インターフェイス807は、ネットワーク通信装置891に接続してプログラム又はデータを送受信する。CD−ROMドライブ809は、CD−ROM892からプログラム又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808、及び通信インターフェイス807に提供する。
【0057】
入出力コントローラ806には、ROM810と、フレキシブルディスク・ドライブ811、及び入出力チップ812の比較的低速な入出力装置とが接続される。ROM810は、出版社装置110及び書店装置130が起動時に実行するブート・プログラム、あるいは出版社装置110及び書店装置130のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。フレキシブルディスク・ドライブ811は、フレキシブルディスク893からプログラム又はデータを読み取り、RAM803を介してハードディスクドライブ808、及び通信インターフェイス807に提供する。入出力チップ812は、フレキシブルディスク・ドライブ811、あるいはパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポート等を介して各種の入出力装置を接続する。
【0058】
CPU802が実行するプログラムは、フレキシブルディスク893、CD−ROM892、又はIC(Integrated Circuit)カード等の記録媒体に格納されて利用者によって提供される。記録媒体に格納されたプログラムは圧縮されていても非圧縮であってもよい。プログラムは、記録媒体からハードディスクドライブ808にインストールされ、RAM803に読み出されてCPU802により実行される。CPU802により実行されるプログラムは、出版社装置110を、図1から図8に関連して説明した商品データ受信部111、関連商品価格算出部112、関連商品価格データ送信部113、デジタルデータ選択部114、デジタルデータ送信部115、及びデジタルデータ格納部116として機能させ、書店装置130を、図1から図8に関連して説明した商品データ入力受付部131、新古品データ入力受付部132、及び商品データ送信部133として機能させる。
【0059】
以上に示したプログラムは、外部の記憶媒体に格納されてもよい。記憶媒体としては、フレキシブルディスク893、CD−ROM892の他に、DVD(Digital Versatile Disk)又はPD(Phase Disk)等の光学記録媒体、MD(MiniDisk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、ICカード等の半導体メモリ等を用いることができる。また、専用通信ネットワークあるいはインターネットに接続されたサーバシステムに設けたハードディスク又はRAM等の記憶媒体を記録媒体として使用して、ネットワークを介したプログラムとして提供してもよい。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【符号の説明】
【0061】
100 書籍販売システム
110 出版社装置
130 書店装置
138 入力装置
139 ICタグ読取器
150 読者装置
170 通信回線
190 書籍
191 ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を販売する商品販売システムであって、
商品を生産する生産者によって利用される生産者装置
を備え、
前記生産者装置は、
消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出部と、
前記関連商品価格算出部が算出した価格を示すデータを、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信部と
を有する商品販売システム。
【請求項2】
前記生産者装置は、
消費者が購入した商品が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを含む商品を示すデータと、当該商品を購入した消費者を示すデータとを、前記消費者装置から受信する商品データ受信部
を更に有し、
前記生産者装置の関連商品価格算出部は、前記商品データ受信部が受信したデータに基づいて、関連商品の価格を算出する
請求項1に記載の商品販売システム。
【請求項3】
商品を販売する小売業者によって利用される小売業者装置
を更に備え、
前記小売業者装置は、
消費者が購入した商品が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを含む商品を示すデータを、前記消費者装置へ送信する商品データ送信部
を有し、
前記生産者装置の商品データ受信部は、前記消費者装置が前記小売業者装置から受信した商品を示すデータを、前記消費者装置から受信する
請求項2に記載の商品販売システム。
【請求項4】
前記小売業者装置は、
消費者が購入した商品に取り付けられている電子回路から読み出された、当該商品を示すデータの入力を受け付ける商品データ入力受付部
を更に有し、
前記小売業者装置の商品データ送信部は、前記商品データ入力受付部が入力を受け付けた消費者が購入した商品を示すデータに、当該商品が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータを対応付けて、前記消費者装置へ送信する
請求項3に記載の商品販売システム。
【請求項5】
前記小売業者装置は、
消費者が購入した商品が新品又は中古のいずれであるのかを示すデータの入力を受け付ける新古品データ入力受付部
を更に有し、
前記小売業者装置の商品データ送信部は、消費者が購入した商品を示すデータに、前記新古品データ入力受付部が入力を受け付けたデータを対応付けて、前記消費者装置へ送信する
請求項3又は4に記載の商品販売システム。
【請求項6】
前記生産者装置は、
消費者が購入した商品に関連する関連商品のデジタルデータを、当該消費者が利用している前記消費者装置へ送信するデジタルデータ送信部
を更に有する請求項1から5のいずれか一項に記載の商品販売システム。
【請求項7】
前記生産者装置は、
消費者が購入した商品に関連する関連商品のデジタルデータを選択するデジタルデータ選択部
を更に有し、
前記生産者装置のデジタルデータ送信部は、前記デジタルデータ選択部が選択したデジタルデータを、前記消費者装置へ送信する
請求項6に記載の商品販売システム。
【請求項8】
商品を生産する生産者によって利用される生産者装置であって、
消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出部と、
前記関連商品価格算出部が算出した価格を示すデータを、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信部と
を備える生産者装置。
【請求項9】
商品を生産する生産者によって利用される生産者装置を制御する制御方法であって、
消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出段階と、
前記関連商品価格算出段階において算出された価格を示すデータを、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信段階と
を備える制御方法。
【請求項10】
商品を生産する生産者によって利用される生産者装置用のプログラムであって、前記生産者装置を、
消費者が購入した商品に関連する関連商品を消費者に譲渡するにあたり、新品又は中古のいずれの商品を消費者が購入したのかに応じて、関連商品の価格を算出する関連商品価格算出部、
前記関連商品価格算出部が算出した価格を示すデータを、消費者が利用している消費者装置へ送信する関連商品価格データ送信部
として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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