説明

商品販売データ処理装置、商品販売データ処理システム及び画面制御プログラム

【課題】ポップアップウィンドウを消去するための入力条件の変更を容易にする。
【解決手段】商品販売データ処理装置は、入力デバイスからの商品データ入力に応じて実行される商品販売データ処理に係わる第1画面を表示デバイスに表示させる。入力デバイスから商品データが入力された商品に対して画面のフォーマットパターンを識別するパターンコードとメッセージデータを識別するメッセージコードとが設定されているとき、商品販売データ装置は、パターンコードに対応するフォーマットパターンの画面にメッセージコードに対応するメッセージデータを表示させた第2画面を作成する。そして、作成された第2画面を、表示デバイスの第1画面の上に重ねて表示させる。商品販売データ装置は、第2画面のフォーマットパターンに対して設定された確認入力を入力デバイスから受けたことに応じて第2画面を消去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、商品販売データ処理装置及びその画面制御プログラムと、商品販売データ処理システム及びその画面制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
コンピュータを主体とする様々な情報処理装置は、情報処理の過程でオペレータに確認を求める事象が発生したときに、その情報処理に係わる画面上にポップアップウィンドウを重ねて表示させて、オペレータに確認を求める。上記ポップアップウィンドウは、予め設定された条件の入力がなされると消去される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−34452号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、ポップアップウィンドウを消去するための入力条件の変更が容易な商品販売データ処理装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の商品販売データ処理装置は、第1画面表示手段と、第2画面作成手段と、第2画面表示手段と、画面消去手段とを備える。第1画面表示手段は、入力デバイスからの商品データ入力に応じて実行される商品販売データ処理に係わる第1画面を表示デバイスに表示させる。第2画面作成手段は、入力デバイスから商品データが入力された商品に対して画面のフォーマットパターンを識別するパターンコードとメッセージデータを識別するメッセージコードとが設定されているとき、パターンコードに対応するフォーマットパターンの画面にメッセージコードに対応するメッセージデータを表示させた第2画面を作成する。第2画面表示手段は、作成された第2画面を、表示デバイスの第1画面の上に重ねて表示させる。画面消去手段は、第2画面のフォーマットパターンに対して設定された確認入力を入力デバイスから受けたことに応じて第2画面を消去する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】商品販売データ処理装置の一実施形態であるPOSシステムの全体構成図。
【図2】同POSシステムの商品マスタファイルに記憶されるデータレコードのフォーマットを示す図。
【図3】同POSシステムが有するメッセージテーブルの一例を示す図。
【図4】同POSシステムが有するフォーマットテーブルの一例を示す図。
【図5】同POSシステムで利用するポップアップウィンドウのフォーマットパターン例を示す図。
【図6】同POSシステムにおけるPOS端末の要部構成を示すブロック図。
【図7】同POSシステムのおけるPOS端末のCPUが実行する主要な情報処理の手順を示す流れ図。
【図8】図7におけるステップST10の第1の消去処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図9】図7におけるステップST11の第2の消去処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図10】図7におけるステップST12の第3の消去処理の手順を具体的に示す流れ図。
【図11】同POSシステムのおけるPOS端末のタッチパネルに表示される登録画面の一例を示す図。
【図12】図11に示す登録画面にポップアップウィンドウが表示された状態を示す図。
【図13】ホップアップウィンドウの他の表示形態を示す図。
【図14】クラウドコンピューティングを利用したPOSシステムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の商品販売データ処理装置を、図面を用いて説明する。なお、この実施形態は、商品販売データ処理装置をPOS(Point Of Sales)システムに適用した場合である。
【0008】
図1は、POSシステム1の概略を示すブロック図である。POSシステム1は、1台のPOSサーバ10と、複数台のPOS端末20とを備える。POSサーバ10と各POS端末20とは、いずれもコンピュータを搭載する。POSサーバ10と各POS端末20とは、LAN(Random Access Memory)等のネットワーク30を介して双方向通信自在に接続されている。
【0009】
POSサーバ10は、商品マスタファイル11を有する。商品マスタファイル11は、各商品をそれぞれ識別するための商品固有の商品コードに関連付けて、その商品に関する種々の情報を記憶する。
【0010】
図2は、商品マスタファイル11に記憶される1商品のデータレコード11Rを示す模式図である。図2に示すように、商品マスタファイル11は、商品コードに関連付けて、この商品コードで識別される商品の商品名,単価等とともに、メッセージ番号MNoとパターン番号PNoとを記憶している。
【0011】
メッセージ番号MNoは、メッセージテーブル12のレコード識別番号である。メッセージテーブル12は、図3に示すように、一連のメッセージ番号に関連付けて、オペレータに通知するメッセージのデータとそのメッセージに付されたタイトルのデータとを記録する。
【0012】
パターン番号PNoは、パターンテーブル13のレコード識別番号である。パターンテーブル13は、図4に示すように、一連のパターン番号に関連付けて、表示フォーマットデータと消去プログラムIDとを記録する。表示フォーマットデータは、前記メッセージの表示に供するポップアップウィンドウのフォーマットデータである。消去プログラムIDは、そのポップアップウィンドウを消去するためのプログラムに付されたIDである。
【0013】
ここで本実施形態では、説明の便宜上、ポップアップウィンドウのフォーマットデータを、図5の(a)、(b)、(c)にそれぞれ示すポップアップウィンドウPW1,PW2,PW3の3種類とする。すなわち、第1のフォーマットパターンであるポップアップウィンドウPW1は、ウィンドウの枠内にメッセージとそのタイトルとを表示するとともに、確定ボタンB1と取消ボタンB2の各ボタンイメージを表示する。第2のフォーマットパターンであるポップアップウィンドウPW2は、同じくウィンドウの枠内にメッセージとそのタイトルとを表示するとともに、確定ボタンB1のボタンイメージを表示する。第3のフォーマットパターンであるポップアップウィンドウPW3は、同じくウィンドウの枠内にメッセージとそのタイトルとを表示するとともに、閉じるボタンB3のボタンイメージを表示する。
【0014】
確定ボタンB1と閉じるボタンB3は、情報処理の継続を指示する確認入力用のボタンとして機能する。取消ボタンB2は、情報処理の中止を指示する確認入力用のボタンとして機能する。確定ボタンB1と取消ボタンB2とは、その入力が強制である。閉じるボタンB3は、その入力が強制でない。
【0015】
このため、図4に示すように、ポップアップウィンドウPW1に対しては、確定ボタンB1が入力されたときにはポップアップウィンドウPW1を消去して情報処理を継続させ、取消ボタンB2が入力されたときにはポップアップウィンドウPW1を消去して情報処理を中止させる消去プログラムのID[pid01]がセットされる。ポップアップウィンドウPW2に対しては、確定ボタンB1の入力後にポップアップウィンドウPW2を消去して情報処理を継続させる消去プログラムのID[pid02]がセットされる。ポップアップウィンドウPW3に対しては、任意の入力があるとポップアップウィンドウPW3を消去して情報処理を継続させる消去プログラムのID[pid03]がセットされる。
【0016】
POSサーバ10は、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置に、前記商品マスタファイル11と、メッセージテーブル12と、パターンテーブル13とを保存する。そしてPOSサーバ10は、前記商品マスタファイル11、メッセージテーブル12及びパターンテーブル13のメンテナンスモードを備えており、図示しないメンテナンス用のパーソナルコンピュータを利用してオペレータがPOSサーバ10にアクセスすることにより、前記商品マスタファイル11、メッセージテーブル12及びパターンテーブル13のデータを適宜追加、変更または削除できるようになっている。
【0017】
図6は、POS端末20の要部構成を示すブロック図である。POS端末20は、コンピュータの中枢を担うCPU(Central Processing Unit)201を搭載している。そして、このCPU201に、アドレスバス,データバス等のバスライン202を介して、ROM(Read Only Memory)203、RAM(Random Access Memory)204、HDD(Hard Disk Drive)205、時計部206、通信インターフェース207、キーボードコントローラ208、タッチパネルコントローラ209、表示コントローラ210、プリンタコントローラ211及びスキャナインターフェース212等を接続している。
【0018】
ROM203及びRAM204は、CPU201によってデータの読み取りや書込みが行われる主記憶部を構成する。HDD205は、プログラム等の大容量データを記憶するための補助記憶部を構成する。時計部206は、現在の日付及び時刻を計時する。通信インターフェース207は、ネットワーク30を介してPOSサーバ10にデータを送信し、またPOSサーバ10からネットワーク30を介して送られてくるデータを受信する。
【0019】
介して行われるデータ通信を制御する。
【0020】
キーボードコントローラ208は、キーボード221を制御する。キーボード221には、数値を置数するための置数キーの他、小計キー、預/現計キー、確定キー、取消キー、クリアキー等の種々のファンクションキーが配設されている。
【0021】
タッチパネルコントローラ209は、平面ディスプレイとタッチパネルセンサとからなるタッチパネル222を制御する。タッチパネル222は、オペレータ用のディスプレイとして機能する。タッチパネルコントローラ209は、平面ディスプレイに対する画面表示を制御する。またタッチパネルコントローラ209は、平面ディスプレイの画面がオペレータによってタッチされたときのそのタッチ位置を示す座標データを取得する。
【0022】
表示コントローラ210は、客用ディスプレイ223の画面表示を制御する。プリンタコントローラ211は、レシートを印字するためのプリンタ224の駆動を制御する。スキャナインターフェース212は、スキャナ225で読み取られたバーコードデータを受信する。各商品には、その商品固有の商品コードを示すバーコードが付されている。
【0023】
CPU201は、入力デバイスであるキーボード221またはスキャナ225より商品コードが入力されると、図7の流れ図に示す手順の商品販売データ処理を開始する。この処理は、ROM203またはHDD205に保存されているプログラムによって実現される。
【0024】
先ず、CPU201は、入力された商品コードでPOSサーバ10に問合せを行い、この商品コードに対応して商品マスタファイル11に設定されている商品情報(商品名,単価,メッセージ番号MNo,パターン番号PNo等を含む)を検出する(ST1)。そしてCPU201は、この検出した商品情報の商品名,単価等を含む登録画面を作成し、タッチパネル222と客用ディスプレイ223とに表示させる(ST2:第1画面表示手段)。
【0025】
図11に、タッチパネル222に表示される登録画面40の一例を示す。この登録画面40は、カレントエリア41と、明細エリア42と、合計エリア43とを含む。カレントエリア41は、今回登録された商品の商品名,単価,販売点数及び販売金額を表示する。明細エリア42は、既に登録した商品の商品名,単価,販売点数及び販売金額をリスト形式で表示する。合計エリア43は、今回登録された商品を含む1取引の合計金額を表示する。
【0026】
登録画面40を表示させた後、CPU201は、検出した商品情報のメッセージ番号MNoが“0”であるか否かを判定する(ST3)。メッセージ番号MNoが“0”の場合(ST3のNO)、今回登録された商品に対してメッセージの表示設定がなされていない。この場合、CPU201は、商品登録処理を実行する。すなわちCPU201は、今回登録された商品の商品コード,商品名,単価,販売点数,販売金額等の商品販売データを、RAM204の売上メモリに登録する(ST13)。以上で、CPU201は、今回の商品販売データ処理を終了する。
【0027】
これに対し、メッセージ番号MNoが“0”でない場合(ST3のYES)、今回登録された商品に対してメッセージの表示設定がなされている。この場合、CPU201は、このメッセージ番号MNoでPOSサーバ10に問合せを行い、このメッセージ番号MNoに対応してメッセージテーブル12に設定されているタイトルデータ及びメッセージデータを検出する(ST4)。さらにCPU201は、検出した商品情報からパターン番号PNoを取得する(ST5)。そしてCPU201は、このパターン番号PNoでPOSサーバ10に問合せを行い、このパターン番号PNoに対応してパターンテーブル13に設定されている表示フォーマットデータと消去プログラムIDとを検出する(ST6)。
【0028】
しかる後、CPU201は、表示フォーマットデータのタイトルエリアにタイトルデータをセットするとともにメッセージエリアにメッセージデータをセットして、ポップアップウィンドウを編集する(ST7:第2画面作成手段)。そしてCPU201は、このポップアップウィンドウを、タッチパネル222の登録画面40の上に重ねて表示させる(ST8:第2画面表示手段)。
【0029】
図12に、登録画面40の上に重ねて表示されるポップアップウィンドウ51の一例を示す。このポップアップウィンドウ51は、第1のフォーマットパターンであるポップアップウィンドウPW1に、タイトルデータ「販売確認」とメッセージデータ「販売対象商品が登録されました。確認を行ってください」とがセットされた例である。
【0030】
因みに、第2のフォーマットパターンであるポップアップウィンドウPW2に同様のテキストデータ及びメッセージデータがセットされた場合には、図13の(a)に示すポップアップウィンドウ52が表示される。また、第3のフォーマットパターンであるポップアップウィンドウPW3に同様のテキストデータ及びメッセージデータがセットされた場合には、図13の(b)に示すポップアップウィンドウ53が表示される。
【0031】
ステップST8にてポップアップウィンドウ51〜53を表示させた後、CPU201は、表示フォーマットデータとともに検出した消去プログラムIDを判別する(ST9)。ここで、消去プログラムIDが“pid01”であった場合、すなわちポップアップウィンドウ51を表示させた場合には、CPU201は、プログラムIDが“pid01”の消去プログラムによる第1の消去処理にジャンプする(ST10)。この処理の手順は、図8に具体的に示される。
【0032】
先ず、CPU201は、確認入力がなされたか否かを判断する(ST21)。確認入力がなされていない場合(ST21のNO)、CPU201は、取消入力がなされたか否かを判断する(ST22)。取消入力がなされていない場合(ST22)。CPU21は、再び確認入力がなされたか否かを判断する(ST21)。こうして、CPU201は、確認または取消の入力を強制する。
【0033】
ポップアップウィンドウ51の確定ボタンB1がタッチされるか、キーボード221の確定キーが入力されると(ST21のYES)、確認入力がなされたので、CPU201は、ポップアップウィンドウ51を消去する(ST22:画面消去手段)。しかる後、CPU201は、前記ステップST13の商品登録処理を実行して、今回の商品販売データ処理を終了する。
【0034】
これに対し、ポップアップウィンドウ51の取消ボタンB2がタッチされるか、キーボード221の取消キーが入力された場合には(ST22のYES)、取消入力がなされたので、CPU201は、ポップアップウィンドウ51を消去する(ST24:画面消去手段)。しかる後、CPU201は、商品登録処理を実行することなく今回の商品販売データ処理を終了する。
【0035】
一方、消去プログラムIDが“pid02”であった場合、すなわちポップアップウィンドウ52を表示させた場合には、CPU201は、プログラムIDが“pid02”の消去プログラムによる第2の消去処理にジャンプする(ST11)。この処理の手順は、図9に具体的に示される。
【0036】
先ず、CPU201は、確認入力がなされたか否かを判断する(ST31)。確認入力がなされていない場合(ST23のNO)、CPU21は、確認入力がなされるのを待機する(ST31)。すなわちCPU201は、確認入力を強制する。そして、ポップアップウィンドウ51の確定ボタンB1がタッチされるか、キーボード221の確定キーが入力されると(ST31のYES)、確認入力がなされたので、CPU201は、ポップアップウィンドウ51を消去する(ST32:画面消去手段)。しかる後、CPU201は、前記ステップST13の商品登録処理を実行して、今回の商品販売データ処理を終了する。
【0037】
また、消去プログラムIDが“pid03”であった場合、すなわちポップアップウィンドウ53を表示させた場合には、CPU201は、プログラムIDが“pid03”の消去プログラムによる第3の消去処理にジャンプする(ST12)。この処理の手順は、図10に具体的に示される。
【0038】
先ず、CPU201は、閉じるボタンB3が入力されたか否かを判断する(ST41)。入力されていない場合(ST41のNO)、CPU21は、キーボード221からキー入力があったか否かを判断する(ST42)。キー入力がない場合(ST42のNO)、CPU201は、再び閉じるボタンB3が入力されたか否かを判断する(ST41)。こうして、CPU201は、閉じるボタンB3が入力されるか、いずれかのキー入力がなされるのを待機する。そして、閉じるボタンB3が入力されるか(ST41のYES)、いずれかのキー入力があると(ST42のYES)、CPU201は、ポップアップウィンドウ51を消去する(ST42:画面消去手段)。しかる後、CPU201は、前記ステップST13の商品登録処理を実行して、今回の情報処理を終了する。
【0039】
なお、プログラムIDが“pid01”,“pid02”及び“pid03”の各消去プログラムは、ROM203またはHDD205に保存されている。
【0040】
このように、本実施形態のPOSシステム1においては、POS端末20にて販売登録された商品に対してメッセージ番号MNoとパターン番号PNoとが設定されていた場合、ポップアップウィンドウが表示される。すなわち、商品販売データ処理の過程で、メッセージ番号MNoとパターン番号PNoとが設定された商品のデータ入力があった場合、商品販売データ処理に係わる登録画面40の上に重ねてポップアップウィンドウが表示される。ポップアップウィンドウは、パターン番号PNoに対応する表示フォーマットデータに、メッセージ番号MNoに対応するタイトルデータとメッセージデータとをセットしたものである。
【0041】
すなわち、パターン番号PNoとして“P01”が設定された商品が登録された場合には、図5の(a)に示すフォーマットのポップアップウィンドウPW1が表示される。したがってこの場合は、POS端末20のオペレータは、確定操作または取消操作を行ってポップアップウィンドウPW1を閉じる。これに対し、パターン番号PNoとして“P02”が設定された商品が登録された場合には、図5の(b)に示すフォーマットのポップアップウィンドウPW2が表示される。したがってこの場合は、POS端末20のオペレータは、確定操作を行ってポップアップウィンドウPW2を閉じる。また、パターン番号PNoとして“P03”が設定された商品が登録された場合には、図5の(c)に示すフォーマットのポップアップウィンドウPW3が表示される。したがってこの場合は、POS端末20のオペレータは、閉じるボタンB3の操作または何らかのキー操作を行ってポップアップウィンドウPW3を閉じる。
【0042】
このように、本実施形態のPOSシステムによれば、各商品に対してそれぞれ設定されるパターン番号PNoの如何によって、その商品に対して表示されるポップアップウィンドウのパターンが決まる。各商品に対してのパターン番号PNoは、商品マスタファイル11に設定されており、その番号は、POSサーバ10のメンテナンス業務によって任意に変更可能である。したがって、各商品の登録の際に表示させるポップアップウィンドウのパターン、つまりはポップアップウィンドウを消去するための入力条件を容易に変更することができる。
【0043】
以下、他の実施形態について説明する。
前記実施形態では、メッセージテーブル12とパターンテーブル13とをPOSサーバ10が保存し、図7のステップST4及びST6の処理でPOS端末20からPOSサーバ10に問合せを行うようにした。この点に関しては、上記メッセージテーブル12とパターンテーブル13とをPOS端末20のHDD205で保存するようにして、問合せ処理を不要にしてもよい。さらには、少なくとも各商品の商品コードに対応してメッセージ番号とパターン番号とを設定記憶するデータファイルをPOS端末20が備えることにより、商品販売データ処理装置としての機能をPOS端末20単体で実現することも可能である。
【0044】
また、ポップアップウィンドウのパターンは、前記実施形態の3種類(ポップアップウィンドウPW1,ポップアップウィンドウPW2,ポップアップウィンドウPW3)に限定されるものではない。本実施形態は、パターンテーブル13の設定如何によって、様々なパターンのポップアップウィンドウに対応できるものである。
【0045】
また、本実施形態のPOSシステムは、クラウドコンピューティングを利用して実現することも可能である。より具体的には、software as a service(SaaS)と称されるソフトウェア提供形態が適する。
【0046】
図14は、クラウドコンピューティングを利用したPOSシステム60の構成図であり、図1と共通する部分には同一符号を付している。このPOSシステム60は、クラウド61と、POS端末20別の複数の通信ネットワーク62を含む。クラウド61はさらに、POSサーバ10を含む。
【0047】
各POS端末20は、それぞれ対応する通信ネットワーク62を介してクラウド61と通信可能である。通信ネットワーク62としては、インターネット、プライベートネットワーク、次世代ネットワーク(NGN)、あるいはモバイルネットワークなどを適宜に利用できる。
【0048】
かかる構成のPOSシステム60は、図7に示す各処理のうちのステップST1の処理において、商品マスタファイル11から問合せのあった商品コードで特定される商品情報を検出する処理は、クラウド61側のPOSサーバ10で実行するが、その後のステップST2〜ST13の処理については、POSサーバ10及びPOS端末20のいずれにおいて実行してもよい。
【0049】
また、ステップST1〜ST13のうちの複数の処理をPOSサーバ10で実行する場合、それらの処理を単一のサーバにおいて実行しても良いし、複数のサーバにおいて分散処理してもよい。
【0050】
ところで、ステップST2〜ST13のうちの少なくとも1つの処理をPOS端末20にて実行する場合、その処理をPOS端末20が有するコンピュータに実行させるためのプログラムを、予めPOS端末20が有するプログラム記憶部(ROM203またはHDD205)に記憶させておいても良いし、上記のプログラムをクラウド61が有する記憶ユニットに記憶しておき、必要に応じてクラウド61からPOS端末20へと与えるようにしても良い。上記のプログラムをクラウド61からPOS端末20へと与える場合には、POSサーバ10に、上記のプログラムをPOS端末20へと送信する機能を備える。
【0051】
さらに、記録媒体に記録された同様のプログラムが、POS端末20にインストールされてもよい。記録媒体は、CD−ROM,メモリカード等のようにプログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能であれば、その形態は問わない。また、プログラムのインストールやダウンロードにより得る機能は、装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0052】
また、前記実施形態は、POSシステム1,60について説明したが、本発明は、ポップアップウィンドウを使用する他の情報処理装置または情報処理システムにも適用することができる。
【0053】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
1,60…POSシステム、10…POSサーバ、11…商品マスタファイル、12…メッセージテーブル、13…フォーマットテーブル、20…POS端末、61…クラウド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力デバイスからの商品データ入力に応じて実行される商品販売データ処理に係わる第1画面を表示デバイスに表示させる第1画面表示手段と、
前記入力デバイスから商品データが入力された商品に対して画面のフォーマットパターンを識別するパターンコードとメッセージデータを識別するメッセージコードとが設定されているとき、前記パターンコードに対応するフォーマットパターンの画面に前記メッセージコードに対応するメッセージデータを表示させた第2画面を作成する第2画面作成手段と、
この作成手段により作成された前記第2画面を、前記表示デバイスの前記第1画面の上に重ねて表示させる第2画面表示手段と、
前記第2画面のフォーマットパターンに対して設定された確認入力を前記入力デバイスから受けたことに応じて前記第2画面を消去する画面消去手段と、
を具備し、
前記画面のフォーマットパターンを識別するパターンコードとメッセージデータを識別するメッセージコードは、商品毎に設定されることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記画面のフォーマットパターンは、前記入力部の第1の入力を、前記商品販売データ処理を継続する確認入力として設定し、第2の入力を、前記商品販売データ処理を中止する確認入力として設定した第1のフォーマットパターンを少なくとも含むことを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記画面のフォーマットパターンは、前記入力部の第1の入力を、前記商品販売データ処理を継続する確認入力として設定した第2のフォーマットパターンを少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記画面のフォーマットパターンは、前記入力部の任意の入力を、前記商品販売データ処理を継続する確認入力として設定した第3のフォーマットパターンを少なくとも含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
入力デバイスと表示デバイスとを備えたコンピュータに、
前記入力デバイスからの商品データ入力に応じて実行される商品販売データ処理に係わる第1画面を表示デバイスに表示させる機能と、
前記入力デバイスから商品データが入力された商品に対して画面のフォーマットパターンを識別するパターンコードとメッセージデータを識別するメッセージコードとが設定されているとき、前記パターンコードに対応するフォーマットパターンの画面に前記メッセージコードに対応するメッセージデータを表示させた第2画面を作成する機能と、
作成された前記第2画面を、前記表示デバイスの前記第1画面の上に重ねて表示させる機能と、
前記第2画面のフォーマットパターンに対して設定された確認入力を前記入力デバイスから受けたことに応じて前記第2画面を消去する機能と、
を実現させるための画面制御プログラム。
【請求項6】
少なくとも1つのサーバ装置と端末装置とを含む商品販売データ処理システムであって、
入力デバイスからの商品データ入力に応じて実行される商品販売データ処理に係わる第1画面を表示デバイスに表示させる第1画面表示手段と、
前記入力デバイスから商品データが入力された商品に対して画面のフォーマットパターンを識別するパターンコードとメッセージデータを識別するメッセージコードとが設定されているとき、前記パターンコードに対応するフォーマットパターンの画面に前記メッセージコードに対応するメッセージデータを表示させた第2画面を作成する第2画面作成手段と、
この作成手段により作成された第2画面を、前記表示デバイスの前記第1画面の上に重ねて表示させる第2画面表示手段と、
前記第2画面のフォーマットパターンに対して設定された確認入力を前記入力デバイスから受けたことに応じて前記第2画面を消去する画面消去手段と、
を具備し、
かつ前記サーバ装置は、前記第1画面表示手段、第2画面作成手段、第2画面表示手段及び画面消去手段のうちの少なくとも1つを備え、
前記端末装置は、前記第1画面表示手段、第2画面作成手段、第2画面表示手段及び画面消去手段のうちの前記サーバ装置に備えられていないものと、前記入力デバイス及び表示デバイスを備えたことを特徴とする商品販売データ処理システム。
【請求項7】
入力デバイスと表示デバイスと第1のコンピュータとを備えた端末装置とともに商品販売データ処理システムを構築するサーバ装置に備えられた第2のコンピュータに、
前記入力デバイスからの商品データ入力に応じて実行される商品販売データ処理に係わる第1画面を表示デバイスに表示させる機能、
前記入力デバイスから商品データが入力された商品に対して画面のフォーマットパターンを識別するパターンコードとメッセージデータを識別するメッセージコードとが設定されているとき、前記パターンコードに対応するフォーマットパターンの画面に前記メッセージコードに対応するメッセージデータを表示させた第2画面を作成する機能、
作成された前記第2画面を、前記表示デバイスの前記第1画面の上に重ねて表示させる機能、及び
前記第2画面のフォーマットパターンに対して設定された確認入力を前記入力デバイスから受けたことに応じて前記第2画面を消去する機能、
のうちの少なくとも1つの機能を実現させるとともに、
残りの機能を前記第1のコンピュータに実現させるためのプログラムを前記端末装置に送信する機能、をさらに実現させるための画面制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−178004(P2012−178004A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39914(P2011−39914)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】