商品販売データ処理装置及びプログラム
【課題】商品の名称の代用情報で商品の注文を受け付ける販売形態において客にかかる負荷を低減する。
【解決手段】商品販売データ処理装置では、受付手段が、商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付け(ステップS11)、読出手段が、商品の名称の代用である代用情報を当該商品の商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、受付手段によって入力が受け付けられた商品特定情報に対応する代用情報を、読み出し(ステップS12)、報知手段が、読出手段によって読み出された代用情報を、報知器に報知させる(ステップS14)。
【解決手段】商品販売データ処理装置では、受付手段が、商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付け(ステップS11)、読出手段が、商品の名称の代用である代用情報を当該商品の商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、受付手段によって入力が受け付けられた商品特定情報に対応する代用情報を、読み出し(ステップS12)、報知手段が、読出手段によって読み出された代用情報を、報知器に報知させる(ステップS14)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等の店舗において、レジカウンタ領域内の陳列棚に例えばタバコを陳列する店舗がある。この場合、店員は、客からタバコの注文を受けると、客から指定されたタバコを陳列棚から取り出し、その後、POS端末等を用いて会計業務を行う。
【0003】
しかしながら、タバコには多数の種類があり、更に同じ銘柄でも味違い等で複数の種類があるため、店員が、注文されたタバコを陳列棚内から探すのに時間がかかり、客を待たせてしまう場合がある。そのため、各タバコに相互に異なる番号を店舗が独自で付与し、その番号順にタバコを陳列して、その番号をタバコの名称の代用情報として使用する販売形態が行われている。この販売形態では、客に自分が買いたいタバコを番号で伝えるという注文方法をとってもらう。これにより、店員は、番号でタバコを探せば良いので、客の注文に迅速に応えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように客がタバコを番号で注文するには、客は、まず、陳列されている複数種類のタバコの中から自分が買いたいタバコを見つけなければならず、客に負荷がかかってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、商品の名称の代用情報で商品の注文を受け付ける販売形態において客にかかる負荷を低減することができる商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の商品販売データ処理装置は、商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、を備える。
【0007】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品の名称の代用情報で商品の注文を受け付ける販売形態において客にかかる負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるPOS端末を備える店舗の内部を示す図である。
【図2】図2は、POS端末を示す外観斜視図である。
【図3】図3は、POS端末の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、代用情報テーブルを示す模式図である。
【図5】図5は、CPUの機能構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、代用情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、第1の案内画面を示す図である。
【図8】図8は、第2の案内画面を示す図である。
【図9】図9は、商品販売登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、報知画面を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態のPOS端末のキーボードを示す図である。
【図12】図12は、モード切替処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、代用情報検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図14は、第3の案内画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる商品販売データ処理装置及びプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態は、商品販売データ処理装置を、店舗に設置されて商品の販売登録等を行うPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末に適用した例である。
【0012】
まず、図1を参照して、POS端末10が設置される店舗100について説明する。店舗100は、POS端末10が載置されたカウンタ101と、陳列棚102とを、レジカウンタ領域100aに備えている。陳列棚102には、店舗100が販売する商品200のうちの一部が陳列されており、陳列棚102に陳列されている商品200は、複数種類ある。なお、商品には、当該店舗100で販売しているか否かに関わらず符号200を付して説明する。
【0013】
陳列棚102に陳列される商品200としては、例えばタバコやCD、DVD、書籍、薬等を例示することができるが、これら以外のものであっても良い。陳列棚102に陳列された商品200には、その商品200の名称(以下、商品名ともいう)の代用情報が設定されている。商品名の代用情報は、陳列棚102において商品200毎に設けられた陳列部102aに表示されている。商品名の代用情報は、例えば、番号である数字やアルファベット等を例示することができるが、これら以外であっても良い。図面では、代用情報として数字による番号(1,2,3・・・)の例が示されている。商品名の代用情報は、商品200に付され(表示され)商品200を特定する商品特定情報である商品コードとは別の情報であり、この代用情報は、商品200自体には付されない(表示されない)。また、商品名の代用情報は、店舗100独自で設定しており、同じ商品であっても店舗100が異なれば代用情報が異なる場合がある。なお、図面では、一部の商品の商品名の代用情報は省略してある。ここで、商品コードは、例えばJANコードであり、例えば商品のパッケージに印字によって付されている。また、商品コードは、バーコード等にコードシンボル化されて商品に付されている。
【0014】
この店舗100での陳列棚102に陳列されている商品200の注文手順の一例を説明する。陳列棚102に陳列されている商品200の購入を希望する客は、陳列されている商品200と同じ商品であって客が購入済みの商品200を店舗100に持参する。なお、商品200は、商品全体でも良いし商品コードが付されている部分だけでもよい。そして、客は、持参した商品200と同じ商品200の購入を希望する旨を店員に伝え、持参した商品200を店員に手渡す。店員は、その商品200に付された商品コードをPOS端末10のスキャナ17によって読み取らせる。これにより、POS端末10がその商品200の代用情報を表示する。店員は、表示された代用情報の商品200を陳列棚102から取り出し、取り出した商品200の会計業務を行うとともに、客が持参した商品200を客に返却する。
【0015】
次に、POS端末10について詳しく説明する。図2に示すように、POS端末10は、キーボード11、プリンタ12、操作者用表示器13、客用表示器14及びモードスイッチ15を備えている。これらのキーボード11、プリンタ12、操作者用表示器13、客用表示器14及びモードスイッチ15は、POS本体16を構成している。また、POS端末10は、POS本体16に接続された入力装置であるスキャナ17を備えている。また、POS端末10は、POS端末10の各部を制御する制御部18(図3参照)をPOS本体16に内蔵している。POS本体16は、ドロワ19上に載置されている。
【0016】
キーボード11は、操作者である店員が操作入力を行うための各種の操作キーを有している。操作キーは、数値を入力するための置数キー、取引における販売登録が行われる商品200の合計出力を指示する小計キー、取引の締めを宣言するための締めキー、実行キー等である。キーボード11は、操作されたキーに応じた信号を制御部18に入力する。
【0017】
操作者用表示器13及び客用表示器14は、例えば液晶表示器であり、制御部18に駆動されて各種情報を表示する。
【0018】
モードスイッチ15は、「登録モード」,「点検モード」,「精算モード」,「設定モード」などの各種動作モードを選択するためのスイッチであり、鍵にて操作される。モードスイッチ15は、切り替え位置に応じた信号を制御部18に入力する。
【0019】
プリンタ12は、取引単位でレシートを発行するとともに並行してジャーナル用紙への印字等を行うものである。プリンタ12は、ロール状に巻回されたレシート用紙を引き出しつつそのレシート用紙に取引内容を印字してレシートを生成し、レシート用紙からそのレシートを切断してレシートを発行する。
【0020】
スキャナ17は、コードシンボル化されて商品200に付された商品コードを光学的に読み取るものである。スキャナ17は、読み取った商品コードを制御部18に入力する。スキャナ17は、ハンディータイプであり、操作者(店員)がスキャナ17を把持して読み取り対象の商品コードへ近接させることで、スキャナ17が商品コードを読み取る。
【0021】
図3に示すように、制御部18は、各種演算やPOS端末10の各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)21、各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)22、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)23及び日時を計時する計時部24を有するコンピュータである。CPU21には、ROM22、RAM23、計時部24がバス25によって接続されている。また、CPU21には、バス25を介して通信インターフェース(図面では、通信I/F)26が接続されており、POS端末10は、通信インターフェース26を介してホスト装置等の外部装置(図示せず)との通信が可能となっている。また、CPU21には、バス25及びI/O機器制御部27を介して、前述したキーボード11、プリンタ12、操作者用表示器13、客用表示器14、モードスイッチ15、スキャナ17、ドロワ19とともに、記憶装置28が接続されている。これにより、CPU21による各部の制御が可能となっているとともに、キーボード11やスキャナ17、モードスイッチ15等からの信号がCPU21に入力可能となっている。
【0022】
記憶装置28は、例えばハードディスクドライブ装置等から構成されている。記憶装置28は、CPU21を動作させるプログラムの他、商品情報を記憶する商品マスタファイルや、販売データを記憶する売上ファイル、代用情報を記憶する代用情報テーブルT1等を格納している。商品マスタファイルは、商品コードに対応付けて商品名や単価等を記憶している。代用情報テーブルT1は、商品200の名称の代用情報を当該商品200の商品コードに対応付けして記憶する記憶部である。代用情報テーブルT1は、図4に示すように、代用情報を対応付けする商品毎に、商品コードを記憶する商品コード領域T1aと、代用情報を記憶する代用情報領域T1bと、を有する。
【0023】
次に、CPU21がプログラムに従って実行する各種の処理を説明する。CPU21は、プログラムに従うことにより、図5に示すように、モード切替手段としてのモード切替部31と、代用情報登録手段としての代用情報登録部32と、受付手段としての受付部33と、読出手段としての読出部34と、報知手段としての報知部35と、販売登録手段としての販売登録部36と、を機能部として実現する。
【0024】
モード切替部31は、モードスイッチ15からの出力信号に応じて、POS端末10の動作モードを登録モード、設定モード、精算モード、点検モード等の各動作モードに切り替え設定する。モード切替部31は、RAM23に形成される動作モード記憶領域に、設定する動作モードを示すモード情報を格納し、動作モードを切り替える場合には、RAM23の動作モード記憶領域に格納したモード情報を書き換える。このように、モード切替部31は、複数の異なる動作モードを切り替える。
【0025】
次に、CPU21が、設定モードで行う代用情報登録処理を図6に示すフローチャートを参照して説明する。この処理では、CPU21は、代用情報登録部32として動作して、商品コードに代用情報を対応付けして代用情報テーブルT1に記憶させる。詳細には、CPU21は、まず、商品名の代用情報を登録する商品200の商品コードの入力を受け付ける(ステップS1)。このステップS1では、CPU21は、まず、図7に示すような第1の案内画面51を操作者用表示器13に表示させて、スキャナ17から商品コードが入力されるまで待機する。このとき、店員は、代用情報を登録させたい商品200の商品コードをスキャナ17に読み取らせる。そして、CPU21は、スキャナ17から入力される商品コードを受け付ける。
【0026】
次に、CPU21は、ステップS1で受け付けた商品コードを代用情報テーブルT1の商品コード領域T1aに記憶させる(ステップS2)。
【0027】
次に、CPU21は、ステップS1で商品コードを受け付けた商品200の名称に対して設定する代用情報の入力を受け付ける(ステップS3)。このステップS3では、CPU21は、まず、図8に示すような第2の案内画面52を操作者用表示器13に表示させ、キーボード11から数字等の代用情報が入力されるまで待機する。店員は、キーボード11を操作して、所望の代用情報の入力操作を行う。これによりキーボード11からCPU21へ代用情報が入力され、CPU21は、キーボード11から入力された代用情報を受け付ける。
【0028】
そして、CPU21は、ステップS3で入力を受け付けた代用情報を、ステップS1で商品コードを記憶させた商品コード領域T1aに対応する代用情報領域T1bに記憶させる(ステップS4)。これにより、ステップS1で商品コード領域T1aに記憶された商品コードに、ステップS4で代用情報領域T1bに記憶された代用情報が対応付けされる。
【0029】
次に、CPU21が、登録モードで行う商品販売登録処理を図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、CPU21は、受付部33として動作して、商品コードの入力をスキャナ17から受け付ける(ステップS11)。この際、客は、陳列棚102に陳列されている商品200の購入を希望する場合、上述の通り、持参した商品200と同じ商品200の購入を希望する旨を店員に伝え、持参した商品200を店員に手渡す。店員は、その商品200に付された商品コードに対してスキャナ17の読み取り操作を行う。これにより、スキャナ17が商品コードを読み取り、読み取った商品コードをCPU21に入力する。このとき、CPU21は、商品コードを受け付けた商品200が当該店舗100で販売しているものであるか否かを調べる。詳細には、CPU21は、受け付けた商品コードが商品マスタファイルに存在するか否かを調べる。その商品コードが商品マスタファイルに存在している場合には、CPU21は、当該商品200は当該店舗100で販売している商品であると判定し、ステップS12に進む。一方、その商品コードが商品マスタファイルに存在しない場合には、CPU21は、当該商品200は当該店舗100で販売していないものであると判定し、エラー処理をした後、次の商品コードの入力を受け付ける。エラー処理は、例えば、当該店舗100では当該商品200を販売していない旨を示すポップアップ表示を操作者用表示器13及び客用表示器14に規定時間の間表示するとともに、ブザー(図示せず)によって警告音を発する処理である。
【0031】
次に、CPU21は、読出部34として動作して、代用情報読出処理を行う(ステップS12)。このステップS12では、CPU21は、代用情報テーブルT1を検索して、ステップS1で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報の有無を調べる。そして、CPU21は、代用情報テーブルT1に、ステップS1で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報がある場合には、その代用情報を代用情報テーブルT1から読み出す。
【0032】
CPU21は、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応付する代用情報が代用情報テーブルT1にある場合には(ステップS13のYes)、報知部35として動作し、読み出した代用情報を操作者用表示器13に表示させることで、その代用情報を店員に報知する(ステップS14)。この操作者用表示器13による報知の一例として、CPU21は、操作者用表示器13に、図10に示すような報知画面53をポップアップ表示させる。この報知画面53には、ステップS11で受付部33によって商品コードの入力が受け付けられた商品200の代用情報である番号「112」と、商品名とが表示されている。これにより、店員は、客が購入を希望する商品200の代用情報を、知ることができるので、その商品200を陳列棚102から容易に探し出して客に提供することができる。なお、この商品名は、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応して商品マスタファイルに記憶されているものを、CPU21が読み出したものである。そして、CPU21は、報知画面53を、実行キー等の規定のキーが押下されることにより削除し、ステップS15に進む。なお、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報が代用情報テーブルT1に無い場合には(ステップS13のNo)、CPU21は、ステップS14の処理を行わないで、ステップS15に進む。
【0033】
ステップS15では、CPU21は、販売登録部36として動作して、商品コードを用いて商品200の販売登録を行う。詳細には、CPU21は、ステップS11で受付部33によって商品コードの入力が受け付けられた商品200を、販売登録する。この販売登録として、CPU21は、商品マスタファイルを検索して、入力された商品コードに対応する商品名、単価等の商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて当該商品200の販売データを作成してこの販売データをRAM23等の記憶部に記憶させることで、当該商品200の販売登録を行う。また、CPU21は、商品200の商品情報のうち単価等を操作者用表示器13及び客用表示器14に表示させる。さらに、CPU21は、ここまで販売登録した商品200の合計金額を算出して、RAM23等の記憶部に記憶させるとともに、操作者用表示器13及び客用表示器14に表示させる。
【0034】
そして、CPU21は、締めキーが押下されずに(ステップS16のNo)、再び、商品コードの入力があった場合には、その商品コードを受け付けて(ステップS11)、上記の処理を繰り返し行う。
【0035】
CPU21は、締めキーが押下されたと判断した場合(ステップS16のYes)、締め処理を実行する(ステップS17)。この締め処理では、CPU21は、販売登録した商品200の会計情報を作成し、この会計情報に基づくレシートをプリンタ12に印字発行させるとともに、その会計情報を売上ファイルに記憶させる。
【0036】
以上、説明したように、本実施の形態のPOS端末10では、受付部33が商品コードの入力をスキャナ17から受け付け、読出部34が、受付部33によって受け付けられた商品コードに対応する商品名の代用情報を代用情報テーブルT1から読み出し、報知部35が、読出部によって読み出された代用情報を操作者用表示器13に表示さて、その代用情報を報知する。したがって、店員は、商品200に付された商品コードをスキャナ17に読み取らせることで、その商品200の代用情報を知ることができる。よって、商品の名称の代用情報で商品200の注文を受け付ける販売形態において、客は、購入希望の商品200と同じ商品であって客が購入済みの商品200(パッケージ等だけであっても良い)を店舗100に持参し、持参した商品200と同じ商品200の購入を希望する旨を店員に伝え、持参した商品200を店員に手渡せばよい。これにより、店員は、その商品に付された商品コードをスキャナ17によって読み取らせてその商品の代用情報を確認し、その商品200を例えば陳列棚102から容易に探し出して客に提供することができる。よって、客は、当該商品200の注文の際に、代用情報を用いる必要がないので、代用情報を確認するために、陳列されている複数種類の商品200の中から自分が買いたい商品200を見つける必要がない。よって、商品の名称の代用情報で商品の注文を受け付ける販売形態において客にかかる負荷を低減することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、販売登録部36が、受付部33によって入力が受け付けられた商品コードを用いて商品200の販売登録を行う。したがって、一つの商品200につき商品名の代用情報の報知と販売登録とで用いる商品コードの入力が1回で良いので、店員に掛かる手間が少なくて済むという利点がある。
【0038】
また、本実施の形態では、商品特定情報は、商品コードであり、入力装置は、商品特定情報を読み取るスキャナ17である。したがって、店員が、商品特定情報の入力作業を容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施の形態では、POS端末10が、代用情報登録部32を備える。したがって、店舗100毎に代用情報を自由に設定することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同じ部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0041】
本実施の形態は、POS端末10が実行する処理と、図11に示すようにPOS端末10のキーボード11に検索キー11aが設けられている点とが第1の形態に対して主に異なる。検索キー11aは、登録モードから検索モードへの動作モードの切り替えを宣言する宣言手段である。
【0042】
また、本実施の形態では、POS端末10は、動作モードとして登録モード等の他に検索モードを備えている。検索モードは、代用情報の検索処理を実行する動作モードであり、商品200の販売登録は行わない。また、本実施の形態では、登録モードでCPU21が実行する商品販売登録処理で、代用情報の読出処理は行わない。即ち、本実施の形態では、図8のフローチャートのうちステップS12〜S14の処理は省略される。これにより、商品販売登録処理でのCPU21に掛かる負荷が低減できる。
【0043】
本実施の形態では、CPU21は、登録モードが設定されている場合、図12に示すモード切替処理を実行している。このモード切替処理では、CPU21は、モード切替部31として動作する。CPU21は、検索キー11aが押されることでモード切替が宣言されるのを待つ(ステップS21のNo)。CPU21は、モード切替が宣言されたと判定した場合(ステップS21のYes)、動作モードを登録モードから検索モードに切り替える(ステップS22)。このとき、CPU21は、RAM23の動作モード記憶領域に、検索モードを示す検索モード情報を格納する。
【0044】
そして、CPU21は、検索モードでの検索の終了が宣言されるのを待つ(ステップS23のNo)。この検索の終了の宣言方法は、後述する。CPU21は、検索モードでの代用情報の検索の終了が宣言された場合(ステップS23のYes)、動作モードを検索モードから登録モードに切り替える(ステップS24)。
【0045】
次に、CPU21が検索モードで行う検索処理を図13に示すフローチャートを参照して説明する。まず、CPU21は、図14に示すような第3の案内画面54を操作者用表示器13に表示させる(ステップS31)。
【0046】
次に、CPU21は、受付部33として動作して、商品コードの入力をスキャナ17から受け付ける(ステップS11)。次に、CPU21は、読出部34として動作して、代用情報読出処理を行う(ステップS12)。これらのステップS11、S12の処理は、第1の実施の形態と同じである。
【0047】
次に、CPU21は、報知部35として動作して、ステップS12で行った代用情報の読出処理の読出結果を報知する(ステップS32)。このステップS32では、CPU21は、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報が代用情報テーブルT1にある場合には、図10に示すように、その代用情報を操作者用表示器13に表示して、その代用情報を店員に報知する。一方、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報が代用情報テーブルT1に無い場合には、CPU21は、代用情報が無い旨と終了ボタンとを表示した第2の報知画面(図示せず)を操作者用表示器13にポップアップ表示させる。
【0048】
次に、CPU21は、操作者の操作によるキーボードによって報知画面53の終了ボタン又は第2の報知画面の終了ボタンが選択されたなら、終了処理として報知画面53や第2の報知画面を削除する(ステップS33)。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態では、POS端末10は、商品コードを用いて商品の販売登録を行う販売登録部36と、動作モードを切り替えるモード切替部31と、を備え、読出部34と販売登録部36とは、相互に異なる動作モードで動作する。したがって、店員は、商品名の代用情報の確認業務と、商品の販売登録業務とを別々に行うことができる。
【0050】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施の形態を各種採用することができる。例えば、上記各実施の形態では、代用情報を報知する報知器として操作者用表示器13を採用し、代用情報を操作者用表示器13に表示されることで、代用情報を報知したが、これに限るものではなく、代用情報をスピーカ等の発音装置で音声によって報知しても良い。
【0051】
また、入力装置としては、スキャナ17に限ることなく、例えば、キーボード11であっても良い。
【0052】
また、上記各実施の形態では、各種プログラムを記憶装置28に格納するようにしたが、これに限るものではなく上記実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されて良い。また、上記各実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記各実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0053】
また、上記各実施の形態では、商品販売データ処理装置を、POS端末10に適用した例を説明したが、これに限るものではなく商品販売データ処理装置をECR(Electric Cash Register)に適用しても良い。
【符号の説明】
【0054】
10…POS端末(商品販売データ処理装置)
13…操作者用表示器(報知器)
17…スキャナ(入力装置)
31…モード切替部(モード切替手段)
32…代用情報登録部(代用情報登録手段)
33…受付部(受付手段)
34…読出部(読出手段)
35…報知部(報知手段)
36…販売登録部(販売登録手段)
200…商品
T1…代用情報テーブル(記憶部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平7−21467号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品販売データ処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストア等の店舗において、レジカウンタ領域内の陳列棚に例えばタバコを陳列する店舗がある。この場合、店員は、客からタバコの注文を受けると、客から指定されたタバコを陳列棚から取り出し、その後、POS端末等を用いて会計業務を行う。
【0003】
しかしながら、タバコには多数の種類があり、更に同じ銘柄でも味違い等で複数の種類があるため、店員が、注文されたタバコを陳列棚内から探すのに時間がかかり、客を待たせてしまう場合がある。そのため、各タバコに相互に異なる番号を店舗が独自で付与し、その番号順にタバコを陳列して、その番号をタバコの名称の代用情報として使用する販売形態が行われている。この販売形態では、客に自分が買いたいタバコを番号で伝えるという注文方法をとってもらう。これにより、店員は、番号でタバコを探せば良いので、客の注文に迅速に応えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように客がタバコを番号で注文するには、客は、まず、陳列されている複数種類のタバコの中から自分が買いたいタバコを見つけなければならず、客に負荷がかかってしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、商品の名称の代用情報で商品の注文を受け付ける販売形態において客にかかる負荷を低減することができる商品販売データ処理装置及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の商品販売データ処理装置は、商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、を備える。
【0007】
また、本発明のプログラムは、コンピュータを、商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、として機能させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品の名称の代用情報で商品の注文を受け付ける販売形態において客にかかる負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態にかかるPOS端末を備える店舗の内部を示す図である。
【図2】図2は、POS端末を示す外観斜視図である。
【図3】図3は、POS端末の構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、代用情報テーブルを示す模式図である。
【図5】図5は、CPUの機能構成を示すブロック図である。
【図6】図6は、代用情報登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】図7は、第1の案内画面を示す図である。
【図8】図8は、第2の案内画面を示す図である。
【図9】図9は、商品販売登録処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】図10は、報知画面を示す図である。
【図11】図11は、本発明の第2の実施の形態のPOS端末のキーボードを示す図である。
【図12】図12は、モード切替処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図13は、代用情報検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】図14は、第3の案内画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本発明にかかる商品販売データ処理装置及びプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を説明する。本実施の形態は、商品販売データ処理装置を、店舗に設置されて商品の販売登録等を行うPOS(Point of Sales:販売時点管理)端末に適用した例である。
【0012】
まず、図1を参照して、POS端末10が設置される店舗100について説明する。店舗100は、POS端末10が載置されたカウンタ101と、陳列棚102とを、レジカウンタ領域100aに備えている。陳列棚102には、店舗100が販売する商品200のうちの一部が陳列されており、陳列棚102に陳列されている商品200は、複数種類ある。なお、商品には、当該店舗100で販売しているか否かに関わらず符号200を付して説明する。
【0013】
陳列棚102に陳列される商品200としては、例えばタバコやCD、DVD、書籍、薬等を例示することができるが、これら以外のものであっても良い。陳列棚102に陳列された商品200には、その商品200の名称(以下、商品名ともいう)の代用情報が設定されている。商品名の代用情報は、陳列棚102において商品200毎に設けられた陳列部102aに表示されている。商品名の代用情報は、例えば、番号である数字やアルファベット等を例示することができるが、これら以外であっても良い。図面では、代用情報として数字による番号(1,2,3・・・)の例が示されている。商品名の代用情報は、商品200に付され(表示され)商品200を特定する商品特定情報である商品コードとは別の情報であり、この代用情報は、商品200自体には付されない(表示されない)。また、商品名の代用情報は、店舗100独自で設定しており、同じ商品であっても店舗100が異なれば代用情報が異なる場合がある。なお、図面では、一部の商品の商品名の代用情報は省略してある。ここで、商品コードは、例えばJANコードであり、例えば商品のパッケージに印字によって付されている。また、商品コードは、バーコード等にコードシンボル化されて商品に付されている。
【0014】
この店舗100での陳列棚102に陳列されている商品200の注文手順の一例を説明する。陳列棚102に陳列されている商品200の購入を希望する客は、陳列されている商品200と同じ商品であって客が購入済みの商品200を店舗100に持参する。なお、商品200は、商品全体でも良いし商品コードが付されている部分だけでもよい。そして、客は、持参した商品200と同じ商品200の購入を希望する旨を店員に伝え、持参した商品200を店員に手渡す。店員は、その商品200に付された商品コードをPOS端末10のスキャナ17によって読み取らせる。これにより、POS端末10がその商品200の代用情報を表示する。店員は、表示された代用情報の商品200を陳列棚102から取り出し、取り出した商品200の会計業務を行うとともに、客が持参した商品200を客に返却する。
【0015】
次に、POS端末10について詳しく説明する。図2に示すように、POS端末10は、キーボード11、プリンタ12、操作者用表示器13、客用表示器14及びモードスイッチ15を備えている。これらのキーボード11、プリンタ12、操作者用表示器13、客用表示器14及びモードスイッチ15は、POS本体16を構成している。また、POS端末10は、POS本体16に接続された入力装置であるスキャナ17を備えている。また、POS端末10は、POS端末10の各部を制御する制御部18(図3参照)をPOS本体16に内蔵している。POS本体16は、ドロワ19上に載置されている。
【0016】
キーボード11は、操作者である店員が操作入力を行うための各種の操作キーを有している。操作キーは、数値を入力するための置数キー、取引における販売登録が行われる商品200の合計出力を指示する小計キー、取引の締めを宣言するための締めキー、実行キー等である。キーボード11は、操作されたキーに応じた信号を制御部18に入力する。
【0017】
操作者用表示器13及び客用表示器14は、例えば液晶表示器であり、制御部18に駆動されて各種情報を表示する。
【0018】
モードスイッチ15は、「登録モード」,「点検モード」,「精算モード」,「設定モード」などの各種動作モードを選択するためのスイッチであり、鍵にて操作される。モードスイッチ15は、切り替え位置に応じた信号を制御部18に入力する。
【0019】
プリンタ12は、取引単位でレシートを発行するとともに並行してジャーナル用紙への印字等を行うものである。プリンタ12は、ロール状に巻回されたレシート用紙を引き出しつつそのレシート用紙に取引内容を印字してレシートを生成し、レシート用紙からそのレシートを切断してレシートを発行する。
【0020】
スキャナ17は、コードシンボル化されて商品200に付された商品コードを光学的に読み取るものである。スキャナ17は、読み取った商品コードを制御部18に入力する。スキャナ17は、ハンディータイプであり、操作者(店員)がスキャナ17を把持して読み取り対象の商品コードへ近接させることで、スキャナ17が商品コードを読み取る。
【0021】
図3に示すように、制御部18は、各種演算やPOS端末10の各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)21、各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)22、各種プログラムを一時的に記憶したり各種データを書き換え自在に記憶するRAM(Random Access Memory)23及び日時を計時する計時部24を有するコンピュータである。CPU21には、ROM22、RAM23、計時部24がバス25によって接続されている。また、CPU21には、バス25を介して通信インターフェース(図面では、通信I/F)26が接続されており、POS端末10は、通信インターフェース26を介してホスト装置等の外部装置(図示せず)との通信が可能となっている。また、CPU21には、バス25及びI/O機器制御部27を介して、前述したキーボード11、プリンタ12、操作者用表示器13、客用表示器14、モードスイッチ15、スキャナ17、ドロワ19とともに、記憶装置28が接続されている。これにより、CPU21による各部の制御が可能となっているとともに、キーボード11やスキャナ17、モードスイッチ15等からの信号がCPU21に入力可能となっている。
【0022】
記憶装置28は、例えばハードディスクドライブ装置等から構成されている。記憶装置28は、CPU21を動作させるプログラムの他、商品情報を記憶する商品マスタファイルや、販売データを記憶する売上ファイル、代用情報を記憶する代用情報テーブルT1等を格納している。商品マスタファイルは、商品コードに対応付けて商品名や単価等を記憶している。代用情報テーブルT1は、商品200の名称の代用情報を当該商品200の商品コードに対応付けして記憶する記憶部である。代用情報テーブルT1は、図4に示すように、代用情報を対応付けする商品毎に、商品コードを記憶する商品コード領域T1aと、代用情報を記憶する代用情報領域T1bと、を有する。
【0023】
次に、CPU21がプログラムに従って実行する各種の処理を説明する。CPU21は、プログラムに従うことにより、図5に示すように、モード切替手段としてのモード切替部31と、代用情報登録手段としての代用情報登録部32と、受付手段としての受付部33と、読出手段としての読出部34と、報知手段としての報知部35と、販売登録手段としての販売登録部36と、を機能部として実現する。
【0024】
モード切替部31は、モードスイッチ15からの出力信号に応じて、POS端末10の動作モードを登録モード、設定モード、精算モード、点検モード等の各動作モードに切り替え設定する。モード切替部31は、RAM23に形成される動作モード記憶領域に、設定する動作モードを示すモード情報を格納し、動作モードを切り替える場合には、RAM23の動作モード記憶領域に格納したモード情報を書き換える。このように、モード切替部31は、複数の異なる動作モードを切り替える。
【0025】
次に、CPU21が、設定モードで行う代用情報登録処理を図6に示すフローチャートを参照して説明する。この処理では、CPU21は、代用情報登録部32として動作して、商品コードに代用情報を対応付けして代用情報テーブルT1に記憶させる。詳細には、CPU21は、まず、商品名の代用情報を登録する商品200の商品コードの入力を受け付ける(ステップS1)。このステップS1では、CPU21は、まず、図7に示すような第1の案内画面51を操作者用表示器13に表示させて、スキャナ17から商品コードが入力されるまで待機する。このとき、店員は、代用情報を登録させたい商品200の商品コードをスキャナ17に読み取らせる。そして、CPU21は、スキャナ17から入力される商品コードを受け付ける。
【0026】
次に、CPU21は、ステップS1で受け付けた商品コードを代用情報テーブルT1の商品コード領域T1aに記憶させる(ステップS2)。
【0027】
次に、CPU21は、ステップS1で商品コードを受け付けた商品200の名称に対して設定する代用情報の入力を受け付ける(ステップS3)。このステップS3では、CPU21は、まず、図8に示すような第2の案内画面52を操作者用表示器13に表示させ、キーボード11から数字等の代用情報が入力されるまで待機する。店員は、キーボード11を操作して、所望の代用情報の入力操作を行う。これによりキーボード11からCPU21へ代用情報が入力され、CPU21は、キーボード11から入力された代用情報を受け付ける。
【0028】
そして、CPU21は、ステップS3で入力を受け付けた代用情報を、ステップS1で商品コードを記憶させた商品コード領域T1aに対応する代用情報領域T1bに記憶させる(ステップS4)。これにより、ステップS1で商品コード領域T1aに記憶された商品コードに、ステップS4で代用情報領域T1bに記憶された代用情報が対応付けされる。
【0029】
次に、CPU21が、登録モードで行う商品販売登録処理を図9に示すフローチャートを参照して説明する。
【0030】
まず、CPU21は、受付部33として動作して、商品コードの入力をスキャナ17から受け付ける(ステップS11)。この際、客は、陳列棚102に陳列されている商品200の購入を希望する場合、上述の通り、持参した商品200と同じ商品200の購入を希望する旨を店員に伝え、持参した商品200を店員に手渡す。店員は、その商品200に付された商品コードに対してスキャナ17の読み取り操作を行う。これにより、スキャナ17が商品コードを読み取り、読み取った商品コードをCPU21に入力する。このとき、CPU21は、商品コードを受け付けた商品200が当該店舗100で販売しているものであるか否かを調べる。詳細には、CPU21は、受け付けた商品コードが商品マスタファイルに存在するか否かを調べる。その商品コードが商品マスタファイルに存在している場合には、CPU21は、当該商品200は当該店舗100で販売している商品であると判定し、ステップS12に進む。一方、その商品コードが商品マスタファイルに存在しない場合には、CPU21は、当該商品200は当該店舗100で販売していないものであると判定し、エラー処理をした後、次の商品コードの入力を受け付ける。エラー処理は、例えば、当該店舗100では当該商品200を販売していない旨を示すポップアップ表示を操作者用表示器13及び客用表示器14に規定時間の間表示するとともに、ブザー(図示せず)によって警告音を発する処理である。
【0031】
次に、CPU21は、読出部34として動作して、代用情報読出処理を行う(ステップS12)。このステップS12では、CPU21は、代用情報テーブルT1を検索して、ステップS1で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報の有無を調べる。そして、CPU21は、代用情報テーブルT1に、ステップS1で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報がある場合には、その代用情報を代用情報テーブルT1から読み出す。
【0032】
CPU21は、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応付する代用情報が代用情報テーブルT1にある場合には(ステップS13のYes)、報知部35として動作し、読み出した代用情報を操作者用表示器13に表示させることで、その代用情報を店員に報知する(ステップS14)。この操作者用表示器13による報知の一例として、CPU21は、操作者用表示器13に、図10に示すような報知画面53をポップアップ表示させる。この報知画面53には、ステップS11で受付部33によって商品コードの入力が受け付けられた商品200の代用情報である番号「112」と、商品名とが表示されている。これにより、店員は、客が購入を希望する商品200の代用情報を、知ることができるので、その商品200を陳列棚102から容易に探し出して客に提供することができる。なお、この商品名は、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応して商品マスタファイルに記憶されているものを、CPU21が読み出したものである。そして、CPU21は、報知画面53を、実行キー等の規定のキーが押下されることにより削除し、ステップS15に進む。なお、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報が代用情報テーブルT1に無い場合には(ステップS13のNo)、CPU21は、ステップS14の処理を行わないで、ステップS15に進む。
【0033】
ステップS15では、CPU21は、販売登録部36として動作して、商品コードを用いて商品200の販売登録を行う。詳細には、CPU21は、ステップS11で受付部33によって商品コードの入力が受け付けられた商品200を、販売登録する。この販売登録として、CPU21は、商品マスタファイルを検索して、入力された商品コードに対応する商品名、単価等の商品情報を取得し、取得した商品情報に基づいて当該商品200の販売データを作成してこの販売データをRAM23等の記憶部に記憶させることで、当該商品200の販売登録を行う。また、CPU21は、商品200の商品情報のうち単価等を操作者用表示器13及び客用表示器14に表示させる。さらに、CPU21は、ここまで販売登録した商品200の合計金額を算出して、RAM23等の記憶部に記憶させるとともに、操作者用表示器13及び客用表示器14に表示させる。
【0034】
そして、CPU21は、締めキーが押下されずに(ステップS16のNo)、再び、商品コードの入力があった場合には、その商品コードを受け付けて(ステップS11)、上記の処理を繰り返し行う。
【0035】
CPU21は、締めキーが押下されたと判断した場合(ステップS16のYes)、締め処理を実行する(ステップS17)。この締め処理では、CPU21は、販売登録した商品200の会計情報を作成し、この会計情報に基づくレシートをプリンタ12に印字発行させるとともに、その会計情報を売上ファイルに記憶させる。
【0036】
以上、説明したように、本実施の形態のPOS端末10では、受付部33が商品コードの入力をスキャナ17から受け付け、読出部34が、受付部33によって受け付けられた商品コードに対応する商品名の代用情報を代用情報テーブルT1から読み出し、報知部35が、読出部によって読み出された代用情報を操作者用表示器13に表示さて、その代用情報を報知する。したがって、店員は、商品200に付された商品コードをスキャナ17に読み取らせることで、その商品200の代用情報を知ることができる。よって、商品の名称の代用情報で商品200の注文を受け付ける販売形態において、客は、購入希望の商品200と同じ商品であって客が購入済みの商品200(パッケージ等だけであっても良い)を店舗100に持参し、持参した商品200と同じ商品200の購入を希望する旨を店員に伝え、持参した商品200を店員に手渡せばよい。これにより、店員は、その商品に付された商品コードをスキャナ17によって読み取らせてその商品の代用情報を確認し、その商品200を例えば陳列棚102から容易に探し出して客に提供することができる。よって、客は、当該商品200の注文の際に、代用情報を用いる必要がないので、代用情報を確認するために、陳列されている複数種類の商品200の中から自分が買いたい商品200を見つける必要がない。よって、商品の名称の代用情報で商品の注文を受け付ける販売形態において客にかかる負荷を低減することができる。
【0037】
また、本実施の形態では、販売登録部36が、受付部33によって入力が受け付けられた商品コードを用いて商品200の販売登録を行う。したがって、一つの商品200につき商品名の代用情報の報知と販売登録とで用いる商品コードの入力が1回で良いので、店員に掛かる手間が少なくて済むという利点がある。
【0038】
また、本実施の形態では、商品特定情報は、商品コードであり、入力装置は、商品特定情報を読み取るスキャナ17である。したがって、店員が、商品特定情報の入力作業を容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施の形態では、POS端末10が、代用情報登録部32を備える。したがって、店舗100毎に代用情報を自由に設定することができる。
【0040】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。なお、第1の実施の形態と同じ部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
【0041】
本実施の形態は、POS端末10が実行する処理と、図11に示すようにPOS端末10のキーボード11に検索キー11aが設けられている点とが第1の形態に対して主に異なる。検索キー11aは、登録モードから検索モードへの動作モードの切り替えを宣言する宣言手段である。
【0042】
また、本実施の形態では、POS端末10は、動作モードとして登録モード等の他に検索モードを備えている。検索モードは、代用情報の検索処理を実行する動作モードであり、商品200の販売登録は行わない。また、本実施の形態では、登録モードでCPU21が実行する商品販売登録処理で、代用情報の読出処理は行わない。即ち、本実施の形態では、図8のフローチャートのうちステップS12〜S14の処理は省略される。これにより、商品販売登録処理でのCPU21に掛かる負荷が低減できる。
【0043】
本実施の形態では、CPU21は、登録モードが設定されている場合、図12に示すモード切替処理を実行している。このモード切替処理では、CPU21は、モード切替部31として動作する。CPU21は、検索キー11aが押されることでモード切替が宣言されるのを待つ(ステップS21のNo)。CPU21は、モード切替が宣言されたと判定した場合(ステップS21のYes)、動作モードを登録モードから検索モードに切り替える(ステップS22)。このとき、CPU21は、RAM23の動作モード記憶領域に、検索モードを示す検索モード情報を格納する。
【0044】
そして、CPU21は、検索モードでの検索の終了が宣言されるのを待つ(ステップS23のNo)。この検索の終了の宣言方法は、後述する。CPU21は、検索モードでの代用情報の検索の終了が宣言された場合(ステップS23のYes)、動作モードを検索モードから登録モードに切り替える(ステップS24)。
【0045】
次に、CPU21が検索モードで行う検索処理を図13に示すフローチャートを参照して説明する。まず、CPU21は、図14に示すような第3の案内画面54を操作者用表示器13に表示させる(ステップS31)。
【0046】
次に、CPU21は、受付部33として動作して、商品コードの入力をスキャナ17から受け付ける(ステップS11)。次に、CPU21は、読出部34として動作して、代用情報読出処理を行う(ステップS12)。これらのステップS11、S12の処理は、第1の実施の形態と同じである。
【0047】
次に、CPU21は、報知部35として動作して、ステップS12で行った代用情報の読出処理の読出結果を報知する(ステップS32)。このステップS32では、CPU21は、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報が代用情報テーブルT1にある場合には、図10に示すように、その代用情報を操作者用表示器13に表示して、その代用情報を店員に報知する。一方、ステップS11で受付部33によって入力が受け付けられた商品コードに対応する代用情報が代用情報テーブルT1に無い場合には、CPU21は、代用情報が無い旨と終了ボタンとを表示した第2の報知画面(図示せず)を操作者用表示器13にポップアップ表示させる。
【0048】
次に、CPU21は、操作者の操作によるキーボードによって報知画面53の終了ボタン又は第2の報知画面の終了ボタンが選択されたなら、終了処理として報知画面53や第2の報知画面を削除する(ステップS33)。
【0049】
以上説明したように、本実施の形態では、POS端末10は、商品コードを用いて商品の販売登録を行う販売登録部36と、動作モードを切り替えるモード切替部31と、を備え、読出部34と販売登録部36とは、相互に異なる動作モードで動作する。したがって、店員は、商品名の代用情報の確認業務と、商品の販売登録業務とを別々に行うことができる。
【0050】
なお、本発明は、上記各実施の形態に限ることなく本発明の要旨を逸脱しない範囲で他の実施の形態を各種採用することができる。例えば、上記各実施の形態では、代用情報を報知する報知器として操作者用表示器13を採用し、代用情報を操作者用表示器13に表示されることで、代用情報を報知したが、これに限るものではなく、代用情報をスピーカ等の発音装置で音声によって報知しても良い。
【0051】
また、入力装置としては、スキャナ17に限ることなく、例えば、キーボード11であっても良い。
【0052】
また、上記各実施の形態では、各種プログラムを記憶装置28に格納するようにしたが、これに限るものではなく上記実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供されて良い。また、上記各実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、上記各実施の形態のPOS端末10で実行されるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0053】
また、上記各実施の形態では、商品販売データ処理装置を、POS端末10に適用した例を説明したが、これに限るものではなく商品販売データ処理装置をECR(Electric Cash Register)に適用しても良い。
【符号の説明】
【0054】
10…POS端末(商品販売データ処理装置)
13…操作者用表示器(報知器)
17…スキャナ(入力装置)
31…モード切替部(モード切替手段)
32…代用情報登録部(代用情報登録手段)
33…受付部(受付手段)
34…読出部(読出手段)
35…報知部(報知手段)
36…販売登録部(販売登録手段)
200…商品
T1…代用情報テーブル(記憶部)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0055】
【特許文献1】特開平7−21467号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、
前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報を用いて商品の販売登録を行う販売登録手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記商品特定情報を用いて商品の販売登録を行う販売登録手段と、
動作モードを切り替えるモード切替手段と、
を備え、
前記読出手段と前記販売登録手段とは、相互に異なる動作モードで動作することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記商品特定情報は、商品コードであり、
前記入力装置は、前記商品特定情報を読み取るスキャナであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記商品特定情報に前記代用情報を対応付けして前記記憶部に記憶させる代用情報登録手段を備える請求項1ないし4のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、
前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、
として機能させるプログラム。
【請求項1】
商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、
前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報を用いて商品の販売登録を行う販売登録手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記商品特定情報を用いて商品の販売登録を行う販売登録手段と、
動作モードを切り替えるモード切替手段と、
を備え、
前記読出手段と前記販売登録手段とは、相互に異なる動作モードで動作することを特徴とする請求項1に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項4】
前記商品特定情報は、商品コードであり、
前記入力装置は、前記商品特定情報を読み取るスキャナであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項5】
前記商品特定情報に前記代用情報を対応付けして前記記憶部に記憶させる代用情報登録手段を備える請求項1ないし4のいずれか一項に記載の商品販売データ処理装置。
【請求項6】
コンピュータを、
商品に付され当該商品を特定する商品特定情報の入力を、入力装置から受け付ける受付手段と、
前記商品特定情報とは別の情報であって商品の名称の代用である代用情報を当該商品の前記商品特定情報に対応付けして記憶している記憶部から、前記受付手段によって入力が受け付けられた前記商品特定情報に対応する前記代用情報を、読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出された前記代用情報を、報知器に報知させる報知手段と、
として機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−113264(P2011−113264A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268589(P2009−268589)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】
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