説明

商品販売データ処理装置

【課題】 商品販売データ処理装置において使用者が行う設定業務の容易化を図る。
【解決手段】 設定処理において設定項目を操作部を用いて設定するための設定画面G1〜G4を表示器9に表示し(図4(a)〜図4(e))、操作ガイダンスメッセージMが存在している設定画面G4には、操作ガイダンスメッセージMが有る旨を表すガイダンスマーク21を含ませ(図4(e))、操作ガイダンスメッセージMを表示させるための操作部の操作に応じて、現在表示中の設定画面(例えば、設定画面G4)に対応する操作ガイダンスメッセージMを表示器9に表示するようにした(図4(f))。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、POS(Point of Sales)端末やECR(Electric Cash Register)などの商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、POS(Point of Sales)端末やECR(Electric Cash Register)などの商品販売データ処理装置では、取引に伴い入力された商品コードに基づいて商品の販売登録処理を実行している。
【0003】
この販売登録処理等に必要な、例えば部門設定や担当者の設定などの各種設定項目の設定処理では、使用者は、表示器に表示された各種の設定画面でのキーボードでの入力操作や選択操作をして所望の設定を行う。
【0004】
【特許文献1】特開2000−123254公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この設定処理は、複雑であり、使用者が設定方法が分からなくなった場合には、使用者は、取扱説明書で設定方法を確認している。これにより、設定には、多くの時間と労力が必要となっている。
【0006】
特許文献1には、操作ガイドキーが使用者により押下されると、その時点での案内を行う操作ガイダンスメッセージを印刷装置によってレシート用紙に印刷して出力する技術が開示されている。しかし、この技術では、そもそも操作ガイダンスメッセージが存在しているのか否かということが使用者には、分からないので、使い難い。
【0007】
本発明の目的は、商品販売データ処理装置において使用者が行う設定業務の容易化を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、表示器と、操作者に操作される操作部と、記憶部に記憶され前記設定項目を前記操作部を用いて設定するための複数種類の設定画面を前記表示器に表示する第1の手段と、操作ガイダンスメッセージと対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記設定画面には、前記操作ガイダンスメッセージが有る旨を表すガイダンスマークを含ませる第2の手段と、前記操作ガイダンスメッセージを表示させるための前記操作部の操作に応じて、現在表示中の前記設定画面に対応する前記操作ガイダンスメッセージを前記記憶部を参照して前記表示器に表示する第3の手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、商品販売データ処理装置において使用者が行う設定業務の容易化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。本実施の形態の商品販売データ処理装置は、スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で使用されるECRに適用されている。
【0011】
図1は、ECR1を概略的に示す外観斜視図である。図1に示すように、ECR1の本体ケース2の操作者から見て左側には、内蔵されているレシートプリンタ3(図3参照)を覆うためのプリンタカバー4が設けられており、そのプリンタカバー4にはレシートプリンタ3から取引単位でレシート用紙に印字されるレシート(図示せず)を発行するレシート発行口5が形成されている。一方、本体ケース2の操作者から見て右側には、内蔵されているジャーナルプリンタ6(図3参照)を覆うためのプリンタカバー7が設けられており、そのプリンタカバー7にはジャーナルプリンタ6でジャーナル用紙に印字されるジャーナル(図示せず)への筆記を受け付けるジャーナル窓8が形成されている。
【0012】
また、ECR1の本体ケース2の操作者から見て中央部分には、すなわちレシートプリンタ3とジャーナルプリンタ6との間には、LCD(Liquid Crystal Display)である表示器9が設けられている。また、ECR1の本体ケース2の操作者から見て手前側には、操作部であり各種のキーが集合するキーボード10が設けられている。さらに、ECR1の本体ケース2の操作者から見て、キーボード10の奥側には、図示しない鍵によってECR1の動作モードを登録モード・設定モード・精算モード・点検モード等の各業務モードに切り替え設定するためのコントロールキーCが設けられている。ここで、登録モードは、販売登録処理を実行するモードであり、設定モードは、少なくとも販売登録処理に必要な項目の設定処理を実行するモードである。
【0013】
表示器9は、4行構成のメイン表示エリア9aと1行構成の7セグメント表示エリア9bと(共に図4参照)を有している。
【0014】
図2は、キーボード10の各種キー11の配列を示す平面図である。本実施の形態では、登録モードと設定モードにおけるキーボード10のキー11に対する項目の割り当てについて説明する。キーボード10のキー11には、登録モードと設定モードとで割り当てられる内容が同じキー11と異なるキー11とがある。図2中、斜線で2分割されていないキー11は、その表示されている内容が登録モードと設定モードとで同じく割り当てられるキー11である。図2中、斜線で2分割されているキー11では、斜線の右下に表示された内容が登録モードでの割当内容であり、斜線の左上に表示された内容が設定モードでの割当内容である。登録モードのキー11は、周知のキー11と変わらないので説明を省略する。設定モードでのキー11には、数字や文字を入力するための置数・文字キーa、選択/確定キー11b、カーソルを上下左右に移動させるための移動キー11c、前画面に戻るための画面戻るキー11d、操作ガイダンスメッセージを表示させるためのガイダンスキー11e等が設けられている。ガイダンスキー11eには、クエスチョンマーク(?)が表示されている。このガイダンスキー11eは、後述する設定処理において、使用者に押下されることにより、操作ガイダンスメッセージの表示を宣言する。なお、キー11への割り当て内容の表示は、図2に示す表示方法に限定されるもではなく、例えば、登録モードでの割り当て内容をキー11の上面に表示し、設定モードでの割り当て内容をキー11の側面に表示してもよい。
【0015】
図3は、ECR1の電装系を示すブロック図である。図3に示すように、ECR1は、CPU(Central Processing Unit)やコンピュータプログラムを格納するROM(Read Only Memory)を主体に構成される制御部12と、売上バッファや印字バッファ等の各種バッファが割り当てられるRAM(Random Access Memory)であるメモリ部13とを保有している。このメモリ部13は、バッテリによってバックアップされている。
【0016】
また、制御部12には、バス14及びI/O機器制御部15を介して、前述したレシートプリンタ3、ジャーナルプリンタ6、表示器9、キーボード10、コントロールキーCとともに、商品に付された商品コードを読み取るバーコードスキャナ17が接続されている。
【0017】
メモリ部13には、制御部12のCPUを動作させるコンピュータプログラムの他、商品コードに対応付けて商品名や単価を記憶する商品マスタファイルF1、売上登録データを記憶する売上ファイルF2、各種画面ファイルF3、操作ガイダンスファイルF4等が格納されている。商品マスタファイルF1は、商品コードに対応付けて分類コード、単価、商品名称等を格納するファイルである。画面ファイルF3は、表示器9に表示する後述する複数種類の設定画面G1〜G4などの画面のデータを1ページ単位で記憶しているファイルである。操作ガイダンスファイルF4は、設定画面(例えば、G4)に対応付けて操作ガイダンスメッセージを記憶しているファイルである。
【0018】
ここで、ECR1に内蔵されたメモリ部13に格納されたコンピュータプログラムが制御部12のCPUに実行させる機能の内、商品の販売に係る商品販売データ処理機能における処理動作について簡単に説明する。商品販売データ処理は、コントロールキーCの切り換え操作によって動作モードが登録モードに設定されていることを条件として実行される。この処理では、例えば、商品に付された商品コードをバーコードスキャナ17によって読み取ると、CPUは読み取った商品コードに基づいて商品マスタファイルF1を検索し、該当する商品コードに対応した商品名や単価等を読み出し、商品コード、商品名、単価等に基づいて売上登録処理するとともに、部門別登録や表示器9への表示、またレシートプリンタ3及びジャーナルプリンタ6により印字出力を行い、さらに売上登録した売上登録データを売上ファイルF2に累計する。
【0019】
次に、メモリ部13に格納されたコンピュータプログラムが制御部12のCPUに実行させる機能のうち、設定処理機能について、操作ガイダンス表示機能を主として、使用者の操作手順と共に説明する。ここで、図4は設定処理での表示器9における画面遷移例を示す模式図である。設定処理は、コントロールキーCの切り換え操作によって動作モードが設定モードに設定されていることを条件として実行される。
【0020】
設定処理では、まず、図4(a)に示すような第1の設定画面G1が表示器9のメイン表示エリア9aに表示される(第1の手段)。この第1の設定画面G1には、数字の1〜4に対応させて各種の設定項目が表示されている。具体的には、1に対応させて「各種メッセージ設定」、2に対応させて「部門/担当者の名前」、3に対応させて「部門/PLU設定」、4に対応させて「割引率/税率の設定」が表示されている。
【0021】
この第1の設定画面G1に表示された設定項目の選択は、使用者が、所望の設定項目に対応する数字をキーボード10の置数・文字キーaの操作により入力するか、選択カーソルを移動キー11cによって所望の設定項目に移動させて選択/確定キー11bを押下するかのどちらかにより実行される。この選択操作は、以下で説明する画面においても同様である。このような操作により、例えば、第1の設定画面G1中の設定項目の内、3の「部門/PLU設定」が選択された場合には(図4(b)参照)、図4(c)に示すような第2の設定画面G2が表示器9のメイン表示エリア9aに表示される(第1の手段)。
【0022】
この第2の設定画面G2には、数字の1、2に対応させて各種の設定項目が表示されている。具体的には、1に対応させて「部門キーへの設定」、2に対応させて「PLU(商品番号)設定」が表示されている。使用者のキーボード10の操作により、例えば、第2の設定画面G2中の設定項目の内「部門キーへの設定」が選択された場合には、図4(d)に示すような第3の設定画面G3が表示器9のメイン表示エリア9aに表示される(第1の手段)。
【0023】
この第3の設定画面G3には、数字の1〜4に対応させて各種の設定項目が表示されている。具体的には、1に対応させて「各種設定」、2に対応させて「単価の設定」、3に対応させて「単価の桁数制限」、4に対応させて「キーステッカーの印刷」が表示されている。使用者のキーボード10の操作により、例えば、第3の設定画面G3中の設定項目の内、1の「各種設定」が選択された場合には、図4(e)に示すような第4の設定画面G4が表示器9のメイン表示エリア9aに表示される(第1の手段、第2の手段)。
【0024】
この第4の設定画面G4には、数字の1〜4に対応させて各種の設定項目が表示されている。具体的には、1に対応させて「部門01」、2に対応させて「部門02」、3に対応させて「部門03」が表示されている。また、この第4の設定画面G4には、ガイダンスマーク21が表示されている。本実施の形態では、ガイダンスマーク21として、クエスチョンマーク(?)が採用されている。
【0025】
ガイダンスマーク21は、ガイダンスマーク21が表示されている設定画面(ここでは、設定画面G4)に関わる操作ガイダンスメッセージが有る旨を示すものである。このようなガイダンスマーク21は、画像ファイルF3において予め設定画面(ここでは、設定画面G4)への表示が設定されている。なお、ガイダンスマーク21の表示方法としては、設定画面を表示する際に、その設定画面に対して操作ガイダンスメッセージが有るか否かを操作ガイダンスファイルF4を検索することで判断し、操作ガイダンスメッセージが有る場合にその設定画面にガイダンスマーク21を表示するようにしてもよい。
【0026】
操作ガイダンスメッセージを表示器9に表示させるには、使用者が、キーボード10のガイダンスキー11eを押下するか、選択カーソルを移動キー11cによってガイダンスマーク21に移動させて選択/確定キー11bを押下するかのどちらかにより実行される。このような使用者の操作により、操作ガイダンスメッセージの表示が宣言されたならば、現在表示中の設定画面(ここでは、設定画面G4)に対応する操作ガイダンスメッセージが操作ガイダンスファイルF4を参照して表示される(第3の手段)。具体的には、図4(e)に示すようなガイダンス画面G5が表示器9のメイン表示エリア9aに表示される。
【0027】
ガイダンス画面G5には、第4の設定画面G4に対する操作ガイダンスメッセージMが表示されている。操作ガイダンスメッセージMは、この場合には、例えば、「設定を行う部門(商品)を上下の移動キーで選択後、選択/確定キーを押して下さい」である。
【0028】
このようなガイダンス画面G5から第4の設定画面G4に戻るには、使用者は、キーボード10の画面戻るキー11dを押下すればよい。この操作がなされた場合には、一つ前の画面が表示される(この場合には、第4の設定画面G4)。
【0029】
なお、ガイダンスマーク21が表示されていないときに、ガイダンスキー11eが押下されても操作ガイダンスメッセージは表示されない。
【0030】
以上説明したように、本実施の形態では、操作ガイダンスメッセージMが存在する設定画面(本実施の形態では、第4の設定画面G4)には操作ガイダンスメッセージMが有る旨を表すガイダンスマーク21が含まれ、このガイダンスマーク21が表示されているときに、使用者によって操作ガイダンスメッセージMを表示させるための操作がなされたならば、ガイダンスマーク21が表示された設定画面(本実施の形態では、第4の設定画面G4)に対応する操作ガイダンスメッセージMが表示器9に表示される。従って、使用者は、ガイダンスマーク21により操作ガイダンスメッセージMが有ることを認識でき、上述した規定の操作を行うことにより、操作ガイダンスメッセージMを表示させることができる。よって、ECR1において使用者が行う設定業務の容易化を図ることができる。
【0031】
また、本実施の形態においては、操作部は、ガイダンスマークと同じマークが付されたガイダンスキー11eを有するキーボード10であり、第3の手段は、ガイダンスキー11eが操作されることで操作ガイダンスメッセージMを表示することにより、操作部を容易に実現することができ、また、使用者は、操作ガイダンスメッセージMを見たいときには、ガイダンスキー11eを操作するだけで良いので、操作が簡単である。
【0032】
また、本実施の形態においては、ガイダンスマーク21は、クエスチョンマークであることにより、使用者は直感的に操作ガイダンスメッセージMがあることを連想することができる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、商品販売データ処理装置としてECR1を適用した例を説明したが、これに限るものではなく、商品販売データ処理装置としては、POS端末等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の一実施の形態の商品販売データ処理装置であるECRを概略的に示す外観斜視図である。
【図2】キーボードの各種キーの配列を示す平面図である。
【図3】ECRの電装系を示すブロック図である。
【図4】設定処理での表示器の画面遷移例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
1…商品販売データ処理装置、9…表示器、10…操作部、11e…ガイダンスキー、13…記憶部、21ガイダンスマーク、G1〜G4…設定画面、M…操作ガイダンスメッセージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも商品販売データ処理に必要な設定項目の設定を設定処理によって行う商品販売データ処理装置において、
表示器と、
操作者に操作される操作部と、
記憶部に記憶され前記設定項目を前記操作部を用いて設定するための複数種類の設定画面を前記表示器に表示する第1の手段と、
操作ガイダンスメッセージと対応付けられて前記記憶部に記憶されている前記設定画面には、前記操作ガイダンスメッセージが有る旨を表すガイダンスマークを含ませる第2の手段と、
前記操作ガイダンスメッセージを表示させるための前記操作部の操作に応じて、現在表示中の前記設定画面に対応する前記操作ガイダンスメッセージを前記記憶部を参照して前記表示器に表示する第3の手段と、
を備えることを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記操作部は、前記ガイダンスマークと同じマークが付されたガイダンスキーを有するキーボードであり、
前記第3の手段は、前記ガイダンスキーが操作されることで前記操作ガイダンスメッセージを表示することを特徴とする請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記ガイダンスマークは、クエスチョンマークであることを特徴とする請求項1又は2記載の商品販売データ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−146472(P2006−146472A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−334216(P2004−334216)
【出願日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】