説明

商品販売データ処理装置

【課題】同一の商品販売データ処理装置を使用する店員同士で任意の情報を確実に伝達できるようにする。
【解決手段】操作者用表示部にメモ画面301を表示し、入力部の操作によってメモ情報の入力を宣言(メモ画面301a)し、入力されたメモ情報をメモ画面301a上に表示させるようにした。さらに、予め記憶された操作者情報401a(例えば、店員の氏名)の中から所望の操作者情報の選択指定を可能として、選択指定された操作者情報に対応する識別情報(例えば、責任者コード)とメモ情報とを関連付けられるようにした。そして、操作者に識別情報の入力を要求して、入力された識別情報と関連付けされたメモ情報をメモ画面301上に表示させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、POS(Point of Sales:販売時点管理)端末等の商品販売データ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スーパーマーケット等の店舗では、複数の操作者(店員)が交代で商品販売データ処理装置を使用する。このとき、同一の商品販売データ処理装置を使用する店員同士で申し送り等をするような場合は、宛名と共にメモを書き込んだ付箋紙を、店員の目に触れられ易い商品販売データ処理装置の操作者用表示部の周囲のフレーム部等に貼り付けることで、特定の店員に対して情報伝達を図ることが多い。
【0003】
【特許文献1】特開平11−144153号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、付箋紙は剥がれ易いため貼り付けた付箋紙がフレーム部から剥がれ落ちてしまって情報伝達が確実に行えず、店員同士の情報伝達ミスとなってトラブルが発生してしまうような場合がある。
【0005】
ここで、特許文献1には、電子ジャーナル中にメモ情報(例えば、データ取消理由等)を入力して残すことができる技術が開示されている。しかし、電子ジャーナル中にメモ情報を残すことから入力したメモ情報は店員の目に触れられ易いものではなく、また、店員を特定して情報伝達を行い得るものでもない。
【0006】
本発明の目的は、同一の商品販売データ処理装置を使用する店員同士で任意の情報を確実に伝達できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の商品販売データ処理装置は、情報を表示する操作者用表示部と、情報を入力するための入力部と、を備え、前記入力部の操作によってメモ情報の入力を宣言し、前記入力部の操作によってメモ情報を入力し、メモ情報を表示するためのメモ画面を前記操作者用表示部に表示させ、前記入力されたメモ情報を前記メモ画面上に表示させ、操作者を特定できる操作者情報を操作者固有の識別情報別に記憶するテーブルに予め記憶された操作者情報の中から所望の操作者情報を選択指定し、前記選択指定された操作者情報に対応する識別情報と前記入力されたメモ情報とを関連付けし、また、操作者に識別情報の入力を要求して、前記入力された識別情報と前記関連付けされたメモ情報を前記メモ画面上に表示させるようにした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作者(店員)を選択指定してメモ情報と関連付けすることができ、そして、その店員が商品販売データ処理装置を使用したときに、関連付けされたメモ情報を操作者用表示部のメモ画面上に表示させることができるので、同一の商品販売データ処理装置を使用する店員同士で任意の情報を確実に伝達することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施の一形態を図1ないし図11に基づいて説明する。本実施の形態の商品販売データ処理装置は、スーパーマーケット等の店舗で使用されるPOS端末への適用例である。
【0010】
図1は、本実施の形態のPOS端末101を示す外観斜視図である。ドロワ102の上に載置されたPOS端末101には、上面右側にキーボード103と操作者用表示部としての表示部104とが配列され、上面左側にはレシートジャーナルプリンタ106が配列されている。また、上面後方には、客用表示部107が立設されている。さらに、POS端末101には、商品に付された商品コード(図示しない)を光学的に読み取るためのバーコードスキャナ108も接続されている。ここで、キーボード103には、詳細は図示しないが、各種のキーが配列されており、その中には、数字を入力するための置数キー、締めを宣言するための預/現計キー等が含まれている。そして、表示部104上には入力部としてのタッチパネル105が取り付けられている。タッチパネル105及びキーボード103は入力部として機能し、POS端末101での各種情報の入力は、タッチパネル105及びキーボード103での操作によって実行される。
【0011】
図2は、POS端末101に備えられる各部の電気的接続を示すブロック図である。POS端末101は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンと称する)111を備えており、このマイコン111によってPOS端末101が備える各部を駆動制御する。マイコン111は、各種演算処理を実行し各部を集中的に制御するCPU(Central Processing Unit)151に、バスライン155を介して、固定データを固定的に記憶保存するROM(Read Only Memory)152と、可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)153とが接続されて構成されている。なお、RAM153は、バッテリ(図示しない)によってバックアップされている。
【0012】
そして、マイコン111には、前述したドロワ102、キーボード103、表示部104、タッチパネル105、レシートジャーナルプリンタ106、客用表示部107、バーコードスキャナ108がいずれも各種の入出力回路(全て図示せず)とバスライン155とを介して接続されており、マイコン111が各部を制御する。また、マイコン111には、通信インターフェース156もバスライン155を介して接続されている。通信インターフェース156は、店舗のバックヤード等に設置された上位装置(図示しない)と接続されて、POS端末101は、この上位装置と通信可能になっている。
【0013】
さらに、マイコン111には、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置154がバスライン155を介して接続されている。記憶装置154には、マイコン111を動作させるコンピュータプログラム、商品コード毎に商品名や単価等の商品データを記憶する商品データファイル(図示しない)と共に、POS端末101にサインオン可能な操作者(店員)の責任者コードを予め記憶するテーブルとしての責任者テーブルT、タッチパネル105の操作により入力されるメモ情報を記憶するメモ情報ファイルF(図9参照)等を格納している。記憶装置154に格納されたコンピュータプログラムは、POS端末101の起動時、商品データファイル等と共にその全部又は一部がRAM153にコピーされ、これによってマイコン111による各部の駆動制御が可能な状態となる。
【0014】
図3は、責任者テーブルTを示す模式図である。POS端末101を使用する店員には、店員毎に固有の識別情報として、例えば4桁のコード情報である責任者コードが付与されており、責任者テーブルTは、図3に示すように、この責任者コード別に、店員を可視的に特定できる操作者情報として、例えばテキスト情報である店員の氏名を記憶するものである。また、責任者テーブルTは、店員の種別に応じて店員毎に付与された2桁のコード情報である権限コードをも記憶する。ここで、権限コードは、サインオンするPOS端末101に対する操作権限のレベルを規定するものである。例えば、権限コードが01であれば、POS端末101の各種設定変更の操作等が可能となるが、権限コードが02であれば、商品販売データ処理のみ行うことができる。
【0015】
そして、POS端末101は、責任者テーブルTに予め記憶された責任者コードによってサインオンされた場合のみ、商品販売データ処理の実行が可能となる。つまり、POS端末101が、電源投入や休止状態からの立ち上げ等によって稼動状態になると、表示部104には、サインオンに際して、責任者コードの入力を要求する責任者コード入力画面(図示しない)が表示される。ここで、キーボード103等から責任者コードの入力を行い、入力した責任者コードが責任者テーブルTに記録されている場合のみ、その責任者コードでサインオンが実行されて、POS端末101は商品販売データ処理の実行が可能となる。なお、POS端末101を使用する店員が交代する場合は、交代時に一度POS端末101を休止状態に移行させ、次に使用する店員が再度サインオンするようにする。
【0016】
図4は、商品販売データ処理に際して表示部104に表示される画面表示を示す模式図である。商品販売データ処理が実行される場合、POS端末101の表示部104には、図4に示すような商品販売データ処理画面201が表示される。商品販売データ処理画面201は、現在日時を年月日エリア201aに表示し、サインオンした店員の氏名を担当氏名エリア201bに表示する。
【0017】
商品販売データ処理は、バーコードスキャナ108等よって読み取られた商品コードに基づいて商品データファイルから対応する商品データを呼び出して実行される。呼び出した商品データに含まれる商品名及び単価は、商品データエリア201cに呼び出し順に表示される。なお、商品データエリア201cには、商品の数量、数量と単価とに基づく金額、及び、値引額についても表示される。また、商品販売データ処理画面201は、金額エリア201dに、一取引の合計金額を税抜き額及び消費税額と共に商品データの呼び出しに従い逐次表示内容を更新して表示する。
【0018】
ここで、呼び出した商品データは、RAM153(図2参照)のワークエリアに一時記憶される。そして、一取引において全ての商品コードの入力が終了したならば、締め操作としてキーボード103の置数キーを押下して預り金額を入力し、預/現計キーを押下して一取引が確定する。そして、金額エリア201dには、預かり金額及び釣り金額が表示される。一取引の確定後には、RAM153のワークエリアに一時記憶したデータに基づいて算出した売上合計金額等の取引情報を保存し、取引情報を印字したレシートを生成して発行する。発行したレシートを顧客に渡し、一取引を終了する。
【0019】
ところで、図4中、表示部104の右縁部には、商品販売データ処理画面201の右側部に隙間なく配列された5個のメモ画面301が表示されている。詳細は後述するが、各々のメモ画面301上には、タッチパネル105への手書き入力によって入力されるメモ情報が表示される。メモ画面301は、商品販売データ処理画面201が表示されて商品販売データ処理の実行中は表示部104に常時表示されているが、キーボード103による所定の操作がされた場合や、ジャーナル検索画面(図示しない)等の所定の画面が表示部104に表示された場合等においては、表示部104に表示されているメモ画面301は表示部104中から一時的に退避する。ここに、所定のイベントの発生を条件に、メモ画面を一時的に非表示にする手段の機能が実行される。こうして表示部104の画面全体を広く使用することができる。なお、表示部104に表示されるメモ画面301の個数は5個に限られることはなく、また、メモ画面301の表示部104中の表示位置も表示部104の右縁部に限られない。
【0020】
以下、メモ画面301へのメモ情報の入力、入力されたメモ情報の表示、店員及び時刻の選択指定等について、図5ないし図8に基づいて説明する。なお、図6ないし図8おいては、図4で説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。
【0021】
図5は、POS端末101のマイコン111が実行する処理の流れを示すフローチャートである。まず、マイコン111は、表示部104に表示されている5個のメモ画面301の中の一つのメモ画面301が表示された領域のタッチパネル105のタッチ操作によって(ステップS1)、タッチ操作されたメモ画面301へのメモ情報の入力を宣言し(ステップS2)、この入力の宣言に応じて、タッチ操作されたメモ画面301を表示部104の中央部位に移動させて拡大表示させる(ステップS3)。そして、マイコン111は、メモ情報の入力を許容して、拡大表示されているメモ画面301の領域のタッチパネル105への手書き入力操作によってメモ情報を入力する(ステップS4)。手書き入力は、例えば、タッチパネル105の表面を傷つけないように先端が丸く加工されたタッチペン(図示しない)により行われる。このように、メモ情報の入力が手書き入力によって行われることで、キーボード入力を苦手とする店員にとってもメモ情報の入力が容易となり、さらに、メモ画面301が拡大表示されることで、小さいスペースに手書き入力する必要がなくなり、メモ情報を入力するに際しての作業性を向上させることができる。
【0022】
図6は、メモ画面301が拡大表示された状態の表示部104の画面表示を示す模式図である。ここで、タッチ操作による入力の宣言に応じて拡大表示されて、メモ情報が入力されたメモ画面301を特にメモ画面301aと表記する。図6に示すように、拡大表示されたメモ画面301aには、手書き入力としてタッチペンの先端でタッチパネル105をなぞった軌跡が、メモ情報として表示されている。このとき、図6中、メモ画面301aの底部には、メモ情報の入力後にタッチ操作されるボタンが表示されている。ここで、ボタンとしては、手書き入力されたメモ情報を確定するための確定ボタン302a、手書き入力により表示されたメモ情報を消去するためのクリアボタン302b、メモ画面301aへのメモ情報入力を取りやめるためのキャンセルボタン302c、及び、メモ情報を入力したメモ画面301aに各種選択指定をするための選択指定ボタン302dが表示されている。
【0023】
図5のフローチャートに戻る。メモ情報入力(ステップS4)の後、確定ボタン302aがタッチ操作されたならば(ステップS5のY)、マイコン111は、入力されたメモ情報を確定して(ステップS6)、表示部104の中央部位に拡大表示されたメモ画面301aを元の位置大きさに復元して表示させる(ステップS7)。一方、確定ボタン302aではなく、(ステップS5のN)、選択指定ボタン302dがタッチ操作されると(ステップS8のY)、マイコン111は、メモ情報が入力されたメモ画面301aに対して後述する選択指定を行うための選択指定画面401(図8参照)を表示部104に表示させる(ステップS9)。なお、選択指定ボタン302dでもなく(ステップS8のN)、キャンセルボタン302cがタッチ操作された場合は(ステップS17のY)、メモ情報の入力がされないでメモ画面301aの位置大きさが復元して表示される(ステップS18)。
【0024】
図7は、選択指定画面401が表示された状態の表示部の画面表示を示す模式図である。選択指定画面401は、店員や時刻を選択指定して、入力されたメモ情報と関連付けするためのものである。選択指定画面401は、責任者テーブルTに記憶されている店員の氏名を店員氏名エリア401aに表示し、任意の時刻を時刻エリア401bに表示する。ここで、選択指定は、選択指定画面401に表示されている店員ボタン401g及び時刻ボタン401hをそれぞれタッチ操作することで可能となる。つまり、店員ボタン401g及び時刻ボタン401hがタッチ操作されると、選択指定画面401に表示されているスクロールボタン401e、401fがタッチ操作可能となる。これらスクロールボタン401e、401fをタッチ操作すると、店員氏名エリア401a及び時刻エリア401bには、それぞれに店員の氏名及び任意の時刻が順次表示されるので、所望の店員及び時刻を選択指定することができる。なお、店員氏名エリア401aには、個々の店員の氏名だけではなく、「全員」という表記も表示され、これを選択指定することで、責任者テーブルTに記憶された店員全員を選択指定することができる。また、選択指定画面401は、確定ボタン401c及びキャンセルボタン401dを表示している。確定ボタン401cは選択指定した内容を確定する場合にタッチ操作するものであり、キャンセルボタン401dは選択指定を行わない場合にタッチ操作するものである。
【0025】
図5のフローチャートに戻る。図7に示した選択指定画面401の店員ボタン401gがタッチ操作されたならば(ステップS10のY)、マイコン111は、スクロールボタン401eのタッチ操作により店員の氏名を選択指定する(ステップS11)。ここに、操作者情報(店員の氏名)を識別情報(責任者コード)別に記憶するテーブル(責任者テーブル)に予め記憶された操作者情報(店員の氏名)の中からから所望の操作者情報(店員の氏名)を選択指定する手段の機能が実行される。そして、時刻ボタン401hがタッチ操作されたならば(ステップS12のY)、スクロールボタン401fのタッチ操作により時刻を選択指定する(ステップS13)。なお、このとき店員又は時刻どちらか一方のみの選択指定であってもよい(ステップS10のN、12のN)。その場合、店員の選択指定のみであれば、後述するように、その店員がPOS端末101にサインオンしてすぐにメモ情報が表示されることになる。また、時刻の選択指定のみであれば、サインオンに関係なく指定時刻の到来によってメモ情報が表示されることになり、POS端末101を使用している店員に依存せずに、申し送り事項等のメモ情報をその指定時刻にPOS端末101を使用している店員に対して伝達することができる。これにより、POS端末101を使用する店員のシフトがわからない場合等にもメモ情報を伝達することができる。
【0026】
選択指定の後、確定ボタン401cがタッチ操作されると(ステップS14のY)、マイコン111は、入力されたメモ情報及び選択指定を確定する(ステップS15)。このとき、ステップS15では、選択指定された店員の氏名に対応する責任者コードを責任者テーブルTから取得し、入力されたメモ情報を取得した責任者コード及び選択指定された時刻とともにメモ情報ファイルF(図9参照)に記憶させる。ここに、選択指定された操作者情報(店員の氏名)に対応する識別情報(責任者コード)と入力されたメモ情報とを関連付けする手段の機能と、任意の時刻と入力されたメモ情報とを関連付けする手段の機能とが実行される。そして、マイコン111は、メモ画面301aを元の位置大きさに復元して表示させる(ステップS16)。なお、確定ボタン401cがタッチ操作されずに(ステップS14のN)、キャンセルボタン401dがタッチ操作された場合は(ステップS19のY)、選択指定画面401の表示を取り消して、メモ画面301aに表示されたボタンのタッチ操作を再度待機する(ステップS5、8、17)。
【0027】
図8は、メモ情報及び選択指定が確定されたメモ画面301aが位置大きさを復元させて表示された状態の表示部104を示す模式図である。図8に示すように、位置大きさが復元したメモ画面301aには、手書き入力されたメモ情報も縮小されて表示されており、さらに、メモ画面301aには、その底部に位置させて選択指定内容エリア303が設けられて、選択指定された店員の氏名及び時刻についても併せて表示されている。これにより選択指定を行った店員は、その選択指定内容についての確認をすることができる。なお、図5のフローチャートのステップS5で確定ボタン302aがタッチ操作された場合は、選択指定がされなかったことになり選択指定内容エリア303は表示されない。
【0028】
図9は、メモ情報ファイルFを示す模式図である。図9に示すように、記憶装置154に格納されているメモ情報ファイルFには、手書き入力されたメモ情報が、選択指定された店員に基づく責任者コード及び時刻と関連付けて記憶されている。このようにメモ情報ファイルFに記憶されたメモ情報は、関連付けされた責任者コードの店員がPOS端末101にサインオンした場合、表示部104に表示されるメモ画面301上に表示されることになる。
【0029】
図10は、サインオンに際してPOS端末101のマイコン111が実行する処理の流れを示すフローチャートである。サインオンに際して、まず、マイコン111は、責任者コード入力画面を表示部104に表示させることで店員に対して責任者コードの入力を要求して(ステップS21)、責任者コードの入力を待機する(ステップS22)。そして、責任者コードの入力がされたならば(ステップS22のY)、入力された責任者コードでサインオンして、POS端末101は商品販売データ処理の実行が可能な状態となるが、ここで、マイコン111は、入力された責任者コードに基づきメモ情報ファイルFを検索する(ステップS23)。入力された責任者コードと関連付けされたメモ情報がメモ情報ファイルFに記憶されている場合は(ステップS24のY)、このメモ情報を取得して、時刻が選択指定されていない場合は(ステップS25のN)サインオン終了後直ちにメモ画面301上に表示させる(ステップS27)。一方で、時刻が選択指定されている場合は(ステップS25のY)、指定時刻の到来を条件に(ステップS26のY)、表示部104に表示されたメモ画面301に表示させる(ステップS27)。
【0030】
図11は、メモ情報ファイルFに記憶されたメモ情報がメモ画面301上に表示された状態の表示部104を示す模式図である。ここで、メモ画面301中、メモ情報が表示されているメモ画面301をメモ画面301bと表記する。なお、図4等で説明した部分と同じ部分は同じ符号で示し、説明も省略する。図11に示すように、サインオンするとPOS端末101は商品販売データ処理が実行可能となるため、表示部104には商品販売データ処理画面201も表示されている。このとき、メモ画面301bには、入力店員エリア304が設けられてメモ情報を入力して選択指定を行った店員の氏名が表示されており、POS端末101にサインオンした店員は、どの店員からの伝達であるかを知ることができる。
【0031】
以上説明したように本実施の形態によれば、POS端末101にサインオン可能な店員を選択指定して、入力したメモ情報と関連付けすることができ、そして、その店員が自分の責任者コードでPOS端末101にサインオンすると、関連付けされたメモ情報が店員の目に触れられ易いメモ画面301上に表示されるので、POS端末101を使用する店員同士で確実に情報伝達を行うことができる。また、特定の店員だけに対してメモ情報を伝達することができので、不特定多数の店員に見られてしまうと不都合なメモ情報についても伝達することができる。
【0032】
なお、本実施の形態では、識別情報として責任者コードを例に示したが、これに限ることはなく、例えば、責任者コードとは異なる店員各々に固有のコードであってもよい。
【0033】
また、サインオン時に識別情報の入力を要求するのではなく、POS端末101の使用中に、表示部104に識別情報の入力を要求する画面(図示しない)を表示させて、入力された識別情報と関連付けされたメモ情報がある場合には、そのメモ情報をメモ画面301上に表示させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本実施の形態のPOS端末を示す外観斜視図である。
【図2】POS端末に備えられる各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】責任者テーブルを示す模式図である。
【図4】商品販売データ処理に際して表示部に表示される画面表示を示す模式図である。
【図5】POS端末のマイコンが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】メモ画面が拡大表示された状態の表示部の画面表示を示す模式図である。
【図7】選択指定画面が表示された状態の表示部の画面表示を示す模式図である。
【図8】メモ情報及び選択指定が確定されたメモ画面が位置大きさを復元させて表示された状態の表示部を示す模式図である。
【図9】メモ情報ファイルを示す模式図である。
【図10】サインオンに際してPOS端末のマイコンが実行する処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】責任者コードと関連付けされたメモ情報がメモ画面上に表示された状態の表示部の画面表示を示す模式図である。
【符号の説明】
【0035】
101…商品販売データ処理装置(POS端末),104…操作者用表示部(表示部),105…入力部、タッチパネル,301、301a、301b…メモ画面,T…テーブル(責任者テーブル)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を表示する操作者用表示部と、
情報を入力するための入力部と、
前記入力部の操作によってメモ情報の入力を宣言する手段と、
前記入力部の操作によってメモ情報を入力する手段と、
メモ情報を表示するためのメモ画面を前記操作者用表示部に表示させる手段と、
前記入力されたメモ情報を前記メモ画面上に表示させる手段と、
操作者を特定できる操作者情報を操作者固有の識別情報別に記憶するテーブルに予め記憶された操作者情報の中から所望の操作者情報を選択指定する手段と、
前記選択指定された操作者情報に対応する識別情報と前記入力されたメモ情報とを関連付けする手段と、
操作者に識別情報の入力を要求する手段と、
前記入力された識別情報と前記関連付けされたメモ情報を前記メモ画面上に表示させる手段と、
を備える商品販売データ処理装置。
【請求項2】
前記入力部は、前記操作者用表示部上にタッチパネルを備え、
前記メモ情報を入力する手段は、前記メモ画面の領域の前記タッチパネルの手書き入力操作によってメモ情報を入力する、
請求項1記載の商品販売データ処理装置。
【請求項3】
前記メモ情報の入力の宣言に応じて、前記メモ画面を拡大表示させる、請求項2記載の商品販売データ装置。
【請求項4】
任意の時刻と前記入力されたメモ情報とを関連付けする手段と、
前記時刻の到来を条件に、当該時刻と関連付けされたメモ情報を前記メモ画面上に表示させる手段と、
を備える請求項1ないし3記載の商品販売データ装置。
【請求項5】
所定のイベントの発生を条件に、前記メモ画面を一時的に非表示にする手段を備える、請求項1ないし4記載の商品販売データ処理装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2007−164491(P2007−164491A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−360160(P2005−360160)
【出願日】平成17年12月14日(2005.12.14)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】