説明

器具内の試料の磁気共鳴検出により器具の位置を追跡するシステムおよび方法

【目的】 被検体内のカテーテルのような器具の位置を監視するために磁気共鳴信号を用いた追跡システムを提供する。
【構成】 器具150の中にMR活性試料240を組み込む。受信コイル200または140によりMR活性試料から生じた磁気共鳴信号を検知する。これらの信号は磁界勾配が存在する状態で検出されるので、それらの信号の周波数は印加される勾配の方向に沿った試料すなわち器具の位置にほぼ比例する。追跡システムによって決定された器具の位置は、好ましくは独立に取得される医用診断画像に重ね合わされる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は器具を被検体の中に挿入する医用手順に関するものであり、更に詳しくは磁気共鳴信号を使用する、このような器具の追跡に関するものである。
【0002】
【従来の技術】診断および治療上の医用手順の間に器具の配置を監視するためにX線透視装置が日常的に使用される。従来のX線透視装置はX線線量を最小にするように設計されている。それにもかかわらず、いくつかの手順は非常に長くなることがあり、被検体に対する累積のX線線量がかなりの量になることがある。担当の医局員の長期間の被曝は更に大きな問題である。担当の医局員はこれらの手順に定期的に参加するからである。したがって、これらの手順の間のX線線量を低減するか、または無くすことが望ましい。
【0003】X線透視装置の使用のもう一つの限界はこの技術が事実上、射影的であり、単一の二次元画像が作成されるということである。操作員は視野の中の物体の深さに関する情報を得ることはできない。外科手順の間にこの情報を得ることが望ましいことがしばしばある。被検体の中の器具を追跡するために無線周波信号を使用する数個の方法が1991年9月3日出願の米国特許出願第07/753,565号、米国特許出願第07/753,563号、米国特許出願第07/753,567号ならびに米国特許出願第07/753,566号に開示されている。これらの方法はX線の使用を必要としないが、被検体の中の器具を追跡するため無線周波送信および受信装置を用いる。
【0004】現在、追跡のため既存システムに対して殆ど変形を必要とせず、X線放射を必要としない、イメージングシステムで器具を追跡する簡単な方法が必要とされている。
【0005】
【発明の概要】X線を使用しないで被検体の中に配置されたカテーテルのような器具の追跡が、磁石、パルス磁界勾配システム、無線周波送信器、無線周波受信器および制御器で構成された磁気共鳴(MR:magnetic resonance)イメージングシステムを使用して行われる。被追跡器具は、その端近くに水またはフッ素化炭化水素のようなMR活性試料、および小さな無線周波(rf:radio−frequency)コイルを取り付けることにより、修正される。被検体は磁石の内腔の中に配置され、被検体の中に器具が入れられる。MRシステムは一連の無線周波パルスおよび磁界勾配パルスを発生する。これらのパルスにより、器具の中のMR試料内の選択された核スピンからの共鳴MR応答信号が誘導される。この応答信号により、器具に取り付けられた無線周波コイルに電流が誘導される。無線周波コイルは小さいので、その感動領域は制限される。したがって、無線周波コイルのすぐ近くの核スピンだけが無線周波コイルによって検出される。受信システムは検出されたMR応答信号を受け、MR応答信号の復調、増幅、フィルタリング、およびディジタル化を行う。次に、このMR応答信号は制御器によりデータとして記憶される。互いに直交する三つの方向で、磁界勾配の順次印加の間にデータが取得される。これらの勾配により、検出される信号の周波数は印加される各勾配に沿ったMR活性試料の位置に正比例する。次に、ディジタル化されたデータをフーリエ変換で処理することにより、MR活性試料の三次元位置が計算される。次に、この位置情報を関心のある領域のMR画像上に重畳することができる。
【0006】代替実施例では、無線周波コイルを被追跡器具に取り付ける代わりに外部コイルで構成し、この外部コイルが被検体を取り囲み、器具に付着されたMR活性試料からのMR応答信号を受ける。
【0007】
【発明の目的】本発明の一つの目的は、追跡用にX線を使用しないで被検体内の器具を追跡するシステムを提供することである。本発明のもう一つの目的は、被検体の内腔内のMR活性物質の欠如による信号の喪失無しに、MR検査の間に器具を追跡する方法を提供することである。
【0008】本発明のもう一つの目的は器具の画像をもう一つの画像に重ね合わせた相互作用画像を提供することである。新規性があると考えられる本発明の特徴は特許請求の範囲に詳細に示されている。しかし、本発明による構成および動作方法、ならびに本発明の上記以外の目的および利点は付図による以下の詳細な説明により最も良く理解することができる。
【0009】
【詳しい説明】図1に示すように支持台110の上の被検体100は、磁石ハウジング120の中の磁石125が発生する均一磁界の中に配置される。磁石125および磁石ハウジング120は円筒状に対称になっており、被検体100の位置が見えるように半分を切り取って示してある。カテーテルとして示されている器具150が挿入される被検体100の領域が、磁石125の内腔のほぼ中心に配置されている。図1に見えないMR活性試料が器具150の中に含まれている。被検体100は一組の円筒形の磁界勾配コイル130によって囲まれている。磁界勾配コイル130は所定の時間に所定の強度の磁界勾配を作成する。勾配コイル130は、互いに直交する三つの方向に磁界勾配を発生する。
【0010】外部コイル140も被検体100の、関心のある領域を取り囲んでいる。図1は、被検体全体を取り囲むのに充分な直径の円筒形の外部コイルの一実施例を示す。代わりに、他の形状、たとえば頭部または手足のイメージングを行うように特別に設計された小さい円筒を使うこともできる。非円筒形の外部コイル、たとえば表面コイルを代わりに使ってもよい。外部コイル140は所定の時間に被検体100およびMR活性試料内に無線周波エネルギーを放射する。これは熟練した当業者には周知のやり方で、MR活性試料の核磁気スピンが章動する所定の周波数で、充分な電力で行われる。スピンの章動により、スピンはラーモア(Larmor)の周波数で共鳴する。各スピンに対するラーモアの周波数が、スピンの出会う磁界の強さに正比例する。磁界の強さは、磁石125が発生する静磁界と磁界勾配コイル130が発生する局部磁界との和である。
【0011】器具150は操作員160が被検体100内に挿入する。器具150はガイドワイヤ、カテーテル、内視鏡、腹腔鏡、生検針、または類似の器具とすることができる。この器具には無線周波コイルが含まれている。この無線周波コイルは、外部コイル140が作成する無線周波磁界に応答して被検体と器具内のMR活性試料の両方の中に生じるMR信号を検出する。無線周波コイルが小さいので、その感知領域も小さい。したがって、検出される信号はコイルのすぐ近くの磁界の強さからのみ生じるラーモアの周波数を有する。これらの検出された信号はイメージング追跡ユニット170へ送られ、そこで分析される。器具150の位置はイメージング追跡ユニット170で決定され、ディスプレイ手段180で表示される。本発明の好ましい実施例では、重ね合わせ手段(図示しない)による通常のMR画像上へのグラフ記号の重ね合わせにより、器具150の位置がディスプレイ手段180に表示される。本発明の代替実施例では、コンピュータ断層撮影(CT:computed tomography)スキャナ、ポジトロン放射形断層撮影システム、または超音波スキャナのような他のイメージングシステムで得られる診断画像に、器具150を表すグラフ記号が重ね合わされる。本発明の他の実施例では、器具の位置が診断画像に関係なく数値的に、またはグラフ記号として表示される。
【0012】器具150の二つの実施例が図2aおよび図2bに詳細に示されている。図2aでは、小さな無線周波コイル200が導線210および220を介してMRシステムに電気的に結合されている。器具150の中には、MR活性試料240が含まれている。MR活性試料240が適当な磁界および無線周波励起エネルギーを受けると、MR活性試料240は特定の周波数で共鳴し、MR応答信号を放出する。この信号は無線周波コイル200によって検知され、線210および220を通して図1のイメージング追跡ユニット170に与えられる。この発明の好ましい実施例では、図2aの導線210および220は同軸対を形成する。導線210および220は無線周波コイル200と一緒に器具150の外側シェル230の中に入れられている。
【0013】代替実施例では、図2bに示されるように器具150の中にはMR活性試料240だけが入っている。MR活性試料240の共鳴が生じると、MR活性試料240が放出する信号は図1のシステム内の外部コイル140によって検知される。図2aおよび図2bの実施例には、器具150の位置を決定するために使用されるMR応答信号がMR活性試料240により発生されるので、器具が被検体のMR活性領域の近くにある必要が無いという望ましい特徴がある。この実施例の付加的な利点は、化学シフト現象によって生じる検出されるスピンのラーモア周波数のわずかな差で起きるアーチファクトが、単一のMR共鳴周波数を有する物質をMR活性試料として使用することにより避け得るということである。更に、この実施例では、身体の中で自然には見出されない核種(たとえば、フッ素)を試料として使用することができる。
【0014】次に図3に示すように、スピンのラーモア周波数は磁界勾配が印加されたときのスピンの位置にほぼ比例する。勾配コイル130(図1)の中心点にあるスピンはラーモア周波数f0 で歳差運動を行う。点300でのラーモア周波数f0 は磁石125(図1)が発生する静磁界だけで決まる。位置310でのスピンはラーモア周波数f1 を有する。いる。このラーモア周波数f1 は、静磁界と磁界勾配コイル130(図1)がその位置に作る付加的な磁界との和で定められる。勾配コイル応答320はほぼ線形であるので、スピンのラーモア周波数は位置にほぼ比例する。
【0015】図2に示すように器具150に入れられた無線周波コイル200が検出するMR応答信号は、MRシステムの無線周波(rf)パルスおよび磁界勾配パルスに応答して作成される。パルスタイミングの現在好ましい実施例が図4に示されている。このタイミング図では、第一の広帯域無線周波パルス400xが図1の外部コイル140の中の試料240のすべてのスピンを励起する。第一の広帯域無線周波パルス400xのすぐ後に、所定の方向に第一の磁界勾配パルス410xが印加される。勾配パルス410xにより、スピンの磁化が位相外しされるが、その程度は印加磁界勾配(ここではX方向にあるものとして示されている)に沿ったスピンの位置に比例する。勾配パルス410の後に、2ローブ形(すなわち2つのパルス部分を持つ)磁界勾配パルスを形成するために逆極性をそなえた第二の磁界勾配パルス420xが続く。磁界勾配の大きさと勾配パルスの継続時間との積(すなわち、灰色で示された領域の面積)は第一および第二の勾配パルスに対してほぼ同一となるように選定される。第二の磁界勾配パルス420xの振幅が維持され、面積が第二のパルス420xの面積にほぼ等しい第三のパルス430xが事実上作られる。注意すべきことは、第二の勾配パルス420xと第三の勾配パルス430xは実際には単一のパルスを形成するということである。この単一のパルスは区別のみの目的で二つのパルスに分割されている。第二の勾配パルスの終わりに、試料240の中のすべてのスピンはほぼ同相になっている。第三の勾配パルス430xにより、MR信号の付加的な位相外しが行われる。
【0016】第二の勾配パルス420xと第三の勾配パルス430xの間に、データ取得信号440xにより、第一のMR応答信号450xを無線周波コイル200(図2)が受ける。MR応答信号450xはイメージング追跡ユニット170(図1)でディジタル化され、記憶される。MR応答信号450xは第二の勾配パルス420xのほぼ終わりに最大振幅を有し、またそのラーモア周波数は印加される磁界勾配の方向に沿った器具150(図1)の位置にほぼ比例している。MR応答信号450xの周波数を使用することにより、印加磁界勾配Gxの方向に平行な第一の方向で器具150(図1)の位置が測定される。
【0017】第二の広帯域無線周波パルス400yが第一のMR応答信号450xの取得の直後に印加される。第一の方向で図1の器具150の位置を決めるために使用されるやり方と同様のやり方で、第一の方向に対してほぼ垂直な第二の方向(ここではY方向として示されている)に、第四の勾配パルス410y、第五の勾配パルス420y、および第六の勾配パルス430yが印加される。第五の勾配パルス420yと第六の勾配パルス430yの期間の間に、データ取得信号440yが作成される。これにより、第二のMR応答信号450yが図1のイメージング追跡ユニット170でディジタル化され、記憶される。MR応答信号450yの検出後、第三の広帯域無線周波パルス400zが印加され、第一の方向および第二の方向に対してほぼ垂直な第三の方向(ここではZ方向として示されている)に、第七の勾配パルス410z、第八の勾配パルス420z、および第九の勾配パルス430zが印加される。第八の勾配パルス420zと第九の勾配パルス430zの期間の間に、データ取得信号440zが作成される。これにより、第三のMR応答信号450zが図1のイメージング追跡ユニット170でディジタル化され、記憶される。
【0018】第三のMR応答信号450zの検出後、器具の追跡が不要となるまで図4に示されるパルス系列全体が繰り返される。本発明のもう一つの実施例では、第三の勾配パルス430x、第六の勾配パルス430y、および第九の勾配パルス430zの継続時間を長くすることにより、次の広帯域無線周波パルスの印加前に信号の位相外しが完全に行われる。これにより、多重無線周波パルスからのスピン位相の干渉性によって生じるアーチファクトが最小になる。位相の干渉性を最小にする第二の方法は、各無線周波パルスに対してMRシステムの無線周波受信器および送信器でランダムな位相を使用するものである。
【0019】本発明の更にもう一つの実施例では、残りの勾配パルスを変えることなく第一の勾配パルス410x、第四の勾配パルス410y、および第七の勾配パルス410zの振幅や継続時間を小さくする。これにより、データ取得期間の前に各信号が出会う位相外しの量が小さくなるので、最大信号の時点はシフトするが、その周波数はシフトしない。第一の勾配パルス410x、第四の勾配パルス410y、および第七の勾配パルス410zの継続時間を短くすることにより、無線周波パルス間隔を短くできる利点がある。
【0020】図5には、検出された信号から図1の器具150の位置を決めるために図1のイメージング追跡ユニット170が実行するステップが示されている。図4に示されるパルス系列に応答して、三つの信号500x、500y、500zがMRシステムにより検出される。信号500x、500y、500zには、X方向、Y方向、およびZ方向の器具の位置についての情報がそれぞれ含まれている。この周波数情報は、データの時間依存性を周波数依存性に変換するフーリエ変換(FT:Fourier transformation)を各信号に対して施すことにより抽出される。周波数に依存するデータ組510x、510y、510zの各々には単一の最大値が含まれており、これは互いに直交する三つの方向の各方向に於けるMR活性試料の位置に対応する。各データ組の最大値の位置が抽出され、ディスプレイ手段180(図1)に送られて、操作員に提示される。
【0021】図6は、イメージングおよび器具の追跡に適したMRシステムのブロック図である。システムには制御器900が含まれており、制御器900は磁界勾配増幅器の組910に制御信号を供給する。これらの増幅器は磁石120の中に配置された磁界勾配コイル130を駆動する。勾配コイル130は、互いに直交する三つの方向に磁界勾配を発生することができる。制御器900は送信手段930に送られる信号も発生する。制御器900からのこれらの信号により、送信手段930は選択された周波数および適当な電力で無線周波パルスを発生する。これにより、磁石125の中に配置された外部コイル140内の選択されたスピンが章動する。受信手段940に接続された無線周波コイル200の中に、MR活性試料240からのMR信号が誘導される。受信手段940はMR信号の増幅、復調、フィルタリング、およびディジタル化を行うことにより、MR信号を処理する。制御器900はまた、受信手段940からの信号の収集も行う。受信手段940からの信号が計算手段950に伝えられ、そこで処理される。計算手段950は、制御器900から受けた信号にフーリエ変換を施すことにより、MR活性試料240の位置に到達する。計算手段950の計算した結果が画像ディスプレイ手段180に表示される。
【0022】本発明の好ましい実施例では、器具150の中に配置された無線周波コイル200が受信機能を行う。しかし、送信コイルと受信コイルとの間には相互性が存在し、器具150の中に配置された無線周波コイル200が無線周波エネルギーを送るために使用され、外部コイル140がMR応答信号を受けるために使用される追跡システムが可能である。
【0023】本発明のもう一つの実施例では、図7に示されるように無線周波コイル200を用いて無線周波エネルギーを交互に送信、受信することができる。制御器900はコイル200を送信器930に接続するように線901を介してスイッチ903を動作させることにより、無線周波エネルギーをMR活性試料240および被検体内に送り込む。逆に、制御器900はコイル200を受信器940に接続するようにスイッチ903を動作させることにより、MR活性試料240および被検体からのRFエネルギーを受ける。
【0024】更にもう一つの実施例では、外部コイル140を使用して、無線周波エネルギーの送信と受信を交互に行うことができる。新しいMR追跡システムのいくつかの現在好ましい実施例を詳細に説明してきたが、熟練した当業者は多数の変形および変更を考え得る。したがって、本発明の趣旨に合致するこのような変形および変更をすべて包含するように特許請求の範囲を記載してあることが理解される筈である。
【図面の簡単な説明】
【図1】被検体内の器具の位置を追跡する動作を行っているときの本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】(a)は被検体内に挿入するための医用器具に組み入れられた無線周波コイルおよびMR活性試料を示す概略図であり、(b)は被検体内に挿入するための医用器具に組み入れられたMR活性試料を示す概略図である。
【図3】磁界勾配が印加されている状態でMR共鳴周波数と単一軸に沿った位置との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第一の実施例に於ける無線周波パルス、磁界勾配パルス、データ取得および検出信号の間の関係を示すタイミング図である。
【図5】取得されたMR応答信号からMR活性試料の位置を決定するために必要なステップを示す流れ図である。
【図6】本発明による器具の追跡に適したMRイメージングシステムのブロック図である。
【図7】本発明による追跡システムのもう一つの実施例の部分ブロック図である。
【符号の説明】
100 被検体
125 磁石
130 磁界勾配コイル
140 外部コイル
150 器具
160 操作員
170 イメージング追跡ユニット
180 ディスプレイ手段
200 無線周波コイル
240 MR活性試料
900 制御器
930 送信手段
940 受信手段
950 計算手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】 被検体内の器具の位置を監視するための磁気共鳴追跡システムに於いて、(a) 上記被検体にほぼ一様な振幅の均一磁界を印加する手段、(b) 選択された継続時間、振幅および周波数の無線周波エネルギーを上記被検体内に送り込むことにより、スピンの選択された集合の章動を生じさせる無線周波送信手段、(c) 少なくとも一つの空間次元で時間とともに磁界の振幅を変える磁界変化手段、(d) 上記器具に組み入れられた磁気共鳴(MR)活性試料、(e) 上記器具に取り付けられ、スピンの選択された集合からMR応答信号を検出する検出手段、(e) 検出されたMR応答信号から上記器具の位置を計算する計算手段、(f) 送信手段、検出手段、計算手段、および磁界変化手段に結合され、送信手段、検出手段、計算手段および磁界変化手段を所望の磁気共鳴系列に従って動作させる制御手段、および(g) 計算手段に応動して上記器具の位置を操作員に対して表示するディスプレイ手段を含むことを特徴とする磁気共鳴追跡システム。
【請求項2】 被検体内に充分に存在する物質と異なる物質で上記磁気共鳴活性試料が構成されている請求項1記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項3】 更に、上記被検体の医用診断画像を取得する手段、および上記器具の計算された位置を表す位置で医用診断画像の上に記号を重ね合わせる重ね合わせ手段が含まれている請求項1記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項4】 上記検出手段が、上記器具内に設けられ、MR応答信号を受ける無線周波コイル、および無線周波コイルに結合され、受信されたMR応答信号を処理する受信手段を含んでいる請求項1記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項5】 上記器具が、ガイドワイヤ、カテーテル、内視鏡、腹腔鏡、および生検針で構成される群の中の一つである請求項1記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項6】 上記器具が外科器具である請求項1記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項7】 上記器具が治療器具である請求項1記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項8】 上記の医用診断画像を取得するための手段がX線システムである請求項3記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項9】 上記の医用診断画像を取得するための手段が磁気共鳴イメージングシステムである請求項3記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項10】 上記の医用診断画像を取得するための手段が超音波イメージングシステムである請求項3記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項11】 磁気共鳴を用いて被検体内の器具の位置を追跡する方法に於いて、(a) 上記器具に磁気共鳴(MR)活性試料を取り付けるステップ、(b) 上記被検体にほぼ一様な振幅の均一磁界を印加するステップ、(c) 選択された継続時間、振幅および周波数の無線周波エネルギーをMR活性試料および上記被検体内に送り込むことにより、上記試料内のスピンの選択された集合の章動を生じさせるステップ、(d) 少なくとも一つの空間次元で時間とともに磁界の振幅を変えることにより、MR活性試料内のスピンの集合にMR応答信号を放出させるステップ、(e) MR活性試料から放出されたMR応答信号を検出するステップ、(f) 検出されたMR応答信号を処理するステップ、(g) 処理されたMR応答信号からMR活性試料および上記器具の位置を計算するステップ、および(h) 上記器具の位置を操作員に対して表示するステップを含むことを特徴とする磁気共鳴追跡方法。
【請求項12】 更に、上記被検体の医用診断画像を取得するステップ、および上記器具の計算された位置を表す位置で医用診断画像の上に記号を重ね合わせるステップを含む請求項11記載の磁気共鳴追跡方法。
【請求項13】 上記のMR応答信号を検出するステップが上記の磁界の振幅を変えるステップと同時に行われる請求項11記載の磁気共鳴追跡方法。
【請求項14】 上記の器具の位置を計算するステップが更に、MR応答信号をフーリエ変換により時間依存性から周波数依存性に変換し、次いで周波数依存性から位置に変換するステップを含む請求項11記載の磁気共鳴追跡方法。
【請求項15】 被検体内の器具の位置を監視するための磁気共鳴追跡システムに於いて、(a) 上記被検体にほぼ一様な振幅の均一磁界を印加するための手段、(b) 上記器具に組み入れられた磁気共鳴(MR)活性試料、(c) 選択された継続時間、振幅および周波数の無線周波エネルギーを上記被検体およびMR活性試料内に送り込むことにより、MR活性試料内にスピンの選択された集合の章動を生じさせる無線周波送信手段、(d) 少なくとも一つの空間次元で時間とともに磁界の振幅を変える磁界変化手段、(e) スピンの選択された集合からMR応答信号を検出する検出手段、(f) 検出されたMR応答信号から上記器具の位置を計算する計算手段、(g) 送信手段、検出手段、計算手段および磁界変化手段に結合され、送信手段、検出手段、計算手段および磁界変化手段を所望の磁気共鳴系列に従って動作させる制御手段、および(h) 計算手段に接続され、上記器具の位置を操作員に対して表示するディスプレイ手段を含むことを特徴とする磁気共鳴追跡システム。
【請求項16】 上記無線周波送信手段が上記器具に固着されている請求項15記載の磁気共鳴追跡システム。
【請求項17】 上記検出手段が、MR応答信号を受けるために上記器具に固着された無線周波コイルを含む請求項16記載の磁気共鳴追跡システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開平6−14905
【公開日】平成6年(1994)1月25日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−71300
【出願日】平成5年(1993)3月30日
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY